JP3835277B2 - 給湯器付き風呂釜 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯器の給湯回路から湯を台所等の給湯栓に対し給湯する一方、浴槽への湯張りのために上記給湯回路からの湯を浴槽に対し直接に又は追い焚き循環回路を介して間接に注湯するように構成された給湯器付き風呂釜に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の給湯器付き風呂釜においては、水道水の給水を受ける給湯回路内に例えば断水あるいは停電等に起因して負圧が生じた場合に、追い焚き循環回路内の浴槽内の湯水が逆流して給湯回路内に流入する事態の発生を阻止するために、給湯回路と追い焚き循環回路との間を注湯可能にしつつも縁切り可能な状態に接続する必要がある。これを実現する手段の例を図6に示す給湯器付き風呂釜の例に基づいて説明する。
【0003】
すなわち、給湯回路200の給湯側に介装された流量調整弁(水量サーボ弁)201の下流から注湯回路500が分岐され、この注湯回路500を介して給湯回路200と追い焚き循環回路4とが連通接続される。そして、この注湯回路500に対し、バキュームブレーカ(負圧破壊弁)501、注湯電磁弁502及び2段の逆止弁54,55からなる縁切り弁装置510を介装させて注湯及び縁切りの双方を行うようにしている。上記のバキュームブレーカ501は回路内に所定の負圧が生じたときに外気(エア)を吸い込んで負圧状態を解消するもの、注湯電磁弁502は注湯回路500を開閉切換して注湯及び遮断の切換を行うもの、また、2段の逆止弁54,55は注湯方向(順方向)への流通を許容しつつ逆方向への流通を阻止するものである。そして、上記バキュームブレーカ501は、弁体をバネにより弁座に押し付けて常時は閉状態に維持しつつ、回路内に負圧が作用したときには上記弁体がばねに抗して開きエアを回路内に吸い込んで上記負圧を解消(破壊)するようになっている。なお、図6中30は給湯温度センサであり、流量調整弁201と分岐部との中間位置に介装されている。
【0004】
ここで、上記の負圧が生じる場合としては、本来は給水圧(元圧)が作用している給湯回路側(給湯一次側)において給水元である水道の断水や、高架水槽等から各集合住宅(マンション等)の上階へポンプ圧送している場合に停電によるポンプ停止等が発生することにより、給湯一次側の圧力が低下して負圧を生じる場合がある。また、上記の逆流防止の要請は、飲用にも供されることのある給湯回路側に対し、追い焚き循環回路側から浴槽内の湯が逆流により流入してしまうことを阻止するためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の給湯器付き風呂釜10においては、給湯一次側での負圧発生時に浴槽湯水の給湯回路200側への逆流防止の確実化を図るために負圧破壊性能の向上、すなわち、上記バキュームブレーカ501によるエア吸い込み性能を向上させると、給湯一次側で負圧が発生しなくても二次側(風呂側)の事情によりエア吸い込みが生じ易くなり、吸い込まれて回路内に混入したエアにより特に風呂側(追い焚き循環回路4側)で不都合が生じ易くなる。つまり、負圧破壊による給湯回路側への逆流防止を優先させると風呂側での不都合を招き易くなり、その不都合発生を防止するために負圧破壊性能を低下(緩和)させようとすると逆に上記の負圧破壊による逆流防止がおろそかになるという問題がある。
【0006】
例えば、負圧破壊性能の向上のためにバキュームブレーカ501のバネ荷重設定を小さく(バネを弱く)してエア吸い込み性能を上げると、給湯一次側での負圧発生により応答性よくエア吸い込みが行われて風呂側からの逆流防止の確実化が図られる反面、バキュームブレーカ501のエア吸い込み口からの微小漏れや、追い焚き循環回路4内にエア混入が生じ易くなる。
【0007】
