JP3824028B2 - ガスバリアフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガスバリアフィルムに関するものであり、さらに詳しくは高湿度下で高いガスバリア性、耐久テスト後のガスバリア性及び密着性を保持するガスバリアフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品や薬品などの包装分野では、外気からの酸素などの侵入があると内容物の変質によって長期保存ができないことから、外気の混入を防ぐことができるガスバリア性をもったフィルムの開発が行われている。
【0003】
ポリマー エンジアニアリング アンド サイエンス、20巻、22号、1543〜1546頁(1986年 12月)によると、従来より開発されたガスバリア性フィルムとしては、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコールなどがある。しかし、ポリ塩化ビニリデンは塩素原子、ポリアクリロニトリルは−CN基を含有しているため、廃棄の際に環境に対する問題が近年持ち上がっている。また、ポリビニルアルコールは−OH基を含有しているため、ガスバリア性の湿度依存性が大きく、高湿度ではガスバリア性が著しく低下してしまう。ポリビニルアルコールの湿度依存性を改良したエチレンービニルアルコール共重合体においても、高湿度でのガスバリア性はまだ十分とは言えない。
【0004】
一方、酸化珪素(特公昭53−12953号公報等)や酸化アルミニウム(特開昭62−179935号公報等)などの無機物を基材の表面に蒸着したフィルムが開発されている。しかし、これらのフィルムの形成には蒸着過程が加わるのでコストが非常に高くなる欠点や、無機被膜の可とう性の無さ、基材との接着性が悪い等によるフィルムとしての取り扱いにくさの問題が生じている。
【0005】
これらの問題を解決する手段として、基材に金属酸化物及びポリビニルアルコールからなる被膜を設けたフィルム(特開昭56−4563号公報等)が開発されているが、高湿度下でのガスバリア性に関してはまだ満足のいくレベルではない。また、無機層状粒子及び高水素結合性化合物からなるガスバリア層を有するフィルム(特開平6−93133公報、特開平7−41685公報等)があるがハイバリア性を得るにはガスバリア層を形成する過程において長時間の乾燥または熱処理が必要であるので生産性点で大きく不利であり、耐久テスト後のガスバリア性及び基材との密着性が低い。なお、基材との密着性が高いと包装袋などに加工した際に、破袋や袋の変形などを生じない信頼性の高い包装材が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとしする課題】
本発明の目的は、以上述べた従来のガスバリアフィルムの問題点を解消し、かつ高湿度下でも高いガスバリア性を有するとともに耐久テスト後のガスバリア性及び密着性を有するガスバリアフィルムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために、熱可塑性樹脂基材の少なくとも片面上に水溶性高分子及び無機系層状粒子を主たる構成成分とした被膜を形成したフィルムであって、該被膜面の表面粗さパラメータRt/Raが20以下であり、かつ、Rtが1.4μm以下である(ここで、Rtは最大高さ表示による表面粗さであり、Raは中心線平均粗さ表示による表面粗さである。)ことを特徴とするガスバリアフィルムからなるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、水溶性高分子及び無機系層状粒子からなる被膜を形成し該被膜の表面粗さパラメータRt/Ra及び表面粗さRtが特定範囲内であるフィルムを、高湿度下でのガスバリア性、耐久テスト後のガスバリア性及び密着性を兼ね備えたガスバリアフィルムとして開発したものであり、その効果は非常に大きいものである。
【0009】
本発明における水溶性高分子とは、例えば、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、カルボチシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、酸化でんぷん、エーテル化でんぷん、デキストリンなどのでんぷん類、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、またはそのエステル、塩類およびそれらの共重合体、スルホイソフタル酸等の極性基を含有する共重合ポリエステル、ポリヒドロキシエチルメタクリレートおよびその共重合体などのビニル系重合体、あるいはこれらの各種重合体のカルボキシル基、アミノ基、メチロール基など官能基変性重合体などが挙げられる。好ましくはポリビニルアルコール系重合体およびその誘導体であり、特に好ましくはけん化度75モル%以上のポリビニルアルコール、全水酸基の40モル%以下がアセタール化しているポリビニルアルコール、ビニルアルコール単位が60モル%以上である共重合ポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールおよびその誘導体の重合度は、100〜5000が好ましく、500〜3000がさらに好ましく、1200〜2500が特に好ましい。
【0010】
本発明における層状粒子とは極薄の単位結晶層が重なって一つの層状粒子を形成している無機粒子のことであり、溶媒に膨潤・へき開するものが好ましい。これらの中でも特に溶媒への膨潤性を持つ粘土化合物が好ましく用いられる。本発明における溶媒への膨潤性を持つ粘土化合物とは極薄の単位結晶層間に水を配位、吸収・膨潤する性質を持つ粘土化合物であり、一般にはSi4+がO2-対して配位し4面体構造を構成する層とAl3+、Mg2+、Fe2+、Fe3+等がO2-およびOH- に対して配位し8面体構造を構成する層とが1対1あるいは2対1で結合し積み重なって層状構造を構成しており、天然のものであっても合成されたものでも良い。代表的なものとしては、カオリナイト、ハロイサイト、モンモリロナイト、バーキュライト、サポナイト、ディッカイト、ナクライト、アンチゴライト、パイロフィライト、ヘクトライト、バイデライト、マーガライト、タルク、テトラシリリックマイカ、白雲母、金雲母、緑泥石等が挙げられる。
【0011】
本発明において、被膜面の表面粗さパラメータRt/Ra及び表面粗さRtを規定することは、被膜形成後にフィルムを巻き取る際や未延伸ポリプロピレンフィルムなどと接着剤を介在させてラミネートする際の工程耐摩耗性が向上しガスバリア性が向上し、かつ密着性が向上するので好ましい。Rtは最大高さ、即ち、表面粗さ曲線の最大の山と最深の谷の距離であり、Raは中心線平均粗さである。表面粗さパラメータRt/Raが20以下であることが必要であり、15以下であることがより好ましく、13以下がさらに好ましく、10以下が特に好ましい。また、Rtが1.4μm以下であることが必要であり、1.2μm以下が好ましく、1.0μm以下が特に好ましい。表面粗さパラメータRt/Raが20を越えてしまうとガスバリア性特に耐久テスト後のガスバリア性及び密着性が低下してしまう。また、Rtが1.4μmを越えてしまうとガスバリア性特に耐久テスト後のガスバリア性及び密着性が低下する場合がある。これは高速で被膜を形成したとき、ロールとの接触や巻取り時のフィルム同士での接触で被膜面が削れてしまうためと考えられる。
表面粗さパラメータRt/Raを20以下かつ表面粗さRtを1.4μm以下にする方法としては、被膜構成成分を極めて均一に分散させた塗剤を作製し、該塗剤を平滑な基材上に塗布し160℃以下の温度で60秒以内の短時間で乾燥させて被膜を形成する方法等が用いられる。なお、表面粗さRt(最大高さ)及び表面粗さRa(中心線平均粗さ)の詳細は、奈良治郎著「表面粗さの測定・評価法」((株)総合技術センター発行、1983)等に示されているとおりである。
【0012】
さらに、本発明では被膜中に架橋剤を重量比で0.01〜10%含有させると高湿度下でのガスバリア性及び密着性が向上するので好ましい。さらに好ましくは0.05〜8%である。
【0013】
本発明で使用される架橋剤としては、水溶性高分子と反応性を有するものであれば特に限定されないが、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、シランカップリング剤等が使用される。好ましくは、オキサゾリン系架橋剤、シランカップリング剤であり、特に好ましくはアミノ系シランカップリング剤である。
【0014】
該被膜中における無機系層状粒子の分散性を改良させるために、該被膜中に下記一般式で表されるアミン化合物を含んでいても良い。
【0015】
【化1】
式中におけるR1、R2は水素または炭素数が1〜6の炭化水素基、R3は炭素数が1以上の炭化水素基もしくは下記に示す極性基を一つ以上有する炭素数が1以上の炭化水素基である。前記極性基とは
【化2】
等である。具体的なアミン化合物としては、ブチルアミン、ヘキシルアミン等のアルキルアミン、アミノエチルアルコール、アミノプロピルアルコール、アミノエチルアミノエタノール等のアミノアルコール、アミノヘキサン酸、アミノドデカン酸等のアミノ酸等があげられる。
【0016】
本発明における水溶性高分子/層状粒子の混合比率は、重量比で10/90〜95/5の範囲内が好ましい。10/90より小さいときは被膜の強度(伸度、屈曲性やピンホール性)が悪く、95/5より大きいときは高湿度でのガスバリア性の低下が大きい。
【0017】
本発明における該被膜の厚さは特に限定されないが、ガスバリア性フィルムの観点から、0.1〜10μmが好ましく、0.3〜6μmが特に好ましい。
【0018】
また該被膜中には、ガスバリア性を損なわない範囲内であれば各種の添加剤が含まれていても良い。例えば、酸化防止剤、耐候剤、熱安定剤、滑剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、着色剤等である。また、透明性を損なわない程度であれば、無機または有機の粒子を含んでいても良い。例えば、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、アルミナ、硫酸バリウム、ジルコニア、マイカ、リン酸カルシウム、架橋ポリスチレン系粒子などである。
【0019】
さらに、該被膜を形成させる上で層状粒子−ポリマ間、ポリマ間または層状粒子間等の相互作用を高めるために、2価以上の金属塩、触媒成分などを添加しても良い。カルシウム、マグネシウム、アルミニウム元素などを有する酢酸塩、硫酸塩、または硝酸塩などを用いると耐湿性が向上するので望ましい。その量としては、被膜に対して1〜10000ppm程度である。
【0020】
本発明において用いられる熱可塑性樹脂基材は、主として機械的性質やフィルムの加工性等を付与するために必要であり、一般に市販されている各種の熱可塑性樹脂フィルムが含まれる。特に限定されないが代表的なものとして、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン12などのポリアミド、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体またはそのけん化物、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、セルロース、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコールなど、およびこれらの共重合体が挙げられる。コストパフォーマンス、透明性、ガスバリア性等の観点から、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が好ましい。更に、被膜と基材との密着性を考えると、表面配向結晶パラメータが5以下のポリエステルであることが好ましい。
【0021】
これらの熱可塑性樹脂基材は、未延伸、一軸延伸、二軸延伸のいずれでもよいが、寸法安定性および機械特性の観点から、二軸延伸されたものが特に好ましい。また熱可塑性樹脂基材には、各種の添加剤が含まれていても良い。例えば、酸化防止剤、耐候剤、熱安定剤、滑剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、着色剤等である。また、透明性を損なわない程度であれば、無機または有機の粒子を含んでいても良い。例えば、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、アルミナ、硫酸バリウム、ジルコニア、マイカ、リン酸カルシウム、架橋ポリスチレン系粒子などである。
【0022】
さらに、これらの熱可塑性樹脂基材は、透明であることが好ましい。光線透過率が、40%以上が好ましく、60%以上がさらに好ましい。また熱可塑性樹脂基材は、平滑であることが好ましい。Rt/Raが20以下が好ましく、15以下がさらに好ましい。熱可塑性樹脂基材の厚さは、特に限定されないが2〜1000μmが好ましい。
【0023】
次に、本発明のガスバリアフィルムの代表的製造方法について述べる。
【0024】
熱可塑性樹脂基材上に被膜を形成する方法は特に限定されず、押し出しラミネート法、メルトコーティング法を用いても良いが、高速で薄膜コートする事が可能である点で、被膜の構成成分を各種溶媒に分散させた分散溶液をグラビアコート、リバースコート、スプレーコート、キッスコート、ダイコートあるいはメタリングバーコートするのが好適である。熱可塑性樹脂基材は塗布前に公知の接着促進処理、例えば空気中やその他の雰囲気下でのコロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理等を施していても良い。また、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの公知のアンカー処理剤を用いてアンカー処理を施しておいても良い。また、熱可塑性樹脂基材として、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレンなどのポリオレフィンの二軸延伸フィルムを用いる場合には、オフラインコート、インラインコートのどちらの方法でもよい。
【0025】
被膜の乾燥方法は特に限定されず、熱ロール接触法、熱媒(空気、オイル等)接触法、赤外線加熱法、マイクロ波加熱法等が利用できる。被膜の乾燥は、ガスバリア性の観点から、80℃から160℃の範囲内で行われることが好ましく、乾燥の時間としては1〜60秒、3〜30秒が好ましい。
【0026】
被膜の構成成分を含んだ塗剤は、溶媒に水溶性高分子が均一に溶解もしくは分散しかつ層状粒子が均一に分散もしくは膨潤した溶液が好ましい。溶媒としては、水または水/低級アルコール混合溶液が用いられるが、高湿度下でのガスバリア性、被膜の接着性及び生産性の観点で水/低級アルコール混合溶液を用いることが好ましい。低級アルコールとは炭素数1〜3の直鎖または分岐鎖の脂肪族基を有するアルコール性化合物のことであり、例えばメタノール、エタノール、n−またはイソ−プロパノールが好ましく用いられる。また、水/アルコールの混合比率は重量比で99/1〜20/80が好ましい。混合比率が99/1より大きいと高湿度下でのガスバリア性不足、被膜層と基材との密着不良、生産性の低下等の問題があり、20/80より小さいと被膜構成成分の溶媒中での分散性が悪化する。
【0027】
また、フィルムへの塗布性を付与するために、分散溶液の安定性が維持される範囲内であれば、混合溶媒中に第3成分として他の水溶性有機化合物が含まれていても良い。上記水溶性有機化合物としては例えば、メタノール、エタノール、n−またはイソ−プロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、n−ブチルセルソルブ等のグリコール誘導体、グリセリン、ワックス類等の多価アルコール類、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類、メチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。また、分散溶液のpHは溶液の安定性の面から2〜12が好ましい。
【0028】
該塗剤の調整方法は特に限定されないが、水溶性高分子を溶媒に均一に溶解させた後に層状粒子を均一に分散させた溶液と混合する方法等が有効に用いられる。
【0029】
【特性の評価方法】
本発明にて用いた特性の評価方法は以下の通りである。
【0030】
(1)ガスバリア性
ASTM D−3985に準じて酸素透過率測定装置(モダンコントロール社製、OX−TRAN100)を用いて酸素透過率を測定した。測定条件は温度23℃、相対湿度80%である。
【0031】
(2)耐久テスト後のガスバリア性
ゲルボフレックステスターにおいて23℃で100回のゲルボ繰り返し(往復運動周期:40回/分)を行ったサンプル(280mm×180mm)について、前述の方法でガスバリア性を測定した。
【0032】
(3)表面粗さRt、Ra
小坂研究所製高精度薄膜段差測定器ET−10を用いて測定した。測定条件は下記の通りであり、20回の測定の平均値をもって値とした。
【0033】
触針先端半径:0.5μm
触針荷重 :5mg
測定長 :1mm
カットオフ :0.08mm
【0034】
(4)表面配向結晶パラメータ
ポリエステルフィルム面をBio Rad Digilab社製FT−IR(FTS−60S)を用いて反射ATR法にてスペクトルを測定した。この際、フィルム長手方向を基準に10°毎に試料を回転させ180°の範囲について測定した。得られたスペクトルについて配向パラメータと熱結晶性パラメータの積分強度比を計算し、その2つの値を加算した値を表面配向結晶パラメータとし、試料間の比較を行った。測定は光源がセラミックス、検出器はMCT、ぶんかいのうは4cm-1、積算回数500回、Ge基板を用いて入社角60°、s偏光条件にて行った。配向パラメータ、熱結晶性パラメータは以下の計算式により求め、各データポイントを極座標に展開し積分強度比を求めた。本条件による検出深さは0.2μm程度である。
【0035】
配向パラメータ :d1340cm-1/d1410cm-1
熱結晶性パラメータ:d1385cm-1/d1370cm-1
【0036】
(5)被膜と基材の密着性
被膜に1mm2 のクロスカットを100個入れ、ニチバン製“セロハンテープ”をその上に貼り付け指で強く押しつけた後、90°方向に急速に剥離し、残存した被膜の個数により4段階評価(◎:100、○:80〜99、△:50〜79×:0〜49)した。(◎、○)を接着性良好とした。
【0037】
以下実施例により本発明を具体的に説明する。なお、得られたフィルムの特性は表1にまとめて示した。
【0038】
【実施例】
実施例1
水溶性高分子としてけん化度98.5モル%以上、重合度2400のポリビニルアルコール(以下PVOHと略す)を5wt%になるよう水/イソプロピルアルコール(以下IPA)溶液(重量比90/10)に分散させた(A液)。層状粒子としてモンモリロナイト(クニミネ工業社製、クニピア−F)を2wt%になるよう水に分散させた(B液)。PVOH/粒子の混合比が重量比で50/50になるようにA液とB液を混合し、イソプロピルアルコールが全塗剤に対して10wt%、固形分濃度1wt%になるように塗剤を調製した。該塗剤をコロナ放電処理(空気中)した2軸延伸ポリエステルフィルム(東レ製“ルミラー”、厚さ12μm)にリバースコーター(塗工速度8m/分)にて塗布後、熱風乾燥式ドライヤー内に導き低張力下で120℃、30秒間乾燥し、フィルムを巻取った。得られたフィルムの被膜厚さは0.5μmで、その他の特性は表1に示す。ガスバリア性、耐久テスト後のガスバリア性、接着性に優れるフィルムが得られた。
【0039】
実施例2〜8
塗膜組成、塗膜厚さ、基材を変更したこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
【0040】
実施例2では、PVOH、無機系層状粒子と共に、架橋剤(γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン)を用いて、表1に示す被膜を実施例1と同様にして得たところ、ガスバリア性、耐久テスト後のガスバリア性、密着性に優れるフィルムが得られた。
【0041】
実施例3では、架橋剤及び基材にコロナ放電処理(炭酸ガス/窒素混合ガス(体積比83:17)中、処理強度=60W・min/m2 )した2軸延伸ポリプロピレンフィルム(東レ製“トレファン”、厚さ20μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。ガスバリア性、耐久テスト後のガスバリア性、接着性に優れるフィルムが得られた。
【0042】
実施例4では、水溶性高分子としてけん化度88.0モル%、重合度500のポリビニルアルコールを用い基材、被膜組成を変更したこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。ガスバリア性、耐久テスト後のガスバリア性、接着性に優れるフィルムが得られた。
【0043】
実施例5では、無機系層状粒子としてナトリウムテトラシリリックマイカ(トピー工業製、NA−TS)を用い、被膜組成及び被膜厚さを変更したこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの表面配向結晶パラメータは5.3であった。ガスバリア性、耐久テスト後のガスバリア性、接着性に優れるフィルムが得られた。
【0044】
実施例6では、IPAをエチルアルコールに変更し、被膜組成を変更したこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。ガスバリア性、耐久テスト後のガスバリア性、接着性に優れるフィルムが得られた。
【0045】
