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JP3830835B2 - 軸受製造装置及び軸受の製造方法 - Google Patents
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JP3830835B2 - 軸受製造装置及び軸受の製造方法 - Google Patents

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    • F16C2300/34Vertical, e.g. bearings for supporting a vertical shaft

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  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば水車発電機やタービン発電機などに用いられる軸受を製造するための軸受製造装置及び軸受の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、水力発電設備で使用される水車発電機やタービン発電機などの回転機械は、高速化、大容量化の一途をたどり、高周速、高圧及び高荷重下での苛酷な運転を余儀なくされている。しかも、このような回転機械は、発電機器特有の運転形態として、電力需要量の変化に応じて頻繁に起動・停止を行う必要がある。
【0003】
したがって、上記回転機械の回転体を支持する軸受機構としては、上述した苛酷な運転に耐え得る独自の滑り軸受が採用される。かかる滑り軸受には、高信頼性と高効率化が要求されており、従来、軸受パッドの摺動部分には、ホワイトメタルなどが用いられている。ここで、この摺動部分に生じる損失を低減し高効率化を図るために、軸受パッドを小型化し高面圧化する方法などが採られている。
【0004】
しかしながら、この方法を採用する場合、回転機械の起動・停止時、つまり低速回転時には、流体潤滑膜の形成が困難となる。すなわち、回転機械の低速回転時には、上記ホワイトメタルで形成された軸受パッドの摺動部分や、この摺動部分に支持される回転体の被支持部分は、境界潤滑状態又は固体潤滑状態になり易い。この際、軸受パッドの摺動部分及び回転体の被支持部分は、摩耗が進み、場合によっては焼損を招くことなどもある。
【0005】
そこで最近では、軸受パッドの摺動部分の構成材料として樹脂系材料が注目されている。樹脂系材料は、一般に金属材料に比べて軽量であり、また、耐摩擦・耐摩耗特性に優れている。このため、上述したような軸受パッドの小型化が可能である。また、樹脂系材料は、振動の吸収特性が良好であるといった利点なども有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような樹脂系材料を用いて軸受パッドを製造する方法は、図10に示すように、樹脂粉末51を常温で台金52上に成形し、その後、この樹脂粉末51を加熱して融着処理を施すことにより実現される。しかしながら、このような製造方法では、一般に、プレス用の金型53が必要となり、製造コストの面で課題がある。また、必要とする軸受パッドの形状を変更する場合、特に、軸受サイズを大型化する場合などには、全く新規の金型が必要となり、さらなるコストの上昇を招く。また、今日のプレス機では、加圧能力に限界があり、大型サイズの軸受パッドを成形することが困難な場合がある。さらに、プレスによる製造方法では、プレス1チャージにつき、1、2個程度の軸受パッドしか製造することができず、生産効率の点でも課題がある。
【0007】
また、上記金型プレスによる製法の他に、冷間静水圧プレス(CIP:Cold Isostatic Press)法を利用した製造方法なども採用されている。この製造方法では、金型が不要であり、製造コストの低減を図ることが可能である。また、この製法では、複数の軸受パッドの同時成形や大型サイズの軸受パッドの成形を行うことが可能である。
【0008】
しかしながら、CIP法を採用する場合、図11に示すように、樹脂粉末54を表面に配置した台金55全体を、圧力容器56内の水や油などの圧力媒体57の中に挿置する必要がある。したがって、樹脂粉末54が圧力媒体57により浸漬されてしまうことを防止するためにゴム型58などで厳重に封止処理を行う必要がある。また、台金55には、一般に、ネジ穴、各種センサの取付穴、配管など、様々な加工が施されている。ここで、機械的強度が弱くなっている台金55のこの加工部分に圧力媒体57を通じて等方圧が加わると、この加工部分が変形したり、また、変形したこの加工部分の影響でゴム型58が損傷し、樹脂粉末54が圧力媒体57に浸漬されてしまうおそれなどもある。
