JP3801950B2 - ガスセンサ及びガスセンサの故障検知装置及びガスセンサの故障検知方法 - Google Patents
ガスセンサ及びガスセンサの故障検知装置及びガスセンサの故障検知方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3801950B2 JP3801950B2 JP2002155920A JP2002155920A JP3801950B2 JP 3801950 B2 JP3801950 B2 JP 3801950B2 JP 2002155920 A JP2002155920 A JP 2002155920A JP 2002155920 A JP2002155920 A JP 2002155920A JP 3801950 B2 JP3801950 B2 JP 3801950B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- detection
- value
- gas sensor
- gas
- voltage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば接触燃焼式ガスセンサ等のガスセンサ及びガスセンサの故障検知装置及びガスセンサの故障検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平11−271256号公報に開示された接触燃焼式ガスセンサの断線・短絡検出回路のように、雰囲気温度のみに応じて抵抗値が変化する基準素子と、雰囲気温度および被検知ガスのガス濃度に応じて抵抗値が変化する検知素子とを、定電流源に対して直列に接続し、基準素子および検出素子の各電圧降下の変化に基づいて、基準素子又は検出素子の断線、基準素子の短絡、検出素子の短絡を検出する接触燃焼式ガスセンサの断線・短絡検出回路が知られている。
さらに、例えば特開2001−235441号公報に開示されたガス警報器のように、被検知ガスのガス濃度を検知する感知部と、感知部を加熱可能なヒータとを備え、被検知ガスを含む雰囲気ガスに対して安定なヒータの抵抗値あるいはヒータ電流の変化に基づいてヒータの異常または断線、つまりガスセンサの故障を判定するガス警報器が知られている。
【0003】
また、従来、例えば固体高分子膜型燃料電池は、固体高分子電解質膜を燃料極と酸素極とで両側から挟み込んで形成されたセルに対し、複数のセルを積層して構成されたスタック(以下において燃料電池と呼ぶ)を備えており、燃料極に燃料として水素が供給され、酸素極に酸化剤として空気が供給されて、燃料極で触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過して酸素極まで移動して、酸素極で酸素と電気化学反応を起こして発電するようになっている。そして、このような固体高分子膜型燃料電池等の燃料電池において、例えば特開平6−223850号公報に開示された燃料電池の保護装置のように、燃料電池の酸素極側の排出系に水素ガスを検出するガスセンサを備え、このガスセンサによって、燃料極側の水素が固体高分子電解質膜を通じて酸素極側に漏洩したことを検知したときは、燃料の供給を遮断する保護装置が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような固体高分子膜型燃料電池等の燃料電池においては、固体高分子電解質膜のイオン導電性を保つために、燃料電池に供給される反応ガス、例えば燃料としての水素や酸化剤としての酸素を含む空気等には加湿装置等によって水(加湿水)が混合されている。また、燃料電池の作動時には電気化学反応による反応生成水が生成される。
このため、上記従来技術の一例に係る燃料電池の保護装置においては、燃料電池から排出される高湿潤のオフガスによって、オフガスの流路内に配置されたガスセンサに結露が発生する場合がある。特に、上述した固体高分子膜型燃料電池は、通常作動温度が水の蒸気化温度よりも低く、オフガスは相対的に高湿度で水分量が多いガスとなって排出されるため、オフガス中の水分が結露しやすい状態となっている。
【0005】
ここで、例えば上記従来技術に係る接触燃焼式ガスセンサを燃料電池の酸素極側の排出系に備える場合等において、検出素子に加湿水や反応生成水等が付着すると、検出素子表面に局所的な温度分布の不均一が発生し、損傷や感度低下等の劣化が生じる虞がある。この場合、上述した従来技術における検出素子の断線や短絡等とは異なり、ガスセンサは適宜の検出信号を出力可能であるが、例えば燃料電池の異常等によって排出系に含まれる水素ガス量が増大しても、損傷や劣化が生じたガスセンサではこの増大に応じた適切な大きさの検出信号を出力することができなくなる。
例えば、ガスセンサから出力される検出信号が所定判定閾値を超える場合に燃料電池の異常状態であると判定するような設定おいて、感度低下が生じていないガスセンサであれば所定判定閾値を超える検出信号が出力されるような水素ガス量に対して、感度低下が生じた水素センサでは、所定判定閾値以下の検出信号が出力され、燃料電池に異常状態が発生していないと判定されてしまう場合がある。このため、上述した従来技術における検出素子の断線や短絡等のように、検出信号が出力されない場合とは異なり、適宜の検出信号が出力される場合であっても、ガスセンサに生じた損傷や劣化を確実に検知することが望まれる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、適宜のタイミングで損傷や劣化を容易かつ確実に検知することが可能なガスセンサ及びガスセンサの故障検知装置及びガスセンサの故障検知方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のガスセンサは、検出素子(例えば、実施の形態での検出素子21)と補償素子(例えば、実施の形態での温度補償素子22)との電気抵抗値の差異に基づき被検出ガスを検出可能なガスセンサであって、前記被検出ガスの作用により電気抵抗値が変化するダミー素子(例えば、実施の形態でのダミー素子23)を前記検出素子および前記補償素子に直列に接続してなる直列回路(例えば、実施の形態での直列回路29)と、前記直列回路に基準電圧を印加する基準電圧印加手段(例えば、実施の形態での基準電圧印加回路30)と、前記検出素子の端子間電圧又は前記ダミー素子の端子間電圧を検出する電圧検出手段(例えば、実施の形態での検出回路31)とを備えることを特徴としている。
【0007】
上記構成のガスセンサによれば、例えば被検出ガスの接触燃焼反応により発熱する触媒を坦持し、被検出ガスの濃度および雰囲気温度に応じて電気抵抗値が増大する検出素子と、雰囲気温度のみに応じて電気抵抗値が変化する補償素子と、例えば検出素子と同等、あるいは、例えば検出素子に比べて被検出ガスの濃度に応じた電気抵抗値の増大がより大きなダミー素子とを、例えば定電圧源等からなる基準電圧印加手段に対して直列に接続し、電圧検出手段により検出素子の端子間電圧を検出する。ここで、検出素子において、例えば損傷により被検出ガスの濃度に応じた電気抵抗値の増大が生じなくなったり、例えば感度低下等の劣化により被検出ガスの濃度に応じた電気抵抗値の増大量が所定の程度を超えて低減すると、損傷や劣化等が生じていないダミー素子での電圧降下に対して、検出素子での電圧降下が相対的に低下し、被検出ガスの濃度の増加に応じて検出素子での電圧降下つまり検出素子の端子間電圧の検出値が減少傾向に変化する。
つまり、損傷や劣化等が生じていない検出素子に対しては発生し得ない端子間電圧の変化特性により、例えば検出素子の断線や短絡等のように検出信号が出力されない場合とは異なり、検出素子に損傷や劣化等が生じ、適宜の検出信号が出力される場合であっても、検出素子に損傷や劣化等が発生したことを容易かつ確実に検出することができる。
また、同様にして、電圧検出手段によりダミー素子の端子間電圧を検出することによって、ダミー素子に損傷や劣化等が発生したことを容易かつ確実に検出することができる。
【0008】
さらに、請求項2に記載の本発明のガスセンサは、前記被検出ガスが導入されるガス検出室(例えば、実施の形態でのガス検出室17)を備え、前記検出素子および前記補償素子および前記ダミー素子を前記ガス検出室内に配置してなることを特徴としている。
上記構成のガスセンサによれば、各素子をガス検出室内に配置することによって、例えば各素子を直列に接続する際の配線構造を簡略化したり、各素子と基板等との接続に要する接続端子の端子数等の増大を抑制することができ、ガスセンサの製造に要する手間や費用を削減することができる。
【0009】
また、請求項3に記載の本発明のガスセンサの故障検知装置は、請求項1または請求項2に記載のガスセンサの故障を検知するガスセンサの故障検知装置であって、前記電圧検出手段により検出される前記端子間電圧の検出値が、所定判定値(例えば、実施の形態での故障判定値)以下か否かを判定する判定手段(例えば、実施の形態での故障判定部34)と、前記判定手段の判定結果にて前記端子間電圧の検出値が前記所定判定値以下である場合に、前記端子間電圧の前記検出値として所定出力値を出力する出力手段(例えば、実施の形態での出力切替部35)とを備えることを特徴としている。
