JP3814066B2 - 自動2輪車のシートロック装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、前後分離型のリヤフェンダを使用した自動2輪車のシートロック装置に係り、特に、タンデムシートに好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動2輪車のシートは、シートロック装置によりシートレール側へ着脱自在に取付けられ、前端を燃料タンクの後端部へ係合し、後端部をシートロックで取付けるようになっているものがある。また、タンデムシートのように長いものは、中間部を安定させるためシートレールへ係合するための構造を追加したものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、リヤフェンダを前後に分離して配設した分離型を採用する場合、シートの前後方向中間部にリヤフェンダが無いので、仮にシートの中間部をロックしようとすれば、シートロック部分へ外部から手が入り易くなり、意図しない解錠操作により盗難のおそれがある。
【0004】
このため、このような形式のリヤフェンダを採用した場合はシートロック位置がシートの後端部側に限定されてしまうが、シートの取付剛性が低くなるため、上記中間部の係合構造が必要になる。
【0005】
しかしこの場合には、シート着脱時に前後方向へシートをスライドさせて係脱しなければならず、ある種のコツが要求されるため、着脱作業を容易化できるよう、このような中間部の係合構造でなくシートロックを採用できることが望まれる。特に、タンデムシートではこのような要請が強くなる。
【0006】
そこで本願発明は、シートの中間部でロックでき、かつ外部からシートロック部分へ手が入りにくい構造にしたシートロック装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願の自動2輪車のシートロック装置に係る第1の発明は、左右一対のシートレールに支持されかつシートロックにより着脱自在に取付けられたシートと、後輪上方へ前後方向へ分離して配設された一対のリヤフェンダとを備えた自動2輪車において、上記リヤフェンダは前後方向に間隔を空けて設けられたリヤフェンダ前部とリヤフェンダ後部からなり、このリヤフェンダ前部とリヤフェンダ後部との間の空間で、かつシートの前後方向中間部に相当する左右のシートレールに挟まれた位置にシートロックを設け、このシートロックの下方を左右のシートレール間に渡したクロス部材で覆うとともに、シートロック上方に位置するシートの底板からシートロックの前後を通ってクロス部材側へ延びるリブを設け、このリブ及び底板並びにクロス部材によりシートロックを囲む閉空間を形成したことを特徴とする自動2輪車のシートロック装置。
【0008】
第2の発明は上記第1の発明において、シートがタンデムシートであることを特徴とする。
【0009】
第3の発明は上記第1の発明において、リヤフェンダの前部のうち少なくとも一部を外観部材とし、その側面にシートロックをキーにより解錠するためのキー操作部を設けたことを特徴とする。
【0010】
【発明の効果】
第1の発明によれば、シートの中間部をシートロックできるので、シートの取付剛性を高めることができるとともに、従来の係合構造を廃止できるため、着脱作業が容易かつ迅速になる。
【0011】
そのうえ、分離型リヤフェンダを採用し、リヤフェンダの設けられない中間部にシートロックが位置するにもかかわらず、シートロックを閉空間内に収容したため、外部から手が入りにくくなり、盗難防止に役立つ。
【0012】
しかも、シートロックの下方をクロス部材で覆うので、シートの底板へ泥水等が直接跳ね上げられても、シートロックに泥水等の付着を防止できる。
【0013】
第2の発明によれば、タンデムシートを採用したので、シート長が長く、取付剛性を高める要請が特に高いタンデムシートに好適なシートロック装置になる。
【0014】