すなわち、給湯一次側が通常の正圧状態であっても比較的低圧である場合には、圧力変動によりバキュームブレーカ501の弁体が開閉方向に微動してエア吸い込み口から微小漏れが生じることになる。また、給湯回路200下流側の流量調整弁201により注湯流量を絞ると二次側の圧力が低下してしまい、負圧傾向となってバキュームブレーカ501からのエア吸い込みが生じることになる。さらに、特に給湯器付き風呂釜10が階上に設置されて階下に浴槽3が設置されている場合に階下浴槽への注湯・落とし込み時に給湯一次側での負圧発生はなくても注湯による湯の落とし込みにより二次側が負圧傾向となり、この影響を受けてバキュームブレーカ501からのエア吸い込みが生じることになる。この吸い込みエアが追い焚き循環回路4内に残留すると、追い焚き運転制御のために追い焚き循環回路4側に設置されている各種センサの作動不良を招き、誤検出や誤制御の原因ともなる。
【0008】
例えば、圧力式の水位検出センサ47が浴槽内の水位を誤検出すると所定の設定水位を超えて注湯による湯張りが行われたり、水流スイッチ48が誤検出すると所定の循環流が生じているにも拘わらず非検出となって循環不良と誤判定したり、また、戻り温度センサ49が誤検出すると浴槽内の湯の沸きすぎや追い焚き不足を招いたりすることになる。
【0009】
逆に、上記の階下浴槽への注湯・落とし込みの場合等におけるエア吸い込みを抑止するためにバキュームブレーカ501のバネ荷重設定を大きく(バネを強く)すると、給湯一次側での負圧発生時にバキュームブレーカ501の弁体が応答性よく開かずに負圧状態を効果的に破壊し得ないことになる。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、負圧破壊の確実化のために負圧破壊弁によるエア吸い込み性能を優先向上させつつも、それに伴う種々の不都合の発生をも確実に防止し得るようにした給湯器付き風呂釜を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、給水を受け加熱源により加熱して給湯栓側に給湯する給湯回路を備え、上記加熱源よりも下流側位置の給湯回路から分岐する注湯回路に配設された注湯用開閉弁を開くことで上記給湯回路から浴槽へ注湯可能に接続された給湯器付き風呂釜を対象として、上記給湯回路からの給湯がその給湯回路に配設された流量調整弁を介して上記給湯栓側及び上記注湯回路の注湯用開閉弁側に分岐供給される構成とする一方、所定の負圧を受けて開弁し外気を回路内に吸い込む負圧破壊弁を、上記注湯用開閉弁よりも上流側の給湯回路であって、上記給湯回路の加熱源よりも下流側位置で上記流量調整弁による流量調整前の給湯回路内の給水圧が作用するよう上記流量調整弁よりも上流側位置の上記給湯回路に介装することとした(請求項1)。
【0012】
この本発明の場合、給湯回路からの湯が給湯栓側と注湯用開閉弁側とに分岐される流量調整弁位置よりも上流側位置の給湯回路に負圧破壊弁が介装されているため、つまり、上記の分岐位置よりも下流側の注湯回路上に負圧破壊弁を介装する従来の構成と異なり、給湯回路側でしかも流量調整弁による流量調整前の位置に介装されているため、負圧破壊弁には正常時つまり通常時には給湯回路内の給水圧(流量調整前の給水圧)が内圧として常に作用することになる。このため、負圧破壊弁を閉弁状態に維持させる保持力(例えばバネ力)を弱くしたとしても上記給水圧の作用により確実に閉状態に維持される一方、給湯一次側が万が一負圧に陥れば応答性よく負圧破壊弁が開弁して外気(エア)を吸い込むことにより負圧状態の解消が即座に図られる。これにより、負圧破壊弁からの微小漏れの発生を確実に回避しつつ、上記注湯用開閉弁が開状態の場合はもちろんのこと、閉作動異常が万一発生している場合であっても、浴槽側からの逆流を確実に阻止することが可能になる。なお、給湯回路からの注湯は湯・水のいずれでもよい。
【0013】