【0010】
上記構成のガスセンサの故障検知装置によれば、検出素子において、例えば損傷により被検出ガスの濃度に応じた電気抵抗値の増大が生じなくなったり、例えば感度低下等の劣化により被検出ガスの濃度に応じた電気抵抗値の増大量が所定の程度を超えて低減すると、検出素子の端子間電圧の検出値は、例えば被検出ガスの濃度がゼロの状態での端子間電圧の検出値未満の値となり、被検出ガスの濃度の増加に応じて減少傾向に変化する。したがって、判定手段での所定判定値を、例えば被検出ガスの濃度がゼロの状態での検出素子の端子間電圧の検出値未満の値等に設定することで、検出素子に損傷や劣化等が発生したことを容易かつ確実に検出することができる。なお、被検出ガスの濃度がゼロの状態での検出素子の端子間電圧の検出値は、直列回路に印加される基準電圧と、被検出ガスの濃度がゼロの状態での検出素子及び補償素子及びダミー素子の各電気抵抗値とに基づいて算出可能であるから、判定手段での所定判定値は、これらの基準電圧と被検出ガスの濃度がゼロの状態での各素子の電気抵抗値とによって増減する値としてもよい。
しかも、判定手段での判定結果において検出素子の端子間電圧の検出値が所定判定値以下である場合には、単に、この検出値を出力する代わりに、例えば損傷や劣化等の生じていない検出素子の端子間電圧の検出値に対する出力レンジを逸脱するような所定出力値を出力することによって、被検出ガスのガス濃度を誤検知してしまうことを防止して、ガスセンサの故障検知を確実に行うことができる。
【0011】
また、請求項4に記載の本発明のガスセンサの故障検知方法は、互いの電気抵抗値の差異に基づき被検出ガスを検出可能な検出素子(例えば、実施の形態での検出素子21)および補償素子(例えば、実施の形態での温度補償素子22)と、前記被検出ガスの作用により電気抵抗値が変化するダミー素子(例えば、実施の形態でのダミー素子23)とを、直列に接続してなる直列回路(例えば、実施の形態での直列回路29)に基準電圧を印加し、前記検出素子の端子間電圧又は前記ダミー素子の端子間電圧の検出値が、所定判定値(例えば、実施の形態での故障判定値)以下か否かを判定し(例えば、実施の形態でのステップS02)、前記端子間電圧の前記検出値が前記所定判定値以下である場合に、前記端子間電圧の前記検出値として所定出力値を出力する(例えば、実施の形態でのステップS04)ことを特徴としている。
【0012】
上記のガスセンサの故障検知方法によれば、所定判定値を、例えば被検出ガスの濃度がゼロの状態での検出素子の端子間電圧の検出値未満の値等に設定することで、検出素子に損傷や劣化等が発生したことを容易かつ確実に検出することができる。しかも、検出素子の端子間電圧の検出値が所定判定値以下である場合には、単に、この検出値を出力する代わりに、例えば損傷や劣化等の生じていない検出素子の端子間電圧の検出値に対する出力レンジを逸脱するような所定出力値を出力することによって、被検出ガスのガス濃度を誤検知してしまうことを防止して、ガスセンサの故障検知を確実に行うことができる。
また、同様にして、ダミー素子の端子間電圧の検出値が所定判定値以下か否かの判定結果に応じて、この検出値に対する出力レンジを逸脱するような所定出力値を出力することによって、ダミー素子の損傷や劣化等に対するガスセンサの故障検知を確実に行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係るガスセンサ及びガスセンサの故障検知装置について添付図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係るガスセンサ1は、例えば水素を検出する水素センサをなし、図1に示すように、制御装置2と、記憶装置3と、警報装置4と、燃料電池5と、燃料電池5に接続された各配管6,7,8,9とを備える燃料電池システム10において、酸素極側の出口側配管9に設けられ、この出口側配管9から水素が排出されていないことを確認するためのものである。
制御装置2は、酸素極側の出口側配管9に取り付けられたガスセンサ1に接続され、例えば、ガスセンサ1から出力される検出信号と、記憶装置3に格納されている所定の判定閾値との比較結果に応じて、燃料電池5の異常状態が発生しているか否かを判定し、異常状態であると判定した際には、警報装置4によって警報等を出力する。ここで、記憶装置3は、燃料電池5の作動状態、例えば極間差圧や作動圧力等に応じた、ガスセンサ1の検出値に対する所定の判定閾値のマップ等を記憶している。
【0014】
燃料電池5は、例えば電気自動車等の動力源として車両に搭載されており、例えば陽イオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜を燃料極と酸素極で挟持した電解質電極構造体を、更に一対のセパレータで挟持してなる燃料電池セル(図示略)を多数組積層して構成されている。
燃料極に入口側配管6から供給された水素などの燃料ガスは、燃料極の触媒電極上で水素がイオン化され、適度に加湿された固体高分子電解質膜を介して酸素極へと移動する、その間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。酸素極には、例えば、酸素などの酸化剤ガスあるいは空気が入口側配管7を介して供給されているために、この酸素極において、水素イオン、電子及び酸素が反応して水が生成される。そして、燃料極側、酸素極側共に出口側配管8、9から反応済みのいわゆるオフガスが系外に排出される。
【0015】
ここで、酸素極側の出口側配管9には、その鉛直方向上部にガス接触燃焼式の水素センサをなすガスセンサ1が取り付けられ、このガスセンサ1により酸素極側の出口側配管9内を流通するオフガス中の水素を検知できるようになっている。
例えば図2および図3に示すように、ガスセンサ1は出口側配管9の長手方向等に沿って長い直方形状のケース11を備えている。ケース11は、例えばポリフェニレンサルファイド製であって、長手方向両端部にフランジ部12を備えている。フランジ部12にはカラー13を取り付けてあり、このカラー13内にボルト14を挿入して、前記出口側配管9の取付座9aに締め付け固定されるようになっている。
ケース11の下面には、出口側配管9の貫通孔9bに外側から挿通される筒状部15が形成されている。ケース11内には樹脂で封止された回路基板16が設けられている。筒状部15の内部はガス検出室17として形成され、ガス検出室17の出口側配管9の内部側面には、内側に向かってフランジ部18が形成され、フランジ部18の内周部分がガス導入部19として開口形成されている。
【0016】
また、筒状部15の外周面にはシール材20が取り付けられ、出口側配管9の貫通孔9bの内周壁に密接して気密性を確保している。そして、例えば図2に示すように、この筒状部15の内部に検出素子21と温度補償素子22とダミー素子23が装着されている。
例えば図4に示すように、各素子21,22,23は回路基板9に接続された複数、例えば6個のピン24によりベース25から一定距離の高さに配置されており、例えば検出素子21を水平方向で挟み込むようにして温度補償素子22およびダミー素子23が配置されている。
【0017】
検出素子21は周知の素子であって、例えば図5に示すように、電気抵抗に対する温度係数が高い白金等を含む金属線のコイル26の表面を、被検出ガスとされる水素に対して活性な貴金属等からなる触媒27を坦持するアルミナ等の坦体で被覆されて形成されている。
温度補償素子22は、被検出ガスに対して不活性とされ、例えば検出素子21と同等のコイル26を備えて構成されている。
そして、被検出ガスである水素が検出素子21の触媒27に接触した際に生じる燃焼反応の発熱により高温となった検出素子21と、被検出ガスによる燃焼反応が発生せず雰囲気温度下の温度補償素子22との間に電気抵抗値の差が生ずることを利用し、雰囲気温度による電気抵抗値の変化分を相殺して水素濃度を検出することができるようになっている。
【0018】
また、ダミー素子23は、例えば検出素子21と同等に形成されている。
各素子21,22,23は互いに直列に接続されて直列回路29をなし、この直列回路29には、所定の基準電圧を印加する基準電圧印加回路30が接続されている。
さらに、検出素子21の端子間電圧を検出する検出回路31が検出素子21と並列に接続されており、この検出回路31にて検出される検出素子21の端子間電圧の検出値は、例えば制御回路32に入力されており、この制御回路32を介して出力回路33が接続されている。
なお、本実施の形態に係るガスセンサの故障検知装置1aは、例えば、ガスセンサ1と、基準電圧印加回路30と、検出回路31と、制御回路32と、出力回路33とを備えて構成されている。
【0019】
制御回路22は、例えば故障判定部34と、出力切替部35とを備えて構成されている。
