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JP3808934B2 - 二段式アンテナ - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、垂直軸に沿って上下二段にアンテナを配置して一体的に形成し、それら上下二つのアンテナを使い分け可能とした二段式アンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
移動通信分野では、双方向の通信品質を補償するために、独立した二つのアンテナを使用して電界強度のハイトパターンの影響を軽減するために、上下に配置された二つのアンテナを使い分けてダイバシティ受信、或いは送信をしたりしている。
しかし独立した二本のアンテナを個々に設置すると設置場所が二倍必要であるし、取り付ける手間もそれだけ多くかかる。
そこで従来において、例えば特公平1−51204号公報に記載の如く、上下二段重ねのスリーブアンテナが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のスリーブアンテナは、円筒状の導体を幾重にも同軸配置した複雑な構造であって、特殊なケーブルや導体を使用しなければ製造できないためコストアップは避けられず、又製作もしずらい。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、構造が簡単で、上段アンテナと下段アンテナがそれぞれ有する性能を充分に発揮させる二段式アンテナの提供を目的として開発されたもので、その構成は、縦長に形成された誘電体基板の表裏両面に、幅広の放射素子と幅狭の給電素子とが長手方向に沿って交互に設けられると共に、表面と裏面では該放射素子と該給電素子が互いに対抗するように配置されて成る上段アンテナと下段アンテナとを備えた二段式アンテナにおいて、上段及び下段アンテナにおけるそれぞれ表面の給電素子と裏面の給電素子との電気的導通を図り、中心導体が前記上段アンテナの放射素子に接続された上段アンテナ給電用の同軸ケーブルを、下段アンテナにおける誘電体基板の片面に形成された前記放射素子及び給電素子の表面中央を縦断するよう配置して、その上段アンテナ給電用の同軸ケーブルにおける縦断部分の外部導体を、前記下段アンテナの前記放射素子及び給電素子と全区間にわたって半田付けにより電気的接続を図り、下段アンテナの給電素子に下段アンテナ給電用の同軸ケーブルを電気的接続し、前記上段アンテナと下段アンテナにおける各表裏両面の下端部に、各々4分の1波長分岐線と給電素子延長部と外部導体の漏洩電流阻止区間とから成る漏洩電流阻止部を介在させたことにある。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる二段式アンテナの実施例を図面に基づいて説明する。
図1乃至図4は分解図、図5は図1のV−V線端面図、図6は組立図を示し、1は上段アンテナ、2は下段アンテナを示す。
これらは夫々長尺に形成されたガラス、布、ガラス不織布基材エポキシ樹脂等の誘電体基板3の表裏両面に、銅箔等の導体箔4を添設させたものである。
導体箔4において、幅広の部分はアンテナの放射素子4aであり、幅狭の部分は給電素子4bとなっている。
P,P・・・は放射素子4aと給電素子4bとの境界部分であって、表面の放射素子4aには裏面の給電素子4bが、また表面の給電素子4bには裏面の放射素子4aが、夫々対向するようにして各素子が配置されて、所謂コリニア・アンテナを成している。
放射素子4aや給電素子4bの素子の長尺方向の長さは、使用する電波の2分の1波長に、誘電体基板3の材質により決まる波長短縮率を乗じた長さになっている。
本例では、1.9GHz帯用のアンテナであって、各素子の長尺方向の長さは約40mmである。
また給電素子4bの幅は、前全段の放射素子4aから後段のそれへ効率よく信号を引き渡すことができるような所望のインピーダンス値を備えるように決められており、本例の場合では約4.5mmにしてある。
放射素子4aの幅は、放射を効率よく行わせるために、給電素子4bよりも大きい所定の値が選ばれ、本例では約19mmである。
そして表側素子と裏側素子との間隔、即ち誘電体基板3の厚み寸法は1.6mmであり、前記放射素子4aと給電素子4bを構成する導体箔4の厚みは35ミクロンである。
【0006】
次に上段アンテナ1について説明する。
上段アンテナ1の表面下端部には、下段アンテナ2から上段アンテナ1側に電流が漏れ込むのを防止するために、上段表側漏洩電流阻止部5が設けられている。
この上段表側漏洩電流阻止部5は、導体箔4により形成された先端開放4分の1波長分岐線5aと上段給電素子延長部5b、そして後述の上段アンテナ1への給電用の同軸ケーブル6の先端部に設けられた漏洩電流阻止区間Aとにより形成されている。
