JP3813836B2 - 半嵌合防止コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一組の雌雄コネクタハウジング相互を嵌合させた際に、一方のコネクタハウジングに装着された嵌合検知部材の適正嵌合検知位置へのスライド移動の可否によって、雌雄コネクタハウジング相互の中途嵌合状態を検知する半嵌合防止コネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の半嵌合防止コネクタは、図7及び図8に示したように雄コネクタハウジング1と雌コネクタハウジング9との一組の雌雄コネクタハウジング1,9相互を嵌合させた際に、一方の雄コネクタハウジング1に装着された嵌合検知部材2の適正嵌合検知位置へのスライド移動の可否によって、雌雄コネクタハウジング1,9相互の中途嵌合状態を検知するものである。(特開平8−31517号公報参照)
【0003】
図8に示したように雄コネクタハウジング1は、上壁3の前端側から立ち上がってハウジング後方に延びる可撓ロックアーム4を有しており、この可撓ロックアーム4の中間部上面にはロック部6が突設されている。
また、雄コネクタハウジング1の後端寄りに位置する可撓ロックアーム4の自由端には、雌雄コネクタハウジング相互の嵌合時に可撓ロックアーム4を可撓変位させる操作部である押圧板部7が設けられている。
【0004】
また、前記雌コネクタハウジング9は、雌雄コネクタハウジング1,9相互の嵌合の際に前記可撓ロックアーム4の上に被さる上壁の内面側前端に係合部10を有している。
図9及び図10に示したように、前記係合部10は、雌雄コネクタハウジング1,9相互の嵌合時の嵌合長が適正値に達する時に、前記可撓ロックアーム4の可撓変位を介して前記ロック部6を乗り越える。そして、雌雄コネクタハウジング1,9相互の嵌合長が適正値に達した時に、前記ロック部6の後方の凹部6aに上方から係合することでロック部6を係止して、雌雄コネクタハウジング相互の嵌合状態をロックする。
【0005】
図7及び図8に示したように、前記嵌合検知部材2は、前記雌雄コネクタハウジング相互の嵌合方向に沿ってスライド可能に前記押圧板部7に係合する操作板部16と、この操作板部16の後端部から雌雄コネクタハウジングの前端側に向かって延出した弾性片17と、この弾性片17の先端に突設された位置決め係止部20とを一体形成したものである。なお、前記弾性片17は、前記可撓ロックアーム4を構成する一組の側板部5,5間の空間を挿通可能な棒状を呈している。
【0006】
また、図7に示すように、前記位置決め係止部20は、前記弾性片17による付勢力で前記ロック部6の前後の凹部6a,6bに下側から嵌入可能な突起で、雌雄コネクタハウジング相互の嵌合前は、ロック部6の後方の凹部6aに嵌合した状態で、ロック部6の後縁に係止されて前方への移動が規制される。
【0007】
前記位置決め係止部20がロック部6の後縁に当接して前方への変位が規制された位置が、雄コネクタハウジング1に装着された嵌合検知部材2の初期位置である。
また、前記押圧板部7と操作板部16との間のスライド可能な係合は、前記初期位置よりも前方に設定された適正嵌合検知位置と前記初期位置との間を嵌合検知部材2がスライド可能となるようにスライド可能な範囲が設定されている。
【0008】
図10に示したように、一組の雌雄コネクタハウジング1,9相互を嵌合させた際、雌雄コネクタハウジング1,9相互の嵌合長が適正値に達して、ロック部6の後方の凹部6aに雌コネクタハウジング9の係合部10が嵌入する。
これにより、前記凹部6aに嵌合していた嵌合検知部材2の位置決め係止部20が、係合部10によって下方に押し出されて、位置決め係止部20に対する初期位置への位置規制が解除される。その結果、嵌合検知部材2は、図中に矢印Aで示したように、操作板部16を前方に押すとスライド可能となる。
【0009】
図11に示したように、前記位置決め係止部20は、初期位置への位置規制が解除された状態で嵌合検知部材2を前方に移動操作すると、係合部10及びロック部6の下面を摺接して前方に進む。そして、前記位置決め係止部20は、前記ロック部6の前縁を越えたときに、弾性片17の付勢力で上方に変位してロック部6の前方の凹部6bに嵌入する。
