JP3829449B2 - 嵌合部材、組立品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、嵌合用の凹部を備えた中空板形状の樹脂成形部材と、該凹部と嵌合される凸部を備えた(樹脂成形)部材と、を嵌合して成る嵌合部材に関する。また、該嵌合部材を少なくとも1箇所に有する組立品(例:屋内や屋外の家具,オフィス家具等)に関する。
【0002】
【従来の技術】
組立式の本棚、キャビネット、机、書類棚等、種々の組立式の家具等が提供されている。これらの組立式の家具等は、木材、金属、樹脂等の材料から成る各部材を、ネジ等の止め金具を用いて接合することにより組み立てられる。
しかし、木材、金属等の材料から成る組立式の家具等は重いため、組み立て時の取り扱いが困難であり、作業性が悪いという問題がある。このため、軽量な樹脂を主体とする組立式の家具等を提供して欲しいという要望がある。
また、ネジ等の止め金具で各部材を接合すると、接合部分が緩み易いため、ガタツキの原因になり易い。また、ネジ等の締め具合を適正にすることが難しいという問題もある。さらに、ガタツキを無くそうとして締め過ぎると、その部位やネジ山が破壊されてしまうという問題もある。このため、組立後のガタツキを無くして欲しい、ネジ等の止め金具を不要にして欲しいという要望がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の要望に応え得る組立式家具等、即ち、止め金具が不要で、且つ、樹脂を主体とする組立式家具等には、下記の問題がある。
1.止め金具を用いずに2個の部材を接合する構造として、一方の部材に凹部を設け、該凹部に対応する凸部を他方の部材に設けて、両者を嵌合する構造がある。嵌合部の緩みを防止するためには凹部と凸部を寸法精度良く形成する必要があるが、寸法精度の良い凹部と凸部を嵌め合わせる作業は非常に困難であり、ユーザによる組立作業には馴染まない。また、樹脂製の部材に寸法精度の良い凹部と凸部を設けることは、従来の成形技術では非常に困難である。
2.上記事情に鑑み、凹部と凸部に若干の間隙(遊び)を設けておき、凹部と凸部を嵌合した後に間隙に楔を圧入することも考えられるが、樹脂製の部材で凹部と凸部の間隙に楔を圧入すると、楔からの押圧力で凹部と凸部が楔と反対の方向へ押されて変形し、その変形が外観に表れてしまう。このため、外観の重視される製品には不向きである。また、楔が適正に圧入されるようにするためには凹部と凸部を寸法精度良く形成して間隙を適正に設定する必要があるが、上述のように、樹脂製の部材に寸法精度の良い凹部と凸部を設けることは、従来の成形技術では非常に困難である。
本発明は、軽量で、ユーザが容易に組み立てることができ、組立後に緩みやガタツキが無い組立品(組立式家具等)を提供することを目的とする。また、そのために、組立品を構成する部材を嵌合して間隙に楔を圧入しても、楔による変形が組立品の外表面に表れないようにすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記[1]〜[3]のように構成される。
[1]構成1:
嵌合用の凹部を備えた中空板形状の樹脂成形部材(a)と、該凹部と嵌合される凸部を備えた部材(b)と、楔部材(c)とを有し、
前記中空板形状の樹脂成形部材(a)の一方の板面には底面部に肉盛部が形成され且つ長手方向両端の側面部に孔が設けられた溝が形成されており、該孔の一方に棒材の一端を係止して押し下げて上記肉盛部を押圧した状態で該棒材の他端を他方の孔に挿入することにより上記底面部の内表面が他方の板面の内表面に密着されて成り、
上記樹脂成形部材(a)の嵌合用の凹部と上記部材(b)の凸部が嵌合されるとともに該嵌合用の凹部の内壁と該凸部の外壁との間に上記楔部材(c)が介在されることを特徴とする嵌合部材。
上記樹脂成形部材(a)の凹部と上記部材(b)の凸部を嵌合した後に、上記楔部材(c)を上記凹部の内壁と上記凸部の外壁との間に嵌め入れることで、該内壁と該外壁との間に上記楔部材(c)を介在させてもよい。また、上記樹脂成形部材(a)の凹部の内壁又は上記部材(b)の凸部の外壁の何れかに上記楔部材(c)を設けた状態で、上記凹部と上記凸部を嵌合することにより、上記内壁と上記外壁との間に上記楔部材(c)を介在させてもよい。このことは、下記構成2でも同様である。
