JP3842363B2 - ネガ型画像記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は平版印刷用版材として使用できる画像記録材料に関するものであり、特にコンピュータ等のデジタル信号から赤外線レーザー等を用い直接製版できる、いわゆるダイレクト製版可能なネガ型平版印刷用版材を作製できる画像記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータのデジタルデータから直接製版するシステムとしては、(I)電子写真法によるもの、(II)青色または緑色を発光するレーザーを用い露光する光重合系によるもの、(III )銀塩を感光性樹脂上に積層したもの、(IV)銀塩拡散転写法によるもの等が提案されている。
しかしながら(I)の電子写真法を用いるものは、帯電、露光、現像等画像形成のプロセスが煩雑であり、装置が複雑で大がかりなものになる。(II)の光重合系によるものでは、青色や緑色の光に対して高感度な版材であるため、明室での取扱いが難しくなる。(III )、(IV)の方法では銀塩を使用するため現像等の処理が煩雑になる、さらに当然ながら処理廃液中に銀が含まれる欠点がある。
【0003】
一方、近年におけるレーザーの発展は目ざましく、特に波長760nmから1200nmの赤外線を放射する固体レーザーおよび半導体レーザーは、高出力かつ小型のものが容易に入手できる様になっている。コンピュータ等のデジタルデータから直接製版する際の記録光源として、これらのレーザーは非常に有用である。しかし、実用上有用な多くの感光性記録材料は、感光波長が760nm以下の可視光域であるため、これらの赤外線レーザーでは画像記録できない。このため、赤外線レーザーで記録可能な材料が望まれている。
【0004】
このような赤外線レーザーにて記録可能な画像記録材料としては、特開平7−20629号に記載されている、オニウム塩、レゾール樹脂、ノボラック樹脂、および赤外線吸収剤より成る記録材料がある。また、特開平7−271029号には、ハロアルキル置換されたs−トリアジン、レゾール樹脂、ノボラック樹脂、および赤外線吸収剤より成る記録材料が記載されている。しかしながら、これらの画像記録材料を用いた版材では、高温高湿条件下で保存した後、画像形成し印刷を行うと、非画像部に汚れが発生するという問題を有している。また、露光後の加熱処理条件により感度が変動しやすく、その結果として大判を露光した際に加熱処理の不均一性から版面の一部において印刷時の耐久性の低下を起こすことがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、赤外線を放射する固体レーザーおよび半導体レーザー等を用いて記録することにより、コンピューター等のデジタルデータから直接製版可能であり、さらに保存時の安定性に優れ、かつ露光後の加熱処理条件の許容性が良好で印刷時の耐久性に優れるネガ型平版印刷用版材を作製可能な画像記録材料を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。本発明は、下記一般式(1)で表される架橋性化合物、光または熱により酸を発生させる化合物およびバインダーを含むことを特徴とするネガ型画像記録材料である。
一般式(1)
(A−X)m −B
式中、Xは−CO−、−CONH−、−COO−、−SO2 −より選ばれる2価の基を表す。
Bは下記に挙げるものから選ばれるm価の基を表す。
[水素、アルキル、アリール、アラルキル、アルキレンオキシド、A、または、R11COOR22OCOR33(式中、R11およびR22はそれぞれ独立にアルキルまたはアリールから選ばれる2価の基を表し、R33はアルキル基またはアリール基を表す。)]
mは1から3の整数を表す。
Aは下記構造式で表される基を示す。
【0007】
【化2】
【0008】
式中、R1 、R2 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、Yはメチレン基を表し、Arは2価のアリーレン基または2価のヘテロアリーレン基を表す。nは1から5の整数を表す。ただし、m=1の場合には、nは2から5の整数を表す。
【0009】
本発明のネガ型画像記録材料においては、赤外線を放射する固体レーザーおよび半導体レーザー等により付与されたエネルギーによって光または熱により酸を発生させる化合物が分解し、分解によって放出された酸により、前記一般式(1)で表される架橋性化合物とバインダーとの架橋反応を促進することにより画像記録、即ち記録材料の製版が行われるものである。
前記一般式(1)で表される架橋性化合物を用いることにより、酸存在下での架橋速度が速く、露光部の耐久性に優れ、後加熱処理条件の変動に影響されにくい平板印刷版が得られる。さらに高温高湿下でも前記架橋性化合物は変質しないため、本発明のネガ型画像記録材料は、環境安定性に優れ、高温高湿下で保存した後にも画像形成性は良好なものとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
[架橋剤]
本発明において用いられる架橋剤としての架橋性化合物は下記一般式(1)で表されるものである。
一般式(1)
(A−X)m −B
式中、Xは−CO−、−CONH−、−COO−、−SO2 −より選ばれる2価の基を表す。
Bは下記に挙げるものから選ばれるm価の基を表す。
[水素、アルキル、アリール、アラルキル、アルキレンオキシド、A、または、R11COOR22OCOR33(式中、R11およびR22はそれぞれ独立にアルキルまたはアリールから選ばれる2価の基を表し、R33はアルキル基またはアリール基を表す。)]
mは1から3の整数を表す。
Aは下記構造式で表される基を示す。
【0011】
【化3】
【0012】
式中、R1 、R2 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、Yはメチレン基を表し、Arは2価のアリーレン基または2価のヘテロアリーレン基を表す。nは1から5の整数を表す。ただし、m=1の場合には、nは2から5の整数を表す。
【0013】
なお、一般式(1)の説明中のアルキル、アリール、アラルキル、アルキレンオキシド、メチレン、アリーレンあるいはヘテロアリーレンとあるのは、これらが置換基を有する場合を含む概念である。
【0014】
本発明において好適に用いられる架橋性化合物は、上記一般式(1)中のnが1から2のもの、より好ましくはnが1のものである。R1 はR2 はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基が好ましく、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、水素原子またはアルキル基がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。Xは−CO−、−CONH−、−COO−のカルボニル基を有する2価の基が好ましく、−CO−がより好ましい。
【0015】
本発明に特に好適に用いられる架橋剤としての低分子化合物の例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
架橋剤(9−0)〜(9−13)
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
(式中、L1 〜L3 は、同じであっても異なっていてもよく、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基又はエトキシメチル基を示す。)