これにより、前記凹部6bに嵌入した位置決め係止部20は、その後端面がロック部6の前端面によって係止され、後方へのスライド移動が規制されたロック状態となる。
【0010】
ところが、前記雌雄コネクタハウジング1,9相互を嵌合させた際に、前記雌雄コネクタハウジング1,9相互の嵌合長が適正値に到達せずに、中途嵌合状態の場合には、雌コネクタハウジング9の係合部10がロック部6の後方の凹部6aに嵌入しない。
そのため、前記位置決め係止部20が、前記係合部10によって凹部6aから押し出されることがなく、前記ロック部6による嵌合検知部材2の初期位置への位置規制が解除されない。
従って、雌雄コネクタハウジング相互の中途嵌合時には、嵌合検知部材2の操作板部16を前方に押しても、前記嵌合検知部材2が前方に移動することはなく、この嵌合検知部材2の前方への移動の可否によって中途嵌合状態を検知することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した一組の雌雄コネクタハウジング1,9のハウジング嵌合操作として、各々コネクタハウジング1,9を直接手指で持ってから双方のコネクタハウジング1,9を嵌合させる。
次に、双方のコネクタハウジング1,9の嵌合状態を検知するための検知部材移動操作として、一方の雄コネクタハウジング1を持っていた手指の位置を嵌合検知部材2の操作板部16を押す位置に変更して、嵌合検知部材2を初期位置から適正嵌合検知位置に移動させる。
更に、嵌合検知部材2が正常に適正嵌合検知位置に移動できても、ロック部6の破損等で雌雄コネクタハウジング相互のロック状態が不完全でないかどうかを確認するハウジング引張確認操作として、左右の手指で双方のコネクタハウジングを持って、互いに離脱方向に引っ張って雌雄コネクタハウジング相互のロック状態を確認する。
従って、上記3つの独立した操作を順に実施しなければならず、操作数が多いという問題があった。
また、次の操作に移る際には、その都度、雄コネクタハウジング1側では、雄コネクタハウジング1の側面を把持していた手指の位置を嵌合検知部材2の操作板部16上に変更したり、或いは嵌合検知部材2に添えていた手指の位置を雄コネクタハウジング1の側面に変更する必要があり、手指の位置の変更のために作業効率が低下するという問題もあった。
【0012】
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、コネクタハウジング相互を接続する際、検知部材移動操作とハウジング引張確認操作とを一つの操作で同時に完了させることができて、コネクタハウジング相互の接続時の操作数を低減させることができる半嵌合防止コネクタを提供することを目的とする。
また、次の操作に移る際に、ハウジングを持つ手指の位置の変更も必要なく、効率良く次の操作を実施することができ、コネクタハウジング相互を接続する際の作業効率を向上させることができる半嵌合防止コネクタを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の請求項1に係る半嵌合防止コネクタは、可撓ロックアームを有する一方のコネクタハウジングと、前記可撓ロックアームのロック部に係合する係合部を有して前記一方のコネクタハウジングに嵌合させた際に前記ロック部と前記係合部との係合によって前記一方のコネクタハウジングに連結される他方のコネクタハウジングと、前記一方のコネクタハウジングに該コネクタハウジング相互の嵌合方向に沿ってスライド可能に装着され、スライド移動の可否によって前記コネクタハウジング相互の中途嵌合状態を検知する嵌合検知部材とを備えた半嵌合防止コネクタであって、
前記嵌合検知部材は、前記コネクタハウジング相互の嵌合方向に沿ってスライド可能に前記一方のコネクタハウジングの外周に嵌合する略筒状の検知部材本体と、前記ロック部との係合によって前記検知部材本体を初期位置に規制する位置決め係止部とを備え、前記コネクタハウジング相互の嵌合前には、前記ロック部と前記位置決め係止部との係合によって前記初期位置に位置規制されると共に、前記コネクタハウジング相互の完全嵌合時には、前記初期位置から前記一方のコネクタハウジングの後方にスライド移動して、前記可撓ロックアームの前記ロック部後方に設けられた検知部材係止部と前記位置決め係止部との係合によって適正嵌合検知位置に位置規制されることを特徴とする。