上記嵌合の様子を図1に示す。その詳細については後述する。
[2]構成2:
構成1に於いて、
前記中空板形状の樹脂成形部材(a)と凸部を備えた部材(b)は、熱容量の小さな板材で構成された成形面の背後の空間内に加熱/冷却流体を供給/排出可能であり且つ複数個に分割可能である各ブロックがパリソンに対して接近/離隔可能に設けられた上型と、熱容量の小さな板材で構成された成形面の背後の空間内に加熱/冷却流体を供給/排出可能であり前記上型との間で成形用空間を構成する下型を備えたブロー成形用金型を用い、前記下型の上部にパリソンの下端部をピンチした後、ダイから垂下されるパリソンの後続部が前記下型の成形面側面を覆うように該後続部を該成形面側面に対して相対移動させるとともに、前記上型の各ブロックを合体させることにより、嵌合用の凹部/凸部を有するように成形されて成る、
ことを特徴とする嵌合部材。
[3]構成3:
構成1又は構成2に記載の嵌合部材を少なくとも1箇所に有することを特徴とする組立品。
このように、本発明の構成1〜構成3は、楔による変形が樹脂成形部材(a)の中空により吸収されて楔や部材(b)の凸部に接触する部位に止まる結果、外表面には楔に押された突出部が現れない嵌合構造を有する。
樹脂成形部材(a)の材料としては、好ましくは熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂を樹脂成形部材(a)に用いる場合の成形法としては、好ましくはブロー成形法、真空成形法であり、更に好ましくはブロー成形法であり、特に好ましくは高転写ブロー成形法である。高転写ブロー成形法とは、金型成形面の転写性を通常のブロー成形法よりも高めたブロー成形法であり、金型成形面を加熱することによって達成される。
部材(b)の材料としては、樹脂(構成2参照)、木材、金属等が挙げられる。好ましくは熱可塑性樹脂である。部材(b)を熱可塑性樹脂で構成する場合、その成形法としては、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、真空成形法等が挙げられる。好ましくはブロー成形法、更に好ましくは高転写ブロー成形法である。部材(b)は、中空形状であってもよく、中空形状でなくてもよいが、好ましくは中空形状である。
【0005】
樹脂成形部材(a)を高転写ブロー成形法で成形する場合には、金型成形面の温度を材料樹脂のビカット軟化温度(T)℃以上に加熱して、溶融樹脂(パリソン)が成形面に密着されるようにする。ビカット軟化温度(T)℃以上への昇温は予熱によって行ってもよく、また、パリソンの外表面をブロー圧力で成形面に接触させる際に加熱してもよい。好ましくは予熱である。
樹脂成形部材(a)の成形に適した金型は、
(1)成形面を材料樹脂のビカット軟化温度(T)℃以上に加熱する機能を必須の機能として備え、好ましくは上記温度に予熱する機能を備え、
(2)成形サイクルを短縮する見地から、望ましくは、成形面の転写後に成形面を速やかに冷却する機能を備え、好ましくは(ビカット軟化温度(T)−10)℃に速やかに冷却する機能を備え、
(3)中空(2重壁構造)の部材を、望ましくは、均一な肉厚分布となるように成形する機能を備え、好ましくは複雑な形状であっても中空に成形できる機能を備え、
(4)嵌合用の凹部や凸部等を持つ種々の形状の部材を成形できるように、望ましくは、十分に深い2重壁構造の深絞り成形品を成形する機能を備え、
ていることが望まれる。
なお、上記の各機能は、部材(b)を樹脂で構成する場合(構成2参照)に、該部材(b)の成形に適した金型の機能でもある。
【0006】
上記(1)の加熱機能と(2)の冷却機能とは、成形面を熱容量の小さな金属等の薄い板材で構成するとともに、その背後に空間を設け、該空間内に加熱流体や冷却流体を供給し/排出するように構成することで実現可能である。
上記(3)と(4)の機能(望ましい機能)は、分割可能な複数個のブロックを有し、各ブロックがパリソンに対して接近し、及び遠ざかるように移動可能に設けられた上型と、該上型との間で成形用空間を構成する下型と、を備え、ダイから垂下される下端部をピンチされたパリソンの後続部を、前記成形用空間に面する前記下型の側面を覆うように該側面に対して相対移動させる機能を備えたブロー成形用金型を用いることにより実現可能である。
例えば、分割可能な複数個のブロックを有し、各ブロックがパリソンに対して接近し、及び遠ざかるように移動可能に設けられ、各ブロックが合体した状態で下方が開放された中空構造を成す上型と、上部にパリソンの下端部を固定するためのピンチ部材を有し、前記上型の中空内に位置することにより該上型との間で成形用空間を構成する下型と、を備え、ダイから垂下したパリソンの下端部を前記ピンチ部材に固定し、パリソンの後続部を前記下型の側面に沿うように垂下させ、前記各ブロックを合体させることにより前記成形用空間を構成してパリソンを成形する、成形用金型、を用いることにより実現可能である。
また、分割可能な複数個のブロックを有し、各ブロックがパリソンに対して接近し、及び遠ざかるように移動可能に設けられ、各ブロックが合体した状態で下方が開放された中空構造を成す上型と、上部にパリソンの下端部を固定するためのピンチ部材を有し、上下移動可能に設けられ、ホームポジションから上昇して前記上型の中空内に位置することにより該上型との間で成形用空間を構成する下型と、を備え、ダイから垂下したパリソンの下端部をホームポジションに在る前記下型のピンチ部材に固定し、前記各ブロックを合体させることによりパリソンの上端部をピンチし、前記下型を上昇させることによりパリソンの後続部を該下型の側面に沿うように上昇させて該下型を前記中空内に位置させることにより前記成形用空間を構成してパリソンを成形する、成形用金型、を用いることによっても実現可能である。
上記(1)〜(4)の機能を実現する具体的構成例については後述する。
【0007】
本発明の組立品としては、例えば、キャビネット、机、本棚、書類棚、ファイル等の収納ボックス、倉庫用等の荷物棚、簡易トイレ、簡易更衣室、収納ボックスを兼ねたベンチ等がある。つまり、キャビネットの側部と天板の接合部や側部と底板の接合部、机の脚と天板との接合部、本棚の棚板と側板との接合部、書類棚の棚板と側板との接合部、ファイル等の収納ボックスの側板と天板の接合部や側板と底板の接合部、倉庫用等の荷物棚の棚板と側板との接合部等に、本発明の嵌合構造を採用できる。
凹部を有する樹脂成形部材(a)の材料や、凸部を有する部材(b)を樹脂で構成した場合の材料として好ましく用いられるものは、例えば、AS樹脂、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム−スチレンから成るグラフト共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム−スチレン−αメチルスチレンから成るグラフト共重合体(耐熱ABS樹脂)、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン系ゴム−スチレン及び/又はメタクリル酸メチルから成るグラフト共重合体(AES樹脂)、アクリロニトリル−水添ジエン系ゴム−スチレン及び/又はメタクリル酸メチルから成るグラフト共重合体、アクリロニトリル−シリコーンゴム−スチレン及び/又はメタクリル酸メチルから成るグラフト共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリフェニレンエ−テル、ポリオキシメチレン、ナイロン、メタクリル酸メチル系重合体、ポリエ−テルスルホン、ポリアリレ−ト、塩化ビニル系樹脂、マレイミド化合物−スチレン及び/又はアクリロニトリル及び/又はα−メチルスチレンからなる共重合体、ゴム状重合体−マレイミド化合物−スチレン及び/又はアクリロニトリル及び/又はメタクリル酸メチル及び/又はα−メチルスチレンからなるグラフト共重合体等、及びこれらの複合物と、これらに充填剤を添加した樹脂を用いることができる。なお、これらは例示であり、これら以外の樹脂も好適に用いることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
1.嵌合と楔部材(c)の介在による一体化構造.