第3の発明によれば、リヤフェンダ前部の少なくとも一部を露出する外観部としたので、従来のようにサイドカウル等によって覆う必要がなくなり、サイドカウルの省略又は小型化を可能とし、かつ外観部を利用してシートロックのキー操作部を設けることができる。そのうえ、バッテリ等の物品収納部として多機能化できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて一実施例を説明する。図1乃至図13は第1実施例であり、図1はシート底板及びリヤカウルの取付構造を示す前後方向断面図、図2はその平面図、図3は自動2輪車の外観側面図、図4は図1の4−4線に沿う片側断面図、図5は5−5線に沿う同様断面図、図6は図1の6−6線に沿って示すシートの片側断面図、図7は図2の7−7線に沿って示すシートの片側部分断面図、図8は支持部の取付構造を示す組付図、図9はリヤカウルの斜視図、図10はシートレールの平面図、図11はリヤフェンダ前部の取付構造を示す断面図、図12はシートロック部分の詳細構造を示す断面図、図13はリヤフェンダ後部の取付構造を示す断面図である。
【0016】
まず、図3によりこの自動2輪車の全体構造を簡単に説明する。1は前輪、2はフロントフォーク、3はハンドル、4はヘッドパイプ、5はメインフレーム、6はパワーユニット、7はジョイントプレート、8はシートレール、9はスイングアーム、10は後輪、11は緩衝器、12は燃料タンク、13はシート、14はリヤカウル、15はテールライト、16はリヤフェンダ前部、17はリヤフェンダ後部である。
【0017】
パワーユニット6はV型エンジンを備え、その後部の左右側面上部にはそれぞれ鉄板プレス品からなるジョイントプレート7が取付けられ、このジョイントプレート7に、各左右一対で設けられるメインフレーム5の後端部及びシートレール8の前端部がそれぞれ取付けられている。
【0018】
メインフレーム5は上下に間隔を持って並設されたパイプ部材5a、5b及びこれらの間を連結する複数の補強パイプ5cで構成されている。また、リヤスイングアーム9は前端部をパワーユニット6に取り付けられたピボットブラケット18へピボット19により回動自在に支持されている。
【0019】
シートレール8は図1及び図10に明らかなように、左右一対で前後方向へ配設され、左右の各前部にはサブパイプ20の後端部がそれぞれ取付けられている。左右のシートレール8及びサブパイプ20の各前端部はジョイントプレート7へ取付けられている。
【0020】
左右のシートレール8及びサブパイプ20間には補強のためのクロスパイプ等が架設されている。すなわち、サブパイプ20には第1のクロスパイプ21が設けられ、シートレール8には、サブパイプ20の連結部近傍における第2クロスパイプ22、前後方向中間部におけるクロスプレート23、その後端部と重なる第3クロスパイプ24、後端部の第4クロスパイプ25が設けられている。
【0021】
第3クロスパイプ24にはシートロックステイ26が設けられ、ここにシートロック27が取付けられている。左右のシートレール8における第4クロスパイプ25近傍部には外側方へ突出するフック28がそれぞれ設けられ、各フック28の端部28a及び28bはシートレール8を越えて車体中心側へ突出している。左右のシートレール8の各後端部にはフェンダステイ29が取付けられている。
【0022】
次に、シート及びリヤカウルの取付構造を説明する。図1及び図2に示すように、シート13はタンデム型であり、樹脂製の底板30を備えている。この底板30の前端には二股部31が設けられ、燃料タンク12の後端部に突出形成された取付部32を挟むことによりシート13の前端部側が燃料タンク12に支持されるようになっている。
【0023】
底板30は、前席部33から後席部34へ中間部35で階段状に変化し、後席部34のうち中間部35近傍部の裏面にはシートロック金具36が下方へ突出して設けられている。このシートロック金具36はシートロックステイ26に取付けられたシートロック27にロックされ、これによりシート13がシートレール8へ着脱自在に固定される。
【0024】
図12に明らかなように、底板30の裏面にはシートロック金具36を挟む前後に下方へ向かって突出するリブ37、38が一体に形成され、それぞれの下端部はクロスプレート23の前後端部に近接し、これらリブ37、38、クロスプレート23及び底板30によってシートロック27を囲む閉空間39が形成されている。ここで閉空間とは外部から手の入らない程度を意味する