故障判定部34は、検出回路31から出力される検出素子21の端子間電圧の検出値が、基準電圧印加回路30により直列回路29に印加される所定の基準電圧に応じて設定される所定の故障判定値以下か否かを判定する。そして、この判定結果において、検出値が所定の故障判定値以下である場合には、ガスセンサ1が故障していると判断し、後述する出力切替を指示する指令信号を出力切替部35へ出力する。一方、この判定結果において、検出値が所定の故障判定値よりも大きい場合には、ガスセンサ1は正常であると判断する。
出力切替部35は、故障判定部34から出力切替を指示する指令信号が入力されている場合には、検出回路31から入力される検出素子21の端子間電圧の検出値の代わりに所定出力値を出力回路33へ出力する。一方、故障判定部34から出力切替を指示する指令信号が入力されていない場合には、検出回路31から入力される検出値を出力回路33へ出力する。
出力回路33は、出力切替部35から入力された端子間電圧の検出値あるいは所定出力値を、出力電圧値としてガスセンサ1の外部、例えば制御装置2等へ出力する。
【0020】
本実施の形態によるガスセンサ1及びガスセンサの故障検知装置1aは上記構成を備えており、次に、ガスセンサ1及びガスセンサの故障検知装置1aの動作について説明する。
水素濃度の増大に応じて電気抵抗値が増大する検出素子21およびダミー素子23と、温度補償素子22とを互いに直列に接続し、直列回路29に所定の基準電圧を印加することにより、検出素子21の端子間電圧は、例えば図6に示す実線Aのように、適宜の検出下限閾濃度d1に対して直列回路29に印加される所定の基準電圧に応じて設定される正常時下限端子間電圧V1を始点として、水素濃度の増大に伴い増加傾向に変化する。この場合、ダミー素子23の端子間電圧も検出素子21の端子間電圧と同等の変化を示す。
ここで、例えばダミー素子23の表面に水分が付着する等によって、ダミー素子23の損傷や感度低下等の劣化が生じると、ダミー素子23での電圧降下が減少することに伴い、検出素子21での電圧降下が増大し、例えば図6に示す実線Bのように、水素濃度の増大に応じた検出素子21の端子間電圧の変化量が増大する。
一方、例えば検出素子21の表面に水分が付着する等によって、例えば触媒27を坦持する坦体の損傷や破損等が生じ、水素濃度の増大に応じた電気抵抗値の増大が生じなくなったり、例えば感度低下等の劣化により水素濃度の増大に応じた電気抵抗値の増大量が所定の程度を超えて低減すると、検出素子21での電圧降下が減少することに伴い、ダミー素子23での電圧降下が増大し、検出素子21の端子間電圧は、例えば図6に示す実線Cのように、適宜の検出下限閾濃度d1における正常時下限端子間電圧V1を始点として、水素濃度の増大に伴い減少傾向に変化する。すなわち、この場合、検出素子21の端子間電圧は、検出素子21の異常状態において特有な変化特性を示す。
従って、例えば正常時下限端子間電圧V1よりも僅かに小さな値を、故障判定部34における所定の故障判定値として設定することにより、検出素子21に損傷や破損や劣化等の異常が発生したか否かを容易かつ確実に検出することができる。
【0021】
以下に、ガスセンサ1の故障検知方法について添付図面を参照しながら説明する。
先ず、図7に示すステップS01においては、検出回路31により検出される検出素子21の端子間電圧の検出値を取得する。
次に、ステップS02においては、取得した検出値が所定の故障判定値以下か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS03に進み、取得した検出値を正常時出力電圧としてガスセンサ1の外部、例えば制御装置2等へ出力し、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS04に進み、取得した検出値の代わりに、所定出力値を故障時出力電圧としてガスセンサ1の外部、例えば制御装置2等へ出力し、一連の処理を終了する。
ここで、故障時出力電圧値として出力される所定出力値は、例えば図6に示す正常時下限端子間電圧V1未満の値又は適宜の検出上限閾濃度d2に対して直列回路29に印加される所定の基準電圧に応じて設定される正常時上限端子間電圧V2を超える値等のように、正常状態の検出素子21の端子間電圧としては検出されることのない値、つまり検出素子21の異常状態において特有な値とされている。
【0022】
以下に、上述した本実施の形態に係るガスセンサ1及びガスセンサの故障検知装置1aにおいて、水素濃度の変化に応じた検出素子21の端子間電圧の検出値の変化を算出したシミュレーションの結果について説明する。
ここで、上述した本実施の形態のガスセンサ1において、ガスセンサ1が正常状態である場合を実施例1とし、例えば検出素子21の触媒27を坦持する坦体の損傷や破損等により水素濃度の増大に応じた電気抵抗値の増大が生じなくなったり、例えば感度低下等の劣化により水素濃度の増大に応じた電気抵抗値の増大量が所定の程度を超えて低減した場合を実施例2とし、ダミー素子23の損傷や破損や感度低下等の劣化が生じた場合を実施例3とした。
また、上述した本実施の形態のガスセンサ1においてダミー素子23を省略した状態にて、検出素子21が正常状態である場合を比較例1とし、検出素子21の損傷や破損や感度低下等の劣化が生じた場合を比較例2とした。
結果を図8に示す。なお、図8において、検出素子21の端子間電圧の検出値は、水素濃度がゼロのときの検出値を「1」とした相対値である。
【0023】
図8に示すように、ガスセンサ1が正常状態である実施例1に対して、検出素子21の破損や損傷や劣化が生じた実施例2では、水素濃度の増大に伴い端子間電圧の検出値が減少傾向に変化するという特有の変化特性を示すことから、検出素子21の異常状態を確実に検知することができる。これに対して、検出素子21が正常状態である比較例1と、検出素子21の損傷や破損や感度低下等の劣化が生じた比較例2とは、水素濃度の増大に伴い端子間電圧の検出値が増大傾向に変化するという共通の変化特性を示すことから、例えば検出素子21に異常状態が発生した場合であっても、水素濃度の低下が生じた場合と区別することができない。
また、ダミー素子23の損傷や破損や感度低下等の劣化が生じた実施例3では、正常状態の検出素子21の端子間電圧としては検出されることのない大きな値の検出値が得られる場合があり、単に、水素濃度の増大が生じた場合と区別することが可能である。また、この実施例3では、水素濃度の所定増大変化あたりに対する検出素子21の端子間電圧の増大変化量(つまり、図8に示す端子間電圧の検出値の水素濃度に対する勾配)が、ガスセンサ1が正常状態である実施例1に比べてより大きくなる。従って、水素濃度の変化に応じた端子間電圧の検出値の変化に基づいて、ダミー素子23に異常が発生したか否かを判定することができる。
【0024】
上述したように、本実施の形態によるガスセンサ1によれば、検出素子21および温度補償素子22およびダミー素子23を互いに直列に接続し、直列回路29に所定の基準電圧を印加した状態にて検出素子21の端子間電圧の変化を検出することにより、検出素子21の損傷や破損や感度低下等の劣化が生じた場合には、この異常状態において特有の変化特性を検知することができ、検出素子21に異常状態が発生したか否かを確実に判定することができる。
さらに、本実施の形態によるガスセンサの故障検知装置1aによれば、故障判定部34での所定の故障判定値を、例えば適宜の検出下限閾濃度d1に対して直列回路29に印加される所定の基準電圧に応じて設定される正常時下限端子間電圧V1よりも僅かに小さな値に設定することで、検出素子21に損傷や破損や感度低下等の劣化が発生したことを容易かつ確実に検知することができる。
しかも、検出素子21の端子間電圧の検出値が所定の故障判定値以下である場合には、単に、この検出値を出力する代わりに、例えば正常状態の検出素子21の端子間電圧としては検出されることのない値、つまり検出素子21の異常状態において特有な値を出力することによって、水素濃度を誤検知してしまうことを防止して、ガスセンサ1の故障検知を確実に行うことができる。
また、本実施の形態によるガスセンサの故障検知方法によれば、検出素子21に損傷や破損や感度低下等の劣化が発生したことを容易かつ確実に検知することができると共に、水素濃度を誤検知してしまうことを防止して、ガスセンサ1の故障検知を確実に行うことができる。
【0025】
なお、上述した本実施の形態においては、検出素子21の端子間電圧を検出する検出回路31を備え、検出回路31から出力される検出素子21の端子間電圧の検出値が所定の故障判定値以下か否かを判定するとしたが、これに限定されず、例えばダミー素子23の端子間電圧を検出する検出回路を備え、この検出回路から出力されるダミー素子23の端子間電圧の検出値が所定の故障判定値以下か否かを判定してもよい。
【0026】
なお、上述した本実施の形態においては、各素子21,22,23毎に2個のピン24を介してベース25に配置するとしたが、これに限定されず、例えば図9に示す本実施形態のガスセンサ1の第1変形例に係る各素子21,22,23のように、例えばベース25内や回路基板16において各素子21,22,23を直列に接続する代わりに、複数、例えば4個のピン24を介して各素子21,22,23を直列に接続してもよい。この場合には、ガスセンサ1の構成に要するピン24の個数を削減することができる。
