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JP3815038B2 - アナログ/ディジタル変換回路 - Google Patents
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JP3815038B2 - アナログ/ディジタル変換回路 - Google Patents

アナログ/ディジタル変換回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アナログ/ディジタル変換回路、特に並列比較型のアナログ/ディジタル変換回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は、nビットの並列比較型アナログ/ディジタル変換回路のブロック図である。
分圧抵抗R0,R1,…,R2n −1は直列接続されており、その両端に電圧VRT,VRBを印加すると、分圧抵抗R0,R1,…,R2n −1は電圧VRT,VRB間の差電圧からなる基準電圧を分圧し、分圧された各基準電圧を各比較手段C0,C1,…,C2n −2の一方の入力端に供給する。また、該一方の入力端には電流ib が流入する。
各比較手段C0,C1,…,C2n −2の他方の入力端には、アナログ信号からなる入力信号VINが供給される。
【0003】
比較手段C0,C1,…,C2n −2は例えばコンパレ−タからなり、比較手段の出力信号はエンコ−ダ2に供給される。また、比較手段としては差動増幅回路を備え、エミッタが共通接続された2個のバイポ−ラトランジスタ即ち差動対のバイポ−ラトランジスタを前記差動増幅回路に備えたものが知られている。
エンコ−ダ2は比較手段からの出力信号を2進数に変換し、nビット例えば8ビットのディジタルコ−ドを生成する。
なお、比較回路とエンコ−ダとの間に論理積回路(AND回路)による微分回路を設け、微分結果をエンコ−ダに供給する構成とすることもある。
【0004】
図2は、8ビットの並列比較型アナログ/ディジタル変換回路のレイアウトを説明する説明図である。図3は図2の説明図を簡略化した模式図であり、6ビットエンコ−ダ21及び8ビットエンコ−ダ22を省略して図示している
実際の回路構成上では255個のコンパレ−タを直線上に配置するのは現実的ではなく、コンパレ−タ256個が1列32個ずつで8列折り返して配置されている。以下、コンパレ−タの各列をコンパレ−タバンクCBという。
【0005】
4対の隣接するコンパレ−タバンクCBの間には、6ビットエンコ−ダ21が計4つ配置され、これらのエンコ−ダ21の出力コ−ドが8ビットエンコ−ダ22に供給される。
電圧VRT,VRB間の差電圧からなる基準電圧を分圧する分圧抵抗は、4対の隣接する2列のコンパレ−タバンクCBに沿って配線された金属配線11とこの金属配線11を所定の抵抗値毎に区分する出力端とからなり、そのうちの配線部分111〜114では配線幅を太くしてそれ以外の配線部分よりも単位長当たりの抵抗値を低くしている。
【0006】
入力信号VINはノ−ドN1に供給される。
ノ−ドN1はノ−ドN2,N3と接続されている。
ノ−ドN2はノ−ドN4,N5と接続されている。
ノ−ドN3はノ−ドN6,N7と接続されている。
ノ−ドN4からの入力信号VINは、C0〜C31とC32〜C63の両コンパレ−タバンクCBに供給される。
ノ−ドN5からの入力信号VINは、C64〜C95とC96〜C127の両コンパレ−タバンクCBに供給される。
ノ−ドN6からの入力信号VINは、C128〜C159とC160〜C191の両コンパレ−タバンクCBに供給される。
ノ−ドN7からの入力信号VINは、C192〜C223とC224〜C255の両コンパレ−タバンクCBに供給される。
【0007】
図2のアナログ/ディジタル変換回路は、分圧抵抗の電位を補正する補正電流を分圧抵抗である金属配線11に供給する補正電流供給手段10を備える。
補正電流供給手段10は、そのA1端子から補正電流IA1を出力して金属配線11の位置a1に供給する。
補正電流供給手段10は、そのA2端子から補正電流IA2を出力して金属配線11の位置a2に供給する。
補正電流供給手段10は、そのA3端子から補正電流IA3を出力して金属配線11の位置a3に供給する。
