Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
JP3810257B2 - 音声帯域拡張装置及び音声帯域拡張方法 - Google Patents
[go: Go Back, main page]

JP3810257B2 - 音声帯域拡張装置及び音声帯域拡張方法 - Google Patents

音声帯域拡張装置及び音声帯域拡張方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3810257B2
JP3810257B2 JP2000199215A JP2000199215A JP3810257B2 JP 3810257 B2 JP3810257 B2 JP 3810257B2 JP 2000199215 A JP2000199215 A JP 2000199215A JP 2000199215 A JP2000199215 A JP 2000199215A JP 3810257 B2 JP3810257 B2 JP 3810257B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
band
filter
output signal
circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000199215A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002015522A (ja
Inventor
和也 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2000199215A priority Critical patent/JP3810257B2/ja
Publication of JP2002015522A publication Critical patent/JP2002015522A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3810257B2 publication Critical patent/JP3810257B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
  • Tone Control, Compression And Expansion, Limiting Amplitude (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声機器が出力する音声信号の音質、特に高音域の音質の向上を図り、人間の耳に快適な音声信号を出力する音声帯域拡張装置及び音声帯域拡張方法に関するものであり、特にデジタル音声信号をデジタル領域で処理する音声帯域拡張装置及び音声帯域拡張方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
音声機器、特にデジタル処理を行う機器(例えばアナログ/デジタル・コンバータ、デジタル/アナログ・コンバータ等)又は音声信号記録再生装置(例えばアナログテープレコーダ、CDプレーヤ、MD記録再生装置等)は、処理又は記録再生を行う音声信号(音響信号又はオーディオ信号とも言う。)の周波数帯域を人間の可聴帯域(例えば、20Hzから20kHzまで)のみに制限している。
しかし、従来人間の可聴帯域は20kHz以下であると考えられていたが、近年、人間は20kHzを超える周波数帯域の信号成分も感知し得るということが分かってきた。
上記の機器の出力信号は20kHz以下の周波数帯域の成分しか有していない故に、元々有していた20kHzを超える成分を正確に再現することは出来ない。
しかし、機器の出力信号に擬似的な20kHz以上の高周波成分を付加することにより、当該出力信号をより自然な音に近づけることが出来る。
そこで、出力信号に擬似的な高周波成分を付加する種々の音声帯域拡張装置及び音声帯域拡張方法が提案されている。
【0003】
特開平9−36685号公報には、音声アナログ再生信号に対して、再生周波数帯の高音域上限か又は可聴周波数帯域の高音域上限を越える周波数のスペクトルを持つ信号を付加する音声信号再生装置及び音声信号再生方法が開示されている。
以下に、特開平9−36685号公報に記載の従来の音声信号再生装置及び音声信号再生装置について説明する。
図21は従来の音声信号再生装置のブロック図である。図21において、2101は入力端子、2102はバッファアンプ、2103はフィルタ回路、2104はアンプ、2105は検波回路、2106は時定数回路、2107はノイズ発生器、2108はフィルタ回路、2109は乗算器、2110は加算回路、2111は出力端子である。
【0004】
入力信号である音声信号は入力端子2101から入力されてバッファアンプ2102に入力される。増幅されたバッファアンプ2102の出力信号は分岐されて一方は加算回路2110に入力され、他方はハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタであるフィルタ回路2103に入力される。フィルタ回路2103は入力した音声信号のうちの特定の帯域(6kHz〜20kHz)の信号を通過させる。増幅器2104は、フィルタ回路2103の出力信号を適当なレベルにまで増幅する。時定数回路2106は、時定数を指定する出力信号を出力する。検波回路2105は、増幅器2104の出力信号を検波し、検波出力信号を時定数回路2106の出力信号に応じた時定数で平滑化し(即ち一定の時定数で遅延させて)出力する。平滑化された出力信号はレベルコントロール信号として乗算器2109に入力され、原音声信号に付加するノイズ成分のレベルを調整をする。
【0005】
ノイズ発生器2107は、ランダムなノイズ信号を出力する。ハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタであるフィルタ回路2108は、ノイズ信号を入力して20kHz以上の周波数帯域を通過させる。乗算器2109はフィルタ回路2108の出力信号を入力し、当該フィルタ回路2108の出力信号にレベルコントロール信号を掛け合わて出力する(即ち、増幅率はレベルコントロール信号に比例する。)。
加算回路2110は、バッファアンプ2102の出力信号と乗算器2109の出力信号とを加算し、加算された信号を出力端子2111より出力する。
以上のように、原音声信号の高域音の出力レベルに比例したランダムノイズを原音声信号に付加することで高音域を拡大している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、以下に示す問題点を有していた。
自然界に存在する音声信号(例えば楽器の音)は、一般的に可聴帯域の信号レベルが大きい時に(同じ時刻において)可聴帯域を超える高周波成分の信号レベルも大きく、反対に可聴帯域の信号レベルが小さい時に可聴帯域を超える高周波成分の信号レベルも小さい。従って、特開平9−36685号公報に記載の従来の音声信号再生装置の出力信号、即ち一定時間遅延した高周波成分を加えた出力信号は、生の音の持つ自然さに不足していた。
【0007】
又、上記の従来の音声信号再生装置においては、入力信号の一定の帯域に含まれる成分の出力レベルのみに依存したレベルの高周波成分を出力信号に付加するが、異なる音源が出力する音声信号のスペクトルの周波数分布は、互いに異なる場合がある。入力信号の音の性質にかかわらず、一定の帯域に含まれる入力信号の成分のレベルのみに基づいて入力信号に一律に一定のレベルの高周波成分を付加することは、必ずしも入力信号をより自然な音に近づけず、場合によっては却って音質を劣化させる恐れもある。
例えば、正弦波の様な単一のスペクトルを有する信号が入力された場合も上記の従来の音声信号再生装置においてはランダムノイズが付加される故に、信号劣化が発生するという問題点を有していた。
【0008】
又、上記の従来の音声信号再生装置は、アナログ回路により構成されている故に、回路を構成する部品のばらつき又は温度特性によりその性能のばらつきが発生するという問題点を有していた。
又、上記の従来の音声信号再生装置は、アナログ回路により構成されている故に当該音声信号再生装置による音声信号の処理を繰り返すと音質劣化が発生するという問題点を有していた。
また、上記の従来の音声信号再生装置は、アナログ回路により構成されている故に構成部品であるフィルタの精度を向上させようとすると回路規模が大きくなりコスト増加につながるという問題点を有していた。
【0009】
本発明は上記従来の問題点を解決する音声帯域拡張装置及び音声帯域拡張方法を提供することを目的とする。
本発明は、入力信号(原音声信号)の音の性質に応じた高周波成分を付加することにより、種々の性質の音声信号について原音声信号からより自然な音声信号を生成し出力する音声帯域拡張装置及び音声帯域拡張方法を提供することを目的とする。例えば、正弦波を入力しても信号劣化が発生しない音声帯域拡張装置及び音声帯域拡張方法を提供することを目的とする。
【0010】
又、本発明は、デジタル部品で回路を構成することにより、又デジタル処理を行うことにより、回路を構成する部品のばらつき又は温度特性により性能のばらつきが発生しない音声帯域拡張装置及び音声帯域拡張方法を提供することを目的とする。
又、本発明は、当該音声信号再生装置による音声信号の処理を繰り返しても音質劣化が発生しない音声帯域拡張装置及び音声帯域拡張方法を提供することを目的とする。
更に、構成している高精度のフィルタを採用してもアナログ回路構成と比較して回路規模が大きくなることもなくコスト増加につながらない、音声帯域拡張装置及び音声帯域拡張方法を提供することを目的とする。
又、本発明は、小さな回路規模の構成により上記の目的を達成する音声帯域拡張装置及び音声帯域拡張方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、入力した帯域A(Aは任意の帯域)の音声信号を2倍以上のサンプリング周波数でオーバーサンプリングし且つ折り返し雑音を除去する低域通過フィルタと、時間TBを単位として前記低域通過フィルタの出力信号を区切り、時間TB(TBは任意の値)毎の前記低域通過フィルタの出力信号の前記帯域A内でのスペクトルを解析し、解析の結果を示す解析結果信号を出力するスペクトル解析手段と、前記低域通過フィルタの出力信号を入力し、非線形処理をした出力信号を出力する非線形手段と、ガウス分布と釣鐘型分布との間の任意の分布の確率密度分布を有する出力信号を生成するディザ生成手段と、前記帯域Aの信号成分を減衰させ、前記帯域Aより高域の周波数帯域である帯域B(Bは帯域Aより高域の任意の帯域)の信号成分を通過させる第1のフィルタと、前記帯域Aの信号成分を通過させ、かつ前記帯域Bの信号成分を減衰させ、前記帯域Bの信号成分を減衰させるときの周波数特性を前記解析結果信号に応じて1/f特性(fは周波数)から1/f特性までの間の領域において変化させる第2のフィルタとを有し、前記非線形手段の出力信号及び前記ディザ生成手段の出力信号を入力し前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタに通すフィルタ手段と、前記解析結果信号に応じて前記フィルタ手段の出力信号の出力レベルを制御するレベル制御手段と、前記レベル制御手段により制御された前記フィルタ手段の出力信号を前記低域通過フィルタの出力信号に加算し、加算信号を出力する加算手段と、を具備することを特徴とする音声帯域拡張装置である。
【0012】
本発明は、スペクトル解析手段の解析結果に基づいて、入力手段に非線形手段の出力信号及びディザ生成手段の出力信号を適切なレベル及び適切な周波数特性で加算する。
これにより、入力信号のスペクトル分布に応じたスペクトル分布の高周波成分を加算する故に、より自然な音を生成する音声帯域拡張装置を実現することが出来るという作用を有する。
【0013】
「帯域A」の値は任意である。例えば帯域Aは20kHz以下の帯域である。
「時間TB」の値は任意である。例えば時間TBは2048/(44.1kHz×2)=23msである(サンプリング周波数fs=44.1kHz、オーバーサンプリング率p=2、スペクトル解析のサンプリングデータ数を2048個とする)。
「帯域B」の値は任意である。例えば帯域Bは20kHzから40kHzの帯域である。
「ディザ生成手段」は、ランダム又はランダムに近い信号の発生手段を意味する。
「確率密度分布」は、振幅レベルを横軸とし各振幅レベルの発生頻度を縦軸とする離散値グラフを言う。時間TBは、ディザ生成手段の出力信号が無限のサンプル数での確率密度分布にほぼ近づく程度に十分長い時間であることが好ましい。
「ガウス分布と釣鐘型分布との間の分布」とは、確率密度分布を示すグラフ上で、ガウス分布と釣鐘型分布との間の領域(ガウス分布及び釣鐘型分布を含む。)に当該分布曲線がほぼ含まれている分布を言う。
好ましくは、分布はガウス分布に近い釣鐘型分布(ベル型分布)である。
【0014】
「非線形手段」は、入力信号を一定の非線形回路に通して高周波成分を発生させる手段を意味する。
「非線形手段」の伝達関数は任意である。好ましくは、非線形手段は全波整流回路又は半波整流回路である。
入力信号sinxを入力した全波整流回路である非線形手段の出力信号は、下記の通りである。
【0015】
【数式1】
Figure 0003810257
【0016】
同様に、入力信号sinxを入力した半波整流回路である非線形手段の出力信号は、下記の通りである。
【0017】
【数式2】
Figure 0003810257
【0018】
「1/f特性(fは周波数)から1/f特性までの間の領域において」とは、周波数特性を示す座標上で、1/f特性(fは周波数)と1/f特性との間の領域(1/f特性及び1/f特性を含む。)に当該周波数特性がほぼ含まれている特性を言う。
「周波数特性を変化させる」構成は、例えば1/f特性のフィルタと1/f特性のフィルタとを二者択一的にスイッチする構成であってもよく、例えば1/f特性のフィルタの出力信号と1/f特性のフィルタの出力信号との加算比率をすこしずつ変化させる構成であってもよい。
【0019】
「フィルタ手段」は、例えば前記非線形手段の出力信号及び前記ディザ生成手段の出力信号をそれぞれフィルタに通し、それぞれのフィルタの出力信号を別個に出力しても良いし、例えば入力した前記非線形手段の出力信号及び前記ベル型ディザ生成手段の出力信号を加算した後フィルタに通し、加算された出力信号を出力しても良い。
前者は前記非線形手段の出力信号が通過するフィルタの特性と前記ディザ生成手段の出力信号が通過するフィルタの特性とを別個独立に決定出来る故に、入力信号のスペクトル分布に、より適合したスペクトル分布を有する高周波成分を付加することが出来る。
一方、後者は前記非線形手段の出力信号と前記ディザ生成手段の出力信号とをまとめてフィルタに通す故に、回路規模が小さくなり、且つ周波数特性制御及びレベル制御を、より簡素化することが出来る。
【0020】
フィルタ手段は、入力信号を第1のフィルタに通した後第2のフィルタに通す構成でも良く、入力信号を第2のフィルタに通した後第1のフィルタに通す構成でも良い。又、第1のフィルタと第2のフィルタとの間に他の構成要素(例えばレベル制御手段等)を介在させても良い。又、第1のフィルタと第2のフィルタが分離できない様に一体化されていても良い。
【0021】
「レベル制御手段」は、加算手段によって加算されるそれぞれの出力信号のレベルを結果として制御すれば良い。例えば、非線形手段の入力信号、非線形手段の出力信号若しくはフィルタ手段の入力信号、ディザ生成手段の出力信号若しくはフィルタ手段の入力信号、又はそれぞれのフィルタ手段の出力信号のレベルを制御する手段を含む。
【0022】
本発明の請求項2に記載の発明は、
前記レベル制御手段が、前記フィルタ手段の出力信号の中の前記非線形手段の出力信号に基づく成分と、前記フィルタ手段の出力信号の中の前記ディザ生成手段の出力信号に基づく成分とをそれぞれ別個にレベル制御することを特徴とする請求項1に記載の音声帯域拡張装置である。
【0023】
本発明は、スペクトル解析手段の解析結果に基づいて、入力手段に非線形手段の出力信号及びディザ生成手段の出力信号をそれぞれ別個に適切にレベル制御する。
これにより、入力信号のスペクトル分布に応じたスペクトル分布の高周波成分を加算する故に、より自然な音を生成する音声帯域拡張装置を実現することが出来るという作用を有する。
【0024】
「別個にレベル制御する」とは、別個にレベル制御することが出来れば良い。例えば連動させてレベル制御することと別個にレベル制御することをユーザが選択可能な音声帯域拡張装置、又は入力された音声信号に応じて連動させてレベル制御することと別個にレベル制御することを自動的に選択する音声帯域拡張装置を含む。
【0025】
本発明の請求項3に記載の発明は、
前記第1のフィルタが前記帯域Bを通過帯域に含む帯域通過フィルタ又は高域通過フィルタであって、その低域側の遮断周波数又は遮断周波数特性の少なくともいずれか一方を前記解析結果信号に応じて切り換えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の音声帯域拡張装置である。
【0026】
本発明は、スペクトル解析手段の解析結果に基づいて、第1のフィルタの低域遮断周波数又は遮断周波数特性の少なくともいずれか一方を制御することにより、帯域Aの入力信号とこれに付加する帯域Bの高周波成分とが接するポイント(帯域Aと帯域Bが接する周波数。例えば20kHzである。)でのそれぞれの周波数成分のレベルの大きさ及び接するポイントを挟んだそれぞれの周波数分布(スペクトルアナライザによりフーリエ展開をした結果である、周波数軸を横軸とし周波数成分のレベルを縦軸とするグラフ上での傾き。)のつなぎを滑らかにすることが出来る。
これにより、スペクトル分布が例えば20kHzを超えて自然に延びる周波数特性を有する出力信号を生成することが出来る故に、より自然な音を生成する音声帯域拡張装置を実現することが出来るという作用を有する。
【0027】
好ましくは、その低域側の遮断周波数及び遮断周波数特性の両方を前記解析結果信号に応じて切り換える。両方を切り換えることにより、両者が接するポイントでの周波数特性の乱れ(当該ポイントでスペクトル(周波数成分)が極大値(又は極小値)を取る等)を抑えることが出来、より自然な音を生成する音声帯域拡張装置を実現することが出来るという作用を有する。
【0028】
本発明の請求項4に記載の発明は、
