JP3836066B2 - 化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の脂肪酸残基を有するホスファチジルコリンと硬タンパク質及びその加水分解物あるいはその誘導体から選ばれる少なくとも1種以上とを含有した肌改善効果に優れた新規な化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
肌荒れを改善するため、あるいは健常な皮膚を維持するためには、角質層の水分含有量の低下を防止し、正常な皮膚機能を維持することが必要である。従来、その目的で化粧料に使用されている多価アルコールや糖類等の保湿剤は皮膚への水分補給のみに依存し、一方、動植物油脂やエステル油等の柔軟剤は皮膚からの水分蒸散防止のみに依存している。したがって、その効果はいずれも一過性であり、角質層の水分保持機能を亢進させて本質的に肌荒れを改善するというものでなかった。
【0003】
このような状況下、肌荒れ等の肌を改善するために、あるいは保湿効果を改善するためにリン脂質と硬タンパク質を含有した化粧料が提案されている。例えば、特開平5−70333号公報(特許文献1)には、硬タンパク質の1種であるコラーゲンやエラスチン等のタンパク質及び/又はその加水分解物とリン脂質との複合体を含有した化粧料が、特開昭61−251605号公報(特許文献2)には、保湿効果可溶性コラーゲンとレシチンを含有した化粧料が提案されている。
【0004】
しかしながら、上記提案のリン脂質あるいは従来使用されているリン脂質は、リン脂質のグリセロ骨格の1位及び2位の脂肪酸残基が長鎖脂肪酸である大豆レシチン、卵黄レシチン等の動植物由来のリン脂質、あるいはこれらのリン脂質より例えば、ホスファチジルコリ等のリン脂質成分を分画したものや水素添加処理を施した水添レシチン等であり、従来のリン脂質及び硬タンパク質を含有していない従前の保湿剤や柔軟剤を含有させた化粧料に比べ、肌荒れを改善する効果は、確かに優れているものの、未だ満足できる程の十分な効果を有するとは言い難く、更なる改善が要望されている。
【0005】
また、特開昭59−1404号公報(特許文献3)には、コラーゲン等のタンパク質とリン脂質とを含有した乳化化粧料が提案されている。特開昭59−1404号公報(特許文献3)記載の乳化化粧料は、安全性の高い天然由来の物質を用いて安定なエマルジョンを得ることを目的としているが、肌荒れ改善効果については、上述した特許文献の化粧料と同様、未だ満足できる程の十分な効果を有するとは言い難いものであった。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−70333号公報
【特許文献2】
特開昭61−251605号公報
【特許文献3】
特開昭59−1404号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、肌改善効果に優れた化粧料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成すべくレシチンの主成分であるホスファチジルコリンの脂肪酸残基について鋭意研究を重ねた結果、グリセロ骨格の1位の脂肪酸残基が直鎖型の長鎖脂肪酸であり、2位が直鎖飽和型の中鎖脂肪酸であるホスファチジルコリンを、硬タンパク質及びその加水分解物あるいはその誘導体から選ばれる少なくとも1種以上と組合わせて用いるならば、意外にも肌改善効果に優れた化粧料が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 一般式
[化1]
(式中、R1はC14〜C22の直鎖脂肪酸残基であり、R2はC8〜C10の直鎖飽和脂肪酸残基である)
で表されるホスファチジルコリンと、硬タンパク質及びその加水分解物あるいはその誘導体から選ばれる少なくとも1種以上とを含有した化粧料、
(2) 化粧料全体に対し0.001〜5%の前記ホスファチジルコリンと、0.005〜10%の硬タンパク質及びその加水分解物あるいはその誘導体から選ばれる少なくとも1種以上とを含有した(1)の化粧料、
を提供することである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明を説明する。なお、本発明において特に限定していない場合は、「%」は「質量%」、また「部」は「質量部」を意味する。
本発明で使用するホスファチジルコリンは、R1が上記したとおりC14〜C22の直鎖脂肪酸残基であるが、この炭素の個数は、一般に天然のホスファチジルコリンやリゾホスファチジルコリンにおいて、該グリセロール骨格の1位の水酸基とエステル結合している脂肪酸残基の直鎖炭化水素部分(C−C結合が飽和あるいは不飽和)とほぼ同じである。よって、天然由来のホスファチジルコリンやリゾホスファチジルコリンを原料として本発明に使用するホスファチジルコリンを製造したときには、一般にR1はC14〜C22の範囲に入る多種類の直鎖脂肪酸残基を含むものである。また、例えば、1−パルミトイルリゾホスファチジルコリン等を原料として本発明に使用するホスファチジルコリンを製造したときは、R1はC14〜C22の範囲に入る(例えばC16)1種類の直鎖飽和脂肪酸残基のみを含むものである。
