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JP3809433B2 - クリアランス遮蔽構造を備えた遮蔽扉 - Google Patents
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JP3809433B2 - クリアランス遮蔽構造を備えた遮蔽扉 - Google Patents

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本発明は、原子力発電所や大規模病院などのように、高放射線源を保管したり取扱ったりする施設に設置される遮蔽扉において、クリアランス遮蔽構造を備えた遮蔽扉に関する。
遮蔽扉は、放射線源を収容した建物等による放射線遮蔽施設に設置される人や物の出入口用に設けられる扉であるが、遮蔽扉が閉じられているときは遮蔽施設を形成する遮蔽壁と一体になって放射線がその遮蔽扉を含む放射線の遮蔽エリアから外部に放出されることがないような構造で設けられる。
上記のような遮蔽壁に形成された出入口とそこに設置される遮蔽扉は、出入口を形成する開口部の内周面を、凹凸等の段部による段付き内周面に形成すると共に、遮蔽扉の外周面には前記開口部の段付き内周面に嵌まり込む形態の段部を設けることが行われている。これは、開口部の内周面と遮蔽扉の外周面が互にフラットな面で対向した構造であると、両者間に生じる一直線状の隙間から放射線の洩れが生じるため、このような放射線漏洩を防ぐためである。
例えば、図9に示す公知の横引きの遮蔽扉SDでは、遮蔽壁SWに設けた出入口用の開口部EXに対して、前記壁SWの戸当たり側に形成した段部W1とこの扉SDの後部側に対面して形成した段部W2に、遮蔽扉SDの前部d1と後部d2とを対面するように設けることにより、遮蔽壁SWの開口部EXと遮蔽扉SDの対面部位に、内外で一直線状に通じる隙間を形成させず、形成される隙間はすべて放射線の直進を妨げ、仮に放射線が隙間に進入して来てもそれを減衰させるために、隙間がジグザグ状乃至階段状をなすように形成しているのである。
この点は、図10,図11に示すステップバック式の遮蔽扉SD、或は、図示しないがヒンジ開閉式の遮蔽扉においても同様である。なお、図10,図11において図9と同一部位,同一部材は同一符号で示すが、図10,図11に例示した遮蔽扉SDでは、開閉部EXにおける前後方向の中間部に位置した内周面に段部e1を設け、扉SDの外面に前記段部e1に対応する段部d3を設けている。図9〜図11においてFは床である。
上記のような遮蔽扉SDが設置される箇所では、隙間からの放射線漏洩を防ぐ目的で出入口EXの床Fにも段差が付けられる場合があるが、床Fに段差が設けられた場合には、物品、特に重量物の出入れに不都合が多いため、床Fには段差を設けずにフラットに形成し、設置される遮蔽扉SDの前面や背面の下部に土のう状,ブロック状などの補助遮蔽体SGを置くことが行われている(図11参照)。
しかし、ブロック状などの補助遮蔽体の設置は、遮蔽扉のフラットな底面(下面)と床のフラット面の間に形成される一直線状の隙間を遮蔽する上でそれなりの効果が期待できる反面、遮蔽扉の開閉の度に当該補助遮蔽体を移動させたり、元の位置に戻したりする余計な作業を必要とするのみならず、その作業は補助遮蔽体といえども相当な重量があるため、人手や機械力を要するなど、合理的とはいえない面が多い。
そこで本発明では、床をフラットに形成した箇所に設置される遮蔽扉における従来の補助遮蔽体の問題点に鑑み、人手や機械力によって移動させる必要のない従来の補助遮蔽体に代わるクリアランス遮蔽構造を具備した遮蔽扉を提供することを、その課題とする。