前記第1のフィルタは前記帯域Aと前記帯域Bを通過帯域に含み、前記第1のフィルタの出力信号に含まれる前記帯域Aの成分のエネルギーレベルと前記第1のフィルタの出力信号に含まれる前記帯域Bの成分のエネルギーレベルとの比が一定の値に近づく様に、前記第1のフィルタの特性が変化することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかの請求項に記載の音声帯域拡張装置である。
【0029】
本発明は、前記帯域Aの成分のエネルギーレベルと前記帯域Bの成分のエネルギーレベルとの比が一定の値に近づく様に、第1のフィルタの周波数特性を制御する。
例えば、帯域Aの入力信号とこれに付加する帯域Bの高周波成分とが接するポイントでのそれぞれの周波数成分のレベルの大きさを一致させるようにレベル制御を行い、且つ前記帯域Aの成分のエネルギーレベルと前記帯域Bの成分のエネルギーレベルとの比が一定の値に出来るだけ近づく様に第1のフィルタの周波数特性を変化させる。
これにより、本発明は、より自然な音を生成する音声帯域拡張装置を実現することが出来るという作用を有する。
【0030】
本発明の請求項5に記載の発明は、
前記非線形手段、前記ディザ生成手段、前記フィルタ手段、前記レベル制御手段又は前記加算手段は、前記非線形手段の出力信号に基づく前記加算信号の成分と前記ディザ生成手段の出力信号に基づく前記加算信号の成分との前記帯域A又は前記帯域Bの少なくともいずれか一方におけるエネルギーレベルの比を前記解析結果信号に応じて変化させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかの請求項に記載の音声帯域拡張装置である。
【0031】
本発明は、前記非線形手段の出力信号に基づく成分と前記ディザ生成手段に基づく成分との帯域A(又は帯域B、又は帯域A及びB)におけるエネルギーレベルの比を解析結果信号に応じて変化させる。
例えば、帯域Aに含まれる2個の周波数帯域である低周波帯域及び高周波帯域での入力信号のエネルギーレベルを解析する(スペクトル解析手段による解析)。
次に、非線形手段の出力信号とディザ生成手段の出力信号とを加算した信号の2個の帯域(低周波帯域及び高周波帯域)でのエネルギーレベルの比が、上記入力信号のエネルギーレベルの比に一致する様に、前記非線形手段の出力信号と前記ディザ生成手段の出力信号との加算比率を変化させる。
【0032】
このように加算比率を制御された非線形手段の出力信号及びディザ生成手段の出力信号の帯域Bの周波数成分を入力信号に加算する。
これにより、本発明は、入力信号のスペクトル分布を類似するスペクトル分布の擬似信号を生成することが出来、当該擬似信号の高周波成分を入力信号に加えることにより、より自然な音を生成する音声帯域拡張装置を実現することが出来るという作用を有する。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施例について図面とともに記載する。
《実施例1》
図1は本発明の実施例1の音声帯域拡張装置のブロック図を示す。
図1において、101は入力端子、102はオーバーサンプリング型LPF(オーバーサンプリング型低域通過フィルタ)、103はスペクトル解析回路、104は非線形回路、105はディザ発生回路、106はフィルタ、107はフィルタ、108はレベル制御回路、109はレベル制御回路、110は加算回路、111は加算回路、112は出力端子、113は遅延回路である。
【0034】
実施例1の音声帯域拡張装置は、20Hz〜20kHz(帯域Aに相当する。)の帯域の入力信号に、20kHz〜40kHz(帯域Bに相当する。)の高周波成分を付加することにより、より自然な響きを有する音声信号を出力する。
入力信号はサンプリング周波数fsのデジタル音声信号であり、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102内のオーバーサンプリング回路以降の処理においては、信号処理のサンプリングクロックは全てp・fsである(ディザ発生回路105等も含む。)。
本実施例においてはfs=44.1kHz、p=2、p・fs=88.2kHzである。
【0035】
実施例1の音声帯域拡張装置の入力信号のスペクトル強度の周波数特性を図2に、出力信号のスペクトル強度の周波数特性を図3に模式的に示す。
音声帯域拡張装置は、入力された音声デジタル信号(図2)に拡張信号(帯域Bの高周波成分)を、スペクトル特性上で滑らかにつながるように加算している(図3)。即ち、本実施例の音声信号帯域拡張装置から出力されるデジタル信号のスペクトルは、入力されたデジタル信号の帯域A内の最高周波数でのスペクトル20と、加算された拡張信号の帯域B内の最低周波数でのスペクトル21とを一致させた後、帯域Bのスペクトルの傾斜22を帯域A内のスペクトルの傾斜と同じくして連続させている。
【0036】
入力端子101を通じてデジタル音声信号が入力される。この信号がコンパクトディスク(CD)から再生されたものであれば、サンプリング周波数(fs)44.1kHz、語長16ビットの信号である。
オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102は、入力端子101に入力された信号を入力し、入力信号のサンプリング周波数をp倍(pは正の整数)し、且つ不要な帯域を減衰させる。pは2以上(通常は偶数)で、入力信号のサンプリング周波数fsの2分の1以上の帯域を60dB以上減衰させる。
【0037】
本実施例においては、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102はオーバーサンプリング率p=2(fs=44.1kHz)である。即ち、入力信号を周波数2fs=88.2kHzでオーバーサンプリングする。
例えば実施例の音声帯域拡張装置の後にデジタルアナログ変換装置を接続して、デジタルアナログ変換した音声信号を出力する場合等においては、もっと大きな値であるオバーサンプリング率pを採用してもよい(例えばp=64)。このような場合、拡張される音声信号の帯域Bはfs/2〜pfs/2よりも狭く、例えばfs/2〜fsである。
高域をカットしたオーバーサンプリング信号は、遅延回路113、スペクトル解析回路103、非線形回路104に伝送される。
【0038】
スペクトル解析回路103は、高域をカットしたオーバーサンプリング信号を入力し、そのスペクトルを解析し、解析結果信号を出力する。解析結果信号は、フィルタ106及び107、レベル制御回路108及び109に伝送される。
非線形回路104は、高域をカットしたオーバーサンプリング信号を入力し、入力信号を非線形処理して高周波成分を含む信号を出力する。非線形回路104の出力信号は、フィルタ106に入力される。
【0039】
フィルタ106は、非線形回路104の出力信号と解析結果信号とを入力し、解析結果信号に基づいて選択されたフィルタに非線形回路104の出力信号を通す。
具体的には、フィルタ106は、非線形回路104の出力信号のfs/2以下の周波数成分をカットし(ハイパスフィルタ)、且つスペクトル解析回路103の出力信号(解析結果信号)に基づいてfs/2以上の帯域において非線形回路104の出力信号を1/f特性又は1/f特性のフィルタ(低域通過フィルタ)に通して出力する。
レベル制御回路108は、フィルタ106の出力信号と解析結果信号とを入力し、解析結果信号に基づいて選択された増幅率でフィルタ106の出力信号を増幅する。
【0040】
ディザ発生回路105は、ベル分布型(釣鐘型)の確率密度を有するノイズ信号(ベル型ディザ信号)を発生する。
フィルタ107は、ノイズ信号と解析結果信号とを入力し、解析結果信号に基づいて選択されたフィルタにノイズ信号を通す。
具体的には、フィルタ107はディザ発生回路105の出力信号のfs/2以下の周波数成分をカットし(ハイパスフィルタ)、且つスペクトル解析回路103の出力信号(解析結果信号)に基づいてfs/2以上の帯域においてディザ発生回路105の出力信号を1/f特性又は1/f特性のフィルタ(低域通過フィルタ)に通して出力する。
レベル制御回路109は、フィルタ107の出力信号と解析結果信号とを入力し、解析結果信号に基づいて選択された増幅率でフィルタ107の出力信号を増幅する。
【0041】
加算回路110は、レベル制御回路108及び109の出力信号を入力し、加算し、加算結果を出力する。
遅延回路113は、高域をカットしたオーバーサンプリング信号を入力し、遅延させて出力する。高域をカットしたオーバーサンプリング信号がスペクトル解析回路103、非線形回路104、加算器110等を通って加算器111に入力される経路と、高域をカットしたオーバーサンプリング信号が遅延回路113を通って加算器111に入力される経路との遅延時間が等しくなる様に、遅延回路113における遅延時間が設定されている。
【0042】
加算回路111は、遅延回路113の出力信号と加算器110の出力信号とを加算し、加算結果を出力する。
出力端子112は、加算器111の加算結果を出力する。
上記の様に、本実施例の音声帯域拡張装置は、入力信号の持つ帯域以上のスペクトルを持つ高周波を発生させ、入力信号の高域スペクトル強度に応じてこの発生させた高周波成分を入力信号に付加することで音声帯域を拡張する。
【0043】
以下、個々のブロックを詳細に説明する。
オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102(実施例においてはp=2)は、オーバーサンプリング回路とデジタル低域通過フィルタとを有する。
最初に、オーバーサンプリング回路は、サンプリング周期TS/2(=1/(2fs))で入力信号とゼロデータとを交互に出力することにより、サンプリング周波数2fsを有する音声デジタル信号を生成する。
【0044】
次に、サンプリング周波数2fsを有する音声デジタル信号をデジタル低域通過フィルタに通す。デジタル低域通過フィルタは、
(a)周波数0〜0.45fsの通過帯域と、
(b)周波数0.54fs〜fsの阻止帯域と、
(c)周波数fs以上で60dB以上の減衰量とを
有している。デジタル低域通過フィルタは、入力音声デジタル信号を低域通過ろ波し、上記オーバーサンプリング処理により発生した折り返し雑音を除去する。
以上の構成により、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102は、入力信号を2倍の周波数でオーバーサンプリングし、且つ実質的に入力音声デジタル信号の持つ有効な帯域(周波数0〜0.45fs)のみを通過させる。
【0045】
図4は、実施例1におけるスペクトル解析回路103の構成を示す。
スペクトル解析回路103はFFT回路(fast Fourier Transform回路)41と、データ選択回路42と、重み付け加算回路43とを具備する。
FFT回路41は、FFT演算法を用いて、入力される音声デジタル信号を高速フーリエ変換処理する。例えば周波数分解能数が1024であれば2048個毎のデータに基づいて、即ちスペクトル解析の単位時間TB=2048/(p・fs)=2048/(2×44.1kHz)=23.2ms毎に各1024個のスペクトル強度を演算してデータ選択回路42に出力する(サンプリング周波数fs=44.1kHz。オーバーサンプリング率p=2)。
【0046】
次いで、データ選択回路42は、入力される周波数fs/1024毎のスペクトル強度に基づいて、例えば周波数fs/4〜1.26fs/4(11kHz〜13.9kHz)の帯域に該当するスペクトル強度のデータ、周波数1.26fs/4〜1.59fs/4(13.9kHz〜17.5kHz)の帯域に該当するスペクトル強度のデータ、及び周波数1.59fs/4〜2fs/4(17.5kHz〜22kHz)の帯域に該当するスペクトル強度のデータを選択的に抽出して重み付け加算回路43に出力する。
1.26=2の3乗根、1.59=(2の3乗根)の2乗である。
【0047】
重み付け加算回路43は、抽出された各スペクトル強度のデータに所定の重み付け係数を掛け、掛け合わせた結果の各データを加算することにより、入力される音声デジタル信号の周波数fs/4〜1.26fs/4(11kHz〜13.9kHz)の帯域全体のスペクトル強度(エネルギーレベル)L1、周波数1.26fs/4〜1.59fs/4(13.9kHz〜17.5kHz)の帯域全体のスペクトル強度(エネルギーレベル)L2、及び周波数1.59fs/4〜2fs/4(17.5kHz〜22kHz)の帯域全体のスペクトル強度(エネルギーレベル)L3を算出し出力する。
この3個の帯域のスペクトル強度L1、L2及びL3の大きさ及び比率に基づいて、フィルタ106及び107並びにレベル制御回路108及び109が制御される。
【0048】
L2/L1及びL3/L2を計算する。この計算結果を、4個の減衰カーブ(スペクトル強度の周波数分布のことである。高周波ほどスペクトル強度は減衰する。)、即ち非線形回路104の出力信号である数式1(又は数式2)に−6dB/octを掛け合わせた減衰カーブ(後述するフィルタ106の第1の周波数特性)、数式1(又は数式2)に−12dB/octを掛け合わせた減衰カーブ(後述するフィルタ106の第2の周波数特性)、ディザ発生回路105の出力信号(図10)に−6dB/octを掛け合わせた減衰カーブ(後述するフィルタ107の第1の周波数特性)、及びディザ発生回路105の出力信号に−12dB/octを掛け合わせた減衰カーブ(後述するフィルタ107の第2の周波数特性)の、同じ帯域(fs/4〜1.26fs/4の帯域、1.26fs/4〜1.59fs/4の帯域、及び1.59fs/4〜2fs/4の帯域)でのそれぞれのスペクトル強度の比率(L2/L1及びL3/L2に相当する値)と比較する。
【0049】
スペクトル解析回路103は、当該4個の減衰カーブのスペクトル強度の比率(L2/L1及びL3/L2に相当する値)を記憶している。
スペクトル解析回路103は、上記の4個の減衰カーブの中で、最もL2/L1及びL3/L2に近い減衰カーブを選択し、当該減衰カーブを有する出力信号(非線形回路104又はディザ発生回路105)を出力するように制御する。
3個の帯域のスペクトル強度を比較することにより、4個の減衰カーブの中から、入力信号のスペクトル強度の減衰カーブの1次微分特性及び2次微分特性に近似した最適の減衰カーブを選択することが出来る。
又、帯域A(入力信号の帯域)と帯域B(付加する高周波成分の帯域)の接点(例えば20kHz)での入力信号のスペクトル強度と、当該接点での選択された出力信号(非線形回路104又はディザ発生回路105の出力信号)のスペクトル強度とが、一致する様にレベル制御回路108又は109の増幅率を制御する。
【0050】
スペクトル解析回路103が、非線形回路104の出力信号に−6dB/octを掛け合わせた減衰カーブの採用を決定した場合を例示する。スペクトル解析回路103は、非線形回路104の出力信号がフィルタ106の−6dB/octのフィルタを通過するように制御し、且つ加算器111において20kHzでの入力信号のスペクトル強度とフィルタ106の出力信号のスペクトル強度とが一致する様にレベル制御回路108の増幅率を制御する。
レベル制御回路109の増幅率を0に制御する。
【0051】
上記の実施例においては、4個の減衰カーブの中から最適の減衰カーブを択一的に選択するが、他の実施例の音声帯域拡張装置においては、非線形回路104の出力信号及びディザ発生回路105の出力信号を4個の減衰カーブのフィルタに通す。4個のフィルタの出力信号にそれぞれ適切な係数を掛けた後、加算する(加算信号を生成する)。上記の4個の係数は、加算信号が入力信号の減衰カーブに近似した周波数特性を有するように決められる。
当該加算信号(高周波成分を有する。)を入力信号に付加することにより、音声帯域拡張装置は自然な印象を与える出力信号を出力する。
【0052】
例えば、図1において、スペクトル解析回路103は、非線形回路104の出力信号がフィルタ106の−6dB/octのフィルタを通過するように制御し、ディザ発生回路105の出力信号がフィルタ107の−12dB/octのフィルタを通過するように制御し、合成された高周波成分の減衰カーブが入力信号の減衰カーブに近似する様に且つ加算器111において20kHzでの入力信号のスペクトル強度と付加される高周波成分のスペクトル強度とが一致する様にレベル制御回路108及び109のそれぞれの増幅率を制御する。
【0053】
図5は、他の実施例のスペクトル解析回路の構成を示すブロック図である。
図5のスペクトル解析回路は、高域通過フィルタ51と、絶対値演算回路52と、低域通過フィルタ53と、減算器54と、低域通過フィルタ55と、絶対値演算回路56と、低域通過フィルタ57と、判定回路58とを備えている。
図5において、図1のオーバーサンプリング型低域通過フィルタ102で低域通過ろ波された音声デジタル信号は、高域通過フィルタ51及び、減算器54に入力される。
高域通過フィルタ51は、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号を入力し、周波数fs/4〜fs/2(11kHz〜22kHz)の帯域成分のみを通過させるように高域通過ろ波した後、高域通過ろ波後の信号を絶対値演算回路52に入力する。
【0054】
絶対値演算回路52は、高域通過フィルタ51の出力信号を入力し、全波整流し、整流された信号を出力する。
低域通過フィルタ53は、整流された信号を入力し、時間積分を行って平滑された信号yahを出力する。平滑された信号yahは、入力された音声デジタル信号の周波数fs/4〜fs/2(11kHz〜22kHz)の帯域におけるスペクトル強度を示す。スペクトル強度を示す信号yahは、判定回路58に入力される。
一方、減算器54は、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号を入力し、高域通過フィルタ51の出力信号を減算した後、減算結果の信号を出力する。
【0055】
低域通過フィルタ55は、減算結果を入力し、周波数0〜fs/4(0〜11kHz)の帯域の成分を通過させ出力する。
絶対値演算回路56は、上記抽出した周波数0〜fs/4の帯域の成分を入力し、整流し出力する。
低域通過フィルタ57は、整流された信号を入力し、時間積分を行って平滑された信号yalを出力する。平滑された信号yalは、入力された音声デジタル信号の周波数0〜fs/4(0〜11kHz)の帯域におけるスペクトル強度を示す。スペクトル強度を示す信号yalは、判定回路58に入力される。
【0056】
