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JP3831604B2 - 固体高分子形燃料電池用セパレータ - Google Patents
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JP3831604B2 - 固体高分子形燃料電池用セパレータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子形燃料電池用セパレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は、従来の燃料電池の1形態である固体高分子形燃料電池の単セルの基本構成を示す分解断面図である。固体高分子電解質膜1の両側の主面にそれぞれ貴金属(主として白金)を含む空気極側触媒層2および燃料極側触媒層3を接合してセルが構成される。空気極側触媒層2および燃料極側触媒層3と対向して、それぞれ空気極側ガス拡散層4および燃料極側ガス拡散層5が配置される。これによりそれぞれ空気極6および燃料極7が構成される。これらのガス拡散層4および5は、それぞれ酸化剤ガスおよび燃料ガスを通過させると同時に、電流を外部に伝える働きをする。
そして、セルに面して反応ガス流通用のガス流路8を備え、相対する主面に冷却水流通用の冷却水流路9(冷却水流路9は反応ガス流通用のガス流路8として使用する場合もある)を備えた導電性でかつガス不透過性の材料よりなる一組のセパレータ10により挟持して単セル11が構成される。
【0003】
図10は、固体高分子形燃料電池スタックの基本構成を示す断面図である。多数の単セル11を積層し、集電板12、電気絶縁と熱絶縁を目的とする絶縁板13ならびに荷重を加えて積層状態を保持するための締付板14によって挟持し、ボルト15とナット17により締め付けられており、締め付け荷重は、皿バネ16により加えられている。
【0004】
固体高分子電解質膜1は分子中にプロトン交換基を有しており、含水量を飽和させると比抵抗が常温で20Ωcm2 以下となり、プロトン導電性電解質として機能する。このように固体高分子電解質膜1は含水させることによりプロトン導電性電解質として機能するもので、固体高分子形燃料電池においては、反応ガスに水蒸気を飽和に含ませて各単セル11に供給して運転する方法が採られている。
【0005】
燃料極7に水素を含む燃料ガス、空気極6に酸素を含む酸化剤ガスを供給すると、燃料極7では、水素分子を水素イオンと電子に分解する燃料極反応、空気極6では、酸素と水素イオンと電子から水を生成する以下の電気化学反応がそれぞれ行われ、燃料極から空気極に向かって外部回路を移動する電子により電力が負荷に供給されるとともに、空気極側に水が生成される。
【0006】
燃料極;H2 →2H+ +2e- (燃料極反応)
空気極;2H+ + (1/2) O2 +2e- →H2 O(空気極反応)
全体 ;H2 + (1/2) O2 →H2
【0007】
従来、燃料電池用セパレータとしては、カーボン板を切削加工して得られる図8に示すような断面形状を有するセパレータ10Aや、加圧成形(プレス成形)により得られる図7に示すような断面形状のセパレータ10Bが使用されていた。
【0008】
しかし、図8のセパレータ10Aは切削加工によるため煩雑で手間がかかりコストアップになる問題があった。一方、図7のセパレータ10Bは加圧成形により成形されるのでコストアップの問題は避けられるが、炭素複合材料などのカーボン系材料を用いるとカーボン系材料は脆弱なため、固体高分子形燃料電池スタックを作るために上記のように締め付けると、締めつけに耐えるに必要な機械的強度がなく、固体高分子形燃料電池の単位体積当たりのエネルギー出力を大きくするためや小型化するなどのために、肉厚を薄くすると、変形や破損などが発生し、薄肉化が困難であるという問題があった。
【0009】
