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JP3836044B2 - スイッチ回路 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、準マイクロ波帯ないしマイクロ波帯で使用される携帯電話機や移動体無線通信機等の無線通信機の送受信切替を行なう際に用いられるスイッチ回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
準マイクロ波帯ないしマイクロ波帯の高周波信号を扱う携帯電話機や移動体無線通信機等の無線通信機では、高周波信号の切り替えを行なうためにGaAs化合物半導体による電界効果トランジスタであるMESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)やHJFET(Hetero Junction Field Effect Transistor)等を用いたスイッチ回路が使用されている。このようなスイッチ回路において発生する不要周波数成分除去のために、特願2000-372671号において示されたような回路が用いられる。
【0003】
図6に従来のスイッチ回路の一例として、トライバンド携帯電話機用途のSP5T(Single Pole 5 Throw;単極5投)スイッチ回路を示す。図6のスイッチ回路は、希望信号の高調波成分を抑制することを目的として、FETトランジスタが使用されている。即ちそのFETトランジスタのドレイン又はソースの一方を共通入出力端子に接続し、他方を抑制すべき周波数に共振周波数を合わせた直列共振回路を介して接地している。
【0004】
図6において、A,B,C,D,E,Fは入出力信号端子であり、そのうちAはアンテナに接続される共通の入出力信号端子である。TR1,TR2,TR3,TR4,TR5,TR6はFETトランジスタ、VA,VB,VC,VD,VEは制御バイアス端子、RGはゲート抵抗である。C1はキャパシタ、L1はインダクタであり、これらは直列共振回路を構成する。
【0005】
図6の従来回路では、トランジスタTR1がオン状態になるときに直列共振回路につながるトランジスタTR6がオン状態になるように、制御バイアス端子VA,VB,VC,VD,VEを接続している。信号端子Aと信号端子B間に信号を導通させる場合には、トランジスタTR1がオン状態になるように制御バイアス端子VAの電圧を設定し、他のトランジスタTR2,TR3,TR4,TR5がオフ状態になるように制御バイアス端子VB,VC,VD,VEの電圧を設定する。この場合は、直列共振回路に接続されるトランジスタTR6がオン状態になるので、信号通過経路と接地間の直列共振回路のキャパシタC1とインダクタL1を適当な値に設定することにより、目的の周波数の信号を直列共振回路により接地でき、他の周波数の信号に影響を与えることなく目的の周波数の信号強度を大きく減衰させることができる。
【0006】
例えば、このスイッチ回路をGSM/DCS/PCSのトライバンド携帯端末に使用した場合、GSMの送信周波数帯域である0.88GHz〜0.915GHzの信号を信号端子Bに入力した際に、上記のバイアス設定条件を満足させ、キャパシタC1とインダクタL1の共振周波数が1.8GHzになるようにそれらの値を選択することで、信号端子Aから出力される信号にはGSM送信信号の不要波成分である第2高調波成分を大きく減衰させることができる。
【0007】
図7に当該例のスイッチ回路の周波数特性を示した。この特性によると、GSMの信号の第2高調波帯域である1.76HGz〜1.83GHzで信号強度を5dB以上抑えることが可能である一方、GSMの送信帯域における挿入損失の増大はほとんど無いことがわかる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなスイッチ回路において、信号端子Aと信号端子C,D,E,Fのいずれかとを接続する場合には、直列共振回路に接続されるトランジスタTR6がオフ状態になるため、直列共振回路が切り離されることになるが、実際にはトランジスタTR6がオフ状態になったとき、トランジスタTR6のドレイン・ソース間に容量Coffが発生するため、トランジスタTR6がオフ状態になるようにそのゲートに電圧を印加した場合においても、容量Coff、直列共振回路のキャパシタC1、インダクタL1、およびその他の寄生成分により、不必要な周波数で共振現象が生じてしまい、キャパシタC1、インダクタL1の定数の選び方や回路形式によっては、使用する周波数での信号レベルを大きく損なうという問題点がある。
【0009】
例えば、GSM/DCS/PCSのトライバンド携帯端末にこのようなスイッチ回路を使用した場合、直列共振回路につながるトランジスタTR6をオフ状態にしても、図8に示すように、2GHz付近に不必要な共振が発生してしまう。その結果、PCSの周波数帯域である1.9GHz〜2GHz付近で挿入損失の増加がみられ、スイッチ回路としての特性を大きく損なう。
【0010】