そして、判定回路1408は、入力された音声デジタル信号の周波数0〜fs/4におけるスペクトル強度yalと、周波数fs/4〜fs/2におけるスペクトル強度yahを比較して、以下のようにフィルタ106及び107並びにレベル制御回路108及び109を制御する。
(a)スペクトル強度yalが所定の閾値レベル以上でかつスペクトル強度yahが上記閾値レベル未満であるとき、又は、
(b)スペクトル強度yalが所定の閾値レベル未満でかつスペクトル強度yahが所定の閾値レベル以上であるとき、
レベル制御回路108及び109の増幅率を0にする。即ち、非線形回路104及びディザ発生回路105の出力信号は入力信号に加算されない。
【0057】
一方、上記(a)及び(b)以外の時は、レベル制御回路108及び109の増幅率を0以外の値にし、非線形回路104及びディザ発生回路105の出力信号をオーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号に加算する。
即ち、入力された音声デジタル信号が、周波数0〜fs/4の帯域、並びに周波数fs/4〜fs/2の帯域の2つの帯域においてそれぞれ所定の閾値以上のスペクトル強度を有するとき、非線形回路104及びディザ発生回路105の出力信号が入力信号に加算されて、入力された音声デジタル信号の帯域が拡張される。
【0058】
一方、スペクトル強度yalが所定の閾値レベル以上で、かつスペクトル強度yahが所定の閾値レベル未満であれは、周波数fs/4〜fs/2の帯域成分が実質的に存在しないため、帯域拡張しない方が周波数スペクトル分布が自然である。又、周波数fs/4〜fs/2の帯域成分が実質上存在しないことは、入力された音声デジタル信号がfs/4以下の帯域の単一スペクトルの信号又は意図的に発生された非楽音信号であると判断出来る。
そこで、このような場合は、上述のようにレベル制御回路108及び109の増幅率を0にする。
【0059】
又、スペクトル強度yalが所定の閾値レベル未満でかつスペクトル強度yahが所定の閾値レベル以上の場合は、基本波成分がなく高調波成分のみであると考えられる。即ち、入力された音声デジタル信号が楽音ではなく高域の単一スペクトルの音又は意図的に発生された非楽音であると判断する。
そこで、このような場合は、上述のようにレベル制御回路108及び109の増幅率を0にする。
これにより、単一スペクトルの信号又は非楽音信号を検出したとき、音声帯域拡張装置は図2の入力信号をそのまま出力する。
【0060】
上記(a)及び(b)以外の時は、yah/yalの比率に基づいて、4個の減衰カーブ(スペクトル強度の周波数分布)の中から最適の減衰カーブを選択する。即ち非線形回路104の出力信号である数式1(又は数式2)に−6dB/octを掛け合わせた減衰カーブ(フィルタ106)、数式1(又は数式2)に−12dB/octを掛け合わせた減衰カーブ(フィルタ106)、ディザ発生回路105の出力信号に−6dB/octを掛け合わせた減衰カーブ(フィルタ107)、及びディザ発生回路105の出力信号に−12dB/octを掛け合わせた減衰カーブ(フィルタ107)の中で、yah/yalの比率に最も近似した周波数特性を有する減衰カーブを選択する。
判定回路58は、当該4個の減衰カーブのスペクトル強度の比率(yah/yalに相当する値)を記憶している。
【0061】
判定回路58は、上記の4個の減衰カーブの中で、最もyah/yalに近い減衰カーブを選択し、当該減衰カーブを有する出力信号(非線形回路104又はディザ発生回路105)を出力するように制御する。
即ち、判定回路58は、例えばディザ発生回路105の出力信号が選択された場合は、加算器111において20kHzでの入力信号のスペクトル強度と付加される高周波成分のスペクトル強度とが一致する様にレベル制御回路109の増幅率を制御し、非線形回路104の出力信号を増幅するレベル制御回路108の増幅率を0に制御する。
【0062】
以上の実施例においては、スペクトル解析回路6において2つの帯域のスペクトル強度を演算して、入力された音声デジタル信号が単一のスペクトル又は非楽音信号である否かを判断している。
同様に、実施例1のスペクトル解析回路103において3個の帯域の各スペクトル強度を演算して、入力された音声デジタル信号が単一のスペクトル又は非楽音信号であるか否かを判断することが出来る。
以上の実施例においては、音声信号帯域拡張装置を、ハードウエアのデジタル信号処理回路で構成しているが、本発明はこれに限らず、例えば、図1、図4又図5の構成を信号処理プログラムでソフトウエアにより実現することも出来る。又、当該信号処理プログラムをDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)によりハードウエアで実行してもよい。
【0063】
非線形回路104は、非線形の入出力特性を有し、入力されるオーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号に対して非線形処理を実行することにより音声デジタル信号を歪ませて高調波成分を発生させ、高調波成分を有する音声デジタル信号を出力する。
非線形処理回路104の構成を図6に例示する。
図6において、非線形回路104は、絶対値演算回路61と、DCオフセット除去回路62とを具備する。DCオフセット除去回路62は、減算器63と、平均化回路64と、1/2乗算器65と、遅延回路66とを具備する。
【0064】
絶対値演算回路61は、入力された音声デジタル信号に対して、例えば全波整流処理などの非線形処理を実行した後、非線形処理後の音声デジタル信号を遅延回路66及び平均化回路64に出力する。
絶対値演算回路61は、正の振幅を有する信号をそのまま出力する一方、負の振幅を有する信号を負の振幅と同一の絶対値を有する正の振幅に変換して出力する。そのため、負の振幅を有する信号はゼロレベルを境にして正側に折り返されるところで高調波成分が発生する。
例えば、入力信号sinxを入力した全波整流回路である絶対値演算回路61の出力信号は、上記の数式1で表される。同様に、入力信号sinxを入力した半波整流回路である絶対値演算回路61の出力信号は、上記の数式2で表される。
【0065】
平均化回路64は絶対値演算回路61の出力信号を入力して平滑化し、出力する。平均化回路64は、サンプリング周波数fsに比較して非常に低い遮断周波数、例えば0.001fs程度(fs=44.1kHzとすると、2.3ms程度)の遮断周波数を有する低域通過フィルタを有する。
具体的には、平均化回路64はサンプリング周期(Ts=1/fs=1/44.1kHz)に比較して十分に長い期間(例えば0.001fs程度の期間)における絶対値演算回路61の出力信号の振幅の平均値を演算し、当該平均値を出力する。
【0066】
1/2乗算器65は当該平均値を入力し、当該平均値の1/2を乗算して、乗算結果の値を出力する。1/2乗算器65の出力信号は、絶対値演算回路61の出力信号のDCオフセット量に相当する。1/2乗算器65の出力信号は、減算器63に入力される。
遅延回路66は、絶対値演算回路61の出力信号を入力して、遅延し、出力する。絶対値演算回路61の出力信号が平均化回路64及び1/2乗算器65を経由して減算器63に入力される経路の処理時間と、絶対値演算回路61の出力信号が遅延回路66を経由して減算器63に入力される経路の遅延時間とが一致する様に、遅延回路66の遅延時間が設定されている。
減算器63は、絶対値演算回路61の出力信号から1/2乗算器65の出力信号を減算することにより、絶対値演算回路61の出力信号のDCオフセットを除去し、減算結果を出力する。
実施例においては非線形回路104の構成に絶対値演算回路61を用いたが、正の振幅を持つ信号のみを通過させ、負の振幅を持つ信号をゼロにする回路にしても同様の効果が得られる。
【0067】
入力端子101に入力されるデジタル音声信号はゼロレベルを基準とした信号である故に(DC成分を含まない。)、出力端子112から出力される信号もDC成分を含まないようにしている。
非線形回路104への入力信号(オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号)はゼロレベルを基準とした信号であるが、絶対値演算回路61が非線形回路104への入力信号を非線形処理する(絶対値を演算して出力する。)ことにより、DCオフセットが発生する。
そこで、減算器63により、絶対値演算回路61の出力信号に含まれるDCオフセットを除去している。
【0068】
非線形回路104がオーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号を入力して生成した高調波成分を含むデジタル信号は、図1に示すように、フィルタ106に入力される。
フィルタ106は、後述する様に、入力したデジタル信号の中の概ね周波数fs/2以上の高周波成分のみを高域通過ろ波して出力する。
【0069】
図1のディザ発生回路105は、時間軸に対してランダムな振幅レベルを有する音声デジタル信号を発生する。即ち、ディザ発生回路105は、入力端子101に入力された音声デジタル信号とは無相関に発生させたディザ信号を出力する。
ディザ信号はフィルタ107に入力される。フィルタ107は、後述する様に、入力したディザ信号の中の概ね周波数fs/2以上の高周波成分のみを高域通過ろ波して出力する。
【0070】
ディザ信号発生回路105は、実施例1においては、図7に示す構成を有する。
図7において、ディザ信号発生回路105は、複数N個の疑似雑音系列ノイズ信号発生回路(以下、「PN系列ノイズ信号発生回路」という。)70−n(n=1,2,・・・,N(Nは2以上の任意の整数))と、加算器71と、遅延回路72と、DCオフセット除去用定数信号発生器73と、減算器74とを具備する。
【0071】
各PN系列ノイズ信号発生回路70−nは、互いに独立な初期値を有して、例えば、M系列ノイズ信号である一様にランダムな振幅レベルを有する疑似ノイズ信号を発生する。各PN系列ノイズ信号発生回路70−nの出力信号は、加算器71に入力される。
加算器71は、複数のPN系列ノイズ信号発生回路70−n(n=1,2,・・・,N)の出力信号であるN個の疑似ノイズ信号を加算して、加算結果である疑似ノイズ信号の和(ディザ信号)を出力する。
加算器71の出力信号(疑似ノイズ信号の和。ディザ信号)は遅延回路72及びDCオフセット除去用定数信号発生器73に入力される。
【0072】
DCオフセット除去用定数信号発生器73は、加算器71の出力信号(疑似ノイズ信号の和)を入力し、一定期間(当該一定期間は、加算器71の出力クロックよりも十分に長い期間であることが好ましい。例えば、1000/fs=22.7msである。)の間の加算器71の出力信号の平均値の1/2を算出する。当該平均値の1/2は、加算器71の出力信号(疑似ノイズ信号の和)のDCオフセット値に該当する。
DCオフセット除去用定数信号発生器73は、当該平均値の1/2(DCオフセット値。DCオフセット除去用定数信号)を出力する。当該平均値の1/2は、減算器74に入力される。
【0073】
遅延回路72は、加算器71の出力信号(疑似ノイズ信号の和。ディザ信号)を入力し、遅延して出力する。遅延された出力信号は、減算器74に入力される。
遅延回路72の遅延時間は、DCオフセット除去用定数信号発生器73での信号の遅延時間(遅延時間の大部分は平均値の算出回路で発生する。)と等しい時間である。これにより、加算器71の出力信号とDCオフセット除去用定数信号発生器73の出力信号との時間差を解消している。
減算器74は、遅延回路74の出力信号である疑似ノイズ信号の和からDCオフセット除去用定数信号を減算して、DCオフセットの無いディザ信号を生成し、出力する。
【0074】
図8は、各PN系列ノイズ信号発生回路70−n(n=1,2,・・・,N)の構成を図示する。
図8において、PN系列ノイズ信号発生回路70−nは、32ビットシフトレジスタ81と、排他的論理和ゲート82と、クロック信号発生器83と、初期値データ発生器84とを具備する。
32ビットシフトレジスタ81は、初期値データ発生器84により各PN系列ノイズ信号発生回路70−n毎に互いに異なる初期値が設定された後、クロック信号発生器83により発生されるクロック信号により、1段ずつシフトする。
【0075】
32ビットシフトレジスタ81(0〜31ビット)の最上位ビット(MSBである31ビット目)の1ビットデータと、3ビット目の1ビットデータとは、排他的論理和ゲート82の入力端子に入力される。
クロック信号発生器83からのクロック信号に基づいて、排他的論理和ゲート82は、排他的論理和の演算結果である1ビットデータを出力し、32ビットシフトレジスタ81の最下位ビット(LSBである0ビット目)に入力する。
32ビットシフトレジスタ81の下位8ビットのデータ(0ビット目〜7ビット目)は、PN系列ノイズ信号として出力される。
このようにPN系列ノイズ信号発生回路70−nを構成することにより、各PN系列ノイズ信号発生回路70−nから出力されるPN系列ノイズ信号は互いに独立した8ビットのPN系列ノイズ信号となる。
【0076】
図8の例では、各PN系列ノイズ信号発生回路70−nは上述の構成により互いに独立した8ビットのPN系列ノイズ信号を発生するが、本発明はこれに限らず、例えば以下の(1)、(2)又は(3)のように構成してもよい。
(1)各PN系列ノイズ信号発生回路70−nごとに、32ビットシフトレジスタ81の異なるビット位置の出力信号(異なるDフリップフロップの出力信号)から8ビットのデータを取り出してPN系列ノイズ信号を生成する。即ち、PN系列ノイズ信号発生回路70−1では最下位8ビットから8ビットのPN系列ノイズ信号を取り出し、PN系列ノイズ信号発生回路70−2では最下位8ビットより直上の8ビットからPN系列ノイズ信号を取り出し、以下同様にしてPN系列ノイズ信号を取り出す。
(2)排他的論理和ゲート82への入力信号を取り出す32ビットシフトレジスタ81のビット位置を各PN系列ノイズ信号発生回路70−nで互いに異ならせる。
(3)上記(1)と上記(2)とを組み合わせる。
【0077】
加算器71(図7)で互いに独立な複数個のPN系列ノイズを加算することにより、図9、図10又は図11に示すような振幅レベルに対して確率密度を有するPN系列ノイズ信号を発生することができる。
例えば、N=1(PN系列ノイズ信号発生回路が1個のみ)であるときは、概ね、図9に示すように、振幅レベルに対して一様分布の確率密度を有するホワイトノイズ信号を発生する。
また、N=12(PN系列ノイズ信号発生回路が12個)であるときは、12個の一様な乱数を発生するPN系列ノイズ信号発生回路70−nからの各PN系列ノイズ信号を加算することにより、図11に示すように、概ね振幅レベルに対してガウス分布の確率密度を有するガウス分布型ノイズ信号を発生する。中心極限定理により、ガウス分布の分散が1/(√12)になるからである。
【0078】
さらに、N=3であるとき、図10に示すように、ガウス分布に近くてガウス分布から若干大きい分散を有し、振幅レベルに対してベル型分布又は釣り鐘型分布の確率密度を有するベル分布型(釣り鐘型)ノイズ信号を発生する。
以上説明したように、図7及び図8の回路構成により、例えば図10又は図11のノイズ信号を発生することが出来る。このようにして、小規模の回路で自然音や楽音信号に近いディザ信号を発生することができる。
【0079】
図12はフィルタ106及び107の詳細ブロック図を示す(図1)。フィルタ106とフィルタ107とは同一の構成を有する。
図12において、1201はハイパスフィルタ、1202は1/f特性フィルタ(第1の周波数特性のフィルタ)、1203は1/f特性フィルタ(第2の周波数特性のフィルタ)、1204は切り換え器である。
【0080】
図13(a)は1/f特性フィルタ1202の1/f周波数特性(−6dB/oct)を図示する。1/f特性フィルタ1202は入力信号の帯域A(遮断周波数はfs/2。実施例においてはfs=44.1kHz)と同一の通過帯域を有する低域通過フィルタであって、遮断周波数より高域では1/fの減衰特性を有する。オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102のオーバーサンプリング周波数をpfsとすると(実施例においてはp=2)、1/fの減衰特性で信号を通す帯域は帯域B(fs/2〜pfs/2)である。pfs/2より高い周波数では、60dB以上の減衰量を有する。
【0081】
図13(b)は1/f特性フィルタ1203の1/f特性(−12dB/oct)を図示する。1/f特性フィルタ1203は入力信号の帯域Aと同一の通過帯域を有する低域通過フィルタであって、遮断周波数より高域では1/fの減衰特性を有する。1/fの減衰特性で信号を通す帯域は帯域B(fs/2〜pfs/2)である。pfs/2より高い周波数では、60dB以上の減衰量を有する。
【0082】
上述の様に、スペクトル解析回路103はオーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力の高域成分のスペクトル強度(例えばfs/4〜fs/2におけるスペクトル強度)と高域のスペクトル構造が1/f特性か1/f特性のいずれに近いかを検出する。
フィルタ106及び107の動作の詳細を図12及び図13を用いて説明する。
ハイパスフィルタ1201は、非線形回路104及びディザ生成回路105の出力信号のfs/2以下の帯域の成分を除去する。
ハイパスフィルタ1201は、請求項の記載における第1のフィルタに該当する。
【0083】
ハイパスフィルタ1201の出力信号は、上記の1/f特性フィルタ1202及び1/f特性フィルタ1203に入力される。切り換え器1204はスペクトル解析回路103の出力信号(解析結果信号)に応じて1/f特性フィルタ1202の出力と1/f特性フィルタ1203の出力信号を切り換え、いずれか選択された出力信号を出力する。
1/f特性フィルタ1202、1/f特性フィルタ1203及び切り換え器1204は、請求項の記載における第2のフィルタに該当する。
【0084】
上記の様に、本発明の実施例1の音声帯域拡張装置は、非線形回路及びディザ発生回路及びフィルタで入力信号の帯域以上の高周波を発生させ、スペクトル解析回路及びレベル制御回路で入力信号の高域スペクトル強度に応じてレベル及びスペクトル構造を制御し入力信号に加算して出力する構成を有する。
これにより、図3に示すようにfs/2以下の帯域Aの入力信号にfs/2〜pfs/2の帯域Bの信号を付加することにより帯域の拡張を行っている。
【0085】