この同軸ケーブル6の先端部は段剥きされており、外部導体6aと中心導体6bが露出している。
漏洩電流阻止区間Aの外部導体6aは、前記給電素子延長部5bに沿わせてその全体を半田付けしてあって、広範囲の電気的接続が図られている。
そして同軸ケーブル6の中心導体6bは、放射素子4aと半田付けされており、1aと1bが上段アンテナ1の給電点となる。
一方、上段アンテナ1の裏側下端部には、上段アンテナ1から下段アンテナ2側へ電流が漏れ出すのを防止するため、上段裏側漏洩電流阻止部7が設けられている。
上段裏側漏洩電流阻止部7には、導体箔4により成る先端開放4分の1波長分岐線7aと上段給電素子延長部7bとが設けられている。
分岐線7aは、表側の分岐線5aと向きを逆にして設けてある。
前記給電素子延長部5bと7bとは互いにスルーホール4dによって電気的導通が図られている。
【0007】
次に下段アンテナ2の詳細について説明する。
下段アンテナ2の表側下端部には、上段アンテナ1と同様に、下段アンテナ2から給電用コネクタ10側に電流が漏れ出すのを防止するために、下段表側漏洩電流阻止部8が設けられている。
この下段表側漏洩電流阻止部8は、導体箔4により形成された先端開放4分の1波長分岐線8aと、下段給電素子延長部8b、そして後述の下段アンテナ2給電用の同軸ケーブル11の先端部に設けられた漏洩電流阻止区間Bとにより形成されている。
この同軸ケーブル11の先端部は段剥きされており、外部導体11aと中心導体11bが露出している。
漏洩電流阻止区間Bの外部導体11aは、前記給電素子延長部8bに沿わせてその全体を半田付けしてあって、広範囲の電気的接続が図られている。
一方下段アンテナ2の裏側には、ビニル被覆を剥離して外部導体6aを露出させた前述の同軸ケーブル6が導体箔4の中央を縦断して下段アンテナ2の下方へ延びるように配置されている。
同軸ケーブル6の外部導体6aにおいて、Cは給電素子区間を示し、下段アンテナ2の裏側の給電素子4bに対応した部分を示している。
又Dは放射素子区間を示し、下段アンテナ2の裏側の放射素子4aに対応した部分を示している。
これら同軸ケーブルの各給電素子区間Cは、その全区間にわたって自体に接する給電素子4bと半田17付けにより接続してあり、また各放射区間Dもその全区間にわたり自体に接する放射素子4aと半田17付けにより接続してある。
【0008】
次に下段アンテナ2の裏側下端部に設けられた下段裏側漏洩電流阻止部9について説明する。
下段裏側漏洩電流阻止部9は下段アンテナ2から給電用コネクタ12側へ漏れ出すのを阻止するもので、導体箔4により形成した4分の1波長分岐線9aと給電素子延長部9bと、外部導体6aの漏洩電流阻止区間Eとにより成る。
漏洩電流阻止区間Eの外部導体6aは、自体に対応する給電素子延長部9bに沿わせてその全体を半田付けしている。
尚、同軸ケーブル6の外部導体6aの外径は3.5mmである。
前記上段及び下段の各アンテナ1,2は、高周波損失の少ない合成樹脂で形成された筒状の樹脂製カバー13に内蔵され、同軸ケーブル6,11は夫々樹脂製カバー13の基端部に設けられたケーブル取出口14から導出される。
又、樹脂製カバー13と上下各アンテナ1,2の相互間には、発泡ゴム製の保持部材15が介在され、各アンテナ1,2は樹脂製カバー13の中心に保持される。
尚16はアンテナFの取付部である。
【0009】
上記のように形成された二段式アンテナFを例えば送信用アンテナとして使用する場合の信号の流れについて説明する。
給電用コネクタ12からの送信信号は上段アンテナ1の給電点1a,1bに加わる。
この信号は、漏洩電流阻止部7の働きにより、下段アンテナ2の方向へ電流が漏洩することなく、その信号の総てが上段アンテナ1の表面、裏面、夫々の放射素子4aによって効率よく放射される。
一方、給電用コネクタ10からの送信信号は、下段アンテナ2の給電点2a,2bに加わる。
この信号は、漏洩電流阻止部8,9,及び5の働きによって、漏洩電流阻止部8により給電用コネクタ10の方向へ、漏洩電流阻止部9により給電用コネクタ12の方向へ、また、漏洩電流阻止部5により上段アンテナ1の方向へ、夫々電流が漏れることなく、その信号の総てが下段アンテナ2の放射素子4aによって効率よく放射される。
このとき、下段アンテナ2の裏面の中央を縦断する同軸ケーブル6の外部導体6aは、下段アンテナ2の各放射素子4a及び各給電素子4bと電気的に接続されて一体となっているから、電波の放射を遮ることなく、むしろ放射素子4aと共働して電波を効率よく放射するのに寄与している。
上記実施例のアンテナの指向特性を図7の(a)乃至(d)に示す。
図に明示されているように、上段アンテナ1、下段アンテナ2の各々が垂直方向に対しては鋭く、水平方向に対しては均一した指向特性を示すと共に、両アンテナ相互間の30dB以上といった高いアイソレーションの確保も可能となった。
