JP3826422B2 - 焦点検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学機器の焦点検出を行う焦点検出装置に関し、特に、複数箇所の焦点検出エリアに対応して、複数のサブミラーを設けた焦点検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カメラにおいて、捉えた構図を動かすことなく、撮像面の所望の箇所に焦点を合わせたり、撮像面上を動く被写体像を追い続けて焦点を合わせるものが知られている。
このようなカメラには、撮像面上の焦点状態を細部にわたって検出するために、複数箇所の焦点検出エリアについて焦点検出を行う焦点検出装置が搭載されている。
【0003】
図14は、この種の焦点検出装置を示す図である。
図15は、カメラ内における焦点検出装置の配置を示す図である。
これらの図において、カメラの撮影光学系51の光軸上にミラー51mが配置され、ミラー51mにおける透過部分の後方に、一平面のサブミラー52が配置される。
【0004】
このサブミラー52の反射方向に、3箇所に透過穴を設けた視野マスク53が配置される。視野マスク53の後方には、3つのレンズを一体形成したコンデンサレンズ54およびミラー55が配置される。
このミラー55の反射方向には、視野マスク53を透過した各被写体光束をそれぞれ分割する絞りマスク56と、このように分割された分割光束をそれぞれ再結像させるセパレータレンズ57とが配置される。このセパレータレンズ57の後方には、受光素子58が配置される。
【0005】
このような構成の焦点検出装置では、一枚のサブミラー52を使用するため、カメラの撮像面側に形成されるべき像空間が、反射方向にそのまま鏡映され、撮像面の鏡映像である像面(予定結像面)側に等価な像空間を形成する。
視野マスク53には、撮像面上の焦点検出エリアと同一縮尺で透過穴が配列される。
【0006】
このような視野マスク53の働きにより、予定結像面を通過する被写体光束の内、撮像面上の焦点検出エリアに到達するべき被写体光束のみが、コンデンサレンズ54側に透過する。
コンデンサレンズ54は複合レンズを構成し、焦点検出エリアごとの被写体光束を整形する。これらの被写体光束の像面を傾けずに、受光素子58上にそのまま再結像させるため、コンデンサレンズ54を構成する単レンズの主平面は、予定結像面と平行する向きに配置される。
【0007】
次に、焦点検出エリアごとの被写体光束は、絞りマスク56を介して分割される。このように分割された分割光束は、被写体光束の結像面で交差し、結像面の前後で位置関係が入れ換わる光束である。
セパレータレンズ57は、これらの分割光束を個別にアオリ結像(シフト)させ、受光素子58の受光面上に一組の光像を形成する。このような光像間の間隔や位置関係に基づいて、焦点検出エリアごとに焦点状態の検出が行われる。
【0008】
ところで、絞りマスク56の開口部を通過する分割光束は、コンデンサレンズ54を介した開口部の逆投影像(以下「入射瞳」という)の位置を通過する光束である。
これらの入射瞳51a,51bが、撮影光学系51の口径蝕(ケラレ)に掛かると、分割光束の一部が欠損するため、焦点状態の検出に支障が生じる。
【0009】
そのため、レンズ周辺部の口径蝕に掛からないように、入射瞳51a,51bは撮影光学系51の中央側に近寄せて配置される。
このような配置状態では、図14に示すように、一組の分割光束r2,s2の対称軸が、撮影光学系51の中央側から放射状に広がる。そのため、後方に位置する受光素子58の受光面は、必然的に大きくなる。
【0010】
このような受光素子の小型化を図るために、コンデンサレンズの直前あるいは直後に光偏向手段を付加した焦点検出装置も知られている(特開昭63−278012号公報)。
図16は、この種の光偏向手段を有する焦点検出装置を示す図である。
図において、コンデンサレンズ63M,63Nは、前面および後面の球心が光軸Oよりに偏心されている。そのため、光軸Oから離れる対称軸AM3,AN3は、光軸O寄りに偏向(シフト)される。
【0011】
このような構成により、セパレータレンズ65および受光素子66を小型に構成することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図14に示した従来例では、撮影光学系51から離れるに従って、分割光束r2,s2が光軸Oから広がる。そのため、焦点検出装置は、これらの光路を内部に確保しなければならず、焦点検出装置全体が、顕著に大きくなってしまうという問題点があった。
【0013】
また、図16に示した従来例では、コンデンサレンズ63の直前に光偏向手段(図16では、コンデンサレンズ63M,63Nの前面形状)を付加しているため、視野マスク61については小型化を一切図ることができなかった。