【0027】
また、上述した本実施の形態においては、ダミー素子23を検出素子21と同等としたが、これに限定されず、例えば図10に示す本実施形態のガスセンサ1の第2変形例に係る各素子21,22,23の水素濃度の変化に応じた電気抵抗値の変化を示すグラフ図のように、ダミー素子23は検出素子21とは異なる変化特性、例えば水素濃度の増大に伴い検出素子21よりも電気抵抗値が増大する特性等を示すものであってもよい。
【0028】
また、上述した本実施の形態においては、出力切替部35を省略してもよい。この場合には、例えば図11に示す本実施形態のガスセンサの故障検知装置1aの変形例のように、検出回路31に接続される出力回路33に加えて、故障判定部34に接続される故障信号出力回路41を備える。ここで、故障信号出力回路41は、故障判定部34での判定結果において、検出値が所定の故障判定値以下である場合には、ガスセンサ1が故障していることを示す故障信号をガスセンサ1の外部、例えば制御装置2等へ出力する。一方、故障判定部34での判定結果において、検出値が所定の故障判定値よりも大きい場合には、ガスセンサ1は正常であることを示す故障信号をガスセンサ1の外部、例えば制御装置2等へ出力する。
以下に、この変形例に係るガスセンサの故障検知装置1aの動作について説明する。
先ず、図12に示すステップS11においては、検出回路31により検出される検出素子21の端子間電圧の検出値を取得する。
次に、ステップS12においては、取得した検出値が所定の故障判定値以下か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS13に進み、正常信号を出力し、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS14に進み、故障信号を出力し、一連の処理を終了する。
【0029】
なお、上述した本実施の形態においては、出力回路33から出力される信号に基づいて水素濃度を検出してもよいし、検出素子21と温度補償素子22とを備えて構成される周知のブリッジ回路にて検出される電圧値に基づいて水素濃度を検出する構成を備えてもよい。
【0030】
なお、上述した本実施の形態において、ガスセンサ1を水素センサとしたが、これに限定されず、その他のガス、例えば一酸化炭素やメタン等の可燃性ガスを検出するガスセンサであってもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明のガスセンサによれば、例えば検出素子の断線や短絡等のように検出信号が出力されない場合とは異なり、検出素子に損傷や劣化等が生じ、適宜の検出信号が出力される場合であっても、検出素子に損傷や劣化等が発生したことを容易かつ確実に検出することができる。
さらに、請求項2に記載の本発明のガスセンサによれば、各素子をガス検出室内に配置することによって、例えば各素子を直列に接続する際の配線構造を簡略化したり、各素子と基板等との接続に要する接続端子の端子数の増大を抑制することができ、ガスセンサの製造に要する手間や費用を削減することができる。
【0032】
また、請求項3に記載の本発明のガスセンサの故障検知装置によれば、検出素子に損傷や破損や感度低下等の劣化が発生したことを容易かつ確実に検知することができると共に、水素濃度を誤検知してしまうことを防止して、ガスセンサの故障検知を確実に行うことができる。
また、請求項4に記載の本発明のガスセンサの故障検知方法によれば、検出素子に損傷や破損や感度低下等の劣化が発生したことを容易かつ確実に検知することができると共に、水素濃度を誤検知してしまうことを防止して、ガスセンサの故障検知を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るガスセンサを備える燃料電池システムの構成図である。
【図2】 図1に示すガスセンサの平面図である。
【図3】 図2に示すA−A線に沿う概略断面図である。
【図4】 各素子を示す斜視図である。
【図5】 本発明の一実施形態に係るガスセンサの故障検知装置の構成図である。
【図6】 水素濃度に応じた検出素子の端子間電圧の変化を示すグラフ図である。
【図7】 本発明の一実施形態に係るガスセンサの故障検知方法の処理を示すフローチャートである。
【図8】 水素濃度に応じた検出素子の端子間電圧の検出値の変化を示すグラフ図である。
【図9】 本実施形態のガスセンサの第1変形例に係る各素子を示す斜視図である。
【図10】 本実施形態のガスセンサの第2変形例に係る各素子の水素濃度に応じた電気抵抗値の変化を示すグラフ図である。
【図11】 本実施形態のガスセンサの故障検知装置の変形例を示す構成図である。
【図12】 本実施形態の変形例に係るガスセンサの故障検知方法の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ガスセンサ
1a ガスセンサの故障検知装置
17 ガス検出室
21 検出素子
22 温度補償素子(補償素子)
23 ダミー素子
29 直列回路
30 基準電圧印加回路(基準電圧印加手段)
31 検出回路(電圧検出手段)
34 故障判定部(判定手段)
35 出力切替部(出力手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば接触燃焼式ガスセンサ等のガスセンサ及びガスセンサの故障検知装置及びガスセンサの故障検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平11−271256号公報に開示された接触燃焼式ガスセンサの断線・短絡検出回路のように、雰囲気温度のみに応じて抵抗値が変化する基準素子と、雰囲気温度および被検知ガスのガス濃度に応じて抵抗値が変化する検知素子とを、定電流源に対して直列に接続し、基準素子および検出素子の各電圧降下の変化に基づいて、基準素子又は検出素子の断線、基準素子の短絡、検出素子の短絡を検出する接触燃焼式ガスセンサの断線・短絡検出回路が知られている。
さらに、例えば特開2001−235441号公報に開示されたガス警報器のように、被検知ガスのガス濃度を検知する感知部と、感知部を加熱可能なヒータとを備え、被検知ガスを含む雰囲気ガスに対して安定なヒータの抵抗値あるいはヒータ電流の変化に基づいてヒータの異常または断線、つまりガスセンサの故障を判定するガス警報器が知られている。
【0003】
また、従来、例えば固体高分子膜型燃料電池は、固体高分子電解質膜を燃料極と酸素極とで両側から挟み込んで形成されたセルに対し、複数のセルを積層して構成されたスタック(以下において燃料電池と呼ぶ)を備えており、燃料極に燃料として水素が供給され、酸素極に酸化剤として空気が供給されて、燃料極で触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過して酸素極まで移動して、酸素極で酸素と電気化学反応を起こして発電するようになっている。そして、このような固体高分子膜型燃料電池等の燃料電池において、例えば特開平6−223850号公報に開示された燃料電池の保護装置のように、燃料電池の酸素極側の排出系に水素ガスを検出するガスセンサを備え、このガスセンサによって、燃料極側の水素が固体高分子電解質膜を通じて酸素極側に漏洩したことを検知したときは、燃料の供給を遮断する保護装置が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような固体高分子膜型燃料電池等の燃料電池においては、固体高分子電解質膜のイオン導電性を保つために、燃料電池に供給される反応ガス、例えば燃料としての水素や酸化剤としての酸素を含む空気等には加湿装置等によって水(加湿水)が混合されている。また、燃料電池の作動時には電気化学反応による反応生成水が生成される。
このため、上記従来技術の一例に係る燃料電池の保護装置においては、燃料電池から排出される高湿潤のオフガスによって、オフガスの流路内に配置されたガスセンサに結露が発生する場合がある。特に、上述した固体高分子膜型燃料電池は、通常作動温度が水の蒸気化温度よりも低く、オフガスは相対的に高湿度で水分量が多いガスとなって排出されるため、オフガス中の水分が結露しやすい状態となっている。
【0005】
ここで、例えば上記従来技術に係る接触燃焼式ガスセンサを燃料電池の酸素極側の排出系に備える場合等において、検出素子に加湿水や反応生成水等が付着すると、検出素子表面に局所的な温度分布の不均一が発生し、損傷や感度低下等の劣化が生じる虞がある。この場合、上述した従来技術における検出素子の断線や短絡等とは異なり、ガスセンサは適宜の検出信号を出力可能であるが、例えば燃料電池の異常等によって排出系に含まれる水素ガス量が増大しても、損傷や劣化が生じたガスセンサではこの増大に応じた適切な大きさの検出信号を出力することができなくなる。