大半の音楽信号のスペクトル構造は、1/f〜1/f特性を有している。スペクトル解析回路103は帯域Aの入力信号が1/f特性に近いのか1/f特性に近いのかを分析し、その出力に基づき帯域拡張する信号のスペクトル構造を決定することにより、入力信号のスペクトル構造に近い形で音声帯域の拡張を行っている。従って、入力信号のスペクトル構造に近い高周波で帯域を拡張するため特定の帯域が強調されることが無く、自然な感じで帯域が拡張できる。
また、ガウス分布に近いディザ信号を用いるため自然音に近い音で帯域の拡張を行っている。
【0086】
信号処理がデジタル処理であるため、回路を構成する部品のばらつきや温度特性により性能ばらつきが発生しない。また、音声信号が回路を通過する毎に音質劣化が発生することもない。更に、構成しているフィルタの精度追求を行ってもアナログ回路構成と比較して回路規模が大きくなることもなくコスト増加につながらない音声帯域拡張方法および装置を実現できる。
【0087】
尚、本発明の実施例1では非線形回路104の出力信号及びディザ発生回路105の出力信号をそれぞれ独立にフィルタ106、107及びレベル制御回路108及び109で処理した後、これらの信号を加算回路110、111で加算しているが、非線形回路104の出力とディザ発生回路105の出力を加算した後にフィルタ処理及びレベル制御処理を実施しても同様の効果が得られることは言うまでもない。
更に、スペクトル解析回路が入力信号を単一のスペクトルの信号と判断した場合、レベル制御回路の増幅率をゼロとする。これにより正弦波が入力されても高域信号が付加されない故に、当該音声帯域拡張装置により却って信号劣化が発生するという問題が解決された。
【0088】
《実施例2》
本発明の実施例2の音声帯域拡張装置の全体構成は、本発明の実施例1の音声帯域拡張装置(図1)と基本的に同じである。
入力信号はサンプリング周波数fsのデジタル音声信号であり、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102内のオーバーサンプリング回路以降の処理においては、信号処理のサンプリングクロックは全てp・fsである(ディザ発生回路105等も含む。)。
本実施例においてはfs=44.1kHz、p=2、p・fs=88.2kHzである。
実施例2の音声帯域拡張装置は、フィルタ106及び107の構成(図12)が、実施例1の音声帯域拡張装置と異なる。
実施例2のフィルタ106及び107は、ハイパスフィルタ1201(図12)の構成が実施例1のフィルタ106及び107と異なる。
【0089】
図14は本発明の実施例2における音声帯域拡張装置のフィルタ106及び107のハイパスフィルタ1201の詳細ブロック図である。
図14において、1401はハイパスフィルタ1〜m(mは2以上の任意の整数)、1402は切り換え器である。
図15は本発明の実施例2における音声帯域拡張装置のフィルタ106及び107のハイパスフィルタ1201に含まれる複数のハイパスフィルタ1〜m(1401)のそれぞれの周波数特性を示す。
この様に構成された本発明の実施例2の音声帯域拡張装置について、以下その動作を説明する。
基本的な動作は本発明の実施例1の音声帯域拡張装置と同じであるため相違点を詳しく説明する。
【0090】
実施例1のハイパスフィルタ1201は、fs/2以下の周波数成分をカットする単一のハイパスフィルタで構成されていたが、実施例2のハイパスフィルタ1201は、上述の様に複数のハイパスフィルタ1〜m(1401)及び切り換え器1402とを有する。各ハイパスフィルタの周波数特性は図15に示す特性であり、各々の遮断周波数又は遮断特性が異なる。
切り換え器1402は、スペクトル解析回路103の出力信号に応じて複数のハイパスフィルタ1〜m(1401)の出力信号の中から1個の出力信号を選択し、出力する。切り換え器1402の出力信号は、1/f特性フィルタ1202及び1/f特性フィルタ1203に入力される。
【0091】
ハイパスフィルタ1201の低域側(fs/2付近)の遮断周波数または遮断特性をスペクトル解析回路103の出力に応じて切り換えることで付加する高域信号(帯域B)の低域特性(fs/2付近の特性)を変化させる。
これにより、入力信号(帯域A)と付加する高域信号とが接する点であるfs/2付近での加算器111の出力信号のレベル等を微調整出来る故に、fs/2付近でスペクトルが盛り上がる等のうねりを抑えることが出来、より自然なスペクトル分布で帯域拡張できるようにしている。
【0092】
入力端子101を通じてデジタル信号が入力される。この信号がコンパクトディスク(CD)から再生されたものであれば、サンプリング周波数(fs)44.1kHz、語長16ビットの信号である。
オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102は、入力端子101を介して入力された信号のサンプリング周波数をp倍(pは正の整数)し、且つ不要な帯域を減衰させる。pは2以上(通常は偶数)で、入力信号のサンプリング周波数の2分の1(fs/2)以上の帯域を60dB以上減衰させる。
スペクトル解析回路103は、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号のスペクトル分布を分析し、高域成分のスペクトル強度(例えばfs/4〜fs/2におけるスペクトル強度)と高域のスペクトル分布に基づいて1/f特性フィルタ1202及び1/f特性フィルタ1203のいずれのフィルタが適しているかを検出する。
【0093】
非線形回路104は、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号を非線形処理し、高調波を発生させる。
フィルタ106は、上記のハイパスフィルタ1201により非線形回路104の出力信号のfs/2以下の帯域を最適にカットし、fs/2以上の帯域についてはスペクトル解析回路103の出力信号に基づき1/f特性フィルタ1202又は1/f特性フィルタ1203を通すことにより、入力信号に適したスペクトル分布を持つ帯域Bの信号を出力する。
【0094】
一方、ディザ発生回路105は、所定の振幅内で確率密度が略ガウス分布に近い釣鐘型分布となるベル型ディザを生成する。
フィルタ107は、上記のハイパスフィルタ1201によりディザ発生回路の出力信号のfs/2以下の帯域を最適にカットし、fs/2以上の帯域についてはスペクトル解析回路103の出力信号に基づき1/f特性フィルタ1202又は1/f特性フィルタ1203を通すことにより、入力信号に適したスペクトル分布を持つ帯域Bの信号を出力する。
【0095】
レベル制御回路108及び109のそれぞれは、スペクトル解析回路103の出力信号に応じた増幅率でフィルタ106及び107の出力信号を増幅する。
例えば、入力信号のfs/4〜fs/2におけるスペクトル強度が大きい場合、フィルタ106及び107の出力レベルを大きくし、スペクトル強度が小さい場合は出力レベルを小さくする様に動作する。
加算回路110は、2つのレベル制御回路108と109の出力を加算する。
【0096】
遅延回路113は、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号を入力し、遅延して出力する。オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号が遅延回路113を経由して加算器111に入力されるまでの遅延時間と、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号がスペクトル解析回路103、非線形回路104、加算器110等を経由して加算器111に入力されるまでの処理時間とが一致する様に、遅延回路113の遅延時間が決められている。
加算回路111は、遅延回路113の出力信号と加算回路110の出力信号を入力し、両者を加算し、加算結果を出力する。加算結果は、出力端子112から出力される。
【0097】
以上の様に、実施例2の音声帯域拡張装置は、入力信号の帯域Aより高い帯域Bのスペクトルを持つ高周波を発生させ、入力信号の高域スペクトル強度に応じてこの発生させた高周波成分を入力信号に付加することで音声帯域を拡張する。
入力信号に応じて付加する高域信号の低域特性を制御することで、入力信号及び付加した信号のスペクトル分布を連続的にすることができる故に自然な帯域拡張が可能である。
【0098】
また、信号処理がデジタル処理であるため、回路を構成する部品のばらつきや温度特性により性能ばらつきが発生しない。また、音声信号が回路を通過する毎に音質劣化が発生することもない。更に、構成しているフィルタの精度追求を行ってもアナログ回路構成と比較して回路規模が大きくなることもなくコスト増加につながらない音声帯域拡張方法および装置を実現できる。
【0099】
《実施例3》
本発明の実施例3の音声帯域拡張装置の全体構成は、本発明の実施例1の音声帯域拡張装置(図1)と基本的に同じである。
入力信号はサンプリング周波数fsのデジタル音声信号であり、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102内のオーバーサンプリング回路以降の処理においては、信号処理のサンプリングクロックは全てp・fsである(ディザ発生回路105等も含む。)。
本実施例においてはfs=44.1kHz、p=2、p・fs=88.2kHzである。
実施例3の音声帯域拡張装置は、フィルタ106及び107の構成(図12)が、実施例1の音声帯域拡張装置と異なる。
基本的な動作は本発明の実施例1の音声帯域拡張装置と同じであるため相違点を詳しく説明する。
【0100】
図16は、実施例3の音声帯域拡張装置のフィルタ106及び107のブロック図である。フィルタ106とフィルタ107の構成は同一である。
図16において、1601はローパスフィルタ、1602はハイパスフィルタ、1603は加算回路、1604は1/f特性フィルタ、1605は1/f特性フィルタ、1606は切り換え器である。
図17は本発明の実施例3のフィルタ106及び107の全体の周波数特性を示す。実施例1のフィルタ106及び107は帯域Bにおいて図17と同様の周波数特性を有しているが、帯域Aの信号成分は全て除去されている。
これに対して、実施例3のフィルタ106及び107は、帯域Bにおいて実施例1のフィルタと同様の特性を持ち且つ帯域Aの信号成分も減衰率は大きいが通過させる。
【0101】
ハイパスフィルタ1602は、非線形回路104の出力信号等を入力し、入力信号の帯域Aよりも高域の帯域である帯域Bの信号成分を出力する(通過帯域である帯域Bにおいては信号は減衰しない。)。
ローパスフィルタ1601は、非線形回路104の出力信号等を入力し、入力信号の帯域Aの信号成分を出力する。帯域Aよりも高域の信号成分はカットする。
ローパスフィルタ1601、ハイパスフィルタ1602及び加算器1603は、請求項の記載における第1のフィルタに該当する。
ローパスフィルタ1601は通過帯域(帯域A)においても大きな減衰率を有する故に、ローパスフィルタ1601の出力信号の信号レベルは非常に小さく、入力信号のLSBのレベルよりも小さい。そこで、実施例3においては、音声帯域拡張装置の各ブロックの語長を全て入力信号の語長より大きくして、追加された下位のビットにローパスフィルタ1601の出力信号を加える。
【0102】
加算器1603は、ローパスフィルタ1601の出力信号に所定の値dを掛け、掛けた結果の信号とハイパスフィルタ1602の出力信号とを加算する。
所定の値とは、ローパスフィルタ1601の出力信号(帯域Aの信号成分)のエネルギーレベルをL4、ハイパスフィルタ1602の出力信号(帯域Bの信号成分)のエネルギーレベルをL5とした時、d・L4/L5の比が一定の値cになるような値dである。従って、d・L4/L5=cよりd=c・L5/L4の式によりdが算出される。
又、ローパスフィルタ1601の出力信号に所定の値dを掛けた結果の信号(帯域Aの信号成分)の語長が拡張した語長(出力端子112の出力信号の持つ語長と入力信号の語長との差)以下になるようにする。
【0103】
加算器1603の出力信号は、1/f特性フィルタ1604及び1/f特性フィルタ1605に入力される。
切り換え器1606は、スペクトル解析回路103の出力信号に応じて、1/f特性フィルタ1604の出力信号又は1/f特性フィルタ1605の出力信号のいずれかを選択して出力する。
1/f特性フィルタ1604、1/f特性フィルタ1605及び切り換え器1606は、請求項の記載における第2のフィルタに該当する。
【0104】
実施例3においては、帯域A及び帯域Bのそれぞれの帯域の信号成分を入力信号の高域スペクトル強度に応じて加算することで、データ語長の拡大と帯域の拡張を実施している。帯域Aと帯域Bのエネルギー比を所定値にすることで、加算する信号のスペクトル構造が変化しないため、特定の帯域が強調されることが無く、データ語長の拡大と帯域の拡張が実施できる。
この様に構成された本発明の実施例3の音声帯域拡張装置について、以下その動作を説明する。
【0105】
入力端子101を通じてデジタル信号が入力される。この信号がコンパクトディスク(CD)から再生されたものであれば、サンプリング周波数(fs)44.1kHz、語長16ビットの信号である。
オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102は、入力端子101を介して入力された信号のサンプリング周波数をp倍(pは正の整数)し、且つ不要な帯域を減衰させる。pは2以上(通常は偶数)で、入力信号のサンプリング周波数の2分の1(fs/2)以上の帯域を60dB以上減衰させる。
【0106】
スペクトル解析回路103は、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号のスペクトル分布を分析し、高域成分のスペクトル強度(例えばfs/4〜fs/2におけるスペクトル強度)と高域のスペクトル分布に基づいて1/f特性フィルタ1604及び1/f特性フィルタ1605のいずれのフィルタが適しているかを検出する。
非線形回路104は、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号を非線形処理し、高調波を発生させる。
【0107】
フィルタ106は、上記のローパスフィルタ1601により非線形回路104の出力信号のfs/2以下の帯域Aの信号成分を減衰させて抽出し、上記のハイパスフィルタ1602により非線形回路104の出力信号のfs/2以上の帯域Bの信号成分を出力し(帯域Bについては減衰がない。)、加算器1603で両者を加算する。
その後、スペクトル解析回路103の出力信号に基づき1/f特性フィルタ1604又は1/f特性フィルタ1605を通すことにより、入力信号に適したスペクトル分布を持つ帯域A及び帯域Bの信号成分を出力する。
【0108】
一方、ディザ発生回路105は、所定の振幅内で確率密度が略ガウス分布に近い釣鐘型分布となるベル型ディザを生成する。
フィルタ107は、上記のローパスフィルタ1601によりディザ発生回路105の出力信号のfs/2以下の帯域Aの信号成分を減衰させて抽出し、上記のハイパスフィルタ1602によりディザ発生回路105の出力信号のfs/2以上の帯域Bの信号成分を出力し(帯域Bについては減衰がない。)、加算器1603で両者を加算する。
その後、スペクトル解析回路103の出力信号に基づき切り換え器1606を切り換えて1/f特性フィルタ1604又は1/f特性フィルタ1605を通すことにより、入力信号に適したスペクトル分布を持つ帯域A及び帯域Bの信号成分を出力する。
【0109】
レベル制御回路108及び109のそれぞれは、スペクトル解析回路103の出力信号に応じた増幅率でフィルタ106及び107の出力信号を増幅する。
例えば、入力信号のfs/4〜fs/2におけるスペクトル強度が大きい場合、フィルタ106及び107の出力レベルを大きくし、スペクトル強度が小さい場合は出力レベルを小さくする様に動作する。
加算回路110は、2つのレベル制御回路108と109の出力を加算する。
【0110】
遅延回路113は、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号を入力し、遅延して出力する。オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号が遅延回路113を経由して加算器111に入力されるまでの遅延時間と、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号がスペクトル解析回路103、非線形回路104、加算器110等を経由して加算器111に入力されるまでの処理時間とが一致する様に、遅延回路113の遅延時間が決められている。
加算回路111は、遅延回路113の出力信号と加算回路110の出力信号を入力し、両者を加算し、加算結果を出力する。加算結果は、出力端子112から出力される。
【0111】
以上の様に、実施例3の音声帯域拡張装置は、入力信号の帯域A及び帯域Bのスペクトルを持つノイズ信号を発生させ、入力信号の高域スペクトル強度に応じてこの発生させたノイズ信号を入力信号に付加することで音声帯域を拡張し、且つデータ語長を拡大している。
入力信号のスペクトル構造に近い高域信号で帯域を拡張するため特定の帯域が強調されることが無く、自然な感じで帯域が拡張できる。
【0112】
また、信号処理がデジタル処理であるため、回路を構成する部品のばらつきや温度特性により性能ばらつきが発生しない。また、音声信号が回路を通過する毎に音質劣化が発生することもない。更に、構成しているフィルタの精度追求を行ってもアナログ回路構成と比較して回路規模が大きくなることもなくコスト増加につながらない音声帯域拡張方法および装置を実現できる。
【0113】
《実施例4》
本発明の実施例4の音声帯域拡張装置の全体構成は、本発明の実施例3の音声帯域拡張装置(図1)と基本的に同じである。
入力信号はサンプリング周波数fsのデジタル音声信号であり、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102内のオーバーサンプリング回路以降の処理においては、信号処理のサンプリングクロックは全てp・fsである(ディザ発生回路105等も含む。)。
本実施例においてはfs=44.1kHz、p=2、p・fs=88.2kHzである。
実施例4の音声帯域拡張装置は、フィルタ106及び107(図18)がレベル制御回路1803、1810を有する点で、実施例3の音声帯域拡張装置のフィルタ106及び107(図16)と異なる。
【0114】
図18は、実施例4の音声帯域拡張装置のフィルタ106及び107のブロック図である。フィルタ106とフィルタ107の構成は同一である。
