JP3825014B2 - 半導体ウエハ樹脂封止装置及び半導体装置製造用金型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の半導体素子が形成された半導体ウエハをウエハ状態のまま樹脂で封止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化の要求に伴い半導体装置の小型化がますます求められている。そこで、半導体装置の小型化を実現する為の一つの方法として、半導体装置の形状を半導体素子(ICチップ)に極力近づけたチップサイズパッケージ構造(CSP構造)の半導体装置が提案されている。
【0003】
このCSP構造の半導体装置は一般的には以下のような工程により形成されている。すなわち、複数の半導体素子を半導体ウエハ上に形成する工程の後、その半導体ウエハを金型内に装着し熱可塑性の樹脂でその半導体ウエハの半導体素子が形成された面を樹脂封止する工程、樹脂封止された半導体ウエハを金型から取り出して樹脂を所定の厚さだけ研磨し各半導体素子上の電極を露出させる工程、半導体ウエハを切断し個々の半導体装置に分離する工程が順に施されることにより、CSP構造の半導体装置が得られる。露出した半導体素子の電極上に半田ボール等の外部電極を形成することも必要により行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、CSP構造の半導体装置を得るための従来の製造方法、製造装置では、半導体ウエハを金型内に装着しウエハの表面を樹脂封止する工程において、半導体ウエハに非常に大きな力が加わり半導体ウエハにダメージが発生する可能性がある。さらに、樹脂封止された半導体ウエハを金型から取り出す際、半導体ウエハと金型とが密着し、取り出し作業が円滑に行えない等の課題が発生する可能性がある。
半導体ウエハが大口径化していくに従って、半導体ウエハと金型とが密着する面積が大きくなるので、このような課題は顕著になると思われる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願の代表的な発明の目的は、半導体ウエハを金型内に装着しウエハの表面を樹脂封止する工程において、半導体ウエハに加わる力を可能な限り軽減させることにより、半導体ウエハへのダメージを極力低減することである。
さらに、本願の代表的な発明の他の目的は、樹脂封止された半導体ウエハを金型から取り出す際、半導体ウエハと金型との密着を防ぎ、取り出し作業を円滑かつ正確に行うことである。
【0006】
上述の目的を達成する為、本願の代表的な発明では、下金型の下方に半導体上ウエハに加わる力を軽減するための衝撃緩和手段が設けられている。
そのような衝撃緩和手段を設けたことにより、上述のような樹脂封止工程において半導体ウエハに加わる力を緩和することができる。
上述の他の目的を達成する為、本願の他の代表的な発明では、下金型の半導体ウエハを載置する部分に凹凸形状が形成されている。
そのような凹凸形状を設けたことにより、樹脂封止された半導体ウエハを金型から取り出す際、半導体ウエハと金型との密着を防ぎ、取り出し作業を円滑かつ正確に行うことが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本欄では発明の理解を容易にする為、代表的な要素のみが説明される。この説明に供する図面は説明の都合に応じて適宜縮尺あるいは拡大されている。
図1には本発明の実施の形態に係る半導体ウエハ樹脂封止装置100の要部断面図が示されている。この樹脂封止装置100は下部装置200と上部装置300より構成される。下部装置200内には後述される下金型が形成され、上部装置300内には同様に後述される上金型が形成される。その為、下部装置200を下金型或は下型、上部装置300を上金型或は上型と呼称する場合もあるが、本実施の形態では後述の通り、協働して半導体ウエハを直接挟み込む部分を下金型及び上金型と定義して説明が記述される。
【0008】
まず、図1に示される樹脂封止装置100の要部断面図、図2に示される下部装置200の上面図及び要部断面図を参照して下部装置200について説明される。図2の要部断面図は説明の理解を容易にするため、上面図の構成を部分的に示したものである。
【0009】
この下部装置200には複数の半導体素子がその表面に形成された半導体ウエハ201を載置する下金型202が第1ブロック203の略中央部分に設けられた凹部内に収容されている。すなわち、この第1ブロック203は下金型202を図示されない手段により支持している。さらに、これら下金型202及び第1ブロック203は第2ブロック204の略中央部分に設けられた凹部内に格納されている。すなわち、この第2ブロック204は下金型202及び第1ブロック203を支持している。下金型202は第1ブロック203及び第2ブロック204に滑合しているとも言える。図2では、説明の理解を助けるために半導体ウエハ201の外周のみを実線で表わしている。従って、下金型202のウエハ載置領域の様子が図面から伺える。
【0010】
本実施の形態では、これら下金型202、第1ブロック203及び第2ブロック204は全て同一の金属材料で形成されている。後述する樹脂封止工程では、樹脂封止装置100は通常170〜180℃の高温雰囲気に晒されるので、樹脂封止装置100のほとんどの構成要素は耐熱性の高い金属材料により形成されている。さらに、この金属には樹脂封止装置内では同種の物が用いられている。このことは、異種の金属を用いた場合、その熱膨張係数の違いから高温雰囲気下で互いに膨張度合いに差が生じるため、装置内で発生することが予想される歪み等を防ぐためである。樹脂封止装置においては、半導体ウエハ上に樹脂を均一に形成する為、後述される説明にもあるように装置の水平方向のバランスの維持と、各部における歪み等の除去には大きな関心が払われている。
【0011】