例えば、ガスセンサから出力される検出信号が所定判定閾値を超える場合に燃料電池の異常状態であると判定するような設定おいて、感度低下が生じていないガスセンサであれば所定判定閾値を超える検出信号が出力されるような水素ガス量に対して、感度低下が生じた水素センサでは、所定判定閾値以下の検出信号が出力され、燃料電池に異常状態が発生していないと判定されてしまう場合がある。このため、上述した従来技術における検出素子の断線や短絡等のように、検出信号が出力されない場合とは異なり、適宜の検出信号が出力される場合であっても、ガスセンサに生じた損傷や劣化を確実に検知することが望まれる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、適宜のタイミングで損傷や劣化を容易かつ確実に検知することが可能なガスセンサ及びガスセンサの故障検知装置及びガスセンサの故障検知方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のガスセンサは、検出素子(例えば、実施の形態での検出素子21)と補償素子(例えば、実施の形態での温度補償素子22)との電気抵抗値の差異に基づき被検出ガスを検出可能なガスセンサであって、前記被検出ガスの作用により電気抵抗値が変化するダミー素子(例えば、実施の形態でのダミー素子23)を前記検出素子および前記補償素子に直列に接続してなる直列回路(例えば、実施の形態での直列回路29)と、前記直列回路に基準電圧を印加する基準電圧印加手段(例えば、実施の形態での基準電圧印加回路30)と、前記検出素子の端子間電圧又は前記ダミー素子の端子間電圧を検出する電圧検出手段(例えば、実施の形態での検出回路31)とを備えることを特徴としている。
【0007】
上記構成のガスセンサによれば、例えば被検出ガスの接触燃焼反応により発熱する触媒を坦持し、被検出ガスの濃度および雰囲気温度に応じて電気抵抗値が増大する検出素子と、雰囲気温度のみに応じて電気抵抗値が変化する補償素子と、例えば検出素子と同等、あるいは、例えば検出素子に比べて被検出ガスの濃度に応じた電気抵抗値の増大がより大きなダミー素子とを、例えば定電圧源等からなる基準電圧印加手段に対して直列に接続し、電圧検出手段により検出素子の端子間電圧を検出する。ここで、検出素子において、例えば損傷により被検出ガスの濃度に応じた電気抵抗値の増大が生じなくなったり、例えば感度低下等の劣化により被検出ガスの濃度に応じた電気抵抗値の増大量が所定の程度を超えて低減すると、損傷や劣化等が生じていないダミー素子での電圧降下に対して、検出素子での電圧降下が相対的に低下し、被検出ガスの濃度の増加に応じて検出素子での電圧降下つまり検出素子の端子間電圧の検出値が減少傾向に変化する。
つまり、損傷や劣化等が生じていない検出素子に対しては発生し得ない端子間電圧の変化特性により、例えば検出素子の断線や短絡等のように検出信号が出力されない場合とは異なり、検出素子に損傷や劣化等が生じ、適宜の検出信号が出力される場合であっても、検出素子に損傷や劣化等が発生したことを容易かつ確実に検出することができる。
また、同様にして、電圧検出手段によりダミー素子の端子間電圧を検出することによって、ダミー素子に損傷や劣化等が発生したことを容易かつ確実に検出することができる。
【0008】
さらに、請求項2に記載の本発明のガスセンサは、前記被検出ガスが導入されるガス検出室(例えば、実施の形態でのガス検出室17)を備え、前記検出素子および前記補償素子および前記ダミー素子を前記ガス検出室内に配置してなることを特徴としている。
上記構成のガスセンサによれば、各素子をガス検出室内に配置することによって、例えば各素子を直列に接続する際の配線構造を簡略化したり、各素子と基板等との接続に要する接続端子の端子数等の増大を抑制することができ、ガスセンサの製造に要する手間や費用を削減することができる。
【0009】
また、請求項3に記載の本発明のガスセンサの故障検知装置は、請求項1または請求項2に記載のガスセンサの故障を検知するガスセンサの故障検知装置であって、前記電圧検出手段により検出される前記端子間電圧の検出値が、所定判定値(例えば、実施の形態での故障判定値)以下か否かを判定する判定手段(例えば、実施の形態での故障判定部34)と、前記判定手段の判定結果にて前記端子間電圧の検出値が前記所定判定値以下である場合に、前記端子間電圧の前記検出値として所定出力値を出力する出力手段(例えば、実施の形態での出力切替部35)とを備えることを特徴としている。
【0010】
上記構成のガスセンサの故障検知装置によれば、検出素子において、例えば損傷により被検出ガスの濃度に応じた電気抵抗値の増大が生じなくなったり、例えば感度低下等の劣化により被検出ガスの濃度に応じた電気抵抗値の増大量が所定の程度を超えて低減すると、検出素子の端子間電圧の検出値は、例えば被検出ガスの濃度がゼロの状態での端子間電圧の検出値未満の値となり、被検出ガスの濃度の増加に応じて減少傾向に変化する。したがって、判定手段での所定判定値を、例えば被検出ガスの濃度がゼロの状態での検出素子の端子間電圧の検出値未満の値等に設定することで、検出素子に損傷や劣化等が発生したことを容易かつ確実に検出することができる。なお、被検出ガスの濃度がゼロの状態での検出素子の端子間電圧の検出値は、直列回路に印加される基準電圧と、被検出ガスの濃度がゼロの状態での検出素子及び補償素子及びダミー素子の各電気抵抗値とに基づいて算出可能であるから、判定手段での所定判定値は、これらの基準電圧と被検出ガスの濃度がゼロの状態での各素子の電気抵抗値とによって増減する値としてもよい。
しかも、判定手段での判定結果において検出素子の端子間電圧の検出値が所定判定値以下である場合には、単に、この検出値を出力する代わりに、例えば損傷や劣化等の生じていない検出素子の端子間電圧の検出値に対する出力レンジを逸脱するような所定出力値を出力することによって、被検出ガスのガス濃度を誤検知してしまうことを防止して、ガスセンサの故障検知を確実に行うことができる。
【0011】
また、請求項4に記載の本発明のガスセンサの故障検知方法は、互いの電気抵抗値の差異に基づき被検出ガスを検出可能な検出素子(例えば、実施の形態での検出素子21)および補償素子(例えば、実施の形態での温度補償素子22)と、前記被検出ガスの作用により電気抵抗値が変化するダミー素子(例えば、実施の形態でのダミー素子23)とを、直列に接続してなる直列回路(例えば、実施の形態での直列回路29)に基準電圧を印加し、前記検出素子の端子間電圧又は前記ダミー素子の端子間電圧の検出値が、所定判定値(例えば、実施の形態での故障判定値)以下か否かを判定し(例えば、実施の形態でのステップS02)、前記端子間電圧の前記検出値が前記所定判定値以下である場合に、前記端子間電圧の前記検出値として所定出力値を出力する(例えば、実施の形態でのステップS04)ことを特徴としている。
【0012】
上記のガスセンサの故障検知方法によれば、所定判定値を、例えば被検出ガスの濃度がゼロの状態での検出素子の端子間電圧の検出値未満の値等に設定することで、検出素子に損傷や劣化等が発生したことを容易かつ確実に検出することができる。しかも、検出素子の端子間電圧の検出値が所定判定値以下である場合には、単に、この検出値を出力する代わりに、例えば損傷や劣化等の生じていない検出素子の端子間電圧の検出値に対する出力レンジを逸脱するような所定出力値を出力することによって、被検出ガスのガス濃度を誤検知してしまうことを防止して、ガスセンサの故障検知を確実に行うことができる。
また、同様にして、ダミー素子の端子間電圧の検出値が所定判定値以下か否かの判定結果に応じて、この検出値に対する出力レンジを逸脱するような所定出力値を出力することによって、ダミー素子の損傷や劣化等に対するガスセンサの故障検知を確実に行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係るガスセンサ及びガスセンサの故障検知装置について添付図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係るガスセンサ1は、例えば水素を検出する水素センサをなし、図1に示すように、制御装置2と、記憶装置3と、警報装置4と、燃料電池5と、燃料電池5に接続された各配管6,7,8,9とを備える燃料電池システム10において、酸素極側の出口側配管9に設けられ、この出口側配管9から水素が排出されていないことを確認するためのものである。
制御装置2は、酸素極側の出口側配管9に取り付けられたガスセンサ1に接続され、例えば、ガスセンサ1から出力される検出信号と、記憶装置3に格納されている所定の判定閾値との比較結果に応じて、燃料電池5の異常状態が発生しているか否かを判定し、異常状態であると判定した際には、警報装置4によって警報等を出力する。ここで、記憶装置3は、燃料電池5の作動状態、例えば極間差圧や作動圧力等に応じた、ガスセンサ1の検出値に対する所定の判定閾値のマップ等を記憶している。
【0014】
燃料電池5は、例えば電気自動車等の動力源として車両に搭載されており、例えば陽イオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜を燃料極と酸素極で挟持した電解質電極構造体を、更に一対のセパレータで挟持してなる燃料電池セル(図示略)を多数組積層して構成されている。
