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JP3837487B2 - メタノール改質用触媒 - Google Patents
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JP3837487B2 - メタノール改質用触媒 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタノールを触媒上で水蒸気と反応させて水素を製造する、いわゆるメタノール改質反応に使用する触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、燃料電池用の燃料として水素が重要視され、水素製造法の一つとしてメタノールからの水素製造が注目されている。
従来、メタノールを触媒上で水蒸気と反応させて水素を製造する、いわゆるメタノール改質反応は、例えば、銅/亜鉛/アルミニウムの酸化物からなる触媒あるいは貴金属系触媒を用いて、220℃程度の温度で容易に進行することが知られている(触媒、第37巻、320頁〜326頁(1995))。
【0003】
しかし、実用的な触媒としては、高活性であるともに、長時間の耐久性にも優れた触媒が必要とされている。
【0004】
そのため、銅/亜鉛/アルミニウムの酸化物からなる触媒に種々の化合物を添加して、触媒の性能を改善する試みは、これまで数多く行われてきている。
例えば、特開2001−46872においては、La,Ca,Ga,Zr,Ce,Cr,BaおよびMgの添加が有効であると報告されている。しかしながら、この公開特許公報においては、4成分触媒の性能は開示されているが、5成分以上の多成分触媒の性能は開示されていない。さらに、長時間の反応における触媒活性の安定性については、全く記述が無い。とくに、触媒活性の低下の原因の一つとみられているメタノール改質反応中の極微量の副生成物である酢酸共存下での反応における触媒活性の安定性については、全く述べられていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、メタノールを水蒸気と反応させて水素を製造するに際し、高活性で、とくに長時間の耐久性にも優れた触媒を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、銅/亜鉛/アルミニウムの酸化物からなる触媒の性能に及ぼす種々の添加物の影響を検討した結果、意外にも酸化ジルコニウムおよび酸化セリウムを添加した触媒により、その課題を解決し得ることを見い出した。
【0007】
即ち、本発明によれば、第一に、酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムおよび酸化セリウムを必須成分とすることを特徴とするメタノールを水蒸気で改質して水素を製造する際に用いられるメタノール改質用触媒が提供される。
第二に、第一の発明において、更に酸化ガリウムを含有することを特徴とするメタノール改質用触媒が提供される。
第三に、第一又は第二の発明において、触媒は480〜690℃での焼成処理を受けていることを特徴とするメタノール改質用触媒が提供される。
第四に、第一乃至第三の何れかの発明において、酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムおよび酸化セリウムを必須成分とし、酸化ガリウムを任意成分とする金属酸化物で構成された触媒であって、触媒全体を100重量%とするとき、各酸化物の含有量が、上記の順に20〜60重量%、10〜50重量%、2〜10重量%、10〜40重量%、2〜10重量%、0〜10重量%であることを特徴とするメタノール改質用触媒が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明に係る、水蒸気で改質して水素を製造する際に用いられるメタノール改質用触媒成分は、酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムおよび酸化セリウムを必須成分とするものであるが、触媒の更なる活性の向上などのために、酸化ガリウムを添加することは有効である。また、本発明の趣旨を損なわない範囲で、他の物質を含んでいても良い。
【0010】
本発明の触媒の特徴は、高い活性を示すとともに、優れた耐久性、即ち、その高い触媒活性が長期にわたって維持されることにある。
これは、添加した酸化ジルコニウムおよび酸化セリウムの作用によるものである。酸化ジルコニウムおよび酸化セリウムの作用の内容が完全には明らかになっているわけではないが、酸化ジルコニウムは、触媒構造の安定化を改善できるものと、また、酸化セリウムは、セリウムの価数が四価から三価との間を容易に往来できることにより、反応中の触媒表面を活性状態に保持できるものと推察している。なお、セリウムと同じく希土類元素の一つであるランタンの酸化物を添加しても、酸化ランタン中のランタンの価数が三価のまま変化しないため、触媒の性能は改善されない(後記の比較例5参照)。
【0011】
各触媒成分の割合は、特に限定されないが、触媒全体を100重量%とするとき、酸化銅が20〜60重量%(好ましくは30〜50重量%)、酸化亜鉛が10〜50重量%(好ましくは20〜40重量%)、酸化アルミニウムが2〜10重量%(好ましくは4〜8重量%)、酸化ジルコニウムが10〜40重量%(好ましくは20〜30重量%)、酸化セリウムが2〜10重量%(好ましくは4〜8重量%)、酸化ガリウムなどの任意成分0〜10重量%(好ましくは2〜8重量%)とされる。このような量的範囲において、組成を目的反応に応じて適切に定めることにより、その反応に適した触媒性能を得ることができる。
【0012】
本発明の銅系触媒は、480〜690℃での焼成処理を受けていることが好ましい。焼成温度が480℃未満では、耐久性が不足する。焼成温度が690℃を越えるときも、触媒活性の点でマイナスとなる。このように焼成処理温度は好ましくは480〜690℃の範囲から選ばれるが、触媒の性能上の観点から、上記範囲の中でも高目の520〜680℃とすることが望ましい。特に好ましい範囲は、より高目の560〜670℃である。
【0013】
本発明の触媒は、公知の共沈法あるいはそれに準ずる方法により容易に製造される。その1例を説明すると、次の通りである。
先ず、銅、亜鉛、アルミニウム、ジルコニウム、セリウムの必須成分、および好ましくはガリウムなどの任意成分の硝酸塩、硫酸塩などを水に溶解した混合水溶液を調製する。一方、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどを水に溶解し、沈殿剤水溶液とする。これらの二つの溶液を混合することにより、共沈殿物が生成する。これを、ろ過、洗浄したものを、所定の温度で乾燥、焼成することにより、酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウムおよび好ましくは酸化ガリウムからなる本発明の触媒が製造される。
【0014】
さらに、本発明の触媒は、共沈法で調製した触媒前駆体にセリウム化合物を添加することによっても製造される。製造された触媒は、上記の共沈法で製造された触媒に比べて、触媒活性は少し低下するものの、触媒活性の安定性は向上する。その1例を説明すると、次の通りである。
先ず、銅、亜鉛、アルミニウム、ジルコニウムの必須成分、および好ましくはガリウムなどの任意成分の硝酸塩、硫酸塩などを水に溶解した混合水溶液を調製する。一方、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどを水に溶解し、沈殿剤水溶液とする。これらの二つの溶液を混合することにより、共沈殿物が生成する。これを、ろ過、洗浄した触媒前駆体に、セリウムの硝酸塩などを水に溶解した水溶液を添加し、良く混合した後、所定の温度で乾燥、焼成することにより、酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウムおよび好ましくは酸化ガリウムからなる本発明の触媒が製造される。
【0015】
必須触媒成分である酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム及び酸化セリウム、さらに、酸化ガリウムなどの任意の金属酸化物を調製するための原料としては、水溶性の硝酸塩、硫酸塩、オキシ硝酸塩、オキシ塩化物などを適宜用いることができる。
【0016】
上記の触媒製造過程において、触媒成分を含む沈殿物を調製するための沈殿剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウムなどの塩基性化合物を用いることができる。沈殿物の洗浄、ろ過、乾燥は、公知の方法で行うことができる。
【0017】
乾燥後の沈殿物は、480℃〜690℃(好ましくは、520〜680℃)で酸素雰囲気下(通常は空気中)で焼成処理することにより、上述の金属成分は酸化物の形態となる。
【0018】
このようにして得た触媒は、そのままで、あるいは適当な方法により造粒または打錠成型して用いる。触媒の粒子径や形状は、反応方式、反応器の形状によって任意に選択できる。
【0019】
上記のようにして得られた本発明のメタノール改質用触媒は、使用に先立って、水素などにより、200℃〜450℃で触媒中の酸化銅成分を還元したほうが良い。
【0020】
本発明による触媒は、固定床でのメタノール改質反応においても、流動床でのメタノール改質反応においても有用である。
【0021】
本発明による触媒を用いてメタノールを改質する際の反応条件は、概ね、水蒸気/メタノール=1〜5(モル比)、反応温度は150〜350℃、反応圧力は0.1〜2MPaの範囲が適している。また、反応の熱バランスを保つなどの目的のため、反応原料に、少量の酸素などの酸化剤を加えても良い。
【0022】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明の特徴とするところをより一層明確にする。
【0023】
実施例1
