JP3840504B2 - 光源による妨害対策を行った侵入検知センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の窓や玄関先などの警戒領域に設置して、侵入者を検知するのに用いられる対向型赤外線センサからなる侵入検知センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の侵入検知センサは、図6に示すように、検知波である近赤外線IRを照射する投光器51を備えた投光ユニット50と、前記投光器51からの近赤外線IRを受光する受光器61を備えた受光ユニット60を備え、これら各ユニット50,60を建物などの警戒領域に対向状に配置して、前記投光器51と受光器61の間にビーム状の近赤外線IRからなる警戒線Rを設定する。そして、この警戒線Rが侵入者によって遮断されたとき、警報を発して侵入者の検知を行う。前記投光および受光ユニット50,60には、侵入検知センサの信頼性を確保するため、それぞれ上下複数段にわたって投光器51と受光器61が相対向状に設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以上の侵入検知センサは、妨害行為を受けて警戒機能が無力化されるというケースが近年増大している。つまり、図7に示すように、侵入者が別の赤外光源70を持ち込んで、その近赤外線IRを受光器61に向かって照射し、これら赤外光源70と受光器61の間で近赤外線IRの受光状態を作り出した場合、投光器51と受光器61の間の警戒線Rを遮断しても警報が発せられない。特に、このような妨害行為を行う赤外光源70として、警戒領域に設置されている侵入検知センサと同一機種の投光ユニット5が使用されると、妨害行為が確実に成功することになる。
【0004】
そこで本発明の目的は、以上のような妨害行為があった場合、この妨害行為を確実に検知できる侵入検知センサを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、相対向して配置された一対の検知ユニットを備え、各検知ユニットが、少くとも一つの投光器および受光器を有し、自己の投光器と相手方の受光器との間の警戒領域に検知波からなる警戒線を設定する侵入検知センサであって、少なくとも一方の検知ユニットによる検知波の受光量が侵入者の非検知状態よりも増大し、かつ、他方の検知ユニットによる検知波の受光量との差の変動量が所定レベル以上となったとき、妨害行為を認識する妨害認識手段を備えている。前記非検知状態は警戒時の通常の受光状態、つまり侵入者によって検知波が遮断されない状態をいう。
【0006】
以上の侵入検知センサによれば、侵入者が別の赤外光源を持ち込んで、その近赤外線を一方の検知ユニットの受光器に向かって照射し、これら赤外光源と受光器の間で検知波の受光状態を新たに作り出した場合、この受光器での検知波の受光量が侵入者の非検知状態よりも増大する。これに対し、他方の検知ユニットに配置された受光器での検知波の受光量は変化しない。一般に、侵入者の非検知状態において両方の検知ユニットの受光器の受光量の間には若干の差が存在する。したがって、前記別の赤外光源での照射により、両受光器による検知波の受光量の差が大きく変動することになる。こうして、一方側の受光器での受光量が侵入者の非検知状態よりも増大し、かつ、両受光器での受光量の差の変動量が所定レベル以上になったとき、妨害認識手段は妨害行為が発生したと判断する。
【0007】
また、2つの赤外光源を用いて前記各検知ユニットの受光器に向かってそれぞれ近赤外線を照射した場合は、これら各受光器での検知波の受光量が侵入者の非検知状態よりも増大する。しかも、各検知ユニットに別々の赤外光源から近赤外線を照射した場合、これら赤外光源からの投光量を、各検知ユニットの受光器の受光レベルが同一となるように調整するのは困難で、これら受光器による受光バランスが崩れて、両受光器での受光量の間には、妨害行為の行なわれる前の非検知状態の受光量差と比較して、大きな、所定レベル以上の差の変動が発生する。よって、この場合も妨害認識手段は妨害行為が発生したと判断する。以上のように前記検知ユニットの一方または両方に妨害行為が行われると、この妨害行為を前記妨害認識手段が判断するので、この判断結果に基づいて警報を発することにより、妨害行為の発生を確実に知ることができる。
【0008】
前記一方の検知ユニットは、自己の受光器の受光量を示す受光信号を自己の投光器からの検知波に重畳させる重畳手段を備え、他方の検知ユニットが受光した検知波から前記受光信号を弁別して前記一方の検知ユニットの受光量を検出する弁別手段を備えた構成とすることができる。このようにずれば、前記他方の検知ユニットだけをコントロールボックスに電気的に接続することにより、他方の検知ユニットに含まれた受光器と弁別手段から、他方の検知ユニットの受光量とともに、一方の検知ユニットの受光器での受光量も検出されるので、配線が簡素化される。