燃料極に入口側配管6から供給された水素などの燃料ガスは、燃料極の触媒電極上で水素がイオン化され、適度に加湿された固体高分子電解質膜を介して酸素極へと移動する、その間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。酸素極には、例えば、酸素などの酸化剤ガスあるいは空気が入口側配管7を介して供給されているために、この酸素極において、水素イオン、電子及び酸素が反応して水が生成される。そして、燃料極側、酸素極側共に出口側配管8、9から反応済みのいわゆるオフガスが系外に排出される。
【0015】
ここで、酸素極側の出口側配管9には、その鉛直方向上部にガス接触燃焼式の水素センサをなすガスセンサ1が取り付けられ、このガスセンサ1により酸素極側の出口側配管9内を流通するオフガス中の水素を検知できるようになっている。
例えば図2および図3に示すように、ガスセンサ1は出口側配管9の長手方向等に沿って長い直方形状のケース11を備えている。ケース11は、例えばポリフェニレンサルファイド製であって、長手方向両端部にフランジ部12を備えている。フランジ部12にはカラー13を取り付けてあり、このカラー13内にボルト14を挿入して、前記出口側配管9の取付座9aに締め付け固定されるようになっている。
ケース11の下面には、出口側配管9の貫通孔9bに外側から挿通される筒状部15が形成されている。ケース11内には樹脂で封止された回路基板16が設けられている。筒状部15の内部はガス検出室17として形成され、ガス検出室17の出口側配管9の内部側面には、内側に向かってフランジ部18が形成され、フランジ部18の内周部分がガス導入部19として開口形成されている。
【0016】
また、筒状部15の外周面にはシール材20が取り付けられ、出口側配管9の貫通孔9bの内周壁に密接して気密性を確保している。そして、例えば図2に示すように、この筒状部15の内部に検出素子21と温度補償素子22とダミー素子23が装着されている。
例えば図4に示すように、各素子21,22,23は回路基板9に接続された複数、例えば6個のピン24によりベース25から一定距離の高さに配置されており、例えば検出素子21を水平方向で挟み込むようにして温度補償素子22およびダミー素子23が配置されている。
【0017】
検出素子21は周知の素子であって、例えば図5に示すように、電気抵抗に対する温度係数が高い白金等を含む金属線のコイル26の表面を、被検出ガスとされる水素に対して活性な貴金属等からなる触媒27を坦持するアルミナ等の坦体で被覆されて形成されている。
温度補償素子22は、被検出ガスに対して不活性とされ、例えば検出素子21と同等のコイル26を備えて構成されている。
そして、被検出ガスである水素が検出素子21の触媒27に接触した際に生じる燃焼反応の発熱により高温となった検出素子21と、被検出ガスによる燃焼反応が発生せず雰囲気温度下の温度補償素子22との間に電気抵抗値の差が生ずることを利用し、雰囲気温度による電気抵抗値の変化分を相殺して水素濃度を検出することができるようになっている。
【0018】
また、ダミー素子23は、例えば検出素子21と同等に形成されている。
各素子21,22,23は互いに直列に接続されて直列回路29をなし、この直列回路29には、所定の基準電圧を印加する基準電圧印加回路30が接続されている。
さらに、検出素子21の端子間電圧を検出する検出回路31が検出素子21と並列に接続されており、この検出回路31にて検出される検出素子21の端子間電圧の検出値は、例えば制御回路32に入力されており、この制御回路32を介して出力回路33が接続されている。
なお、本実施の形態に係るガスセンサの故障検知装置1aは、例えば、ガスセンサ1と、基準電圧印加回路30と、検出回路31と、制御回路32と、出力回路33とを備えて構成されている。
【0019】
制御回路22は、例えば故障判定部34と、出力切替部35とを備えて構成されている。
故障判定部34は、検出回路31から出力される検出素子21の端子間電圧の検出値が、基準電圧印加回路30により直列回路29に印加される所定の基準電圧に応じて設定される所定の故障判定値以下か否かを判定する。そして、この判定結果において、検出値が所定の故障判定値以下である場合には、ガスセンサ1が故障していると判断し、後述する出力切替を指示する指令信号を出力切替部35へ出力する。一方、この判定結果において、検出値が所定の故障判定値よりも大きい場合には、ガスセンサ1は正常であると判断する。
出力切替部35は、故障判定部34から出力切替を指示する指令信号が入力されている場合には、検出回路31から入力される検出素子21の端子間電圧の検出値の代わりに所定出力値を出力回路33へ出力する。一方、故障判定部34から出力切替を指示する指令信号が入力されていない場合には、検出回路31から入力される検出値を出力回路33へ出力する。
出力回路33は、出力切替部35から入力された端子間電圧の検出値あるいは所定出力値を、出力電圧値としてガスセンサ1の外部、例えば制御装置2等へ出力する。
【0020】
本実施の形態によるガスセンサ1及びガスセンサの故障検知装置1aは上記構成を備えており、次に、ガスセンサ1及びガスセンサの故障検知装置1aの動作について説明する。
水素濃度の増大に応じて電気抵抗値が増大する検出素子21およびダミー素子23と、温度補償素子22とを互いに直列に接続し、直列回路29に所定の基準電圧を印加することにより、検出素子21の端子間電圧は、例えば図6に示す実線Aのように、適宜の検出下限閾濃度d1に対して直列回路29に印加される所定の基準電圧に応じて設定される正常時下限端子間電圧V1を始点として、水素濃度の増大に伴い増加傾向に変化する。この場合、ダミー素子23の端子間電圧も検出素子21の端子間電圧と同等の変化を示す。
ここで、例えばダミー素子23の表面に水分が付着する等によって、ダミー素子23の損傷や感度低下等の劣化が生じると、ダミー素子23での電圧降下が減少することに伴い、検出素子21での電圧降下が増大し、例えば図6に示す実線Bのように、水素濃度の増大に応じた検出素子21の端子間電圧の変化量が増大する。
一方、例えば検出素子21の表面に水分が付着する等によって、例えば触媒27を坦持する坦体の損傷や破損等が生じ、水素濃度の増大に応じた電気抵抗値の増大が生じなくなったり、例えば感度低下等の劣化により水素濃度の増大に応じた電気抵抗値の増大量が所定の程度を超えて低減すると、検出素子21での電圧降下が減少することに伴い、ダミー素子23での電圧降下が増大し、検出素子21の端子間電圧は、例えば図6に示す実線Cのように、適宜の検出下限閾濃度d1における正常時下限端子間電圧V1を始点として、水素濃度の増大に伴い減少傾向に変化する。すなわち、この場合、検出素子21の端子間電圧は、検出素子21の異常状態において特有な変化特性を示す。
従って、例えば正常時下限端子間電圧V1よりも僅かに小さな値を、故障判定部34における所定の故障判定値として設定することにより、検出素子21に損傷や破損や劣化等の異常が発生したか否かを容易かつ確実に検出することができる。
【0021】
以下に、ガスセンサ1の故障検知方法について添付図面を参照しながら説明する。
先ず、図7に示すステップS01においては、検出回路31により検出される検出素子21の端子間電圧の検出値を取得する。
次に、ステップS02においては、取得した検出値が所定の故障判定値以下か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS03に進み、取得した検出値を正常時出力電圧としてガスセンサ1の外部、例えば制御装置2等へ出力し、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS04に進み、取得した検出値の代わりに、所定出力値を故障時出力電圧としてガスセンサ1の外部、例えば制御装置2等へ出力し、一連の処理を終了する。
ここで、故障時出力電圧値として出力される所定出力値は、例えば図6に示す正常時下限端子間電圧V1未満の値又は適宜の検出上限閾濃度d2に対して直列回路29に印加される所定の基準電圧に応じて設定される正常時上限端子間電圧V2を超える値等のように、正常状態の検出素子21の端子間電圧としては検出されることのない値、つまり検出素子21の異常状態において特有な値とされている。
【0022】
以下に、上述した本実施の形態に係るガスセンサ1及びガスセンサの故障検知装置1aにおいて、水素濃度の変化に応じた検出素子21の端子間電圧の検出値の変化を算出したシミュレーションの結果について説明する。
ここで、上述した本実施の形態のガスセンサ1において、ガスセンサ1が正常状態である場合を実施例1とし、例えば検出素子21の触媒27を坦持する坦体の損傷や破損等により水素濃度の増大に応じた電気抵抗値の増大が生じなくなったり、例えば感度低下等の劣化により水素濃度の増大に応じた電気抵抗値の増大量が所定の程度を超えて低減した場合を実施例2とし、ダミー素子23の損傷や破損や感度低下等の劣化が生じた場合を実施例3とした。