【0010】
また、本発明におけるR2は、上記した通りC8〜C10の直鎖飽和脂肪酸残基である。R2相当部分の炭素数がC14〜C22の範囲にある天然由来のホスファチジルコリンと比べると、炭素数が一段と低い値になっている点で天然由来のホスファチジルコリンと大きく異なる。
【0011】
本発明に使用するホスファチジルコリンの製造方法の一例を、以下に天然のリゾホスファチジルコリンを出発原料とする製造例でもって説明する。なお、本発明はこの製造方法に限定されるものではない。
【0012】
(1)エステル化反応
天然のリゾホスファチジルコリン(1位がエステル結合しており、R1に相当する脂肪酸残基がほぼC14〜C22の直鎖型のもの:例えば、卵黄リゾホスファチジルコリン、大豆リゾホスファチジルコリン等)の2位の水酸基を下記の方法に準じてC8〜C10の飽和n−アルキル酸でエステル化する。
リゾホスファチジルコリン(1モル)、n−アルキル酸(1.5〜2.0モル)、エステル化触媒として4−ジメチルアミノピリジン(2.2〜2.6モル)および溶媒としてクロロホルム(リゾホスファチジルコリン質量の約60倍量)を、窒素気流下氷冷しながら混合する(混合液はほぼ10℃)。この混合液に、エステル化を促進させるために、脱水剤N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.5〜3.0モル)をその約6倍量のクロロホルム溶液として滴下する。次いで室温において遮光下、窒素気流下で撹拌しながら40時間保持し、エステル化反応を行う。
なお、エステル化反応で用いるn−アルキル酸を具体的に示すと、炭素数が8個のn−オクタン酸、炭素数が9個のn−ノナン酸、炭素数が10個のn−デカン酸である。
【0013】
(2)脱水剤等の除去処理
エステル化反応終了後の反応液から減圧下溶媒(クロロホルム)を留去する。その残留物にクロロホルム溶液[クロロホルム:メタノール:水=5:4:1(容量比)]を、原料のリゾホスファチジルコリン1gに対して約75mlの割合で添加し、撹拌後、主としてN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミドの分解物からなる不溶物をガラスフィルター(目径:20〜30μ)で濾過除去する。なお、クロロホルム溶液を加えるのは、未反応(未分解)脱水剤を分解させ、有機溶媒に不溶なものにするためである。
【0014】
次いで、このようにして脱水剤(分解物)を除去して得られた濾液は、これとほぼ同容量のイオン交換樹脂[アンバーライトIRA−45とアンバーライトIRC−50との1:1(容量比)混合物]を充填したカラムに通過させ、未反応の(過剰の)n−アルキル酸およびエステル化触媒4−ジメチルアミノピリジンを樹脂に吸着除去させる。得られた溶出液は、樹脂のクロロホルム溶液(脱水剤除去の際に用いた溶液と同じものでよく、しかも同量である)による第一洗浄液と合わせた後、減圧下で溶媒(クロロホルム、メタノール、水)を留去する。残留物を上記クロロホルム溶液の1/3容量のクロロホルムに溶解させ、生じる不溶物(主として残存しているN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミドの分解物)を更にガラスフィルターで濾別除去する。
【0015】
(3)目的のホスファチジルコリンの分画
上記の除去処理によって得られた濾液には目的とするホスファチジルコリンの他、上記の処理によっても除去しえない幾分かのn−アルキル酸や4−ジメチルアミノピリジンが依然残留しているので、これらを除くために該濾液を次いで以下に示すシリカゲルカラムクロマト処理に付す。
すなわち、濾液をその8倍容量のシリカゲルを充填したカラムに供した後、下記の3種類の混合溶液を用いて段階的に溶出操作を行なう。
【0016】
▲1▼第一溶出操作
クロロホルム:メタノール=9:1(容量比)の混合溶媒を原料のリゾホスファチジルコリン1gに対して約500mlの割合で用いる。この溶出操作により主としてn−アルキル酸が溶出される。
なお、この操作の終了は、100ml画分で集めた溶出液をそれぞれ溶媒留去した上で残渣(n−アルキル酸)が認められなくなったことを確認した時点とする。
【0017】
▲2▼第二溶出操作
クロロホルム:メタノール=1:1(容量比)の混合溶媒を原料のリゾホスファチジルコリン1gに対して約500mlの割合で用いる。この溶出操作により主として4−ジメチルアミノピリジンが溶出される。
なお、この操作の終了は、溶出液の一部をTLC(薄層クロマトグラフィー)で展開後、検出を254nmの紫外線ランプ照射により行ない、黒色スポット(紫外線吸収物質4−ジメチルアミノピリジンの存在は蛍光部を黒色化する)が認められなくなったことを確認した時点とする。