もちろん、耐熱性を兼ね備えれば金属以外の材料の適用も可能であると考えられるし、各々の熱膨張係数を確実にコントロールできるならば、異種材料の適用も可能であると考えられる。本実施の形態では、装置製造のコスト及び装置設計の容易性の観点から、現段階では最良と考えられている同種金属を適用した例が示される。以降の説明においても、特に明示がない場合、上述の下金型202、第1ブロック203及び第2ブロック204を構成する金属材料と同種の材料により、各構成要素の主要部分が形成されているものとする。
【0012】
下金型202の下側、すなわち、第2ブロック204と対向する側の中央部分には、下金型202と同一の金属材料により形成された突出部202aが設けられている。この突出部202aは第2ブロック204を貫通し、第2ブロック204の下面から露出している。この突出部202aは主に下金型202の水平方向のバランスを保つために設けられている。すなわち、この突出部202aを配置することにより下金型202の水平方向の安定性がより向上する。本実施の形態では、この突出部202aは下金型202の下部中央に一つ形成されている例が示されているがこれに限られない。すなわち、三〜四箇所の突出部を下金型202の下側に設けることも考えられる。この場合、下金型202の中心、すなわち、半導体ウエハ201を載置する領域の中心202cに対して対称となる位置に各々配置されることが望ましい。これは上述した下金型202の水平方向のバランスを維持するためである。
【0013】
この下金型202の近傍には半導体ウエハ201に樹脂を供給する樹脂供給部の孔205が配置されている。この孔205は第1ブロック203及び第2ブロック204を貫通している。
この下金型202の半導体ウエハ201を載置する領域の周囲には、複数のサポートピン206が設けられている。このサポートピン206はウエハの載置領域を定義すると共に、ウエハの表面上を樹脂封止する際、ウエハがシフトすることを防ぐ機能を有するものである。載置される半導体ウエハ201の形状は図2に示されるものには限定されず種々の形状のものが考えられるので、そのウエハの形状、すなわち、ウエハの外形に応じてサポートピン206の配置される位置は適宜設定される。
【0014】
この下金型202のウエハ載置領域は、凹凸形状207に加工されている。そのような凹凸形状を設けたことにより、樹脂封止された半導体ウエハ201を金型から取り出す際、半導体ウエハと金型との密着を防ぎ取り出し作業を円滑かつ正確に行うことが可能となる。すなわち、この凹凸形状207は半導体ウエハ201を下金型から離れ易くなるする為に設けられているものである。半導体ウエハ201の裏面はバックグラインド法により研磨されて用いられることが多く、この研磨された裏面は鏡面状に加工された金型とは密着し易い。
【0015】
さらに、樹脂封止工程で半導体ウエハを上金型と下金型とにより挟み込む際、半導体ウエハには大きな圧力が加わるため、金型と半導体ウエハとの密着度はより高まる。この樹脂封止装置100には樹脂封止工程において数トン〜数十トン/cm2の圧力が加えられる。それ故、上金型及び下金型にも数トン/cm2の圧力が加わる。このような半導体ウエハと金型との密着性を低減するため、下金型の半導体が載地される領域に凹凸形状207が設けられるのである。この凹凸形状207は後述の通り樹脂封止された半導体ウエハを下金型から取り出す際、半導体ウエハと金型との密着を防ぎ、取り出し作業を円滑に行うために設けられているものである。
【0016】
この凹凸形状207は放電加工により梨地状に形成されている。この梨地状とは、放電加工等の加工により金属材料の表面が粗面になっている状態を意味するものである。すなわち、下金型202の半導体ウエハの載置領域に無数の微細な突起部が形成され、表面がざらざらした状態を言う。本実施の形態では、この微細な突起部は8μmから12μmの範囲で分布している。
【0017】
さらに、この梨地状に加工された領域207は前記半導体ウエハ201の径より小さすることが望ましい。これは半導体ウエハ201の外周直下に微細な突起部の頂点が位置することを排除するためである。ウエハ201の外周直下に突起部が位置すると、その部分に大きな圧力が掛かる可能性があるからである。通常、樹脂封止工程では、数トンから数十トンの圧力が金型に掛かると言われているので、半導体ウエハに対して加わる局所的な圧力は極力低減した方が望ましいと考えられるからである。
【0018】
この凹凸形状207は溝状に形成することも考えられる。例えば、この溝は図3に示されるように互いに平行に延在する複数のスリット207−1により形成することもできる。各スリットの幅及び隣接するスリット間の間隔は設計者が適宜設定できる。また、例えば、図4に示されるように連通する螺旋状の溝207−2により形成することもできる。螺旋状の溝207−2の幅及び間隔等は設計者が適宜設定できる。
【0019】
下金型202の下方には、下金型と上金型により半導体ウエハ201を挟み込む際、下金型202への衝撃を緩和するため、すなわち、半導体ウエハ201へ加わる応力を緩和するために複数の衝撃緩和手段208が設けられている。図2の平面図には、この複数の衝撃緩和手段208が配置されている部位が模式的に示されている。本実施の形態では、図2に示されるように半導体ウエハ201を載置する領域の中心202cに対して互いに対称な位置に四つの衝撃緩和手段208が設けられている。衝撃緩和手段208の数は適宜設定できるが、いずれの場合も半導体ウエハ201を載置する領域の中心202cに対して互いに対称な位置に設けることが望ましい。
【0020】
なお、図1には、説明の都合上、衝撃緩和手段208は一つのみ示されている。この衝撃緩和手段208は上述の半導体ウエハ201への応力を緩和する機能に加え、複数の半導体ウエハ間で発生する可能性のある半導体ウエハの厚さのバラツキも吸収できる機能を有する。
【0021】
これら衝撃緩和手段208は下金型202等を構成する金属と同種の金属により形成された金属性の圧縮ばねである。上述した通り樹脂封止装置100は通常170〜180℃の高温雰囲気に晒されるので、ここでも耐熱性の高い金属性の圧縮ばねが用いられている。この衝撃緩和手段208は所定の長さを有するボルト208aを介して固定手段208bにより第3ブロック209に固定されている。この場合、図1に示されるようにブロック209との間にはボルト208aが僅かに下降できる程度の隙間が設けられている。
【0022】
このボルト208aは後述される下部装置200から下金型202を浮かせる工程の際、用いられるものである。ここでは、衝撃緩和手段208には後述の下部装置200から下金型202を浮かせる工程で用いられるボルトが内蔵されているが、このボルトの有する機能を衝撃緩和手段208と分離して別の構成要素とすることも考えられる。
【0023】
この第3ブロック209には、複数のイジェクタピン210をそれぞれ昇降させる駆動部211も設けられている。図2の平面図には、この複数の駆動部211が配置されている部位が模式的に示されている。本実施の形態では、図2に示されるように半導体ウエハ201を載置する領域の中心202cに対して互いに対称な位置に四つの駆動部211が設けられている。駆動部211の数は適宜設定できるが、いずれの場合も半導体ウエハ201を載置する領域の中心202cに対して互いに対称な位置に設けることが望ましい。
【0024】
これらイジェクタピン210は、後述される通り樹脂で被覆された半導体ウエハ201を下金型202のウエハ載置領域から取り出す際、駆動部211により上昇させられる。それにより、半導体ウエハ201が下金型202から引き離される。イジェクトピン210は、第2ブロック204及び下金型202を貫通して下金型202の表面、すなわち、半導体ウエハを載置する面にまで達している。下金型202のウエハ載置領域には、図2に示されるようにイジェクタピン210用の穴が設けられている。イジェクタピン210も駆動部211と同様に半導体ウエハ201を載置する領域の中心202cに対して互いに対称な位置に設けられている。
【0025】
これらイジェクタピン210は、後述される通り樹脂で被覆された半導体ウエハ201を下金型202から引き離す際、駆動部211により上昇させられる。それにより、半導体ウエハ201が下金型202のウエハ載置領域から引き離される。
そして、樹脂を金型に導入する工程では、駆動部211が電磁弁212に応答してイジェクタピン210を降下させることにより、イジェクタピン210の先端が下金型202のウエハ載置領域と実質的に同一面を構成する位置、もしくはウエハ載置面からわずかに後退した位置(図1下方側)になるようイジェクタピン210は固定されている。
【0026】
すなわち、樹脂導入工程では、イジェクタピン210の先端は下金型202内に位置していると言える。また、樹脂で封止された半導体ウエハ201を下金型から離型する工程において、駆動部211がイジェクタピン210を上昇させることにより、イジェクタピン210の先端が下金型202の表面から突き出す。この駆動部211は下金型202等を構成する金属と同種の金属により形成された金属性の圧縮ばね211a、シリンダー部211b、そのシリンダー部211bを密封するOリング211cから構成される。この駆動部211は固定手段211dにより第3ブロック209に固定されている。この駆動部211では、電磁弁212から制御管212aを介して供給されるエアーによりシリンダー部211bの動作が制御され、そのシリンダー部211bの動作により圧縮ばね211aの伸縮が制御される。
【0027】
樹脂供給部213は第1ブロック203に設けられた孔205に連通する樹脂供給管213a、樹脂214を樹脂供給管213aから押し出す供給棒213bか構成される。この樹脂供給管213aは第1ブロック203、第2ブロック204及び第3ブロック209を貫通している。この樹脂214にはタブレット型のエポキシ樹脂が用いられている。この樹脂214は170〜180℃で溶融した後、供給棒213bにより孔205から押し出される。
【0028】
さらに、第2ブロック204の下方には、下金型と上金型により半導体ウエハ201を挟み込む際、下金型202及び第2ブロック204への衝撃を緩和するため、すなわち、半導体ウエハ201へ加わる応力を緩和するために複数の衝撃緩和手段215が設けられている。この衝撃緩和手段215は応力を緩和するという機能に加え、第3ブロック209を定位置に保持するという機能を有する。
【0029】
図2の平面図には、これら衝撃緩和手段215が配置されている部位が模式的に示されている。本実施の形態では、図2に示されるように半導体ウエハ201を載置する領域の中心202cに対して互いに対称な位置に二つの衝撃緩和手段215が設けられている。衝撃緩和手段215の数は適宜設定できるが、いずれの場合も半導体ウエハ201を載置する領域の中心202cに対して互いに対称な位置に設けることが望ましい。なお、図1には、説明の都合上、衝撃緩和手段215は一つだけ示されている。
【0030】
この衝撃緩和手段215は下金型202等を構成する金属と同種の金属により形成された金属性の圧縮ばねである。この衝撃緩和手段215はボルト215aを介して固定手段215bにより基盤216に固定されている。
以上の構成要素を備える下部装置200は基盤216上に搭載されている。この基盤216は昇降手段216a、216bを備えており、下部装置200を昇降させることができる。
【0031】
次に、図1に示される樹脂封止装置100の要部断面図、図5に示される上部装置の上面図及び要部断面図を参照して上部装置300について説明される。図5の要部断面図は説明の理解を容易にするため、上面図の構成を部分的に示したものである。
【0032】
この上部装置300には下金型202と協働して半導体ウエハ201を金型内部に挟み込む上金型301が第1ブロック302に設けられた凹部内に収容されている。この上金型301は樹脂供給部213から供給される樹脂214を半導体ウエハ201上に導入する空洞部301aを備える。この半導体ウエハ201上の空洞部301aはキャビティと称される場合もある。
【0033】
下部装置200と同様に、これら上金型301及び第1ブロック302は下金型202を構成する金属材料と同一の材料で形成されている。
この上金型301の空洞部301aは半導体ウエハ201の外周上に対応する位置でゲート部301bに連通する。このゲート部301bは、上金型301と下金型202とが合体してその内部に樹脂が導入された場合、半導体ウエハ201上に形成される樹脂の高さよりもゲート部301bでの樹脂の高さが低くなるようにその深さが設定されている。
【0034】
さらに、カル部301cに形成される樹脂の高さよりもゲート部301bでの樹脂の高さが低くなるようにその深さが設定されている。この場合の深さとは、半導体ウエハ201を上金型301と下金型202で挟持した場合、半導体ウエハ201から上金型301表面までの距離のことを示す。すなわち、空洞部301aでの半導体ウエハ201から上金型301の表面までの高さは、ゲート部301bでのそれよりも高くなるように設定されている。さらに、カル部301cでの半導体ウエハ201から上金型301の表面までの高さは、ゲート部301bでのそれよりも高くなるように設定されている。
【0035】
このゲート部301bは、樹脂供給部213及び孔205の上に形成されたカル部301cに連通している。すなわち、空洞部301a、ゲート部301b及びカル部301cは連通した空間として上金型301に形成される。換言すれば、上金型301は連通した窪みを備えるものである。この窪みの内表面は樹脂が導入される経路を構成する。このゲート部301bはカル部301cから空洞部301aに向かって扇状に広がるように形成されている、これは導入された樹脂が空洞部301a内に広がり易くするためである。
【0036】
この上金型301は下金型202と協働して半導体ウエハ201を挟み込む。その場合、下金型202のサポートピン206に上金型301のサポートピン穴303が係合し、下金型202上に載置された半導体ウエハ201の外周を下金型202と上金型301とにより挟み入れるようにして、半導体ウエハ201を下金型202と上金型301で構成された金型内に半導体ウエハ201が装着される。図5の上面図に示される点線201’は半導体ウエハ201が金型内に装着された場合の半導体ウエハ201の外周部を示すものである。
【0037】
この外周部(点線201)を上金型301で覆うことにより、後述される樹脂封止工程において外周部が樹脂により被覆されない。すなわち、外周部を樹脂の未充填領域とするのである。本実施形態では、この未充填領域は半導体ウエハ201の端部から3mmに設定されている。もちろん、未充填領域は半導体ウエハ201の端部から3mmに限定されるものではなく、適宜設定されるものである。発明者の知見によれば、未充填領域は数ミリ程度が望ましい。
【0038】
本実施の形態では、樹脂封止工程の際、上金型301内に存在する空気を逃す為、上金型301のゲート部301bと対向する位置に空気を逃す為の複数の空気孔304aが設けられている。この空気孔304aは下金型202と上金型301とが合体した後、上金型301の空洞部301a等に溜まった空気を外部へ逃がす穴である。この空気孔304aを設けたことにより、樹脂の導入をスムーズに行うことが可能になる。ここでは、空気孔304aはゲート部301bと対向する位置に4個設けられているが、さらに、上金型301の側部304b(図5の上下側)、ゲート部301bの近傍304cに設けることもできる。これら空気孔を設けたことと、扇状のゲート部301bの形成により、導入される樹脂は空洞部301a内、すなわち、半導体ウエハ201上に短時間で拡がり易くなる。
【0039】
それぞれの空気孔の大きさ、或はその数は設計者が適宜選択できるが、ゲート部301bと対向する位置には、他の部分より多くの空気孔を配置することが望ましい。これはゲート部301bから導入される樹脂により押される空気を効率良く外部へ排出するためである。
【0040】
上金型301及び第1ブロック302は駆動部305により第2ブロック306に連結されている。この第2ブロック306は基盤306に固定されている。この駆動部305は複数のイジェクタピン308をそれぞれ昇降させる機能を有している図5の平面図には、この駆動部305が配置されている部位が模式的に示されている。本実施の形態では、図5に示されるように半導体ウエハ201を載置する領域の中心202cの直上に位置する中心202c’に対して互いに対称な位置に二つの駆動部305が設けられている。駆動部305の数は適宜設定できるが、いずれの場合も中心202c’に対して互いに対称な位置に設けることが望ましい。
【0041】
これらイジェクタピン308は、後述される通り導入された樹脂を上金型301の空洞部301a、ゲート部301b及びカル部301cから引き離す際、駆動部305により下降させられる。それにより、半導体ウエハ201上の樹脂、ゲート部301b及びカル部301cの樹脂が上金型301の内表面から引き離される。
【0042】
これらイジェクトピン308は第2ブロック306に固定手段308aによりそれぞれ固定されている。上金型301の内表面には、図5に示されるようにイジェクタピン308用の穴が設けられている。イジェクトピン308は、第2ブロック306、第1ブロック302及び上金型301を貫通して上金型301の内表面にまで達している。
【0043】
そして、樹脂を金型に導入する工程では、駆動部305が第1ブロック302を下降させることにより、イジェクタピン308の先端が内表面と実質的に同一面を構成する位置、もしくは内表面からわずかに後退した位置(図1上方側)になるようイジェクタピン308は固定されている。すなわち、樹脂導入工程では、イジェクタピン308の先端は上金型301の空洞部301a、ゲート部301b及びカル部301cの連通する窪みの外側に位置していると言える。
【0044】
また、樹脂で封止された半導体ウエハ201を金型から離型する工程において、駆動部305が第1ブロック302を上昇させることにより、イジェクタピン308の先端が上金型301の内表面から突き出す。すなわち、離型工程では、イジェクタピン308の先端は上金型301の空洞部301a、ゲート部301b及びカル部301cの連通する窪み内に位置していると言える。
【0045】
この駆動部305は他の要素と同様に同種の金属により形成された金属性の圧縮ばねで構成され、固定手段305aにより基盤307に固定されている。すなわち、この上部装置300は基盤307に固定され、下部装置200のように昇降可能に駆動するものではない。駆動部305はイジェクタピン308を昇降するためのものであるので、大きな駆動能力を要しない。
【0046】
次に、この樹脂封止装置100の動作が図面を参照して説明される。
まず、図1に示されるように下部装置200と上部装置300とが離間した状態で半導体ウエハ201が下金型202のウエハ載置領域、すなわち、凹凸領域207上に搭載される。さらに、樹脂214が樹脂供給部213の樹脂供給管213a内に投入される。ここでは、上部装置300及び下部装置200は図示されない加熱手段により170〜180℃の温度に加熱される。この温度は樹脂214を溶融するための温度である。厳密に言えば、樹脂供給部213の樹脂供給管213aにおける温度が樹脂214の溶融温度である170〜180℃の温度になるように上部装置300及び下部装置200が昇温されるということになる。従って、樹脂供給管213aに投入された樹脂214は溶融化される。
【0047】
この際、イジェクタピン210は駆動部211により下金型202内に格納されている。イジェクタピン308は駆動部305により任意の場所に位置する。図1では、イジェクタピン308は上金型301の内表面から突き出した状態で保持されている。
【0048】
次に、図6に示されるように昇降手段216a、216bにより下部装置200は上昇し、上部装置300と下部装置200とが合体する。これにより、下金型204上に載置された半導体ウエハ201の外縁が上金型301と下金型204により挟み込まれる。上金型301と下金型204とにより構成される金型内に半導体ウエハが装着されると言うこともできる。これにより、樹脂供給部213からカル部301c、ゲート部301bを介して空洞部301aまでの連通する空間、すなわち、樹脂の導入経路が確保される。この時、半導体ウエハ201の外周部、厳密には、空気孔304を除いた半導体ウエハ201の外縁が上金型301により押さえられ、下金型202のサポートピン206と上金型301のサポートピン穴303とが係合している。
【0049】
この際、駆動部305が第1ブロック302を下降させることにより、イジェクタピン308の先端が内表面と実質的に同一面を構成する位置、もしくは内表面からわずかに後退した位置(図6上方側)になるようイジェクタピン308が保持される。
すなわち、イジェクタピン308の先端は上金型301の空洞部301a、ゲート部301b及びカル部301cの連通する窪みの外側に位置している。
【0050】
上部装置300と下部装置200とが合体する工程において、下金型202上の半導体ウエハ201と上金型301とが接触する時、半導体ウエハ201に加わる応力は衝撃緩和手段208により緩和される。すなわち、下部装置200が上昇して半導体ウエハ201の表面が上金型301に押し当たった時、衝撃緩和手段208を構成する金属性のばねが縮むことによりその応力が低減される。その時、第2ブロック204を支える衝撃緩和手段215も同様に半導体ウエハ201に加わる応力を緩和するように機能する。
【0051】
この上部装置300と下部装置200とが合体する工程において、固定された上部装置300に下部装置200が上昇して合体する理由は以下の通りである。すなわち、上部装置及び下部装置の重さは数百kgにも及ぶものであり、それら自体を駆動する駆動手段は必然的に大きな駆動力を要求されると共に大型化する傾向にある。それ故、そのような大型化した駆動手段を上部装置の上方に設けることは非常に困難性が高いと共に装置コストにも影響を及ぼす。さらに、水平方向のバランスが特に要求される樹脂封止装置において、装置上方に大型かつ重量の大きい駆動手段を設けることは樹脂封止装置全体の水平バランスの保持にも少なからずの影響を与える可能性がある。このようなことは装置設計の困難性をも高めることになる可能性がある。
【0052】
このような大型かつ重量の大きい駆動手段を本実施の形態では、下部装置200の下方のみに設け、上部装置300は固定されている。そして、固定された上部装置300に下部装置200が上昇して、両者が合体して一体化される。
従って、大型で重量の大きい駆動手段は樹脂封止装置が設置される基準面上に載置されることになるので、樹脂封止装置の重心が低くなり装置全体の水平バランスの保持も容易になると共に装置設計の容易化も図れる。このようなことは装置を製造するコストにも反映されてくる。
【0053】
その後、図7に示されるように供給棒213bが図示されない駆動手段により上昇させられて、溶融化された樹脂214が樹脂供給部213より押し出される。押し出された樹脂214は孔205を介してカル部301cに与えられる。カル部301cに与えられた樹脂214’は供給棒213bの上昇によりさらに圧力を加えられ、ゲート部301bを介して空洞部301a内、すなわち、半導体ウエハ201上に充填される。この際、上述した通り空洞部301a内の空気は空気孔304a、304b、304cから外部へ排出される。半導体ウエハ201上に形成された樹脂214’、すなわち、空洞部301a、ゲート部301b及びカル部301cの空間を充填した樹脂は所定時間、供給棒213bにより圧力を加え続けられる。この所定時間とは、樹脂が硬化するまでの時間を言う。本実施の形態では、充填された樹脂は約100秒間保圧される。
【0054】
このようにして半導体ウエハ201の表面上は樹脂214’により被覆される。ここでは、半導体ウエハ201の外周部は上述の通り上金型301と下金型202で覆われているので、外周部が樹脂により被覆されない。すなわち、半導体ウエハ201の外周部は樹脂の未充填領域と言える。本実施の形態では、この工程のことを樹脂封止工程と称する場合がる。
【0055】
その後、図8に示されるように昇降手段216a、216bにより下部装置200が降下する。これにより半導体ウエハ201が上金型301と下金型202とにより挟み込まれた状態、すなわち、半導体ウエハ201が金型内に装着された状態が開放される。ここで、下部装置200の降下開始と同時に、駆動部305により上部装置300の第1ブロック302が上昇することにより、イジェクタピン308の先端が上金型301の内表面から突き出す。すなわち、この工程では、イジェクタピン308の先端は上金型301の空洞部301a、ゲート部301b及びカル部301cの連通する窪み内に位置するように飛び出す。
【0056】
それにより、半導体ウエハ201上の樹脂、ゲート部301b及びカル部301cの樹脂が上金型301の内表面から引き離される。下部装置200の降下開始と同時に、樹脂供給部213の供給棒213bも降下し初期の状態に戻る。すなわち、図1及び図6に示される押圧を開始する前、つまり樹脂封止工程の前の状態に供給棒213bは降下する。
【0057】
ここで樹脂214’で被覆された半導体ウエハ201及びゲート部301bに形成された樹脂301b’の形状が図9(a)の上面図及び図9(b)の断面図に示されている。ゲート部301bに形成された樹脂301b’は溶融された樹脂214がゲート部301bを通過した痕跡とも言える。図9(b)から明らかなように半導体ウエハ201上に形成される樹脂214’の高さよりも半導体ウエハの外周部201’上におけるゲート部301bの樹脂301b’の高さは低い。さらに、前出の説明及び図面から明らかな通り、カル部301cに形成される樹脂301c’の高さよりも半導体ウエハの外周部201’上におけるゲート部301bの樹脂301b’の高さは低い。
【0058】
さらに、ゲート部301bはカル部301cから空洞部301aに向かって扇状に広がるように形成されているので、ゲート部301bの樹脂301b’もそれを反映した形状を有する。
上述の通り下金型202上に載置された半導体ウエハ201の外周を下金型202と上金型301とにより挟み入れるようにして、半導体ウエハ201を下金型202と上金型301で構成された金型内に半導体ウエハ201が装着されるので、外周部201’は樹脂により被覆されない。すなわち、外周部201’は樹脂の未充填領域となっている。
【0059】
その後、図10に示されるように下部装置200は昇降手段216a及び216bにより更に降下される。そして、下部装置200の降下が所定の位置を超えた時、すなわち、衝撃緩和手段215のボトル215aで定義された距離を越えた場合、第1ブロック203及び第2ブロック204はボルト215aが制約となり、それ以上降下することができなくなる。同時に、下金型202はボルト208aが制約となり、それ以上降下することができなくなる。さらに下部装置200の降下が続けられると、下金型202が第1ブロック203及び第2ブロック204から押し上げられ、所定距離だけ離間する。
【0060】
この時、樹脂供給部213の供給棒213bもカル部301cに形成された樹脂301c’及びゲート部301bに形成された樹脂301b’を押し上げるように再び上昇する。この供給棒213bの上昇は下金型202の上昇と同期するものである。すなわち、下金型202がボルト208aにより上昇を開始すると同時に、供給棒213bも樹脂301b’及び301c’を押し上げる。この下金型202の上昇及び供給棒213bの上昇は基盤216に設けられた図示されない制御手段によりそのタイミングが制御されている。
【0061】
ここで下金型202の上昇に併せて供給棒213bを上昇させる理由が図11の部分的に拡大された断面図を参照して述べられる。
図11(a)には、下金型202上に半導体ウエハ201を載置した状態が部分的に拡大されて示されている。図示されるように半導体ウエハ201を下金型202のウエハ載置領域に搭載した際、半導体ウエハ201と第1ブロック203との間には微小な隙間Gが形成される。ここで下金型202と上金型301とを合体させる、すなわち、半導体ウエハ201を金型内に装着すると、隙間Gはゲート部301bの空間と連通する。
【0062】
なお、図11(a)において半導体ウエハ201の上面と第1ブロック203の上面との間には段差が生じていたが、下金型202と上金型301とを合体させる時にその段差は解消される。この段差が解消される際に生じる半導体ウエハ201への下方向への応力も前述した衝撃緩和手段208及び215により緩和されている。
【0063】
その後、樹脂封止工程において、ゲート部301b、空洞部301aに樹脂214が導入されると、図11(c)に示されるようにこの隙間Gにも同様に樹脂が導入される。この隙間Gは概ね半導体ウエハ201の全周に形成されているので、樹脂封止工程の直後、隙間Gに形成された樹脂で半導体ウエハ201が取り囲まれていることになる。この状態はゲート部301bの樹脂301b’の半導体ウエハ201及び第1ブロック203への密着力に加え、半導体ウエハ201の側壁と第1ブロック203への密着力が存在していることを示している。当然、この密着力はゲート部301bの周辺において特に顕著である。
【0064】
このような状態のまま、例えば下金型202のみを上昇させて半導体ウエハ201を下金型202から引き離そうとすると、上述の密着力によりゲート部301bに近い半導体ウエハ201の一部に過大な応力が発生する可能性がある。この過大な応力は半導体ウエハ201を破損する可能性、破損しないまでもウエハの反り等の何らかの影響を半導体ウエハに与える可能性がある。
【0065】
そこで、ゲート部301bの樹脂301b’及びカル部301c’の樹脂301c’と第1ブロック203との密着を主に供給棒213bの上昇により剥離しつつ、隙間Gの樹脂の密着を主に下金型202の上昇により剥離するようにした。このように下金型202と供給棒213bを同時に上昇させるので、半導体ウエハ201の外周部201’に樹脂の密着による局部的な応力が集中するのを防ぐことが可能となる。すなわち、この下金型202と供給棒213bの上昇工程は、半導体ウエハを取り囲む樹脂及びゲート部及びカル部の樹脂と第1ブロック203との密着を下金型の上昇力と供給棒の上昇力により破壊するものである。
【0066】
再び樹脂封止装置100の動作の説明が述べられる。
下金型202が第1ブロック203及び第2ブロック204から押し上げられ、所定距離だけ離間した後、電磁弁212に応答して駆動部211がイジェクトピン210を上昇させる。これにより、イジェクタピン210の先端が下金型202の表面から突き出し、半導体ウエハ201は下金型202のウエハ載置領域から引き離される。下部装置200は図1に示されるように初期の状態まで上昇する。
【0067】
同時に供給棒213bは再び下降して初期の状態に戻る。この半導体ウエハ201を下金型202から離型した後、半導体ウエハ201及びウエハを被覆する樹脂214’、ゲート部の樹脂301b’及びカル部の樹脂301c’は、複数のイジェクトピン210によりのみ支持された状態となる。図12には、イジェクタピン210が下金型202の表面より突き出して、半導体ウエハ201を支持している様子が拡大されて示されている。
【0068】
上述の通り、下金型202のウエハ載置領域は、凹凸形状207に加工されているので、樹脂封止された半導体ウエハを下金型から取り出す際、半導体ウエハと金型との密着を防ぎ取り出し作業を円滑かつ正確に行うことが可能となる。
この後、イジェクタピン210により下金型202から浮かされた半導体ウエハ201は図14(a)に示されるように樹脂封止装置100から搬出する。続いて、ゲート部の樹脂301b’及びカル部の樹脂301c’を半導体ウエハの外周(例えば、線分X−X’)に沿って切断する。それにより、図14(b)に示されるような樹脂214’で被覆された半導体ウエハ201を得る。
【0069】
ゲート部301bに形成された樹脂301b’の厚さは半導体ウエハ201上の樹脂214’及びカル部301cに形成された樹脂301c’より薄いので、この切断工程は正確かつ容易に実施するすることが可能となる。すなわち、半導体ウエハ201の外周201’上でゲート部の樹脂301b’の厚さが薄くなっているので、その部分の樹脂層は他の部分の樹脂層に比べ脆くなっている。従って、その脆くなった部分に機械的な力を加えれば、正確かつ容易に切断が行える。カッター等で切断する場合においても、切断に要する時間が短くなると共に、切断時に発生する樹脂の塵埃も低減することができる。
【0070】
ゲート部の位置が半導体ウエハの外周から離間した位置、すなわち半導体ウエハの外縁よりさらに内側或は外側(カル部側)に設置された場合、図14(a)に示される切断工程が実施されると、上述のような効果は得られないことは明らかであろう。さらには、ゲート部に近接する半導体ウエハ上の樹脂の部分的な剥がれ、或は半導体ウエハの外側にゲート部の樹脂の残留などが発生する可能性もある。これらは、その後の工程に影響を及ぼすものであり、発生を防止することが望ましい。
【0071】
続いて、図14(c)に示されるように樹脂214’の表面を研磨装置Pにより研磨する。この研磨により半導体ウエハ上に形成された複数の回路素子にそれぞれ接続される複数の電極が露出される。この研磨工程の実施には、樹脂214’が半導体ウエハ201上に均一に形成されていることが前提であるので、上述した通りこの樹脂封止装置では装置の水平方向のバランスの維持に特に着目されている。
【0072】
続いて、必要により露出した電極上に外部電極Eが形成される。図14(d)には、この外部電極としてボール状の電極が示されているが、その形状はこれに限らない。例えば、平面状の電極パッド等を用いることも可能である。ここでダイシングカッターDCを用いて半導体ウエハ201から図14(e)に示されるように個々の半導体装置SDを分離する。この半導体装置SDはチップサイズパッケージ構造(CSP構造)と呼ばれる小型化された装置である。詳述した本実施の形態は、このCSP構造を有する半導体装置を製造する方法に適用されることが望ましい。
【0073】
半導体ウエハ201上の全面が樹脂で覆われている場合、切断箇所の特定が難しいのでこの分離は困難な工程になることが予想される。一方、本実施の形態では、上述通り半導体ウエハ201の外周部201’は樹脂により被覆されていないので、図15に示されるように半導体ウエハ201上で複数の回路素子ICを互いに分離するグリッドラインGLが外周部201’に露出している。このグリッドラインGLは半導体ウエハ201上に縦横に延在している。
【0074】
従って、外周部201’に露出されたグリッドラインGLを目印にすれば、半導体ウエハを縦横に、すなわち、個々の半導体装置SDに正確に切断することが可能となる。すなわち、上述の工程を経て形成された半導体ウエハ201は、ウエハから個々の半導体装置を分離するダイシング工程を正確にし、かつ、容易に実施することを可能とするものである。
【0075】
本発明は例証的な実施態様を用いて説明されたが、この説明は限定的な意味に受け取られてはならない。この例証的な実施態様の様々な変更、並びに本発明のその他の実施態様は当業者にはこの説明を参考にすることによって明らかになるであろうと考えられる。従って、特許請求の範囲はそれら全ての変更または実施態様を本発明の真の範囲に含むものであろうと考えられる。
【0076】
【発明の効果】
本願の代表的な発明では、下金型の下方に半導体上ウエハに加わる力を軽減するための衝撃緩和手段が設けられているので、樹脂封止工程において半導体ウエハに加わる力を緩和することができる。
本願の他の代表的な発明では、下金型の半導体ウエハを載置する部分に凹凸形状が形成されているので、樹脂封止された半導体ウエハを金型から取り出す際、半導体ウエハと金型との密着を防ぎ取り出し作業を円滑かつ正確に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂封止装置に半導体ウエハが搭載された工程を示す断面図である。
【図2】下金型を部分的に示す上面図及び断面図である。
【図3】下金型の半導体ウエハ載置領域の第1変形例を示す上面図である。
【図4】下金型の半導体ウエハ載置領域の第2変形例を示す上面図である。
