JP3833376B2 - 筆記具等のキャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は筆記具等のキャップに関する。さらに詳細には、幼児等が誤って飲み込んだとしても空気流通を可能とし、窒息を回避する筆記具等のキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の筆記具等のキャップに関し、例えば、特開平9−39479号公報(A)には、シール部にヒケを発生させず、しかも万一喉に詰まっても呼吸することが可能な筆記具用キャップとして、「有底筒体のキャップ本体の開口部内周面に筆記具本体に密着してペン体を密封するシール部が形成されると共に外周に複数本の縦リブが形成されて該縦リブの間が通気溝として作用し、外径が筆記具本体と同径のスカート筒の尾端部が該シール部を避けたキャップ本体の開口部近傍において連結リブにてキャップ本体に連結されて該連結リブの間に通気溝に連通する通気窓が形成されたことを特徴とする筆記具用キャップ。」が開示されている。
【0003】
ところが、前記公報(A)のキャップは、キャップ本体外面とスカート筒(本願の外筒に相当)内面とが、複数本の連結リブにより連結されている。そのため、キャップを合成樹脂の射出成形によって構成する場合、前記連結リブを成形するための成形用金型(コアピン)の端部に、径方向に貫通するスリットを設ける必要があり、金型の強度(即ち金型の耐久性)を低下させてしまう。
【0004】
また、前記従来のキャップ(A)は、キャップ本体とスカート筒との間の連結リブの存在(即ち通気窓の存在)によって、空気流通抵抗が増加することは勿論、縦リブと連結リブが一致していないため、前記縦リブ間の通気溝と前記連結リブ間の通気窓との接続箇所において、空気流通路が狭くなり、より一層、スムーズな空気流通が損なわれる。
【0005】
また、実開平5−46486号公報(B)には、「インキの蒸発を防止するため筆記先端部に嵌着されるサインペン、マーカー等のキャップにおいて、キャップ閉鎖端部より軸方向に複数本の縦溝を設け、キャップ開口部側外側面に複数のリブを介して一端が前記縦溝にかかる外筒を一体的に設けた筆記具のキャップ。」が開示されている。
【0006】
ところが、前記公報(B)のキャップは、縦溝を有するキャップ体(本願のキャップ本体に相当)と、外筒とが滑らかに連結されておらず、キャップ体と外筒との間に大きな外径差があるため、デザインする上での制約があり、不格好な外観に余儀なくされている。また、前記公報(B)のキャップは、前記公報(A)と同様、キャップ外側面に複数のリブを介して外筒を一体的に設けたことにより、成形用金型(コアピン)の端部にスリットを径方向に貫設する必要があり、金型の強度を低下させてしまう。
【0007】
また、前記公報(A)及び(B)のキャップにおいて、キャップ本体の外周面に露出する縦リブは、その板厚(即ち周方向の厚み)が小さいため、キャップ着脱の際、ユーザーが縦リブの外周面を強く挟持すると、縦リブの頂部がユーザーの指先に食い込んで、ユーザーに痛みを与えるおそれがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記従来の問題点を解決するものであって、シール部にヒケを発生させないことは勿論、金型の耐久性が向上し、且つ外筒と内筒との連結部においてスムーズな空気流通が可能となり、しかもスマートな外観を有し、さらには指先で挟持した際に指先に痛みを感じさせない筆記具等のキャップを提供することにある。尚、本発明において、「上」とはキャップ閉塞側を示し、「下」とはキャップ開口側を示す。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の筆記具等のキャップ1は、一方が開口し他方が閉鎖された有底筒体よりなるキャップ本体2と、該キャップ本体2の外周面に一体に連結される両端が開口された外筒3とを備えた合成樹脂成形体よりなる筆記具等のキャップ1であって、前記キャップ本体2の外周面に閉鎖側の端部より開口側へ軸方向に延びる複数本の縦リブ4を一体に設け、前記縦リブ4の下方のキャップ本体2の外周に外筒3を設け、前記外筒3で覆われた前記キャップ本体2の内周面に環状のシール部7を設け、前記キャップ本体2と前記外筒3との連結部8を、前記縦リブ4の下端部及び前記外筒3の上端部のみとし、前記キャップ本体2の外周面と前記外筒3の全内周面との間に筒状間隙6を形成したこと(請求項1)を要件とする。
【0010】
キャップ本体2と外筒3との連結部8が、縦リブ4の下端部及び外筒3の上端部のみ(即ち、縦リブ4の下端部のみ、且つ外筒3の上端部のみ)とし、前記キャップ本体2の外周面と前記外筒3の全ての内周面との間に筒状間隙6を形成した構成によって、外筒3の内周面に従来のような連結用リブが存在しないため、金型のコアピンの端部に、径方向に貫通するスリットを設ける必要がなくなり、金型構造を簡易にでき、金型の強度及び耐久性が向上すると共に、キャップ本体2と外筒3とを滑らかに連結させ、デザイン上の自由度が増し、スマートな外観形状が得られる。
【0011】
さらに、前記構成によって、前記筒状間隙6と、縦リブ4間の空気流通路(即ち縦溝5)とが、直接、連通させることができるため、連結部8において空気流通抵抗を増加させるものが無くなり、内筒と外筒3の間で円滑な空気流通が可能となる。