そこでセパレータの薄肉化を行うために、量産可能で低コスト化可能な加圧成形(プレス成形)により、図6に示すような、多数の凹部20と凸部21を有する波板状の断面形状を有するセパレータ10Cが提案されたが、カーボン系材料を用いると上記の場合と同じ機械的強度の問題が発生する。そのため替わりに金属材料を用い、しかも水への汚染および腐食の問題を避けるために表面に高価なニオブなどの表面処理を行った金属材料を用いる必要があった。このように高価なニオブなどの表面処理を行った金属材料を用いるとコストアップになる問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の問題を解決し、カーボン系材料を用いたとしても、固体高分子形燃料電池スタックを締めつけるのに耐えることができる必要十分な機械的強度を有し、薄肉化が達成できるので燃料電池の単位体積当たりのエネルギー出力を大きくしたり小型化できる安価な固体高分子形燃料電池用セパレータを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は従来の問題を解決するために鋭意研究した結果、例えば図6に示すような、多数の凹部20と凸部21を有する波板状の断面形状を有するセパレータ10Cの各凹部20に凸部21と同一高さを有する突起を、好ましくはセパレータ10Cと一体的に設けることにより、課題を解決できることを見いだし、本発明を成すに到った。
【0012】
すなわち、本発明の請求項1記載の固体高分子形燃料電池用セパレータは、固体高分子電解質膜の一方の面に燃料極、他方の面に空気極を有するセルを挟持するとともに、前記セルに面して反応ガス流通用のガス流路を備え、相対する主面に冷却水流通用の冷却水流路あるいは反応ガス流通用のガス流路を備えた、導電性でかつガス不透過性の材料よりなる多数の凹部と凸部を有する波板状の燃料電池用セパレータであって、
前記凹部に前記凸部と同一高さの突起を形成して設けたことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項2記載の固体高分子形燃料電池用セパレータは、請求項1記載のセパレータにおいて、前記凸部および突起は先端に行くにしたがって細くなるように形成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項3記載の固体高分子形燃料電池用セパレータは、請求項1あるいは請求項2記載のセパレータにおいて、加圧成形または射出成形により成形されてなることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項4記載の固体高分子形燃料電池用セパレータは、請求項1から請求項3のいずれかに記載のセパレータにおいて、前記材料が炭素複合材料もしくは金属材料であることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の固体高分子形燃料電池用セパレータの1実施形態の断面を説明する説明図である。
図1において、本発明の固体高分子形燃料電池用セパレータ10Xは、多数の凹部20と凸部21を有する波板状のセパレータであって、各凹部20に凸部21と同一高さを有する突起22がセパレータ10X本体と一体的に設けられている。突起22を設けたことにより、例えカーボン系材料を用いてセパレータ10Xを形成したとしても、セパレータ10Xは固体高分子形燃料電池スタックを締めつけるのに耐えるだけの必要十分な機械的強度を有し、肉厚tを小さくできるので、燃料電池10Xの単位体積当たりのエネルギー出力を大きくでき、また小型化できる。
凸部21と隣接する凸部21との間隔Lは特に限定されないが、具体的には例えば凡そ2〜3mm程度である。
【0017】
上記の実施形態は突起22がセパレータ10X本体と一体的に設けられている例を示したが、突起22を別に作成し、それを各凹部20に凸部21と同一高さになるように接着剤を用いたり、あるいは使用せずに配設してもよい。本発明においては、突起22がセパレータ10X本体と一体的に設けられている方が精度を向上でき、また工程数を削減でき、機械的強度も大きいので、好ましい。
【0018】
セパレータ10Xの材質は導電性でかつガス不透過性の材料であれば特に限定されないが、量産による低コスト化が可能となる加圧成形または射出成形ができるカーボン、カーボンとレジンからなる炭素複合材料などのカーボン系材料もしくは金属材料は好ましく使用できる。
ガス不透過性および機械的強度の観点から金属材料の場合の厚さt1の例としては凡そ0.1〜0.2程度mm、カーボン系材料の場合の厚さt1の例としては凡そ0.4〜0.5程度mmを挙げることができる。