【0026】
これらの架橋剤はヒドロキシメチル基あるいはアルコキシメチル基を有するアニリンと、それぞれ対応するカルボニルハロゲニド化合物やカルボン酸無水物とを溶媒中で縮合することで得られる。また、ホルミル基を有するアニリンとそれぞれ対応するカルボニルハロゲニド化合物またはカルボン酸無水物とを縮合した後に、ホルミル基を還元することによってもこれらの架橋剤は得られる。
【0027】
本発明において、架橋剤は全画像記録材料固形分中、5〜70重量%、好ましくは10〜65重量%の添加量で用いられる。架橋剤の添加量が5重量%未満であると画像記録した際の画像部の膜強度が悪化し、また、70重量%を越えると保存時の安定性の点で好ましくない。
これらの架橋剤は単独で使用しても良く、また2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
【0028】
[光または熱により酸を発生させる化合物]
次に本発明で使用される光または熱により酸を発生させる化合物について説明する。本発明で使用できる光または熱により酸を発生させる化合物としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている公知の酸発生剤等、公知の熱分解して酸を発生する化合物、およびそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0029】
例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、同Re27,992号、特開平4−365049号の明細書に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad,Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、Chem.& Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、米国特許第339,049号、同第410,201号、特開平2−150848号、特開平2−296514号に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello et al,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivello et al.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al,PolymerBull.,14,279(1985)、J.V.Crivello et al,Macromolecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号、同390,214号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号に記載のスルホニウム塩、
【0030】
J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815号、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier et al,J.Rad.Curing,13(4),26(1986),T.P.Gill et al,Inorg.Chem.,19,3007(1980)、D.Astruc,Acc.Chem.Res.,19(12),377(1896)、特開平2−161445号に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、S.Hayase etal,J.Polymer Sci.,25,753(1987)、E.Reichmanis et al,J.Polymer Sci.,PolymerChem.Ed.,23,1(1985)、Q.Q.Zhu et al,J.Photochem.,36,85,39,317(1987)、B.Amit et al,Tetrahedron Lett.,(24)2205(1973),
【0031】
D.H.R.Barton et al,J.Chem.Soc.3571(1965)、P.M.Collins et al,J.Chem.Soc.,Perkin I,1695(1975)、M.Rudinstein etal,Tetrahedron Lett.,(17),1445(1975)、J.W.Walker et al,J.Am.Chem.Soc.,110,7170(1988)、S.C.Busman et al,J.Imaging Technol.,11(4),191(1985)、H.M.Houlihan et al,Macromolecules,21,2001(1988)、P.M.Collins et al,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,532(1972)、S.Hayase et al,Macromolecules,18,1799(1985)、E.Reichmanis et al,J.Electrochem.Soc.,SolidState Sci.Technol.,130(6)、F.M.Houlihan et al,Macromolecules,21,2001(1988)、欧州特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60−198538号、特開昭53−133022号に記載のo−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、M.TUNOOKA et al,Polymer Preprints Japan,38(8)、G.Berner et al,J.Rad.Curing,13(4)、W.J.Mijs et al,Coating Technol.,55(697),45(1983)、Akzo,H.Adachi etal,Polymer Preprints,Japan,37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515号、同199,672号、同044,115号、同0101,122号、米国特許第4,618,564号、同4,371,605号、同4,431,774号、特開昭64−18143号、特開平2−245756号、特願平3−140109号に記載のイミノスルフォネート等に代表される、光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61−166544号に記載のジスルホン化合物を挙げることができる。
【0032】
またこれらの酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖または側鎖に導入した化合物、例えば、M.E.Woodhouse et al,J.Am.Chem.Soc.,104,5586(1982)、S.P.Pappaset al,J.Imaging Sci.,30(5),218(1986)、S.Kondo et al. Makromol.Chem.,Rapid Commun.,9,625(1988)、Y.Yamada et al,Makromol.Chem.,152,153,163(1972)、J.V.Crivello et al.J.Poylmer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,3845(1979)、米国特許第3,849,137号、独国特許第3,914,407、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146037、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号に記載の化合物を用いることができる。