【0014】
上記構成の半嵌合防止コネクタによれば、一方のコネクタハウジングに装着された嵌合検知部材は、他方のコネクタハウジングへの嵌合前には、ロック部との係止により一方のコネクタハウジングの外周を略覆うように初期位置に位置規制されている。そのため、一組の雌雄コネクタハウジング相互を嵌合させるハウジング嵌合操作の際には、嵌合検知部材を手指で掴んだまま嵌合操作を行うことができる。
【0015】
また、前記ハウジング嵌合操作の終了後には、雌雄コネクタハウジング相互の嵌合状態の検知のために嵌合検知部材を初期位置から適正嵌合検知位置に移動させる検知部材移動操作を行う。
この検知部材移動操作は、嵌合検知部材をハウジング後方に移動させる操作で、嵌合検知部材が適正嵌合検知位置に到達すると、嵌合検知部材の位置決め係止部が一方のコネクタハウジング上の検知部材係止部に係合して、嵌合検知部材のスライド移動が規制される。この時、ハウジング嵌合操作の際に嵌合検知部材を掴んでいる手指の位置を変更することなく、嵌合検知部材をハウジング後方に引くだけで移動させることができる。
そして、引き続いて嵌合検知部材をハウジング後方に引っ張れば、ハウジング相互を離脱方向に引っ張るハウジング引張確認操作を行うことができる。即ち、前記ハウジング引張確認操作は、嵌合検知部材をハウジング後方に移動させる操作で、検知部材移動操作時と付勢方向が同一のため、検知部材移動操作を行う引っ張り操作で、一挙にハウジング引張確認操作まで完了させることができる。
【0016】
また、本発明の請求項2に係る半嵌合防止コネクタは、上記半嵌合防止コネクタであって、好ましくは前記嵌合検知部材は、初期位置では前記一方のコネクタハウジングの後端から突出しないように、前記嵌合検知部材の長さが設定されていることを特徴とする。
前記構成の半嵌合防止コネクタによれば、嵌合検知部材を装着した一方のコネクタハウジングの後方から、自動端子挿入機によって接続端子の自動挿入を行うことができる。
【0017】
また、本発明の請求項3に係る半嵌合防止コネクタは、上記半嵌合防止コネクタであって、好ましくは前記位置決め係止部は、前記コネクタハウジング相互の完全嵌合時に、前記係合部の前記ロック部への係合に伴って前記ロック部から押し出されて、前記ロック部との係合状態が解除されることを特徴とする。
前記構成の半嵌合防止コネクタによれば、嵌合検知部材をハウジング後方に移動させると、嵌合検知部材が適正嵌合検知位置に到達して、位置決め係止部が検知部材係止部に係合する。これにより、嵌合検知部材のハウジング後方へのスライド移動が規制され、引き続いて嵌合検知部材をハウジング後方側に引っ張ることで、コネクタハウジング相互を離脱方向に引っ張るハウジング引張確認操作が行われる。
従って、コネクタハウジング相互を接続する際、検知部材移動操作とハウジング引張確認操作とを一つの操作でスムースに行うことができ、コネクタハウジング相互の接続時の操作数を低減させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る半嵌合防止コネクタの好適な一実施形態を図1乃至図6に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の半嵌合防止コネクタの一実施形態を示す分解斜視図、図2は図1における嵌合初期状態を示す斜視図、図3は図1における嵌合完了状態を示す斜視図、図4は図3における縦断面を有する斜視図、図5は図1における嵌合検知部材を適正嵌合検知位置にスライド移動させた状態を示す斜視図、図6は図5における縦断面を有する斜視図である。
【0019】
図1に示すように本実施形態の半嵌合防止コネクタ31は、可撓ロックアーム41を有する一方のコネクタハウジングである雌コネクタ40と、前記可撓ロックアーム41上に設けられたロック部である係止孔42に係合される係合部としての係合突起51を有する他方のコネクタハウジングである雄コネクタ50と、前記雌コネクタ40に嵌合方向に沿ってスライド可能に装着される略筒状の嵌合検知部材60とから構成されている。
即ち、前記嵌合検知部材60は、コネクタ嵌合前には係止孔42によって初期位置に位置規制され、且つコネクタ嵌合完了時には係止孔42による位置規制が解除され、前記雌コネクタ40後方の適正嵌合検知位置にスライド移動して検知部材係止部49によって位置規制される。従って、嵌合検知部材60の適正嵌合検知位置へのスライド移動の可否によって雌雄コネクタ40,50相互の中途嵌合状態を検知することができる。
【0020】
本実施形態の雌コネクタ40は、図示していない雌形接続端子を収容保持する端子収容室40aが形成されたハウジング本体40bと、該ハウジング本体の上面に形成された前記可撓ロックアーム41と、嵌合検知部材60をスライド可能に支持するためのガイド部43とが一体成形された構造である。
【0021】
前記可撓ロックアーム41は、ハウジング本体40b上面の略中央に立設された支柱部44の上端に、ハウジング本体40bの前後方向に沿って延びるアーム部45を連設したもので、該アーム部45が支柱部44を支点に上下方向にシーソー状に変位可能な構成である。
【0022】
また、前記可撓ロックアーム41の係止孔42は、アーム部45の前端寄りの位置に設けられている。また、アーム部45の後端寄りの上面は、アーム部45の前端を上方に変位させるための解除操作部45aが設けられている。
従って、雌雄コネクタ40,50が嵌合して、雄コネクタ50の係合突起51が係止孔42に係合している状態で、解除操作部45aを押下してアーム部45の前端を上方に変位させると、係止孔42と係合突起51との係合状態を解除することができる。
【0023】
また、前記可撓ロックアーム41上の係止孔42の後方には、前記嵌合検知部材60が初期位置から適正嵌合検知位置にスライド移動した時に、後述する係止突起63との係合によって嵌合検知部材60のスライド移動を規制する前記検知部材係止部49を備えている。
前記検知部材係止部49は、上記係止孔42と同様にアーム部45を貫通した係止孔であって、嵌合検知部材60が初期位置から適正嵌合検知位置までスライド移動した時に、前記係止突起63が嵌入することで、嵌合検知部材60を適正嵌合検知位置に固定する。
【0024】
また、前記ガイド部43は、可撓ロックアーム41を挟むように、ハウジング本体40b上面の両側に形成されている。この各々ガイド部43は、外側面部にハウジング本体40bの前後方向に沿って延在するガイド溝43aを有している。また、前記ガイド部43の上面には、ガイド突起43bが形成されている。
【0025】
次に、本実施形態の前記嵌合検知部材60は、雌雄コネクタ40,50相互の嵌合方向に沿ってスライド可能に雌コネクタ40の外周に嵌合する略筒状の検知部材本体61と、前記係止孔42との係合によって前記検知部材本体61を前記初期位置に規制する係止突起63とを備えている。
また、前記嵌合検知部材60は、雌コネクタ40上の初期位置にある時、嵌合検知部材60の後端が雌コネクタ40の後端よりも後方に突出しないように、嵌合検知部材60の長さ寸法が設定されている。
【0026】
前記検知部材本体61は、前記ガイド部43のガイド溝43aに摺動自在に嵌合する突条61aが内側面に形成されると共に、前記ガイド突起43bが嵌入するスリット61bが上壁面に形成されている。また、ガイド溝43aと突条61aとの嵌合、及びガイド突起43bとスリット61bとの嵌合によって、ハウジングの嵌合方向に沿ってスライド自在に雌コネクタ40に装着される。
また、前記検知部材本体61の外側面には、検知部材本体61をスライド移動させる際に、手指で掴む滑り止め部61cが設けられている。
【0027】
前記係止突起63は、検知部材本体61の上壁の一部をなす弾性片である係止アーム64の先端下部に突設されており、上方に弾性変位可能である。この係止突起63は、その前端面を係止孔42の前端面に当接した状態で該係止孔42内に上方から嵌入され、嵌合検知部材60を初期位置に係合する。
【0028】
また、前記スリット61bの長さは、嵌合検知部材60の初期位置から適正嵌合検知位置までのスライド長に対応して設定されており、嵌合検知部材60が初期位置に位置している時には、ガイド突起43bの後端面がスリット61bの後端縁に当接して、嵌合検知部材60のハウジング前方側への移動を規制する。
また、嵌合検知部材60が適正嵌合検知位置に位置している時には、ガイド突起43bの前端面がスリット61bの前端縁に当接して、嵌合検知部材60のハウジング後方側への移動を規制する。
【0029】
次に、本実施形態の雄コネクタ50は、雄形接続端子を収容する端子収容室50aが形成されたハウジング本体50bの上面に、前記係止孔42に係合する前記係合突起51と、前記可撓ロックアーム41と前記ガイド部43との間の隙間47に挿通する突条部53とを備えている。
前記端子収容室50aは、雌コネクタ40の端子収容室40aに収容された前記雌形接続端子と接続する図示していない雄形接続端子を収容保持するもので、端子収容室40aと同じ配列ピッチに形成されている。
【0030】
また、前記係合突起51は、ハウジング本体50b上面の前端寄りの位置に突設されており、雌雄コネクタ40,50相互を嵌合させた際に、可撓ロックアーム41のアーム部45下面に摺接して進み、係止孔42内に嵌入する。
また、前記突条部53は、雌コネクタ40側の隙間47に挿通することで、雌雄コネクタ40,50相互の嵌合方向や嵌合位置を規制して、雌雄コネクタ40,50相互の嵌合動作を円滑にする。
【0031】
上記構成の半嵌合防止コネクタ31によれば、図2に示すように、雌コネクタ40に装着された嵌合検知部材60は、雌雄コネクタ40,50相互の嵌合前には、雌コネクタ40の係止孔42による係止で初期位置に雌コネクタ40を覆うように位置規制されている。
そのため、雌雄コネクタ40,50相互を嵌合させるハウジング嵌合操作の際には、手指で雌コネクタ40自体を保持することなく、嵌合検知部材60自体と相手の雄コネクタ50を掴んで完全嵌合までの嵌合操作を容易に行うことができる。
【0032】
次に、雌雄コネクタ40,50相互の嵌合操作時は、図3及び図4に示すように、ハウジング相互の嵌合長が規定値に達して、雄コネクタ50の係合突起51が係止孔42内に下方から嵌入する。この係合突起51と係止孔42との係合によって、雌雄コネクタ40,50相互の完全嵌合状態がロックされる。
【0033】
この時、図4中矢印Aで示すように、係止孔42に係合していた嵌合検知部材60の係止突起63が係合突起51によって上方に押し出されて、嵌合検知部材60の初期位置への位置規制が解除される。従って、嵌合検知部材60は、雌コネクタ40の後方に移動可能になる。
【0034】
そして、図5及び図6に示すように、ハウジング嵌合操作の完了時には、雌雄コネクタ40,50相互の嵌合状態の検知のために嵌合検知部材60を初期位置から適正嵌合検知位置に移動させる検知部材移動操作を行う。即ち、ハウジング嵌合操作の際に嵌合検知部材60を掴んでいる手指を持ち替えることなく、嵌合検知部材60をハウジング後方に引くことで、雌雄コネクタ40,50相互の完全嵌合状態を検知するための検知部材移動操作を行うことができる。
【0035】
前記検知部材移動操作は、嵌合検知部材60をハウジング後方に移動させる操作で、嵌合検知部材60が適正嵌合検知位置に到達すれば、嵌合検知部材60の係止突起63が雌コネクタ40上の検知部材係止部49に係合する。これにより、嵌合検知部材60のハウジング後方へのスライド移動が規制され、引き続いて嵌合検知部材60をハウジング後方側に引っ張れば、その引張力は嵌合検知部材60を介して雌コネクタ40に伝達され、ハウジング相互を離脱方向に引っ張るハウジング引張確認操作が行われる。
【0036】
即ち、前記嵌合検知部材60が適正嵌合検知位置に到達後、引き続き同一方向に嵌合検知部材60を引っ張ることで、検知部材移動操作からハウジング引張確認操作までを一挙に完了させることができる。
従って、雌雄コネクタ40,50相互を接続する際、検知部材移動操作とハウジング引張確認操作とを一つの操作でスムースに行うことができ、雌雄コネクタ40,50相互の接続時の操作数を低減させることができる。そして、次の操作に移る際に、雄コネクタ50及び嵌合検知部材60の掴む手指の位置を変更することなく、次の操作に移行することができるので、雌雄コネクタ40,50相互を接続する接続作業と共に一連の作業全般の作業性の向上を図ることができる。
【0037】