請求項の樹脂成形部材(a)の凹部と部材(b)の凸部が嵌合されるとともに該凹部の内壁と該凸部の外壁の間に楔部材(c)が介在されることによって実現される一体化構造を、図1を参照して説明する。
図1は、天板61と側板65を一体化する例を示す。天板61とは、例えば、机の天板、本棚の棚板、荷物棚の棚板等である。側板とは、例えば、机の袖部を構成する板、本棚の側板(支持板)、荷物棚の側板(支持板)等である。なお、図1では板部材と板部材を一体化する例が示されているが、板部材と棒部材、棒部材と棒部材を一体化する場合も、同様に構成することができる。つまり、凹部と凸部が嵌め合わされているとともに凹部の内壁と凸部の外壁の間に楔が介在されている一体化構造を用いて、板部材と棒部材、棒部材と棒部材を強固に結合するように構成することができる。
図1(a)には、天板61の一端部(図中左端部)下面側の凹部(線状の溝)61b 内に、側板65の上端部の凸部(線状の突出部)65b を嵌め入れて、両者を一体化する例が示されている。この構造は、同図(b)の上段に示すように天板61の凹部61b 内に側板65の凸部65b を嵌め入れた後、同図(b)の下段に示すように両者の間隙に楔69を打ち込む(圧入する)ことで構成される。このように楔69を打ち込むと、図内に矢印で示すように、天板61の凹部61b は楔69に押されて両側方向へ拡がるように変形して、天板61と側板65とが強固に結合されて一体化される。一方、天板61は中空の2重壁構造に形成されているため、凹部61b と、人間の眼にふれる外表面61a とは離されている。このため、上記の変形は楔69や側板65の凸部65b に直接的に接触する部位に止まり、外表面61a には変形は伝わらない。つまり、外表面61a は、変形の無い綺麗な外観のままである。
なお、上記では、天板61の凹部61b 内に側板65の凸部65b を嵌め入れた後に両者の間隙に楔69を打ち込む(圧入する)という手順で一体化構造が構成されているが、本発明はこのような手順での組立に限定されない。例えば、天板61の凹部61b 又は側板65の凸部65b に楔69を別体又は一体に設けておき、その状態で、天板61の凹部61b と側板65の凸部65b を嵌合することにより、上記の一体化構造を構成してもよい。
このように、図1には、凹部を備えた中空形状の樹脂成形部材(a)と、該凹部と嵌合される凸部を備えた部材(b)と、楔部材(c)とを有し、
上記樹脂成形部材(a)の凹部と上記部材(b)の凸部が嵌合されるとともに該凹部の内壁と該凸部の外壁との間に上記楔部材(c)が介在されることにより一体化され、該楔部材(c)の介在による上記樹脂成形部材(a)の変形がその中空により吸収されて該楔部材(c)又は上記部材(b)の凸部に接触する部位に止まることを特徴とする嵌合部材が示されている。また、この嵌合部材を各種の組立品の構成要素として用い得ることが示されている。
なお、楔69や側板65の材質として、天板61と同じ材質を用いると、リサイクル時に纏めて処理することができるという効果がある。
【0009】
2.金型の構造.
次に、上述の部材(中空の2重壁構造・嵌合用の凹部61b や凸部65b 等の複雑な形状・良好な表面外観・嵌合対象の凹部61b と凸部65b に適正な間隙を設定できる良好な寸法精度・均一な肉厚,という特徴を備えた部材(a)(b))の成形に適したブロー成形用の金型について説明する。なお、金型の成形面は、当然ながら成形対象の部材に対応する形状に構成されているが、図では、説明を簡略化するため、単純な形状の成形面が描かれている。
成形用金型.
図2は成形用金型を模式的に示す断面図である。
図示の成形用金型は、上型(第1型,雌型)2 と、下型(第2型,雄型)1 とを有する。
上型2 は、分割可能な複数個(本例では2個)のブロック2a,2b を有し、各ブロック2a,2b が、上方から鉛直に垂下されるパリソン90(図3等参照)に対して接近することができ、且つ、遠ざかることができるように、水平移動可能に設けられている。各ブロック2a,2b が合体した状態では、下方が開放された円筒形状の中空部を有し、その内表面が成形面の一部(深絞り形状の成形品の外周面と底外面用の成形面)となる。成形面の一部を成す内表面は、熱容量の小さな薄い金属板23a,23b で構成されており、その背後には空間2S,2S が設けられている。この空間2S,2S は、金属板23a,23b が断熱材25a,25b を介して本体21a,21b に支持されていることにより確保されている。本体21a,21b は背後の取付板29a,29b を介して不図示の型締装置に取り付けられており、該型締装置の動作により、各ブロック2a,2b は、上方から垂下されるパリソン90に対して接近し、又は、遠ざかるように動作する。また、前記空間2S,2S 内には、加熱用の加熱流体や冷却用の冷却流体が供給/排出されるように構成されており、これにより、金属板23a,23b を速やかに所望の温度に加熱/冷却することが可能となる。
下型1 は、上端面の略中央部にパリソン90の先端(下端)部を固定するためのピンチ部材であるシャッター機構(カメラのシャッタ−機構と同様の機能を持つ機構)17を有し、上型2 の中空内に位置した状態に於いて該上型2 の内表面との間で成形用空間を構成する。この下型1 の外周面と上端面と下端部上面が成形面の一部(深絞り形状の成形品の内周面と底内面と縁面用の成形面)となる。成形面の一部を成す外周面と上端面と下端部上面は、熱容量の小さな薄い金属板13で構成されており、その背後には空間1Sが設けられている。この空間1Sは、金属板13が断熱材15を介して本体11に支持されていることにより確保されている。本体11は背後の取付板19を介して不図示の型締装置に取り付けられており、該型締装置の動作により、下型1 は、ホームポジションから上昇して上死点(最上位置)に到り、又は、上死点から下降して下死点(最下位置)であるホームポジションに到るように動作する。また、前記空間1S内には、加熱用の加熱流体や冷却用の冷却流体が供給/排出されるように構成されており、これにより、金属板13を速やかに所望の温度に加熱/冷却することが可能となる。
【0010】
3.ブロー成形過程.
次に、上記構成の成形用金型を用いたブロー成形過程について説明する。
3−1.上型移動の場合.
まず、ダイ52(図3)から垂下したパリソン90の下端部をシャッター機構17により固定し(図3(a))、パリソン90の後続部を下型1 の側面に沿うように垂下させ(図3(b))、上型2 の各ブロック2a,2b を接近させて合体させる(図4(a)〜(b))ことにより成形用空間を構成し、パリソン外表面を加熱した成形面に押圧して十分に密着させることで成形面を転写し(図5(a))、冷却して固化させた後、取り出す(図5(b))。
3−2.下型移動の場合.
図2〜図5には上型2 を接近させて合体させることにより成形空間を構成する金型が示されているが、このような金型に代えて、下型を上昇させることにより成形空間を構成する金型を用いる場合には、ダイから垂下したパリソンの下端部をホームポジションに在る下型のシャッター機構により固定し、上型の各ブロックを接近させて合体させることによりパリソンの上端部をピンチし、下型を上昇させることによりパリソンの後続部を下型の側面に沿うように上昇させて下型を上型の中空内に位置させることにより成形用空間を構成し、パリソン外表面を加熱した成形面に押圧して十分に密着させることにより成形面を転写し、冷却して固化させた後に取り出す。
【0011】
4.成形過程の具体例(図3〜図5).
通常のブロ−成形機(IPB−55EPL:石川島播磨重工(株)社製)と通常のブロ−成形用ABS樹脂(#88K4:テクノポリマー(株)社製)を用いて、成形を実施した。
まず、上型2 を開いた状態で、下型1 を最上位置(図3(a)に示す上死点の位置)に設定した後、パリソン90を吐出して鉛直に垂下させ、パリソン90の先端部(下端部)が下型1 の上端面に達すると(図3(a))、シャッター機構17によってパリソン90の下端をピンチして下型1 の上面に固定した。
続いて、不図示のプリブロー機構によりパリソン内の圧力を2Kg/cm2 〜3Kg/cm2 の範囲に保った状態で、連続して吐出した。これにより、パリソン90は折れ曲がりながら下型1 を覆うようにして下降した。パリソン90の折れ曲がった先端が下型1 の下端縁部付近に到達した時点でパリソン90の吐出を終了して、上型2 の型締めを開始した(図3(b))。
型締め動作の途中では、パリソン90が型に押されて変形するため、パリソン90の内部圧力が上昇しようとするが、この内部圧力が前述の圧力範囲内に留まるように、不図示のプリブロ−機構を用いて制御した(図4(a))。
型閉め完了後、上述のプリブローで使用した吹き込み針を用いて、6Kg/cm2 の圧力までパリソン90a の内部を加圧して、パリソン外表面を成形面へ押し付けた(図4(b))。また、空間2S,2S,1S内へ加熱流体を供給することにより上記押し付け時の成形面の表面温度が130℃となるように制御した後、上記加熱流体を空間2S,2S,1S内から排出して、25℃の冷却水を空間2S,2S,1S内へ噴出させて成形品91を冷却した(図5(a))。
冷却終了後、上型2 を開き、下型1 を取付板19操作者側(例えば、図示の手前側)へ45度傾斜させて、成形品91を取り出した(図5(b))。
なお、上記では、成形品91の重量が930g〜970gの範囲に入るようにパリソン吐出条件を設定している。
このようにして、前述の特徴(中空の2重壁構造・嵌合用の凹部61b や凸部65b 等の複雑な形状・良好な表面外観・嵌合対象の凹部61b と凸部65b に適正な間隙を設定できる良好な寸法精度・均一な肉厚)を備えた本発明の組立品の構成部材を成形することができる。
【0012】
5.上記成形方法により成形される部材の特徴.