【0008】
電圧VRTの印加位置から電圧VRBの印加位置までの金属配線11の抵抗値Rは、位置a1,a2,a3により4等分されている。
また、電圧VRTの印加位置から配線部分111までの抵抗値はR/8であり、電圧VRTの印加位置から配線部分112までの抵抗値は3R/8であり、電圧VRTの印加位置から配線部分113までの抵抗値は5R/8であり、電圧VRTの印加位置から配線部分114までの抵抗値は7R/8である。
補正電流IA1,IA2,IA3の大きさは各々32ib であり、等しい値としている。
【0009】
コンパレ−タの入力段には種々の形式がある。
たとえば、エミッタフォロア回路を介して差動対のバイポ−ラトランジスタ(トランジスタ)に入力信号を供給する形式がある。
また、入力段を差動対のトランジスタで構成し、エミッタフォロア回路を介さずに直接に差動対のトランジスタに入力信号を供給する形式がある。
差動対のトランジスタに直接に入力信号を供給するコンパレ−タは、エミッタフォロア回路を介するコンパレ−タに比べ、素子数を減らすことができると共に入力電圧を電源電圧よりも低く設定することができる利点がある。
【0010】
一方、エミッタフォロア回路を介して差動対のトランジスタに入力信号を供給するコンパレ−タを図1の比較手段C0,C1,…,C2n −2に用いた場合は、各コンパレ−タが図1の分圧抵抗R0,R1,…,R2n −1から入力する入力電流の総和は、アナログ入力信号VINに依存せずに一定である。
また、図2の比較手段C0,C1,…,C255に用いた場合は、各コンパレ−タが図2の金属配線11から入力する入力電流の総和は、アナログ入力信号VINに依存せずに一定である。
このため、図2のように、位置a1,a2,a3に等しい大きさの補正電流IA1,IA2,IA3を供給することで、アナログ/ディジタル変換回路の積分直線性誤差(Integral Linearity Error)を充分に小さくすることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
差動対のトランジスタに直接に入力信号を供給するコンパレ−タは、入力する分圧された基準電圧に対してアナログ入力信号VINが大きい場合と小さい場合で、分圧抵抗からのコンパレ−タの入力電流値が異なる。
このため、差動対のトランジスタに直接に入力信号を供給するコンパレ−タを図1の比較手段C0,C1,…,C2n −2に用いた場合は、各コンパレ−タが図1の分圧抵抗R0,R1,…,R2n −1から入力する入力電流の総和は、アナログ入力信号VINに依存して変化する。
また、図2の比較手段C0,C1,…,C255に用いた場合は、各コンパレ−タが図2の金属配線11から入力する入力電流の総和は、アナログ入力信号VINに依存して変化する。
このため、図2のように、位置a1,a2,a3に等しい大きさの補正電流IA1,IA2,IA3を供給することでは、アナログ/ディジタル変換回路の積分直線性誤差(Integral Linearity Error)を充分に小さくすることができない。
【0012】
本発明の目的は、入力段が差動対のトランジスタからなる比較手段を用いて並列比較型アナログ/ディジタル変換回路を構成した場合に、積分直線性誤差を充分に小さくすることができる並列比較型アナログ/ディジタル変換回路を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のアナログ/ディジタル変換回路では、直列接続された複数の分圧抵抗の抵抗値の総和をRとした場合に、基準電圧の印加位置から分圧抵抗の抵抗値を加え合わせた値rと総和Rの比r/Rが1/4,1/2,3/4に限らず補正効果の高い位置に補正電流供給手段からの補正電流を供給する。
【0014】
本発明のアナログ/ディジタル変換回路では、補正電流供給手段からの補正電流の供給により、複数の比較手段における前記分圧抵抗からの入力電流値の最大合計値をIoとして前記複数の分圧抵抗の抵抗値の総和をRとした場合に、基準電圧の印加位置から分圧抵抗の抵抗値を加え合わせた値rと総和Rの比r/RがLである位置における電位V(L)の値が、|R×Io×(L3 −L2 )/2|の値もしくはその近傍の値だけ補正電流供給前よりも増加するよう構成する。
【0015】