また、上述した本実施の形態のガスセンサ1においてダミー素子23を省略した状態にて、検出素子21が正常状態である場合を比較例1とし、検出素子21の損傷や破損や感度低下等の劣化が生じた場合を比較例2とした。
結果を図8に示す。なお、図8において、検出素子21の端子間電圧の検出値は、水素濃度がゼロのときの検出値を「1」とした相対値である。
【0023】
図8に示すように、ガスセンサ1が正常状態である実施例1に対して、検出素子21の破損や損傷や劣化が生じた実施例2では、水素濃度の増大に伴い端子間電圧の検出値が減少傾向に変化するという特有の変化特性を示すことから、検出素子21の異常状態を確実に検知することができる。これに対して、検出素子21が正常状態である比較例1と、検出素子21の損傷や破損や感度低下等の劣化が生じた比較例2とは、水素濃度の増大に伴い端子間電圧の検出値が増大傾向に変化するという共通の変化特性を示すことから、例えば検出素子21に異常状態が発生した場合であっても、水素濃度の低下が生じた場合と区別することができない。
また、ダミー素子23の損傷や破損や感度低下等の劣化が生じた実施例3では、正常状態の検出素子21の端子間電圧としては検出されることのない大きな値の検出値が得られる場合があり、単に、水素濃度の増大が生じた場合と区別することが可能である。また、この実施例3では、水素濃度の所定増大変化あたりに対する検出素子21の端子間電圧の増大変化量(つまり、図8に示す端子間電圧の検出値の水素濃度に対する勾配)が、ガスセンサ1が正常状態である実施例1に比べてより大きくなる。従って、水素濃度の変化に応じた端子間電圧の検出値の変化に基づいて、ダミー素子23に異常が発生したか否かを判定することができる。
【0024】
上述したように、本実施の形態によるガスセンサ1によれば、検出素子21および温度補償素子22およびダミー素子23を互いに直列に接続し、直列回路29に所定の基準電圧を印加した状態にて検出素子21の端子間電圧の変化を検出することにより、検出素子21の損傷や破損や感度低下等の劣化が生じた場合には、この異常状態において特有の変化特性を検知することができ、検出素子21に異常状態が発生したか否かを確実に判定することができる。
さらに、本実施の形態によるガスセンサの故障検知装置1aによれば、故障判定部34での所定の故障判定値を、例えば適宜の検出下限閾濃度d1に対して直列回路29に印加される所定の基準電圧に応じて設定される正常時下限端子間電圧V1よりも僅かに小さな値に設定することで、検出素子21に損傷や破損や感度低下等の劣化が発生したことを容易かつ確実に検知することができる。
しかも、検出素子21の端子間電圧の検出値が所定の故障判定値以下である場合には、単に、この検出値を出力する代わりに、例えば正常状態の検出素子21の端子間電圧としては検出されることのない値、つまり検出素子21の異常状態において特有な値を出力することによって、水素濃度を誤検知してしまうことを防止して、ガスセンサ1の故障検知を確実に行うことができる。
また、本実施の形態によるガスセンサの故障検知方法によれば、検出素子21に損傷や破損や感度低下等の劣化が発生したことを容易かつ確実に検知することができると共に、水素濃度を誤検知してしまうことを防止して、ガスセンサ1の故障検知を確実に行うことができる。
【0025】
なお、上述した本実施の形態においては、検出素子21の端子間電圧を検出する検出回路31を備え、検出回路31から出力される検出素子21の端子間電圧の検出値が所定の故障判定値以下か否かを判定するとしたが、これに限定されず、例えばダミー素子23の端子間電圧を検出する検出回路を備え、この検出回路から出力されるダミー素子23の端子間電圧の検出値が所定の故障判定値以下か否かを判定してもよい。
【0026】
なお、上述した本実施の形態においては、各素子21,22,23毎に2個のピン24を介してベース25に配置するとしたが、これに限定されず、例えば図9に示す本実施形態のガスセンサ1の第1変形例に係る各素子21,22,23のように、例えばベース25内や回路基板16において各素子21,22,23を直列に接続する代わりに、複数、例えば4個のピン24を介して各素子21,22,23を直列に接続してもよい。この場合には、ガスセンサ1の構成に要するピン24の個数を削減することができる。
【0027】
また、上述した本実施の形態においては、ダミー素子23を検出素子21と同等としたが、これに限定されず、例えば図10に示す本実施形態のガスセンサ1の第2変形例に係る各素子21,22,23の水素濃度の変化に応じた電気抵抗値の変化を示すグラフ図のように、ダミー素子23は検出素子21とは異なる変化特性、例えば水素濃度の増大に伴い検出素子21よりも電気抵抗値が増大する特性等を示すものであってもよい。
【0028】
また、上述した本実施の形態においては、出力切替部35を省略してもよい。この場合には、例えば図11に示す本実施形態のガスセンサの故障検知装置1aの変形例のように、検出回路31に接続される出力回路33に加えて、故障判定部34に接続される故障信号出力回路41を備える。ここで、故障信号出力回路41は、故障判定部34での判定結果において、検出値が所定の故障判定値以下である場合には、ガスセンサ1が故障していることを示す故障信号をガスセンサ1の外部、例えば制御装置2等へ出力する。一方、故障判定部34での判定結果において、検出値が所定の故障判定値よりも大きい場合には、ガスセンサ1は正常であることを示す故障信号をガスセンサ1の外部、例えば制御装置2等へ出力する。
以下に、この変形例に係るガスセンサの故障検知装置1aの動作について説明する。
先ず、図12に示すステップS11においては、検出回路31により検出される検出素子21の端子間電圧の検出値を取得する。
次に、ステップS12においては、取得した検出値が所定の故障判定値以下か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS13に進み、正常信号を出力し、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS14に進み、故障信号を出力し、一連の処理を終了する。
【0029】
なお、上述した本実施の形態においては、出力回路33から出力される信号に基づいて水素濃度を検出してもよいし、検出素子21と温度補償素子22とを備えて構成される周知のブリッジ回路にて検出される電圧値に基づいて水素濃度を検出する構成を備えてもよい。
【0030】
なお、上述した本実施の形態において、ガスセンサ1を水素センサとしたが、これに限定されず、その他のガス、例えば一酸化炭素やメタン等の可燃性ガスを検出するガスセンサであってもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明のガスセンサによれば、例えば検出素子の断線や短絡等のように検出信号が出力されない場合とは異なり、検出素子に損傷や劣化等が生じ、適宜の検出信号が出力される場合であっても、検出素子に損傷や劣化等が発生したことを容易かつ確実に検出することができる。
さらに、請求項2に記載の本発明のガスセンサによれば、各素子をガス検出室内に配置することによって、例えば各素子を直列に接続する際の配線構造を簡略化したり、各素子と基板等との接続に要する接続端子の端子数の増大を抑制することができ、ガスセンサの製造に要する手間や費用を削減することができる。
【0032】
また、請求項3に記載の本発明のガスセンサの故障検知装置によれば、検出素子に損傷や破損や感度低下等の劣化が発生したことを容易かつ確実に検知することができると共に、水素濃度を誤検知してしまうことを防止して、ガスセンサの故障検知を確実に行うことができる。
また、請求項4に記載の本発明のガスセンサの故障検知方法によれば、検出素子に損傷や破損や感度低下等の劣化が発生したことを容易かつ確実に検知することができると共に、水素濃度を誤検知してしまうことを防止して、ガスセンサの故障検知を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るガスセンサを備える燃料電池システムの構成図である。
【図2】 図1に示すガスセンサの平面図である。
【図3】 図2に示すA−A線に沿う概略断面図である。
【図4】 各素子を示す斜視図である。
【図5】 本発明の一実施形態に係るガスセンサの故障検知装置の構成図である。
【図6】 水素濃度に応じた検出素子の端子間電圧の変化を示すグラフ図である。
【図7】 本発明の一実施形態に係るガスセンサの故障検知方法の処理を示すフローチャートである。
【図8】 水素濃度に応じた検出素子の端子間電圧の検出値の変化を示すグラフ図である。
【図9】 本実施形態のガスセンサの第1変形例に係る各素子を示す斜視図である。
【図10】 本実施形態のガスセンサの第2変形例に係る各素子の水素濃度に応じた電気抵抗値の変化を示すグラフ図である。
【図11】 本実施形態のガスセンサの故障検知装置の変形例を示す構成図である。
