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JP3812519B2 - 楽譜表示データを記憶した記憶媒体、その楽譜表示データを用いた楽譜表示装置及びプログラム - Google Patents
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JP3812519B2 - 楽譜表示データを記憶した記憶媒体、その楽譜表示データを用いた楽譜表示装置及びプログラム - Google Patents

楽譜表示データを記憶した記憶媒体、その楽譜表示データを用いた楽譜表示装置及びプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、楽譜表示のための楽譜表示データを記憶した記憶媒体、該楽譜表示データを用いて楽譜を表示する楽譜表示装置及びプログラムに関する。特に、楽譜表示データ中の「表示する/表示しない」を指定する属性情報に従って楽譜上での音符の表示/非表示を決定することのできるようにした楽譜表示データを記憶した記憶媒体、その楽譜表示データを用いた楽譜表示装置及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動演奏データに基づいて楽譜を表示する装置又はプログラムなどが知られている(例えば特開平11−327427号公報など)。これらの装置では、例えば液晶表示パネル(LCD)やCRT等から構成されるディスプレイ上などに楽譜を表示するようになっている。一般的に、自動演奏データは楽音の音高を指定するデータ等を発音あるいは消音のイベントのタイミングデータと共に持つようなフォーマットになっている。タイミングデータとは、イベントを発生させる時刻やイベント間の時間間隔等を表す情報である。このような自動演奏データに基づいて楽譜表示を行う際には、自動演奏データを解析して、発音持続時間や発音タイミングの時間間隔などに従って音符や休符の種類を決定する。また、楽譜上に音符を表示する表示位置として、音高に従って上下方向の表示位置を、音符長に従って左右方向の表示位置を決めて、音符や休符あるいは各種音楽記号などを表示する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的な楽譜表示においては、楽譜表示方法として音符の表示を省略することのできる場合がある。特に音符と音符とを繋ぐタイプの音楽記号を表示する場合、例えばグリッサンドを表す奏法記号を表示する場合などにおいては、グリッサンド終了(あるいはグリッサンド開始)時点の音符を表示する場合と表示しない場合とがある。すなわち、ユーザによっては特徴的な音楽的表現を表現したいがために、グリッサンド終了(あるいはグリッサンド開始)時点の音符を表示する場合と表示しない場合とを分けて表示したいような場合がある。しかし、上述したような従来の装置においては、自動演奏データを解析してその結果に基づき音符を表示する。すなわち、自動演奏データの表示方法は当該装置において予め決められた解析方法によって決まることから、楽譜全体にわたって常に一義的に同じ表示方法での音符表示が行われることになる。このように、自動演奏データに従って楽譜表示を行う従来の装置においては、ユーザの意図する方法での音符表示を適宜の位置で反映した楽譜表示を行うことができずに非常に使い勝手が悪い、という問題点があった。
【0004】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、個々の音符記号を楽譜上に「表示する」か「表示しない」かを指定した属性情報を楽譜表示データに持たせ、該楽譜表示データに従って楽譜表示を行うことによりユーザの意図を反映した楽譜表示を行うことのできるようにした楽譜表示データを記憶した記憶媒体、その楽譜表示データを用いた楽譜表示装置及びプログラムを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、楽譜表示対象の音符を表す音符情報と、前記音符を配置する楽譜上の表示位置を表すタイミング情報と、1つの五線譜上に表示される複数の音符に関して、個別の音符の前記音符情報に対応づけて該音符を楽譜上に表示するか又は表示しないかを指示する属性情報と前記音符情報に対応づけて個別の前記音符を楽譜上に表示するか又は表示しないかを指示することのみに用いられる属性情報とを含むデータ構造からなる楽譜表示データを記憶してなり、コンピュータ又は楽譜表示装置が楽譜表示処理を実行するときに前記楽譜表示データがこの記憶媒体から読み出され、読み出された前記楽譜表示データに基づいて楽譜表示がなされるとき前記属性情報に従って該属性情報に対応する音符を楽譜上に表示又は非表示とする制御がなされるようにすることを特徴とする。
【0006】
本発明によると、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶される楽譜表示データは、楽譜表示対象の音符を表す音符情報と前記音符を配置する楽譜上の表示位置を表すタイミング情報とを含むのみならず、1つの五線譜上に表示される複数の音符に関して、個別の音符の前記音符情報に対応づけて該音符を楽譜上に表示するか又は表示しないかを指示することのみに用いられる属性情報を含むデータ構造からなっている。このように、個別の音符を楽譜上に表示するか又は表示しないかを指示することのみに用いられる属性情報を当該音符の音符情報に対応づけて記憶するようにしたデータ構造を採用したことにより、コンピュータ又は楽譜表示装置が楽譜表示処理を実行するときに前記楽譜表示データがこの記憶媒体から読み出され、読み出された前記楽譜表示データに基づいて楽譜表示がなされるとき前記属性情報に従って該属性情報に対応する音符を楽譜上に表示又は非表示とする制御がなされるようになる。従って、1つの五線譜上に表示される複数の音符の中の各音符毎に個別に、音符表示を省略する表示法を採用したり、あるいは音符を省略せずに表示する表示法を採用することができる。従って、ユーザが任意に楽譜表示データを作成する場合においては、ユーザの意図を反映した楽譜を表示できるようになり、また、表示する楽譜中の特定の音符を表示するか否かを設定することで見やすい楽譜表示を提供することができる。
【0007】
本発明の請求項2に係る楽譜表示装置は、少なくとも音符情報と、タイミング情報と、音符に個別に対応づけられていて該対応する音符を楽譜上に表示するか又は表示しないかを指示することのみに用いられる属性情報とを含む楽譜表示データに従って、楽譜表示を行う楽譜表示装置であって、前記音符情報に従って楽譜上に表示する音符を決定する音符決定手段と、前記タイミング情報に従って前記音符を配置する楽譜上の表示位置を決定する位置決定手段と、1つの五線譜上に表示される複数の音符に関して、個別の音符の前記属性情報に従って該属性情報に対応する音符を楽譜上に表示するか又は表示しないかを決定する表示決定手段と、前記表示決定手段により音符を表示すると決定された音符を楽譜上に表示し、前記表示決定手段により音符を表示しないと決定された音符については楽譜上に当該音符を表示しない表示手段とを具える。このように、音符に個別に対応づけられていて該対応する音符を楽譜上に表示するか又は表示しないかを指示することのみに用いられる属性情報に従って楽譜上に音符を表示するか表示しないかを決定することにより、各音符毎に個別に、音符表示を省略する表示法を採用したり、あるいは音符を省略せずに表示する表示法を採用することができる。従って、ユーザが任意に楽譜表示データを作成する場合においては、ユーザの意図を反映した楽譜を表示できるようになる。
【0008】
本発明は、装置の発明として構成し、実施することができるのみならず、方法の発明として構成し実施することができる。また、本発明は、コンピュータまたはDSP等のプロセッサのプログラムの形態で実施することができるし、そのようなプログラムを記憶した記憶媒体の形態で実施することもできる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
【0010】
図1は、この発明に係る楽譜表示装置を適用した電子楽器の全体構成の一実施例を示したハード構成ブロック図である。本実施例に示す電子楽器は、マイクロプロセッサユニット(CPU)1、リードオンリメモリ(ROM)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3からなるマイクロコンピュータによって制御される。CPU1は、この電子楽器全体の動作を制御する。このCPU1に対して、通信バス1D(例えばデータ及びアドレスバス)を介してROM2、RAM3、通信インタフェース(I/F)4、入力操作部5、表示部6、外部記憶装置7、音源8がそれぞれ接続されている。ROM2は、CPU1により実行あるいは参照される各種制御プログラムや各種データ等(例えば、後述する楽譜表示処理や楽譜表示データなど)を格納する。RAM3は、CPU1が所定のプログラムを実行する際に発生する各種データなどを一時的に記憶するワーキングメモリとして、あるいは現在実行中のプログラムやそれに関連するデータを一時的に記憶するメモリ等として使用される。RAM3の所定のアドレス領域がそれぞれの機能に割り当てられ、レジスタやフラグ、テーブル、メモリなどとして利用される。この実施例では、例えば楽譜表示処理時に利用する時間データ、音符データ、グリッサンド開始データなどのデータ記憶領域がある(これらについては後述する)。
【0011】
通信インタフェース(I/F)4は、例えばLANやインターネット、電話回線等の有線あるいは無線の通信ネットワークに接続されており、該通信ネットワークを介して外部機器4A等と接続され、当該外部機器4Aから制御プログラムや各種データを電子楽器本体側に取り込むためのインタフェースである。こうした通信インタフェース4は、有線あるいは無線のものいずれかでなく双方を具えていてよい。入力操作部5は楽音の音高を選択するための複数の鍵を備えた鍵盤等の演奏操作子、あるいは楽譜表示対象とする曲を選択するための選択スイッチなどである。上記鍵盤等の演奏操作子は楽音演奏のために使用できるのは勿論のこと、楽譜表示の対象とする曲を選択するための入力手段として使用することもできる。勿論、入力操作部5はこれら以外にも楽譜表示データのデータ内容を編集するために用いる数値データ入力用のテンキーや文字データ入力用のキーボード、あるいはディスプレイ6Aに表示される所定のポインティングデバイスを操作するために用いるマウスなどの各種操作子を含んでいてもよい。表示部6は選択された曲の楽譜(例えば、五線譜など)を、例えば液晶表示パネル(LCD)やCRT等から構成されるディスプレイ6Aに表示するのは勿論のこと、楽譜表示可能な曲の一覧やCPU1の制御状態などの各種情報をディスプレイ6Aに表示する。
【0012】
外部記憶装置7は上記したROM2と同様に、制御プログラムや各種データなどを記憶する。前記ROM2に制御プログラムが記憶されていない場合、この外部記憶装置7(例えばハードディスク)に制御プログラムを記憶させておき、それを前記RAM3に読み込むことにより、ROM2に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPU1にさせることができる。このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行える。なお、外部記憶装置7はハードディスク(HD)に限られず、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD−ROM・CD−RAM)、光磁気ディスク(MO)、あるいはDVD(Digital Versatile Disk)等の着脱自在な様々な形態の外部記録媒体を利用する記憶装置であってもよい。あるいは、半導体メモリなどであってもよい。
【0013】
音源8は複数のチャンネルで楽音信号の同時発生が可能であり、通信バス1Dを経由して与えられた自動演奏データ中の演奏情報(例えば、ノートイベントなど)や演奏操作子の操作に応じて発生される演奏情報等を入力し、これらの演奏情報に基づいて楽音信号を発生する。音源8から発生された楽音信号は、アンプやスピーカなどを含むサウンドシステム8Aから発音される。この音源8から発生された楽音信号に対して、効果回路など(図示せず)を用いて所定の効果を付与するようにしてもよい。自動演奏データの形式はMIDI形式のようなディジタル符号化されたものであってもよいし、PCM、DPCM、ADPCMのような波形サンプルデータ方式からなるものであってもよい。この音源8とサウンドシステム8Aの構成には、従来のいかなる構成を用いてもよい。例えば、音源8はFM、PCM、物理モデル、フォルマント合成等の各種楽音合成方式のいずれを採用してもよく、また専用のハードウェアで構成してもよいし、CPU1によるソフトウェア処理で構成してもよい。
【0014】
なお、上述した電子楽器において、演奏操作子は鍵盤楽器の形態に限らず、弦楽器や管楽器、あるいは打楽器等どのようなタイプの形態でもよい。また、電子楽器は入力操作部5やディスプレイ6Aあるいは音源8などを1つの電子楽器本体に内蔵したものに限らず、それぞれが別々に構成され、MIDIインタフェースや各種ネットワーク等の通信手段を用いて各装置を接続するように構成されたものであってもよいことは言うまでもない。さらに、本発明に係る音量制御装置を適用する装置は電子楽器の形態に限らず、パーソナルコンピュータや携帯電話等の携帯型通信端末、あるいはカラオケ装置やゲーム装置など、どのような形態の装置・機器に適用してもよい。携帯型通信端末に適用した場合、端末のみで所定の機能が完結している場合に限らず、機能の一部をサーバ側に持たせ、端末とサーバとからなるシステム全体として所定の機能を実現するようにしてもよい。
【0015】
ここで、楽譜表示データのデータ構成について説明する。図2は、楽譜表示データのデータ構成の一実施例を示す概念図である。
楽譜表示データは、ディスプレイ6A上に表示された五線譜等に対して表示すべき音符や音楽記号などの各種イベントを配置する位置(表示位置)及び当該表示位置に表示する各種イベントの種類などを定義するデータである。1つの楽譜表示データは、タイミングデータと楽譜記号データの列からなるイベントデータを複数含む。タイミングデータは楽譜記号データの存在すべきディスプレイ6A上の水平方向(X方向)の表示位置を規定するもので、自動演奏データのタイミングデータと同様のフォーマットで記述される。例えば、時間的に1つ前のイベントとの間の相対タイミングや、曲先頭や各小節先頭などからの絶対タイミングなどで、単位は所定音符(例えば4分音符など)を所定個数(例えば960個や480個など)に分割したクロック(ティックとも言う)で表すことが多い。この実施例では後述の図4〜図6に示すようにタイミングデータを「1:1:000」や「2:3:240」などのようにして、前から順に「小節番号:拍数:クロック」により表す。すなわち、「1:1:000」は1小節目の1拍目の0(000)クロックで表されるX方向の表示位置を示すタイミングデータであり、「2:3:240」は2小節目の3拍目の240クロックで表されるX方向の表示位置を示すタイミングデータである。
【0016】
楽譜記号データは少なくとも、通常イベント、サブイベント、属性イベントのいずれかからなる。この実施の形態において、通常イベントは拍子記号、調号、テンポマーク、音部記号、符頭、符尾、休符、小節線、テキストなどを楽譜上に表示するためのデータである。サブイベントは直前に有る通常イベントを修飾するためのデータであり、例えば符尾イベントに関するスタッカートやテヌート等の奏法記号、符頭イベントに関する付点やタイ、グリッサンド、ポルタメント等の記号を楽譜上に表示するためのデータである。属性イベントは直前に有る通常イベント又はサブイベントを修飾するものであり、例えば通常イベント又はサブイベントそのものを「表示する/表示しない」を指定するパラメータからなる。勿論、属性イベントはこの他にも、通常イベント又はサブイベントの表示位置に関して水平方向のオフセット値や垂直方向のオフセット値、それらに関するパラメータ値などの他のパラメータを含むものであってよい。上記したサブイベントや属性イベントには修飾する通常イベントやサブイベントと同じタイミングデータを付す。これにより、修飾する対象のイベントを明確にする。1つの通常イベントに対しては、複数のサブイベントや属性イベントを記述することができる。また、1つのサブイベントに対しても複数の属性イベントを記述することができる。
【0017】
上記したような各イベントデータは例えばスタンダードMIDIファイル(SMF)においてテキストメタイベントにより記述され、メタイベントであることを表す予め決められた所定の「イベント情報(例えば’FF’などの記号)」と、当該イベントデータの種類を表す「タイプ」と、可変長である当該イベントデータの長さを表す「データ長」と、前記「タイプ」に応じた楽譜表示の際に必要な複数のパラメータとからなる。例えば、符頭を表示するための通常イベントである場合には「タイプ」に「Head」と記述されて、音符種類(例えば2分音符や4分音符など)、音高(例えばC4やE5などの音高に対応するノートナンバなど)、音符に付する臨時記号(例えばシャープ(♯)やフラット(♭)など)などをパラメータとして含む。符尾(例えばビームや旗)を表示するための通常イベントである場合には「タイプ」に「Stem」と記述され、音符数、符尾の向き(例えば上下など)、旗の数、前から表示を開始するビームの数、後から表示を開始するビームの数などをパラメータとして含む。グリッサンド記号を表示するためのサブイベントである場合には「タイプ」に「Glissando」と記述され、グリッサンドの開始・開始/終了・終了、グリッサンド記号の表示種類(例えば、波線とグリッサンド「gliss」表示とを同時に表示する、あるいは波線のみを表示するなど)等をパラメータとして含む。属性イベントである場合には「タイプ」に「Attribute」と記述され、音符の表示の有無、つまり「表示する/表示しない」などの適用する属性の指定などをパラメータとして含む。勿論、「タイプ」の名称や各イベント毎に含まれるパラメータ種類などは上記したものに限らないことは言うまでもない。
【0018】
図1に示した電子楽器では、楽譜表示データに従ってディスプレイ6A上に楽譜を表示する。この楽譜表示の際に、音符と音符とを繋ぐタイプの音楽記号(例えば、グリッサンド、スラー、ポルタメント、チョーキングなど)を表示する場合には、相前後する音符のどちらか一方(あるいは同じタイプの音楽記号が連続するような場合には相前後する両方の音符とも)を楽譜上に表示したり表示しなかったりする。こうした楽譜表示処理は、図1に示した電子楽器におけるCPU1が楽譜表示処理を実現する所定のプログラム(ソフトウエア)を実行することにより実施される。そこで、この「楽譜表示処理」の処理動作について、図3を用いて説明する。図3は、「楽譜表示処理」の一実施例を示したフローチャートである。以下、図3に示したフローチャートに従って、当該処理の処理動作を説明する。ただし、ここでは音符と音符とを繋ぐタイプの音楽記号としてグリッサンド記号を表示する場合を例にして説明する。
【0019】
ステップS1では、RAM3上の所定領域に設けられた一時的にデータを保持する領域、この実施例では時間(Time)データ、音符データ、グリッサンド開始データの各データ記憶領域を初期化(クリア)する。時間(Time)データは、楽譜表示データ中のタイミングデータを記憶する。音符データは1乃至複数の楽譜表示データに基づいて、所定時間に存在する音符を楽譜上に表示することのできるだけの情報を記憶する。グリッサンド開始データは、ディスプレイ6A上に表示された五線譜上におけるグリッサンド記号の表示開始位置を特定できるだけの情報を記憶する。ステップS2では曲選択に応じて特定された楽譜表示データから1つのイベントデータ(タイミングデータ+楽譜記号データ)を読み出し、該イベントデータをRAM3上のデータ記憶領域に記憶する。以下では説明の便宜上、RAM3のデータ記憶領域に一時的に記憶されたイベントデータを「Data」と呼ぶことにする。
【0020】
ステップS3では、RAM3に「Data」があるか否かを判定する。すなわち、上記ステップS2において、楽譜表示データから1つのイベントデータを読み出すことができ、読み出したイベントデータをRAM3に記憶したか否かを判定する。「Data」がないと判定された場合、つまり楽譜表示データに読み出すべきイベントデータが既になく、イベントデータを読み出してRAM3に記憶することができなかった場合には(ステップS3のNO)、RAM3に音符データが存在しており、かつ、該音符データ中における表示の属性情報が「表示する」(ON)設定であるか否かを判定する(ステップS4)。音符データが存在し、かつ、表示の属性情報が「表示する」設定である場合には(ステップS4のYES)、該音符データに従ってディスプレイ6A上に表示された五線譜上に音符を表示し(ステップS5)、当該処理を終了する。一方、RAM3に音符データがそもそも存在しない、又は存在するが表示の属性情報が「表示しない」(OFF)設定である場合には(ステップS4のNO)、音符を表示することなく当該処理を終了する。ステップS3において「Data」があると判定された場合、つまり楽譜表示データから1つのイベントデータを読み出すことができ、該読み出したイベントデータをRAM3に記憶できた場合には(ステップS3のYES)、時間データが初期値のままであるか否かを判定する(ステップS6)。時間データが初期値のままである場合には(ステップS6のNO)、時間データを「Data」の時間に更新、つまり「Data」のタイミングデータに時間データを更新する(ステップS7)。
【0021】
ステップS8では、「Data」の時間と時間データとが等しいか否かを判定する。等しくない場合には(ステップS8のNO)、RAM3に音符データが存在しており、かつ、該音符データ中における表示の属性情報が「表示する」(ON)設定となっているか否かを判定する(ステップS9)。音符データが存在し、かつ、表示の属性情報が「表示する」設定である場合には(ステップS9のYES)、該音符データに従ってディスプレイ6A上に表示された五線譜上に音符を表示する(ステップS10)。ステップS11では、時間データを「Data」の時間に更新すると共に音符データをクリア(初期化)する。こうすることで、該タイミングデータに応じた表示位置に表示すべき音符があり、該音符を「表示する」設定である場合には、楽譜表示データのタイミングデータが変わる毎にディスプレイ6A上に表示された五線譜上の当該表示位置にその音符を表示する。ステップS12では、「Data」が音符を表示するための音符イベントであるか否か(つまり、音符を表示するために用いられる音符に関しての通常イベント又はサブイベントであるか否か)、若しくは音符を「表示する/表示しない」を指定するパラメータを含む属性イベントであるか否かを判定する。「Data」が音符イベント、若しくは音符を「表示する/表示しない」を指定するパラメータを含む属性イベントである場合には(ステップS12のYES)、音符データに「Data」内容をセットして(ステップS13)、ステップS2の処理に戻り、上記ステップS2〜ステップS13までの処理を繰り返し実行する。すなわち、読み出した音符に関するイベントデータ(通常イベント、サブイベント、属性イベント)が同じタイミングデータである場合には、各イベントデータの内容を音符データに追加する。こうすることにより、音符データにはタイミングデータに応じたディスプレイ6A上に表示された五線譜上の所定の表示位置に表示すべき音符に関する情報が蓄積される。
【0022】
上記ステップS12において、「Data」が音符イベント、若しくは音符を「表示する/表示しない」を指定するパラメータを含む属性イベントでない場合には(ステップS12のNO)、それぞれ「Data」の内容に応じた処理を実行する(ステップS14〜ステップS16)。「Data」がグリッサンド記号の表示開始(Start)を指定するサブイベントである場合には(ステップS14のYES)、RAM3のグリッサンド開始データに「Data」の内容をセットする(ステップS17)。「Data」がグリッサンド記号の表示開始/終了(Start/End)を指定するサブイベントである場合やグリッサンド記号の表示終了(End)を指定するサブイベントである場合には(ステップS15又はステップS16のYES)、RAM3に記憶されたグリッサンド開始データの内容と、音符データの内容及び「Data」の内容とに従ってディスプレイ6A上に表示された五線譜上にグリッサンド記号を表示する(ステップS18)。そして、グリッサンド開始データをクリア(初期化)する(ステップS19)。他方、「Data」が上記したようなグリッサンド記号の表示開始、表示開始/終了、表示終了を定義したサブイベントでない場合には(ステップS14〜ステップS16の全てにおいてNO)、「Data」の内容がディスプレイ6A上に表示された五線譜上に表示できるものであればそれを表示する(ステップS20)。上記ステップS17、ステップS19、ステップS20の各処理を終了するとステップS2に戻り、楽譜表示データから次のイベントデータを1つ読み出して、上記各処理を繰り返し実行する。
【0023】
以上のようにすることによって、楽譜表示データ中の「表示する/表示しない」を指定するパラメータを含む属性イベントに従って、楽譜上の音符表示の有無を制御することができるようになる。ここで、楽譜表示データに基づいて表示される楽譜の具体例について、楽譜表示データの内容毎に図を分けて説明する。図4〜図6に示す各図において、上段図は楽譜表示データにおける具体的なデータ定義の一実施例を示すものであり、下段図は該楽譜表示データに基づいて表示される楽譜の表示例を示すものである。なお、図4〜図6においては楽譜表示データと該楽譜表示データに基づいて表示される各イベントとの対応関係を理解しやすくするために、便宜的に記号a、b、c…を付した。例えば、楽譜表示データaに従って符尾イベントaが表示されることを示す。
【0024】
まず、図4に示した例について説明する。タイミングデータが「1:1:000」であるイベントデータaはタイプが「Stem」である通常イベント、つまり符尾を表示するためのデータであり、ビームや旗の種類がなし(ty=0)、音高がC3(nn=60)、向きが上(ac=1)を示す各パラメータを含む。このイベントデータaに従って、X方向「1:1:000」及びY方向C3に対応する表示位置から上向きに符尾イベントaを表示する。該イベントデータaと同じタイミングデータであるイベントデータbはタイプが「Head」である通常イベント、つまり符頭を表示するためのデータであり、音符種類が4分音符(ty=4(Quarter))、音高がC3(nn=60(C3))、臨時記号がなし(ac=1(None))を示す各パラメータを含む。このイベントデータbに従って、X方向「1:1:000」及びY方向C3に対応する表示位置に4分音符(臨時記号なし)を表す符頭イベントbを表示する。タイミングデータが「1:1:000」であるイベントデータcはタイプが「Glissando」であるサブイベント、つまりグリッサンド記号を表示するためのデータであり、グリッサンドの開始(se=1(Start))、表示種類が波線のみ(ty=1(Wavy line)を示す各パラメータを含む。タイミングデータが「1:2:000」であるイベントデータd及びイベントデータeに従って、X方向「1:2:000」及びY方向C4に対応する表示位置から上向きに符尾イベントdと4分音符(臨時記号なし)を表す符頭イベントeとをそれぞれ表示する。タイミングデータが「1:2:000」であるイベントデータfはグリッサンドの終了(se=2(End))を示すデータであり、グリッサンドの開始を示すイベントデータcと組み合わせることによってグリッサンド記号を表示する。この実施例の場合には、グリッサンド記号はX方向「1:1:000」及びY方向C3に対応する表示位置にある符頭イベントから、X方向「1:2:000」及びY方向C4に対応する表示位置まで波線で描画されるようにして表示する。
【0025】
図5について説明する。イベントデータa及びイベントデータbに従って、符尾イベントa及び符頭イベントbを表示する。タイミングデータが「1:1:000」であるイベントデータcはタイプが「Glissando」であるサブイベントであり、グリッサンドの開始(se=1(Start))、表示種類がグリッサンド表示と波線(ty=0(Glissand&line)である。イベントデータd及びイベントデータfは符尾イベントd及び符頭イベントfを表示するためのデータである。しかし、各イベントデータには属性イベント(タイプ「Attribute」)であるイベントデータeとイベントデータgとがそれぞれ定義されており、これらのイベントデータeとイベントデータgは「表示しない」(ty=2(Hide))を示すパラメータを含む。そのために、2拍目の符尾イベントa及び符頭イベントbを表示しない(ただし、図では点線で記載した)。イベントデータhはグリッサンドの終了を示すデータであり、前記イベントデータcと組み合わせることによって、X方向「1:1:000」及びY方向C3に対応する表示位置にある符頭イベントから、X方向「1:2:000」及びY方向D4に対応する表示位置まで「gliss.」記号と波線とで描画されるようにしてグリッサンド記号イベント(c、h)を表示する。
【0026】
図6について説明する。この図6では、イベントデータa及びイベントデータbに従って、1拍目の符尾イベントa及び符頭イベントbを表示する。イベントデータd及びイベントデータfは3拍目の符尾イベントd及び符頭イベントfを、イベントデータi及びイベントデータkは4拍目の符尾イベントi及び符頭イベントkをそれぞれ表示するためのデータである。しかし、各イベントデータには「表示しない」(ty=2(Hide))を示すパラメータを含む属性イベント(タイプ「Attribute」)であるイベントデータeとイベントデータg、イベントデータjとイベントデータlとがそれぞれ定義されていることから、3拍目及び4拍目の符尾イベント及び符頭イベントについては表示しない。イベントデータcとイベントデータhとイベントデータmは、タイプが「Glissando」であるサブイベントである。イベントデータcは、グリッサンドの開始(se=1(Start))、表示種類が波線のみ(ty=1(Wavy line))を示すデータである。イベントデータhは、グリッサンドの開始・終了(se=3(Start&End))、表示種類が波線のみ(ty=1(Wavy line))を示すデータである。イベントデータmは、グリッサンドの終了(se=2(End))、表示種類が波線のみ(ty=1(Wavy line))を示すデータである。このイベントデータc及びイベントデータhに従って、X方向「1:1:000」及びY方向C3に対応する表示位置にある符頭イベントから、X方向「1:3:000」及びY方向C4に対応する表示位置まで波線で描画されるようにしてグリッサンド記号(c、h)を表示する。また、イベントデータh及びイベントデータmに従って、X方向「1:3:000」及びY方向C4に対応する表示位置にある符頭イベントから、X方向「1:4:000」及びY方向G3に対応する表示位置まで波線で描画されるようにしてグリッサンド記号イベント(h、m)を表示する。
【0027】
なお、上述した実施例においては修飾される通常イベントの直後に同じ時間情報を持たせてサブイベントや属性イベントを置くようにしたが、サブイベントや属性イベントに修飾する通常イベントへのポインタ的な情報を持たせるようにして対応付けるようにしてもよい。
なお、上述した実施例においては音符を表すイベントとして符尾(Stem)イベントと符頭(Head)イベントとに分けたものを示したが、符尾と符頭とをひとまとめにした形の音符記号を表すイベントであってもよい。
なお、上述した「楽譜表示処理」においては楽譜表示データを1つ1つ読み出して処理するようにしたがこれに限らず、同じタイミングデータを持つ楽譜表示データをまとめて読み出して処理するようにしてもよい。
【0028】
なお、楽譜表示データのフォーマットは、各イベントの発生時刻を1つ前のイベントからの時間で表した「イベント+相対時間」、イベントの発生時刻を曲や小節内における絶対時間で表した「イベント+絶対時間」、音符の音高と符長あるいは休符と休符長で表した「音高(休符)+符長」、演奏の最小分解能毎にメモリの領域を確保し、イベントの発生する時刻に対応するメモリ領域にイベントを記憶した「ベタ方式」等、どのような形式であってもよい。
なお、メモリ上において、時系列の楽譜表示データが連続する領域に記憶されていてもよいし、飛び飛びの領域に散在して記憶されている楽譜表示データを、連続する楽譜表示データとして別途管理するようにしてもよい(すなわち、時系列的に連続するデータとして管理することができればよく、メモリ上で連続して記憶されているか否かは問題ではない)。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、楽譜表示データ中の属性イベントにおける「表示する/表示しない」の定義に従って楽譜中に表示する音符の表示/非表示を決定するようにしたことから、ユーザは自身で音符の表示/非表示を定義することができ、これによりユーザの意図する方法での音符表示を適宜の位置に反映して行うことができるようになる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る楽譜表示装置を適用した電子楽器の全体構成の一実施例を示したハード構成ブロック図である。
【図2】 楽譜表示データのデータ構成の一実施例を示す概念図である。
【図3】 楽譜表示処理の一実施例を示したフローチャートである。
【図4】 楽譜表示データのデータ定義の一実施例と、該楽譜表示データに基づいて表示される各イベントを示す概念図である。
【図5】 楽譜表示データのデータ定義の他の実施例と、該楽譜表示データに基づいて表示される各イベントを示す概念図である。
【図6】 楽譜表示データのデータ定義の更に他の実施例と、該楽譜表示データに基づいて表示される各イベントを示す概念図である。
【符号の説明】
1…CPU、2…ROM、3…RAM、4…通信インタフェース、4A…外部機器、5…入力操作部、6…表示部、6A…ディスプレイ、7…外部記憶装置、8…音源、8A…サウンドシステム、1D…通信バス

Claims (4)

  1. コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
    楽譜表示対象の音符を表す音符情報と、
    前記音符を配置する楽譜上の表示位置を表すタイミング情報と、
    1つの五線譜上に表示される複数の音符に関して、個別の音符の前記音符情報に対応づけて該音符を楽譜上に表示するか又は表示しないかを指示することのみに用いられる属性情報と
    を含むデータ構造からなる楽譜表示データを記憶してなり、
    コンピュータ又は楽譜表示装置が楽譜表示処理を実行するときに前記楽譜表示データがこの記憶媒体から読み出され、読み出された前記楽譜表示データに基づいて楽譜表示がなされるとき前記属性情報に従って該属性情報に対応する音符を楽譜上に表示又は非表示とする制御がなされるようにすることを特徴とする楽譜表示データを記憶した記憶媒体。
  2. 少なくとも音符情報と、タイミング情報と、音符に個別に対応づけられていて該対応する音符を楽譜上に表示するか又は表示しないかを指示することのみに用いられる属性情報とを含む楽譜表示データに従って、楽譜表示を行う楽譜表示装置であって、
    前記音符情報に従って楽譜上に表示する音符を決定する音符決定手段と、
    前記タイミング情報に従って前記音符を配置する楽譜上の表示位置を決定する位置決定手段と、
    1つの五線譜上に表示される複数の音符に関して、個別の音符の前記属性情報に従って該属性情報に対応する音符を楽譜上に表示するか又は表示しないかを決定する表示決定手段と、
    前記表示決定手段により音符を表示すると決定された音符を楽譜上に表示し、前記表示決定手段により音符を表示しないと決定された音符については楽譜上に当該音符を表示しない表示手段と
    を具える楽譜表示装置。
  3. 前記表示手段は音符と音符とを繋ぐ音楽記号を楽譜上に表示する際に、対象となる音符を表示しない場合であっても、当該表示されなかった音符を繋ぐようにして音楽記号を表示することを特徴とする請求項2に記載の楽譜表示装置。
  4. 記憶装置に記憶した少なくとも音符情報と、タイミング情報と、音符に個別に対応づけられていて該対応する音符を楽譜上に表示するか又は表示しないかを指示することのみに用いられる属性情報とを含む楽譜表示データに従って、表示装置に楽譜表示を行わせるために、コンピュータに、
    前記音符情報に従って、前記表示装置に表示する楽譜上に表示する音符を決定する手順と、
    前記タイミング情報に従って、前記表示装置に表示する楽譜上における前記決定された音符の表示位置を決定する手順と、
    1つの五線譜上に表示される複数の音符に関して、個別の音符の前記属性情報に従って該属性情報に対応する音符を楽譜上に表示するか又は表示しないかを決定する手順と、
    前記決定する手順により音符を表示すると決定された音符を前記表示装置に表示する楽譜上に表示し、前記決定する手順により音符を表示しないと決定された音符については該楽譜上に当該音符を表示しない手順と
    を実行させるためのプログラム。
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