一方、階下浴槽への注湯・落とし込みであって、その階下浴槽と階上の給湯器付き風呂釜との落差が比較的大きい場合であっても、従来の注湯回路に負圧破壊弁が介装されている場合と比べ注湯・落とし込みに対する抵抗分が増すことで負圧にはなり難くなり、発生したとしてもその負圧状態の軽減化が図られることになる。加えて、負圧破壊弁が流量調整弁よりも上流側に介装されているため、たとえ流量調整弁により注湯流量が絞られたとしても従来の流量調整弁よりも下流側の注湯回路に介装された従来位置の負圧破壊弁の如く作用する圧力が低下することはなく、従ってエア吸い込みが生じることもなく、流量調整時のエア吸い込みに起因する浴槽側の回路での不都合を生じさせることもない。
【0014】
また、上記請求項1の発明においては、さらに次の構成を付加するようにしてもよい。すなわち、上記注湯用開閉弁がその閉弁状態において注湯方向とは逆向きの所定の圧力を受けたときには開弁が許容される構造を有しており、負圧破壊弁が負圧を受けて開弁作動する開弁特性と、上記注湯用開閉弁が逆向き圧力を受けて開弁作動する開弁特性とを、給湯回路から負圧を受けたとき上記負圧破壊弁の吸気開始タイミングの方が上記注湯用開閉弁の開弁開始タイミングよりも先になるように関係付けるようにする(請求項2)。この関係付けの例としては、逆向き圧力を受けて開弁し始めることになる上記注湯用開閉弁の設定開弁作動圧を、上記負圧破壊弁が負圧を受けて外気を吸い込み始めることになる設定吸気作動圧よりも絶対値において大きくなるように設定すればよい。例えば、上記注湯用開閉弁の弁体に給湯回路側の給水圧が閉弁を維持させる圧力として作用させている場合に給湯回路側から負圧を受けると開弁が許容されるような場合であっても、上記の如く負圧を受けても先に負圧破壊弁が開弁してエアを吸い込むようにする、つまり注湯用開閉弁を開き難くすることにより、上記注湯用開閉弁が先に開弁してしまうことに起因する逆流発生や浴槽水位上昇等の不都合発生を確実に阻止することが可能になる。
【0015】
なお、本発明における給湯回路の加熱源としては、例えば、燃焼熱を受ける熱交換器により熱交換加熱するものや、電気ヒータ等により加熱するもの等のいずれを採用してもよい。また、負圧破壊弁としてはプランジャ、ボールもしくはダイヤフラム等の弁体をコイルスプリングもしくは平バネ等のバネにより閉弁側に付勢するものが挙げられるが、回路内から所定の負圧を受けて開弁するものであればその形式・構造の如何は問わない。
【0016】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1又は請求項2の本発明の給湯器付き風呂釜によれば、負圧破壊弁が流量調整弁よりも上流側位置の給湯回路に介装されているため、負圧破壊弁に対し給湯回路内の流量調整前の給水圧を内圧として常に作用させることができる。このため、負圧破壊弁を閉弁状態に維持させるバネ等の保持力を弱くしたとしても上記給水圧の作用により確実に閉状態に維持させて微小漏れ等の発生を確実に回避することができる一方、給湯一次側が万一負圧に陥れば応答性よく負圧破壊弁を開弁させて外気を吸い込むことにより負圧状態を即座に解消して浴槽側からの逆流を確実に阻止することができる。加えて、階下浴槽への注湯・落とし込みにおいても従来の場合よりも発生する負圧の軽減化を図ることができ、さらに流量調整弁による流量調整の如何に拘わらずその流量調整時の圧力低下の影響を負圧破壊弁が受けることなく、エア吸い込みに起因する追い焚き循環回路側での各種センサの誤検出発生等の不都合発生を回避することができる。従って、負圧破壊弁による負圧破壊性能を向上させつつも、負圧破壊弁の介装に伴う不都合の発生を回避することができる。
【0017】
特に、請求項2によれば、注湯用開閉弁として注湯方向とは逆向きの所定の圧力を受けて開弁する構成のものを採用した場合に、負圧を受けても負圧破壊弁が注湯用開閉弁よりも先に開弁してエアを吸い込んで負圧を破壊することができ、上記注湯用開閉弁が負圧破壊弁よりも先に開弁してしまうことに起因する逆流発生や浴槽水位の上昇等の不都合発生を確実に阻止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る給湯器付き風呂釜1を示したものである。
【0020】