【0025】
図2に明らかなように、底板30の後席部分には縁部に沿って上下へ突出する複数のボス部40が形成されている。また、中間部35近傍の左右には筒状をなして下方へ突出する支持部42が形成され、その下端部は下向き略U字状をなすスリット43が形成されている(図8)。
【0026】
また、図中の断面指示線7−7に相当する部位である中間部35の側面で立壁状をなす部分にも略U字状をなすスリット44が形成され、これに重なるようにクリップ45が取付けられている。クリップ45は略U字状断面をなす弾性部材であり、この部分で中間部35に形成されている穴47からスリット44近傍の肉厚を挟んで取付けられ、一体のナット部46がスリット44へ重なるようになっている(図7)。
【0027】
一方、図9に明らかなように、リヤカウル14は適宜な樹脂により形成され、車体中心から左右に分れて前方へ延びる左側部分50と右側部分51を備えた上面視で略U字状をなし、シートの底板30で覆われる開口部を囲む上端縁部には、車体中心方向へ突出する取付部52が複数形成され、かつ左右の前端部にはそれぞれ上方へ突出する一対の取付部53が一体に形成されている。
【0028】
これらの取付部52及び53にはそれぞれ通し穴54、55が設けられており、取付部52は図5に示すように底板30のボス40と重ねられ、下方よりタッピングビス56で締結一体化される。リヤカウル14の前端部も、図7に示すように、取付部53をクリップ45へ重ねてスリット44と55を一致させ、内側からタッピングビス57で締結一体化されている。
【0029】
さらに、図4及び図8に示すように、リヤカウル14の左側部分50と右側部分51の各中間部内側で支持部42の下端部のスリット43と対応する位置に一体のボス60が突出形成され、ここにカラー61、ワッシャ62を介してボルト63により支持部42の下端部が内側からリヤカウル14の内面へ一体化されている。ボス60の位置は、リヤカウル14の取付他端開放側の端末付近に相当している。
【0030】
図4中の符号64はボス60のインサートナットである。また、図6中の符号65はシートベルト、66は表皮(図示省略)で覆われたクッション材、67はシートベルト65の固定用ボルトであり、補強金属ブラケット68と一緒にシートベルト65を底板30へ取付るようになっている。
【0031】
図1に明らかなように、リヤフェンダはリヤフェンダ前部16とリヤフェンダ後部17に分離されて前後に間隔をもって配設された分離型フェンダとして構成され、それぞれシートレール8又はサブパイプ20へ支持されている。
【0032】
図11に明らかなように、リヤフェンダ前部16はバッテリボックスを兼用し、そのための凹部として形成された収容部70にはバッテリ71が収容されている。但し、他の例えば、ヒューズや点火ユニット等の各種電装品やその他の物品も同時に適宜収容されている。
【0033】
このリヤフェンダ前部16は前部側の底部に形成されたフック部72を第1のクロスパイプ21に上方より係合させ、かつ後部をサブパイプ20の側面へボルト73で締結することによりサブパイプ20へ取付けられている。
【0034】
リヤフェンダ前部16の下部はシートの底板30の前方延出部30a(図1)よりも下方へ突出して外観部をなし、その側面にシートロック27を解錠操作をするためのキー操作部74が設けられている。
【0035】
このキー操作部74へ図示省略のキーを差し込んで回動させると、これに一端が連結されかつシートレール8上を通って他端がシートロック27へ取付けられている操作ワイヤー75を介して解錠するようになっている。
【0036】
図13に明らかなように、リヤフェンダ後部17は先端の係合部80をフック部28の延長部28aへ後方より係止し、かつ後部側面をシートレール8の後端部から延出するステイ29へボルト81で締結されることによりシートレール8へ取付けられている。なお、他方の延長部28bもリヤフェンダ後部の側壁で前部上端に形成された凹部へ上方から係合している。
【0037】