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明クリアランス遮蔽構造を備えた遮蔽扉の構成は、放射線遮蔽壁に形成した出入口に設置されたスライドさせて開閉される遮蔽扉において、閉じた状態の扉の底面が対向する床に、当該扉の前後幅(厚さ)よりも小さい幅で前記出入口の開口幅と少なくともほぼ同等長さの凹溝を形成すると共に、該凹溝内に、外周上の一部を長さ方向において平坦乃至ほぼ平坦な面に形成した断面を有する棒状遮蔽体を、回転したとき前記平坦面が前記床の面とほぼ同面をなすように回転可能に支持して設ける一方、前記凹溝に対面する前記扉の底面に、回転した前記棒状遮蔽体の平坦面以外の部位が収まる断面形状を有する凹部を形成したことを特徴とするものである。
本発明遮蔽扉は、上記構成において、遮蔽扉のスライド開閉動作と棒状遮蔽体の回転動作とを、前記扉のスライド開,閉動作の始,終端において同期的に連動させるようにすることができる。即ち、遮蔽扉のスライド開,閉動作の始,終端において、棒状遮蔽体の回転をさせるため、前記扉側にそのスライド動作の方向を変えて伝動する方向変更機構を設けると共に、当該変更機構にラック状の駆動体を設ける一方、前記棒状遮蔽体側の回転軸に前記駆動体によって回転させられるピニオン状の従動体を設けることにより、遮蔽扉が全部閉じられているときには平坦面以外の部位が扉の凹部に収まっていた前記の棒状遮蔽体を、当該扉の開き動作の開始時に、前記平坦面を上面にする向きに回転させて当該平坦面を床面に連続した面に形成し、また、この遮蔽扉を閉じるときは閉じ動作の終端において平坦面が上面を向いていた前記の棒状遮蔽体を回転させて平坦面以外の部位をこの扉の底面に形成されている凹部に収めるようにする。
放射線遮蔽壁に形成した出入口に設置されたスライドさせて開閉される遮蔽扉において、閉じた遮蔽扉の底面と床の対向面を、少なくとも前記出入口の開口幅とほぼ同長に亘り凹状に形成し、対向した凹状部分に、長さ方向の一部を平坦乃至ほぼ平坦な面に形成した棒状遮蔽体を回転可能に収設し、該遮蔽体を、前記扉の開扉状態では前記遮蔽体の平坦面が上面に位置し、閉扉状態では前記平坦面が上面以外の位置に回転させるから、スライド式遮蔽扉の底面と床面にあるクリアランスを閉扉時のみ遮蔽でき、開扉時には床と同面を形成できる。
次に本発明クリアランス遮蔽構造を備えた遮蔽扉の実施の形態例について、図を参照して説明する。図1は、図9の横引き式の遮蔽扉に、本発明のクリアランス遮蔽構造を適用した一例の要部の平断面図、図2は図1の装置の側断面図、図3は図1,図2の装置の左側面図、図4は図2のA−A線矢視図、図5と図6は本発明遮蔽構造における遮蔽扉の閉動作終端における駆動カム体と受動ブロック体との関係を説明するために上面から見た斜視図、図7と図8は、図5と図6における受動ブロック体の裏面におけるラックとピニオンの関係、並びに、棒状遮蔽体の回転動作と扉底面に設けた凹部との関係を説明するために裏面側から見た斜視図である。なお、図9は従来の横引き式の遮蔽扉の要部を示した平断面図、図10は従来のステップバック式の遮蔽扉の要部を示した平断面図、図11は図10の側断面図である。
図1〜図4において、1は、遮蔽壁2に設けた開口部3に設置した横引き式の遮蔽扉(以下、単に扉1という)であり、図1はその扉1の先端側を平面から見た状態を示している。
本発明では、図4の断面図に要部の構造を例示するように、開口部3におけるフラットな床Fに、扉1を全閉したときの当該扉1のほぼ真下に、断面がほぼシリンダ状の大半をなす凹溝4を設けると共に、この凹溝4に対面する扉1の底面1Bに、前記凹溝4の断面形状と組合されてほぼ円形をなす円弧状の凹部5を形成している。図4の例では、凹溝4は、ステンレス製パイプ材をその長さ方向において一部カットした形態のものを床Fに埋めて形成され、また、扉1の底面1Bに設けた凹部5も同様の手法で形成したパイプ材により形成されているが、本発明において、凹溝4や凹部5の材料や構成は図示したものに限られるものではない。また、本発明において、上記凹溝4や凹部5の長さは、扉1が設置される出入口の開口幅(正面幅)とほぼ同長乃至扉1の正面幅と略同長である。