この給湯器付き風呂釜1は、給湯機能を実現する給湯回路2と、浴槽3内の湯水の追い焚き機能を実現する強制循環式の追い焚き循環回路4と、上記給湯回路2と追い焚き循環回路4とを接続して湯張り機能を実現する注湯回路5とを備えたものである。
【0021】
上記給湯回路2は、水道管に接続された給水路21から導入される水を給湯側熱交換器22において燃焼バーナ23の燃焼熱との熱交換加熱により加熱し、加熱後の湯を出湯路24及び給湯路25を通して下流端の給湯栓26a,26bまで給湯させるようになっている。ここで、図示省略の燃焼缶体内に配設された上記熱交換器22及び燃焼バーナ23が加熱源を構成している。上記給水路21と出湯路24との間にはバイパス路27が設けられて、調整弁27aによる水の混合調節制御により設定温度への温度調整が行われるようになっている。上記給湯栓26aは台所等に配設されたカランであり、上記給湯栓26bは浴室や洗面台等に設置されたシャワーカランである。
【0022】
上記給水路21には入水温度センサ28と、入水流量センサ29とが配設されている。また、上記出湯路24には上記給湯栓26a,26bもしくは注湯回路5に供給される湯水の温度を検出する給湯温度検出手段としての給湯温度センサ30と、負圧破壊弁(バキュームブレーカ)31と、流量調整弁32とが上流側から順に配設されている。つまり、上記負圧破壊弁31は、加熱源としての熱交換器22よりも下流側位置(混水調整による温調のためにバイパス路27が付設されている場合にはそのバイパス路27の下流端との合流部よりも下流側位置)であって、流量調整部32よりも上流側位置に介装されている。言い換えると、上記負圧破壊弁31は後述の注湯電磁弁(注湯用開閉弁)52よりも上流側の給湯回路2であって、熱交換器22(あるいはバイパス路27の合流部)と流量調整弁32との間の位置の給湯回路2に介装されている。そして、給湯温度や注湯温度を所定の設定温度になるように燃焼バーナ23の燃焼を制御する給湯制御が図示省略のコントローラにより行われ、このコントローラでは主として上記入水温度センサ28、入水流量センサ29及び給湯温度センサ30からの各検出値に基づいて上記給湯制御を行うようになっている。
【0023】
ここで、上記負圧破壊弁31と、流量調整弁32とについて図2を参照しつつ詳細に説明すると、上記負圧破壊弁31は大気に開放されたエア吸い込み口311と、このエア吸い込み口311と流量調整弁32よりも上流側位置の出湯路24とを連通させる分岐連通路312と、この連通路312内に介装されて弁座313に対し開閉方向に移動可能な弁体314と、この弁体314を上記弁座313の側に押し付けて閉弁状態に維持するバネ315とを備えている。なお、上記弁体314は上記弁座313に着座するゴム層と、上記開閉方向のみへの移動案内をさせるためのガイド部とを一体に備えており、また、上記バネ315は圧縮コイルスプリングにより構成されて受け部材316と上記弁体314との間に掛け渡されている。そして、上記バネ315のバネ荷重が、出湯路24内の圧力が負圧に陥れば弁体314が開弁するように比較的弱いものに設定されている。
【0024】
また、上記流量調整弁32は、出湯路24に向けて連通する流入口321と、この流入口321に向けて進退するプランジャ322と、このプランジャ322を進退作動させるモータ(例えばステッピングモータ)323とを備えたものである。そして、上記プランジャ322を進退調整することにより、その先端側の弁部324と上記流入口321との間の隙間量(開度)を増減調整して出湯路24から給湯路25又は注湯路51への通過流量を変更調整し得るようになっている。ここで、上記プランジャ322はそのネジ部325がハウジング326に固定された保持筒327内にねじ込まれる一方、基端側のセレーション部328が上記モータ323と結合されており、プランジャ322がモータ323により軸回りに回転作動されることにより進退作動されるようになっている。
【0025】