本発明は以上のような点に鑑みてなされたもので、その目的は、使用する周波数がどのような組合せであっても、使用周波数帯域での挿入損失の増大なしに不要周波数成分を除去できるようにしたスイッチ回路を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかる発明は、1つの共通入出力信号端子と、複数の入出力信号端子と、該複数の入出力信号端子のうちの選択された1つと前記共通入出力信号端子とを導通させるトランジスタ群と、第1のキャパシタと第1のインダクタからなる直列共振回路と、前記複数の入出力信号端子のうちの特定の1つが前記共通入出力信号端子と導通するとき前記共通入出力信号端子と接地間に前記直列共振回路を接続するトランジスタと、該トランジスタに並列接続された第2のインダクタとを具備することを特徴とするスイッチ回路とした。
【0012】
請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記第2のインダクタに並列接続した第2のキャパシタを具備することを特徴とするスイッチ回路とした。
【0013】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
図1は第1の実施形態のスイッチ回路を示す図である。A,B,C,D,E,Fは入出力信号端子であり、そのうちAはアンテナに接続される共通の入出力信号端子である。TR1,TR2,TR3,TR4,TR5,TR6はスイッチ用FETトランジスタ、VA,VB,VC,VD,VEは制御バイアス端子、RGはゲート抵抗である。C1はキャパシタ、L1はインダクタである。キャパシタC1とインダクタL1は直列共振回路を構成し、両方共にスイッチ回路内に、どちらか一方のみがスイッチ回路内に、両方共にスイッチ回路外に存在しても良い。L2はトランジスタTR6のドレイン・ソース間に接続されたインダクタである。
【0014】
キャパシタC1とインダクタL1の値は、減衰させたい周波数が直列共振周波数になるように決める。その減衰させたい信号の周波数をf1とすると、
f1=1/[2π√(L1・C1)]
となるようにインダクタL1とキャパシタC1の値の組み合わせを決定する。また、トランジスタTR6に並列に接続されるインダクタL2の値は、トランジスタTR6をオフ状態にした時にドレイン・ソース間で発生する容量Coffと並列共振させた時の共振周波数が上記の直列共振回路に影響させたくない周波数f2になるように設定する。つまりインダクタL2は、
f2=1/[2π√(L2・Coff)]
の関係式を満たす値に設定する。
【0015】
図1において、信号端子Bから入力された信号を信号端子Aから取り出す場合は、トランジスタTR1がオン状態になるように制御バイアス端子VAの電圧を設定し、他のトランジスタTR2,TR3,TR4,TR5がオフ状態になるように制御バイアス端子VB,VC,VD,VEの電圧を設定する。この場合には制御バイアスVAに印加された電圧がトランジスタTR6のゲートにも同時に印加されるため、トランジスタTR6も同時にオン状態になる。このときのトランジスタTR6のドレイン・ソース間は近似的に低抵抗で表せるため、トランジスタTR6に並列に接続したインダクタL2の影響は見えなくなる。そのため、キャパシタC1とインダクタL1の値によってきまる周波数f1の信号は接地され、その周波数f1の信号が信号端子Aに現れることはない。
【0016】
一方、信号端子B以外の信号端子と信号端子Aの通過経路を使用する場合にはトランジスタTR1がオフ状態になるようにバイアスが印加されるため、トランジスタTR1と共通の制御バイアス端子VAを持つトランジスタTR6も同時にオフ状態になり、トランジスタTR6のドレイン・ソース間には容量Coffが生じ、トランジスタTR6と並列に接続されたインダクタL2と並列共振回路を形成する。そのため容量CoffとインダクタL2で決定される周波数f2においては信号端子Aから直列共振回路をみたインピーダンスが無限大になり、キャパシタC1とインダクタL1で構成される直列共振回路の影響を完全に除去する事ができる。
【0017】
例えば、GSM/DCS/PCSのトライバンド携帯端末に使用した場合、先に示したようなGSMの送信周波数通過時にGSMの第2高調波を抑制するようにキャパシタC1とインダクタL1を決定した従来回路では、GSM送信信号を使用しない、つまりトランジスタTR6をオフ状態の状態で使用する場合にも関わらず、図8に示したように2.07GHzに不必要な共振が発生してしまい、その影響を受けPCS周波数帯域である1.9GHz〜2GHzで挿入損失が増大してしまう問題があった。
【0018】
これに対し、本実施形態のスイッチ回路を用いた場合、図2に示すように2.07GHzに存在した不要な共振が抑制補償され、その共振周波数が1.56GHzと2.14GHzに大きくずれることにより、DCS,PCSの使用周波数である1.71GHz〜1.99GHzにおいて挿入損失の改善を行なう事ができ、特にPCSの帯域である1.99GHzでは従来回路に比ベ0.32dBも挿入損失が改善できる。
【0019】