硝酸銅三水和物34.3g、硝酸亜鉛六水和物24.7g、硝酸アルミニウム九水和物8.3g、オキシ硝酸ジルコニウム二水和物12.2gおよび硝酸セリウム六水和物3.1gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、A液とした。一方、無水炭酸ナトリウム36.7gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、B液とした。A液およびB液を、それぞれ、8ml/分の速度で良く攪拌した800mlの室温の蒸留水に、同時に滴下して沈殿物を得た。この沈殿物を室温にて3日間熟成させた後、ろ過、洗浄を行い、沈殿物中のナトリウムを除去した。その後、沈殿物を110℃で乾燥し、空気中、600℃で2時間焼成して、触媒を得た。この触媒の組成は、酸化銅43.3重量%、酸化亜鉛26.0重量%、酸化アルミニウム4.3重量%、酸化ジルコニウム21.6重量%および酸化セリウム(CeO)4.8重量%であった。
【0024】
得られた触媒0.3mlを反応管に充填し、ヘリウムと水素の混合ガス(ヘリウム90容量%、水素10容量%)を用いて、300℃で、2時間還元処理を行った後、600ppmの酢酸を含有する水/メタノールのモル比1.5の反応原料を3.9g/時の流速で、ヘリウムをキャリアーガス(He流速=5l/時)として触媒層に通して、圧力0.6MPa、温度300℃の条件下でメタノール改質反応を行った。
反応生成ガスをガスクロマトグラフにより分析し、水素空時収量を調べた。反応経過時間48時間、800時間および1000時間における水素空時収量、並びに触媒活性安定性(反応経過時間800時間および1000時間における水素空時収量/反応経過時間48時間における水素空時収量)を表1に示す。水素以外の生成物は、主にCOとCOであった。
【0025】
実施例2
硝酸銅三水和物34.0g、硝酸亜鉛六水和物24.5g、硝酸アルミニウム九水和物8.2g、オキシ硝酸ジルコニウム二水和物9.7g、硝酸ガリウム水和物4.0gおよび硝酸セリウム六水和物3.1gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、A液とした。一方、無水炭酸ナトリウム37.4gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、B液とした。A液およびB液を、それぞれ、8ml/分の速度で良く攪拌した800mlの室温の蒸留水に、同時に滴下して沈殿物を得た。この沈殿物を室温にて3日間熟成させた後、ろ過、洗浄を行い、沈殿物中のナトリウムを除去した。その後、沈殿物を110℃で乾燥し、空気中、600℃で2時間焼成して、触媒を得た。この触媒の組成は、酸化銅43.3重量%、酸化亜鉛26.0重量%、酸化アルミニウム4.3重量%、酸化ジルコニウム17.3重量%、酸化ガリウム4.3重量%および酸化セリウム(CeO)4.8重量%およびであった。
【0026】
得られた触媒0.3mlを反応管に充填し、実施例1と同様にして、メタノール改質反応を行った。
反応生成ガスをガスクロマトグラフにより分析し、水素空時収量を調べた。反応経過時間48時間および800時間における水素空時収量、並びに触媒活性安定性(反応経過時間800時間における水素空時収量/反応経過時間48時間における水素空時収量)を表1に示す。水素以外の生成物は、主にCOとCOであった。
この結果から、実施例1の触媒に、更に酸化ガリウムを添加した触媒は、触媒活性が向上することが明らかである。
【0027】
実施例3
硝酸銅三水和物34.8g、硝酸亜鉛六水和物25.1g、硝酸アルミニウム九水和物8.4g、オキシ硝酸ジルコニウム二水和物9.9gおよび硝酸ガリウム水和物4.1gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、A液とした。一方、無水炭酸ナトリウム37.0gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、B液とした。A液およびB液を、それぞれ、8ml/分の速度で良く攪拌した800mlの室温の蒸留水に、同時に滴下して沈殿物を得た。この沈殿物を室温にて3日間熟成させた後、ろ過、洗浄を行い、沈殿物中のナトリウムを除去した。その後、沈殿物を110℃で乾燥し、空気中、350℃で2時間焼成して触媒前駆体を得た。この触媒前駆体1.9gに、酢酸セリウム一水和物を0.19gを蒸留水10mlに溶解した水溶液を含浸させた後、110℃で乾燥し、空気中、600℃で2時間焼成して触媒を得た。触媒の組成は、酸化銅43.2重量%、酸化亜鉛25.9重量%、酸化アルミニウム4.3重量%、酸化ジルコニウム17.3重量%、酸化ガリウム4.3重量%および酸化セリウム(CeO)5.0重量%であった。
【0028】
得られた触媒0.3mlを反応管に充填し、実施例1と同様にして、メタノール改質反応を行った。
反応生成ガスをガスクロマトグラフにより分析し、水素空時収量を調べた。反応経過時間48時間および800時間における水素空時収量、並びに触媒活性安定性(反応経過時間800時間における水素空時収量/反応経過時間48時間における水素空時収量)を表1に示す。水素以外の生成物は、主にCOとCOであった。
【0029】
実施例4
実施例3と同様にして得た触媒前駆体1.8gに、酢酸セリウム一水和物を0.39gを蒸留水10mlに溶解した水溶液を含浸させた後、110℃で乾燥し、空気中、600℃で2時間焼成して触媒を得た。触媒の組成は、酸化銅40.9重量%、酸化亜鉛24.5重量%、酸化アルミニウム4.1重量%、酸化ジルコニウム16.4重量%、酸化ガリウム4.1重量%および酸化セリウム(CeO)10.0重量%であった。
【0030】
得られた触媒0.3mlを反応管に充填し、実施例1と同様にして、メタノール改質反応を行った。
反応生成ガスをガスクロマトグラフにより分析し、水素空時収量を調べた。反応経過時間48時間および800時間における水素空時収量、並びに触媒活性安定性(反応経過時間800時間における水素空時収量/反応経過時間48時間における水素空時収量)を表1に示す。水素以外の生成物は、主にCOとCOであった。
実施例3および4の結果から、先に触媒前駆体を調製し、その後、セリウム化合物を添加することにより触媒を製造した場合、触媒活性は少し低下するものの、触媒活性は安定になることが明らかである。
【0031】
比較例1
硝酸銅三水和物32.5g、硝酸亜鉛六水和物43.0gおよび硝酸アルミニウム九水和物7.9gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、A液とした。一方、無水炭酸ナトリウム36.2gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、B液とした。A液およびB液を、それぞれ、8ml/分の速度で良く攪拌した800mlの室温の蒸留水に、同時に滴下して沈殿物を得た。この沈殿物を室温にて3日間熟成させた後、ろ過、洗浄を行い、沈殿物中のナトリウムを除去した。その後、沈殿物を110℃で乾燥し、空気中、600℃で2時間焼成して、触媒を得た。この触媒の組成は、酸化銅45.5重量%、酸化亜鉛50.0重量%、酸化アルミニウム4.5重量%であった。
【0032】
得られた触媒0.3mlを反応管に充填し、実施例1と同様にして、メタノール改質反応を行った。
反応生成ガスをガスクロマトグラフにより分析し、水素空時収量を調べた。反応経過時間48時間および800時間における水素空時収量、並びに触媒活性安定性(反応経過時間800時間における水素空時収量/反応経過時間48時間における水素空時収量)を表1に示す。水素以外の生成物は、主にCOとCOであった。
この結果から、酸化ジルコニウムおよび酸化セリウムを添加していない触媒は、酸化ジルコニウムおよび酸化セリウムを添加した触媒(実施例1)に比べて、触媒活性および触媒活性の安定性が著しく低いことが明らかである。
【0033】
比較例2
硝酸銅三水和物33.2g、硝酸亜鉛六水和物39.9g、硝酸アルミニウム九水和物8.0gおよび硝酸セリウム六水和物2.9gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、A液とした。一方、無水炭酸ナトリウム36.7gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、B液とした。A液およびB液を、それぞれ、8ml/分の速度で良く攪拌した800mlの室温の蒸留水に、同時に滴下して沈殿物を得た。この沈殿物を室温にて3日間熟成させた後、ろ過、洗浄を行い、沈殿物中のナトリウムを除去した。その後、沈殿物を110℃で乾燥し、空気中、600℃で2時間焼成して、触媒を得た。この触媒の組成は、酸化銅45.4重量%、酸化亜鉛45.3重量%、酸化アルミニウム4.5重量%および酸化セリウム(CeO)4.8重量%であった。
【0034】
得られた触媒0.3mlを反応管に充填し、実施例1と同様にして、メタノール改質反応を行った。
反応生成ガスをガスクロマトグラフにより分析し、水素空時収量を調べた。反応経過時間48時間および800時間における水素空時収量、並びに触媒活性安定性(反応経過時間800時間における水素空時収量/反応経過時間48時間における水素空時収量)を表1に示す。水素以外の生成物は、主にCOとCOであった。
この結果から、酸化ジルコニウムを添加していない触媒は、酸化ジルコニウムを添加した触媒(実施例1)に比べて、触媒活性の安定性が著しく低いことが明らかである。
【0035】
比較例3
硝酸銅三水和物35.1g、硝酸亜鉛六水和物25.3g、硝酸アルミニウム九水和物8.5gおよびオキシ硝酸ジルコニウム二水和物12.5gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、A液とした。一方、無水炭酸ナトリウム36.3gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、B液とした。A液およびB液を、それぞれ、8ml/分の速度で良く攪拌した800mlの室温の蒸留水に、同時に滴下して沈殿物を得た。この沈殿物を室温にて3日間熟成させた後、ろ過、洗浄を行い、沈殿物中のナトリウムを除去した。その後、沈殿物を110℃で乾燥し、空気中、600℃で2時間焼成して、触媒を得た。この触媒の組成は、酸化銅45.5重量%、酸化亜鉛27.3重量%、酸化アルミニウム4.5重量%および酸化ジルコニウム22.7重量%であった。
【0036】
得られた触媒0.3mlを反応管に充填し、実施例1と同様にして、メタノール改質反応を行った。
反応生成ガスをガスクロマトグラフにより分析し、水素空時収量を調べた。反応経過時間48時間および800時間における水素空時収量、並びに触媒活性安定性(反応経過時間800時間における水素空時収量/反応経過時間48時間における水素空時収量)を表1に示す。水素以外の生成物は、主にCOとCOであった。
この結果から、酸化セリウムを添加していない触媒は、酸化セリウムを添加した触媒(実施例1)に比べて、触媒活性の安定性が少し低いことが明らかである。
【0037】
比較例4
硝酸銅三水和物34.8g、硝酸亜鉛六水和物25.1g、硝酸アルミニウム九水和物8.4g、オキシ硝酸ジルコニウム二水和物9.9gおよび硝酸ガリウム水和物4.1gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、A液とした。一方、無水炭酸ナトリウム37.0gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、B液とした。A液およびB液を、それぞれ、8ml/分の速度で良く攪拌した800mlの室温の蒸留水に、同時に滴下して沈殿物を得た。この沈殿物を室温にて3日間熟成させた後、ろ過、洗浄を行い、沈殿物中のナトリウムを除去した。その後、沈殿物を110℃で乾燥し、空気中、600℃で2時間焼成して、触媒を得た。この触媒の組成は、酸化銅45.5重量%、酸化亜鉛27.3重量%、酸化アルミニウム4.5重量%、酸化ジルコニウム18.2重量%および酸化ガリウム4.5重量%であった。
【0038】
得られた触媒0.3mlを反応管に充填し、実施例1と同様にして、メタノール改質反応を行った。
反応生成ガスをガスクロマトグラフにより分析し、水素空時収量を調べた。反応経過時間48時間および800時間における水素空時収量、並びに触媒活性安定性(反応経過時間800時間における水素空時収量/反応経過時間48時間における水素空時収量)を表1に示す。水素以外の生成物は、主にCOとCOであった。
この結果から、酸化セリウムを添加していない触媒は、酸化セリウムを添加した触媒(実施例2)に比べて、触媒活性の安定性が低いことが明らかである。
【0039】
比較例5
実施例3と同様にして得た触媒前駆体1.8gに、酢酸ランタン水和物を0.42gを蒸留水10mlに溶解した水溶液を含浸させた後、110℃で乾燥し、空気中、600℃で2時間焼成して触媒を得た。触媒の組成は、酸化銅40.9重量%、酸化亜鉛24.5重量%、酸化アルミニウム4.1重量%、酸化ジルコニウム16.4重量%、酸化ガリウム4.1重量%および酸化ランタン10.0重量%であった。
【0040】
得られた触媒0.3mlを反応管に充填し、実施例1と同様にして、メタノール改質反応を行った。
反応生成ガスをガスクロマトグラフにより分析し、水素空時収量を調べた。反応経過時間48時間および800時間における水素空時収量、並びに触媒活性安定性(反応経過時間800時間における水素空時収量/反応経過時間48時間における水素空時収量)を表1に示す。水素以外の生成物は、主にCOとCOであった。
この結果から、酸化ランタンを添加した触媒は、触媒活性の安定性が改善されないことが明らかである。
【0041】
表1
Figure 0003837487
【0042】
【発明の効果】
本発明のメタノール改質用触媒は、優れた耐久性、即ち、その高い触媒活性が長期にわたって維持されるので、工業的に極めて有利な触媒活性安定性の高い触媒である。

Claims (4)

  1. 酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムおよび酸化セリウムを必須成分とすることを特徴とするメタノールを水蒸気で改質して水素を製造する際に用いられるメタノール改質用触媒。
  2. 更に、酸化ガリウムを含有することを特徴とする請求項1に記載のメタノール改質用触媒。
  3. 触媒は480〜690℃での焼成処理を受けていることを特徴とする請求項1又は2に記載のメタノール改質用触媒。
  4. 酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムおよび酸化セリウムを必須成分とし、酸化ガリウムを任意成分とする金属酸化物で構成された触媒であって、触媒全体を100重量%とするとき、各酸化物の含有量が、上記の順に20〜60重量%、10〜50重量%、2〜10重量%、10〜40重量%、2〜10重量%、0〜10重量%であることを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載のメタノール改質用触媒。
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