【0009】
そこで本発明は、このような課題を解決するためのもので、高品質で摺動特性に優れた軸受を効率良く製造することができる軸受製造装置及び軸受の製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の軸受製造装置は、圧力媒体が充填された圧力媒体充填領域と台金の表面に配置された樹脂粉末が加圧成形される加圧成形領域とが、弾性変形可能な隔膜により区画された圧力容器と、前記加圧成形領域内に収容された前記台金の表面の前記樹脂粉末が、弾性変形した前記隔膜で押し固められ摺動層として成形されるように、前記圧力媒体充填領域内を前記圧力媒体を介して昇圧する昇圧機構とを具備することを特徴とする。
【0011】
この発明の軸受製造装置によれば、例えば水や油などの液体、さらには空気、ガスなどの流体からなる圧力媒体が充填された領域に対し、台金上の樹脂粉末が加圧されて摺動層が成形される領域が、隔壁により物理的に区画されているので、圧力媒体により樹脂粉末が浸漬されてしまうことを防止する処理、つまり樹脂粉末を表面に配置した台金を封止する処理などが不要となり、効率良く軸受を製造することができる。また、この発明によれば、弾性変形させた隔膜を通じての等方性加圧により、台金上の樹脂粉末に対し均一な成形圧力を加えることができるので、成形密度の均一な摺動層を有する品質の高い軸受を製造することができる。
【0012】
また、本発明の軸受製造装置は、前記圧力容器の前記加圧成形領域に対し前記台金を搬入又は搬出する搬送機構をさらに具備することを特徴する。
この発明の軸受製造装置は、樹脂粉末を表面に配置した台金を搬送機構に搭載することで、圧力容器の外部から、その加圧成形領域内に前記台金を収容できると共に、樹脂粉末成形後、台金上に摺動層が形成されたこの軸受を搬送機構により圧力容器の外部へ容易に取り出すことができる。したがって、この発明によれば、効率的に軸受を製造することができる。
【0013】
さらに、本発明の軸受製造装置は、前記台金の所定の部位を前記隔膜を通じて加わる成形圧力から保護する保護部材をさらに具備することを特徴とする。
この発明の軸受製造装置は、台金に予め形成されているネジ穴、配管など、台金において機械的強度が弱くなっているこの加工部位に保護部材を配置することで、圧力媒体から隔壁を通じて前記加工部位に加わえられる等方圧を保護部材により吸収(遮る)ことができる。これにより、台金上の加工部位が変形してしまうことなどが防止され、品質の良い軸受を製造することができる。
【0014】
また、本発明の軸受製造装置は、前記圧力容器の前記加圧成形領域内を脱気する機構をさらに具備することを特徴とする。
この発明の軸受製造装置は、樹脂粉末が摺動層として成形される前に、台金上の樹脂粉末間に介在された空気を脱気することが可能なので、樹脂粉末成形後、摺動層に割れや膨れなどが発生してしまうことなどが抑制され、高品質な軸受を製造することができる。
【0015】
さらに、本発明の軸受の製造方法は、台金の表面に樹脂粉末を配置する樹脂配置工程と、圧力媒体が充填された圧力媒体充填領域と前記台金上で前記樹脂粉末が加圧成形される加圧成形領域とが弾性変形可能な隔膜により区画された圧力容器の前記加圧成形領域内に、前記樹脂粉末が表面に配置された前記台金を収容する工程と、前記加圧成形領域内に収容された前記台金の表面の前記樹脂粉末が、弾性変形した前記隔膜で押し固められ摺動層として成形されるように、前記圧力媒体充填領域内を前記圧力媒体を介して昇圧する昇圧工程とを有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の軸受の製造方法は、前記樹脂配置工程の実施前に、前記台金の表面に多孔質中間層を形成する工程を有することを特徴とする。
この発明によれば、多孔質中間層の形成により生じるアンカー効果により台金への摺動層の密着性を向上させることができ、摺動特性に優れた軸受を製造することができる。
【0017】
さらに、本発明の軸受の製造方法は、前記昇圧工程の実施前に、前記隔膜を通じて加わる成形圧力から前記台金の所定の部位を保護する保護部材を配置する工程を有することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の軸受の製造方法は、前記台金上に配置された前記樹脂粉末が所定の形状で保持されるように、前記昇圧工程の実施前に、前記樹脂粉末の周囲を保持部材で覆う工程を有することを特徴とする。
この発明によれば、成形中の樹脂粉末の飛散防止などは勿論、成形過程において台金上の樹脂粉末の形状を保持できるので、台金上の摺動層を所望の形状に成形でき、製造される軸受の品質を高めることができる。
【0019】
また、本発明の軸受の製造方法は、前記昇圧工程の実施前に、前記樹脂粉末が表面に配置された前記台金全体を封止材で封止する工程を有することを特徴とする。
さらに、本発明の軸受の製造方法は、前記昇圧工程の実施前に、加熱して液状化された熱溶融材料で前記台金上の少なくとも前記樹脂粉末を覆い、この後、この熱溶融材料を固体化させる工程をさらに有することを特徴とする。
【0020】
これらの発明によれば、既述した発明と同様、成形中における樹脂粉末の飛散を防止できると共に、成形過程において台金上の樹脂粉末の形状を維持できることから、台金上に摺動層を所望の形状に成形することができる。
【0021】
また、本発明の軸受の製造方法は、前記台金が前記封止材で封止された後又は前記熱溶融材料が冷却されて固体化した後で、且つ前記昇圧工程の実施前に、前記圧力容器の前記加圧成形領域内を脱気する工程をさらに有することを特徴とする。
さらに、本発明の軸受の製造方法は、前記台金が前記封止材で封止された後又は前記熱溶融材料が冷却されて固体化した後で、且つ前記昇圧工程の実施前に、前記封止材若しくは固体化した前記熱溶融材料の内部の前記樹脂粉末を脱気する工程をさらに有することを特徴とする。
これらの発明によれば、台金上の樹脂粉末間に残存する空気をより確実に除去することができるので、樹脂粉末成形後に、摺動層に割れや膨れなどが生じてしまうことなどを抑制でき、これにより品質の良い軸受を製造することが可能である。
【0022】
さらに、本発明の軸受の製造方法は、前記熱溶融材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体から選ばれた1種又は2種以上の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする。
この発明によれば、常温では固体で且つ融点が200℃以下であるこのような熱可塑性樹脂を上述した発明の熱溶融材料として用いているので、樹脂粉末に熱的な悪影響を与えることなく、台金上のこの樹脂粉末を覆うことができる。
【0023】
さらに、本発明の軸受の製造方法は、前記昇圧工程の実施前に、成形すべき前記摺動層の表面形状に対応させた中子を、前記樹脂粉末、前記樹脂粉末上の保護部材、前記封止材、若しくは前記熱溶融材料に接触させて配置する工程を有することを特徴とする。
この発明によれば、例えば回転体をラジアル方向から支持する軸受をセグメント化したパッド、すなわち摺動面が湾曲したかたちで凹んでいる軸受パッドなどを効率良く製造することができる。
【0024】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る軸受製造装置を示す斜視図、図2は、この軸受製造装置を構成する圧力容器を示す断面図、図3は、樹脂粉末が表面に配置された台金が圧力容器内で加圧されている状態を示す断面図である。
【0025】
これらの図に示すように、この軸受製造装置1は、例えば水車発電機やタービン発電機などに用いられるスラスト軸受の軸受パッド2を製造するための装置である。軸受製造装置1は、主に、冷間静水圧プレスを行うための圧力容器3と、樹脂粉末4が表面(上面)に配置された台金5を圧力容器3内の加圧成形領域6に対し搬入又は搬出する搬送機構7と、圧力容器3内の圧力媒体充填領域8を昇圧する昇圧ポンプ9とを備えている。
【0026】
圧力容器3は、水、油などの液体や気体などの流体からなる圧力媒体10が充填された上記圧力媒体充填領域8と、台金5上の樹脂粉末4が加圧成形される上記加圧成形領域6とが、弾性変形可能な例えばゴム製の弾性隔膜11により区画された気密容器である。昇圧ポンプ9は、圧力媒体10を圧縮加圧し、圧力媒体充填領域8内を昇圧する。搬送機構7は、樹脂粉末4が表面に配置された台金5が載置されるトレイ12を有し、このトレイ12を加圧成形領域6に対し搬入/搬出する。
【0027】
上述した圧力容器3内の加圧成形領域6は、弾性隔膜11と、例えばゴム製の側壁13、14と、この圧力容器3内に収容されたトレイ12とで包囲された空間である。台金5における樹脂粉末4が配置される面、つまり軸受パッド2の摺動面は、約100mm×100mmのサイズに形成されている。
【0028】
また、例えばステンレス製の台金5には、ネジ穴、各種センサの取付穴、又は配管などの機械的強度が弱くなっている加工部15が形成されている。本実施形態の軸受製造装置1では、台金5に形成された加工部15を弾性隔膜11を通じて加わる等方圧から保護する保護部材16が設けられている。この保護部材16は、台金5が圧力容器3の成形領域6内に収容される前に、トレイ12上に載置した台金5の加工部15を覆い隠すように配置される。
【0029】
保護部材16の材料としては、静水圧による加工部15の変形を抑えることができるように、例えばイソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ウレタンゴムなどのゴム材や、鉄、銅、アルミといった金属材料など、成形圧力を吸収又は遮ることができるものを用いる。
【0030】
次に、このように構成された軸受製造装置1により実際に軸受パッド2が製造される場合の製造工程ついて説明する。
まず、図4に示すように、台金5の上面に樹脂粉末4を配置するために、台金5の上面に、例えばSUS304などのステンレス鋼の粉末17とアルミニウム粉末18の複合物からなる溶射材料をプラズマ溶射して、多孔質中間層19を形成する。このような多孔質中間層19を形成したことにより生じるアンカー効果により台金5への摺動層20(樹脂粉末4)の密着性を向上させることができ、摺動特性に優れた軸受パッド2を製造することができる。
【0031】
次に、図5に示すように、台金5上に形成された多孔質中間層19に樹脂粉末4を充填する。このようにして上面に樹脂粉末4が充填された複数の台金5を、図1に示すように、トレイ12上にそれぞれ載置すると共に、個々の台金5の加工部15を覆い隠すように保護部材16を配置する。次いで、搬送機構7のトレイ12を動作させ、図2に示すように、圧力容器3内の加圧成形領域6にトレイ12ごと台金5を収容する。さらに、昇圧ポンプ9を動作させて、圧力媒体10を圧縮加圧することにより、圧力媒体充填領域8内を例えば50MPa程度に昇圧する(昇圧工程)。
【0032】
これにより、図3に示すように、弾性隔膜11が、静水圧により成形領域6側に変形し、台金の表面の樹脂粉末4が、この変形した弾性隔膜4で押し固められ摺動層20として成形される。この際、台金5の加工部15に加わえられる等方圧を保護部材16により吸収(遮る)ことができるので、加工部15が変形してしまうことなどが防止され、品質の良い軸受パッド2を製造することができる。
【0033】
したがって、本実施形態の軸受製造装置1によれば、水や油といった液体や気体などからなる圧力媒体10が充填された圧力媒体充填領域8に対し、台金5上の樹脂粉末4が加圧されて摺動層20が成形される加圧成形領域6が、弾性隔壁11により物理的に区画されているので、圧力媒体10の浸漬を防止するための処理、つまり樹脂粉末4を表面に配置した台金5を封止する処理などが不要となり、効率良く軸受パッド2を製造することができる。また、本実施形態の軸受製造装置1によれば、弾性隔膜11を通じての等方性加圧により、台金5上の樹脂粉末4に対し均一な成形圧力を加えることができるので、成形密度の均一な摺動層20を有する品質の高い軸受パッド2を製造することができる。
【0034】
さらに、本実施形態の軸受製造装置1によれば、樹脂粉末4を表面に配置した台金5を搬送機構7に搭載(トレイ12上に載置)することで、圧力容器3の外部から、その成形領域6内に台金5を収容できると共に、樹脂粉末4成形後、台金5上に摺動層20が形成された軸受パッド2を搬送機構7により圧力容器3の外部へ容易に取り出すことができ、効率的に軸受パッド2を製造することができる。
【0035】
(第2の実施形態)
この実施形態では、図1に示した軸受製造装置1を用い、第1の実施形態と同様の方法で軸受パッドを製造する。但し、図6に示すように、台金5上に配置された樹脂粉末4が所定の形状で保持されるように、昇圧工程の実施前、すなわち台金5を圧力容器3の加圧成形領域6内に収容する前に樹脂粉末4の周囲を保持部材21覆う工程が追加されている。保持部材21の材料としては、樹脂粉末4間に介在された空気が加工成形時に除去されるように、通気性に優れた例えば麻、木綿、フェルトなどの布を適用することが好ましい。