本発明のアナログ/ディジタル変換回路では、好適には、補正電流供給手段は、比r/Rが1/2である位置もしくはその近傍の位置にIo/8の大きさの電流を供給し、比r/Rが3/4である位置もしくはその近傍の位置にIo/4の大きさの電流を供給する。
【0016】
本発明のアナログ/ディジタル変換回路では、好適には、補正電流供給手段は、比r/Rが5/8である位置もしくはその近傍の位置にIo/8の大きさの電流を供給し、比r/Rが3/4である位置もしくはその近傍の位置にIo/4の大きさの電流を供給し、比r/Rが7/8である位置もしくはその近傍の位置にIo/8の大きさの電流を供給する。
【0017】
本発明のアナログ/ディジタル変換回路では、好適には、前記補正電流の供給により、前記補正電流の供給前に比べて、比r/Rが2/3である位置もしくはその近傍の位置の電位を最も増加させるよう構成する。
【0018】
比r/Rが1/2以上1未満となる位置に補正電流を供給すると、補正電流が分圧抵抗に流入する。
そして、補正電流供給前に比べて、比r/Rが1/2以上1未満となる位置の電位は、比r/Rが1/2未満となる位置の電位よりも多く増加することになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付した図面を参照して説明する。
先ず、アナログ/ディジタル変換回路の積分直線性誤差の発生原理を説明する。
図1の並列比較型アナログ/ディジタル変換回路において、比較手段C0〜C2n −2として、入力段に差動対のバイポ−ラトランジスタを備えたコンパレ−タを用いた場合を想定する。以下、直列接続された複数の分圧抵抗R0〜R2n −1をレジスタストリング(Resistor string )という。
【0020】
コンパレ−タの入力段は差動対のトランジスタからなるので、レジスタストリングからコンパレ−タC0〜C2n −2に供給される入力電流は、レジスタストリング上の電位がVRT〜VINの範囲からの電流となる。
ここで、図4と図5のように、レジスタストリングを直線状の抵抗体RSで近似する。抵抗体RSの全長をL2 とし、抵抗体RSの単位長さ当たりの抵抗値すなわち抵抗密度をρとし、抵抗体RSの抵抗値をRとする。抵抗密度ρ=R/L2 である。
抵抗体RSの一端からの距離xが0<x<L1 において、一様に電流Iが引き出されている。電流密度i=I/L1 であり、0≦L1 ≦L2 である。
また、抵抗体RSのx=L1 の位置には、抵抗体RSの他端から電流I2 が流入している。図中の符号GNDは、接地電位を示す。
【0021】
抵抗体RS上の距離xの位置において、抵抗体RSの一端から電流i1 が流入し、他端から電流i2 が流入し、電流iが引き出されている場合、次式が成立する。
1 ×ρx=i2 ×(R−ρx) …(1)
1 +i2 =i …(2)
【0022】
式(1),(2)からi1 を消去すると、
2 =iρx/R …(3)
が得られる。そこで、式(3)をx=0〜L1 の範囲で積分すると、次式が成立する。
2 =I×L1 /2L2 …(4)
【0023】
よって、抵抗体RS上の距離x=L1 での電位VL1は、次式で表される。
L1={(L1 /L2 )−1}×(L1 /2L2 )×RI …(5)
ここで、比L1 /L2 =Lとおき、L1 =L2 の場合に抵抗体RSから引き出される最大電流値をIoとおくと、I=(L1 /L2 )×Ioが成立し、抵抗体RS上での比Lの位置での電位V(L)は、次式で表される。
V(L)=R×Io×(L3 −L2 )/2 …(6)
つまり補正電流の供給量と供給位置を理論式(6)に基づいて設計することにより積分直線性誤差を効果的に減らすことができる。
【0024】
上式(6)と図2のアナログ/ディジタル変換回路とを、次のようにして対応させる。
例えばアルミニウム配線からなる金属配線11およびこの金属配線11を所定の抵抗値毎に区分する出力端は、電圧VRTと電圧VRBの差電圧からなる基準電圧を分圧する。
金属配線11の抵抗値の総和をRとする。また、金属配線11から電流が各コンパレ−タに流入する場合に、当該各電流の大きさは、コンパレ−タの入力段のトランジスタのベ−ス電流ib とする。
すなわち、金属配線11上の電位が電圧VRT〜VIN(VRT>VIN>VRB)となる位置から各コンパレ−タ入力する電流値をib とおく。