【図5】上金型を部分的に示す上面図及び断面図である。
【図6】半導体ウエハが金型内に装着された工程を示す断面図である。
【図7】半導体ウエハ上に樹脂を封止する工程を示す断面図である。
【図8】上部装置から下部装置を引き離す工程を示す断面図である。
【図9】半導体ウエハ上及びゲート部に形成された樹脂層の形状を部分的に示す上面図及び断面図である。
【図10】半導体ウエハ上、ゲート部及びカル部に規制された樹脂を第1ブロックより引き離す工程を示す断面図である。
【図11】半導体ウエハの外周部及びゲート部との関係を説明する部分的な断面図である。
【図12】樹脂で被覆された半導体ウエハを下金型から引き離す工程を示す断面図である。
【図13】半導体ウエハを下金型から引き離す工程における半導体ウエハとイジェクトピンとの関係を部分的に示す断面図である。
【図14】樹脂封止された半導体ウエハから半導体装置を製造するまでの工程を順に示す断面図である。
【図15】樹脂封止された半導体ウエハを示す上面図である。
【符号の説明】
100 樹脂封止装置
200 下部装置
300 上部装置
201 半導体ウエハ
201’半導体ウエハの外周部
202 下金型
207 凹凸形状領域(半導体ウエハ載置領域)
208 衝撃緩和手段
213 樹脂供給部
214 樹脂
301 上金型
301a 空洞部(キャビティ部)
301b ゲート部
301c カル部
210、308 イジェクトピン
P 研磨装置
DC ダイシングカッター
SD チップサイズパッケージ型の半導体装置
GL グリッドライ
Claims (20)
- 主表面上に複数の半導体素子が形成された半導体ウエハを載置する下金型と上金型とにより前記半導体ウエハを挟み込み、前記主表面へ樹脂を導入することにより前記半導体ウエハの主表面を前記樹脂で封止する半導体ウエハ樹脂封止装置において、
前記半導体ウエハを取り出す際に前記下金型上に載置された前記半導体ウエハが該下金型から離れ易くなるように前記下金型における半導体ウエハが載置される表面のうち外周領域を除く領域には凹凸形状を備えたことを特徴とする半導体ウエハ樹脂封止装置。 - 前記凹凸形状は放電加工により梨地状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体ウエハ樹脂封止装置。
- 前記下金型の表面の前記梨地状に加工された領域は、前記半導体ウエハの径より小さいことを特徴とする請求項2記載の半導体ウエハ樹脂封止装置。
- 前記梨地状に加工された前記凹凸形状は8μm乃至12μmの範囲であることを特徴とする請求項2または3記載の半導体ウエハ樹脂封止装置。
- 前記凹凸形状は溝により形成されたことを特徴とする請求項1記載の半導体ウエハ樹脂封止装置。
- 前記下金型及び前記上金型により前記半導体ウエハを挟み込む際、前記上金型からの衝撃を緩和するために前記下金型の下方には衝撃緩和手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の半導体ウエハ樹脂封止装置。
- 前記衝撃緩和手段は複数設けられ、前記下金型の中心に対して互いに対称な位置に配置されることを特徴とする請求項6記載の半導体ウエハ樹脂封止装置。
- 前記衝撃緩和手段は金属性のばねにより構成されることを特徴とする請求項6記載の半導体ウエハ樹脂封止装置。
- 前記半導体ウエハ上には前記複数の半導体素子を区画し、前記半導体ウエハの外縁の一端から対向する他端まで直線状に延在する複数のグリッドラインを備え、前記上金型と前記下金型は前記半導体ウエハの外縁を挟み込むことにより、前記外縁以外の前記半導体ウエハの主表面が前記樹脂により封止されることを特徴とする請求項1記載の半導体ウエハ樹脂封止装置。
- 前記上金型には樹脂導入部が設けられ、該樹脂導入部は前記半導体ウエハ上のキャビティと、前記キャビティに前記外縁の一部上で連通するゲートと、前記ゲートに連通する樹脂供給部とから構成されており、前記ゲートの高さは前記半導体ウエハ上において前記キャビティの高さ以下に設定されることを特徴とする請求項9記載の半導体ウエハ樹脂封止装置。
- 前記ゲートは前記樹脂供給部から前記キャビティに向かって扇状に広がることを特徴とする請求項10記載の半導体ウエハ樹脂封止装置。
- 前記上金型の前記ゲートと対向する位置には、前記半導体ウエハが前記樹脂により封止される際、前記キャビティ内の空気を逃がすための空気孔が設けられていることを特徴とする請求項10または請求項11記載の半導体ウエハ樹脂封止装置。
- 前記下金型の前記半導体ウエハを載置する面と反対側の面の中央部では、前記下金型が突出していることを特徴とする請求項9記載の半導体ウエハ樹脂封止装置。
- 前記下金型には、前記半導体ウエハが前記樹脂により封止された後、前記半導体ウエハを押し上げるイジェクタピンが設けられていることを特徴とする請求項1記載の半導体ウエハ樹脂封止装置。
- 前記イジェクタピンは複数設けられ、それら複数のイジェクタピンは前記下金型の中心に対して対称に配置されていることを特徴とする請求項14記載の半導体ウエハ樹脂封止装置。
- 表面上に複数の半導体素子が形成された半導体ウエハを金型内に装着し、前記表面を樹脂により封止する半導体装置製造用金型において、
前記表面と反対側の裏面が前記金型の載置部に接触するように前記半導体ウエハは前記金型内に装着され、前記載置部のうち外周領域を除く領域には凹凸が形成されていることを特徴とする半導体装置製造用金型。 - 前記凹凸は放電加工により梨地状に形成されていることを特徴とする請求項16記載の半導体装置製造用金型。
- 前記載置部の表面の前記梨地状に加工された領域は、前記半導体ウエハの径より小さいことを特徴とする請求項17記載の半導体装置製造用金型。
- 前記梨地状に加工された前記凹凸は8μm乃至12μmの範囲であることを特徴とする請求項18記載の半導体装置製造用金型。
- 前記凹凸は溝により形成されることを特徴とする請求項16記載の半導体装置製造用金型。
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