上記凹溝4には、その凹溝4の断面内で回転できる大きさの、即ち、当該凹溝4の断面形状内に密に遊挿される断面形状の棒状をなす補助遮蔽体6(以下、棒状遮蔽体6又は遮蔽体6ともいう)が、その中心を通る軸6aを中心に回転可能に収装されている。
遮蔽体6は、上記凹溝4と同様にステンレス製パイプ材を長さ方向において一部カットした断面を有する部材の中に、プラスチック材や鉄などにより形成した遮蔽材料6bを充填すると共に、上面にフラット(平坦乃至略平坦)な蓋板6cを取付けて形成されており、前記蓋板6cがこの遮蔽体6における床Fの上面と同面をなすフラット面(以下、フラット面6cという)となるように形成されている。
7は、上記の棒状遮蔽体6をその左右両端部で支持するための軸受部(図2参照、右側は省略)で、図2に示した左側の軸受部7は、その軸受板の外側に、後述するラック10を下面に具備した駆動板9を下からスライド可能に支持するための支持ボックス8が板材により形成されている。
一方、棒状遮蔽体6の左端側であって上記ラック10と対応する位置には、当該ラック10と噛合するピニオン11が軸6aに取付けられている(図2,図3参照)。これらのラック10とピニオン11とは、同等機能を果すものであれば、例えば直線状のチェーンとそれに噛合うスプロケットであってもよい。
上記駆動板9の上面には、図5,図6に略示するように、扉1の左側下部に設けた斜面カム12に押されて当該駆動板9を前,後にスライドさせるカムフォロア部材13が設けられており、これらの駆動板9とカム12とカムフォロア部材13が、駆動板9のスライド方向を扉1のスライド開閉方向に対し90度変更する方向変換機構を形成し、駆動板9の下面に設けたラック10が駆動体を構成することになる。
ここで、上記駆動板9は、バネなど(図示せず)により、常時、図1の下側(図3の右側)に付勢されており、斜面カム12の作用を受けないとき(即ち、扉1が開けられたとき)には、前記付勢力によるストロークエンド(図1の下方、図3の右方)に位置している。このとき、棒状遮蔽体6は、そのフラット面6cが床Fと同じ上面を向くように、駆動板9のストローク量とストロークエンドの位置、並びに、ラック10とピニオン11の噛合状態が予め調整されて設定されるものとする。
従って、図2〜図4並びに図7に実線で示した棒状遮蔽体6のフラット面6cが真上を向いている状態は、扉1が開けられた状態であって、遮蔽体6のフラット面6cと床Fの上面が連らなった平坦な面を形成することにより、出入口3における重量物品の出入れ等に支障のない状態を実現している。
いま、上記の開扉状態から扉1を閉じ(図1,図2の左方向への移動)、その閉じ側の先端が図1の状態になる、即ち、図5,図6に例示するように扉1の閉じ動作の終端において、駆動板9の上面のカムフォロア部材13を当該扉1の端部に設けた斜面カム12が押すと、前記フォロア部材13は、図1の仮想線の位置(図5も参照)から実線の位置(図6も参照)に変位させられるので、当該カムフォロア部材13と一体の駆動板9は図1の例では上方へスライドすることになる。
駆動板9の上記スライドによって、ピニオン11は、ラック10の作用を受けて図3の反時計回り方向に回転させられる。この回転によって棒状遮蔽体6はそのフラット面6cが反時計回り側に回転し、当該遮蔽体6の右半側の断面円形部が扉1の下面に形成した凹部5に入り込むのである。この棒状遮蔽体6の動作態様は、図7,図8の下方からの斜視図も参照すればよく理解できる。従って、この状態(閉扉)から扉1を開ける(スライドさせる)と、駆動板9を引張っているバネ力によりピニオン11とラック10とは上記とは逆方向の動作をして棒状遮蔽体6の非フラット部を扉1の凹部5から逸脱させてフラット部6cを床Fと同面の位置に回転させる。
以上に説明したように、本発明のクリアランス遮蔽構造は、扉1のスライド開閉動作の始終端部において、開口部3の床Fに埋設され、かつ、長さ方向に沿った周上の一部に床Fと同面になるフラット面6cを有する棒状遮蔽体6を、前記扉1のスライド動作に連動して回転するように形成することにより、扉1が開けられるときは前記フラット面6cが床面Fと同面の位置に回転させられ、扉1が閉じられるときは前記遮蔽体6の非フラット面の部位が扉1の底面1Bに設けた凹部5に回転挿入されるようにしたので、従来の遮蔽扉のように補助遮蔽体を入力や外部機械力によって、扉の開閉の都度に移動させる作業を全く不要にする。
上述した本発明の実施の形態例において、床Fに設ける凹溝4や扉1の底面1Bの凹部5の断面は必ずしもシリンダ状(円筒状)である必要はなく、例えば四角形以上の多角形断面であってもよい。また、棒状遮蔽体6も実施例の断面円形の一部をカットした断面円弧形状に限られず、断面多角形状や扉形、その他の断面形状であってもよい。
要は、回転する棒状遮蔽体6と、これを収める凹溝4と凹部5との関係が、上記実施形態における扉1の開閉動作の始終端において、前記動作との連動動作と回転位置を実現でき、かつ、扉1の凹部5に入った棒状遮蔽体6により、扉1の下面と床Fの間に一直線状ではない段状や曲った隙間が形成されれば足りる。
更に、本発明クリアランス遮蔽構造は、この種の遮蔽扉の厚さが厚大であることに鑑み、その扉の厚さ方向において平行に2組以上設けることによって、より遮蔽性を高めることが可能になる。
上述した本発明のクリアランス遮蔽構造は、より具体的には、図12〜図14に示すロック機構を具備した形態で実施されるので、以下図12〜図14により説明する。なお、図12〜図14において、図1〜図8と同一部材,同一部位は同じ符号を使用している。
図12は、扉1の前端面の下部に設けられるカム溝12aを具備したカム12の平面図で、実線が閉扉状態でのカム12の位置、仮想線が開扉し始めのカム12の位置を示している。実線で示すカム12の溝12aの後方エンド近くには、ラック10が設けられた駆動板9の上面に設けたローラ状のカムフォロア13が位置している。
図14は、図13のA−A矢視端面図で、図12に示した扉1の閉扉状態でのカム12の作用によりラック10が支持ボックス8で左方に移動した状態を示している。図13では扉1の閉扉状態におけるカム12を実線で示しているが、扉1が開扉されるとこのカム12は扉1と一体であるから、この位置から離れる。
図12のカム12には、このカム12の移動方向(図の左右方向)と平行な向きで上面が手前に向け(カム12の先端に向け)下り勾配に形成されたカム斜面14が設けられている。このカム斜面14は、扉1を開扉するとき、その開扉し始めに作用することにより、フラット面6cが上面になるように回転した遮蔽体6を、その位置で回転不能にするためのロック杆15のロック状態を、扉1の閉扉動作の終了近くにおいて解除するためのものである。
図14の扉1が閉扉状態でのカム12の位置では、上記カム斜面14の作用によってロック杆15がロック作用を解除されているが、図13の開扉状態、即ち、遮蔽体6のフラット面6cが上面に位置しているときは、ロック杆15が、カムフォロア13と同軸上に位置すると共に、当該カムフォロア13の上面中心にバネ15aの押圧作用で係止され、カムフォロア13と一体のラック10を有する作動体9を不動に保持する。
本発明において、遮蔽体6のフラット面6cが上面に位置して、前後の床面Fと同じ面になったとき遮蔽体6の回転をロックするのは、前記フラット面6cに、その上を通過する物品や車輌などによる重量の掛かり具合などによって、遮蔽体6が傾いたり回転することがないようにするためである。
遮蔽体6のフラット面6cが上面に来たとき、つまり扉1の開扉状態における回転阻止のためのロック態様は上記例のほか、図15〜図17に模式的に示す形態を採ることもできる。図15は遮蔽体6の側面にロック用アーム15を設けておき、フラット面6cが上面に来たときに前記アーム15にロックピン16を当てがって回転可能に拘束する形態、図16は遮蔽体6の側面に設けたロック用孔17に出没するロックピン16を出入れして回転不能に拘束する形態、図17は、遮蔽体6のフラット面6cに、ロック板(又は棒)18を当てがって回転不能に拘束する形態である。
以上に説明した本発明のクリアランス遮蔽構造の遮蔽効果について、実験で検証されているシミュレーション解析により評価をしたので、次にこの点について図18と図19を参照して説明する。
図18は、コンクリート製の壁W1,W2が180cm厚、壁W3が245cm厚、壁W4が230cm厚で囲まれた空間において、壁W1とW4の境界偶部に、厚さ230cm、長さ330cmの遮蔽扉1を設けて形成した内側寸法が500×395cmのモデル遮蔽室IRの平面図である。
この遮蔽室IRには、そのほぼ中心の高さ1.8mの位置に、EP=30MeV、CuターゲットTが置かれているものと設定した。また、遮蔽扉1と床Fの間には1cmのクリアランスが、また、本発明による遮蔽体6とそれが収まる扉1の凹部5及び凹溝4とのクリアランスも1cmに設定した。また、遮蔽体6は、図18の扉1の略中心に2点鎖線で示す位置に設けられるものとした。ここで、図18の扉1における評価点は、その扉1の床から0.5cmの高さにおいて、図18に示した7箇所#1〜#7の位置に50cm間隔で設定した。
シミュレーション解析は、図18の遮蔽室IRの扉1に遮蔽体6を全く設けない従来タイプのケース、扉1の底部中心の扉スライド方向と平行に直径10cmの遮蔽体6を設けたケース、同様に直径20cmの遮蔽体6を設けたケース、同じく直径30cmの遮蔽体6を設けたケース、同じく直径20cmの遮蔽体6の2本を平行かつほぼ等間隔に設けたケースの5ケースについて行った。
解析の結果は、図19の線図に示す通りであった。図19の線図において、横軸は扉1における7箇所の評価点#1〜#7を示し、縦軸は遮蔽エネルギの単位(Sv/h)である。この線図から明らかなように、遮蔽体6を設けない扉1では遮蔽できる放射線量が高いが、遮蔽体6を設けた扉1では、遮蔽体6の径が大きくなるほど遮蔽できる放射線量が低くなり、遮蔽効果が高まることが判る。因みに、遮蔽体6を設けない扉1と20cm径の遮蔽体6をダブルで設けた扉1の遮蔽性能の比率は、各評価点#1〜#7において約1/100〜1/700であった。
本発明は以上の通りであって、人手や機械力によって移動させる必要がないように、従来の補助遮蔽体に代わるクリアランス遮蔽構造を、閉じた状態の扉の底面が対向する出入口の床に、当該扉の前後幅(厚さ)よりも小さい幅で前記出入口の開口幅と少なくとも略同等長さの凹溝を形成すると共に、該凹溝内に、外周上の一部を長さ方向において平坦面に形成した断面を有する棒状遮蔽体を、その軸上において回転可能に支持して設ける一方、前記凹溝に対面する前記扉の底面に、回転した前記棒状遮蔽体の平坦面以外の部位が収まる断面形状を有する凹部を形成して構成したことにより、遮蔽扉が全部閉じられているときには平坦面以外の部位が扉の凹部に収まっていた前記の棒状遮蔽体を、当該扉の開き動作の開始と同時に、前記平坦面を上面にする向きに回転させて当該平坦面を床面に連続した面に形成し、また、この遮蔽扉を閉じるときは閉じ動作の終端において平坦面が上面を向いていた前記の棒状遮蔽体を回転させて平坦面以外の部位をこの扉の底面に形成されている凹部に収めることを可能としたので、クリアランス遮蔽用の補助遮蔽体を、自動的に動作させて必要な機能を果たさせることができ、きわめて効果的である。
また、本発明クリアランス遮蔽構造は、外部動力や駆動源を一切用いないので、構成が簡潔であるのみならず、機械的構造も至ってシンプルであるから、新設の遮蔽扉に適用できることは勿論のこと、既設扉にも若干の改造により容易に適用できるという利点がある。
横引き式の遮蔽扉に、本発明クリアランス遮蔽構造を適用した一例の要部の平断面図 図1の遮蔽構造の側断面図 図1,図2の遮蔽構造の左側面図 図2のA−A線矢視図 本発明遮蔽構造における遮蔽扉の閉動作終端における駆動カム体と受動ブロック体との関係を説明するために上面から見た斜視図 本発明遮蔽構造における遮蔽扉の閉動作終端における駆動カム体と受動ブロック体との関係を説明するために上面から見た斜視図 図5と図6における受動ブロック体の裏面におけるラックとピニオンの関係、並びに、棒状遮蔽体の回転動作と扉底面に設けた凹部との関係を説明するために裏面側から見た斜視図 図5と図6における受動ブロック体の裏面におけるラックとピニオンの関係、並びに、棒状遮蔽体の回転動作と扉底面に設けた凹部との関係を説明するために裏面側から見た斜視図 従来の横引き式の遮蔽扉の要部を示した平断面図 従来のステップバック式の遮蔽扉の要部を示した平断面図 図10の側断面図 本発明クリアランス遮蔽構造の具体例に用いるカム12の平面図 本発明クリアランス遮蔽構造の具体例の要部の正断面図 図13のA−A線矢視断面図 遮蔽体6のロック機構の第二例の概要を示す斜視図 遮蔽体6のロック機構の第三例の概要を示す斜視図 遮蔽体6のロック機構の第四例の概要を示す斜視図 本発明クリアランス遮蔽効果をシミュレーション解析するために利用したモデル遮蔽室の平面図 図18のモデル遮蔽室に適用した本発明クリアランス遮蔽構造の各例とその遮蔽構造を採用しない従来例との遮蔽性能を比較した線図
符号の説明
1 遮蔽扉
2 遮蔽壁
3 開口部
4 凹溝
5 凹部
6 棒状遮蔽体
7 軸受け板
8 支持ボックス
9 駆動板
10 ラック
11 ピニオン
12 斜面カム
13 カムフォロア部材
F 床

Claims (6)

  1. 放射線遮蔽壁に形成した出入口に設置されたスライドさせて開閉される遮蔽扉において、閉じた遮蔽扉の底面と床の対向面を、少なくとも前記出入口の開口幅とほぼ同長に亘り凹状に形成し、対向した凹状部分に、長さ方向の一部を平坦乃至ほぼ平坦な面に形成した棒状遮蔽体を回転可能に収設し、該遮蔽体を、前記扉の開扉状態では前記遮蔽体の平坦面が上面に位置し、閉扉状態では前記平坦面が上面以外の位置に回転させるようにしたことを特徴とするクリアランス遮蔽構造を備えた遮蔽扉。
  2. 放射線遮蔽壁に形成した出入口に設置されたスライドさせて開閉される遮蔽扉において、閉じた状態の扉の底面が対向する床に、当該扉の前後幅(厚さ)よりも小さい幅で前記出入口の開口幅と少なくともほぼ同等長さの凹溝を形成すると共に、該凹溝内に、外周上の一部を長さ方向において平坦乃至ほぼ平坦な面に形成した断面を有する棒状遮蔽体を、回転したとき前記平坦面が前記床の面とほぼ同面をなすように回転可能に支持して設ける一方、前記凹溝に対面する前記扉の底面に、回転した前記棒状遮蔽体の平坦面以外の部位が収まる断面形状を有する凹部を形成したことを特徴とするクリアランス遮蔽構造を備えた遮蔽扉。
  3. 遮蔽扉のスライド開閉動作と棒状遮蔽体の回転動作とを、前記扉のスライド開,閉動作の始,終端において同期的に連動させるように形成した請求項1又は2の遮蔽扉。
  4. 遮蔽扉のスライド開,閉動作の始,終端において、棒状遮蔽体の回転をさせるため、前記扉側にそのスライド動作の方向を変えて伝動する方向変更機構を設けると共に、当該変更機構にラック状の駆動体を設ける一方、前記棒状遮蔽体側の回転軸に前記駆動体によって回転させられるピニオン状の従動体を設けた請求項3の遮蔽扉。
  5. 請求項1〜4のいずれかのクリアランス遮蔽構造は、当該遮蔽扉の厚さ方向において少なくとも2組を平行に配設した請求項1〜4のいずれかの遮蔽扉。
  6. 棒状遮蔽体には、その平坦な面が床と揃う上面に位置したとき、その位置を拘束するストッパ手段を関連させて設けた請求項1〜〜5のいずれかの遮蔽扉。

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