リヤフェンダ後部17は上方へ開放された容器状をなし、内部にはシートレール8と略平行する傾斜をなすリブ82、83が前後に設けられ、これらの斜面を結んだ線と第4クロスパイプ25の間の空間84が書類入れになっている。
【0038】
次に、本実施例の作用を説明する。図1及び図12に明らかなように、シート13の中間部をシートロック27によりロックできるので、シート13の取付剛性を高めることができるとともに、従来の係合構造を廃止できるため、着脱作業が容易かつ迅速になる。
【0039】
そのうえ、分離型リヤフェンダ(16、17)を採用し、リヤフェンダの設けられない中間部にシートロック27が位置するにもかかわらず、シートロック27を閉空間39内に収容したため、外部から手が入りにくくなり、盗難防止に役立つ。
【0040】
しかも、シートロック27の下方をクロスプレート23で覆うので、シート13の底板30へ泥水等が直接跳ね上げられても、その多くをクロスプレート23で遮断でき、そのうえリブ37、38によってさらに確実に遮断できるから、シートロック27に対する泥水等の付着を有効に防止できる。
【0041】
また、シート13は、シート長が長いことにより取付剛性を高める要請が特に高いタンデムシートであるが、このシートロック装置の採用により、上記要請を満足できるので、このようなタンデムシートに好適なものになる。
【0042】
第さらに、リヤフェンダ前部16の少なくとも一部であるその下部が露出して外観部になっているので、従来のように全体をサイドカウル等によって覆う必要がなくなり、サイドカウルの省略又は小型化を可能とし、かつ外観部を利用してシートロック27のキー操作部74を設けることができる。そのうえ、バッテリ71等の物品収納部として多機能化できる。
【0043】
なお、本願発明は上記実施例に限定されず種々に変形可能であり、例えば、クロスプレート23に限らず十分な遮蔽面積を確保できればクロスパイプであってもよい。また、リヤフェンダの前部16は全体を外観部材とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に係るシート底板及びリヤカウル部分の断面図
【図2】 その平面図
【図3】 自動2輪車の外観側面図
【図4】 図1の4−4線に沿う片側断面図
【図5】 図1の5−5線に沿う同様断面図
【図6】 図1の6−6線に沿って示すシートの片側断面図
【図7】 図2の7−7線に沿って示すシートの片側部分断面図
【図8】 支持部の取付構造を示す組付図
【図9】 リヤカウルの斜視図
【図10】 シートレールの平面図
【図11】 リヤフェンダ前部の取付構造を示す断面図
【図12】 シートロック部分の詳細構造を示す断面図
【図13】 リヤフェンダ後部の取付構造を示す断面図
【符号の説明】
8:シートレール、13:シート、14:リヤカウル、16:リヤフェンダ前部、17:リヤフェンダ後部、23:クロスプレート(クロス部材)、27:シートロック、30:底板、37:リブ、38:リブ、74:キー操作部
Claims (3)
- 左右一対のシートレールに支持されかつシートロックにより着脱自在に取付けられたシートと、後輪上方へ前後方向へ分離して配設された一対のリヤフェンダとを備えた自動2輪車において、
上記リヤフェンダは前後方向に間隔を空けて設けられたリヤフェンダ前部とリヤフェンダ後部からなり、このリヤフェンダ前部とリヤフェンダ後部との間の空間で、かつシートの前後方向中間部に相当する左右のシートレールに挟まれた位置にシートロックを設け、このシートロックの下方を左右のシートレール間に渡したクロス部材で覆うとともに、シートロック上方に位置するシートの底板からシートロックの前後を通ってクロス部材側へ延びるリブを設け、このリブ及び底板並びにクロス部材によりシートロックを囲む閉空間を形成したことを特徴とする自動2輪車のシートロック装置。 - シートがタンデムシートであることを特徴とする請求項1に記載した自動2輪車のシートロック装置。
- リヤフェンダの前部のうち少なくとも一部を外観部材とし、その側面にシートロックをキーにより解錠するためのキー操作部を設けたことを特徴とする請求項1に記載した自動2輪車のシートロック装置。
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