【図12】 本実施形態の変形例に係るガスセンサの故障検知方法の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ガスセンサ
1a ガスセンサの故障検知装置
17 ガス検出室
21 検出素子
22 温度補償素子(補償素子)
23 ダミー素子
29 直列回路
30 基準電圧印加回路(基準電圧印加手段)
31 検出回路(電圧検出手段)
34 故障判定部(判定手段)
35 出力切替部(出力手段)
Claims (4)
- 検出素子と補償素子との電気抵抗値の差異に基づき被検出ガスを検出可能なガスセンサであって、
前記被検出ガスの作用により電気抵抗値が変化するダミー素子を前記検出素子および前記補償素子に直列に接続してなる直列回路と、
前記直列回路に基準電圧を印加する基準電圧印加手段と、
前記検出素子の端子間電圧又は前記ダミー素子の端子間電圧を検出する電圧検出手段と
を備えることを特徴とするガスセンサ。 - 前記被検出ガスが導入されるガス検出室を備え、
前記検出素子および前記補償素子および前記ダミー素子を前記ガス検出室内に配置してなることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。 - 請求項1または請求項2に記載のガスセンサの故障を検知するガスセンサの故障検知装置であって、
前記電圧検出手段により検出される前記端子間電圧の検出値が、所定判定値以下か否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果にて前記端子間電圧の検出値が前記所定判定値以下である場合に、前記端子間電圧の前記検出値として所定出力値を出力する出力手段と
を備えることを特徴とするガスセンサの故障検知装置。 - 互いの電気抵抗値の差異に基づき被検出ガスを検出可能な検出素子および補償素子と、前記被検出ガスの作用により電気抵抗値が変化するダミー素子とを、直列に接続してなる直列回路に基準電圧を印加し、
前記検出素子の端子間電圧又は前記ダミー素子の端子間電圧の検出値が、所定判定値以下か否かを判定し、
前記端子間電圧の前記検出値が前記所定判定値以下である場合に、前記端子間電圧の前記検出値として所定出力値を出力することを特徴とするガスセンサの故障検知方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002155920A JP3801950B2 (ja) | 2002-05-29 | 2002-05-29 | ガスセンサ及びガスセンサの故障検知装置及びガスセンサの故障検知方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002155920A JP3801950B2 (ja) | 2002-05-29 | 2002-05-29 | ガスセンサ及びガスセンサの故障検知装置及びガスセンサの故障検知方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003344331A JP2003344331A (ja) | 2003-12-03 |
| JP3801950B2 true JP3801950B2 (ja) | 2006-07-26 |
Family
ID=29772325
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002155920A Expired - Fee Related JP3801950B2 (ja) | 2002-05-29 | 2002-05-29 | ガスセンサ及びガスセンサの故障検知装置及びガスセンサの故障検知方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3801950B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101833889B1 (ko) * | 2017-10-19 | 2018-04-13 | 한국산업기술시험원 | 고장진단 구동 회로를 내재한 전기화학식 가스센서 |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006308440A (ja) * | 2005-04-28 | 2006-11-09 | Honda Motor Co Ltd | ガス検出装置 |
| JP5230127B2 (ja) * | 2007-06-06 | 2013-07-10 | キヤノン株式会社 | 燃料電池システム、及び燃料電池システムの制御方法 |
| KR101467821B1 (ko) * | 2013-10-29 | 2014-12-04 | 한국해양과학기술원 | 전기 저항값을 이용한 유해물질 검출 방법 |
| CN111624513A (zh) * | 2020-06-19 | 2020-09-04 | 上海线友电子有限公司 | 一种电化学传感器故障检测系统和检测方法 |
| WO2025159102A1 (ja) * | 2024-01-25 | 2025-07-31 | ヌヴォトンテクノロジージャパン株式会社 | 水素検知装置及び水素検知方法 |
-
2002
- 2002-05-29 JP JP2002155920A patent/JP3801950B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101833889B1 (ko) * | 2017-10-19 | 2018-04-13 | 한국산업기술시험원 | 고장진단 구동 회로를 내재한 전기화학식 가스센서 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2003344331A (ja) | 2003-12-03 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| CA2485604C (en) | Method and device for diagnosing gas sensor degradation | |
| JP2006153598A (ja) | ガス検出装置およびガス検出素子の制御方法 | |
| JP3905800B2 (ja) | 燃料電池の保護装置 | |
| JP5214906B2 (ja) | 燃料電池システム | |
| US7104110B2 (en) | Control device used for a gas sensor | |
| JP3801950B2 (ja) | ガスセンサ及びガスセンサの故障検知装置及びガスセンサの故障検知方法 | |
| JP4585402B2 (ja) | ガスセンサ | |
| JP4083652B2 (ja) | ガスセンサの制御装置 | |
| JP4011429B2 (ja) | ガスセンサを具備する燃料電池システムおよびガスセンサを具備する燃料電池車両 | |
| JP3986984B2 (ja) | 接触燃焼式水素センサの較正方法 | |
| JP3836403B2 (ja) | ガス検出方法 | |
| JP2008243430A (ja) | 燃料電池の保護方法及び保護システム | |
| JP3850349B2 (ja) | ガスセンサ及びガスセンサのガス検知方法及びガスセンサの故障検知方法 | |
| JP4568140B2 (ja) | ガス検出装置 | |
| JP4021827B2 (ja) | ガスセンサ | |
| JP3844723B2 (ja) | ガスセンサの結露防止構造 | |
| JP2006349513A (ja) | ガスセンサ | |
| JP3875163B2 (ja) | ガスセンサの状態判定装置 | |
| JP4131801B2 (ja) | 燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法 | |
| JP3987016B2 (ja) | ガスセンサの制御装置 | |
| JP4602124B2 (ja) | ガス検出装置 | |
| JP3839392B2 (ja) | ガスセンサの較正方法 | |
| JP3857218B2 (ja) | ガスセンサ | |
| JP2006010622A (ja) | ガス検出システムおよび燃料電池車両 | |
| JP2006308440A (ja) | ガス検出装置 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041130 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060316 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060418 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060426 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |