JP3826426B2 - 2−クロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシドの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はα−アミラーゼの活性測定用基質として有用な式(2)
【0002】
【化3】
【0003】
で表される2−クロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシド(以下、式(2)の化合物と称することもある)の新規なの製造方法に関する。
【0004】
【従来の技術】
【0005】
従来より、膵液や尿など体液に含有されるα−アミラーゼの活性を測定することにより、各種疾患の診断が行われて、多くのα−アミラーゼ活性測定用基質が用いられている。
【0006】
その中で、特開平6−315399号公報には、追随酵素を必要としない、高感度なα−アミラーゼ活性測定用基質として、式(2)の化合物が記載されている。
【0007】
一方、特開平3−264596号公報には、式(4)
【0008】
【化4】
【0009】
(式中、X1 およびX2 の少なくとも一方はガラクトシル基であり、他方は水素原子であり、Rは水素原子または置換あるいは無置換のフェニル基を示し、nは2〜5の整数を示す。)で表されるnが2以上の、ガラクトシル基にグルコース基が4個以上結合したガラクトシルマルトオリゴ糖誘導体の製造に関して、ラクトースなどのガラクトシル残基をもつ糖と、式(5)
【0010】
【化5】
【0011】
(式中、Rは水素原子または置換あるいは無置換のフェニル基を示し、nは2〜5の整数を示す。)で表されるnが2以上でグルコース基が4個以上結合したマルトオリゴ糖誘導体とに、α−ガラクトシダーゼまたはβ−ガラクトシダーゼを作用させる方法が記載されている。
【0012】
さらに、特開平6−86683号公報には、特開平3−264596号公報に記載の製造方法を改良することを目的として、式(4)
【0013】
【化6】
【0014】
(式中、X1 およびX2 の少なくとも一方はガラクトシル基であり、他方は水素原子であり、Rは置換あるいは無置換のフェニル基を示し、nは1〜5の整数である。)で表されるグルコース基が3つ以上結合したガラクトシルマルトオリゴ糖誘導体の製造方法に関して、マルトオリゴ糖とガラクトース残基を有する糖に、β−ガラクトシダーゼを作用させて、式(6)
【0015】
【化7】
【0016】
(式中、X1 およびX2 の少なくとも一方はガラクトシル基であり、他方は水素原子であり、nは1〜5の整数を示す。)で表されるnが1以上の、ガラクトシル基にグルコース残基が3個以上結合したガラクトシルマルトオリゴ糖を製造した後、さらに、水と親水性有機溶媒との混合溶液中で、このガラクトシルマルトオリゴ糖と、式(7)
【0017】
【化8】
【0018】
(式中、nは0〜3の整数を示し、Rは置換あるいは無置換のフェニル基を示す。)で表されるマルトオリゴ糖誘導体の混合物に、α−アミラーゼを作用させる方法が示されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
ところで、特開平6−315399号公報によると、式(2)の化合物は、新規化合物であるにもかかわらず、その製造実施例がなく、化学的な物性データの開示もない。本公報には、式(2)の化合物を含むマルトオリゴ糖誘導体は、特開平3−264596号公報に記載の方法など種々の公知の方法で製造することができると記載されているのみであり、有機化学的合成法および酵素を用いた合成法が概念的に示されているにすぎない。
【0021】
すなわち、特開平6−315399号公報によると、「マルトオリゴ糖誘導体(a)
【0022】
【化9】
【0023】
は、特開平3−264596号公報に記載の方法など種々の公知の方法で製造することができる。例えば、還元末端のグルコースに2−クロロ−4−ニトロフェノールを結合したマルトオリゴ糖誘導体(b)
【0024】
【化10】
【0025】
(式中、nは0〜2の整数を示す。)とラクトースをβ−ガラクトシダーゼ共存下に反応させてマルトオリゴ糖誘導体(b)の非還元末端にβ−ガラクトピラノシル基を導入することにより製造することができる。
【0026】
また、別法としては、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオースなどのマルトオリゴ糖およびラクトースを用いてβ−ガラクトシダーゼによりマルトオリゴ糖の非還元末端にガラクトピラノシル基を導入して合成したガラクトピラノシルマルトオリゴ糖に、塩基触媒(ピリジンもしくは酢酸ナトリウムなど)の存在下、無水酢酸中で室温あるいは加温してアセチル化し、ガラクトピラノシルマルトオリゴ糖保護体とする。次いで無機溶媒の存在下、もしくは無溶媒下、アルカリおよび無水酢酸およびフェノール類、例えば2−クロロ−4−ニトロフェノールとともに加熱して還元性末端をフェノール類により修飾し、最後にメタノール中、触媒量のナトリウムメチラートによる公知の脱保護反応により、目的であるガラクトピラノシルマルトオリゴ糖誘導体を製造する方法がある。」と記載されている。
【0027】
ここで、特開平6−315399号公報に記載されているような有機化学的方法で式(2)の目的化合物を製造しようとする場合、式(3)
【0028】
【化11】
【0029】
で表される高価で、工業的に入手困難なガラクトシルマルトースを原料として用いなければならないといった問題がある。
【0030】
ここで、本発明者らは、特開平3−264596号公報に記載のある製造方法を準用して、2−クロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシドの製造を試みたところ、アミラーゼ基質としては非常に感度の低い(β−1,4結合した化合物の1/20程度)ガラクトシル基が式(8)
【0031】
【化12】
【0032】
で表されるβ−1,6結合した2−クロロ−4−ニトロフェニル 6−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシドを70%前後も生成し、選択性が逆転してしまうことが判明した。
【0033】
また、β−1,4結合した化合物と、β−1,6結合した化合物との混合物より、目的物であるβ−1,4結合した化合物を得ようとしても、工業的に単離することは極めて困難である。
【0034】
したがって、特開平6−315399号公報に記載のある特開平3−264594号公報を準用する製造方法では、グルコースの繰り返し単位が異なるだけの類似化合物であるものの、式(2)の目的化合物を満足に合成することはできない。
【0035】
また、酵素の起源によっては、たとえβ−ガラクトシダーゼであっても目的物質であるβ−1,4結合した化合物を優先的に生成することはなく、β−1,6結合した化合物を優先的に生成することもある。上記のようなβ−ガラクトシダーゼ転移能の位置選択性の制御に関する問題については、これまで何ら認識されたことはなかった。
【0036】
このように従来の製造方法によると、α−アミラーゼ活性測定基質としては極めて感度の低い式(8)
【0037】
【化13】
【0038】
で表されるβ−1,6結合した2−クロロ−4−ニトロフェニル 6−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシドが、副生物として生成し、それを工業的に除去精製することは極めて困難であり、また、このような副生物が高純度品が要求される臨床診断用の基質に混入することは好ましくないことから、ガラクトシル基を高位置選択的に導入する技術が求められていた。
【0039】
この点に関し、特開平6−86683号公報によると、β−1,6結合したガラクトシルマルトオリゴ糖誘導体の副生を抑えるため、第2段階の反応としてマルトオリゴ糖誘導体に、α−アミラーゼを作用させる方法を採用している。
【0040】
しかしながら、同法ではガラクトシル基の導入に関して、その位置選択性を向上させることは可能となったものの、転移率が10%〜20%程度と大変低い酵素転移反応を2段階も用いる同法は、非常に収率および生産効率が低いといった問題を生じてしまい、工業的製法としては不十分なものであった。
【0041】
【発明の課題を解決するための手段】
【0042】
本発明者らは、各種疾患の診断に用いられるα−アミラーゼ活性測定試薬測定用基質である式(2)の化合物を、安価な原料を用い、一段階の酵素反応で、高収率、かつ高位置選択的に製造することを目的として鋭意検討を行い、本発明方法を完成するに至った。
【0043】
すわなち、本発明は、ラクトースと、式(1)
【0044】
【化14】
【0045】
で表される2−クロロ−4−ニトロフェニル−α−マルトシドとを、β−ガラクトシダーゼの共存下に反応させることを特徴とする式(2)で表される2−クロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシドの製造方法に関する。
【0046】
【発明の実施の形態】
【0047】
本発明の製造方法にて用いられる式(1)の化合物は、市販のマルトースより特開平8−67691号公報、特開平8−67692号公報などに記載の方法で製造される。
【0048】
転移反応において、ラクトースの基質濃度は、反応溶液に対して、3〜40%、好ましくは5〜20%とし、式(1)の化合物の基質濃度は、反応溶液に対して、1〜40%、好ましくは1〜20%、さらに好ましくは2〜9%である。
【0049】
β−ガラクトシダーゼとしては、Bacillus circulans由来の酵素がよく、たとえば、市販品として入手できる大和化成株式会社製の商品名「β−1,4−ガラクトシダーゼII」があげられる。また、公知の固定化酵素法を用いても本発明方法により、目的物を生成することができる。
【0050】
β−ガラクトシダーゼの濃度は、ガラクトシル基を高位置選択的に導入するために、反応溶液1mlあたり0.01〜0.8mg、好ましくは0.01〜0.4mg、さらに好ましくは、0.01〜0.1mgである。
【0051】
反応時間は、酵素を添加したのち1分〜30時間から選択することができる。
【0052】
反応温度は20〜70℃の範囲から選択することができる。
【0053】
反応溶媒は、水、または水と親水性有機溶媒との混合溶媒を用いることができる。親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロプロピルアルコール、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、プロピレングリコール、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンまたはこれらの混合物を挙げることができる。
【0054】
親水性有機溶媒の含有率は10〜90%、好ましくは40〜70%が適当である。また、これらの親水性有機溶媒は単独あるいは混合しての使用も可能である。
【0055】
反応溶媒は、pHを5〜8の範囲で調整されるのがよく、このために公知の緩衝溶液などが使用できる。
【0056】
反応終了後、反応液を加熱または反応液のpHを低下あるいは上昇させることで酵素反応を停止させる。次いでカラムクロマトグラフィーなどにより精製し、目的物質を得ることができる。
【0057】
【実施例】
【0058】
実験例中に記載された略号は、以下の通りを意味する。
酵素A:Bacillus circulans由来のβ−ガラクトシダーゼ(大和化成株式会社製;商品名「β−1,4−ガラクトシダーゼII」)。
酵素B:E.Coli由来のβ−ガラクトシダーゼ(フナコシ株式会社製;商品番号「FT−0052−09」)。
酵素C:Aspergillus sp.由来のβ−ガラクトシダーゼ(フナコシ株式会社製;商品番号「FT−0052−01」)。
IPA:イソプロピルアルコール。
AN:アセトニトリル。
DMSO:ジメチルスルホキシド。
67mMリン酸緩衝溶液:規定濃度のリン酸水溶液(pH7.0)。
【0059】
実験例1:比較例1〜6
ラクトース一水和物600.0mgと、2−クロロ−4−ニトロフェニル−α−マルトシド300.0mgを、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、またはジメチルスルホキシドの何れかの親水性有機溶媒と、67mMリン緩衝溶液とを、下記に示した割合で混合した混合溶媒5.0mlに投入後、酵素Aを、混合溶媒1mlあたり1.0mgの割合で添加し、40℃で、3時間または10時間反応させた。100℃に加温することにより反応を終了させた。反応終了後、ガラクトシルマルトオリゴ糖誘導体(以下に示したβ−1−4体とβ−1−6体の混合物である)を分離し、2−クロロ−4−ニトロフェニル−α−マルトシドに対するガラクトシルマルトオリゴ糖誘導体の収率(以下、糖誘導体収率と示す。)を測定したところ、いずれも15〜20%であった。反応終了後、ODSカラムで精製する前の反応生成物について、式(2)
【0060】
【化15】
【0061】
で表される2−クロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシド(以下、β−1−4体と示す。)と、式(8)
【0062】
【化16】
【0063】
で表される2−クロロ−4−ニトロフェニル 6−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシド(以下、β−1−6体と示す。)との生成比(以下、1−4/1−6生成比と示す。)を、高速液体クロマトグラフィーを用いて求めた。これらの結果を以下に示した。
【0064】
試験例 酵素 酵素濃度 溶媒組成 1-4/1-6 生成比 反応時間
比較例1 A 1.00 DMSO:水=2:8 28: 72 10時間
比較例2 A 1.00 IPA :水=5:5 34: 66 10時間
比較例3 A 1.00 AN :水=5:5 36: 64 10時間
比較例4 A 1.00 DMSO:水=2:8 47: 53 3時間
比較例5 A 1.00 IPA :水=5:5 51: 49 3時間
比較例6 A 1.00 AN :水=5:5 54: 46 3時間
【0065】
文献に記載されていた方法を準用し、β−ガラクトシダーゼとして酵素Aを用いた実験例1において、β−1,4体は選択的に得られず、β−1,6体の方がより多く生成した例もあった。
【0066】
実験例2:比較例7〜12
実験例1と同様に、酵素Aの代わりに酵素Bを用いて、同様の実験を行った。
これら結果、糖誘導体収率は、15〜20%であった。また、1−4/1−6生成比を以下に示した。
【0067】
試験例 酵素 酵素濃度 溶媒組成 1-4/1-6 生成比 反応時間
比較例7 B 1.00 DMSO:水=2:8 0:100 10時間
比較例8 B 1.00 IPA :水=5:5 0:100 10時間
比較例9 B 1.00 IPA :水=2:8 0:100 10時間
比較例10 B 1.00 DMSO:水=2:8 0:100 3時間
比較例11 B 1.00 IPA :水=5:5 0:100 3時間
比較例12 B 1.00 IPA :水=2:8 0:100 3時間
【0068】
文献に記載されていた方法を準用し、β−ガラクトシダーゼとして酵素Bを用いた実験例2において、β−1,4体は得られず、β−1,6体のみが生成した。
【0069】
実験例3:比較例13〜16
実験例1と同様に、酵素Aの代わりに酵素Cを用いて、同様の実験を行った。これら結果、糖誘導体収率は、15〜20%であった。また、1−4/1−6生成比を以下に示した。
【0070】
試験例 酵素 酵素濃度 溶媒組成 1-4/1-6 生成比 反応時間
比較例13 C 1.00 DMSO:水=2:8 3: 97 10時間
比較例14 C 1.00 IPA :水=5:5 5: 95 10時間
比較例15 C 1.00 DMSO:水=2:8 12: 88 3時間
比較例16 C 1.00 IPA :水=5:5 10: 90 3時間
【0071】
文献に記載されていた方法を準用し、β−ガラクトシダーゼとして酵素Cを用いた実験例3において、β−1,4体はほとんど得られず、むしろβ−1,6体が選択的に生成した。
【0072】
実験例4:実施例1〜24
ラクトース一水和物600.0mgと、2−クロロ−4−ニトロフェニル−α−マルトシド300.0mgを、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、またはジメチルスルホキシドの何れかの親水性有機溶媒と、67mMリン緩衝溶液とを、下記に示した割合で混合した混合溶媒5.0mlに投入後、酵素Aを、混合溶媒1mlあたり下記に示した割合で添加し、40℃で、3時間または10時間反応させた。100℃に加温することにより反応を終了させた。糖誘導体収率は、いずれも15〜20%であった。反応終了後、ODSカラムで精製する前の反応生成物について、実験例1と同様に、1−4/1−6生成比を求めた。
【0073】
試験例 酵素 酵素濃度 溶媒組成 1-4/1-6 生成比 反応時間
実施例1 A 0.04 IPA :水=5:5 92: 8 10時間
実施例2 A 0.10 IPA :水=5:5 82: 18 10時間
実施例3 A 0.30 IPA :水=5:5 67: 33 10時間
実施例4 A 0.04 IPA :水=2:8 76: 24 10時間
実施例5 A 0.10 IPA :水=2:8 67: 33 10時間
実施例6 A 0.04 AN :水=5:5 92: 8 10時間
実施例7 A 0.10 AN :水=5:5 80: 20 10時間
実施例8 A 0.30 AN :水=5:5 68: 32 10時間
実施例9 A 0.04 DMSO:水=5:5 89: 11 10時間
実施例10 A 0.10 DMSO:水=5:5 82: 18 10時間
実施例11 A 0.30 DMSO:水=5:5 63: 37 10時間
実施例12 A 0.04 DMSO:水=2:8 79: 21 10時間
実施例13 A 0.04 IPA :水=5:5 90: 10 3時間
実施例14 A 0.10 IPA :水=5:5 91: 9 3時間
実施例15 A 0.30 IPA :水=5:5 80: 20 3時間
実施例16 A 0.04 IPA :水=2:8 74: 26 3時間
実施例17 A 0.10 IPA :水=2:8 83: 17 3時間
実施例18 A 0.04 AN :水=5:5 90: 10 3時間
実施例19 A 0.10 AN :水=5:5 87: 13 3時間
実施例20 A 0.30 AN :水=5:5 82: 18 3時間
実施例21 A 0.04 DMSO:水=5:5 86: 14 3時間
実施例22 A 0.10 DMSO:水=5:5 75: 25 3時間
実施例23 A 0.30 DMSO:水=5:5 77: 23 3時間
実施例24 A 0.04 DMSO:水=2:8 87: 13 3時間
【0074】
実験例4により、酵素Aを用いて、β−ガラクトシダーゼの濃度を、混合溶媒1mlあたり0.04mg、0.1mg、または0.3mgとしたところ、β−1,4体が選択的に得られることがわかった。
【0075】
実施例1について、反応終了後、ODSカラムを用いて分離精製し、凍結乾燥して、β−1,4体である2−クロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシド72mgを得た。
【0076】
実験例5:比較例17〜28
実験例4と同様に、酵素Aの代わりに酵素Bを用いて、同様の実験を行った。これら結果、糖誘導体収率は、15〜20%であった。また、1−4/1−6生成比を以下に示した。
【0077】
試験例 酵素 酵素濃度 溶媒組成 1-4/1-6 生成比 反応時間
比較例17 B 0.04 IPA :水=5:5 0:100 10時間
比較例18 B 0.10 IPA :水=5:5 0:100 10時間
比較例19 B 0.30 IPA :水=5:5 0:100 10時間
比較例20 B 0.04 AN :水=5:5 0:100 10時間
比較例21 B 0.04 DMSO:水=2:8 0:100 10時間
比較例22 B 0.04 IPA :水=5:5 0:100 10時間
比較例23 B 0.04 IPA :水=5:5 0:100 3時間
比較例24 B 0.10 IPA :水=5:5 0:100 3時間
比較例25 B 0.30 IPA :水=5:5 0:100 3時間
比較例26 B 0.04 AN :水=5:5 0:100 3時間
比較例27 B 0.04 DMSO:水=2:8 0:100 3時間
比較例28 B 0.04 IPA :水=5:5 0:100 3時間
【0078】
酵素Aの代わりに酵素Bを用いたところ、β−1,4体は得られず、β−1,6体のみが生成した。
【0079】
実験例6:比較例29〜32
実験例4と同様に、酵素Aの代わりに酵素Cを用いて、同様の実験を行った。これら結果、糖誘導体収率は、15〜20%であった。また、1−4/1−6生成比を以下に示した。
【0080】
試験例 酵素 酵素濃度 溶媒組成 1-4/1-6 生成比 反応時間
比較例29 C 0.04 DMSO:水=2:8 5: 95 10時間
比較例30 C 0.04 IPA :水=5:5 7: 93 10時間
比較例31 C 0.04 DMSO:水=2:8 7: 93 3時間
比較例32 C 0.04 IPA :水=5:5 9: 91 3時間
【0081】
酵素Aの代わりに酵素Cを用いたところ、β−1,4体はほとんど得られず、むしろβ−1,6体が選択的に生成した。
【0082】
上記の実験例1〜6により、β−ガラクトシダーゼの濃度と種類を選択することにより、本発明の目的であるβ−1,4体を選択的に製造することができることが、確認された。
【0083】
【発明の効果】
【0084】
本発明の式(2)
【0085】
【化17】
【0086】
で表される2−クロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシドの製造方法は、高価な式(3)
【0087】
【化18】
【0088】
で表されるガラクトシル−マルトースを用いることなく大変安価なラクトースと、式(1)
【0089】
【化19】
【0090】
で表される2−クロロ−4−ニトロフェニル−α−マルトシドとを出発原料にし、非常に高い選択性でβ−1,4結合を生成させることを可能にしたことで、一段階のみの酵素転移反応で、目的物質を純度よく生成し得る非常に効率の良い工業的製造法として極めて有用である。
Claims (2)
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Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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