【0012】
その上、外筒3で覆われたキャップ本体2の内周面に環状のシール部7を設けることにより、環状のシール部7を異形断面とせず、均一な肉厚とし、該シール部7内面に成形時のヒケが発生することがない。
【0013】
前記外筒3の下端部は、キャップ本体2の下端部より下方に位置していてもよいが、キャップ装着時に筆記具本体9の肩部92との強い当接によって連結部8が座屈するおそれがあり、それを防止するために、前記外筒3の下端部は、キャップ本体2の下端と一致させるか、又は、図1及び図6に示すようにキャップ本体2の下端より僅かに上方に位置させることが好ましい。
【0014】
また、請求項1記載の筆記具等のキャップにおいて、縦リブ4の周方向の厚みTを、1mm〜5mmの範囲としたこと(請求項2)が好ましい。前記縦リブ4の周方向の厚みTが1mmより小さい場合、縦リブ4の頂部が指先に食い込んで、ユーザーの指先に痛みを生じさせ、一方、前記縦リブ4の周方向の厚みTが5mmより大きい場合、縦リブ4間に形成される空気流通路が小さくなり、十分な空気流通量が確保できない。即ち、縦リブ4の周方向の厚みTが、1mm〜5mmの範囲としたことによって、キャップ1を指で挟持した際、指先に痛みを感じさせることが回避できると同時に、縦リブ4間に十分な空気流通路を形成することができる。
【0015】
また、請求項1又は2記載の筆記具等のキャップにおいて、縦リブ4の軸方向に延びる頂部の角部41を曲面状としたこと(請求項3)が好ましい。それにより、キャップ1を挟持した際、縦リブ4の頂部が指先に深く食い込むことを抑止でき、より一層、指先に痛みを感じさせることが回避できる。
【0016】
さらに、前記請求項2の構成、請求項3の構成によって、キャップを飲み込んだ際に喉部内面を傷つけることが抑えられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に従って説明する。(図1〜図6参照)
【0018】
図1に示すように、本発明の筆記具等のキャップ1は、合成樹脂(例えばポリプロピレン)の射出成形体であり、一方が開口し他方が閉鎖された有底円筒体よりなるキャップ本体2と、両端が開口された円筒体よりなる外筒3とが、一体に連結されてなる。
【0019】
前記キャップ本体2の外周面には、キャップ本体2の閉塞側の端部から開口側へ軸方向に延びる複数本(ここでは6本)の縦リブ4が形成されている。前記縦リブ4は、等間隔に配置され、隣接する縦リブ4間に複数本の縦溝5(ここでは6本)を形成している。(図2及び図3参照)
【0020】
前記縦リブ4の下端部は、外筒3の上端部と一体に連結され、連結部8を構成している。即ち、キャップ本体2と外筒3とを連結する連結部8が、前記縦リブ4の下端部及び前記外筒3の上端部のみである。また、前記外筒3は、キャップ本体2の下部外周面を覆い、前記外筒3の全内周面と前記キャップ本体2の外周面との間に円筒状の筒状間隙6を形成している。前記筒状間隙6は、前記外筒3の両端に開口され、軸方向に貫通している。
【0021】
前記筒状間隙6と前記縦溝5とは、前記縦リブ4と前記外筒3の前記連結部8にてダイレクトに連通している。即ち、キャップ1の両端を軸方向に貫く空気流通路が、前記縦溝5と前記筒状間隙6とにより構成されるため、流通抵抗の小さい、スムーズな空気流通が可能となると同時に、金型のコアピンの端部にスリットを径方向に貫設する必要がなくなり、金型の強度及び金型の耐久性が向上する。
【0022】
前記外筒3が覆うキャップ本体2の内周面(即ち、筒状間隙6を外面に備えた部分のキャップ本体2の内周面)には、環状のシール部7(具体的には環状突起)が一体に形成されている。そのため、前記環状のシール部7は、図4に示すように、その外面に異形箇所のない均一な肉厚を備えることができ、その内面に成形時のヒケ(成形不良)が発生することがない。その結果、図6に示すように、キャップ1を筆記具本体9に装着すると、前記環状のシール部7は、筆記具本体9外周面と適正に密接し、ペン先91を確実に密封することが可能である。
【0023】
また、図1に示すように、縦リブ4の下端部の頂部外径と外筒3外径は略同じ外径であり、縦リブ4と外筒3は、連結部8にて滑らかに連結されている。そのため、縦リブ4と外筒3の間に段差が形成されず、スマートな外観を呈することができる。さらに、前記縦リブ4の下端部より上方の頂部外径は、外筒3の外径より小さくなっている。それにより、より一層、スマートな外観形状を得ることが可能である。
【0024】
本実施例の縦リブ4は、その周方向の厚みTが、1.2mm〜1.8mmである(図2及び図3参照)。それにより、キャップ1を指で挟持した際、縦リブ4が指先に深く食い込むことがなくなり、指先に痛みを感じさせることが回避できると同時に、縦リブ4間に十分な空気流通路を形成することができる。また、前記縦リブ4の軸方向に延びる頂部の角部41を曲面状とし、該角部41にR状面取りを施したことにより、より一層、キャップ1を挟持した際の指先に痛みを感じさせることを防止できる。また、前記複数本の縦リブ4は、等間隔に設けることによって、キャップ1の周面に、偏りなく均一な空気流通路を構成している。
【0025】
また、キャップ本体2の内周面の前記シール部7の下方位置には、4個の面状の支持突起21が一体に形成されている。前記支持突起21は、キャップ1を筆記具本体9に装着した際、筆記具本体9の外周面と嵌合し、キャップ1のぐらつきを防止している。
【0026】
尚、本発明のキャップ1を構成する合成樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。
【0027】
尚、本発明のキャップ1は、例えば、マーキングペン、サインペン、ボールペン、パイプペン、万年筆等の筆記具、あるいは、修正液、化粧液、接着剤等の塗布具に適用可能である。
【0028】
【発明の効果】
本発明の筆記具等のキャップは、請求項1の構成により、金型の耐久性が向上すると共に、外筒と内筒との連結部においてスムーズな空気流通が可能となり、しかもスマートな外観を得ることができる。
【0029】
本発明の筆記具等のキャップは、請求項2の構成により、キャップを指で摘んだ際、指先に痛みを感じさせることが回避できると同時に、縦リブ間に十分な空気流通路を形成することができる。
【0030】
本発明の筆記具等のキャップは、請求項3の構成により、より一層、指先に痛みを感じさせることが回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキャップの一実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】図1のC−C断面図である。
【図5】図1のキャップの外観図である。
【図6】図1のキャップを筆記具本体に装着した状態の説明図である。
【符号の説明】
1 キャップ
2 キャップ本体
21 支持突起
3 外筒
4 縦リブ
41 頂部の角部
5 縦溝
6 筒状間隙
7 シール部
8 連結部
9 筆記具本体
91 ペン先
92 肩部
T 縦リブの周方向の厚み
Claims (3)
- 一方が開口し他方が閉鎖された有底筒体よりなるキャップ本体(2)と、該キャップ本体(2)の外周面に一体に連結される両端が開口された外筒(3)とを備えた合成樹脂成形体よりなる筆記具等のキャップであって、前記キャップ本体(2)の外周面に閉鎖側の端部より開口側へ軸方向に延びる複数本の縦リブ(4)を一体に設け、前記縦リブ(4)の下方のキャップ本体(2)の外周に外筒(3)を設け、前記外筒(3)で覆われた前記キャップ本体(2)の内周面に環状のシール部(7)を設け、前記キャップ本体(2)と前記外筒(3)との連結部(8)を、前記縦リブ(4)の下端部及び前記外筒(3)の上端部のみとし、前記キャップ本体(2)の外周面と前記外筒(3)の全内周面との間に筒状間隙(6)を形成したことを特徴とする筆記具等のキャップ。
- 請求項1記載の筆記具等のキャップにおいて、縦リブ(4)の周方向の厚み(T)を、1mm〜5mmの範囲としたことを特徴とする筆記具等のキャップ。
- 請求項1又は2記載の筆記具等のキャップにおいて、縦リブ(4)の軸方向に延びる頂部の角部(41)を曲面状としたことを特徴とする筆記具等のキャップ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33504397A JP3833376B2 (ja) | 1997-11-18 | 1997-11-18 | 筆記具等のキャップ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33504397A JP3833376B2 (ja) | 1997-11-18 | 1997-11-18 | 筆記具等のキャップ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11147389A JPH11147389A (ja) | 1999-06-02 |
| JP3833376B2 true JP3833376B2 (ja) | 2006-10-11 |
Family
ID=18284116
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33504397A Expired - Fee Related JP3833376B2 (ja) | 1997-11-18 | 1997-11-18 | 筆記具等のキャップ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3833376B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008055740A (ja) * | 2006-08-31 | 2008-03-13 | Pentel Corp | キャップ |
-
1997
- 1997-11-18 JP JP33504397A patent/JP3833376B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008055740A (ja) * | 2006-08-31 | 2008-03-13 | Pentel Corp | キャップ |
Also Published As
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|---|---|
| JPH11147389A (ja) | 1999-06-02 |
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