上述のように成形される樹脂成形部材は、本発明の効果に加えて、さらに下記の効果を奏する。
1.射出成形法ではなくブロー成形法により成形しているため、大型の部材であっても低コストで成形することができる。したがって、大型の家具等の部材であっても提供することができる。
2.射出成形法ではなくブロー成形法により成形しているため、金型構造を複雑化させることなく中空構造の部材を比較的容易に成形することができる。このため、中空構造により軽量化の度合いを向上させることが容易である。
3.通常のブロー成形法ではなく成形面を加熱することでパリソン外表面を成形面に密着させる高転写ブロー生成法により成形しているため、外観を重視される製品用途に用いることができる。
4.通常のブロー成形法ではなく成形面を加熱することでパリソン外表面を成形面に密着させる高転写ブロー生成法により成形しているため、嵌合される凹部と凸部を寸法精度良く形成することができ、楔の圧入用の間隙を適正に設定することができる。また、外観寸法も精度良く構成できるため、組立後のガタツキもなく、ガタツキが許容されない製品用途にも用いることができる。
5.図2に示すような金型(上型と下型から成る金型)を用いて成形しているため、凹部や凸部のような複雑な形状を有する部材であっても、ヒケ等の無い良好な寸法精度で成形することができる。なお、従来の金型でアンダーカット構造を成形する場合、金型構造が非常に複雑となって非常にコスト高となるばかりでなく、部位によってはアンダーカット構造を形成不可能な部位もある。
【0013】
6.天板61等の板部材の補強構造.
次に、図6〜図7を参照して、中空の樹脂製板部材610 (前述の天板61や側板65等に相当する部材)を補強する構造について説明する。図6は板部材610 の斜視図、図7は溝610cの長手方向の端面図である。
図6に示すように、樹脂製板部材610 の裏面(図中の上面)には、前述の凸部と嵌合されるべき凹部610bの他に、2本の溝610cが板部材610 の長手方向に形成されている。溝610cの深さは、図7に示すように、溝の底面部が板部材610 の表面部に接触しないギリギリの深さである。また、溝610c内の底面には肉盛部610dが形成されている。また、溝610cの両端部には、下記アルミパイプAPの径に対応するサイズのピン孔(ブローピン孔,内部冷却用の孔)PHが、各々設けられている。なお、溝の本数は板部材610 のサイズや形状、或いは達成したい強度等に応じて適宜に変更できる。
補強は、図7(b)(c)に示すように行われる。即ち、溝610cの一端のピン孔PHにアルミパイプAPの先端APS を貫入し、図示矢印のようにアルミパイプAPを押し下げてアルミパイプAPの側面で肉盛部610dを押圧し、アルミパイプAPを後退させて先端APS の出っ張り部をピン孔PHに係止させるとともに後端部を他端側のピン孔PHに貫入する。これにより、アルミパイプAPが溝610c内に固定され、該アルミパイプAPの側面で肉盛部610dが押圧される。
このように、アルミパイプAPの側面で肉盛部610dが押圧される結果、溝610cの底面部が板部材610 の表面部に密着し(図では両者の間隙が示されているが実際はアルミパイプAPを取り付けることにより密着状態となる)、表裏間が中空であることに起因するペコペコ感や振動時のビビリが無くなる。即ち、アルミパイプAPを取り付けるという簡易な作業(ユーザが容易に行い得る作業)により、板材610 に対して、板面に垂直な方向の集中荷重に耐え得る剛性を付与することができる。なお、溝610cの底面部と板部材610 の表面部とを成形時に密着させた場合には、表面外観にヒケが発生するという不具合が生じてしまう。
なお、上述の例では凹部610bを備えた部材について述べたが、前述の凸部(嵌合用の凸部)を備えた樹脂製板部材にも同様に適用できる。また、凹部や凸部は嵌合を目的とするものであるため、嵌合を目的としない樹脂製板部材(単品の板部材等)を補強する場合には、当然ながら凹部や凸部は必須ではない。
また、上述の例では溝610c内に1本のアルミパイプを組み付ける例が示されているが、板部材610 のサイズや形状、或いは達成したい強度等に応じて溝610c内に組み付けるアルミパイプの本数を適宜に変更してよい。
また、上述の例では補強材としてアルミパイプを用いているが、補強材の材質としては、アルミや鉄等の金属類、木材、集成材、樹脂、繊維強化樹脂等が挙げられる。形状は、パイプ、棒、板等が挙げられる。
【0014】
【発明の効果】
本発明によると、軽量で、ユーザが容易に組み立てることができ、組立後に緩みやガタツキが無い組立品(組立式家具等)を提供することができる。また、その組立品の外観を良好にするために、組立品を構成する部材を嵌合して間隙に楔を圧入しても、楔による変形が組立品の外表面に表れないようにできる。更に、剛性の高い嵌合部材を提供することができる効果がある。
本発明の構成2や構成2を引用する構成3によると、前記効果に加えて、更に、寸法精度の良い樹脂成形品から成る嵌合部材や組立品を提供することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組立品を構成する部材を接合する嵌合構造の説明図であり、(a)は接合対象の天板と側板を模式的に示す斜視図、(b)は接合部の断面構造を模式的に示す説明図。
【図2】本発明の組立品を構成する部材を成形する金型の断面模式図。
【図3】図2の金型による製造過程の説明図。
【図4】図2の金型による製造過程の図3の続きの説明図。
【図5】図2の金型による製造過程の図4の続きの説明図。
【図6】本発明の組立品の部材の一例である天板の斜視図。
【図7】図6の天板の補強部(溝部)の断面模式図であり、(a)はブローピンを突き刺した状態、(b)はピン孔に補強用パイプの先端を貫入させた状態、(c)は補強用パイプの後端を反対側のピン孔に嵌入させた状態を示す。
【符号の説明】
1 下型
2a,2b 上型
61 天板
65 側板
90 パリソン
91 成型品
AP アルミパイプ
Claims (3)
- 嵌合用の凹部を備えた中空板形状の樹脂成形部材(a)と、該凹部と嵌合される凸部を備えた部材(b)と、楔部材(c)とを有し、
前記中空板形状の樹脂成形部材(a)の一方の板面には底面部に肉盛部が形成され且つ長手方向両端の側面部に孔が設けられた溝が形成されており、該孔の一方に棒材の一端を係止して押し下げて上記肉盛部を押圧した状態で該棒材の他端を他方の孔に挿入することにより上記底面部の内表面が他方の板面の内表面に密着されて成り、
上記樹脂成形部材(a)の嵌合用の凹部と上記部材(b)の凸部が嵌合されるとともに該嵌合用の凹部の内壁と該凸部の外壁との間に上記楔部材(c)が介在されることを特徴とする嵌合部材。 - 請求項1に於いて、
前記中空板形状の樹脂成形部材(a)と凸部を備えた部材(b)は、熱容量の小さな板材で構成された成形面の背後の空間内に加熱/冷却流体を供給/排出可能であり且つ複数個に分割可能である各ブロックがパリソンに対して接近/離隔可能に設けられた上型と、熱容量の小さな板材で構成された成形面の背後の空間内に加熱/冷却流体を供給/排出可能であり前記上型との間で成形用空間を構成する下型を備えたブロー成形用金型を用い、前記下型の上部にパリソンの下端部をピンチした後、ダイから垂下されるパリソンの後続部が前記下型の成形面側面を覆うように該後続部を該成形面側面に対して相対移動させるとともに、前記上型の各ブロックを合体させることにより、嵌合用の凹部/凸部を有するように成形されて成る、
ことを特徴とする嵌合部材。 - 請求項1又は請求項2に記載の嵌合部材を少なくとも1箇所に有することを特徴とする組立品。
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| JP35629597A JP3829449B2 (ja) | 1997-12-08 | 1997-12-08 | 嵌合部材、組立品 |
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| JP2003056518A (ja) * | 2001-08-08 | 2003-02-26 | Kojima Press Co Ltd | 2部品の固定構造および固定方法 |
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- 1997-12-08 JP JP35629597A patent/JP3829449B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JPH11173311A (ja) | 1999-06-29 |
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