【0033】
更に、V.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad et al,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton et al,J.Chem,Soc.,(C),329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
【0034】
上記光または熱により酸を発生させる化合物の中で、特に有効に用いられるものについて以下に説明する。
(i)トリハロメチル基が置換した下記一般式(2)で表されるオキサゾール誘導体または下記一般式(3)で表されるS−トリアジン誘導体。
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】
式中、R3 は置換もしくは未置換のアリール基またはアルケニル基であり、R4 は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、アルキル基または−CY3 を表す。Yは塩素原子または臭素原子を示す。
上記オキサゾール誘導体(2)の具体例としては、以下の化合物(2−1)〜(2−8)を、S−トリアジン誘導体(3)の具体例としては、以下の化合物(3−1)〜(3−10)を挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0038】
【化13】
【0039】
【化14】
【0040】
【化15】
【0041】
(ii)下記一般式(4)で示されるジスルホン誘導体または下記一般式(5)で表されるイミノスルホネート誘導体。
【0042】
【化16】
【0043】
式中、Ar1 およびAr2 は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。R5 は置換もしくは未置換のアルキル基またはアリール基を表す。Aは置換もしくは未置換のアルキレン基、アルケニル基またはアリーレン基を示す。
【0044】
一般式(4)で示される化合物の具体例としては、以下に示す化合物(4−1)〜(4−12)が、一般式(5)で示される化合物の具体例としては、以下に示す化合物(5−1)〜(5−12)が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0045】
【化17】
【0046】
【化18】
【0047】
【化19】
【0048】
【化20】
【0049】
(iii )下記一般式(6)、(7)および(8)で表されるオニウム塩誘導体。
【0050】
【化21】
【0051】
上記一般式において、R6 は置換基を有していても良い炭素数20以下の炭化水素基を示す。
R6 で表される炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、アリル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基等のアルキル基、ビニル基、1−メチルビニル基、2−フェニルビニル基等のアルケニル基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ドデシルフェニル基、フェニルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等のアリール基が挙げられる。
これらの炭化水素基は、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アニリノ基、アセトアミド基等の置換基を有していても良い。置換基を有する炭化水素基の具体例としては、トリフルオロメチル基、2−メトキシエチル基、10−カンファーニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、フェノキシフェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシナフチル基、ジメトキシアントラセニル基、ジエトキシアントラセニル基、アントラキノニル基等が挙げられる。
【0052】
Ar3 、Ar4 はそれぞれ、置換基を有していても良い炭素数20以下のアリール基を示す。
具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ドデシルフェニル基、フェニルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、フェノキシフェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、カルボキシフェニル基、アニリノフェニル基、アニリノカルボニルフェニル基、モルホリノフェニル基、フェニルアゾフェニル基、メトキシナフチル基、ヒドロキシナフチル基、ニトロナフチル基、アントラキノニル基、等が挙げられる。
【0053】
R7 、R8 、R9 は置換基を有していても良い炭素数18以下の炭化水素基を示す。
具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、アリル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、t−ブチルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、等の炭化水素基、2−メトキシエチル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、フェニルチオフェニル基、ヒドロキシナフチル基、メトキシナフチル基、ベンゾイルメチル基、ナフトイルメチル基、等置換基を有する炭化水素基が挙げられる。
また、R7 、R8 で表される置換基は、互いに結合し縮環していても良い。
【0054】
一般式(6)〜(8)で表されるオニウム塩のカチオン部としては、具体的には下記構造で示されるヨードニウムイオン、スルホニウムイオン、ジアゾニウムイオンがあげられる。
【0055】
【化22】
【0056】
【化23】
【0057】
【化24】
【0058】
【化25】
【0059】
【化26】
【0060】
一方、これらのオニウム塩のカウンターアニオンとして良好に用いられるスルホネートイオンとしては、
1)メタンスルホネート、
2)エタンスルホネート、
3)1−プロパンスルホネート、
4)2−プロパンスルホネート、
5)n−ブタンスルホネート、
6)アリルスルホネート、
7)10−カンファースルホネート、
8)トリフルオロメタンスルホネート、
9)ペンタフルオロエタンスルホネート、
10)ベンゼンスルホネート、
11)p−トルエンスルホネート、
12)3−メトキシベンゼンスルホネート、
13)4−メトキシベンゼンスルホネート、
14)4−ヒドロキシベンゼンスルホネート、
15)4−クロロベンゼンスルホネート、
16)3−ニトロベンゼンスルホネート、
17)4−ニトロベンゼンスルホネート、
18)4−アセチルベンゼンスルホネート、
19)ペンタフルオロベンゼンスルホネート、
20)4−ドデシルベンゼンスルホネート、
21)メシチレンスルホネート、
22)2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、
23)2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホネート、
24)イソフタル酸ジメチル−5−スルホネート、
25)ジフェニルアミン−4−スルホネート、
26)1−ナフタレンスルホネート、
27)2−ナフタレンスルホネート、
28)2−ナフトール−6−スルホネート、
29)2−ナフトール−7−スルホネート、
30)アントラキノン−1−スルホネート、
31)アントラキノン−2−スルホネート、
32)9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、
33)9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、
34)キノリン−8−スルホネート、
35)8−ヒドロキシキノリン−5−スルホネート、
36)8−アニリノ−ナフタレン−1−スルホネート
等が挙げられる。
【0061】
また、
41)m−ベンゼンジスルホネート、
42)ベンズアルデヒド−2,4−ジスルホネート、
43)1,5−ナフタレンジスルホネート、
44)2,6−ナフタレンジスルホネート、
45)2,7−ナフタレンジスルホネート、
46)アントラキノン−1,5−ジスルホネート、
47)アントラキノン−1,8−ジスルホネート、
48)アントラキノン−2,6−ジスルホネート、
49)9,10−ジメトキシアントラセン−2,6−ジスルホネート、
50)9,10−ジエトキシアントラセン−2,6−ジスルホネート、
等のジスルホネート類とオニウム塩カチオン2当量との塩も用いることができる。
【0062】
本発明で良好に用いられるオニウム塩スルホネートは、対応するCl- 塩等を、スルホン酸またはスルホン酸ナトリウムまたはカリウム塩と水中、あるいはアルコール等の親水性溶媒と水との混合溶媒中でまぜあわせて塩交換を行うことにより、得ることができる。
オニウム化合物の合成は既知の方法で行うことができ、たとえば丸善・新実験化学講座14−I巻の2・3章(p.448)、14−III 巻の8・16章(p.1838)、同7・14章(p.1564)、J.W.Knapczyk他、J.Am.Chem.Soc.、91巻、145(1969)、A.L.Maycok他、J.Org.Chem.、35巻、2532(1970)、J.V.Crivello他、Polym.Chem.Ed.、18巻、2677(1980)、米国特許第2807648号、同4247473号、特開昭53−101331号、特公平5−53166号公報等に記載の方法で合成することができる。
本発明において良好に使用されるオニウム塩スルホネートの好ましい例を以下に示す。
【0063】
【化27】
【0064】
【化28】
【0065】
【化29】
【0066】
【化30】
【0067】
【化31】
【0068】
【化32】
【0069】
【化33】
【0070】
【化34】
【0071】
【化35】
【0072】
【化36】
【0073】
【化37】
【0074】
【化38】
【0075】
これらの化合物は、画像記録材料全固形分に対し0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜25重量%、より好ましくは0.5〜20重量%の割合で画像記録材料中に添加される。添加量が0.01重量%未満の場合は、画像が得られず、また添加量が50重量%を超える場合は、印刷時非画像部に汚れが発生するためいずれも好ましくない。
【0076】
[バインダー]
本発明において使用されるバインダーとしては、例えばポリヒドロキシスチレン類、ヒドロキシスチレン−N−置換マレイミド共重合体、ヒドロキシスチレン−無水マレイン酸共重合体、アルカリ可溶性基を有するアクリル系ポリマー、アルカリ可溶性基を有するウレタン型ポリマー、等が挙げられる。ここでアルカリ可溶性基としてはカルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、イミド基等が挙げられる。
また、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ポリ−m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン−N−置換マレイミド共重合体、p−ヒドロキシスチレン−無水マレイン酸共重合体等のヒドロキシスチレン系ポリマーを用いる場合には重量平均分子量が2,000〜500,000、好ましくは4,000〜300,000のものが好ましい。
【0077】
アルカリ可溶性基を有するアクリル系ポリマーの例としては、メタクリル酸−ベンジルメタクリレート共重合体、ポリ(ヒドロキシフェニルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシフェニルカルボニルオキシエチルアクリレート)、ポリ(2,4−ジヒドロキシフェニルカルボニルオキシエチルアクリレート)や、特願平8−211731明細書に記載のポリマー等が挙げられる。これらのアクリル系樹脂は重量平均分子量が2,000〜500,000、好ましくは4,000〜300,000のものが好ましい。
【0078】
アルカリ可溶性基を有するウレタン型ポリマーの例としては、ジフェニルメタンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネート、テトラエチレングリコール、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸を反応させて得られる樹脂、等が挙げられる。
これらのアルカリ可溶性樹脂のうちヒドロキシスチレン系ポリマーおよびアルカリ可溶性基を有するアクリル系共重合体は現像性の点で好ましい。
【0079】
本発明において、これらのアルカリ可溶性樹脂は全画像記録材料固形分中、10〜90重量%、好ましくは20〜85重量%、特に好ましくは30〜80重量%の添加量で用いられる。アルカリ可溶性の高分子化合物の添加量が10重量%未満であると記録層の耐久性が悪化し、また、90重量%を越えると感度、耐久性の両面で好ましくない。
また、これらのアルカリ可溶性樹脂は、1種類のみで使用しても良いし、あるいは2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
【0080】
[放射線を吸収する物質]
本発明の画像記録材料では上述の成分が必須であるが、必要に応じて放射線を吸収する物質を添加しても良い。本発明の画像記録材料に好ましく用いることができる放射線を吸収する物質は、光(輻射線)を吸収して熱を発生する物質である。このような物質として種々の顔料もしくは染料が用いられる。
顔料としては、市販の顔料およびカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
【0081】
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。
【0082】
これらの顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理をほどこして用いてもよい。表面処理の方法には樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)および「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0083】
