JP3828082B2 - 排ガス処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置等から排出される排ガス中に含まれる可燃性ガスを燃焼させる排ガス処理装置に関するものであり、特に可燃性ガスが水素(H2)のときに好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造装置や液晶製造装置などの製造装置から排出され排ガスには、危険な可燃性ガスが含まれていることが多いので、そのまま大気に放出することはできない。そこで、排ガス処理装置を使って、大気放出前に可燃性ガスを熱源で燃焼させることが行なわれている。従来、排ガス処理装置には、熱源の種類に応じて、単一熱源による着火・燃焼方式(例えば、特許文献1参照)と、電気スパークの着火、燃焼方式(例えば、特許文献2参照)とがある。
【0003】
図2は単一熱源による着火、燃焼方式を示す。単一熱源による燃焼処理装置の構成は次の通りである。可燃性ガス導入管8、排気管11、及び空気取込口12が設けられた燃焼室14内に、単一熱源13が設けられる。単一熱源13は、金属製で熱を全周に伝えるケース15と、このケース15内に配設されて電気エネルギーを熱エネルギーに変換する電熱材としての電熱ヒータ16と、熱源13の温度を検知する熱電対5と、ケース15内の空間を埋める絶縁物質17とから構成される。燃焼室14の外に設けられた温度コントローラ7によって、熱電対5で検知した熱源13の温度が所定温度に維持されるように、電熱ヒータ16への電力が制御される。
【0004】
排気管11からの吸引により空気取込口12から大気(空気)が燃焼室14内に取り込まれ、燃焼室14内には空気が常時流れている状態にある。そこに着火用ガス配管24から、制御された流量の水素(H2)ガスを流し、単一熱源13の熱エネルギーにより大気中の酸素と反応させて水素を着火させる。着火後、可燃性ガス導入管8から排ガスを燃焼室14内に流して大気中の酸素と混合させ、着火による炎10及び熱源の熱エネルギーにより、排ガス中に含まれる可燃性ガスを燃焼させ、排ガスの燃焼処理を行なう。燃焼後の排気ガスは、排気管11から排出される。
【0005】
このような単一熱源方式では、排ガスを構成する可燃性ガスと非可燃性ガスのうち、可燃性ガスの混合比が高い場合は、可燃性ガスが十分に燃焼するので可燃性ガスの残留濃度は低い値を示すが、混合比が低い場合は、ほとんど未燃焼であるので残留濃度が高い値を示し、未燃焼ガスは、そのまま排気管11から排出されてしまう。また、単一熱源であるため、電熱ヒータ16が断線した場合、熱源13への熱供給が停止されて、着火、燃焼が出来なくなる。さらに、高温燃焼による熱源13の周壁の劣化や、高温燃焼による反応熱でケース15内の電熱ヒータ16が断線し易く、使用温度範囲が制限される。
【0006】
図3は電気スパークの着火、燃焼方式を示す。基本的構成は、図2に示す単一熱源による着火、燃焼方式と同じである。異なる点は、着火・燃焼を電熱ヒータではなく、電気スパークで行わせる点である。電気スパークの構成は、電圧を高める昇圧トランス29にバーナ電極28、28が接続され、高電圧によりスパークさせるというものである。
【0007】
空気が常時流れている燃焼室14内に着火用ガス配管24から水素(H2)ガスを流し、電気的スパークのエネルギーにより大気中の酸素と反応させて水素を着火させる。着火後、可燃性ガス導入管8から排ガスを燃焼室14内に流して大気中の酸素と混合させ、着火による炎10により、排ガス中に含まれる可燃性ガスを燃焼させ、排ガスの燃焼処理を行なう。
【0008】
ところが、着火出来ない時に電気スパークが繰り返しスパークしてしまい、着火した時に可燃性ガスの濃度が異常に高い濃度に達していれば、不具合が生じる場合がある。また、バーナ電極28の劣化によって確実に電気スパークされず着火できないこともある。また、燃焼により生じる炎10は、排気管11の圧力によってふらつき、燃焼効率が不安定になる。さらに、この場合も単一熱源による方式と同様に、燃焼領域が可燃性ガス導入管の導出口の1箇所であり、空気中の酸素が過剰に存在する場合には、低濃度の可燃性ガスの燃焼処理効率が悪いという問題がある。
【0009】