【0009】
また、一方の検知ユニットが自己の受光器の受光量を示す無線信号を他方の検知ユニットへ伝達する送信回路を備え、前記他方の検知ユニットが前記無線信号を受信する受信回路を備え、前記妨害認識手段は、前記他方の検知ユニットの受光器の出力信号と前記受信回路の出力信号との差の変動量が所定レベル以上となったとき、妨害行為を認識する構成とすることもできる。このようにしてもやはり、前記他方の検知ユニットだけをコントロールボックスに電気的に接続することにより、他方の検知ユニットに含まれた受光器と受信回路から、他方の検知ユニットの受光量とともに、一方の検知ユニットの受光器での受光量も検出されるので、配線が簡素化される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は第1実施形態による侵入検知センサの概略を示す正面図である。この侵入検知センサは、建物の窓Aの外側のような警戒領域に相対向して配置される第1および第2検知ユニット1,2を備えている。この第1検知ユニット1の内部には、その上段側に検知波である近赤外線IRを照射する投光器11が、下段側には近赤外線IRを受光する受光器12が設けられ、また、第2検知ユニット2の内部には、その上段側に前記第1ユニット1の投光器11からの近赤外線IRを受光する受光器22が、下段側には前記第1検知ユニット1の受光器12に向かって近赤外線IRを照射する投光器21がそれぞれ設けられている。これにより、前記各検知ユニット1,2の投光器11,21と受光器12,22の間に、ビーム状の近赤外線IRからなる警戒線Rを設定する。
【0011】
図2は、前記侵入検知センサのブロック図である。同図のように、前記第1,第2検知ユニット1,2の受光器12,22の出力側には、各受光器12,22による受光量に応じて出力される第1および第2受光信号a,bを増幅する増幅回路31,32が接続され、これら増幅回路31,32の出力側に、妨害行為を認識する妨害認識手段3が接続されている。この妨害認識手段3は、前記増幅回路31,32で増幅された増幅信号c,dを判別して、前記各受光器12,22から出力される第1,第2受光信号a,bの少なくとも一方が非検知状態である通常の受光状態よりも増大し、かつ、これら受光信号a,bの差の変動量が予め設定された所定レベルよりも大となったときに出力信号eを出力する判別回路33と、この判別回路33からの出力信号eに基づいて妨害行為があったことを判定する妨害判定回路34と、この判定回路34からの妨害検知信号fにより警報を発する妨害警報出力部35とを備えている。前記妨害認識手段3、侵入検知回路4、警報出力部5、および増幅回路31,32は、単一のコントロールボックスに収納されている。
【0012】
また、前記各受光器12,22の出力側には、図1の警戒線Rが侵入者によって遮断されたときに作動する侵入検知回路4が前記妨害認識手段3と並列状に接続され、この侵入検知回路4の出力側に警報出力部5が接続されている。
【0013】
次に、以上の侵入検知センサの動作について説明する。侵入検知センサをオンして警戒モードにすると、図1の第1ユニット1と第2ユニット2間に、近赤外線IRからなる警戒線Rが形成される。ここで、侵入者の非検知状態において,図2に示す両方の検知ユニット1,2の受光器12,22の受光量の間には、機器間の誤差、設置環境などが原因で、若干の差が存在する。前記警戒線Rが侵入者によって遮断されると、侵入検知回路4が、両ユニット1,2内の受光器12,22の受光量が減少するのを検知して、侵入検知信号を出力し、この出力に基づき警報出力部5から警報が発せられて、侵入者の報知を行う。
【0014】
図3は、前記侵入検知センサに対する妨害行為の発生状態を説明する正面図である。同図のように、侵入者が別の赤外光源70を持ち込んで、その近赤外線IRを例えば前記第2検知ユニット2に向かって照射し、この第2検知ユニット2と赤外光源70との間で近赤外線IRの受光状態を新たに作り出した場合、図2に示す第2検知ユニット2側の受光器22による近赤外線IRの受光量は、侵入者の非検知状態、つまり警戒時の通常の受光状態よりも増大するので、この受光器22から出力される第2受光信号bのレベルが高くなる。一方、前記第1検知ユニット1に設けた受光器12側での受光量は変化することなく、これから出力される第1受光信号aは通常の受光レベルである。
【0015】
前記各受光器12,22からの受光信号a,bは、増幅回路31,32で増幅されて、増幅信号c,dとして判別回路33に出力される。このとき、第2検知ユニット2側の受光器22から出力される第2受光信号bは大となるのに対し、第1検知ユニット1側の受光器12から出力される第1受光信号aは変化しないので、前記増幅信号c,dの間のレベル差が変動する。このレベル差の変動量が、前記判別回路33で設定された所定レベルよりも大きく、かつ前記第2検知ユニット2側の第2受光信号bが通常の状態よりも高い一定レベル以上となることによって、前記判別回路33から出力信号eが判定回路34に出力され、この判定回路34からの妨害検知信号fに基づき、警報出力部35から警報が発せられて、侵入者による妨害行為の発生を報知する。
【0016】
また、侵入者が2つの赤外光源70を用いて、前記第1,第2検知ユニット1,2の各受光器12,22に向かってそれぞれ近赤外線IRを照射した場合は、これら各受光器12,22での受光量が通常の状態よりも増大して、各受光器12,22から出力される第1,第2受光信号a,bが一定レベル以上となる。しかも、各検知ユニット1,2に別々の赤外光源70から近赤外線IRをそれぞれ照射した場合、この赤外光源70からの投光量を、各検知ユニット1,2の受光器12,22の受光レベルが同一となるように調整するのは困難であるから、これら受光器12,22での受光バランスが崩れ、各受光器12,22での受光量には必然的に差が発生し、第1,第2受光信号a,bの間には所定レベル以上のレベル差の変動が発生する。よって、この場合にも前記判別回路33が、妨害行為が発生したと判断して警報出力部35から警報を発する。
【0017】
以上のように、前記各検知ユニット1,2の一方または両方に妨害行為が行われると、この妨害行為を判断して警報を発するので、妨害行為の発生を確実に検出できる。
【0018】
一方、侵入者による妨害行為がない場合は、前記第1,第2検知ユニット1,2の各投光器11,21から照射されて各受光器12,22で受光される受光量の差は一定であるので、これら受光器12,22から出力される第1,第2受光信号a,bの間にはレベル差の変動が発生しない。
【0019】
また、落ち葉などが第1または第2検知ユニット1,2のカバーに付着して、前記投光器11,21と受光器12,22の間の2つの警戒線R(図1)の一方を遮った場合は、遮られた側の受光器12または22による受光量は減少するので、受光信号a,bのレベル差の変動が前記判別回路33で設定される所定レベルよりも大きくなることはあっても、各受光器12,22からの受光信号a,bが通常の状態よりも増加することはない。したがって、これらの場合は、前記判別回路33から出力信号eが出力されず、警報出力部35は警報を発しない。
【0020】
さらに、霜、霧、雨、カバーの汚れなどにより前記各受光器12,22による受光量が影響を受けても、これらによる影響は各受光器12,22に対し同程度に及ぼされるので、前記受光信号a,bの差の変動量は所定レベル以下となって、前記警報出力部35から警報が発せられることはない。よって、誤警報を発するのが防止される。
【0021】
図4は、本発明の第2実施形態を示すブロック図である。同図に示す侵入検知センサは、前記第1検知ユニット1に設けられた投光器11を駆動する駆動回路13に、自己の受光器12による受光量が所定レベル以上となったとき、この受光量を示す第1受光信号aを自己の投光器11から照射する近赤外線IRに重畳させる重畳手段6を設けている。
【0022】
前記第2検知ユニット2側には、その受光器22での受光量に基づく第2受光信号bから前記第1受光信号aを弁別して、前記第1検知ユニット1側での受光量を検出する弁別手段7を設けている。この弁別手段7は、受光器22からの信号を増幅する増幅回路70と、増幅された信号から前記重畳された第1受光信号aの周波数と、前記第1投光器11からの近赤外線IRの受光量を示す第2受光信号bの周波数とを弁別して、前記第1および第2受光信号a,bを検出する周波数弁別回路71と、この周波数弁別回路71の出力側に接続されて両受光信号a,bのそれぞれのレベル(受光量)を検出する第1および第2レベル検出回路72,73とを備えている。両レベル検出回路72,73の出力は、妨害認識手段3に入力されて、先の第1実施形態の場合と同様に処理される。
【0023】
以上の構成によれば、前記第2検知ユニット2の投光器21からの近赤外線IRが第1検知ユニット1の受光器12で受光され、その受光量を示す第1受光信号aが第1検知ユニット1側に設けた重畳手段6により自己の投光器11から照射する近赤外線IRに重畳されて、第2検知ユニット2の受光器22に向かって照射される。一方、第2検知ユニット2側においては、前記弁別手段7の周波数弁別回路71により、自己の受光器22が受光した近赤外線IRの受光量のうち、第2検知ユニット2側の受光器22の受光量を示す第2受光信号bと、第1検知ユニット1側の受光器12の受光量を示す第1受光信号aとが弁別される。弁別された前記第1,第2受光信号a,bのレベルは、それぞれ第1および第2レベル検出回路72,73により検出される。ここで、各受光信号a,bの少なくとも一方のレベル(受光量)が通常の受光状態よりも大となり、かつ各受光信号a,bの差の変動量が所定レベル以上となったときに、前述した場合と同様に、妨害判定回路34からの出力により警報出力部35が警報を発する。
【0024】
このようにすれば、前記第2検知ユニット2の1つだけをコントロールボックスに電気的に接続すれば良いので、配線が簡素化される。
【0025】
本発明の第3実施形態では、前記第1検知ユニット1の受光器12による受光量(第1受光信号a)を、無線信号で第2検知ユニット2側に発信して、第2検知ユニット2で前記無線信号を受信する。すなわち、図5に示すように、第1検知ユニット1に、その受光器12の出力信号である第1受光信号aを無線信号aaにして第2検知ユニット2へ伝達する送信回路41を設け、第2検知ユニット2に、前記無線信号aaを受信する受信回路42を設けている。前記妨害認識手段3は、増幅回路31,32を通して、第2検知ユニット2の受光器22の出力信号である第2受光信号bと,前記受信回路42の出力信号である第1受光信号aとを受け、第1実施形態の場合と同様に、両受光信号a,b間のレベル差の変動量が所定レベル以上となったとき、妨害行為を認識する。前記無線信号としては、近赤外線領域から離れた無線周波数領域の信号を使用するのが好ましい。
【0026】
この構成によっても、第2実施形態と同様に、前記第2検知ユニット2の1つだけをコントロールボックスに電気的に接続すれば良いので、配線が簡素化される。
【0027】
なお、図5の第3実施形態における無線信号に代えて、有線信号を用いてもよい。その場合、配線が簡素化される利点はない。
【0028】
以上の実施形態では、第1,第2検知ユニット1,2にそれぞれ1つの投光器11,21と受光器12,22を配置したが、各ユニットには2つ以上の投光器および受光器を配置してもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、本発明の侵入検知センサによれば、別の赤外光源を用いて検知ユニットを照射することにより警戒機能を無力化するという妨害行為が確実に検知される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の侵入検知センサを示す概略正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る侵入検知センサの電気回路を示すブロック図である。
【図3】同侵入検知センサに対する妨害行為の発生状態を説明する正面図である。
【図4】本発明の第2実施形態にかかる侵入検知センサの電気回路を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3実施形態にかかる侵入検知センサの電気回路を示すブロック図である。
【図6】従来の侵入検知センサを示す概略正面図である。
【図7】同侵入検知センサに対する妨害行為の発生状態を説明する正面図である。
【符号の説明】
1,2…検知ユニット、11,21…投光器、12,22…受光器、3…妨害認識手段、6…重畳手段、7…弁別手段、IR…検知波(近赤外線)、R…警戒線。
Claims (3)
- 相対向して配置された一対の検知ユニットを備え、各検知ユニットが、少くとも一つの投光器および受光器を有し、自己の投光器と相手方の受光器との間の警戒領域に検知波からなる警戒線を設定する侵入検知センサであって、
少なくとも一方の検知ユニットによる検知波の受光量が侵入者の非検知状態よりも増大し、かつ、他方の検知ユニットによる検知波の受光量との差の変動量が所定レベル以上となったとき、妨害行為を認識する妨害認識手段を備えた侵入検知センサ。 - 請求項1において、一方の検知ユニットが自己の受光器の受光量を示す受光信号を自己の投光器からの検知波に重畳させる重畳手段を備え、他方の検知ユニットが受光した検知波から前記受光信号を弁別して前記一方の検知ユニットの受光量を検出する弁別手段を備えている侵入検知センサ。
- 請求項1において、一方の検知ユニットが自己の受光器の受光量を示す無線信号を他方の検知ユニットへ伝達する送信回路を備え、前記他方の検知ユニットが前記無線信号を受信する受信回路を備え、前記妨害認識手段は、前記他方の検知ユニットの受光器の出力信号と前記受信回路の出力信号との差の変動量が所定レベル以上となったとき、妨害行為を認識する侵入検知センサ。
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