【0019】
凸部21および突起22は先端に行くにしたがって細くなるように形成されている(例えば約5〜10°程度のテーパーを付ける)ことが好ましい。凸部21および突起22の先端部がセルに接触する面積が大きくなると反応ガスの流通に対する抵抗が大きくなりガス拡散の問題が発生するので、不必要に大きくすることはできない。
テーパーを付けることにより、凸部21および突起22の先端部が小さくなり、ガス拡散の問題が抑制、防止されるとともに、加圧成形または射出成形時に型抜き性がよくなり、成形性を向上できる。
【0020】
図2は、本発明の固体高分子形燃料電池用セパレータ10Xを用いてセルを挟持した単セル11を多数積層して固体高分子形燃料電池スタックを形成した例を示す断面図である。
図2において、図9に示した構成部分と同じ構成部分には同一参照符号を付すことにより、重複した説明を省略する。
各凹部20に凸部21と同一高さを有する突起22がセパレータ10X本体と一体的に設けたことにより、単セル11を多数積層して締めつけても、各突起22が各セパレータ10Xの変形や破損などを防止する作用効果を奏する。したがって、セパレータ10Xは締めつけに対して耐える必要十分な機械的強度を有するようになる。
【0021】
図3の(イ)は図2に示したセパレータAの燃料ガス流路側の平面説明図であり、(ロ)は(イ)に示したセパレータAのa−a断面説明図であり、(ハ)は図2に示したセパレータAの酸化剤ガス流路側の平面説明図であり、(ニ)は(イ)に示したセパレータAのb−b断面説明図であり、(ホ)は(ハ)に示したセパレータAのc−c断面説明図である。
セパレータAは、セパレータAの右側のセルに面して燃料ガス流通用のガス流路8(9)を備え、相対するセパレータAの左側のセルに面して酸化剤ガス流通用のガス流路8を備えている。
【0022】
図4の(イ)は図2に示したセパレータBの燃料ガス流路側の平面説明図であり、(ロ)は(イ)に示したセパレータBのd−d断面説明図であり、(ハ)は図2に示したセパレータBの冷却水流路側の平面説明図であり、(ニ)は(イ)に示したセパレータBのe−e断面説明図であり、(ホ)は(ハ)に示したセパレータBのf−f断面説明図である。
セパレータBは、セパレータBの右側のセルに面して燃料ガス流通用のガス流路8を備え、相対するセパレータBの主面に冷却水流通用の冷却水流路8(9)を備えている。
【0023】
図5の(イ)は、図2に示したセパレータCの冷却水流路側の平面説明図であり、(ロ)は(イ)に示したセパレータCのg−g断面説明図であり、(ハ)図2に示したセパレータCの酸化剤ガス流路側の平面説明図であり、(ニ)は(イ)に示したセパレータCのh−h断面説明図であり、(ホ)は(ハ)に示したセパレータCのi−i断面説明図である。
セパレータCは、セパレータCの右側のセパレータBに面して冷却水流通用の冷却水流路8(9)を備え、セパレータCの左側のセルに面して燃料ガス流通用のガス流路8を備えている。
【0024】
なお、上記実施形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【0025】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の固体高分子形燃料電池用セパレータは、固体高分子電解質膜の一方の面に燃料極、他方の面に空気極を有するセルを挟持するとともに、前記セルに面して反応ガス流通用のガス流路を備え、相対する主面に冷却水流通用の冷却水流路あるいは反応ガス流通用のガス流路を備えた、導電性でかつガス不透過性の材料よりなる多数の凹部と凸部を有する波板状の燃料電池用セパレータであって、前記凹部に前記凸部と同一高さの突起を形成して設けたので、カーボン系材料を用いたとしても、固体高分子形燃料電池スタックを締めつけるのに耐える必要十分な機械的強度を有し、薄肉化が達成できるので燃料電池の単位体積当たりのエネルギー出力を大きくしたり、小型化することができ、しかも安価であるという顕著な効果を奏する。
【0026】