さらに、コンデンサレンズ63の直前に光偏向手段が設けられるため、両者の距離が短く、コンデンサレンズ63においては、光路の広がり(配列間隔)がほとんど小さくならない。そのため、コンデンサレンズ63についても、十分な小型化を図ることが不可能であった。
【0014】
通常、焦点検出装置では、視野マスク61から受光素子66までを光学ブロックとして一体に組み合わせることが多い。この光学ブロックの奥行き方向は、光学設計により柔軟に短縮できるため、間口の大きさにより光学ブロック全体の大きさが決定される。
図16に示した従来例では、視野マスク61やコンデンサレンズ63が大きいため、光学ブロックの間口が大きく、光学ブロック全体が大きくなってしまう。
【0015】
また、光偏向手段をコンデンサレンズ63と別体に付加した場合には、更に焦点検出装置が大型化してしまう。
このように、図16に示した従来例においても、焦点検出装置全体が大きいという問題点があった。
一方、装置の大きさの他にも問題点があった。
【0016】
すなわち、図14に示した従来例では、分割光束r2,s2の対称軸が、一組のセパレータレンズ57の重心位置と斜め向きに交差する。
そのため、分割光束r2,s2は、対応するセパレータレンズ57に対し相異なる角度で入射する。その結果、分割光束r2,s2には、異なる軸外諸収差(像面歪曲など)が生じ、受光素子58の受光面上に非相関な光像が形成される。
【0017】
このような光像間では、像パターンの相関性が劣るため、光像間の位置関係を正しく検出することができず、焦点検出の精度が低下するという問題点があった。
また、図16に示した従来例では、分割光束r3,s3が、コンデンサレンズ63Mの軸外周辺部を通過する。そのため、分割光束r3,s3に球面収差やコマ収差などの諸収差が生じ、受光素子66の受光面上における結像性能が低下する。そのため、焦点検出の精度が低下するという問題点があった。
【0018】
請求項1に記載の発明は、これらの問題点を解決するために、焦点検出精度を向上しつつ、小型化を図ることができる焦点検出装置を提供することを目的とする。
請求項2,3に記載の発明は、請求項1の目的と併せて、焦点検出精度をより高めることができる焦点検出装置を提供することを目的とする。
【0019】
請求項4〜6に記載の発明は、請求項1の目的と併せて、一層小型化を図ることができる焦点検出装置を提供することを目的とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1の目的と併せて、内向するサブミラーによる予定結像面の傾斜を的確に補正することができる焦点検出装置を提供することを目的とする。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項1の目的と併せて、内向するサブミラーによる予定結像面の傾斜にかかわらず、高い焦点検出精度を得ることができる焦点検出装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
図1は、請求項1に記載の発明を説明する図である。
【0022】
請求項1に記載の発明は、カメラの撮影光学系1を透過し、撮像面上に予め定められた焦点検出エリアに到達する被写体光束を、撮影光路外へ反射するサブミラー2と、サブミラー2により反射された反射光束を分割し、これらの分割光束を個別に再結像させる焦点検出光学系3と、焦点検出光学系3を介して形成される一組の光像を受光面Zで受光し、これらの光像の位置関係に基づいて撮影光学系1の焦点検出を行う焦点検出手段4とを備えた焦点検出装置において、複数の焦点検出エリアに対応して、「サブミラー2と焦点検出光学系3との組み合わせ」が複数設けられ、「光軸外の焦点検出エリアS」に到達する被写体光束を反射するサブミラー2については、鏡面側が内向して配置されることを特徴とする。
【0023】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の焦点検出装置において、複数のサブミラー2により反射される反射光束は、互いに略平行することを特徴とする。
図3は、請求項3に記載の発明を説明する図である。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の焦点検出装置において、複数のサブミラー2は、「反射される被写体光束の入射軸Lと撮影光学系1の光軸Oとの交点に焦点fが位置し、かつ回転軸rが互いに略平行する回転放物面P」と接する向きにそれぞれ配置されることを特徴とする。
【0024】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の焦点検出装置において、複数のサブミラー2は、多面鏡として一体に形成されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の焦点検出装置において、焦点検出手段4では、「複数の焦点検出光学系3により形成される複数組の光像」を個別に光電変換する受光素子列が、同一基板上に一体形成されることを特徴とする。
【0025】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の焦点検出装置において、複数の焦点検出光学系3では、複数の視野マスクが一体形成され、複数組のセパレータレンズが一体形成され、複数組の絞りマスクが一体形成されてなることを特徴とする。
図4は、請求項7に記載の発明を説明する図である。
【0026】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の焦点検出装置において、光軸外の焦点検出エリアSに対応する「サブミラー2と焦点検出光学系3との組み合わせ」については、サブミラー2を対称面として撮像面を鏡映した像面Imと、焦点検出光学系3の主平面Hと、焦点検出手段4の受光面Zとが、同一直線で交わることを特徴とする。
【0027】
図5は、請求項8に記載の発明を説明する図である。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の焦点検出装置において、光軸外の焦点検出エリアSに対応する焦点検出光学系3では、「サブミラー2を対称面として撮像面を鏡映した像面Im」と「焦点検出手段4の受光面Z」との交線Tの方向に沿って反射光束を分割することを特徴とする。
【0028】
(作用)
請求項1にかかわる焦点検出装置では、複数の焦点検出エリアに対応して、サブミラー2が複数設けられる。
【0029】
これら複数のサブミラー2の内、光軸外の焦点検出エリアSに対応するサブミラー2については、その鏡面側が内向した向きに配置される。
このような構成により、光軸外の焦点検出エリアSに向かって放射状に広がる被写体光束の入射軸Lは、図2に示すように、光軸O(正確には、中央部のサブミラー2を介して光軸Oを反射した軸)寄りに反射される。
【0030】
特に、このような構成では、サブミラー2と焦点検出光学系3との距離が長いので、複数の反射光束の広がりを効果的に小さく抑えることができる。
このように反射光束の広がりが小さく抑えられることにより、焦点検出光学系3における複数の光路どうしの間隔が格段に短くなり、焦点検出装置の小型化を一層図ることができる。
【0031】
また、焦点検出光学系3を構成する視野マスク3aやコンデンサレンズ3bなどにおいても、反射光束の広がりが抑えられるので、視野マスク3aやコンデンサレンズ3bについても一緒に小型化される。したがって、従来例と比べて、焦点検出装置全体の小型化が効率的に図られる。
一方、焦点検出光学系3において確保する複数の光路の配列間隔を、図16に示した従来例と同程度にした場合には、サブミラー2と焦点検出光学系3との距離が長い分だけ、反射光束を偏向する角度を小さくできる。したがって、反射光束に生じる「像面の歪み」その他の弊害を無視できる程度に小さくすることができる。
【0032】
さらに、反射光束が光軸O寄りに反射されるので、この反射光束を分割した一組の分割光束については、図2に示されるように、セパレータレンズ3cの入射角が対称に近づく。
したがって、セパレータレンズ3cにおける軸外諸収差がほぼ対称に生じ、受光面Z上に形成される一組の光像に関して、相関性が向上する。
【0033】
その結果、光像パターンの相関性が向上して、光像の位置関係を正しく検出することができる。したがって、焦点検出精度が向上する。
また、反射光束が光軸O寄りに反射されるので、図2に示されるように、コンデンサレンズ3bのほぼ正面から反射光束が入射する。そのため、コンデンサレンズ3bにおいて生じる球面収差やコマ収差は勿論のこと、像面歪曲までも改善される。したがって、受光面Z上における光像の結像性能が向上し、光像の位置関係をより精度良く検出することができる。したがって、この点からも、焦点検出精度が向上する。
【0034】
請求項2にかかわる焦点検出装置では、複数のサブミラー2により反射される反射光束が、互いに略平行する。
このような構成では、反射光束の反射方向が一様に揃うので、光軸O上の焦点検出光学系と同様の条件で、分割および再結像を行うことができる。
すなわち、コンデンサレンズ3bの光軸と反射光束の対称軸とが一致し、かつ一組の分割光束がセパレータレンズ3cに対称に入射する。したがって、光軸外の焦点検出光学系3において生じていた諸収差が最小限に抑えられ、受光面Z上における光像の結像性能および相関性が最大限に向上する。したがって、光像の位置関係が正しく検出され、焦点検出精度が特に向上する。
【0035】
請求項3にかかわる焦点検出装置では、個々のサブミラー2について、被写体光束の入射軸Lと、撮影光学系1の光軸Oとの交点を求める。次に、この交点に焦点fが位置する回転放物面Pを想定する。
このような回転放物面Pと接する向きにサブミラー2を配置することにより、反射光束の反射方向が、回転放物面Pの回転軸rと平行する。
【0036】
そこで、個々のサブミラー2に対し想定される回転放物面Pについて、回転軸rを互いに略平行させることにより、複数のサブミラー2における反射方向を互いに略平行させることができる。
すなわち、このようなサブミラー2の配置構成により、撮像面上の任意箇所(例えば、上下左右および斜め)に位置する焦点検出エリアにおいて、反射光束の反射方向を一定方向に揃えることができる。
【0037】
このように反射光束の反射方向が一定方向に揃うことにより、光軸外の焦点検出光学系3において生じていた諸収差が最小限に抑えられ、受光面Z上における光像の結像性能および相関性を最大限に向上させることができる。その結果、光像の位置関係が正しく検出され、焦点検出精度が向上する。
請求項4にかかわる焦点検出装置では、複数のサブミラー2を多面鏡として一体に構成する。
【0038】
従来のカメラでは、サブミラーが一枚で構成されるため、サブミラーから漏れた光が、シャッタ幕に直接照射されることはほとんどなかった。
しかし、複数のサブミラー2を配置した場合には、サブミラー2の隙間から光が漏れ、シャッタ幕に照射されるおそれがある。
このような状態で、シャッタ幕からわずかでも光がフィルム側に漏れると、フィルムが長時間にわたって露光され、撮影画質が著しく損なわれる。そのため、シャッタ幕には、通常のカメラよりも一段と高い遮光性が要求される。
【0039】
しかしながら、複数のサブミラー2を多面鏡として一体構成することにより、隙間から漏れる光を確実かつ容易に防ぐことができる。したがって、撮影画質を損なうおそれがなくなり、通常程度の遮光性を有するシャッタ幕を採用することができる。
また、複数のサブミラー2が一体に構成されるので、撮影光路外に待避させる場合には、まとめて待避させることができる。したがって、サブミラー2を待避させるためのミラー駆動機構の構成が単純になる。
【0040】
さらに、複数のサブミラー2が一体に構成されるので、サブミラー2を一枚ずつ組み込む場合に比べ、サブミラー2の角度精度が向上し、かつカメラの組み立て性も向上する。
【0041】
請求項5にかかわる焦点検出装置では、受光素子列を同一基板上に形成することにより、焦点検出装置の小型化を図る。
請求項6にかかわる焦点検出装置では、焦点検出光学系の構成部品をそれぞれ一体形成することにより、焦点検出装置の小型化を図る。
請求項7にかかわる焦点検出装置では、まず、複数のサブミラー2を対称面として撮像面を鏡映した像面Imを求める。
【0042】
通常、これらの像面Imは、個々のサブミラー2が相異なる角度に配置されるため、それぞれ傾きが異なる。
これらの像面Imが、焦点検出光学系3を介してそのまま再結像されると、受光面Z上の再結像面も、それぞれ傾きが異なる。
したがって、受光面Z上では、鮮明な光像を得ることができず、焦点検出精度が低下してしまう。
【0043】
しかしながら、請求項7にかかわる焦点検出装置では、図4に示すように、このように求めた像面Imと、焦点検出光学系3の主平面Hと、焦点検出手段4の受光面Zとが一直線で交わるように構成される。
このような主平面Hの傾きにより、像面Imはアオリ結像(ティルト)され、受光面Zに沿って再結像面が形成される(シャイムフルクの法則)。
【0044】
したがって、受光面Z上では、像面Imの傾きにかかわらず、鮮明な光像を得ることができる。その結果、像パターンのコントラストが高くなり、焦点検出精度が向上する。
なお、図4では、コンデンサレンズ3bの主平面Hを傾けることにより、上述の作用効果を得ているが、セパレータレンズ群3cの主平面Hなどを個別に傾けても、同様の作用効果が得られる。
【0045】
請求項8にかかわる焦点検出装置では、「サブミラー2を対称面として撮像面を鏡映した像面Im」と「焦点検出手段4の受光面Z」との交線Tを求める。
焦点検出光学系3は、この交線Tの方向に反射光束を分割する。この分割光束は、交線Tの方向に並ぶ一組の光像を受光面Z上に形成する。
このとき、像面Im上において交線Tの方向に並ぶ像パターンは、他の方向に並ぶ像パターンとは異なり、受光面Zと唯一に平行する。したがって、交線Tの方向に並ぶ像パターンは、焦点検出光学系3の平行なレンズ主平面を介して、受光面Z上に鮮明に再結像する。
【0046】
したがって、交線Tの方向に並ぶ一組の光像については、像パターンの相関を正しく求めることができ、焦点状態を精度良く検出することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明における実施の形態を説明する。
【0048】
図6は、請求項1〜6に対応する実施形態を示す図である。
図7〜11は、焦点検出装置を構成する部品などを示す図である。
これらの図において、カメラの撮影光学系21の光軸O上にミラー22が配置され、ミラー22における透過部分の後方に、3面からなるサブミラー23L,23M,23Nが配置される。
【0049】
このサブミラー23L,23M,23Nの反射方向には、図8に示すように、3箇所に透過穴を設けた視野マスク24が配置される。視野マスク24の後方には、3つのレンズを一体形成したコンデンサレンズ25およびミラー26が配置される。
このミラー26の反射方向には、図9に示すような絞りマスク27と、図10に示すようなセパレータレンズ28とが配置される。このセパレータレンズ28の後方には、図11に示すような受光素子29が配置される。
【0050】
なお、請求項1〜6に記載の発明と本実施形態との対応関係については、複数のサブミラー2はサブミラー23L,23M,23Nに対応し、焦点検出光学系3は視野マスク24,コンデンサレンズ25,絞りマスク27およびセパレータレンズ28に対応し、焦点検出手段4は受光素子29に対応する。
ここで、サブミラー23L〜Nの配置について詳細に説明する。
【0051】
まず、カメラの撮像面(図示せず)上に、複数の焦点検出エリアを設定する。この複数の焦点検出エリアにそれぞれ到達する被写体光束の中から、撮影光学系21の口径蝕に掛からない入射軸AL1,AM1,AN1を定める。
これらの入射軸AL1,AM1,AN1と光軸Oとの交点に焦点がそれぞれ位置し、かつ回転軸が互いに平行する3つの回転放物面を想定し、これらの回転放物面と接する向きに、サブミラー23L,23M,23Nをそれぞれ配置する。
【0052】
このような構成により、入射軸AL1,AM1,AN1は、3面のサブミラー23L,23M,23Nを介して、互いに平行する向きに反射される。
図12は、このような反射光束の光路を示す展開図である。
この図は、サブミラー23L,23M,23Nの各入射面内において光路を展開した図であり、入射軸の角度θと面角度φとは、
θ=2φ
の関係を満足する。
【0053】
このようにして、反射光束の広がりが抑えられるため、焦点検出光学系の小型化を図ることができる。
また、光軸外の焦点検出エリアに対応する一組の光束r1,s1は、焦点検出光学系の軸に対して対称となるので、受光素子29の受光面に形成される光像の相関性が確保される。
【0054】
図13は、予定結像面の傾きを示す図である。
サブミラー23L,23M,23Nは、相異なる角度に配置されるため、これらの鏡面を対称面として撮像面を鏡映した像面は若干傾斜する。
【0055】
したがって、受光素子29の受光面に形成される光像の像面も傾斜する。このような像面の傾斜により、像パターンが不鮮明になるため、焦点検出精度が低下する。なお、このような弊害は、請求項7あるいは請求項8に記載される構成を適用することにより、容易に除去することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明では、複数のサブミラーを内向して配置するので、放射状に広がる被写体光束の入射軸が、光軸(正確には、中央のサブミラーによる光軸の反射軸)寄りに反射される。
【0057】
したがって、反射光束の広がりが小さく抑えられるので、焦点検出装置を小型化することができる。
特に、従来例のようにコンデンサレンズの直前で反射光束の広がりを抑える場合と比較して、より前方の位置から反射光束の広がりを抑えることができるので、反射光束の広がりを一層小さく抑えることができる。したがって、焦点検出装置を一層小型化することができる。
【0058】
また、焦点検出光学系を構成する視野マスクやコンデンサレンズの前方から、反射光束の広がりを抑えるので、これらについても小型化を図ることができる。したがって、焦点検出装置の間口を小さくし、実効的な小型化をより一層図ることができる。
一方、焦点検出光学系における反射光束の広がりを、図16に示した従来例と同程度にした場合には、サブミラーと焦点検出光学系との距離が長い分だけ、反射光束を偏向する角度が小さくなる。したがって、反射光束に生じる「像面の歪み」その他の弊害を無視できる程度に小さくすることもできる。
【0059】
さらに、反射光束は光軸寄りに反射され、ほぼ正面から各焦点検出光学系に入射するので、この反射光束を分割した一組の分割光束については、焦点検出光学系内のほぼ対称な位置を通過する。
【0060】
したがって、分割光束にそれぞれ生じる軸外諸収差がほぼ対称に近づき、受光面上に形成される一組の光像において相関性が向上する。
その結果、光像パターンの相関性が向上して、光像の位置関係を精度良く検出することができる。したがって、焦点検出精度が向上する。
また、反射光束が光軸寄りに反射されるので、各焦点検出光学系の近軸領域を反射光束が通過する。そのため、反射光束に生じる球面収差やコマ収差は勿論のこと、像面歪曲なども改善される。したがって、受光面上における光像の結像性能が向上し、光像の位置関係を正しく検出することができる。したがって、この点からも、焦点検出精度が向上する。
【0061】
請求項2に記載の発明では、反射光束が互いに略平行するので、光軸上の焦点検出光学系と同様の条件で、分割および再結像を行うことができる。
すなわち、焦点検出光学系の光軸と反射光束の光軸が一致し、かつ一組の分割光束が焦点検出光学系を対称に通過する。
したがって、光軸外の焦点検出光学系において生じていた諸収差が最小限に抑えられ、受光面上における光像の結像性能および相関性が最大限に向上する。したがって、光像の位置関係が正しく検出され、焦点検出精度が特に向上する。
【0062】
請求項3に記載の発明では、回転放物面と接する向きにサブミラーを配置することにより、反射光束の反射方向を的確に略平行させることができる。
したがって、撮像面上の任意箇所(例えば、上下左右および斜め)に位置する焦点検出エリアについても、反射光束の反射方向を確実に略平行させることができる。
【0063】
請求項4に記載の発明では、複数のサブミラーを多面鏡として一体に形成するので、サブミラーの隙間から漏れる光を確実かつ容易に防ぐことができる。
したがって、フィルムが長時間にわたって漏光に晒されることがなく、撮影画質を向上させることができる。
【0064】
また、複数のサブミラーが一体に構成されるので、撮影光路外に待避させる場合には、まとめて待避させることができる。したがって、サブミラーを待避させるためのミラー駆動機構の構成が単純になる。
さらに、複数のサブミラーが一体に構成されるので、サブミラーを一枚ずつ組み込む場合に比べ、サブミラーの角度精度が向上し、かつカメラの組み立て性も向上する。
【0065】
請求項5に記載の発明では、受光素子列を同一基板上に形成するので、焦点検出装置の小型化を図ることができる。
請求項6に記載の発明では、焦点検出光学系の構成部品をそれぞれ一体形成するので、焦点検出装置の小型化を図ることができる。
請求項7に記載の発明では、図4に示すように、焦点検出光学系の主平面Hを傾けるので、サブミラーにより鏡映される像面Imは、アオリ結像(ティルト)され、受光面Zに沿って再結像面が形成される(シャイムフルクの法則)。
【0066】
したがって、受光面Z上では、像面Imの傾きにかかわらず、鮮明な光像を得ることができる。その結果、像パターンのコントラストが高く、焦点検出精度を一層向上させることができる。
請求項8に記載の発明では、「サブミラーを対称面として撮像面を鏡映した像面Im」と「焦点検出手段4の受光面Z」との交線Tの方向に反射光束を分割する。
【0067】
したがって、これらの分割光束は、交線Tの方向に並ぶ一組の光像を受光面Z上に形成する。
この状態では、像面Im上において交線Tの方向に並ぶ像パターンは、他の方向に並ぶ像パターンとは異なり、受光面Zと唯一に平行する。そのため、アオリ結像などを行わなくとも、受光面Z上に沿って再結像面が形成される。
したがって、交線Tの方向に並ぶ一組の光像については、像パターンの相関を正しく求めることができ、焦点状態を精度良く求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明を説明する図である。
【図2】請求項1における反射光束の光路を示す図である。
【図3】請求項3に記載の発明を説明する図である。
【図4】請求項7に記載の発明を説明する図である。
【図5】請求項8に記載の発明を説明する図である。
【図6】請求項1〜6に対応する実施形態を示す図である。
【図7】予定結像面を上面から見た図である。
【図8】視野マスクのパターン図である。
【図9】絞りマスクのパターン図である。
【図10】セパレータレンズを示す図である。
【図11】受光素子のパターンを示す図である。
【図12】実施形態における反射光束の光路を示す展開図である。
【図13】予定結像面の傾きを示す図である。
【図14】従来の焦点検出装置を示す図である。
【図15】カメラ内における焦点検出装置の配置を示す図である。
【図16】光偏向手段を有する焦点検出装置を示す図である。
【符号の説明】
1,21 撮影光学系
2,23L〜N サブミラー
3 焦点検出光学系
3a,24 視野マスク
3b,25 コンデンサレンズ
3c,28 セパレータレンズ
4 焦点検出手段
22 クイックリターンミラー
26 ミラー
27 絞りマスク
29 受光素子
Claims (8)
- カメラの撮影光学系を透過し、撮像面上に予め定められた焦点検出エリアに到達する被写体光束を、撮影光路外へ反射するサブミラーと、
前記サブミラーにより反射された反射光束を分割し、これらの分割光束を個別に再結像させる焦点検出光学系と、
前記焦点検出光学系を介して形成される一組の光像を受光面で受光し、これらの光像の位置関係に基づいて前記撮影光学系の焦点検出を行う焦点検出手段と
を備えた焦点検出装置において、
複数の前記焦点検出エリアに対応して、「前記サブミラーと前記焦点検出光学系との組み合わせ」が複数設けられ、
「光軸外の焦点検出エリア」に到達する被写体光束を反射する前記サブミラーについては、鏡面側が内向して配置される
ことを特徴とする焦点検出装置。 - 請求項1に記載の焦点検出装置において、
前記複数のサブミラーにより反射される反射光束は、互いに略平行する
ことを特徴とする焦点検出装置。 - 請求項1に記載の焦点検出装置において、
前記複数のサブミラーは、
「反射される被写体光束の入射軸と前記撮影光学系の光軸との交点に焦点が位置し、かつ回転軸が互いに略平行する回転放物面」と接する向きにそれぞれ配置される
ことを特徴とする焦点検出装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の焦点検出装置において、
前記複数のサブミラーは、
多面鏡として一体に形成される
ことを特徴とする焦点検出装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の焦点検出装置において、
前記焦点検出手段では、
「前記複数の焦点検出光学系により形成される複数組の光像」を個別に光電変換する受光素子列が、同一基板上に一体形成される
ことを特徴とする焦点検出装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の焦点検出装置において、
前記複数の前記焦点検出光学系では、
複数の視野マスクが一体形成され、
複数組のセパレータレンズが一体形成され、
複数組の絞りマスクが一体形成されてなる
ことを特徴とする焦点検出装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の焦点検出装置において、
光軸外の焦点検出エリアに対応する「前記サブミラーと前記焦点検出光学系との組み合わせ」については、
前記サブミラーを対称面として前記撮像面を鏡映した像面と、前記焦点検出光学系の主平面と、前記焦点検出手段の受光面とが、同一直線で交わる
ことを特徴とする焦点検出装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の焦点検出装置において、
光軸外の焦点検出エリアに対応する前記焦点検出光学系では、
「前記サブミラーを対称面として前記撮像面を鏡映した像面」と「前記焦点検出手段の受光面」との交線方向に、前記反射光束を分割する
ことを特徴とする焦点検出装置。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP4891696A JP3826422B2 (ja) | 1996-03-06 | 1996-03-06 | 焦点検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4891696A JP3826422B2 (ja) | 1996-03-06 | 1996-03-06 | 焦点検出装置 |
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| JPH09243905A JPH09243905A (ja) | 1997-09-19 |
| JP3826422B2 true JP3826422B2 (ja) | 2006-09-27 |
Family
ID=12816585
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4891696A Expired - Lifetime JP3826422B2 (ja) | 1996-03-06 | 1996-03-06 | 焦点検出装置 |
Country Status (1)
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|---|---|
| JP (1) | JP3826422B2 (ja) |
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-
1996
- 1996-03-06 JP JP4891696A patent/JP3826422B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
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| JPH09243905A (ja) | 1997-09-19 |
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