そして、256個のコンパレ−タC0〜C255における金属配線11からの入力電流値の最大合計値をIoとし、Io=256ib とする。
また、電圧VRTの印加位置からの抵抗値rと総和Rとの比r/RをLとおく。抵抗値rは、電圧VRTの印加位置からの分圧抵抗の抵抗値を加え合わせた値に対応している。
【0025】
式(6)をグラフに表すと、図6のようになる。
図6は、補正電流を供給しない場合における、金属配線上の位置に対する電圧の誤差を示している。
そして、補正電流を供給しない場合における積分直線性誤差(ILE)を示すものである。
この曲線は下に凸の形状をなし、L=2/3のときに、最小値である−512Rib /27をとる。
【0026】
図3の模式図で示される従来のアナログ/ディジタル変換回路では、レジスタストリングである金属配線11の抵抗値を1/4ずつに分割する位置a1,a2,a3に、各々Io/8=32ib の補正電流を供給している。
この場合、図7のグラフに示すように、黒丸印を結線した曲線で示される誤差すなわち積分直線性誤差は、最低で−6.8Rib 程度となっている。
このため、補正電流IA1,IA2,IA3によっては、積分直線性誤差を充分に小さくすることができない。
したがって、積分直線性誤差を充分に小さくすることができるように、補正電流を供給する位置および供給する電流値を修正することが好ましい。
【0027】
なお、図7のグラフにおいて、黒の菱形を結線した曲線は、補正電流を供給しない場合のアナログ/ディジタル変換回路の積分直線性誤差を示す。
黒の正方形を結線した曲線は、比L=1/4の位置に補正電流IA1=32ib を供給した場合の補正電流IA1による金属配線11の電位増加分を示す。
白の三角を結線した曲線は、比L=1/2の位置に補正電流IA2=32ib を供給した場合の補正電流IA2による金属配線11の電位増加分を示す。
×印を結線した曲線は、比L=3/4の位置に補正電流IA3=32ib を供給した場合の補正電流IA3による金属配線11の電位増加分を示す。
*印を結線した曲線は、補正電流IA1,IA2,IA3による金属配線11の電位増加分の合計を示す。
【0028】
図3の模式図で示されるアナログ/ディジタル変換回路に代えて、図8の模式図に示すように、位置a1に補正電流を供給せず、位置a2に補正電流IA2=32ib を供給し、位置a3に補正電流IA3=64ib を供給する。
図8の模式図で示されるアナログ/ディジタル変換回路では、補正電流IA2,IA3は、補正電流供給手段20のA2,A3端子から各々供給される。
なお、図8の模式図で示されるアナログ/ディジタル変換回路は、図2のアナログ/ディジタル変換回路と比較して、補正電流の大きさとこれに伴う補正電流供給手段の回路構成と補正電流供給位置とが異なる。
【0029】
図8の模式図で示されるアナログ/ディジタル変換回路では、その積分直線性誤差は図9のグラフで示される。
図9では*印を結線した曲線で示される積分直線性誤差は、図7の黒丸印を結線した曲線で示される積分直線性誤差に比べて、その絶対値が小さくなっている。図9の積分直線性誤差は、最低で−4.3Rib 程度となっている。
したがって、図8の模式図で示されるアナログ/ディジタル変換回路は、図3の模式図で示されるアナログ/ディジタル変換回路に比べて積分直線性誤差の絶対値を小さくすることができ、アナログ信号をディジタル信号に変換する精度を向上することができる。
【0030】
なお、図9のグラフにおいて、黒の菱形を結線した曲線は、補正電流を供給しない場合の積分直線性誤差を示す。
黒の正方形を結線した曲線は、比L=1/2の位置に補正電流IA2=32ib を供給した場合の補正電流IA2による金属配線11の電位増加分を示す。
白の三角を結線した曲線は、比L=3/4の位置に補正電流IA3=64ib を供給した場合の補正電流IA3による金属配線11の電位増加分を示す。
×印を結線した曲線は、補正電流IA1,IA2,IA3による金属配線11の電位増加分の合計を示す。
【0031】
図3の模式図で示されるアナログ/ディジタル変換回路に代えて、図10の模式図に示すように、位置a1,a2に補正電流を供給せず、位置a3に補正電流IA2=64ib を供給し、位置a5に補正電流IA3=32ib を供給し、位置a4に補正電流IA1=32ib を供給する。