本発明の請求項2記載の固体高分子形燃料電池用セパレータは、請求項1記載のセパレータと同様の効果を奏する上、前記凸部および突起が先端に行くにしたがって細くなるように形成したので、凸部および突起の先端部が小さくなり、ガス拡散の問題が抑制、防止されるとともに、加圧成形または射出成形時に型抜き性がよくなり、成形性を向上できるという顕著な効果を奏する。
【0027】
本発明の請求項3記載の固体高分子形燃料電池用セパレータは、請求項1記載のセパレータと同様の効果を奏する上、加圧成形または射出成形により成形されてなるので、量産によるコストダウンを図ることができるという顕著な効果を奏する。
【0028】
本発明の請求項4記載の固体高分子形燃料電池用セパレータは、請求項1記載のセパレータと同様の効果を奏する上、セパレータを構成する材料が炭素複合材料もしくは金属材料であるので加圧成形または射出成形可能でありコストダウンを図ることができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体高分子形燃料電池用セパレータの1実施形態の断面を説明する説明図である。
【図2】本発明の固体高分子形燃料電池用セパレータを用いてセルを挟持した単セルを多数積層して固体高分子形燃料電池スタックを形成した例を示す断面図である。
【図3】(イ)は図2に示したセパレータAの燃料ガス流路側の平面説明図であり、(ロ)は(イ)に示したセパレータAのa−a断面説明図であり、(ハ)は図2に示したセパレータAの酸化剤ガス流路側の平面説明図であり、(ニ)は(イ)に示したセパレータAのb−b断面説明図であり、(ホ)は(ハ)に示したセパレータAのc−c断面説明図である。
【図4】(イ)は図2に示したセパレータBの燃料ガス流路側の平面説明図であり、(ロ)は(イ)に示したセパレータBのd−d断面説明図であり、(ハ)は図2に示したセパレータBの冷却水流路側の平面説明図であり、(ニ)は(イ)に示したセパレータBのe−e断面説明図であり、(ホ)は(ハ)に示したセパレータBのf−f断面説明図である。
【図5】(イ)は、図2に示したセパレータCの冷却水流路側の平面説明図であり、(ロ)は(イ)に示したセパレータCのg−g断面説明図であり、(ハ)図2に示したセパレータCの酸化剤ガス流路側の平面説明図であり、(ニ)は(イ)に示したセパレータCのh−h断面説明図であり、(ホ)は(ハ)に示したセパレータCのi−i断面説明図である。
【図6】従来の燃料電池用セパレータの断面を説明する説明図である。
【図7】従来の他の燃料電池用セパレータの断面を説明する説明図である。
【図8】従来の他の燃料電池用セパレータの断面を説明する説明図である。
【図9】固体高分子形燃料電池の単セルの基本構成を示す分解断面図である。
【図10】固体高分子形燃料電池スタックの基本構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 固体高分子電解質膜
2 空気極側触媒層
3 燃料極側触媒層
4 空気極側ガス拡散層
5 燃料極側ガス拡散層
6 空気極
7 燃料極
8 ガス流路
9 冷却水流路
10 セパレータ
11 単セル
20 凹部
21 凸部
22 突起

Claims (4)

  1. 固体高分子電解質膜の一方の面に燃料極、他方の面に空気極を有するセルを挟持するとともに、前記セルに面して反応ガス流通用のガス流路を備え、相対する主面に冷却水流通用の冷却水流路あるいは反応ガス流通用のガス流路を備えた、導電性でかつガス不透過性の材料よりなる多数の凹部と凸部を有する波板状の燃料電池用セパレータであって、
    前記凹部に前記凸部と同一高さの突起を形成して設けたことを特徴とする固体高分子形燃料電池用セパレータ。
  2. 前記凸部および突起は先端に行くにしたがって細くなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載のセパレータ。
  3. 加圧成形または射出成形により成形されてなることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載のセパレータ。
  4. 前記材料が炭素複合材料もしくは金属材料であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のセパレータ。
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