上記追い焚き循環回路4は、それぞれ浴槽3に連通接続された戻り路41及び往き路42からなる循環路43を備え、上記戻り路41から循環ポンプ44の作動により風呂側熱交換器45に戻される浴槽3内の湯水を燃焼バーナ46の燃焼熱により熱交換加熱し、加熱後の湯水を往き路42を通して再び上記浴槽3内に供給して追い焚きさせるようになっている。
【0026】
上記戻り路41には、循環湯水の循環方向上流側から順に、水圧検出により浴槽3の水位を検出する水位センサ47と、上記循環ポンプ44と、循環流の通過によりフラップが開いて循環判定のON指令が出力される水流スイッチ48と、浴槽3内から風呂側熱交換器45に戻される循環湯水の温度を検出する戻り温度センサ49とが配設されている。上記水位センサ47からの検出値に基づいて所定水位までの注湯制御が上記コントローラにより行われ、上記戻り温度センサ49からの検出値に基づいて追い焚き時における浴槽3内の湯水温度が把握されて所定温度までの追い焚き制御が上記コントローラにより行われ、上記水流スイッチ48からの出力信号により追い焚き制御において循環作動が正常か否かの判定が上記コントローラにより行われることになる。
【0027】
上記注湯回路5は、上流端が上記流量調整弁32の下流側から分岐し、下流端が上記循環路43のいずれかの位置(図1では戻り路41の循環ポンプ44よりも下流側位置を例示)に連通する注湯路51を備えており、この注湯路51を通して上記給湯回路2からの湯水を追い焚き循環回路4に流入させて浴槽3に注湯し得るようになっている。上記注湯回路5の注湯路51には、上流側から順に、上記コントローラにより開閉制御されて注湯か遮断かの切換を行う注湯電磁弁52と、注湯流量を検出する注湯流量センサ53と、それぞれ浴槽3側への流通をのみ許容する構造を有する二段配置の逆止弁54,55とが配設されている。上記注湯流量センサ53からの検出値に基づいて浴槽3への湯張り量の把握が上記コントローラにより行われる。
【0028】
上記コントローラによる注湯制御は、例えばリモコンの湯張りスイッチがON操作されると、注湯電磁弁52を開いて燃焼バーナ23の燃焼を開始し、以後、上記リモコン等に設定された所定温度になるように上記燃焼バーナ23の燃焼作動や流量調整弁32の開度調整が行われる。これにより、上記所定温度の湯が給湯回路2から注湯回路5及び追い焚き循環回路4を通して浴槽3に落とし込まれ、水位センサ47による検出水位が所定水位に到達するか、もしくは注湯流量センサ53による積算湯量が所定湯量に到達すると上記注湯電磁弁52を閉じ燃焼バーナ23の燃焼作動を停止して終了する。
【0029】
以上の構成の給湯器付き風呂釜1の場合、負圧破壊弁31にはその弁体314に対し給湯回路2の出湯路24内の給水圧、つまり、流量調整弁32による流量調整前の給水圧が閉弁方向に対し常に内圧として作用することになる。このため、上記弁体314を閉弁状態に付勢するバネ315のバネ荷重設定を比較的弱くしてエア吸い込み性能を向上させたとしても、このバネ315に加え上記給水圧を受けて確実に閉状態に維持させることができる。これにより、上記流量調整弁32により通過流量が絞られた状態の湯が通過することになる流量調整弁32よりも下流側であって注湯回路5に配設された従来の場合と異なり、負圧破壊弁31からの微小漏れの発生のおそれを確実に回避することができる。
【0030】
一方、給湯一次側が断水や停電等により所定の負圧状態に万一陥ったとしても、エア吸い込み性能を向上させているため応答性よく上記弁体314が開弁してエア吸い込み口311からエアを吸い込み、これにより、負圧状態の解消を即座に図ることができ、注湯中(注湯電磁弁52が開状態)の場合はもちろんのこと、注湯停止中ではあるが注湯電磁弁52や逆止弁54,55に異物噛み込み等の閉作動異常が万一発生していたとしても、追い焚き循環回路4側からの逆流を確実に阻止することができる。
【0031】