実施例7では、IPAの濃度を20wt%に変更し、被膜組成、基材を変更したこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。ガスバリア性、耐久テスト後のガスバリア性、接着性に優れるフィルムが得られた。
【0046】
実施例8では、塗剤の固形分濃度が1.5wt%になるように調製し、被膜組成を変更したこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。ガスバリア性、耐久テスト後のガスバリア性、接着性に優れるフィルムが得られた。
【0047】
比較例1
被膜を形成しないこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムはガスバリア性が劣っていることがわかった。
【0048】
比較例2
A液のみを用いて2.5wt%の塗剤を調整したこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムはガスバリア性が劣っていることがわかった。
【0049】
比較例3
PVOHを3wt%になるよう水に分散させた(A液)。層状粒子を2wt%になるよう水に分散させた(B液)。PVOH/粒子の混合比が重量比で50/50になるようにA液とB液を混合し固形分2wt%の塗剤をIPAを用いずに調製した。該塗剤をコロナ放電表面処理したポリエステルフィルムにリバースコーター(塗工速度4m/分)にて塗布後、熱風乾燥式ドライヤー内で80℃、60秒間乾燥したこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを巻取った。得られたフィルムの表面粗さパラメータRt/Raは20.3、Rtは1.45μmであり、耐久テスト後のガスバリア性、密着性が劣っていることが分かった。
【0050】
比較例4
塗剤をコロナ放電表面処理したポリエステルフィルムにリバースコーター(塗工速度4m/分)にて塗布後、熱風乾燥式ドライヤー内で180℃、60秒間乾燥し、フィルムを巻取った。得られたフィルムの表面粗さパラメータRt/Raは21.5、Raは1.78であり、耐久テスト後のガスバリア性、密着性に劣っていることが分かった。
【0051】
【表1】
【表2】
なお、表中の略号の意味は下記の通りである。
【0052】
PETは二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm、空気中でコロナ放電処理)、PPは二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ20μm、窒素ガス/炭酸混合ガス(体積比83:17)中でコロナ放電処理(処理強度=60W・min/m2 ))、PVOH1はけん化度98.5モル%、重合度2400のポリビニルアルコール、PVOH2はけん化度88.0モル%、重合度500のポリビニルアルコール、架橋剤はγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、粒子1はモンモリロナイト(クニミネ工業社製、クニピア−F)、粒子2はナトリウムテトラシリリックマイカ(トピー工業製、NA−TS)である。
【0053】
【発明の効果】
本発明で得られたフィルムは、ガスバリア性に優れるだけでなく、耐久テスト後のガスバリア性及び密着性を有することからあらゆる包装材料として使用することができる。
Claims (8)
- 熱可塑性樹脂基材の少なくとも片面上に水溶性高分子及び無機系層状粒子を主たる構成成分とした被膜を形成したフィルムであって、該被膜面の表面粗さパラメータRt/Raが20以下であり、かつ、Rtが1.4μm以下である(ここで、Rtは最大高さ表示による表面粗さであり、Raは中心線平均粗さ表示による表面粗さである。)ことを特徴とするガスバリアフィルム。
- 該被膜面の表面粗さパラメータRt/Raが15以下であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリアフィルム。
- 該被膜面の表面粗さRtが1.2μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスバリアフィルム。
- 該水溶性高分子がポリビニルアルコール系重合体またはその誘導体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
- 該被膜中に架橋剤を被膜構成成分に対する重量比で0.01〜10%含有させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
- 該熱可塑性樹脂基材がポリエステルであること特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
- 該熱可塑性樹脂基材がポリオレフィン系樹脂であること特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
- 該熱可塑性樹脂基材が表面配向結晶パラメータが5以下のポリエステルであること特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
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Publications (2)
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