【0010】
前記実施例は基地局に設置した場合、及び移動体に設置した場合であっても、電界強度のハイトパターンに応じて切り換えられるダイバシティ受信(送信も含む)用としても好適に利用できることは勿論である。
上下各アンテナは、誘電体基板に両面からプレス成形された金属板を接着することによって形成したり、両面プリント基板を採用するなど適宜変更できる。
又、同軸ケーブルの外部導体に導電性のパイプ状のものを利用することによって量産時の性能の安定化を図ることもできる。
更に、同軸ケーブル6の導出部分は、樹脂製カバーの側方から引き出すばかりでなく、樹脂製カバーの下端面から引き出してもかまわないし、導出部分は樹脂製カバーに直付けしたコネクタに接続するようにしても差し支えない。
又、実施例では、同軸ケーブル6の外部導体6aを 各放射素子4a及び各給電素子4bとの電気的接続に半田付けを例示したが、その他に導電性接着剤を用いて接続してもよいし、断面Ω字状の金具を用いて接続してもよい。
更に、上段アンテナと下段アンテナとは90度の位相差を持たせることなく両アンテナ面が連続するように組み付けることもできる。
本発明で使用される樹脂製カバーは、断面円形以外、例えば多角形に形成することもでき、可撓性のある樹脂製カバーの採用により屈曲可能となって、破損防止効果が期待できるし、プリント基板で構成されたアンテナを縦列接続したシンプルな構造であるから、製造も容易である。
尚、本発明において上段アンテナと下段アンテナとは、上段アンテナが必ずしも上部に配置されることを意味するものではないのであって、因みに実施例の二段式アンテナは、電柱の腕木へ上下逆の垂下状態にて取り付け使用される。
【0011】
次に二段式アンテナに用いられる誘電体基板の異なる実施例を説明する。
図8は上段アンテナ1と下段アンテナ2とを合体して一枚の基板で構成した例を示すものである。
前例と同一あるいは均等の機能をする部材には同一の符号にアルファベットのeを付して示し、重複した説明は省略する。
この基板を用いると、より簡単に二段式アンテナの組立ができる。
【0012】
【発明の効果】
以上のように本発明にあっては、構造が簡単で上段アンテナと下段アンテナがそれぞれ有する性能を充分に発揮させる二段式アンテナが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の二段式アンテナを分解して上段アンテナ及び下段アンテナの表側を示す説明図である。
【図2】実施例の二段式アンテナを分解して上段アンテナ及び下段アンテナの裏側を示す説明図である。
【図3】同軸ケーブルを分離した上段アンテナで、(イ)は表面を、(ロ)は裏面をそれぞれ示す説明図である。
【図4】同軸ケーブルを分離した下段アンテナで、(イ)は表面を、(ロ)は裏面をそれぞれ示す説明図である。
【図5】図1のV−V線切断部の端面を示す説明図である。
【図6】二段式アンテナの組立説明図である。
【図7】上下各アンテナの指向特性を示す説明図である。
【図8】同軸ケーブルを分離した上段アンテナと下段アンテナを一体に成形した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・上段アンテナ、2・・下段アンテナ、3・・誘電体基板、4・・導電箔、4a・・放射素子、4b・・給電素子、5・・上段表側漏洩電流阻止部、6・・同軸ケーブル、7・・上段裏側漏洩電流阻止部、8・・下段表革漏洩電流阻止部、9・・下段裏側漏洩電流阻止部、10・・コネクタ、11・・同軸ケーブル12・・コネクタ、13・・樹脂製カバー。

Claims (1)

  1. 縦長に形成された誘電体基板の表裏両面に、幅広の放射素子と幅狭の給電素子とが長手方向に沿って交互に設けられると共に、表面と裏面では該放射素子と該給電素子が互いに対抗するように配置されて成る上段アンテナと下段アンテナとを備えた二段式アンテナにおいて、
    上段及び下段アンテナにおけるそれぞれ表面の給電素子と裏面の給電素子との電気的導通を図り、中心導体が前記上段アンテナの放射素子に接続された上段アンテナ給電用の同軸ケーブルを、下段アンテナにおける誘電体基板の片面に形成された前記放射素子及び給電素子の表面中央を縦断するよう配置して、その上段アンテナ給電用の同軸ケーブルにおける縦断部分の外部導体を、前記下段アンテナの前記放射素子及び給電素子と全区間にわたって半田付けにより電気的接続を図り、下段アンテナの給電素子に下段アンテナ給電用の同軸ケーブルを電気的接続し、前記上段アンテナと下段アンテナにおける各表裏両面の下端部に、各々4分の1波長分岐線と給電素子延長部と外部導体の漏洩電流阻止区間とから成る漏洩電流阻止部を介在させたことを特徴とする二段式アンテナ。
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