図18において、1801及び1808はローパスフィルタ、1802及び1809はハイパスフィルタ、1803及び1810はレベル制御回路、1804及び1811は加算回路、1805及び1812は1/f特性フィルタ、1806及び1813は1/f特性フィルタ、1807及び1814は切り換え器である。
【0115】
本発明の実施例4のフィルタ106及び107の全体の周波数特性は基本的に実施例3のフィルタ106及び107と同じであり、図17で示される。
実施例4のローパスフィルタ1801、1808の周波数特性は実施例3のローパスフィルタ1601の周波数特性と同じであり(図17の帯域A)、実施例4のハイパスフィルタ1802、1809の周波数特性は実施例3のハイパスフィルタ1602の周波数特性と同じである。
この様に構成された本発明の実施例4の音声帯域拡張装置について、以下その動作を説明する。
基本的な動作は本発明の実施例3の音声帯域拡張装置と同じであるため相違点を詳しく説明する。
【0116】
ハイパスフィルタ1802、1809は、非線形回路104の出力信号等を入力し、入力信号の帯域Aよりも高域の帯域である帯域Bの信号成分を出力する(通過帯域である帯域Bにおいては信号は減衰しない。)。
ローパスフィルタ1801、1808は、非線形回路104の出力信号等を入力し、入力信号の帯域Aの信号成分を出力する。帯域Aよりも高域の信号成分はカットする。ローパスフィルタ1801、1808は通過帯域(帯域A)においても大きな減衰率を有する故に、ローパスフィルタ1801、1808の出力信号の信号レベルは非常に小さく、入力信号のLSBのレベルよりも小さい。
【0117】
そこで、実施例4においては、音声帯域拡張装置の各ブロックの語長を全て入力信号の語長より大きくして、追加された下位のビットにローパスフィルタ1801、1808の出力信号を加える。
ローパスフィルタ1801、1808、ハイパスフィルタ1802、1809、レベル制御回路1803、1810及び加算器1804、1811は、請求項の記載における第1のフィルタに該当する。
【0118】
レベル制御回路1803、1810は、ハイパスフィルタ1802、1809の出力信号を入力し、スペクトル解析回路103の出力信号に基づく増幅率でハイパスフィルタ1802、1809の出力信号を増幅し、出力する。
レベル制御回路1803の増幅率α1及びレベル制御回路1810の増幅率α2とすると、α1及びα2の値は、α1+α2=一定の条件で、加算されるノイズ信号のスペクトル分布が入力信号のスペクトル分布に最も近似するように、スペクトル解析回路103の出力信号により決定される。
【0119】
加算器1804、1811は、ローパスフィルタ1801、1808の出力信号に所定の値dを掛け、掛けた結果の信号とレベル制御回路1803、1810の出力信号とを加算する。
所定の値とは、ローパスフィルタ1801、1808の出力信号(帯域Aの信号成分)のエネルギーレベルをL4、レベル制御回路1803、1810の出力信号(帯域Bの信号成分)のエネルギーレベルをL5とした時、d・L4/L5の比が一定の値cになるような値dである。従って、d・L4/L5=cよりd=c・L5/L4の式によりdが算出される。なお、加算器1804のdの値と、1811のdの値は別個独立である。
又、ローパスフィルタ1801、1808の出力信号に所定の値dを掛けた結果の信号(帯域Aの信号成分)の語長が拡張した語長(出力端子112の出力信号の持つ語長と入力信号の語長との差)以下になるようにする。
【0120】
加算器1804、1811の出力信号は、1/f特性フィルタ1805、1812及び1/f特性フィルタ1806、1813に入力される。
切り換え器1807、1814は、スペクトル解析回路103の出力信号に応じて、1/f特性フィルタ1805、1812の出力信号又は1/f特性フィルタ1806、1813の出力信号のいずれかを選択して出力する。
1/f特性フィルタ1805、1812、1/f特性フィルタ1806,1813及び切り換え器1807,1814は、請求項の記載における第2のフィルタに該当する。
【0121】
実施例4においては、帯域A及び帯域Bのそれぞれの帯域の信号成分を入力信号の高域スペクトル強度に応じて加算することで、データ語長の拡大と帯域の拡張を実施している。帯域Aと帯域Bのエネルギー比を所定値にすることで、加算する信号のスペクトル構造が変化しないため、特定の帯域が強調されることが無く、データ語長の拡大と帯域の拡張が実施できる。
この様に構成された本発明の実施例4の音声帯域拡張装置について、以下その動作を説明する。
【0122】
入力端子101を通じてデジタル信号が入力される。この信号がコンパクトディスク(CD)から再生されたものであれば、サンプリング周波数(fs)44.1kHz、語長16ビットの信号である。
オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102は、入力端子101を介して入力された信号のサンプリング周波数をp倍(pは正の整数)し、且つ不要な帯域を減衰させる。pは2以上(通常は偶数)で、入力信号のサンプリング周波数の2分の1(fs/2)以上の帯域を60dB以上減衰させる。
【0123】
スペクトル解析回路103は、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号のスペクトル分布を分析し、高域成分のスペクトル強度(例えばfs/4〜fs/2におけるスペクトル強度)と高域のスペクトル分布に基づいて1/f特性フィルタ1805、1812及び1/f特性フィルタ1806、1813のいずれのフィルタが適しているかを検出する。
非線形回路104は、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号を非線形処理し、高調波を発生させる。
【0124】
フィルタ106においては、上記のローパスフィルタ1801により非線形回路104の出力信号のfs/2以下の帯域Aの信号成分を減衰させて抽出する。又、上記のハイパスフィルタ1802により非線形回路104の出力信号のfs/2以上の帯域Bの信号成分を抽出し(帯域Bについては減衰がない。)、レベル制御回路1803で増幅する。加算器1804により両者を加算する。
その後、スペクトル解析回路103の出力信号に基づき切り換え器1807を切り換えて1/f特性フィルタ1805又は1/f特性フィルタ1806を通すことにより、入力信号に適したスペクトル分布を持つ帯域A及び帯域Bの信号成分を出力する。
【0125】
一方、ディザ発生回路105は、所定の振幅内で確率密度が略ガウス分布に近い釣鐘型分布となるベル型ディザを生成する。
フィルタ107は、上記のローパスフィルタ1808によりディザ発生回路105の出力信号のfs/2以下の帯域Aの信号成分を減衰させて抽出する。又、上記のハイパスフィルタ1809によりディザ発生回路105の出力信号のfs/2以上の帯域Bの信号成分を抽出し(帯域Bについては減衰がない。)、レベル制御回路1810で増幅する。加算器1811により両者を加算する。
その後、スペクトル解析回路103の出力信号に基づき切り換え器1814を切り換えて1/f特性フィルタ1812又は1/f特性フィルタ1813を通すことにより、入力信号に適したスペクトル分布を持つ帯域A及び帯域Bの信号成分を出力する。
【0126】
レベル制御回路108及び109のそれぞれは、スペクトル解析回路103の出力信号に応じた増幅率でフィルタ106及び107の出力信号を増幅する。
例えば、入力信号のfs/4〜fs/2におけるスペクトル強度が大きい場合、フィルタ106及び107の出力レベルを大きくし、スペクトル強度が小さい場合は出力レベルを小さくする様に動作する。
加算回路110は、2つのレベル制御回路108と109の出力を加算する。
【0127】
遅延回路113は、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号を入力し、遅延して出力する。オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号が遅延回路113を経由して加算器111に入力されるまでの遅延時間と、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号がスペクトル解析回路103、非線形回路104、加算器110等を経由して加算器111に入力されるまでの処理時間とが一致する様に、遅延回路113の遅延時間が決められている。
加算回路111は、遅延回路113の出力信号と加算回路110の出力信号を入力し、両者を加算し、加算結果を出力する。加算結果は、出力端子112から出力される。
【0128】
以上の様に、実施例4の音声帯域拡張装置は、入力信号の帯域A及び帯域Bのスペクトルを持つノイズ信号を発生させ、入力信号の高域スペクトル強度に応じてこの発生させたノイズ信号を入力信号に付加することで音声帯域を拡張し、且つデータ語長を拡大している。
入力信号のスペクトル構造に近い高域信号で帯域を拡張するため特定の帯域が強調されることが無く、自然な感じで帯域が拡張できる。
特に非線形回路で生成した高域信号とディザ発生回路で生成した高域信号の総エネルギーレベルは一定のままでその割合を入力信号の高域スペクトル構造に応じて制御できるため自然な帯域拡張が可能である。
【0129】
また、信号処理がデジタル処理であるため、回路を構成する部品のばらつきや温度特性により性能ばらつきが発生しない。また、音声信号が回路を通過する毎に音質劣化が発生することもない。更に、構成しているフィルタの精度追求を行ってもアナログ回路構成と比較して回路規模が大きくなることもなくコスト増加につながらない音声帯域拡張方法および装置を実現できる。
【0130】
《実施例5》
本発明の実施例5の音声帯域拡張装置の全体構成は、本発明の実施例3の音声帯域拡張装置(図1)と基本的に同じである。
入力信号はサンプリング周波数fsのデジタル音声信号であり、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102内のオーバーサンプリング回路以降の処理においては、信号処理のサンプリングクロックは全てp・fsである(ディザ発生回路105等も含む。)。
本実施例においてはfs=44.1kHz、p=2、p・fs=88.2kHzである。
実施例5の音声帯域拡張装置は、フィルタ106及び107(図19)がレベル制御回路1903、1910を有する点で、実施例3の音声帯域拡張装置のフィルタ106及び107(図16)と異なる。
【0131】
図19は、実施例5の音声帯域拡張装置のフィルタ106及び107のブロック図である。フィルタ106とフィルタ107の構成は同一である。
図19において、1901及び1908はローパスフィルタ、1902及び1909はハイパスフィルタ、1903及び1910はレベル制御回路、1904及び1911は加算回路、1905及び1912は1/f特性フィルタ、1906及び1913は1/f特性フィルタ、1907及び1914は切り換え器である。
【0132】
本発明の実施例5のフィルタ106及び107の全体の周波数特性は基本的に実施例3のフィルタ106及び107と同じであり、図17で示される。
実施例5のローパスフィルタ1901、1908の周波数特性は実施例3のローパスフィルタ1601の周波数特性と同じであり(図17の帯域A)、実施例5のハイパスフィルタ1902、1909の周波数特性は実施例3のハイパスフィルタ1602の周波数特性と同じである。
この様に構成された本発明の実施例5の音声帯域拡張装置について、以下その動作を説明する。
基本的な動作は本発明の実施例3の音声帯域拡張装置と同じであるため相違点を詳しく説明する。
【0133】
ハイパスフィルタ1902、1909は、非線形回路104の出力信号等を入力し、入力信号の帯域Aよりも高域の帯域である帯域Bの信号成分を出力する(通過帯域である帯域Bにおいては信号は減衰しない。)。
ローパスフィルタ1901、1908は、非線形回路104の出力信号等を入力し、入力信号の帯域Aの信号成分を出力する。帯域Aよりも高域の信号成分はカットする。ローパスフィルタ1901、1908は通過帯域(帯域A)においても大きな減衰率を有する故に、ローパスフィルタ1901、1908の出力信号の信号レベルは非常に小さく、入力信号のLSBのレベルよりも小さい。
【0134】
そこで、実施例5においては、音声帯域拡張装置の各ブロックの語長を全て入力信号の語長より大きくして、追加された下位のビットにローパスフィルタ1901、1908の出力信号を加える。
ローパスフィルタ1901、1908、ハイパスフィルタ1902、1909、レベル制御回路1903、1910、加算回路1904、1911は、請求項の記載における第1のフィルタを構成する。
【0135】
レベル制御回路1903、1910は、ローパスフィルタ1901、1908の出力信号を入力し、スペクトル解析回路103の出力信号に基づく増幅率でローパスフィルタ1901、1908の出力信号を増幅し、出力する。
レベル制御回路1903の増幅率α3及びレベル制御回路1910の増幅率α4とすると、α3及びα4の値は、α3+α4=一定の条件で、加算されるノイズ信号のスペクトル分布が入力信号のスペクトル分布に最も近似するように、スペクトル解析回路103の出力信号により決定される。
【0136】
加算器1904、1911は、レベル制御回路1903、1910の出力信号に所定の値dを掛け、掛けた結果の信号とハイパスフィルタ1902、1909の出力信号とを加算する。
所定の値とは、レベル制御回路1903、1910の出力信号(帯域Aの信号成分)のエネルギーレベルをL4、ハイパスフィルタ1902、1909の出力信号(帯域Bの信号成分)のエネルギーレベルをL5とした時、d・L4/L5の比が一定の値cになるような値dである。従って、d・L4/L5=cよりd=c・L5/L4の式によりdが算出される。なお、加算器1904のdの値と、1911のdの値は別個独立である。
又、レベル制御回路1903、1910の出力信号に所定の値dを掛けた結果の信号(帯域Aの信号成分)の語長が拡張した語長(出力端子112の出力信号の持つ語長と入力信号の語長との差)以下になるようにする。
【0137】
加算器1904、1911の出力信号は、1/f特性フィルタ1905、1912及び1/f特性フィルタ1906、1913に入力される。
切り換え器1907、1914は、スペクトル解析回路103の出力信号に応じて、1/f特性フィルタ1905、1912の出力信号又は1/f特性フィルタ1906、1913の出力信号のいずれかを選択して出力する。
1/f特性フィルタ1905、1912、1/f特性フィルタ1906、1913及び切り換え器1907、1914は、請求項の記載における第2のフィルタに該当する。
【0138】
実施例5においては、帯域A及び帯域Bのそれぞれの帯域の信号成分を入力信号の高域スペクトル強度に応じて加算することで、データ語長の拡大と帯域の拡張を実施している。帯域Aと帯域Bのエネルギー比を所定値にすることで、加算する信号のスペクトル構造が変化しないため、特定の帯域が強調されることが無く、データ語長の拡大と帯域の拡張が実施できる。
この様に構成された本発明の実施例5の音声帯域拡張装置について、以下その動作を説明する。
【0139】
入力端子101を通じてデジタル信号が入力される。この信号がコンパクトディスク(CD)から再生されたものであれば、サンプリング周波数(fs)44.1kHz、語長16ビットの信号である。
オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102は、入力端子101を介して入力された信号のサンプリング周波数をp倍(pは正の整数)し、且つ不要な帯域を減衰させる。pは2以上(通常は偶数)で、入力信号のサンプリング周波数の2分の1(fs/2)以上の帯域を60dB以上減衰させる。
【0140】
スペクトル解析回路103は、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号のスペクトル分布を分析し、高域成分のスペクトル強度(例えばfs/4〜fs/2におけるスペクトル強度)と高域のスペクトル分布に基づいて1/f特性フィルタ1905、1912及び1/f特性フィルタ1906、1913のいずれのフィルタが適しているかを検出する。
非線形回路104は、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号を非線形処理し、高調波を発生させる。
【0141】
フィルタ106においては、上記のローパスフィルタ1901により非線形回路104の出力信号のfs/2以下の帯域Aの信号成分を減衰させて抽出する。又、上記のハイパスフィルタ1902により非線形回路104の出力信号のfs/2以上の帯域Bの信号成分を抽出し(帯域Bについては減衰がない。)、レベル制御回路1903で増幅する。加算器1904により両者を加算する。
その後、スペクトル解析回路103の出力信号に基づき切り換え器1907を切り換えて1/f特性フィルタ1905又は1/f特性フィルタ1906を通すことにより、入力信号に適したスペクトル分布を持つ帯域A及び帯域Bの信号成分を出力する。
【0142】
一方、ディザ発生回路105は、所定の振幅内で確率密度が略ガウス分布に近い釣鐘型分布となるベル型ディザを生成する。
フィルタ107は、上記のローパスフィルタ1908によりディザ発生回路105の出力信号のfs/2以下の帯域Aの信号成分を減衰させて抽出する。又、上記のハイパスフィルタ1909によりディザ発生回路105の出力信号のfs/2以上の帯域Bの信号成分を抽出し(帯域Bについては減衰がない。)、レベル制御回路1910で増幅する。加算器1911により両者を加算する。
その後、スペクトル解析回路103の出力信号に基づき切り換え器1914を切り換えて1/f特性フィルタ1912又は1/f特性フィルタ1913を通すことにより、入力信号に適したスペクトル分布を持つ帯域A及び帯域Bの信号成分を出力する。
【0143】
レベル制御回路108及び109のそれぞれは、スペクトル解析回路103の出力信号に応じた増幅率でフィルタ106及び107の出力信号を増幅する。
例えば、入力信号のfs/4〜fs/2におけるスペクトル強度が大きい場合、フィルタ106及び107の出力レベルを大きくし、スペクトル強度が小さい場合は出力レベルを小さくする様に動作する。
加算回路110は、2つのレベル制御回路108と109の出力を加算する。
【0144】
