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JP3840959B2 - 燃料加熱用ヒータの作動制御方法 - Google Patents
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JP3840959B2 - 燃料加熱用ヒータの作動制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンへ供給される燃料を加熱するヒータの作動を制御する方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの冷温始動性を改善すべく、エンジンの燃焼室内へ噴射される燃料を電気ヒータにて加熱することが行われている。かかる燃料加熱ヒータとしては、燃料噴射弁より燃焼室内へ噴射される燃料をより効果的に加熱すべく、特開平63−170555や特開2001−132574に示されている如く、燃料噴射弁内に燃料通路を取り囲むように設けられる環状のアルミナや窒化珪素等よりなる電気抵抗要素が知られている。
【0003】
かかるヒータは、それが通電され、熱を発生すると、その熱は直ちに燃料へ伝えられ、燃料により持ち去られるものとして設計されている。しかし、エンジンの燃料供給系は保守や点検のため分解され、再組立てされることがあり、その際燃料通路内に侵入した空気がそのままヒータ近傍の燃料通路内に残留していると、一時的にせよヒータの近くにはヒータが発生した熱を受け取るに十分な量の燃料が存在せず、ヒータはそれ自身が発生した熱により過熱される。また、エンジンが停止し、それ迄高温、高圧状態にあった燃料供給系の圧力が低下したときには、燃料が蒸発して、ヒータ近傍の燃料通路内に空気が残留する場合がある。かかる問題に対処し、本件出願人を共同出願人の一人とする特願2000−340893には、エンジンの燃料噴射弁を加熱するヒータの作動を制御する方法として、エンジン始動時に燃料噴射弁内に所定量以上の空気が残留しているか否かを判断し、燃料噴射弁内に所定量以上の空気が残留していると判断されたときには、少なくとも燃料噴射弁内の空気が前記所定量以下になると推定される時間が経過するまでヒータの作動を阻止することが提案されている。この場合、燃料噴射弁内に所定量以上の空気が残留しているか否かの判断は、燃料噴射弁に供給される燃料について所定の時間内に所定の昇圧が得られるか否か、あるいはエンジン始動時に所定のエンジン回転数上昇速度が得られるか否かによって行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の先の提案になるヒータ作動制御方法によれば、ヒータへの通電開始に先立って燃料噴射弁内に所定量以上の空気が残留しているか否かが判断されるので、ヒータ近傍の燃料通路に燃料が十分に満たされている正常な状態に於いても、ヒータの通電開始はエンジン始動、即ち燃料供給開始より、必ず上記の判断に要する時間だけ遅れる。しかし、ヒータはたとえその近傍の燃料通路が燃料により十分に満たされていない状態にて通電されても、そのことによって直ちに損傷を受けるものではない。ヒータにとって問題となるのは、その近傍に燃料が存在しない状態で加熱が進行した後、燃料噴射に伴って空気が押し流され、空気が燃料により置き換えられたとき、加熱されたヒータが次の瞬間に燃料により急冷されるという熱衝撃である。アルミナや窒化珪素等よりなる環状の電気抵抗要素は、比較的もろい部材であり、かかる熱衝撃により損傷する恐れがある。
【0005】
本発明は、エンジンの燃料加熱用ヒータに関する上記の問題に着目し、ヒータの作動開始をできるだけ遅らせることなく、熱衝撃による損傷からヒータを保護することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決すべく、本発明は、エンジンへ供給される燃料を加熱するヒータの作動を制御する方法にして、該ヒータへの通電を開始して所定の時間が経過したときまでの該所定時間内に於ける該ヒータの温度上昇が該ヒータの近傍における燃料通路内が燃料により正常に満たされていないことを知ることができるよう設定された所定のしきい値を越えるとき、該ヒータへの通電の強さを低減することを特徴とする方法を提案するものである。