また、給湯器付き風呂釜1が階上に設置され浴槽3が階下に設置されている場合の階下浴槽3への注湯・落とし込みであっても、注湯回路に負圧破壊弁が介装されている従来の場合(図6参照)と比べ注湯・落とし込みに対する抵抗分が増すことで負圧状態になり難くなり、その負圧状態の軽減化が図られる。加えて、たとえ流量調整弁32により注湯流量が絞られたとしても、流量調整弁32よりも下流側に介装された従来の場合(図6参照)と異なり、負圧破壊弁31に作用する圧力(給水圧)が低下することはなく、従ってエア吸い込みが生じることもない。これにより、流量調整時のエア吸い込みに起因する追い焚き循環回路4側での各種センサ47,49やスイッチ48の誤検出や誤判定発生のおそれも回避することができ、適正な制御を実現させることができる。なお、給湯温度センサ30を流量調整弁32の下流側位置、つまり図6の場合と同様に流量調整弁32と分岐部との中間位置に配設した場合にも、上記の追い焚き循環回路4側の各種センサの場合と同様に混入エアに起因する誤検出発生のおそれを確実に回避することができ、給湯栓26a,26bへの給湯温度もしくは浴槽3への注湯温度を確実に所定の設定温度に制御することができる。
【0032】
<第2実施形態>
図3は、本発明の第2実施形態に係る給湯器付き風呂釜1a(図1参照)の注湯回路5aで用いる注湯電磁弁52aを示している。ここで、従来の注湯電磁弁502(図6参照)はパイロット式のダイヤフラム弁により構成されており、この注湯電磁弁502ではその閉弁状態において注湯方向(正方向)に対する低圧〜高圧の閉止性能(閉止状態を保持するシール性能)が主として要求されるため、逆方向の閉止性能はあまり要求されず低圧であっても逆方向の圧力を受けて開弁してしまう構造となっている。これに対し、上記注湯電磁弁52aは、負圧破壊弁31のエア吸い込みが開始される吸気開始タイミングとの関係で、上記逆方向の圧力を受けて開弁する圧力設定を定めたものである。つまり、本実施形態における注湯電磁弁52aは、後述の閉付勢バネ529の追加によって、上記負圧破壊弁31が開弁し始めるタイミングを注湯電磁弁52aが逆方向の圧力を受けて開弁するタイミングよりも必ず先になるように構成したものである。
【0033】
なお、この第2実施形態の給湯器付き風呂釜1aの他の構成要素は第1実施形態のものと同様構成であるため、同一構成要素には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0034】
上記注湯電磁弁52aは、先端周囲に弁座521が形成され内部が下流側(浴槽3側)に連通する内筒部522と、この内筒部522の外周側のドーナッツ環状空間により構成され上流側(給湯回路2側)に連通する流通口523と、上記弁座521及び流通口523を覆うように配設され弾性変形により弁座521に対し接離可能に開閉するダイヤフラム弁524と、このダイヤフラム弁524を挟み弁座521と逆側に区画形成されたダイヤフラム室525と、プランジャガイド526により上記開閉方向に進退案内され電磁石527により進退作動されるプランジャ528とを備えている。
【0035】
上記ダイヤフラム弁524はディスクプレート524aと、外周縁が押圧固定されたゴムダイヤフラム524bとから構成され、上記流通口523とダイヤフラム室525とを連通させて同圧にするブリード孔524cと、上記内筒部522と連通するセンター孔524dとを有している。そして、上記プランジャ528は非通電時にはプランジャバネ528aにより閉弁位置に復帰して閉弁状態の上記センター孔524dを閉止する一方(ノーマルクローズ;図3参照)、通電時には上記電磁石527によりプランジャバネ528aに抗して後退(図3において上動)されセンター孔524dをダイヤフラム室525と連通させてダイヤフラム弁524を開弁状態に変換させるようになっている。この開弁状態では流通口523と内筒部522とが互いに連通されて注湯が可能となり、上記閉弁状態ではプランジャ528の先端のゴムシール部により上記センター孔524dが閉止されることになる。
【0036】
そして、このような構造の注湯電磁弁52aにおいて、さらに上記ダイヤフラム弁524を閉弁側に弾性付勢する閉付勢バネ529が配設されている。この閉付勢バネ529は、例えばダイヤフラム室525の一側を区画するプランジャガイド526と上記ディスクプレート524aとの間に掛け渡した圧縮コイルスプリングにより構成され、ダイヤフラム弁524を直接に付勢するように配設されている。
【0037】
このような注湯電磁弁52aにおいては、ダイヤフラム弁524が閉弁状態では給湯一次側(給湯回路2側)からの給水圧が流通口523と、ブリード孔524cを通してブリードインされたダイヤフラム室525とに共に作用する一方、二次側(浴槽3側)からは内筒部522の内断面積部分に対し浴槽3の水面からの大気圧が作用することになる。通常時には、主としてこのような一次側及び二次側の差圧に基づき閉弁状態に維持されるようになっている。つまり、給水圧が高圧になればダイヤフラム室525内の内圧も高圧になり、上記差圧がより高くなってダイヤフラム弁524がより強く弁座521に対し押し付けられて低圧〜高圧までの閉止シール性能を発揮するようになっている。このため、上記プランジャバネ528aは、本来は、電磁石527の過度の作動抵抗にならぬようにしつつ、大気圧が作用するセンター孔524dを閉止し得るようなできるだけ弱いバネ荷重に設定されている。
【0038】
従って、上記閉付勢バネ529が存在しないと、逆方向の背圧力を受けた場合には比較的低圧であっても開弁してしまい次のような不都合を生じてしまうことになる。すなわち、上記背圧力として例えば給湯回路2側からの負圧を受けると、ダイヤフラム室525も負圧となり抵抗要素が主としてプランジャバネ528aだけであるため容易にダイヤフラム弁524が開弁することになる。上記の負圧を受けると負圧破壊弁31も開くことになるが、負圧破壊弁31と注湯電磁弁52aとの両者の開作動タイミングが非特定であると、注湯電磁弁52aが一瞬でも先に開弁してしまった場合には、続いて負圧破壊弁31が開弁することにより浴槽3に回路内の湯水が流れて浴槽3の水位上昇を招いたり、負圧破壊弁31の開弁作動圧(開弁始動圧)よりも小さい負圧であれば浴槽3の水面にその負圧が作用することになる。
【0039】
そこで、本実施形態では、負圧破壊性能を優先させて負圧破壊弁31が負圧を受けて開作動し始める開作動圧力(吸気開始圧力:絶対値)を比較的小さくする一方(例えば水位上昇基準の1/2の35mmH2O)、上記注湯電磁弁52aが負圧を受けて開作動し始める開作動圧力(絶対値)を上記負圧破壊弁31のそれよりも大きくするという特性を付与している。
|負圧破壊弁の開作動圧力|<|注湯電磁弁の逆圧による開作動圧力|
【0040】
具体的には、負圧破壊弁31のバネ315(図2参照)のバネ荷重値と、上記注湯電磁弁52aの閉付勢バネ529のバネ荷重値(正確にはプランジャバネ528aのバネ荷重値に追加するバネ荷重値)とを上記特性になるようにそれぞれ設定する。つまり、特性上は負圧破壊弁31を閉弁状態に維持するバネ荷重を注湯電磁弁52aを閉弁状態に維持するバネ荷重よりも弱くして、負圧が作用したときに負圧破壊弁31の開弁タイミングが注湯電磁弁52aのそれよりも先になるようにするものである。
【0041】
これにより、給湯一次側が万一負圧状態になっても、負圧破壊弁31が注湯電磁弁52aよりも必ず先に開いてエアを吸い込み、このエア吸い込みにより負圧状態が解消され、負圧状態が解消される結果、注湯電磁弁52aは上記閉付勢バネ529等により閉弁状態に維持されることになる。この結果、上記の不都合の発生を回避することができる。
【0042】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第1及び第2実施形態では、給湯器付き風呂釜1,1aとして2缶2回路の例を示したが、1缶2回路の給湯器付き風呂釜に本発明を適用しても上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0043】