【0018】
▲3▼第三溶出操作
クロロホルム:メタノール=3:7(容量比)の混合溶媒を原料のリゾホスファチジルコリン1gに対して約500mlの割合で用いる。この溶出操作により目的とするホスファチジルコリンが溶出される。
なお、この操作の終了は、溶出液の一部をTLCで展開後、検出をDittmer試薬噴霧により行ない、リン脂質の存在を示す青色スポットが認められなくなったことを確認した時点とする。
【0019】
上記の第三溶出操作で得られる溶出液は、次いで減圧下で溶媒を留去し、目的とするホスファチジルコリンを得る。収率は、60〜70%程度である。
以上の製造方法は、天然のリゾホスファチジルコリンを出発原料とする方法であるが、他の原料、例えば、1−パルミトイルリゾホスファチジルコリン等を出発原料とする場合も上記に準じて行なえばよい。
【0020】
本発明に使用する硬タンパク質とは、動物の皮膚、骨、腱、靭帯、肺、毛、爪及び角等や絹等の繊維に含まれる高分子タンパク質、例えば、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、フィブロイン等であり、これらの誘導体とは、例えば、脂肪酸モノカルボン酸から誘導されるアシル化物、ジカルボン酸から誘導されるサクシニル化物、ディスアミド化物等である。また、硬タンパク質の加水分解物とは、酸、アルカリ、酵素等、公知の方法により上記硬タンパク質を加水分解して得られたものをいい、本発明では、加水分解後の分子量により限定されるものではない。
【0021】
本発明の化粧料は、上述したホスファチジルコリンと硬タンパク質及びその加水分解物あるいはその誘導体から選ばれる少なくとも1種以上とを含有したものであるが、ホスファチジルコリンの含有量は、化粧料全体に対し0.001〜5%が好ましく、0.005〜3%がより好ましい。また、硬タンパク質及びその加水分解物あるいはその誘導体から選ばれる少なくとも1種以上の含有量は、その合計量が化粧料全体に対し0.005〜10%が好ましく、0.01〜8%がより好ましい。いずれの場合も、その含有量が少なすぎると十分な肌改善効果が得られ難く、一方、多すぎたとしても、それ以上の肌改善効果が得られ難く経済的でないことから好ましくない。なお、上記含有量において、化粧料の剤形が粉末状の場合は、該粉末状の化粧料を使用する際に水戻ししたときの含有量を意味する。
【0022】
本発明の化粧料は、上述したホスファチジルコリンと硬タンパク質及びその加水分解物あるいはその誘導体から選ばれる少なくとも1種以上とを一原料として用いる他は、常法に則り製造すれば良く、化粧品の剤形としては、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、粉末状等が挙げられる。また、本発明の化粧料には、化粧料に一般的に用いられる多価アルコール、油性成分、低級アルコール、保湿剤、美白剤、増粘剤、防腐剤、界面活性剤等、その他の成分を本発明の効果を損なわない範囲内で適宜配合することができる。
【0023】
その他の成分の一例を挙げれば、次のとおりである。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ペンチレングリコール、イソプレングリコール、グルコース、マルトース、ショ糖、フルクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、エリスリトール等が挙げられる。
【0024】
油性成分としては、例えば、油溶性ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK群のビタミン、ジカプリル酸ピリドキシン、ジパルミチン酸ピリドキシン、ジパルミチン酸アスコルビル、モノパルミチン酸アスコルビル、モノステアリン酸アスコルビル等のビタミン誘導体等)、油溶性ホルモン類(エストラジオール、エチニルエストラジオール、エストロン、ジエチルスチルペストロール等)、油溶性色素類(スダンIII、フルオレセン等)、油溶性紫外線吸収剤類(オキシベンゾン、2,5-ジイソプロピル桂皮酸メチル等)、動植物油類(アボガド油、オリーブ油等の動植物油、ジグリセリン脂肪酸エステル等の誘導体等)、高級脂肪族炭化水素類(スクワラン、スクワレン、流動パラフィン等)、高級脂肪酸類(ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等)、高級アルコール(ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)、エステル油類(イソプロピルミリステート、オクチルドデシルミリステート等)、コレステロール等のステロール類、スフィンゴ脂質(セラミド、セレブロシド、スフィンゴミエリン等及びこれらの誘導体等)等が挙げられる。
【0025】
低級アルコールとしては、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール等が挙げられる。