【0036】
このように、本実施形態によれば、成形中の樹脂粉末4の飛散防止などは勿論、成形過程において台金5上の樹脂粉末4の形状を維持できるので、台金5上の摺動層20を所望の形状に成形でき、製造される軸受パッド2の品質を高めることができる。
【0037】
(第3の実施形態)
この実施形態では、図1に示した軸受製造装置1を用い、第1の実施形態と同様の方法で軸受パッドを製造する。但し、図7に示すように、台金5を圧力容器3の成形領域6内に収容する前(少なくとも昇圧工程を実施前)に、成形すべき摺動層22の表面形状に対応させた中子23を樹脂粉末4の表面に接触させて配置する工程が追加されている。本実施形態では、摺動層22の表面が円弧状の軸受パッド24を製造することが可能である。
【0038】
中子23は、静水圧により変形しないように、その材料として、例えばイソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ウレタンゴムなどのゴム材や、鉄、銅、アルミといった金属材料などが、成形圧に応じて適宜選択される。
【0039】
したがって、本実施形態によれば、例えば回転体をラジアル方向から支持する軸受をセグメント化したパッド、すなわち摺動層22の表面が、図7に示したように、湾曲したかたちで凹んでいる軸受パッド24などを効率良く製造することができる。
【0040】
(第4の実施形態)
この実施形態では、図1に示した軸受製造装置1に、さらに圧力容器3の加圧成形領域6内を脱気する脱気ポンプ26を加えた装置を用い、第1の実施形態と同様の方法で軸受パッドを製造する。但し、図8に示すように、台金5を圧力容器3の加圧成形領域6内に収容する前に、樹脂粉末4が上面に配置された台金5全体を封止材27で封止する工程と、封止された台金5が圧力容器3の加圧成形領域6内に収容された後で且つ昇圧工程の実施前に、この加圧成形領域6内を上記脱気ポンプ26により脱気する工程とが追加されている。
このとき、封止材27で封止した台金5における封止材内部の樹脂を脱気してもよい。また、軸受製造装置が脱気装置を備えている場合には、台金5を封止材で封止しなくてもよい。
【0041】
封止材27は、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴムなど、成形圧に応じて成形が困難にならないものを用いる。このような弾性率の封止材27を用いることにより、成形過程において台金5上の樹脂粉末4を所定の形状で維持しつつこの封止材27を介し摺動層28(樹脂粉末4)を均一の厚さで成形することができる。
【0042】
また、脱気ポンプ26による脱気処理では、圧力容器3における加圧成形領域6内の真空度を、好ましくは1Torr以下になるように真空引き(脱気)する。加圧成形領域6内をこのように脱気処理することにより、台金5上の樹脂粉末4間に残存する空気を確実に除去することができ、成形後、摺動層28に割れや膨れなどが生じてしまうことを防止することができる。
【0043】
なお、台金5全体を封止材27で封止する前に、台金5上に配置された樹脂粉末4を、第2の実施形態で説明したように、麻、木綿、フェルトなどの保持部材21で覆うことにより、成形中の樹脂粉末4の飛散をより確実に防止できると共に、成形過程において台金5上の樹脂粉末4の形状の保持効果が高まり、台金5上の摺動層28を所望の形状に成形することができる。
【0044】
(第5の実施形態)
この実施形態では、図8に示した第4の実施形態の圧力容器を有する軸受製造装置を用い、第4の実施形態と同様の方法で軸受パッドを製造する。但し、樹脂粉末4が上面に配置された台金5全体を封止材27で封止する工程に代えて、図9に示すように、昇圧工程の実施前に、加熱して液状化された熱溶融材料29で台金5上の少なくとも樹脂粉末4を覆い、この後、この熱溶融材料29を固体化させる工程が追加されている。また、この実施形態の脱気処理は、熱溶融材料29が冷却されて固体化した後で且つ昇圧工程の実施前に、圧力容器3の加圧成形領域6内を真空引き(又は熱溶融材料2の中を脱気)することによって行われる。
【0045】