上記第2実施形態では、閉付勢バネ529の追加により注湯電磁弁52aのバネ荷重を負圧破壊弁31の開弁タイミングとの関係で所定の特性になるようにしているが、上記閉付勢バネ529の追加の代わりに図4に示すようにゴムダイヤフラム524bの弾性変形に対する抵抗力(ダイヤフラム弁524を閉状態に維持する弾性抵抗機能)を高めたり、図5に示すようにブリード孔524cのダイヤフラム室525側位置に逆止部材としてチェックボール530を配設したりするようにしてもよい。このような代替構成の追加によっても、第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。もちろん、図4及び図5のいずれか一方もしくは双方を上記の閉付勢バネ529の追加にさらに追加するようにしてもよい。
【0044】
上記の図4の構成は、ゴムダイヤフラム524bの外周縁524b′の押圧固定位置を例えば弁座521位置よりも下方位置に変化させ、ゴムダイヤフラム524bの閉弁状態を維持させる弾性張力を増加させることにより、上記の閉付勢バネ529のバネ荷重と同等の作用を果たさせるようにするものである。
【0045】
また、上記の図5の構成は、給湯一次側からの負圧作用時には上記チェックボールがブリード孔524cを閉止する一方、通常の給水圧が作用する正圧作用時には上記チェックボール530が給水圧により押し上げられてブリード孔524cを連通状態にするようにするものである。なお、図5中530aはチェックボール530の脱落止め用のピンである。この場合、負圧作用時には流通口523とダイヤフラム室525とが上記チェックボール530により遮断され、これにより、ダイヤフラム室525をそれまでの内圧に維持してダイヤフラム弁524を開かないようにすることができる。従って、負圧作用時には負圧破壊弁31を確実に先に開かせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第2の各実施形態を示す模式図である。
【図2】図1のA部の詳細拡大断面説明図である。
【図3】第2実施形態の注湯電磁弁の断面説明図である。
【図4】第2実施形態と同様作用効果を得る他の実施形態の図3対応図である。
【図5】第2実施形態と同様作用効果を得る図4とは異なる他の実施形態の部分拡大断面図である。
【図6】従来の給湯器付き風呂釜の例を示す図1対応図である。
【符号の説明】
1,1a 給湯器付き風呂釜
2 給湯回路
3 浴槽
4 追い焚き循環回路
22 熱交換器(加熱源)
23 燃焼バーナ(加熱源)
26a カラン(給湯栓)
26b シャワーカラン(給湯栓)
30 給湯温度センサ(給湯温度検出手段)
31 負圧破壊弁
32 流量調整弁
52,52a 注湯電磁弁(注湯用開閉弁)
Claims (2)
- 給水を受け加熱源により加熱して給湯栓側に給湯する給湯回路を備え、上記加熱源よりも下流側位置の給湯回路から分岐する注湯回路に配設された注湯用開閉弁を開くことで上記給湯回路から浴槽へ注湯可能に接続された給湯器付き風呂釜において、
上記給湯回路からの給湯がその給湯回路に配設された流量調整弁を介して上記給湯栓側及び上記注湯回路の注湯用開閉弁側に分岐供給されるように構成される一方、
所定の負圧を受けて開弁し外気を回路内に吸い込む負圧破壊弁が、上記注湯用開閉弁よりも上流側の給湯回路であって、上記給湯回路の加熱源よりも下流側位置で上記流量調整弁による流量調整前の給湯回路内の給水圧が作用するよう上記流量調整弁よりも上流側位置の上記給湯回路に介装されている
ことを特徴とする給湯器付き風呂釜。 - 請求項1記載の給湯器付き風呂釜であって、
上記注湯用開閉弁はその閉弁状態において注湯方向とは逆向きの所定の圧力を受けたときには開弁が許容される構造を有しており、
上記負圧破壊弁が負圧を受けて開弁作動する開弁特性と、上記注湯用開閉弁が逆向き圧力を受けて開弁作動する開弁特性とが、給湯回路から負圧を受けたとき負圧破壊弁の吸気開始タイミングの方が上記注湯用開閉弁の開弁開始タイミングよりも先になるように関係付けられている、給湯器付き風呂釜。
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