また、本実施形態の半嵌合防止コネクタ31は、嵌合検知部材60が雌コネクタ40上の初期位置にある時、嵌合検知部材60の後端が雌コネクタ40の後端よりも後方に突出するようなことがないので、雌コネクタ40の後方から自動端子挿入機によって接続端子の自動挿入を行うことができる。
【0038】
上述したように雌雄コネクタ40,50相互をハウジング嵌合操作によって嵌合接続させた後、検知部材移動操作とハウジング引張確認操作とを嵌合検知部材60を掴んだまま、一つの操作でスムースに完了させることができ、雌雄コネクタ相互の嵌合接続時の操作数を低減させることができる。
【0039】
また、前記嵌合検知部材60が初期位置のときは、該嵌合検知部材60の後端が雌コネクタ40の後端から突出することはなく、適正嵌合検知位置に位置するときには、雌コネクタ40の後端に略一致するように設定されている。従って、保守点検等の際に嵌合検知部材60後端が、雌コネクタ40後端に略一致しているか否かを目視確認することで、初期位置にあるか又は適正嵌合検知位置にあるかを容易に検知することができ、保守点検時等における嵌合検知部材の位置確認作業を容易にすることができる。
【0040】
また、前記嵌合検知部材60が初期位置と適正嵌合検知位置に位置するときとで、外観に明確な色彩変化が生じるように、嵌合検知部材60の外表面と嵌合検知部材60から露出する雌コネクタ40の外表面とに異なる彩色を施している。従って、保守点検等の際に嵌合検知部材が初期位置にあるか又は適正嵌合検知位置にあるかを、雌コネクタ40と嵌合検知部材60とで形成する彩色パターンを目視することでも容易に確認することができ、保守点検時等における嵌合検知部材60の位置確認作業を容易にすることができる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1記載の半嵌合防止コネクタによれば、嵌合検知部材は、コネクタハウジング相互の嵌合方向に沿ってスライド可能に一方のコネクタハウジングの外周に嵌合する略筒状の検知部材本体と、ロック部との係合によって検知部材本体を初期位置に規制する位置決め係止部とを備え、前記コネクタハウジング相互の嵌合前には、前記ロック部と前記位置決め係止部との係合によって前記初期位置に位置規制されると共に、前記コネクタハウジング相互の完全嵌合時には、前記初期位置から前記一方のコネクタハウジングの後方にスライド移動して、可撓ロックアームの前記ロック部後方に設けられた検知部材係止部と前記位置決め係止部との係合によって適正嵌合検知位置に位置規制される。
【0042】
上記構成の半嵌合防止コネクタによれば、一方のコネクタハウジングに装着された嵌合検知部材は、他方のコネクタハウジングへの嵌合前には、ロック部との係止により一方のコネクタハウジングの外周を略覆うように初期位置に位置規制されている。そのため、一組の雌雄コネクタハウジング相互を嵌合させるハウジング嵌合操作の際には、嵌合検知部材を手指で掴んだまま嵌合操作を行うことができる。従って、雌雄コネクタハウジング相互の嵌合作業を効率良く行うことができる。
【0043】
また、前記ハウジング嵌合操作の終了後に行う検知部材移動操作は、嵌合検知部材をハウジング後方に移動させ、嵌合検知部材が適正嵌合検知位置に到達して嵌合検知部材のスライド移動が規制されことで、雌雄コネクタハウジング相互の完全嵌合状態を容易に検知することができる。
そして、引き続いて嵌合検知部材をハウジング後方に引っ張れば、ハウジング相互を離脱方向に引っ張るハウジング引張確認操作を行うことができ、検知部材移動操作時と付勢方向が同一のため、検知部材移動操作を行う引っ張り操作で、一挙にハウジング引張確認操作まで完了させることができる。従って、雌雄コネクタハウジング相互の嵌合状態の検知作業を効率良く行うことができる。
【0044】
また、本発明の請求項2に係る半嵌合防止コネクタは、上記半嵌合防止コネクタであって、好ましくは前記嵌合検知部材は、初期位置では前記一方のコネクタハウジングの後端から突出しないように、前記嵌合検知部材の長さが設定されている。
前記構成の半嵌合防止コネクタによれば、嵌合検知部材を装着した一方のコネクタハウジングの後方から、自動端子挿入機によって接続端子の自動挿入を行うことができる。従って、一方のコネクタハウジングへの接続端子の挿入作業を効率良く行うことができ、生産性の向上を図ることができる。