顔料の粒径は、0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましい。顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられている公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載がある。
【0084】
また、染料としては、市販の染料および文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属鎖塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料等の染料が挙げられる。
【0085】
これらの顔料もしくは染料のうち、赤外光、もしくは近赤外光を吸収するものが特に好ましい。
赤外光、もしくは近赤外光を吸収する顔料としてはカーボンブラックが好適に用いられる。
赤外光、もしくは近赤外光を吸収する染料としては例えば特開昭58−125246号、同59−84356号、同59−202829号、同60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、同58−181690号、同58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、同58−224793号、同59−48187号、同59−73996号、同60−52490号、同60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0086】
また、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収剤も好適に用いられる。
更に、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号公報に開示されているピリリウム化合物は特に好ましく用いられる。
【0087】
また、特に好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
これらの顔料もしくは染料は、画像記録材料全固形分に対し0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜15重量%の割合で画像記録材料中に添加することができる。添加量が0.01重量%より少ないと画像が得られず、また、50重量%より多いと印刷時非画像部に汚れを発生する。
これらの染料もしくは顔料は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。
【0088】
また、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、あるいは特開昭62−293247号公報に記載されている染料を挙げることができる。
これらの染料は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。尚、添加量は、画像記録材料全固形分に対し、0.01〜10重量%の割合である。
【0089】
[その他の成分]
本発明では、必要に応じてその他種々の化合物を添加してもよい。
【0090】
また、本発明における画像記録材料中には、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤を添加することができる。
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
両面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤および両性界面活性剤の画像記録材料中に占める割合は、0.05〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0091】
更に本発明の画像記録材料中には必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸またはメタアクリル酸のオリゴマーおよびポリマー等が用いられる。
【0092】
また、本発明におけるネガ型画像記録材料のアルカリ水溶液への溶解性を調整する化合物としては、環状酸無水物、その他のフィラー等を加えることができる。
環状酸無水物としては米国特許第4,115,128号明細書に記載されているような無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水マレイン酸、クロロ無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、ピロメリット酸等がある。これらの環状酸無水物を好ましくは画像記録材料の全固形分に対し1〜15重量%、好ましくは2〜15重量%、より好ましくは3〜10重量%含有させることによって感度を最大3倍程度まで高めることができる。
【0093】
また、塗布性を改良するためのアルキルエーテル類(例えばエチルセルロース、メチルセルロース)、界面活性剤類(例えばフッ素系界面活性剤)、膜の柔軟性、耐摩耗性を付与するための可塑剤(例えばトリクレジルホスフェート、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、リン酸トリオクチル、リン酸トリブチル、クエン酸トリブチル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)を添加することができる。これらの添加剤の添加量はその使用目的によって異なるが、一般には画像記録材料の全固形分に対して0.5〜30重量%である。
【0094】
これら以外にも、前述のオニウム塩やハロアルキル置換されたs−トリアジン、およびエポキシ化合物、ビニルエーテル類、さらには特願平7−18120に記載のヒドロキシメチル基を持つフェノール化合物、アルコキシメチル基を有するフェノール化合物等を添加しても良い。
【0095】
本発明の画像記録材料は、通常上記各成分を溶媒に溶解または分散して、適当な支持体上に塗布することにより平板印刷用版材を製造することができる。また、半導体等のレジスト材料用としては溶媒に溶解したままで使用することができる。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等を挙げることができるがこれに限定されるものではない。これらの溶媒は単独あるいは混合して使用される。
【0096】
溶媒中の上記成分(添加物を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50重量%、好ましくは3〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%である。また、塗布して使用する場合、塗布量は用途により異なるが、例えば感光性平版印刷版についていえば一般的に固形分として0.5〜3.0g/m2 、好ましくは0.8〜2.5g/m2 、より好ましくは1.0〜2.0g/m2 であり、またフォトレジストについていえば一般的に固形分として0.1〜3.0g/m2 が好ましく、より好ましくは0.2〜2.0g/m2 、更に好ましくは0.3〜1.5g/m2 である。塗布量が少なくなるにつれて、感光性は大きくなるが、感光膜の皮膜特性は低下する。