位置a4は、位置a2から位置a3までのレジスタストリングの抵抗値を1/2に分割する。すなわち、電圧VRTの印加位置から位置a4までの抵抗値rと総和Rとの比r/R=L=5/8である。
位置a4から位置a3までの抵抗値と、位置a3から位置a5までの抵抗値は等しい。すなわち、電圧VRTの印加位置から位置a5までの抵抗値rと総和Rとの比r/R=L=7/8である。
図12の模式図で示されるアナログ/ディジタル変換回路では、補正電流IA1,IA2,IA3は、補正電流供給手段30のA1,A2,A3端子から各々供給される。
なお、図10の模式図で示されるアナログ/ディジタル変換回路は、図2のアナログ/ディジタル変換回路とは、補正電流の大きさとこれに伴う補正電流供給手段の回路構成と補正電流供給位置とが異なる。
【0032】
図10の模式図で示されるアナログ/ディジタル変換回路では、その積分直線性誤差は図11のグラフで示される。
図11では黒丸印を結線した曲線で示される積分直線性誤差は、図7の黒丸印を結線した曲線で示される積分直線性誤差に比べて、その絶対値が小さくなっている。図11の積分直線性誤差は、最大で2.4Rib 程度となっている。
したがって、図10の模式図で示されるアナログ/ディジタル変換回路は、図3の模式図で示されるアナログ/ディジタル変換回路に比べて積分直線性誤差の絶対値を小さくすることができ、アナログ信号をディジタル信号に変換する精度を向上することができる。
【0033】
なお、図11のグラフにおいて、黒の菱形を結線した曲線は、補正電流を供給しない場合の積分直線性誤差を示す。
黒の正方形を結線した曲線は、比L=5/8の位置に補正電流IA1=32ib を供給した場合の補正電流IA1による金属配線11の電位増加分を示す。
黒の三角を結線した曲線は、比L=3/4の位置に補正電流IA2=64ib を供給した場合の補正電流IA2による金属配線11の電位増加分を示す。
×印を結線した曲線は、比L=7/8の位置に補正電流IA3=32ib を供給した場合の補正電流IA3による金属配線11の電位増加分を示す。
*印を結線した曲線は、補正電流IA1,IA2,IA3による金属配線11の電位増加分の合計を示す。
【0034】
図9と図11のグラフでは、補正電流の供給により、補正電流の供給前に比べて、比Lが2/3である位置もしくはその近傍の位置の電位を最も増加させている。
補正電流供給前の積分直線性誤差はL=2/3で最低値をとるので、比Lが2/3である位置もしくはその近傍の位置の電位を最も増加させることで、補正電流供給後のアナログ/ディジタル変換回路の積分直線性誤差を小さくしている。
また、L=1/2〜1の位置に補正電流を供給することで、補正電流供給後のアナログ/ディジタル変換回路の積分直線性誤差を小さくしている。
【0035】
図12は、補正電流供給手段の回路図である。
電源電圧Vccの供給線には、npnトランジスタQ2のコレクタおよびベ−ス、npnトランジスタQ8,Q10のコレクタ、抵抗素子r3,r4,r6,r7,r8,r9が接続されている。トランジスタQ8,Q10は多(マルチ)エミッタトランジスタからなる。
トランジスタQ2のエミッタには、npnトランジスタQ1,Q3,Q6のコレクタが接続されている。トランジスタQ1のベ−スはコレクタに接続されており、トランジスタQ1,Q3,Q6のベ−スは各々接続されている。
トランジスタQ1のエミッタはnpnトランジスタQ5のベ−スに接続されている。
トランジスタQ3のエミッタは、トランジスタQ6のエミッタ、トランジスタQ5のコレクタおよびnpnトランジスタQ7のベ−スに接続されている。
【0036】
トランジスタQ5のエミッタは、npnトランジスタQ7,Q9,Q11,Q12のエミッタおよびnpnトランジスタQ4のコレクタに接続されている。
トランジスタQ4のベ−スにはバイアス電圧Vbiasが供給され、トランジスタQ4のエミッタは抵抗素子r1を介して接地されている。
トランジスタQ7,Q9,Q11,Q12のベ−スは、各々接続されている。
トランジスタQ7,Q9,Q11,Q12のコレクタは、各々接続されている。トランジスタQ8,Q10のエミッタはトランジスタQ8のベ−スおよびトランジスタQ11のコレクタに接続され、トランジスタQ8のベ−スはトランジスタQ10のベ−スに接続されている。