遅延回路113は、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号を入力し、遅延して出力する。オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号が遅延回路113を経由して加算器111に入力されるまでの遅延時間と、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号がスペクトル解析回路103、非線形回路104、加算器110等を経由して加算器111に入力されるまでの処理時間とが一致する様に、遅延回路113の遅延時間が決められている。
加算回路111は、遅延回路113の出力信号と加算回路110の出力信号を入力し、両者を加算し、加算結果を出力する。加算結果は、出力端子112から出力される。
【0145】
以上の様に、実施例5の音声帯域拡張装置は、入力信号の帯域A及び帯域Bのスペクトルを持つノイズ信号を発生させ、入力信号の高域スペクトル強度に応じてこの発生させたノイズ信号を入力信号に付加することで音声帯域を拡張し、且つデータ語長を拡大している。
入力信号のスペクトル構造に近い高域信号で帯域を拡張するため特定の帯域が強調されることが無く、自然な感じで帯域が拡張できる。
特に非線形回路で生成した高域信号とディザ発生回路で生成した高域信号の総エネルギーレベルは一定のままでその割合を入力信号の高域スペクトル構造に応じて制御できるため自然な帯域拡張が可能である。
【0146】
また、信号処理がデジタル処理であるため、回路を構成する部品のばらつきや温度特性により性能ばらつきが発生しない。また、音声信号が回路を通過する毎に音質劣化が発生することもない。更に、構成しているフィルタの精度追求を行ってもアナログ回路構成と比較して回路規模が大きくなることもなくコスト増加につながらない音声帯域拡張方法および装置を実現できる。
【0147】
《実施例6》
本発明の実施例6の音声帯域拡張装置の全体構成は、本発明の実施例3の音声帯域拡張装置(図1)と基本的に同じである。
入力信号はサンプリング周波数fsのデジタル音声信号であり、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102内のオーバーサンプリング回路以降の処理においては、信号処理のサンプリングクロックは全てp・fsである(ディザ発生回路105等も含む。)。
本実施例においてはfs=44.1kHz、p=2、p・fs=88.2kHzである。
実施例6の音声帯域拡張装置は、フィルタ106及び107(図20)がレベル制御回路2003、2004、2011、2012を有する点で、実施例3の音声帯域拡張装置のフィルタ106及び107(図16)と異なる。
【0148】
図20は、実施例6の音声帯域拡張装置のフィルタ106及び107のブロック図である。フィルタ106とフィルタ107の構成は同一である。
図20において、2001及び2009はローパスフィルタ、2002及び2010はハイパスフィルタ、2003、2004、2011及び2012はレベル制御回路、2005及び2013は加算回路、2006及び2014は1/f特性フィルタ、2007及び2015は1/f特性フィルタ、2008及び2016は切り換え器である。
【0149】
本発明の実施例6のフィルタ106及び107の全体の周波数特性は基本的に実施例3のフィルタ106及び107と同じであり、図17で示される。
実施例6のローパスフィルタ2001、2009の周波数特性は実施例3のローパスフィルタ1601の周波数特性と同じであり(図17の帯域A)、実施例6のハイパスフィルタ2002、2010の周波数特性は実施例3のハイパスフィルタ1602の周波数特性と同じである。
この様に構成された本発明の実施例6の音声帯域拡張装置について、以下その動作を説明する。
基本的な動作は本発明の実施例3の音声帯域拡張装置と同じであるため相違点を詳しく説明する。
【0150】
ハイパスフィルタ2002、2010は、非線形回路104の出力信号等を入力し、入力信号の帯域Aよりも高域の帯域である帯域Bの信号成分を出力する(通過帯域である帯域Bにおいては信号は減衰しない。)。
ローパスフィルタ2001、2009は、非線形回路104の出力信号等を入力し、入力信号の帯域Aの信号成分を出力する。帯域Aよりも高域の信号成分はカットする。ローパスフィルタ2001、2009は通過帯域(帯域A)においても大きな減衰率を有する故に、ローパスフィルタ2001、2009の出力信号の信号レベルは非常に小さく、入力信号のLSBのレベルよりも小さい。
【0151】
そこで、実施例6においては、音声帯域拡張装置の各ブロックの語長を全て入力信号の語長より大きくして、追加された下位のビットにローパスフィルタ2001、2009の出力信号を加える。
ローパスフィルタ2001、2009,ハイパスフィルタ2002、2010、レベル制御回路2003、2004、2011、2012、加算器2005、2013は、請求項の記載における第1のフィルタに該当する。
【0152】
レベル制御回路2003、2011は、ローパスフィルタ2001、2009の出力信号を入力し、スペクトル解析回路103の出力信号に基づく増幅率でローパスフィルタ2001、2009の出力信号を増幅し、出力する。
レベル制御回路2003の増幅率α5及びレベル制御回路2011の増幅率α6とすると、α5及びα6の値は、α5+α6=の条件で、加算されるノイズ信号のスペクトル分布が入力信号のスペクトル分布に最も近似するように、スペクトル解析回路103の出力信号により決定される。
【0153】
又、レベル制御回路2004、2012は、ハイパスフィルタ2002、2010の出力信号を入力し、スペクトル解析回路103の出力信号に基づく増幅率でハイパスフィルタ2002、2010の出力信号を増幅し、出力する。
レベル制御回路2004の増幅率α7及びレベル制御回路2012の増幅率α8とすると、α7及びα8の値は、α7+α8=一定の条件で、加算されるノイズ信号のスペクトル分布が入力信号のスペクトル分布に最も近似するように、スペクトル解析回路103の出力信号により決定される。
【0154】
加算器2005、2013は、レベル制御回路2003、2011の出力信号に所定の値dを掛け、掛けた結果の信号とレベル制御回路2004、2012の出力信号とを加算する。
所定の値とは、レベル制御回路2003、2011の出力信号(帯域Aの信号成分)のエネルギーレベルをL4、レベル制御回路2004、2012の出力信号(帯域Bの信号成分)のエネルギーレベルをL5とした時、d・L4/L5の比が一定の値cになるような値dである。従って、d・L4/L5=cよりd=c・L5/L4の式によりdが算出される。なお、加算器2005のdの値と、2013のdの値は別個独立である。
又、レベル制御回路2003、2011の出力信号に所定の値dを掛けた結果の信号(帯域Aの信号成分)の語長が拡張した語長(出力端子112の出力信号の持つ語長と入力信号の語長との差)以下になるようにする。
【0155】
加算器2005、2013の出力信号は、1/f特性フィルタ2006、2014及び1/f特性フィルタ2007、2015に入力される。
切り換え器2008、2016は、スペクトル解析回路103の出力信号に応じて、1/f特性フィルタ2006、2014の出力信号又は1/f特性フィルタ2007、2015の出力信号のいずれかを選択して出力する。
1/f特性フィルタ2006、2014、1/f特性フィルタ2007、2015及び切り換え器2008、2016は、請求項の記載における第2のフィルタに該当する。
【0156】
実施例6においては、帯域A及び帯域Bのそれぞれの帯域の信号成分を入力信号の高域スペクトル強度に応じて加算することで、データ語長の拡大と帯域の拡張を実施している。帯域Aと帯域Bのエネルギー比を所定値にすることで、加算する信号のスペクトル構造が変化しないため、特定の帯域が強調されることが無く、データ語長の拡大と帯域の拡張が実施できる。
この様に構成された本発明の実施例6の音声帯域拡張装置について、以下その動作を説明する。
【0157】
入力端子101を通じてデジタル信号が入力される。この信号がコンパクトディスク(CD)から再生されたものであれば、サンプリング周波数(fs)44.1kHz、語長16ビットの信号である。
オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102は、入力端子101を介して入力された信号のサンプリング周波数をp倍(pは正の整数)し、且つ不要な帯域を減衰させる。pは2以上(通常は偶数)で、入力信号のサンプリング周波数の2分の1(fs/2)以上の帯域を60dB以上減衰させる。
【0158】
スペクトル解析回路103は、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号のスペクトル分布を分析し、高域成分のスペクトル強度(例えばfs/4〜fs/2におけるスペクトル強度)と高域のスペクトル分布に基づいて1/f特性フィルタ2006、2014及び1/f特性フィルタ2007、2015のいずれのフィルタが適しているかを検出する。
非線形回路104は、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号を非線形処理し、高調波を発生させる。
【0159】
フィルタ106においては、上記のローパスフィルタ2001により非線形回路104の出力信号のfs/2以下の帯域Aの信号成分を減衰させて抽出し、レベル制御回路2003で増幅する。又、上記のハイパスフィルタ2002により非線形回路104の出力信号のfs/2以上の帯域Bの信号成分を抽出し(帯域Bについては減衰がない。)、レベル制御回路2004で増幅する。加算器2005により両者を加算する。
その後、スペクトル解析回路103の出力信号に基づき切り換え器2008を切り換えて1/f特性フィルタ2006又は1/f特性フィルタ2007を通すことにより、入力信号に適したスペクトル分布を持つ帯域A及び帯域Bの信号成分を出力する。
【0160】
一方、ディザ発生回路105は、所定の振幅内で確率密度が略ガウス分布に近い釣鐘型分布となるベル型ディザを生成する。
フィルタ107は、上記のローパスフィルタ2009によりディザ発生回路105の出力信号のfs/2以下の帯域Aの信号成分を減衰させて抽出し、レベル制御回路2011で増幅する。又、上記のハイパスフィルタ2010によりディザ発生回路105の出力信号のfs/2以上の帯域Bの信号成分を抽出し(帯域Bについては減衰がない。)、レベル制御回路2012で増幅する。加算器2013により両者を加算する。
その後、スペクトル解析回路103の出力信号に基づき切り換え器2016を切り換えて1/f特性フィルタ2014又は1/f特性フィルタ2015を通すことにより、入力信号に適したスペクトル分布を持つ帯域A及び帯域Bの信号成分を出力する。
【0161】
レベル制御回路108及び109のそれぞれは、スペクトル解析回路103の出力信号に応じた増幅率でフィルタ106及び107の出力信号を増幅する。
例えば、入力信号のfs/4〜fs/2におけるスペクトル強度が大きい場合、フィルタ106及び107の出力レベルを大きくし、スペクトル強度が小さい場合は出力レベルを小さくする様に動作する。
加算回路110は、2つのレベル制御回路108と109の出力を加算する。
【0162】
遅延回路113は、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号を入力し、遅延して出力する。オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号が遅延回路113を経由して加算器111に入力されるまでの遅延時間と、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ102の出力信号がスペクトル解析回路103、非線形回路104、加算器110等を経由して加算器111に入力されるまでの処理時間とが一致する様に、遅延回路113の遅延時間が決められている。
加算回路111は、遅延回路113の出力信号と加算回路110の出力信号を入力し、両者を加算し、加算結果を出力する。加算結果は、出力端子112から出力される。
【0163】
以上の様に、実施例6の音声帯域拡張装置は、入力信号の帯域A及び帯域Bのスペクトルを持つノイズ信号を発生させ、入力信号の高域スペクトル強度に応じてこの発生させたノイズ信号を入力信号に付加することで音声帯域を拡張し、且つデータ語長を拡大している。
入力信号のスペクトル構造に近い高域信号で帯域を拡張するため特定の帯域が強調されることが無く、自然な感じで帯域が拡張できる。
特に非線形回路で生成した高域信号とディザ発生回路で生成した高域信号の総エネルギーレベルは一定のままでその割合を入力信号の高域スペクトル構造に応じて制御できるため自然な帯域拡張が可能である。
【0164】
また、信号処理がデジタル処理であるため、回路を構成する部品のばらつきや温度特性により性能ばらつきが発生しない。また、音声信号が回路を通過する毎に音質劣化が発生することもない。更に、構成しているフィルタの精度追求を行ってもアナログ回路構成と比較して回路規模が大きくなることもなくコスト増加につながらない音声帯域拡張方法および装置を実現できる。
【0165】
【発明の効果】
以上の様に、非線形回路、ディザ発生回路及びフィルタを用いて入力信号のスペクトルと類似するスペクトルを有する高域信号(可聴帯域以上の周波数を有する信号)を生成し、スペクトル解析回路及びレベル制御回路で入力信号の高域スペクトル強度等に応じて当該高域信号のレベルを制御して入力信号に加算し、加算した信号を出力する。
自然音に近い1/f特性あるいは1/f特性の高域スペクトルを持つ高域信号が付加されて音声信号の帯域が拡張される故に、特定の帯域が強調されることのない自然な音質の出力信号が得られる。
本発明によれば、入力信号のスペクトル分布に応じたスペクトル分布の高周波成分を適切なレベルで加算する故に、自然な音を生成する音声帯域拡張装置を実現することが出来るという有利な効果が得られる。
【0166】
本発明によれば、付加する高周波信号の可聴帯域の上限近辺の遮断周波数及び遮断周波数特性を解析結果信号に応じて切り換えることにより、可聴帯域の上限近辺での周波数特性の乱れを抑えることが出来、より自然な音を生成する音声帯域拡張装置を実現することが出来るという有利な効果が得られる。
【0167】
また、信号処理がデジタル処理であるため、回路を構成する部品のばらつきや温度特性により性能ばらつきが発生しない効果が得られる。また、音声信号が回路を通過する毎に音質劣化が発生することがない効果が得られる。更に、構成しているフィルタの精度追求を行ってもアナログ回路構成と比較して回路規模が大きくなることもなくコスト増加につながらない効果が得られる。
また、自然音に近い1/f特性のガウス分布型ディザを用いるため音声帯域拡張しても特定の帯域が強調されることのない自然な音質となる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の音声帯域拡張装置の全体構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施例1の音声帯域拡張装置の入力信号の模式的な周波数特性
【図3】本発明の実施例1の音声帯域拡張装置の出力信号の模式的な周波数特性
【図4】本発明の実施例1の音声帯域拡張装置のスペクトル解析回路のブロック図
【図5】本発明の他の実施例の音声帯域拡張装置のスペクトル解析回路のブロック図
【図6】本発明の実施例1の音声帯域拡張装置の非線形回路のブロック図
【図7】本発明の実施例1の音声帯域拡張装置のディザ発生回路のブロック図
【図8】本発明の実施例1の音声帯域拡張装置のPN系列ノイズ信号発生回路のブロック図
【図9】PN系列ノイズ信号発生回路が出力するホワイトノイズ信号の確率密度
【図10】PN系列ノイズ信号発生回路が出力するベル分布型ノイズ信号の確率密度
【図11】PN系列ノイズ信号発生回路が出力するガウス分布型ノイズ信号の確率密度
【図12】本発明の実施例1の音声帯域拡張装置のフィルタのブロック図
【図13】本発明の実施例1の音声帯域拡張装置のフィルタの特性を示す特性図
【図14】本発明の実施例2の音声帯域拡張装置を構成するフィルタのハイパスフィルタのブロック図
【図15】本発明の実施例2の音声帯域拡張装置を構成するフィルタのハイパスフィルタの特性を示す特性図
【図16】本発明の実施例3の音声帯域拡張装置を構成するフィルタのブロック図
【図17】本発明の実施例3の音声帯域拡張装置を構成するフィルタの特性を示す特性図
【図18】本発明の実施例4の音声帯域拡張装置を構成するフィルタのブロック図
【図19】本発明の実施例5の音声帯域拡張装置を構成するフィルタのブロック図
【図20】本発明の実施例6の音声帯域拡張装置を構成するフィルタのブロック図
【図21】従来の音声信号再生装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
101 入力端子
102 オーバーサンプリング型低域通過フィルタ
103 スペクトル解析回路
104 非線形回路
105 ディザ発生回路
106、107 フィルタ
108、109 レベル制御回路
110、111 加算回路
112 出力端子
41 FFT回路
42 データ選択回路
43 重み付け加算回路
51、1201、1401、1602、1802、1809、1902、1909 ハイパスフィルタ
52、56、61 絶対値演算回路
53、55、57、1601、1801、1808、1901、1908、2001、2009 ローパスフィルタ
58 判定回路
62 DCオフセット除去回路
63、74 減算器
64 平均化回路
65 1/2乗算器
66、72 遅延回路
70−n(n=1,2,・・,N) PN系列ノイズ信号発生器
71、1603、1804、1811、1904、1911、2005、2013 加算器
73 DCオフセット除去用定数信号発生器
81 32ビットシフトレジスタ
82 排他的OR回路
83 クロック信号発生器
84 初期データ発生器
1202、1604、1805、1812、1905、1912、2006、2014 1/f特性フィルタ
1203、1605、1806、1813、1906、1913、2007、2015 1/f特性フィルタ
1204、1402、1606、1807、1814、1907、1914、2008、2016 切り換え器
1803、1810、1903、1910、2003、2004、2011、2012 レベル制御回路