【0026】
保湿剤としては、例えば、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパリン、キチン等のムコ多糖類又はこれらの塩、ピロリドンカルボン酸又はその塩、トレハロース等が挙げられる。
【0027】
美白剤としては、例えば、アスコルビン酸類(アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸カルシウム等のアスコルビン酸塩、アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム等のアスコルビン酸硫酸エステル、アスコルビルリン酸、アスコルビン酸リン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸カリウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸リン酸カルシウム等のアスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸モノステアレート、アスコルビン酸モノパルミテート、アスコルビン酸モノオレエート、アスコルビン酸ジステアレート、アスコルビン酸ジパルミテート、アスコルビン酸ジオレエート等のアスコルビン酸脂肪酸エステル、アスコルビン酸−2−グルコシド等のアスコルビン酸グルコシド等)アルブチン、プラセンタエキス、コウジ酸、米糠抽出物、ルシノール、クジンエキス等が挙げられる。
【0028】
増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸塩、ペクチン、アラビアガム、カラヤガム、トラガントガム、タマリンドガム、カンテン末、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0029】
防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラベン類、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0030】
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン[以下、POE-と略す]アルキルエーテル(POE-オレイルエーテル、POE-セチルエーテル等)、POE-分岐アルキルエーテル(POE-オクチルドデシルアルコール、POE-2-デシルテトラデシルアルコール等)、ソルビタンエステル(ソルビタンモノオレエート、ソルビタンイモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート等)、POE-ソルビタンエステル(POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノイソステアレート、POE-ソルビタンモノラウレート等)、グリセリン脂肪酸エステル(グリセリルモノオレエート、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノミリステート等)、POE-グリセリン脂肪酸エステル(POE-グリセリルモノオレエート、POE-グリセリルモノステアレート、POE-グリセリルモノミリステート等)、POE-ジヒドロコレステロールエーテル、POE-硬化ヒマシ油脂肪酸エステル(POE-硬化ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油イソステアレート等)、POE-アルキルアリールエーテル(POE-オクチルフェノールエーテル等)、グリセロールエーテル(グリセロールモノイソステアレート、グリセロールモノミリステート等)、POE-グリセロールエーテル(POE-グリセロールモノイソステアレート、POE-グリセロールモノミリステート等)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(ジグリセリルモノステアレート、デカグリセリルイソステアレート、デカグリセリルデカイソステアレートジステアリルジイソステアレート等)、高級脂肪酸(ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等)の塩(カリウム、ナトリウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)、リン脂質(ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジン酸、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン及びこれらのリゾ体)等が挙げられる。
【0031】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び試験例に基づき、さらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】
[実施例1]及び[比較例1〜4]
表1に示す配合割合で、油相と水相の各原料を70℃にて均一に混合し、油相を撹拌させながら水相を徐々に添加して乳化した後、引続き低速で撹拌させながら約30℃まで冷却してクリームを調製した。
【0033】
なお、表中のMCPCは本発明で使用するホスファチジルコリンであり、その調製は、R1がC14〜C22の直鎖脂肪酸残基を含有する卵黄リゾホスファチジルコリン(キユーピー(株)製「卵黄リゾレシチンLPC-1(商品名)」)と炭素数が8個のn−オクタン酸を原料に上述した製造方法の(1)〜(3)に準じて行なった。各原料の量は、次の通りである。
(a)卵黄リゾホスファチジルコリン 20g
その他の原料は、卵黄リゾホスファチジルコリン1モルに対し、
(b)n−オクタン酸 1.8モル
(c)4−ジメチルアミノピリジン 2.4モル
(d)N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド 2.8モル
の比となる量の、(b)、(c)及び(d)を用いた。
【0034】
また、表中のリゾホスファチジルコリン及び水素添加リン脂質は、それぞれMCPCの原料として使用したキユーピー(株)製の「卵黄リゾレシチンLPC-1(商品名)」及びキユーピー(株)の「卵黄レシチンPL-100P(商品名)」を使用した。
【0035】
【表1】
【0036】
【試験例】
[試験例1]
実施例1及び比較例1〜4で得られた各クリームを、慢性的に肌が乾燥し肌荒れに悩んでいる75名の女性(平均年齢30歳)を被験者としてパネルテストを実施した。
【0037】
まず、肌の状態を確認するため、予め事前アンケートを実施し、この事前アンケート結果を基に、肌の状態が偏らないように1群15名の5群に分けた。1つの群に対し、上記何れか1つのクリームを朝及び就寝前に6週間にわたって使用させ、使用前後の肌の状態についてアンケート調査を行なった。アンケート調査の内容は、肌の状態を以下の評価基準に照らして回答させたものである。得られた結果を表2に示す。
なお、被験者にはどのクリームを使用させたか明らかにしなかった。
【0038】
<ランク>
A:非常に改善された。
B:改善された。
C:やや改善された。
D:変化が認められない。
<総合評価>
◎:「A:非常に改善された。」と回答した被験者が8名以上
○:「A:非常に改善された。」と回答した被験者が8名未満、かつ「A:非常に改善された。」あるいは「B:改善された。」と回答した被験者が8名以上
△:「A:非常に改善された。」あるいは「B:改善された。」と回答した被験者が3名以上8名未満
×:「A:非常に改善された。」あるいは「B:改善された。」と回答したパネラーが3名未満
【0039】
【表2】
【0040】
表2より、本発明のMCPCと硬タンパク質加水分解物(加水分解コラーゲン)を含有した化粧料(実施例1)は、優れた肌改善効果を有することが理解される。つまり、硬タンパク質加水分解物のみを含有した化粧料(比較例1)及びMCPCのみを含有した化粧料(比較例4)は、殆どの被験者が「やや改善された」と回答しており、肌改善効果が期待できるものではなかった。また、硬タンパク質加水分解物とリゾホスファチジルコリン又は水素添加リン脂質とを含有した化粧料(比較例2又は3)は、前記硬タンパク質加水分解物のみ、あるいはMCPCのみ含有した化粧料に比べ、若干、改善されているものの、過半数の被験者が「やや改善された」と回答しており、十分に肌改善効果を有するとは言い難いものであった。
これに対しMCPCと硬タンパク質加水分解物とを含有した化粧料(実施例1)は、殆どの被験者が「非常に改善された」あるいは「改善された」と回答しており、他の化粧料に比べ優れた肌改善効果を有していた。
【0041】
[実施例2]
下記に示す配合割合で、油相と水相の各原料を室温で、あるいは必要に応じ一時加温して均一に分散した後、油相を撹拌させながら水相を徐々に添加・混合し化粧水を調製した。
得られた化粧水は、肌改善効果に優れたものであった。
なお、MCPCは、実施例1においてMCPCを製造する際に原料として用いたn−オクタン酸をn−デカン酸に換えて、それ以外は実施例1に準じて製造したものである。
【0042】
【0043】
【発明の効果】
以上述べたとおり、本発明の化粧料は、グリセロ骨格の1位の脂肪酸残基が直鎖型の長鎖脂肪酸、2位が直鎖飽和型の中鎖脂肪酸であるホスファチジルコリンと硬タンパク質及びその加水分解物あるいはその誘導体から選ばれる少なくとも1種以上とを組合わせることにより、従来使用されていた大豆レシチン、卵黄レシチン又はこれらの水素添加処理品、あるいはモノアシル型のリゾレシチンと硬タンパク質及びその加水分解物あるいはその誘導体から選ばれる少なくとも1種以上とを組合わせた化粧料に比べ、優れた肌改善効果を有する化粧料が得られる。
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