【0037】
pnpトランジスタP1,P3,P4,P5,P6,P7のエミッタは、各々抵抗素子r3,r4,r6,r7,r8,r9に接続されている。
pnpトランジスタP1,P3,P4,P5,P6,P7のベ−スは、各々接続されている。
pnpトランジスタP1,P2,P3,P4,P5,P6,P7は、多(マルチ)エミッタトランジスタからなる。
トランジスタP1のコレクタは、トランジスタQ12のコレクタおよびpnpトランジスタP2のベ−スに接続されている。
トランジスタP2のエミッタは、トランジスタP3のベ−スおよびコレクタに接続されており、トランジスタP2のコレクタは接地されている。
【0038】
npnトランジスタQ14のコレクタは、トランジスタQ12のエミッタに接続されている。
トランジスタQ14のエミッタは、npnトランジスタQ13のコレクタおよびベ−スに接続されている。
トランジスタQ13のエミッタは、抵抗素子r2を介して接地されている。
トランジスタP4のコレクタは、npnトランジスタQ16のコレクタおよびベ−スに接続されている。
【0039】
トランジスタQ16のベ−スは、トランジスタQ14のベ−スに接続されている。トランジスタQ16のエミッタは、npnトランジスタQ15のコレクタに接続されている。
トランジスタQ15のベ−スは、トランジスタQ13のベ−スに接続されている。トランジスタQ15のエミッタは、抵抗素子r5を介して接地されている。
トランジスタP5,P6,P7のコレクタは、各々A1,A2,A3端子に接続されている。
【0040】
抵抗素子r1,r3,r6の抵抗値を4Rとし、抵抗素子r2,r4,r5の抵抗値を8Rとし、抵抗素子r7,r8,r9の抵抗値をRとすることで、A1,A2,A3端子に電流32ib が各々供給される。
したがって、このときの図12の回路を補正電流供給手段10として用いることができる。
【0041】
抵抗素子r1,r3,r6の抵抗値を4Rとし、抵抗素子r2,r4,r5の抵抗値を8Rとし、抵抗素子r8,r9の抵抗値を各々R,R/2とすることで、A2,A3端子に電流32ib ,64ib が各々供給される。
したがって、このときの図12の回路を補正電流供給手段20として用いることができる。
【0042】
抵抗素子r1,r3,r6の抵抗値を4Rとし、抵抗素子r2,r4,r5の抵抗値を8Rとし、抵抗素子r7,r8,r9の抵抗値を各々R,R/2,Rとすることで、A1,A2,A3端子に電流32ib ,64ib ,32ib が各々供給される。
したがって、このときの図12の回路を補正電流供給手段30として用いることができる。
【0043】
図12の回路動作を説明する。
図12の回路において、トランジスタのベ−スエミッタ間の電圧Vbeについて、次の関係が成立する。
be(Q7)=Vbe(Q5)+Vbe(Q1)−Vbe(Q3) …▲1▼
be(Q7)はトランジスタQ7のベ−スエミッタ間電圧を示す。
be(Q5)はトランジスタQ5のベ−スエミッタ間電圧を示す。
be(Q3)はトランジスタQ3のベ−スエミッタ間電圧を示す。
be(Q1)はトランジスタQ1のベ−スエミッタ間電圧を示す。
【0044】
また、エバ−ス・モル(Ebers-Moll)のトランジスタモデルから、次式が成立する。
be=VT ×ln(iC /iS ) …▲2▼
S は比例定数であり、VT =kT/qである。
kはボルツマン定数であり、Tは絶対温度であり、qは電子の電荷量である。
ベ−スエミッタ間電圧Vbeは、ln(iC /iS )に比例する。
【0045】
トランジスタP1のコレクタ電流iC の1/4が、トランジスタQ7のコレクタに流入している。
トランジスタQ5のコレクタ電流iC の1/2が、トランジスタQ3のエミッタから流出している。また、エミッタ電流の大きさは、コレクタ電流の大きさに殆んど等しい。これらの関係と式▲1▼,▲2▼から次式が得られる。
ln{iC (P1)/4iS }=ln{β×ib (Q5)/iS }+ln{ib (Q5)/iS }−ln{β×ib (Q5)/2iS } …▲3▼
ここで、βは電流増幅率であり、β=iC /ib である。
C (P1)は、トランジスタP1のコレクタ電流を示す。