このように本実施形態では、GSM受信周波数帯域、DCS周波数帯域、PCS周波数帯域の各帯域において通過特性への共振の影響が除去されるため、GSM/DCS/PCSトライバンド携帯端末のスイッチ回路として十分な挿入損失特性が得られる。一方、GSMの送信信号を使用する場合、つまりトランジスタTR6をオン状態にした場合にはインダクタL2の影響は全く無くなり、スイッチ回路の通過周波数特性は従来のスイッチ回路と同様に図7に示した特性となり、設計通りに1.8GHzの直列共振周波数が得られ、GSMの第2高調波成分を抑制することができる。
【0020】
なお、本実施形態ではGSM/DCS/PCSのトライバンド携帯端末用のスイッチ回路を例に説明したが、使用形態に関わらず直列共振回路をトランジスタでオン状態/オフ状態とするようなスイッチ回路全般に適用することができる。また、本実施形態ではSP5Tスイッチ回路にトランジスタTR6、インダクタL2、インダクタL1、キャパシタC1を付加した形になっているが、SP5Tスイッチ回路は一般にSPnT(nは2以上の自然数)の場合に置き換える事ができる。
【0021】
また、扱う信号強度が大きい場合、1個のトランジスタTR6に代えて複数のトランジスタを直列に接続した形式を一般的に用いるが、本実施形態ではインダクタL2を接続するトランジスタは複数のトランジスタのうち、どのトランジスタに接続しても良い。図3にトランジスタTR6に代えて4個のトランジスタTR6A,TR6B,TR6C,TR6Dを接続した構成を示した。この図4の回路ではトランジスタTR6Cのドレイン・ソース間にインダクタL2が接続されているが、インダクタL2が接続されるトランジスタはトランジスタTR6A、TR6B,TR6C,TR6Dのいずれであっても良い。
【0022】
[第2の実施形態]
図4は第2の実施形態のスイッチ回路を示す図である。この第2の実施形態では、第1の実施形態である図1のスイッチ回路のトランジスタTR6のドレイン・ソース間のインダクタL2に加えて、キャパシタC2も並列に接続している。この結果、並列共振周波数はインダクタL2の値のみならずキャパシタC2の値によっても調整可能となるため、共振周波数選択の自由度が広がり、それと共に並列共振回路自身の特性を任意に変えることができる。
【0023】
本実施形態ではSP5Tスイッチ回路に、トランジスタTR6と並列共振用のインダクタL2とキャパシタC2、直列共振回路用のインダクタL1とキャパシタC1を付加した形になっているが、SP5Tスイッチ回路は一般にSPnT(nは2以上の自然数)の場合に置き換える事ができる。
【0024】
また、扱う信号強度が大きい場合、1個のトランジスタTR6に代えて複数のトランジスタを直列に接続した形式を一般的に用いるが、本実施形態ではインダクタL2とキャパシタC2を接続するトランジスタは複数のトランジスタのうち、どのトランジスタに接続しても良い。図5にトランジスタTR6に代えて4個のトランジスタTR6A,TR6B,TR6C,TR6Dを接続した構成を示した。この図5の回路ではトランジスタTR6Cのドレイン・ソース間にインダクタL2とキャパシタC2が接続されているが、インダクタL2とキャパシタC2が接続されるトランジスタはトランジスタTR6A、TR6B,TR6C,TR6Dのいずれであっても良い。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、直列共振回路とその直列共振回路につながるトランジスタを用いて特定の周波数成分を除去するとき、そのトランジスタのオフ状態時に現れる不要な共振を補償することができ、使用する周波数がどのような組み合わせであっても使用周波数帯での挿入損失の増大なしに不要周波数成分を除去することが可能となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態のスイッチ回路の回路図である。
【図2】 第1の実施形態のトランジスタTR6のオフ状態時の挿入損失特性図である。
【図3】 第1の実施形態の変形例のスイッチ回路の一部の回路図である。
【図4】 第2の実施形態のスイッチ回路の回路図である。
【図5】 第2の実施形態の変形例のスイッチ回路の一部の回路図である。
【図6】 従来のスイッチ回路の回路図である。
【図7】 図6のスイッチ回路のトランジスタTR6のオン状態時の挿入損失特性図である。
【図8】 図6のスイッチ回路のトランジスタTR6のオフ状態時の挿入損失特性図である。
【符号の説明】
A,B,C,D,E:入出力信号端子
VA,VB,VC,VD,VE:制御バイアス端子

Claims (2)

  1. 1つの共通入出力信号端子と、複数の入出力信号端子と、該複数の入出力信号端子のうちの選択された1つと前記共通入出力信号端子とを導通させるトランジスタ群と、第1のキャパシタと第1のインダクタからなる直列共振回路と、前記複数の入出力信号端子のうちの特定の1つが前記共通入出力信号端子と導通するとき前記共通入出力信号端子と接地間に前記直列共振回路を接続するトランジスタと、該トランジスタに並列接続した第2のインダクタとを具備することを特徴とするスイッチ回路。
  2. 請求項1において、
    前記第2のインダクタに並列接続した第2のキャパシタを具備することを特徴とするスイッチ回路。
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