【0097】
本発明による画像記録材料に使用される支持体としては、寸度的に安定な板状物であり、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属がラミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチックフィルム等が含まれる。
【0098】
本発明による画像記録材料に使用される支持体としては、ポリエステルフィルムまたはアルミニウム板が好ましく、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板、およびアルミニウムを主成分とし微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は10重量%以下であることが好ましい。本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みは、およそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
【0099】
アルミニウム板を支持体として用いる場合、支持体上に形成される層との密着性を向上するため、アルミニウム板を粗面化することが好ましい。アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
【0100】
アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法および化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
【0101】
この様に粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理および中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。
陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2 より少ないと耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
【0102】
陽極酸化処理を施された後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。本発明に使用される親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、第3,280,734号および第3,902,734号に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるかまたは電解処理される。他に特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウムおよび米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号、同第4,689,272号に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法等が用いられる。
【0103】
本発明の画像記録材料は公知の塗布技術により上記の支持体上に塗布される。上記の塗布技術の例としては、回転塗布法、ワイヤーバー塗布法、ディップ塗布後、エアーナイフ塗布法、ロール塗布法、ブレード塗布法、カーテン塗布法およびスプレー塗布法等を挙げることができる。
上記のようにして塗布された画像記録材料の層は、40〜150℃で30秒〜10分間、熱風乾燥機、赤外線乾燥機等を用いて乾燥される。
【0104】
本発明の画像記録材料をフォトレジストとして使用する場合には銅板または銅メッキ板、シリコン板、ステンレス板、ガラス板等の種々の材質の基板を支持体として用いることができ、上記平板印刷用版材の作製と同様の手法により作製することができる。
本発明における画像記録材料を含む感光性平版印刷版材またはフォトレジスト等(以下、「平板印刷用版材等」という)は、像露光、必要により加熱処理、現像工程を施される。
【0105】
本発明による平板印刷用版材等は、必要に応じて支持体上に下塗層を設けることができる。
下塗層成分としては種々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸等のアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン酸等の有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグリセロリン酸等の有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸等の有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニン等のアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩等のヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上混合して用いてもよい。また、前述のジアゾニウム化合物を下塗りすることも好ましい。
有機下塗層の被覆量は、2〜200mg/m2 が適当である。
以上のようにして、本発明の画像記録材料を用いた平版印刷用版材等を作製することができる。この平版印刷用版材等は、通常、像露光、現像処理を施される。
更に必要に応じて、感光膜の上にマットまたはマット層を設けても良い。
【0106】
像露光に用いられる活性光線の光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線等がある。またg線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。レーザービームとしてはヘリウム・ネオンレーザー、アルゴンレーザー、クリプトンレーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー、KrFエキシマレーザー等が挙げられる。本発明においては、近赤外から赤外領域に発光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザー、半導体レーザーが特に好ましい。
本発明による平板印刷用版材等においては、像露光後すぐに現像処理を行っても良いが、像露光工程と現像工程の間に加熱処理を行うことが好ましい。
本発明の画像記録材料による平版印刷用版材等の製造において行われる露光後の加熱処理は、50℃〜250℃で処理時間1秒〜30分で行うことができ、好ましくは70℃〜200℃で処理時間5秒〜5分である。この加熱処理により、像露光時、記録に必要なレーザーエネルギーを減少させることができる。
【0107】
必要に応じて加熱処理を行った後、本発明による平板印刷用版材等はアルカリ性水溶液にて現像される。
【0108】
本発明による平板印刷用版材等の現像液および補充液としては従来より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウムおよび同リチウム等の無機アルカリ塩が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤も用いられる。
これらのアルカリ剤は単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
これらのアルカリ剤の中で特に好ましい現像液は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸塩水溶液である。その理由はケイ酸塩の成分である酸化珪素SiO2 とアルカリ金属酸化物M2 Oの比率と濃度によって現像性の調節が可能となるためであり、例えば、特開昭54−62004号公報、特公昭57−7427号に記載されているようなアルカリ金属ケイ酸塩が有効に用いられる。
【0109】
更に自動現像機を用いて現像する場合には、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の現像液を交換する事なく、多量の平版印刷用版材を処理できることが知られている。本発明においてもこの補充方式が好ましく適用される。
【0110】
現像液および補充液には現像性の促進や抑制、現像カスの分散および印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々の界面活性剤や有機溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性界面活性剤が挙げられる。好ましい有機溶剤としてはベンジルアルコール等が挙げられる。また、ポリエチレングリコールもしくはその誘導体、またはポリプロピレングリコールもしくはその誘導体等の添加も好ましい。
【0111】
更に現像液および補充液には必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、亜硫酸水素酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩等の還元剤、更に有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加えることもできる。
【0112】
上記現像液および補充液を用いて現像処理された印刷版は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理される。本発明の画像記録材料を印刷用版材として使用する場合の後処理としては、これらの処理を種々組み合わせて用いることができる。
【0113】
近年、製版・印刷業界では製版作業の合理化および標準化のため、印刷用版材用の自動現像機が広く用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、印刷用版材を搬送する装置と各処理液槽およびスプレー装置からなり、露光済みの印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像処理するものである。また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロール等によって印刷用版材を浸漬搬送させて処理する方法も知られている。このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処理することができる。
【0114】
また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。
【0115】
本発明の画像記録材料を用いた感光性平版印刷版を画像露光し、現像し、水洗および/またはリンスおよび/またはガム引きして得られた平版印刷版に不必要な画像部(例えば原画フィルムのフィルムエッジ跡等)がある場合には、その不必要な画像部の消去が行われる。このような消去は、例えば特公平2−13293号公報に記載されているような消去液を不必要画像部に塗布し、そのまま所定の時間放置したのちに水洗することにより行う方法等がある。
【0116】
以上のようにして得られた平版印刷版は所望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供することができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版としたい場合にはバーニング処理が施される。
平版印刷版をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。
その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布等が適用される。また、塗布した後でスキージ、あるいは、スキージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。
整面液の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m2 (乾燥重量)が適当である。
【0117】
整面液が塗布された平版印刷版は必要であれば乾燥された後、バーニングプロセッサー(たとえば富士写真フイルム(株)より販売されているバーニングプロセッサー:BP−1300)等で高温に加熱される。この場合の加熱温度および時間は、画像を形成している成分の種類にもよるが、180〜300℃の範囲で1〜20分の範囲が好ましい。
【0118】
バーニング処理された平版印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引き等の従来より行われている処理を施こすことができるが水溶性高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合にはガム引き等のいわゆる不感脂化処理を省略することができる。
【0119】
この様な処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0120】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[架橋剤の合成]
架橋剤(C−1)
水素化ナトリウム(60%)16gをテトラヒドロフラン20mlに分散させ、そこに氷冷下、パラニトロベンジルアルコール50gのテトラヒドロフラン溶液100mlを滴下した。室温で1時間攪拌した後、氷冷下、ヨードメタン56gを滴下し、さらに室温で3時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出溶媒を減圧留去し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、パラメトキシメチルニトロベンゼン40gを得た。
パラメトキシメチルニトロベンゼン20gを還元鉄存在下、常法により還元し、パラメトキシメチルアニリン13gを得た。
アジピン酸クロリド7.3gのアセトン溶液80mlに氷冷下パラメトキシメチルアニリン11gとトリエチルアミン8gのアセトン溶液を滴下した。さらに室温で3時間攪拌し、反応液を水に注ぎ込み、析出した架橋剤(C−1)をろ取し、水でかけ洗いした後に減圧下乾燥した(収量12g)。
【0121】
架橋剤(C−2)
アジピン酸クロリド15gのアセトン溶液80mlに氷冷下パラアミノベンズアルデヒド22g(アミン含量89%)とトリエチルアミン16gのアセトン溶液を滴下し、さらに室温で3時間攪拌した。反応液を水に注ぎ込み、析出物をろ取し、水でかけ洗いした後に減圧下乾燥した。
さらに得られた析出物を水素化ホウ素ナトリウムで常法により還元し、架橋剤(C−2)を得た(収量15g)。
【0124】
架橋剤(C−1)〜(C−2)の構造を以下に示す。
【0125】
【化39】
【0127】
[支持体の作製]
厚さ0.30mmのアルミニウム板(材質1050)をトリクロロエチレン洗浄して脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパミストン−水懸濁液を用いその表面を砂目立てし、よく水で洗浄した。この板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い水洗後、更に2%HNO3 に20秒間浸漬して水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2 であった。次にこの板を7%H2 SO4 を電解液として電流密度15A/dm2 で3g/m2 の直流陽極酸化皮膜を設けた。その後、70℃の珪酸ソーダ2.5%水溶液に1分浸漬後、水洗乾燥した。次にこのアルミニウム板に下記下塗り液を塗布し、80℃で30秒間乾燥した。乾燥後の被覆量は20mg/m2 であった。
(下塗り液)
【0128】
[実施例1]
上記により得られた基板上に下記組成の感光液(P−1)を塗布し、100℃で1分間乾燥してネガ型感光性平版印刷用版材を得た。乾燥後の塗布膜の重量は1.5g/m2 であった。
感光液(P−1)
【0129】
得られたネガ型平版印刷用版材(PL−1)を波長830nmの赤外線を発する半導体レーザーで像様露光した。露光後、パネルヒーターにて90℃で15秒間加熱処理した後、富士写真フイルム(株)製現像液、DN−5MIIで現像し、水洗した。得られた平版印刷版をハイデルKOR−D機で印刷した。非画像部に汚れのない良好な印刷物が印刷初期から約4.3万枚まで得られた。
【0130】
また、得られた平版印刷用版材(PL−1)を同様に像様露光後、パネルヒーターにて110℃で60秒間加熱処理した後、富士写真フイルム(株)製現像液DN−5MIIで現像し、水洗した。得られた平版印刷版を用いてハイデルKOR−D機で印刷した。非画像部に汚れのない良好な印刷物が印刷初期から約4.6万枚まで得られた。
【0131】
[実施例2]
架橋剤の種類を表1に示すものに代えたことを除き、実施例1の感光液(P−1)と同様に感光液(P−2)を調製した。これらの溶液を実施例1で用いた下塗り済みのアルミニウム板に塗布し、110℃で1分間乾燥してネガ型平版印刷用版材(PL−2)を得た。乾燥後の塗布膜の重量は各々5g/m2 であった。
【0132】
得られたネガ型平版印刷用版材を波長830nmの赤外線を発する半導体レーザーで像様露光した。露光後、パネルヒーターにて90℃で15秒間加熱処理した後、富士写真フイルム(株)製現像液DN−5MIIで現像し、水洗した。得られた平版印刷版を用いてハイデルKOR−D機で印刷した。結果を表1に示す。非画像部に汚れのない良好な印刷物が印刷初期から4万枚以上まで得られた。
【0133】
また、得られた平版印刷用版材(PL−2)を同様に像様露光後、パネルヒーターにて110℃で60秒間加熱処理した後、富士写真フイルム(株)製現像液、DN−5MIIで現像し、水洗した。得られた平版印刷版を用いてハイデルKOR−D機で印刷した。非画像部に汚れのない良好な印刷物が印刷初期から4.5万枚以上まで得られた。
【0134】
【表1】
【0135】
[比較例1]
実施例1にて使用した感光液(P−1)において、一般式(1)で表される架橋剤(C−1)の代わりに、レゾール樹脂を用い、それ以外は実施例1と同様にしてネガ型平版印刷用版材(PL−5)を作製した。得られた平版印刷用版材(PL−5)を用いて、実施例1と同様に画像形成し印刷した。90℃で15秒間後加熱した場合は良好な印刷物が印刷初期から約3.8万枚まで得られたが、110℃で60秒間後加熱した場合は非画像部が汚れ、良好な印刷物は得られなかった。
【0136】
[比較例2]
実施例1にて使用した感光液(P−1)において、一般式(1)で表される架橋剤(C−1)の代わりに、メチロールメラミン樹脂を用い、それ以外は実施例1と同様にしてネガ型平版印刷用版材(PL−6)を作製した。得られた平版印刷用版材(PL−6)を用いて、実施例1と同様に画像形成し印刷した。90℃で15秒間後加熱した場合は良好な印刷物が印刷初期から約3.2万枚まで得られたが、110℃で60秒間後加熱した場合は非画像部が汚れ、良好な印刷物は得られなかった。
【0137】
実施例1〜2および比較例1〜2より本発明のネガ型画像記録材料を用いた平版印刷用版材は、露光後の加熱処理条件の許容性が良好で印刷時の耐久性が良好なことがわかる。
【0138】
[実施例3]
実施例1で得られたネガ型平版印刷用版材(PL−1)を45℃、湿度75%の条件下で2日間保存した後に、波長830nmの赤外線を発する半導体レーザーで像様露光した。露光後、パネルヒーターにて90℃で15秒間加熱処理した後、富士写真フイルム(株)製現像液DN−5MIIで現像し、水洗した。得られた平版印刷版を用いてハイデルKOR−D機で印刷した。非画像部に汚れのない良好な印刷物が印刷初期から約4.2万枚まで得られた。
【0139】
[実施例4]
実施例2で得られたネガ型平版印刷用版材(PL−2)を45℃、湿度75%の条件下で2日間保存した後に、波長830nmの赤外線を発する半導体レーザーで像様露光した。露光後、パネルヒーターにて90℃で15秒間加熱処理した後、富士写真フイルム(株)製現像液DN−5MIIで現像し、水洗した。得られた平版印刷版を用いてハイデルKOR−D機で印刷した。結果を表2に示す。良好な印刷物が印刷初期から4万枚以上まで得られた。また、非画像部に汚れは認められなかった。
【0140】
【表2】
【0141】
[比較例3]
比較例1で得られた平版印刷用版材(PL−5)を、45℃、湿度75%の条件下で2日間保存した後に、実施例5と同様に画像形成し印刷した。非画像部が汚れ良好な印刷物は得られなかった。
【0142】
[比較例4]
比較例2で得られた平版印刷用版材(PL−6)を、45℃、湿度75%の条件下で2日間保存した後に、実施例5と同様に画像形成することを試みたが、現像により画像部が流れ良好な印刷物は得られなかった。
【0143】
実施例5〜8および比較例3〜4より本発明のネガ型画像記録材料を用いた平版印刷用版材は、保存安定性に優れることがわかる。
【0144】
【本発明の効果】
本発明によれば、赤外線を放射する固体レーザーおよび半導体レーザーを用いて記録することにより、コンピューター等のデジタルデータから直接製版可能であり、露光後の加熱処理条件の許容性が良好で、印刷時の耐久性に優れ、保存安定性が良好なネガ型平版印刷用版材を提供できる。
Claims (1)
- 下記一般式(1)で表される架橋性化合物、光または熱により酸を発生させる化合物およびバインダーを含むことを特徴とするネガ型画像記録材料。
一般式(1)
(A−X)m −B
式中、Xは−CO−、−CONH−、−COO−、−SO2 −より選ばれる2価の基を表す。
Bは下記に挙げるものから選ばれるm価の基を表す。
[水素、アルキル、アリール、アラルキル、アルキレンオキシド、A、または、R11COOR22OCOR33(式中、R11およびR22はそれぞれ独立にアルキルまたはアリールから選ばれる2価の基を表し、R33はアルキル基またはアリール基を表す。)]
mは1から3の整数を表す。
Aは下記構造式で表される基を示す。
式中、R1 、R2 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、Yはメチレン基を表し、Arは2価のアリーレン基または2価のヘテロアリーレン基を表す。nは1から5の整数を表す。ただし、m=1の場合には、nは2から5の整数を表す。
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