単一熱源方式、及び電気スパーク方式は、安全な燃焼を行なうために、必ず図2、及び図3に示すように着火用のガス設備を必要とする。着火ガスとして通常は水素(H2)を用いる。着火用のガス設備の構成は、燃焼室14に着火用ガス配管24を接続して、この着火用ガス配管24を通した水素(H2)ガスを燃焼室14に供給する。そのために、手動弁18を介して配管24内を流す水素(H2)ガスに含まれている不純物をフィルタ19で取り除き、圧力計21を目視で監視しながら水素(H2)ガス圧力を手動レギュレータ20でコントロールし、さらにエアバルブ22を介してマスフローコントローラ23で流量制御する必要がある。このように、単一熱源方式、又は、電気スパーク方式では、必ず着火用のガス設備が必要となる為に設備費がかかる。
【0010】
【特許文献1】
特開平7−323211号公報
【0011】
【特許文献2】
特開平6−129627号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術には次のような問題点があった。単一熱源方式は、断線による熱供給停止をしてしまい着火、燃焼が出来ない問題がある。また、電気スパークの方式は、確実に電気スパークされず着火できないことがあった。さらに、単一熱源と電気スパークとに共通するが、着火用のガス設備が必要であるために設備費がかかる。
【0013】
本発明の課題は、熱源として電熱材を用いながら、上述した従来技術の問題点を解消して、断線が生じても着火・燃焼が可能で、また、確実に着火させることが可能で、さらに着火用のガス設備を必要としない排ガス処理装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、電熱材を有する2個以上の熱源を備え、これらの熱源のエネルギーを合わせて排ガス中に含まれる可燃性ガスを着火・燃焼させ、これらの熱源のうち少なくとも1個の熱源のエネルギーで前記可燃性ガスの燃焼を継続できるようにしたことを特徴とする排ガス処理方法である。2個以上の熱源で着火と燃焼を共用できるので、専用の着火設備が不要となり、また、熱源を多重化したので1個の熱源が断線しても、他の熱源で燃焼を継続できる。さらに、熱源に外部から空気を供給するので可燃性ガスの燃焼効率を高めることができる。
【0015】
第2の発明は、排ガス中に含まれる可燃性ガスを空気を加えて燃焼させる燃焼室と、燃焼室内に設けられた電熱材を有する2個以上の熱源であって、これらの熱源のエネルギーを合わせて排ガス中に含まれる可燃性ガスを着火・燃焼させるための熱エネルギーを放出する熱源と、前記2個以上の熱源の温度を個別に検知する温度検知手段と、前記温度検知手段の検知温度に基づいて前記2個以上の熱源の電熱材に供給する電力を個別に制御する制御部とを備えた排ガス処理装置である。
【0016】
2個以上の熱源で着火と燃焼を共用できるので、専用の着火設備が不要となり構成を簡素化できる。また、熱源を多重化して、電熱材に供給する電力を制御部により個別に制御するようにしたので、1個の熱源が断線しても、他の熱源で燃焼を継続できる。
【0017】
第3の発明は、第2の発明において、燃焼室は、燃焼室内に可燃性ガスを含む排ガスを導入する可燃性ガス導入管と、燃焼室内を排気する排気管と、燃焼室内に空気を取り込む空気取込口と、を備える排ガス処理装置である。可燃性ガスは空気取込口から取込まれた空気と混合されて熱源の熱により燃焼室内で着火・燃焼して、燃焼後は排気ガスとして排気管から排気される。
【0018】
第4の発明は、第3の発明において、前記熱源は、前記可燃性ガス導入管の導出口に連通した筒状の第1熱源部と、筒状の第1熱源部に設けられた第1電熱材と、前記第1熱源部の筒内に挿入されて、筒状の第1熱源部との間にガス流路を形成する第2熱源部と、第2熱源部に設けられた第2電熱材と、前記ガス流路に連通するように前記第1熱源部に設けられ、前記燃焼室に設けた空気取込口から燃焼室内に取り込まれた空気を前記ガス流路内に導入する空気孔とを備える排ガス処理装置である。
【0019】
第1熱源部及び第2熱源部の熱エネルギーを合わせて与えられた可燃性ガスはガス流路内で空気と混合されてガス流路内で燃焼するが、空気孔から導入される空気量では酸素濃度が不十分で燃焼しきれなかった濃度の高い可燃性ガスは、ガス流路内よりも酸素濃度の高い燃焼室内の第1熱源部及び第2熱源部の上方で燃焼する。
【0020】
第5の発明は、第4の発明において、前記温度検知手段は、前記第1熱源部の温度を検知する第1温度検知器と、前記第2熱源部の温度を検知する第2温度検知器とを備える排ガス処理装置である。第1熱源部と第2熱源部の温度を個別に検知することができる。
【0021】
第6の発明は、第5の発明において、前記制御部は、第1熱源部及び第2熱源部が設定温度になるように、第1温度検知器及び第2温度検知器の検知温度に基づいて、第1電熱材及び第2電熱材に供給する電力を制御するものである排ガス処理装置である。第1温度検知器及び第2温度検知器の検知温度に基づいて第1電熱材及び第2電熱材に供給する電力を制御するので、設定温度を維持することができる。
【0022】
なお、上記第4の発明ないし第6の発明において、筒状の第1熱源部と第2熱源部との隙間を2〜20mm、筒状の第1熱源部の全長を30〜300mm、第1熱源部及び第2熱源部の設定温度を650〜1000℃、前記排ガスの可燃性ガスと不燃性ガスとの混合ガス流量を5〜200L/minとすることが好ましい。このようにすると排ガス中に含まれる可燃性ガスを効率よく燃焼できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
図1は本発明の排ガス処理装置を示す。排ガス処理装置は、排ガス中に含まれる可燃性ガスを燃焼させる燃焼室1と、燃焼室1内に2個以上設けられて、可燃性ガスを着火させるとともに燃焼させるための熱エネルギーを放出する熱源30と、熱源30の温度を検知する温度検知手段(図示せず)と、検知温度に基づいて熱源30を制御する制御部としての温度コントローラ7とを備える。
【0025】
燃焼室1は、例えばステンレスなどの耐熱性部材で構成され、内部で可燃性ガスを燃焼させるようになっている。燃焼室1の下部から燃焼室1内に可燃性ガス導入管8が挿入されて、燃焼室1内に可燃性ガスを含む排ガスを導入するようになっている。可燃性ガス導入管8は図示例では垂直部8aと水平部8bとを有し、その垂直部8aの上部が燃焼室1内に挿入され、その水平部8bが図示しない半導体製造装置の排気口と連結され、半導体製造装置から排出される可燃性ガスを含む排ガスを燃焼室1内に導入するようになっている。ここで、半導体製造装置から排出される可燃性ガスとして、例えば、H2ガスが挙げられる。
【0026】
燃焼室1の上部に排気管11が設けられ、可燃性ガスを燃焼した後の排気ガスを排気管11から大気中に放出するようになっている。
【0027】
可燃性ガス導入管8が挿入された燃焼室1の下部の外周に、複数の空気取込口12が設けられ、燃焼室1の外部から燃焼室1内に支燃性ガスとしての大気(空気)を取り込めるようになっている。
【0028】
燃焼室1の炎10が発生する上部内側壁にこれを覆う冷却ユニット9が設けられ、燃焼により炎10に晒されて加熱される側壁を冷却できるようになっている。冷却ユニット9は、例えば水等の冷媒を循環させて壁面を冷却する冷却ジャケットで構成しても、または単に断熱材を内側壁にコーティングするだけで構成してもよい。なお、冷却ユニット9は燃焼室1の全周内壁、または外壁に設けてもよい。
【0029】
多重熱源30は、セラミックスなどの耐熱性部材からなる2個以上の熱源部2、3から構成される。ここでは、第1の熱源部2と第2の熱源部3とから構成され、同軸的に配置された2重熱源構造としている。
【0030】
外側に配置される第1の熱源部2は、可燃性ガス導入管8と同径の円筒状をしており、可燃性ガス導入管8の直上に設けられ、導出口8c(水平線を引いて示す)と連通している。筒状の第1熱源部2の部内には、電熱材としての第1電熱ヒータ(図示せず)が設けられ、第1熱源部2を加熱できるようになっている。第1電熱ヒータを筒体の内部に設けるには、筒内に電熱ヒータを埋め込むか、または第1熱源部2内に空洞を形成し、その空洞内に電熱ヒータを配設するようにしてもよい。電熱ヒータはこれに供給される電力量によって第1熱源部2の温度をコントロールできるようになっている。ここで、電熱ヒータは、例えばカンタル線などから構成される。
【0031】
内側に配置される第2の熱源部3は、棒状ないし円柱状(以下、単に棒状という)をしており、第1熱源部2の筒内から、これに連通している可燃性ガス導入管8の垂直部8aにわたって挿入され、筒状第1熱源部2及び可燃性ガス導入管8の垂直部8aとの間にガスを流す円筒形のガス流路27を形成している。第2熱源部3の上端は第1熱源部2の筒口(ガス流路口)から少しはみ出すように配置しても、はみ出さずに同じ高さにしても、あるいは引っ込めてもよく、下端は可燃性ガス導入管8の垂直部8aから管外に取り出すようにしている。棒状の第2熱源部3の部内には、第1電熱ヒータと同様の第2電熱ヒータ(図示せず)が設けられ、第2熱源部3を加熱できるようになっている。第2電熱ヒータを棒内に設けるには、棒内に電熱ヒータを埋め込むか、または第2熱源部3内に空洞を形成し、その空洞内に電熱ヒータを配設するようにしてもよい。棒状の第2熱源部3の発熱部は、第2熱源部の全長としてもよいが、少なくとも第1熱源部2と重なっている上部だけでよい。この場合、電熱ヒータは、第2熱源部3の上部にのみ配設すればよく、上部のみが実質的な第2熱源部3を構成する。
【0032】
また、第1熱源部2の筒壁下部に空気孔4が設けられ、燃焼室1下部に設けた空気取込口12から燃焼室1内に取り込まれた空気を、第1熱源部2と第2熱源部3との間に形成されたガス流路27内に取り込んで、可燃性ガス導入管8を通ってガス流路27に導入される排気ガスに混合するようになっている。この排気ガスとの混合を容易にするために、空気孔4は第1熱源部2の筒壁の外周に沿って複数設けるようにする。
【0033】
第1熱源部2の内周壁と第2熱源部3の外周壁の間のガス流路27に流れる可燃性ガスの圧力は、空気孔4の外周圧力より低くなるために、燃焼室1内の空気が第1熱源部2の内周壁と熱源部3の外周壁との間のガス流路27内に引き込まれてガス流路内27を流れる。
【0034】
温度検知器(図示せず)は、第1熱源部2の温度を検知する第1温度検知器(図示せず)と、第2熱源部3の温度を検知する第2温度検知器(図示せず)とから構成される。第1温度検知器及び第2温度検知器は、例えば熱電対で構成されて、それぞれ第1熱源部2内及び第2熱源部3内に埋め込まれる。
【0035】
第1熱源部2の第1電熱ヒータに電力を供給する2本の電源ケーブル6a、6bは筒状の第1熱源部2の上部と下部とから引き出されて燃焼室1の下部を通して温度コントローラ7に接続される。第2熱源部3の第2電熱ヒータに電力を供給する2本の電源ケーブル26a、26bは、共に第2熱源部3の下端から引き出されて温度コントローラ7に接続される。
【0036】
第1温度検知器の温度検知信号を伝えるケーブル5aは、第1熱源部2内に埋め込んだ熱電対から空気孔4を介して引き出し燃焼室1の下部を通して温度コントローラ7に接続される。第2温度検知器の温度検知信号を伝えるケーブル6bは棒状第2熱源部3の下端から引き出して温度コントローラ7に接続される。
【0037】
温度コントローラ7は、第1熱源部2及び第2熱源部3が設定温度になるように、第1温度検知器及び第2温度検知器の検知温度に基づいて、第1電熱ヒータ及び第2電熱ヒータへの電力を制御するようになっている。
【0038】
以下、この排ガス処理装置の動作について説明する。
【0039】
排気管11に設けた図示しない排気設備などのガス吸引手段により、燃焼室1内の雰囲気を排気管11から吸引して、燃焼室1の下部に設けた空気取込口12から燃焼室1内に大気を取り込むことにより、燃焼室1内に常時空気が流れるようにする。
【0040】
第1熱源部2及び第2熱源部3の各電熱ヒータに電流を流し、温度コントローラ7による制御によって、第1熱源部2及び第2熱源部3を前述した設定温度になるように加熱する。加熱温度は、第1熱源部2及び第2熱源部3間に形成されるガス流路27を流れる混合ガスが、水素などの着火ガスを必要とすることなく、可燃性ガス導入管8から導入される可燃性ガスが直接着火するのに十分な温度とする。
【0041】
加熱後、可燃性ガス導入管8のバルブ(図示せず)を開いて、図示しない半導体製造装置の排気口と可燃性ガス導入管8とを連通させて、半導体製造装置から排出される排ガスを可燃性ガス導入管8に導入する。ガス流路27を上昇してくる排気ガスは、途中で、第1熱源部2に設けた空気孔4から引き込まれる空気と混合されて、温度コントローラ7で温度コントロールされた2重熱源30の合せた熱エネルギーにより加熱されたガス流路27を通過する際、可燃性ガスが確実に熱源部2、3に触れるため、燃焼温度に高められる。このため、着火装置を別個に要することなく、可燃性ガスはガス流路27内で燃焼反応が起き、着火して燃焼する。可燃性ガスは、2重熱源30による高熱エネルギーと空気孔4から入る空気の酸素とにより燃焼するので、排気ガスに含まれ可燃性ガスが低濃度でも効率良く燃焼できる。
【0042】
濃度の高い可燃性ガスは、空気孔4からガス流路27内に取り込まれる酸素だけでは反応できず、未燃ガスとして第1熱源部2の導出口2aから出てくるが、その導出口2a近傍には、空気取込口12から燃焼室内に取り込まれた十分な空気が存在しているため、濃度の高い可燃性ガスは空気と十分に混合される。しかも、導出口2a近傍では、第1熱源部2及び第2熱源部3によって高温になっているばかりか、ガス流路27内の燃焼して流路口から出る炎10によっても加熱されているため、濃度の高い可燃性ガスであっても容易に燃焼することになる。
【0043】
この燃焼による炎10の熱によって、燃焼室1の上部内側壁は、高温に晒されるが、実施の形態では、上部内側壁に冷却ユニット9を設けているので、冷却ユニット9が熱を遮断して内側壁が高温に晒されるのを防ぐために、燃焼室1の側壁は熱から有効に保護される。
【0044】
燃焼によって発生した高温排ガスや当初から排ガス中に含まれていた非可燃性ガス、そして余剰の空気は、排気管11から大気中に放出される。
【0045】
ここで、筒状の第1熱源部2と棒状の第2熱源部3との隙間は2〜20mmの範囲が燃焼を有効にするために適当である。隙間が2mm未満の場合には、通気抵抗が大きくなり、空気が十分に取り込まれず燃焼が不完全になる。逆に20mmを超えると、圧力差が生じなくなって空気がガス流路27内に取り込まれなくなり、燃焼反応しなくなる。
【0046】
また、筒状の第1熱源部2の全長は30〜300mmの範囲が適当である。全長が30mm未満の場合には、ガス流路27を通過する空気の加熱が不十分であるので、燃焼が不完全になる。また300mmを超える長さに見合ったヒータを作製することは難しい。
【0047】
また、温度コントローラ7によって制御される第1熱源部2及び第2熱源部3の設定温度は650〜1000℃の範囲が適当である。650℃未満の場合には、燃焼が不完全になり、H2とO2とが反応しない。また、1000℃を超える温度を作る熱源やその温度に耐える燃焼室構造を実現するのが難しい。
【0048】
また、可燃性ガス導入管8から燃焼室1内に導入する排ガスの可燃性ガスと不燃性ガスとの混合ガス流量は、5〜200L/minの範囲が適当である。混合ガス流量が5L/min未満であると、燃焼効率が悪い。逆に200L/minを超えると不完全燃焼するため好ましくない。
【0049】
上述したように実施の形態によれば、2重熱源で高温加熱される狭いガス流路27内で可燃性ガスを空気と混合して燃焼させるようにしたので、水素などの支燃性燃ガスを用いる着火用のガス設備なしで、ダイレクトに排ガス中に含まれる可燃性ガスを着火、燃焼させることができる。したがって、大気以外の支燃性ガスや着火用ガス設備が不要となるので、装置構成を大幅に簡素化できる。
【0050】
また、熱源を、独立して電力制御できる2重熱源30としたので、単一熱源方式と異なり、一方の熱源が断線しても、残った他方の熱源で熱供給ができるので、燃焼を継続できる。したがって、熱源に一部に断線が生じても、未燃ガスは生じず、危険な未燃ガスが排気管11から大気中に放出されることを有効に防止できる。
【0051】
また、熱源30を、内部にガス流路27を形成した2重熱源としたので、燃焼領域がガス流路27と熱源30上部との二ヶ所に設けられることになり、一方のガス流路27では濃度の低い可燃性ガスを燃焼でき、他方の熱源30上部では濃度の高い可燃性ガスを燃焼させることができる。したがって、可燃性ガス濃度にかかわらず、排ガス中に含まれる可燃性ガスを有効に燃焼させることができる。
【0052】
また、2重熱源30により生じる炎10から燃焼室周壁に放射される高熱を冷却ユニット9で遮断するようにしたので、燃焼室1を高温から有効に保護することができる。また、熱源30は断熱材となるセラミックスで構成されているので、従来の単一熱源方式と異なり、熱源中に設けられた電熱ヒータが断線しずらく、使用温度範囲も限定されるということもなくなり、上限は前述したように1000℃まで可能である。
【0053】
特に、電気スパークの方式では、着火した時に可燃性ガスの濃度が高濃度に達していれば、不具合現象が発生する問題があったが、実施の形態では、着火を確実に行うことができるので、そのような問題は生じなくなる。また、バーナ電極を用いないので、電極の劣化によって電気スパークされず着火できないというような不具合も生じなくなる。さらに、たとえ排気管11の圧力によって熱源30上部で形成されている炎10がふらついても、上述したように炎10が出ている1箇所のみで燃焼しているのではなく、他の箇所であるガス流路内でも可燃性ガスは燃焼しているので、燃焼効率も安定する。
【0054】
図4に、実施の形態の2重熱源、従来例の単一熱源を用いて、H2ガスとN2ガスの混合ガスを燃焼処理したときの燃焼効率データを比較して示し、参考までに燃焼処理しないときの未処理データも示した。横軸は可燃性ガス導入管8から可燃性ガス導入方向に流した水素(H2)と窒素(N2)の混合比(H2/(H2+N2)%)を示し、縦軸は排気管部で測定したH2残留濃度(ppm)を示している。
【0055】
ここで、2重熱源では、
筒状の第1熱源部と棒状の第2熱源部との隙間:4mm
筒状の第1熱源部の全長:80mm
第1熱源部及び第2熱源部の設定温度:900℃
排ガスの可燃性ガスH2と不燃性ガスN2との混合ガス流量:90L/min
また、単一熱源では、熱源部の温度は900℃である。
【0056】
単一熱源の時は、H2残留濃度は、混合比30%以上の混合ガスでは十分に燃焼するので低い値だが、30%未満の低い混合比の場合は、ほとんど未燃焼となるので高い値を示し、そのまま未燃焼ガスは排気管11から排出されてしまう。したがって低濃度H2の燃焼処理効率が悪く安全性の問題があった。これに対して、2重熱源の時は、H2残留濃度のピークは、混合比10%付近となり、高効率で燃焼させることができる。H2残留濃度が単一熱源において2000ppmであったが、2重熱源は200ppmと単一熱源より1/10に低下し燃焼効率が著しく向上した。したがって、低濃度H2の燃焼処理効率が良好となり安全性の問題は解消された。
【0057】
なお、実施の形態では、熱源を2重熱源で構成したが、多重熱源で構成してもよい。例えば、第1熱源部2の筒内に挿入される第2熱源部3の本数を1本ではなく、2本以上配設することにより多重化しても、あるいは第1熱源部2の筒を2本以上同軸的に配設することにより多重化してもよい。また、熱源30を構成する一方の第1熱源部2の形状を円筒形としたが、筒状第1熱源部2の形状は六角形または八角形などの多角形で構成してもよい。
【0058】
また、実施の形態では、空気取込口12を燃焼室1の底部に設けたが、燃焼室1の外周部、又は燃焼室の底部及び外周部の両方に設けてもよい。外周部にも設ける場合には、外周部に設ける空気取込口12をガス流路27の出口に対応する部分に設けるとよい。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、熱源を多重熱源とすることにより片方が断線による機能停止をした場合でも、もう片方の熱源が機能を継続できる。また、熱エネルギーの大きな多重熱源に触れることにより、確実に着火及び高効率な燃焼ができる。さらに、着火用のガス設備を必要としないため装置を簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態による多重熱源を用いた排ガス処理装置の部分断面図である。
【図2】従来例の単一熱源を用いた排ガス処理装置の部分断面図である。
【図3】従来例の電気スパークを用いた排ガス処理装置の説明図であって、(a)は部分正断面図、(b)は部分側断面図である。
【図4】単一熱源と2重熱源とによる燃焼効率を比較したH2残留濃度特性図である。
【符号の説明】
1 燃焼室
2 第1の熱源部
3 第2の熱源部
4 空気孔
7 温度コントローラ(制御部)
8 可燃性ガス導入管
8c 可燃性ガス導入管の導出口
10 炎
11 排気管
12 空気取込口
30 2重熱源
Claims (6)
- 排ガス中に含まれる可燃性ガスに空気を加えて燃焼させるための燃焼室と、
前記燃焼室内に可燃性ガスを含む排ガスを導入する可燃性ガス導入管と、
前記燃焼室内を排気する排気管と、
前記燃焼室内に空気を取り込む空気取込口と、
前記燃焼室内に設けられた複数の熱源であって、これらの熱源のエネルギーを合わせて排ガス中に含まれる可燃性ガスを着火・燃焼させるための熱エネルギーを放出する熱源と、
前記熱源の下部に設けられ、前記空気取込口から前記燃焼室内に取り込まれた空気を、前記可燃性ガス導入管を通って前記熱源の下部から前記燃焼室内に導入される排ガスと混合させる空気孔と、
を設けたことを特徴とする排ガス処理装置。 - 排ガス中に含まれる可燃性ガスに空気を加えて燃焼させるための燃焼室と、
前記燃焼室内に可燃性ガスを含む排ガスを導入する可燃性ガス導入管と、
前記燃焼室内を排気する排気管と、
前記燃焼室内に空気を取り込む空気取込口と
前記燃焼室内に設けられた複数の熱源であって、これらの熱源のエネルギーを合わせて排ガス中に含まれる可燃性ガスを着火・燃焼させるための熱エネルギーを放出する熱源と、
前記複数の熱源の間に形成されるガス流路と、
前記熱源の下部に設けられ、前記空気取込口から前記燃焼室内に取り込まれた空気を、前記可燃性ガス導入管を通って前記ガス流路に導入される排ガスと混合させる空気孔と、
を設けたことを特徴とする排ガス処理装置。 - 排ガス中に含まれる可燃性ガスに空気を加えて燃焼させるための燃焼室と、
前記燃焼室内に可燃性ガスを含む排気ガスを導入する可燃性ガス導入管と、
前記燃焼室内を排気する排気管と、
前記燃焼室内に空気を取り込む空気取込口と、
前記可燃性ガス導入管の導出口に連通した筒状の第1熱源部と、
前記第1熱源部の筒内に挿入されて、筒状の第1熱源部との間に可燃性ガス流路を形成する第2熱源部と、
前記第1熱源部の下部に設けられ、前記空気取込口から前記燃焼室内に取り込まれた空気を、前記第1熱源部及び第2熱源部との間に形成される前記可燃性ガス流路に取り込み、前記可燃性ガス導入管を通って前記可燃性ガス流路に導入される排ガスと混合させる空気孔と、
を備えたことを特徴とする排ガス処理装置。 - 前記燃焼室の上部内側壁に冷却ユニットが設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス処理装置。
- 前記可燃性ガス流路の隙間は2〜20mmの範囲であることを特徴とする請求項3記載の排ガス処理装置。
- 前記第1熱源部の全長は30〜300mmの範囲であることを特徴とする請求項3記載の排ガス処理装置。
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| JP2003013812A JP3828082B2 (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | 排ガス処理装置 |
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|---|---|
| JP2004225985A JP2004225985A (ja) | 2004-08-12 |
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Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2003013812A Expired - Lifetime JP3828082B2 (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | 排ガス処理装置 |
Country Status (1)
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-
2003
- 2003-01-22 JP JP2003013812A patent/JP3828082B2/ja not_active Expired - Lifetime
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| JP2004225985A (ja) | 2004-08-12 |
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