Claims (10)

  1. 入力した帯域A(Aは任意の帯域)の音声信号を2倍以上のサンプリング周波数でオーバーサンプリングし且つ折り返し雑音を除去する低域通過フィルタと、
    時間TBを単位として前記低域通過フィルタの出力信号を区切り、時間TB(TBは任意の値)毎の前記低域通過フィルタの出力信号の前記帯域A内でのスペクトルを解析し、解析の結果を示す解析結果信号を出力するスペクトル解析手段と、
    前記低域通過フィルタの出力信号を入力し、非線形処理をした出力信号を出力する非線形手段と、
    ガウス分布と釣鐘型分布との間の任意の分布の確率密度分布を有する出力信号を生成するディザ生成手段と、
    前記帯域Aの信号成分を減衰させ、前記帯域Aより高域の周波数帯域である帯域B(Bは帯域Aより高域の任意の帯域)の信号成分を通過させる第1のフィルタと、前記帯域Aの信号成分を通過させ、かつ前記帯域Bの信号成分を減衰させ、前記帯域Bの信号成分を減衰させるときの周波数特性を前記解析結果信号に応じて1/f特性(fは周波数)から1/f特性までの間の領域において変化させる第2のフィルタとを有し、前記非線形手段の出力信号及び前記ディザ生成手段の出力信号を入力し前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタに通すフィルタ手段と、
    前記解析結果信号に応じて前記フィルタ手段の出力信号の出力レベルを制御するレベル制御手段と、
    前記レベル制御手段により制御された前記フィルタ手段の出力信号を前記低域通過フィルタの出力信号に加算し、加算信号を出力する加算手段と、を具備することを特徴とする音声帯域拡張装置。
  2. 前記レベル制御手段が、前記フィルタ手段の出力信号の中の前記非線形手段の出力信号に基づく成分と、前記フィルタ手段の出力信号の中の前記ディザ生成手段の出力信号に基づく成分とをそれぞれ別個にレベル制御することを特徴とする請求項1に記載の音声帯域拡張装置。
  3. 前記第1のフィルタが前記帯域Bを通過帯域に含む帯域通過フィルタ又は高域通過フィルタであって、その低域側の遮断周波数又は遮断周波数特性の少なくともいずれか一方を前記解析結果信号に応じて切り換えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の音声帯域拡張装置。
  4. 前記第1のフィルタは前記帯域Aと前記帯域Bを通過帯域に含み、前記第1のフィルタの出力信号に含まれる前記帯域Aの成分のエネルギーレベルと前記第1のフィルタの出力信号に含まれる前記帯域Bの成分のエネルギーレベルとの比が一定の値に近づく様に、前記第1のフィルタの特性が変化することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかの請求項に記載の音声帯域拡張装置。
  5. 前記非線形手段、前記ディザ生成手段、前記フィルタ手段、前記レベル制御手段又は前記加算手段は、前記非線形手段の出力信号に基づく前記加算信号の成分と前記ディザ生成手段の出力信号に基づく前記加算信号の成分との前記帯域A又は前記帯域Bの少なくともいずれか一方におけるエネルギーレベルの比を前記解析結果信号に応じて変化させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかの請求項に記載の音声帯域拡張装置。
  6. 入力した帯域A(Aは任意の帯域)の音声信号を2倍以上のサンプリング周波数でオーバーサンプリングし且つ折り返し雑音を除去する低域通過フィルタステップと、
    時間TBを単位として前記低域通過フィルタの出力信号を区切り、時間TB(TBは任意の値)毎の前記低域通過フィルタの出力信号の前記帯域A内でのスペクトルを解析し、解析の結果を示す解析結果信号を生成するスペクトル解析ステップと、
    前記低域通過フィルタステップの出力信号を非線形処理する非線形ステップと、
    ガウス分布と釣鐘型分布との間の任意の分布の確率密度分布を有する出力信号を生成するディザ生成ステップと、
    前記帯域Aの信号成分を減衰させ、前記帯域Aより高域の周波数帯域である帯域B(Bは帯域Aより高域の任意の帯域)の信号成分を通過させる第1のフィルタステップと、前記帯域Aの信号成分を通過させ、かつ前記帯域Bの信号成分を減衰させ、前記帯域Bの信号成分を減衰させるときの周波数特性を前記解析結果信号に応じて1/f特性(fは周波数)から1/f特性までの間の領域において変化させるフィルタで信号を処理する第2のフィルタステップとを有し、前記非線形ステップにおいて生成した信号及び前記ディザ生成ステップにおいて生成した信号を前記第1のフィルタステップ及び前記第2のフィルタステップで処理するフィルタステップと、
    前記解析結果信号に応じて前記フィルタステップにおいて生成された信号の出力レベルを制御するレベル制御ステップと、
    前記レベル制御ステップにより制御された前記フィルタステップの出力信号を前記低域通過フィルタステップの出力信号に加算し、加算信号を生成する加算ステップと、を具備することを特徴とする音声帯域拡張方法。
  7. 前記レベル制御ステップが、前記フィルタステップの出力信号の中の前記非線形ステップの出力信号に基づく成分と、前記フィルタステップの出力信号の中の前記ディザ生成ステップの出力信号に基づく成分とをそれぞれ別個にレベル制御することを特徴とする請求項6に記載の音声帯域拡張方法。
  8. 前記第1のフィルタステップのフィルタが前記帯域Bを通過帯域に含む帯域通過フィルタ又は高域通過フィルタであって、その低域側の遮断周波数又は遮断周波数特性の少なくともいずれか一方を前記解析結果信号に応じて切り換えることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の音声帯域拡張方法。
  9. 前記第1のフィルタステップのフィルタは前記帯域Aと前記帯域Bを通過帯域に含み、前記第1のフィルタステップの出力信号に含まれる前記帯域Aの成分のエネルギーレベルと前記第1のフィルタステップの出力信号に含まれる前記帯域Bの成分のエネルギーレベルとの比が一定の値に近づく様に、前記第1のフィルタステップのフィルタの周波数特性が変化することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかの請求項に記載の音声帯域拡張方法。
  10. 前記非線形ステップ、前記ディザ生成ステップ、前記フィルタステップ、前記レベル制御ステップ又は前記加算ステップは、前記非線形ステップの出力信号に基づく前記加算信号の成分と前記ディザ生成ステップの出力信号に基づく前記加算信号の成分との前記帯域A又は前記帯域Bの少なくともいずれか一方におけるエネルギーレベルの比を前記解析結果信号に応じて変化させることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれかの請求項に記載の音声帯域拡張方法。
JP2000199215A 2000-06-30 2000-06-30 音声帯域拡張装置及び音声帯域拡張方法 Expired - Fee Related JP3810257B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000199215A JP3810257B2 (ja) 2000-06-30 2000-06-30 音声帯域拡張装置及び音声帯域拡張方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000199215A JP3810257B2 (ja) 2000-06-30 2000-06-30 音声帯域拡張装置及び音声帯域拡張方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002015522A JP2002015522A (ja) 2002-01-18
JP3810257B2 true JP3810257B2 (ja) 2006-08-16