【0045】
更に、本発明の請求項3に係る半嵌合防止コネクタは、上記半嵌合防止コネクタであって、好ましくは前記位置決め係止部は、前記コネクタハウジング相互の完全嵌合時に、前記係合部の前記ロック部への係合に伴って前記ロック部から押し出されて、前記ロック部との係合状態が解除される。
前記構成の半嵌合防止コネクタによれば、嵌合検知部材をハウジング後方に移動させることで、位置決め係止部が検知部材係止部に係合すると共に、引き続いて嵌合検知部材をハウジング後方側に引っ張ることでハウジング引張確認操作が行われる。従って、コネクタハウジング相互を接続する際、検知部材移動操作とハウジング引張確認操作とを一つの操作でスムースに行うことができ、コネクタハウジング相互の接続時の操作数を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半嵌合防止コネクタの一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1における嵌合初期状態を示す斜視図である。
【図3】図1における嵌合完了状態を示す斜視図である。
【図4】図3における縦断面を有する斜視図である。
【図5】図1における嵌合検知部材を適正嵌合検知位置にスライド移動させた状態を示す斜視図である。
【図6】図5における縦断面を有する斜視図である。
【図7】従来の半嵌合防止コネクタの嵌合前の状態を示す縦断面図である。
【図8】図7における雄コネクタハウジングと嵌合検知部材の分解斜視図である。
【図9】図7における嵌合途中の状態を示す要部の部分縦断面図である。
【図10】図7における一方のコネクタハウジングのロック部に他方のコネクタハウジングの係合部が係合した状態を示す部分縦断面図である。
【図11】図7におけるコネクタハウジング相互の嵌合が完了して、嵌合検知部材の適正嵌合検知位置へのスライド移動が完了した状態を示す部分縦断面図である。
【符号の説明】
31 半嵌合防止コネクタ
40 雌コネクタ(一方のコネクタハウジング)
41 可撓ロックアーム
42 係止孔(ロック部)
43 ガイド部
49 検知部材係止部
50 雄コネクタ(他方のコネクタハウジング)
51 係合突起(係合部)
60 嵌合検知部材
61 検知部材本体
63 係止突起(位置決め係止部)
64 係止アーム(弾性片)
Claims (3)
- 可撓ロックアームを有する一方のコネクタハウジングと、
前記可撓ロックアームのロック部に係合する係合部を有して前記一方のコネクタハウジングに嵌合させた際に前記ロック部と前記係合部との係合によって前記一方のコネクタハウジングに連結される他方のコネクタハウジングと、
前記一方のコネクタハウジングに該コネクタハウジング相互の嵌合方向に沿ってスライド可能に装着され、スライド移動の可否によって前記コネクタハウジング相互の中途嵌合状態を検知する嵌合検知部材とを備えた半嵌合防止コネクタであって、
前記嵌合検知部材は、前記コネクタハウジング相互の嵌合方向に沿ってスライド可能に前記一方のコネクタハウジングの外周に嵌合する略筒状の検知部材本体と、前記ロック部との係合によって前記検知部材本体を初期位置に規制する位置決め係止部とを備え、
前記コネクタハウジング相互の嵌合前には、前記ロック部と前記位置決め係止部との係合によって前記初期位置に位置規制されると共に、
前記コネクタハウジング相互の完全嵌合時には、前記初期位置から前記一方のコネクタハウジングの後方にスライド移動して、前記可撓ロックアームの前記ロック部後方に設けられた検知部材係止部と前記位置決め係止部との係合によって適正嵌合検知位置に位置規制されることを特徴とする半嵌合防止コネクタ。 - 前記嵌合検知部材は、初期位置では前記一方のコネクタハウジングの後端から突出しないように、前記嵌合検知部材の長さが設定されていることを特徴とする請求項1に記載の半嵌合防止コネクタ。
- 前記位置決め係止部は、前記コネクタハウジング相互の完全嵌合時に、前記係合部の前記ロック部への係合に伴って前記ロック部から押し出されて、前記ロック部との係合状態が解除されることを特徴とする請求項1に記載の半嵌合防止コネクタ。
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