熱溶融材料29は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体から選ばれた1種又は2種以上の熱可塑性樹脂からなることが望ましい。
【0046】
本実施形態では、例えばポリエチレン系樹脂と油との混合物が、熱溶融材料29として適用され、このような熱溶融材料29は、常温では固体であり、融点が200℃以下なので、樹脂粉末4に熱的悪影響(粉末の変質など)を与えることなく、台金5上のこの樹脂粉末4を覆うことができる。
【0047】
なお、樹脂粉末4と熱溶融材料29とが付着しないように、まず、台金5上の樹脂粉末4を第2の実施形態で用いた麻、木綿、フェルトなどの保持部材21で覆った後、さらにこの上を熱溶融材料29で覆うようにしてもよい。
【0048】
したがって、本実施形態では、台金5上の樹脂粉末4間に残存する空気をより確実に除去することができるので、樹脂粉末成形後に、摺動層30に割れや膨れなどが生じてしまうことなどを抑制できる。また、本実施形態では、前記実施形態と同様、成形中における樹脂粉末4の飛散を防止できると共に、成形過程において台金5上の樹脂粉末4の形状を維持できることから、台金5上に摺動層30を所望の形状に成形することができる。これにより、本実施形態によれば、品質の良い軸受パッド2を製造することが可能である。
【0049】
以上、本発明を各実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0050】
上記実施形態では、台金5上に積層配置する樹脂粉末4の材料を特に例示しなかったが、例えば耐摩擦・耐摩耗特性に優れる四フッ化エチレン(PTFE)や、高強度で耐熱性に優れるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を樹脂粉末4として適用してもよい。なお、PEEKを用いる場合、一般に、加熱状態での静水圧成形が必要になり、またPTFEを用いる場合、静水圧成形後、焼成処理(加熱処理)などが必要になる。PTFEを樹脂粉末4として用い、且つ第4、第5の実施形態のように、圧力容器3の加圧成形領域6内を脱気した後、又は封止材内若しくは熱溶融材料内を脱気した後、加圧成形を行う軸受パッドの製造方法では、軸受パッドの摺動層に、焼成処理(加熱処理)後、割れや膨れなどが発生してしまうことを無論防止することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、例えば水や油といった液体や気体などの流体からなる圧力媒体が充填された領域に対し、台金上の樹脂粉末が加圧されて摺動層が成形される領域が、隔壁により物理的に区画されているので、圧力媒体により樹脂粉末が浸漬されてしまうことを防止する処理、すなわち樹脂粉末を表面に配置した台金を封止する処理などが不要となり、効率良く軸受を製造することができる。また、本発明によれば、弾性変形させた隔膜を通じての等方性加圧により、台金上の樹脂粉末に対し均一な成形圧力を加えることができるので、成形密度の均一な摺動層を有する品質の高い軸受を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る軸受製造装置を示す斜視図である。
【図2】図1の軸受製造装置を構成する圧力容器を示す断面図である。
【図3】樹脂粉末が表面に配置された台金が図3の圧力容器内で加圧されている状態を示す断面図である。
【図4】台金の上面に多孔質中間層が形成された状態を示す断面図である。
【図5】図4の台金の上面の多孔質中間層に樹脂粉末が充填された状態を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る軸受パッドの製造方法を説明するための断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る軸受パッドの製造方法を説明するための断面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る軸受パッドの製造方法を説明するための断面図である。
【図9】本発明の第5の実施形態に係る軸受パッドの製造方法を説明するための断面図である。
【図10】プレス用金型を用いた従来の軸受パッドの製造方法を説明するための断面図である。