Family

ID=18697268

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000199215A Expired - Fee Related JP3810257B2 (ja) 2000-06-30 2000-06-30 音声帯域拡張装置及び音声帯域拡張方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3810257B2 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3751001B2 (ja) * 2002-03-06 2006-03-01 株式会社東芝 オーディオ信号再生方法および再生装置
JP3881932B2 (ja) 2002-06-07 2007-02-14 株式会社ケンウッド 音声信号補間装置、音声信号補間方法及びプログラム
JP4041385B2 (ja) * 2002-11-29 2008-01-30 株式会社ケンウッド 信号補間装置、信号補間方法及びプログラム
KR20060004695A (ko) * 2003-05-20 2006-01-12 마츠시타 덴끼 산교 가부시키가이샤 오디오 신호의 대역을 확장하기 위한 방법 및 장치
CN1802696A (zh) * 2003-06-05 2006-07-12 松下电器产业株式会社 音质调整装置及音质调整方法
EP1653627B1 (en) 2003-07-29 2009-09-30 Panasonic Corporation Audio signal band expansion apparatus and method
JP4701392B2 (ja) * 2005-07-20 2011-06-15 国立大学法人九州工業大学 高域信号補間方法及び高域信号補間装置
KR101373207B1 (ko) * 2006-03-20 2014-03-12 오렌지 오디오 디코더에서 신호를 사후-프로세싱하는 방법
JP2007272150A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Kenwood Corp 信号補間装置及び信号補間方法
WO2008066071A1 (en) * 2006-11-29 2008-06-05 Panasonic Corporation Decoding apparatus and audio decoding method
JP2009065427A (ja) * 2007-09-06 2009-03-26 Yamaha Corp 音響信号用電力増幅装置
JP4733727B2 (ja) * 2007-10-30 2011-07-27 日本電信電話株式会社 音声楽音擬似広帯域化装置と音声楽音擬似広帯域化方法、及びそのプログラムとその記録媒体
JP4983694B2 (ja) * 2008-03-31 2012-07-25 株式会社Jvcケンウッド 音声再生装置
JP5589308B2 (ja) * 2009-05-29 2014-09-17 ヤマハ株式会社 オーディオ信号受信装置、オーディオ信号再生装置および音響通信システム
US8942388B2 (en) 2008-08-08 2015-01-27 Yamaha Corporation Modulation device and demodulation device
JP4663034B2 (ja) 2009-02-03 2011-03-30 株式会社アクション・リサーチ 振動発生装置及び方法
JP5671823B2 (ja) * 2010-03-24 2015-02-18 株式会社Jvcケンウッド 高調波生成方法、高調波生成装置、及び、プログラム
WO2014027695A1 (ja) 2012-08-16 2014-02-20 株式会社アクション・リサーチ 振動処理装置及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002015522A (ja) 2002-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3696091B2 (ja) オーディオ信号の帯域を拡張するための方法及び装置
JP3810257B2 (ja) 音声帯域拡張装置及び音声帯域拡張方法
JPWO2000070769A1 (ja) オーディオ信号の帯域を拡張するための方法及び装置
JP4669394B2 (ja) オーディオ信号の帯域を拡張するための方法及び装置
JP5098569B2 (ja) 帯域拡張再生装置
JP5098404B2 (ja) 音声処理方法および音声処理装置
JP2014531865A (ja) 聴覚装置における安定性と音声の聴き取り易さの改善
JP3605363B2 (ja) 音響効果装置、その方法及びプログラム記録媒体
JP2005128387A (ja) オーディオ帯域拡張再生装置
JP4983694B2 (ja) 音声再生装置
JP2002189498A (ja) デジタル音声処理装置及びコンピュータプログラム記録媒体
JP2001008299A (ja) ステレオ信号処理装置
JP2003015695A (ja) オーディオ帯域拡張装置
JP2002175099A (ja) 雑音抑制方法および雑音抑制装置
JP3560087B2 (ja) 音信号処理装置およびサラウンド再生方法
JP2002366178A (ja) オーディオ信号の帯域拡張方法及び帯域拡張装置
WO2006132054A1 (ja) オーディオ信号の帯域を拡張するための装置及び方法
JP5103606B2 (ja) 信号処理装置
JP2008072600A (ja) 音響信号処理装置、音響信号処理プログラム、音響信号処理方法
JPH07193502A (ja) データー変換装置
JPWO2020157888A1 (ja) 周波数帯域拡張装置、周波数帯域拡張方法、及び周波数帯域拡張プログラム
JP2007036710A (ja) アタック信号増幅デジタル信号処理装置
JPH11284462A (ja) オーディオ信号処理装置および処理方法
JPH10198355A (ja) 周波数検出装置
JP2005309464A (ja) 雑音除去方法、雑音除去装置およびプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050524

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060410

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060516

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060523

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100602

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100602

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110602

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120602

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130602

Year of fee payment: 7

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees