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JP3818151B2 - フィン付き板条材の成形ロール - Google Patents
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JP3818151B2 - フィン付き板条材の成形ロール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアコン等の熱交換器の電熱管を電縫によって製造する際に用いられるフィン付き板条材を成形するためのフィン付き板条材の成形ロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エアコン等の熱交換器の電熱管には一般的に銅管が広く用いられている。しかるに、このような電熱管においては、その電熱面積を増大させるために管の内周部に多数のフィンを形成するようにしており、従来このようなフィン付きの電熱管を製造するには、外周に溝が形成されたプラグを銅管内に通して管内周にフィンを形成する方法が採られていたが、管径が小さくなるとこのようなプラグによるフィンの形成が困難となるため、最近では、軸線回りに回転されるロール本体の外周に凹溝が形成された成形ロールによって長尺の板条材の表面に予めフィンを形成しておき、このフィン付き板条材をその幅方向に丸め込むように断面c字状に成形した上で、その突合せ部を電縫することにより接合して管状に形成する方法が採られている。なお、電熱管の更なる電熱面積の増大を図り、かつ成形ロール加工コスト低減の為に上記成形ロールにおいては、外周面に溝が形成された複数のリング状のロール部材をロールの回転軸線方向に重ねてシャフトに嵌挿することによって構成されているものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、複数のリング状のロール部材からなる成形ロールでは、フィンを成形する際、ロール部材同士の重ね合わせ面つまり側面の間にワークが入り込んでしまい、これによりワークの成形精度が損なわれるおそれが生じるのは勿論、このロール部材同士の間に入り込んだワークによってロール部材の外周面と側面との交差稜線部に欠けが生じたりするおそれもある。そして、このような問題は、ワークが軟らかくて延性に富むためにロール部材同士の間への入り込みが容易となる銅製の板条材にフィンを形成する場合に、一層顕著となる。
【0004】
また、上記成形ロールにより形成されるフィン付き板条材においては、その幅方向に丸め込むように断面c字状に成形する際、特にフィン形状に依存した応力集中発生個所において、管の表面に凹みが生じたり、更には管の破れを発生させるおそれがある。そして、このような問題も、ワークが軟らかくて延性に富むために、断面c字状に成形する際に発生する管表面の引張り力により、管の表面に凹みや破れが発生し易い銅製のフィン付き板条材を断面c字状に成形する場合に、一層顕著となる。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、上述のようにフィン付き板条材を、複数のロール部材から構成される成形ロールにより成形する際に、ワークが軟らかく延性に富む銅製の板条材などであっても、ロール部材同士の間に入り込まず、ロール部材の外周面と側面との交差稜線部に生ずる欠けを防止し得ること、及びフィン付き板条材を断面c字状に成形する際に、特にフィン形状に依存した応力集中によるフィン付き板条材の上記凹みや破れを抑制し得るフィン付き板条材の成形ロールを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、軸線回りに回転されるロール本体の外周面にフィン成形用の溝が形成され、このロール本体は、外周面に上記溝が形成された複数のリング状のロール部材を上記軸線方向に重ねてシャフトに嵌挿することによって構成されているフィン付き板条材の成形ロールであって、上記ロール本体外周面と上記ロール部材同士の重ね合わせ面との交差稜線部には、この交差稜線部に直交する断面おいて、ロール外周面上の1点を始端とし、上記重ね合わせ面上の1点を終端とする凹溝が、上記ロール本体を構成するロール部材同士の重ね合わせ面に沿って環状に形成されていることを特徴とする。
この発明に係るフィン付き板条材成形ロールによれば、板条材にフィンを形成する際、上記重ね合わせ面に形成されている凹溝部にワークが積極的に入り込むこととなるので、ロール部材同士の重ね合わせ面つまり側面の間にワークが入り込むのを防ぐことが可能となり、ロール部材の外周面と側面との交差稜線部に生ずる欠けを防止することが可能となる。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のフィン付き板条材の成形ロールにおいて、上記凹溝を形成する面取り面と上記重ね合わせ面とが成す角度は、上記ロール外周面からこの凹溝の底部に向かうに従い、小さくなるように形成されていることを特徴とする。
この発明に係るフィン付き板条材の成形ロールによれば、断面形状が狭角の比較的小さい逆V字状の長手方向に延びる壁面体が板条材の長手方向に形成されることとなるので、板条材の全長に渡って、壁面体の取り付け底部を板条材の幅方向に対して幅広に形成することができる。これにより、板条材を断面c字状に成形する際、この壁面体の底部が、板条材の表面に生ずる引張り力に対する補強材として機能することで、板条材の表面の凹み、及び破れを抑制することが可能となる。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載のフィン付き板条材の成形ロールにおいて、上記凹溝の深さは、板条材にフィンを成形する溝の深さの80%から100%で形成されていることを特徴とする。
この発明に係るフィン付き板条材の成形ロールによれば、フィンの高さの80%から100%の高さを有する壁面体が板条材の長手方向に形成されることとなる。この壁面体により、フィン付き板条材を断面c字状に成形する際の板条材の凹み、及び破れに対する補強材として機能することとなり、この凹み、及び破れを抑制することが可能となる。ここで、この壁面体の高さがフィンの高さの80%未満の場合は、板条材の凹み、及び破れに対する補強としては不十分であり、100%を上回る場合は、管内面積が減少することで許容流量が減少し、熱交換効率が低下するため凹溝の深さを上記範囲に設定している。そして、この発明と請求項2に係る発明とを同時に実施することで、上記壁面体を形成するのに要する板条材の体積を適正に設定できるとともに、板条材を断面c字状に形成する際の補強材として効果的に機能する壁面体を形成することが可能となる。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれかに記載のフィン付き板条材の成形ロールにおいて、上記ロール部材はバインダーとしてCrを含有する超硬合金で形成されていることを特徴とする。
この発明に係るフィン付き板条材の成形ロールによれば、上記ロール部材を組成する、超硬合金にバインダーとして含有されるCoの含有量を減少させることができ、これによりロール部材の銅に対する耐溶着性を向上させることが可能となり、耐久性向上を実現できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1から図4はこの発明の一実施形態を示すものである。本実施形態の成形ロールは、そのロール本体1が、軸線Oを中心としたシャフト2の中央部に嵌挿される複数(本実施例では5つ)のリング状のロール部材3・・・とから構成されており、各ロール部材3・・・との外周面3Aには図3に断面を示すような多数の溝3B・・・が形成されている。しかして、このような構成の成形ロールは、上記ロール部材3・・・の外周面3Aが、上記軸線Oと平行な軸線を有する図示されない他のロールの外周面との間に所定の間隔をあけて対向するようにして、上記シャフト2の両端部が成形装置に支持され、この成形装置によってロール部材ごとシャフト2が回転させられるとともに上記他のロールがこの成形ロールとは逆方向に回転させられることにより、上記外周面3Aと他のロールの外周面との間に挟み込まれた長尺の銅製等の板条材をその長手方向に送り出しつつ、該板条材の表面に上記凹溝3B・・・によってフィンを形成していく。
【0011】
ここで、シャフト2の上記軸線O方向に対する中央部には、上記ロール部材3・・・が取り付けられるロール部材取付部2Aと、当該シャフト2において最大外径とされたフランジ部2Cとが形成されており、ロール部材取付部2Aの外周面には軸線Oに平行にキー溝2Bが形成されていてキー4が嵌合させられている。そして、このロール部材取付部2Aの外周には、断面L字状をなす環状の取付部材5が、その内周に形成されたキー溝5Aを上記キー4に嵌合させ、かつ円環平板状をなすそのフランジ部5Bをシャフト2の上記フランジ部2Cに密着させて嵌挿されており、上記複数のリング状のロール部材3は、この取付部材5のフランジ5Bよりも一端側の外周部に軸線O方向に重ね合わされて嵌挿され、さらにその一端側の取付部材5外周に嵌挿されたリング状の側板6と上記フランジ部5Bとの間に挟み込まれるようにして取り付けられている。
【0012】
このロール部材3は、超硬合金等の材質によりその断面が軸線O方向に扁平した長方状をなす円環平板のリング状に形成されていて、その外径はシャフト2の上記フランジ2Cや取付部材5のフランジ部5B、および側板6の外径よりも僅かに大きく、すなわち当該成形ロールにおいて最も大きな外径とされるとともに、各ロール部材3・・・同士では互いに等しい外径とされている。また、上記側板6から取付部材5のフランジ部5Bにかけては、軸線Oに平行にボルト7がこれらロール部材3・・・を貫通するように挿入されてフランジ部5Bにねじ込まれており、これによってロール部材3・・・は軸線O回りに所定の回転位置に位置決めされて取付部材5外周に取り付けられるとともに、この取付部材5がキー4を介してシャフト2と一体回転可能とされるのに伴い、上記ロール部材3・・・もこのようにボルト7を介して位置決めされたままシャフト2と一体回転可能とされている。
【0013】
さらに、これらのロール部材3の外周面3Aに形成される上記溝3B・・・は、該溝3Bに直交する断面が図3に示すように狭角の比較的小さなV字状をなすとともに、この溝底部は半径の小さな断面凹円弧状に、また外周面3Aとの交差稜線部はやはり半径の小さな断面凸円弧状にそれぞれ形成されている。さらにまた、各ロール部材3ごとの多数の溝3B・・・は、周方向に等間隔で軸線O回りに一定の向きに等しい角度で捻れる螺旋状に形成されるとともに、軸線O方向に隣接するロール部材3、3同士では、溝3B・・・同士の周方向の間隔および捻れ角が互いに等しく、ただし捻れの向きが逆向きとなるようにされていて、上記ボルト7によって回転位置が位置決めされた状態で、これら隣接するロール部材3、3同士の重ね合わせ面3C、すなわち該ロール部材3,3の側面における上記溝3B・・・の端部の位置は周方向に一致するように設定されている。ここで、このように構成されたロール部材3により形成されるフィンは、ロール部材3同士の重ね合わせ面において形成される部分が応力集中部となる。
【0014】
そして、このように構成された成形ロールのロール部材3同士の重ね合わせ面3Cにおいては、図4に示すようにロール外周面上の1点を始端3Dとし、上記重ね合わせ面3C上の1点を終端3Eとする、この重ね合わせ面3Cに対して対称な凹溝3Fが、上記ロール部材3同士の重ね合わせ面3Cに沿って環状に形成されている。また、この凹溝3Fを形成する面取り面3Gと上記重ね合わせ面3Cとが成す角度は、ロール外周面側の角度αより、この凹溝3Fの底部側で形成される角度βの方が小さく形成されており、ロール外周面から凹溝の底部に向かうに従い、小さくなるように複数段の段付き溝が形成されている。
【0015】
このように形成された上記凹溝3Fにより、板条材にフィンを形成する際、該凹溝3Fにもワークが積極的に入り込むことによって、この凹溝3F内にのみワークが充密させられることになるので、ロール部材3同士の重ね合わせ面3Cの間にワークが入り込むのを防ぐことが可能となる。これにより、ロール部材3の外周面3Aと重ね合わせ面3Cとの交差稜線部に発生する欠けなどの損傷を抑制することが可能となる。
ここで、この凹溝3Fは、上述したように板条材にフィンを形成する際、凹溝部3Fにワークを積極的に入り込ませることで、ロール部材3同士の重ね合わせ面3Cの間にワークが入り込むのを防ぐためのものであるから、上記面取り面3Gを段付き形状とする代わりに凸曲面形状としてもその機能に変わりはない。
【0016】
また、上記凹溝3Fにより、断面形状が狭角の比較的小さな逆V字状の壁面体が板条材の長手方向に形成されることになる。この壁面体は、上記応力集中部に形成されることになるため板条材を断面c字状に形成する際に発生するおそれのある表面の凹み、及び破れを抑制することが可能となる。また、上述のように面取り面3Gを凸曲面形状にすることで、形成される上記壁面体と板条材の付根部の応力集中を緩和させることが可能となり、補強材としての機能をより安定的に発揮することが可能となる場合がある。ここで、この凹溝部3Fの深さは、フィンを形成する溝3Bの深さの80%から100%の範囲で形成されている。これにより、上記溝3Bにより形成されるフィンの高さの80%から100%の高さを有することになる。壁面体の高さをこの範囲に設定することで、管の熱交換効率を低下させることなく、板条材の凹み、破れに対する必要十分な強度を持たせることが可能となる。
【0017】
なお、本実施形態では、上記ロール部材3はバインダーとしてCrを含有する超硬合金を使用している。これにより、ロール部材3を組成する、超硬合金にバインダーとして含有されるCoの含有量を少なくすることが可能となるためロール部材3の銅に対する耐溶着性を向上させることができ、耐久性向上を実現できる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、軸線回りに回転されるロール本体の外周面に、フィン成形用の溝が形成され、このロール本体は、外周面に上記溝が形成された複数のリング状のロール部材を上記軸線方向に重ねてシャフトに嵌挿することによって構成されているフィン付き板条材の成形ロールであって、上記ロール本体外周面と上記ロール部材同士の重ね合わせ面との交差稜線部には、ワークを積極的に入り込ませるための凹溝を形成しているので、上記重ね合わせ面にワークが入り込むことを抑制することができる。これにより、ロール部材の外周面と重ね合わせ面との交差稜線部に発生する欠けなどの損傷を抑制することが可能となる。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、請求項1記載のフィン付き板条材の成形ロールにおいて、上記凹溝を形成する面取り面と上記重ね合わせ面とが成す角度が
、上記ロール外周面からこの凹溝の底部に向かうに従い、小さくなるように形成されているので、フィン成形時、断面形状が狭角の比較的小さい逆V字状の長手方向に延びる壁面体が板条材の長手方向に形成されることとなる。これにより、板状材の全長に渡って、壁面体の取り付け底部を板条材の幅方向に対して幅広に形成することができ、板条材を断面c字状に成形する際、この壁面体の底部が板条材の表面に生ずる引張り力に対する補強材として機能することで、板条材の表面の凹み、及び破れを抑制することが可能となる。
【0020】
また、請求項3に係る発明によれば、請求項1または2記載のフィン付き板条材の成形ロールにおいて、上記凹溝の深さは板条材にフィンを成形する溝の深さの80%から100%で形成されているため、フィンの高さの80%から100%の高さを有する壁面体が板条材の長手方向に形成されることになる。この壁面体により、フィン付き板条材を断面c字状に成形する際の板条材の凹み、及び破れに対する補強材として機能することとなり、この凹み、及び破れを抑制することが可能となる。また、この発明と請求項2に係る発明を同時に実施することで、上記壁面体を形成するのに要する板条材の体積を適正に設定できるとともに、板条材を断面c字状に形成する際の補強材として効果的に機能する壁面体を形成することが可能となる。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、請求項1から3のいずれかに記載のフィン付き板条材の成形ロールにおいて、ロール部材はバインダーとしてCrを含有する超硬合金を使用している。これにより、ロール部材を組成する、超硬合金にバインダーとして含有されるCoの含有量を少なくすることが可能となるためロール部材の銅に対する耐溶着性を向上させることができ、耐久性向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフィン付き板条材の成形ロールの一実施形態を示す一部破断側面図である。
【図2】 図1に示す実施形態の平面図である。
【図3】 図1に示す実施形態の凹溝3Bの断面図である。
【図4】 図1に示す実施形態の凹溝3Fの拡大側面図である。
【符号の説明】
1 ロール本体
2 シャフト
3 ロール部材
3A ロール部材外周面
3B フィン成形用溝
3C ロール部材3同士の重ね合わせ面
3F 凹溝
3G 凹溝3Fを形成する面取り面
α 凹溝3Fを形成するロール外周面側の角度
β 凹溝3Fを形成するこの溝の底部の角度
O ロール本体1の中心軸線

Claims (4)

  1. 軸線回りに回転されるロール本体の外周面に、フィン成形用の溝が形成され、このロール本体は、外周面に上記溝が形成された複数のリング状のロール部材を上記軸線方向に重ねてシャフトに嵌挿することによって構成されているフィン付き板条材の成形ロールであって、上記ロール本体外周面と上記ロール部材同士の重ね合わせ面との交差稜線部には、この交差稜線部に直交する断面おいて、ロール外周面上の1点を始端とし、上記重ね合わせ面上の1点を終端とする凹溝が、上記ロール本体を構成するロール部材同士の重ね合わせ面に沿って環状に形成されていることを特徴とするフィン付き板条材の成形ロール。
  2. 請求項1記載のフィン付き板条材の成形ロールにおいて、上記凹溝を形成する面取り面と上記重ね合わせ面とが成す角度は、上記ロール外周面からこの凹溝の底部に向かうに従い、小さくなるように形成されていることを特徴とするフィン付き板条材の成形ロール。
  3. 請求項1または2記載のフィン付き板条材の成形ロールにおいて、上記凹溝の深さは、板条材にフィンを成形する溝の深さの80%から100%で形成されていることを特徴とするフィン付き板条材の成形ロール。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のフィン付き板条材の成形ロールにおいて、上記ロール部材はCrを含有する超硬合金で形成されていることを特徴とするフィン付き板条材の成形ロール。
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