【図11】CIP法を利用した従来の軸受パッドの製造方法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1…軸受製造装置、2,25…軸受パッド、3…圧力容器、4…樹脂粉末、5…台金、6…加圧成形領域、7…搬送機構、8…圧力媒体充填領域、9…昇圧ポンプ、10…圧力媒体、11…弾性隔膜、12…トレイ、15…加工部、16…保護部材、19…多孔質中間層、20,22,24,28,30…摺動層、21…保持部材、23…中子、26…脱気ポンプ、27…封止材、29…熱溶融材料。

Claims (14)

  1. 圧力媒体が充填された圧力媒体充填領域と台金の表面に配置された樹脂粉末が加圧成形される加圧成形領域とが、弾性変形可能な隔膜により区画された圧力容器と、
    前記加圧成形領域内に収容された前記台金の表面の前記樹脂粉末が、弾性変形した前記隔膜で押し固められ摺動層として成形されるように、前記圧力媒体充填領域内を前記圧力媒体を介して昇圧する昇圧機構と
    を具備することを特徴とする軸受製造装置。
  2. 前記圧力容器の前記加圧成形領域に対し前記台金を搬入又は搬出する搬送機構をさらに具備することを特徴する請求項1記載の軸受製造装置。
  3. 前記台金の所定の部位を前記隔膜を通じて加わる成形圧力から保護する保護部材をさらに具備することを特徴とする請求項1又は2記載の軸受製造装置。
  4. 前記圧力容器の前記加圧成形領域内を脱気する機構をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項に記載の軸受製造装置。
  5. 台金の表面に樹脂粉末を配置する樹脂配置工程と、
    圧力媒体が充填された圧力媒体充填領域と前記台金上で前記樹脂粉末が加圧成形される加圧成形領域とが弾性変形可能な隔膜により区画された圧力容器の前記加圧成形領域内に、前記樹脂粉末が表面に配置された前記台金を収容する工程と、
    前記加圧成形領域内に収容された前記台金の表面の前記樹脂粉末が、弾性変形した前記隔膜で押し固められ摺動層として成形されるように、前記圧力媒体充填領域内を前記圧力媒体を介して昇圧する昇圧工程と
    を有することを特徴とする軸受の製造方法。
  6. 前記樹脂配置工程の実施前に、前記台金の表面に多孔質中間層を形成する工程を有することを特徴とする請求項5記載の軸受の製造方法。
  7. 前記昇圧工程の実施前に、前記隔膜を通じて加わる成形圧力から前記台金の所定の部位を保護する保護部材を配置する工程を有することを特徴とする請求項5又は6記載の軸受の製造方法。
  8. 前記台金上に配置された前記樹脂粉末が所定の形状で保持されるように、前記昇圧工程の実施前に、前記樹脂粉末の周囲を保持部材で覆う工程を有することを特徴とする請求項5ないし7いずれか1項に記載の軸受の製造方法。
  9. 前記昇圧工程の実施前に、前記樹脂粉末が表面に配置された前記台金全体を封止材で封止する工程を有することを特徴とする請求項5ないし8いずれか1項に記載の軸受の製造方法。
  10. 前記昇圧工程の実施前に、加熱して液状化された熱溶融材料で前記台金上の少なくとも前記樹脂粉末を覆い、この後、この熱溶融材料を固体化させる工程をさらに有することを特徴とする請求項5ないし9いずれか1項に記載の軸受の製造方法。
  11. 前記台金が前記封止材で封止された後又は前記熱溶融材料が冷却されて固体化した後で、且つ前記昇圧工程の実施前に、前記圧力容器の前記加圧成形領域内を脱気する工程をさらに有することを特徴とする請求項9又は10記載の軸受の製造方法。
  12. 前記台金が前記封止材で封止された後又は前記熱溶融材料が冷却されて固体化した後で、且つ前記昇圧工程の実施前に、前記封止材若しくは固体化した前記熱溶融材料の内部の前記樹脂粉末を脱気する工程をさらに有することを特徴とする請求項9又は10記載の軸受の製造方法。
  13. 前記熱溶融材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体から選ばれた1種又は2種以上の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項11又は12記載の軸受の製造方法。
  14. 前記昇圧工程の実施前に、成形すべき前記摺動層の表面形状に対応させた中子を、前記樹脂粉末、前記樹脂粉末上の保護部材、前記封止材、若しくは前記熱溶融材料に接触させて配置する工程を有することを特徴とする請求項5ないし13いずれか1項に記載の軸受の製造方法。
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