b (Q5)は、トランジスタQ5のベ−ス電流を示す。
【0046】
式▲3▼の自然対数を取り外して整理すると、次式が得られる。
C (P1)=8ib …▲4▼
コレクタ電流の大きさはエミッタ電流の大きさに殆んど等しいので、トランジスタP1のエミッタ電流ie の大きさは8ib であることが判る。
なお、トランジスタQ5のベ−ス電流ib の大きさを、1個のコンパレ−タがレジスタストリングから入力する入力電流の大きさに等しくなるように設定している。
したがって、抵抗素子r7,r8,r9の抵抗値を調整することにより、A1,A2,A3端子に供給する電流の大きさを設定することができる。
【0047】
本実施形態では、8ビットの並列比較型アナログ/ディジタル変換回路について説明したが、4〜64ビットの偶数ビットからなる並列比較型アナログ/ディジタル変換回路についても適用してもよい。
例えば、8ビット、16ビット、32ビットおよび64ビットの並列比較型アナログ/ディジタル変換回路では、金属配線の折り返し部分に補正電流を供給する簡潔な構成とすることができる。
なお、上記実施形態は本発明の一例であり、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0048】
【発明の効果】
本発明のアナログ/ディジタル変換回路によれば、比較手段の入力段が差動対のトランジスタからなる場合に、積分直線性誤差を小さくすることができ、アナログ信号をディジタル信号に変換する精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】nビットの並列比較型アナログ/ディジタル変換回路のブロック図である。
【図2】8ビットの並列比較型アナログ/ディジタル変換回路のレイアウトを説明する説明図である。
【図3】図2の説明図を簡略化した模式図である。
【図4】金属配線を抵抗体で近似したモデルを説明する説明図である。
【図5】図4の抵抗体の電位分布を解析するための説明図である。
【図6】図4の抵抗体の電位分布を示す図である。
【図7】補正電流を供給した場合の従来のアナログ/ディジタル変換回路の積分直線性誤差を示すグラフである。
【図8】本発明の一実施形態を示すアナログ/ディジタル変換回路の模式図である。
【図9】図8のアナログ/ディジタル変換回路の積分直線性誤差を示すグラフである。
【図10】本発明の一実施形態を示すアナログ/ディジタル変換回路の模式図である。
【図11】図10のアナログ/ディジタル変換回路の積分直線性誤差を示すグラフである。
【図12】補正電流供給手段の回路図である。
【符号の説明】
2…エンコ−ダ、10,20,30…補正電流供給手段、11…金属配線、21…6ビットエンコ−ダ、22…8ビットエンコ−ダ、C0〜C2n −2…比較手段(コンパレ−タ)、D0〜Dn−1…ディジタルコ−ド、GND…接地電位、IA1,IA2,IA3…補正電流、ib …入力電流(ベ−ス電流)、L…比、ILE…積分直線性誤差、N1〜N7…ノ−ド、R0〜R2n −1…分圧抵抗、Vcc…電源電圧、VIN…入力電圧(アナログ入力電圧)、VRT,VRB…電圧。

Claims (12)

  1. 基準電圧を分圧する直列接続された複数の分圧抵抗と、分圧された基準電圧と入力信号とのレベルを比較する複数の比較手段と、前記分圧抵抗の電位を補正する補正電流を前記分圧抵抗に供給する補正電流供給手段とを具備して、
    前記複数の比較手段からの比較結果に応じたディジタルコ−ドを生成するアナログ/ディジタル変換回路において、
    前記比較手段の入力段は差動対のバイポ−ラトランジスタからなり、
    前記複数の分圧抵抗の抵抗値の総和をRとした場合に、前記基準電圧の印加位置から前記分圧抵抗の抵抗値を加え合わせた値rと総和Rの比r/Rが1/2以上1未満となる位置にのみ前記補正電流を供給するようにした
    アナログ/ディジタル変換回路。
  2. 前記複数の比較手段における前記分圧抵抗からの入力電流値の最大合計値をIoとした場合に、
    前記補正電流供給手段は、
    前記比r/Rが1/2である位置もしくはその近傍の位置に、Io/8の大きさの電流を供給し、
    前記比r/Rが3/4である位置もしくはその近傍の位置に、Io/4の大きさの電流を供給する
    請求項1記載のアナログ/ディジタル変換回路。
  3. 前記複数の比較手段における前記分圧抵抗からの入力電流値の最大合計値をIoとした場合に、
    前記補正電流供給手段は、
    前記比r/Rが5/8である位置もしくはその近傍の位置に、Io/8の大きさの電流を供給し、
    前記比r/Rが3/4である位置もしくはその近傍の位置に、Io/4の大きさの電流を供給し、
    前記比r/Rが7/8である位置もしくはその近傍の位置に、Io/8の大きさの電流を供給する
    請求項1記載のアナログ/ディジタル変換回路。
  4. 前記複数の分圧抵抗は、半導体基板上に形成された金属配線と、該金属配線を所定の抵抗値毎に区分する出力端とからなる
    請求項1記載のアナログ/ディジタル変換回路。
  5. 前記複数の分圧抵抗は、半導体基板上に形成された金属配線と、該金属配線を所定の抵抗値毎に区分する出力端とからなり、
    前記複数の比較手段はn列に配置されていると共に隣接する2列は対称に配置されており、
    前記金属配線は、n/2対の前記隣接する2列に沿って対称に配置されており、前記nは4以上64以下の偶数である
    請求項1記載のアナログ/ディジタル変換回路。
  6. 前記補正電流の供給により、前記補正電流の供給前に比べて、前記比r/Rが2/3である位置もしくはその近傍の位置の電位を最も増加させるようにした
    請求項1記載のアナログ/ディジタル変換回路。
  7. 基準電圧を分圧する直列接続された複数の分圧抵抗と、分圧された基準電圧と入力信号とのレベルを比較する複数の比較手段と、前記分圧抵抗の電位を補正する補正電流を前記分圧抵抗に供給する補正電流供給手段とを具備して、
    前記複数の比較手段からの比較結果に応じたディジタルコ−ドを生成するアナログ/ディジタル変換回路において、
    前記比較手段の入力段は差動対のバイポ−ラトランジスタからなり、
    前記補正電流供給手段からの補正電流の供給により、
    前記複数の比較手段における前記分圧抵抗からの入力電流値の最大合計値をIoとし、前記複数の分圧抵抗の抵抗値の総和をRとした場合に、前記基準電圧の印加位置から前記分圧抵抗の抵抗値を加え合わせた値rと総和Rの比r/RがLである位置における電位V(L)の値が、
    |R×Io×(L3 −L2 )/2|
    の値もしくはその近傍の値だけ前記補正電流の供給前よりも増加するようにした
    アナログ/ディジタル変換回路。
  8. 前記補正電流供給手段は、
    前記比r/Rが1/2である位置もしくはその近傍の位置に、Io/8の大きさの電流を供給し、
    前記比r/Rが3/4である位置もしくはその近傍の位置に、Io/4の大きさの電流を供給する
    請求項7記載のアナログ/ディジタル変換回路。
  9. 前記補正電流供給手段は、
    前記比r/Rが5/8である位置もしくはその近傍の位置に、Io/8の大きさの電流を供給し、
    前記比r/Rが3/4である位置もしくはその近傍の位置に、Io/4の大きさの電流を供給し、
    前記比r/Rが7/8である位置もしくはその近傍の位置に、Io/8の大きさの電流を供給する
    請求項7記載のアナログ/ディジタル変換回路。
  10. 前記複数の分圧抵抗は、半導体基板上に形成された金属配線と、該金属配線を所定の抵抗値毎に区分する出力端とからなる
    請求項7記載のアナログ/ディジタル変換回路。
  11. 前記複数の分圧抵抗は、半導体基板上に形成された金属配線と、該金属配線を所定の抵抗値毎に区分する出力端とからなり、
    前記複数の比較手段はn列に配置されていると共に隣接する2列は対称に配置されており、
    前記金属配線は、n/2対の前記隣接する2列に沿って対称に配置されており、前記nは4以上64以下の偶数である
    請求項7記載のアナログ/ディジタル変換回路。
  12. 前記補正電流の供給により、前記補正電流の供給前に比べて、前記比r/Rが2/3である位置もしくはその近傍の位置の電位を最も増加させるようにした
    請求項7記載のアナログ/ディジタル変換回路。
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