【0007】
上記のヒータへの通電の強さの低減は、ヒータのそれ以上の温度上昇を阻止するような任意の低減であってよいが、その一つの最も迅速で且つ効果的なものとして、それは通電を一先ず遮断することであってよい。
【0008】
また、ヒータへの通電を開始して前記所定の時間が経過するまでの通電の強さは、該所定時間が経過したときまでのヒータの温度上昇が前記所定のしきい値を越えないときにその後続けられるヒータへの通電の強さとは異なる強さとされてもよい。
【0009】
また、上記のヒータの温度上昇は該ヒータの抵抗値により検出されてよい。
【0010】
また、ヒータへの通電はエンジンへ燃料を供給するポンプの始動より遅れることなく開始されてよい。
【0011】
【発明の作用及び効果】
エンジンへ供給される燃料を加熱するヒータへの通電を開始したとき、通電開始より所定の時間が経過したときまでのヒータの温度上昇をみれば、ヒータの近傍であって燃料にて満たされているべき燃料通路が正常に燃料にて満たされていないときには、発生した熱が燃料により吸収されないので、その間のヒータの温度上昇が大きくなる。そこで、この所定時間の経過に対するヒータの温度上昇が所定のしきい値を越えるときには、該ヒータへの通電の強さを低減するというヒータの作動制御を行えば、上記のしきい値の大きさと通電の強さの低減の度合いとを相互に関連して適当に設定することにより、たとえヒータ近傍の燃料にて満たされているべき燃料通路に空気が存在する状態にてヒータの加熱が開始され、その後燃料により急冷されても、そのことによりヒータに損傷を生ずる程までヒータが過熱されることを確実に防止することができる。これによって万が一の事態に備えてヒータの始動の度にヒータへの通電の開始を遅らせるという不利を蒙ることなく、万が一の事態が実際に生じたときには、ヒータを熱衝撃による損傷から確実に保護することができる。
【0012】
ヒータへの通電の強さの低減は、上記の作用効果を達成すべく、上記しきい値の大きさとの関連に於いて任意の態様にて行われてよいが、ヒータのそれ以上の発熱による温度上昇を抑えるための通電の強さの低減として最も迅速で効果的なのは、通電を一先ず停止することである。
【0013】
ヒータへの通電を開始し、所定時間が経過したときまでのヒータの温度上昇が所定のしきい値を越えて上昇するか否かを見るのは、ほんの短時間の一時的な通電であるので、この燃料存在確認のための通電の強さを、ヒータの通常の作動のための通電の強さとは異ならせることが可能である。この場合、一つの考え方としては、燃料存在確認のための通電は、ヒータをあまり高くない限られた所定温度まで加熱する通電であるので、ヒータの通常の作動のための通電の強さよりも強くし、燃料が存在するか否かをより早く確認するのが得策であろう。しかしまた、他の一つの考え方としては、通電の開始は遅らせないが、燃料が存在しない万一の事態に備えて、燃料の存在が確認されるまでは、通電の強さをヒータの通常の作動のための通電の強さよりも弱くしておくのが得策であろう。これら2つの視点のいずれに重点を置くかは、設計に係わるその他の条件によって考慮されてよいが、いずれにしても本発明の方法によれば、燃料存在確認のための所定の時間が経過するまでの通電の強さは、該所定時間が経過後、装置が正常なときそのまま続けられるヒータへの通電の強さとは異なる強さとされてよい。
【0014】
燃料噴射弁内に組み込まれたようなヒータの温度を直接測定することは困難であるが、アルミナや窒化珪素等よりなるヒータはその温度によってその電気抵抗値が変化するので、ヒータにかける電圧とヒータを流れる電流とから電気抵抗値を求め、その変化からヒータの温度変化を検出するのが一つの有効な手段である。
【0015】
また、上記の如きヒータの作動制御が行われれば、ヒータ近傍の燃料通路が燃料にて正常に満たされていなくてもヒータに損傷が生ずることが防止されることから、ヒータへの通電はエンジンへ燃料を供給するポンプの始動より遅れることなく開始されてよく、換言すれば、ヒータへの通電が燃料供給ポンプの始動と同時にまたはそれに多少先立って開始されても、ヒータに損傷を生ずることはない。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明によるエンジン用燃料加熱ヒータの作動制御方法は、近年既に汎用されるに至っているコンピュータを用いた車輌運転制御装置のコンピュータによる任意の燃料加熱/噴射制御プログラムに割り込み介入される形にて実施されてよい。コンピュータを用いた車輌運転制御装置の一般的基本構成は既にこの技術の分野に於いては種々の態様にて公知の事項であるので、本発明の方法が実施可能であることを裏付けるためのこの種の車輌運転制御装置についての説明は、明細書の記載が冗長となるのを避けるため省略する。
【0017】
図1は本発明によるエンジン用燃料加熱ヒータの作動制御方法を一つの実施例として示すフローチャートである。このフローチャートによる制御は、自動車の如き車輌のキースイッチが入れられ、それが更にエンジン始動位置まで回されることにより任意のエンジン始動制御が開始されると同時に開始されてよい。この場合、エンジン始動制御の開始と同時にンジンへ燃料を供給するポンプへの通電も開始されるとすれば、以下に記載のステップ40にてなされるヒータへの通電の開始は、実質的に燃料供給ポンプの始動と同時か、あるいはポンプの実質的な作動開始は通電開始より僅かに遅れるので、ヒータへの通電は燃料供給ポンプの始動に僅かに先立って行われることになる。尚、ヒータへの通電を燃料供給ポンプが実質的に作動を開始した後まで遅らせてもよいことは勿論である。制御が開始されると、ステップ10にて本発明の制御に関連するデータの読込みが行われる。これらのデータには、エンジンの温度状態を示すエンジン冷却温度Tw、燃料加熱ヒータの温度Thを検出するためのヒータにかけられる電圧値とヒータを流れる電流値が含まれる。
【0018】
次いで制御はステップ20へ進み、フラグfが1であるか否かが判断される。フラグfは制御が後述のステップ70に至ったとき1にセットされるものであり、それまではこの種の制御構成の常として制御開始時に0にリセットされている。従って制御が開始後先ずここに至ったときには、答はノーであり、制御はステップ30へ進む。
【0019】
ステップ30に於いては,エンジンが燃料のヒータによる加熱を行うべき冷温状態にあるか否かが、エンジン冷却水温度Twに基づいて、Twが所定のしきい値Two以下であるか否かとして判断される。答がノーのとき、即ちエンジンがヒータによる燃料加熱を要しない温度以上の暖機状態にあるときには、制御はステップ10の前に戻り、必要時の作動に備えてデータの読み込みが続けられる。答がイエスのときには、制御はステップ40へ進む。
【0020】
ステップ40に於いては、ヒータへの通電が開始さる。次いで制御はステップ50へ進み、車輌運転制御装置を構成するコンピュータの一部によって構成されるものであってよいタイマがセット(計時開始)され、さらに制御はステップ60へ進み、その瞬間のヒータの温度Thをヒータ通電開始時のヒータ温度Thoとして記憶することが行われる。ヒータの温度Thの測定は、ヒータにかける電圧とヒータを流れる電流とからヒータの電気抵抗値を求め、その値からヒータの温度を推定する要領にて行われてよい。尚、この場合、問題となるのは、以下に記載のとおりヒータ通電によりその温度が如何なる上昇度にて上昇するかであるので、ヒータ温度Thoの絶対値の正確さはさほど追求されなくてもよく、求められるべき数値はヒータ温度Thoと後述のステップ90にて測定されるヒータの温度Th1の差である。
【0021】
次いで制御はステップ70へ進み、フラグfが1にセットされる。かくして、ステップ20〜70により、エンジンの始動にあたって、エンジンの温度状態が燃料のヒータによる加熱を要するときには、ヒータへの通電を開始し、そのときのヒータの初期温度を記憶しておき、これよりヒータへの通電時間の計測を開始することが行われる。
【0022】
次いで制御はステップ80へ進み、タイマが所定の時間を計測(タイムアウト)したか否かが判断される。当初は答はノーであり、制御はこれよりステップ10へ戻り、ステップ10にてデータ、特に通電により変化するヒータの温度Thを読み直しつつ、ステップ20よりステップ30〜70をバイパスしてステップ80に至り、タイマにて設定された所定時間の経過を待つ。同所定時間が経過し、ステップ80の答がイエスに転ずると、制御はステップ90へ進み、ここでその瞬間におけるヒータの温度ThがTh1として記憶される。Th1の値は、ヒータの近傍における燃料通路内が燃料により正常に満たされていない度合いの増大に応じて大きくなるはずである。そこで、次のステップ100にて、Th1とThoの差が所定のしきい値ΔTs以下であるか否かが判断される。この場合、ステップ50にてセットされるタイマのタイムアウトまでの設定時間と大きさと、それに対するしきい値ΔTsの大きさを適当に選定しておけば、ヒータが通電されたとき、ヒータの近傍における燃料通路内が燃料により正常に満たされており、そのままヒータの作動を続けてよいか、あるいはそれが正常に満たされておらず、そのままヒータの作動を続ければヒータに上記の如き熱衝撃が生ずる危険があるかを事前に知ることができる。
【0023】
そこでステップ100の答がイエスであれば、制御はステップ110へ進み、フラグfを0にリセットした後、さらにステップ120へ進み、ヒータの作動制御を続けるべく、制御を車輌運転制御装置による任意の態様による通常のヒータ作動制御へ移管し、本発明によるヒータを熱衝撃から保護するための作動制御を終了する。この場合、ステップ120より始まる通常のヒータ作動制御に於いては、ヒータへの通電の強さは、ステップ40にて開始されたヒータ通電の強さと同じであり、その続きとされてもよいが、あるいはまた、ステップ40にて開始されるヒータ通電の強さが、通常のヒータ作動時の通電の強さとは異なる強さであって、上記の熱衝撃発生の危険性の有無の検出によりよく適した値とされることにより、ステップ120にて通常のヒータ作動制御へ移管するにあたって、ヒータへの通電の強さがそれ用の強さに変更されてもよい。
【0024】
これに対しステップ100の答がノーであれば、制御はステップ130へ進み、図示の実施例では、ここでヒータの通電を一先ず停止し、さらにステップ140へ進んで、制御を車輌運転制御装置に移管させ、ヒータ近傍の燃料通路が燃料により十分に満たされていないことに対処する適当な異常処理の作動制御が行われるようにする。この異常処理の内容は、本発明外のことであり、例えば、ヒータ近傍の燃料通路内に存在する空気が燃料噴射に伴って運び去られると期待される適当な時間を於いて、図1に示す如き制御を再開するようなものであってよい。
【0025】
以上に於いては本発明を一つの実施例について詳細に説明したが、かかる実施例について本発明の範囲内にて種々の修正が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による燃料加熱用ヒータ作動制御方法を一つの実施例について示すフローチャート。

Claims (5)

  1. エンジンへ供給される燃料を加熱するヒータの作動を制御する方法にして、該ヒータへの通電を開始して所定の時間が経過したときまでの該所定時間内に於ける該ヒータの温度上昇が該ヒータの近傍における燃料通路内が燃料により正常に満たされていないことを知ることができるよう設定された所定のしきい値を越えるとき、該ヒータへの通電の強さを低減することを特徴とする方法。
  2. 前記通電の強さの低減は通電を遮断することであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記ヒータへの通電を開始して前記所定の時間が経過するまでの通電の強さは、該所定時間が経過したときまでの該ヒータの温度上昇が前記所定のしきい値を越えないときにその後続けられる該ヒータへの通電の強さとは異なる強さとされることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ヒータの温度上昇は該ヒータの抵抗値により検出されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記ヒータへの通電はエンジンへ燃料を供給するポンプの始動より遅れることなく開始されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
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