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JP3842482B2 - ラッチ具 - Google Patents
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JP3842482B2 - ラッチ具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、地震などの振動に起因した扉などの可動側部材の移動を阻止するラッチ具の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
地震などの振動に起因して、扉などの可動側部材が収納棚本体などの固定側部材から離れ出す向きに移動することなどを阻止して、当該振動作用時のかかる収納棚本体などからの収納物の落下、散乱や、扉などの予期せぬ開き出しに伴う不都合を防止する技術の一つとして、本出願人が先に開示した特願平8−356357にかかるラッチがある。
【0003】
かかるラッチは、ラッチ本体(フック具)と、ラッチ受(引掛具)とを有し、このラッチ本体とラッチ受とを可動側部材を移動させる振動が作用された際に掛合し合わせて、この掛合により可動側部材の移動を阻止する構成を備えている。
【0004】
すなわち、かかるラッチにあっては、ラッチ本体に回動可能にアーム(フック手段)が組み付けてあると共に、前記可動側部材を移動させる振動により移動されるウエイトが収めてある。そして、かかる振動により移動されたウエイトが、アームの一端側を押圧し、この押圧に伴って当該アームの他端側が前記ラッチ受に掛合可能となる位置まで回動される構成としてある。そして、前記振動によりかかるアームの回動と略同時に移動される可動側部材の当該移動によって、前記アームとラッチ本体とが掛合され、この振動の作用による可動側部材の移動を阻止する構成としてある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、この種のラッチ具において、前記可動側部材を移動させる大きさの振動が作用される前に、かかる可動側部材を移動させる振動よりも小さい振動が作用された状態において前記アームを前記ラッチ受に掛合可能となる位置まで予め回動させておき、この回動位置に当該アームを位置付けておくことができるようにしてあれば、この後の可動側部材の移動が前記ラッチ受と前記アームとの掛合を常に生じさせるようにしておくことができる。
【0006】
特に、前記可動側部材は、この可動側部材を移動させる大きさの振動が作用しない場合であっても、かかる振動より小さい振動が作用された段階での前記収納物の移動や落下などにより当該収納物に押圧されて前記固定側部材から離れ出す向きに移動される事態も想定されることから、こうした可動側部材の移動を通常では生じさせない大きさの振動が作用された段階において、予め前記アームを前記ラッチ受に掛合可能となる位置に回動、位置付けておけるようにしておくことが望まれる。
【0007】
そこでこの発明は、この種のラッチ具において、可動側部材が移動される振動が作用される前に、ラッチ受にアームが掛合可能な位置に予めアームを回動させて位置付けておくことができるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、この発明にあっては、ラッチ具が以下の(1)ないし(8)の構成を備えたものとした。
(1)固定側部材に対する可動側部材の振動による移動を阻止するラッチ具であって、
(2)このラッチ具が、前記固定側部材に取り付けられるラッチ本体と、前記可動側部材に取り付けられるラッチ受とを有しており、
(3)前記ラッチ本体は、可動側部材に向けられた側に開口を備えたケースと、このケース内に納められる前記可動側部材を移動させる振動よりも小さい所定の振動により移動される球状ウエイトと、この球状ウエイトの移動により当該球状ウエイトに押圧される一端部を有し、かつ、この押圧により前記ケースの開口から可動側部材の側に向けて突き出された他端側を回動させるように当該ケースに組み付けられたアームとを備えており、
(4)このアームの先端には、前記球状ウエイトの押圧による回動に伴って前記ラッチ受に掛合可能とされる引っ掛け部が設けてあり、当該ラッチ受に掛合可能に回動された前記アームの引っ掛け部に対し、前記可動側部材が前記振動により移動された際に前記ラッチ受が掛合される構成としてあると共に、
(5)ラッチ本体の前記ケースには、前記所定の振動により移動された球状ウエイトを当該移動後の位置で保持する保持手段が設けてあり、
(6)この保持手段に保持される球状ウエイトにより、アームの一端部の前記押圧がなされる構成としてあり、
(7)前記ラッチ受が、可動側部材における固定側部材の側に向けられた面に取り付けられる鉛直部と、この鉛直部からラッチ本体の側に向けて突き出す突き出し部とを有しており、この突き出し部前記アームの引っ掛け部が掛合される構成としてあると共に、
(8)このラッチ受の突き出し部、ラッチ本体の側に向けて突き出す位置決め突部が設けてあり、この位置決め突部がラッチ本体の開口の直上にある外面部に突き当たらないように当該ラッチ本体を固定側部材に取り付けることにより、可動側部材の閉じ込み位置においてアームがラッチ受の鉛直部に突き当たらない位置でのラッチ本体の取り付けをなすことができるようにしてある。
【0009】
かかる構成によれば、前記可動側部材を移動させる振動よりも小さい所定の振動が作用された段階で、前記球状ウエイトを前記保持手段に保持される位置まで移動させることができる。この保持手段に保持された球状ウエイトは、この保持により当該保持位置から移動前の位置には復帰することがない。そして、この保持位置において、かかる球状ウエイトによりアームの一端部を押圧させて、当該アームをその引っ掛け部が前記ラッチ受に掛合可能となる位置まで回動させることができ、また、この回動終了位置からアームが回動前の位置に戻らないように維持させることができる。
【0010】
この結果、この発明にかかるラッチ具によれば、可動側部材が移動される振動が作用される前に、ラッチ受にアームの引っ掛け部が掛合可能な位置に予めアームを回動させておくことができる。(以下、この状態を、セットアップ状態という。)
【0011】
これにより、このセットアップ状態後、可動側部材が移動される振動が作用された場合には、この可動側部材の移動により前記ラッチ受に前記アームの引っ掛け部を確実に掛合させることができ、当該振動による可動側部材の移動を十分に阻止することができる。
【0012】
また、前記セットアップ状態後、可動側部材を移動させる大きさの振動は作用されていないが、前記球状ウエイトを移動させる所定の振動の作用を原因として可動側部材が移動される状態が作り出されたとしても、同様に前記ラッチ受に前記アームの引っ掛け部を確実に掛合させることができ、当該可動側部材の移動を十分に阻止することができる。例えば、固定側部材が食器棚などの収納体であり、可動側部材がこの収納体の開口を塞ぐ扉体である場合、前記球状ウエイトは移動させるが可動側部材は移動させない大きさの振動が作用されることにより収納物が移動などして扉体を開き出し方向に押圧移動させるような事態が生じても、前記セットアップ状態にある前記ラッチ本体のアームの引っ掛け部をこのように押圧移動された扉体のラッチ受に確実に掛合させて、かかる扉体の移動を十分に阻止することができる。
【0013】
例えば、前記扉体が震度5強程度の振動(約270gal)が作用された場合に開き出されるときには、前記球状ウエイトが震度5弱の振動(約120gal)が作用された場合に移動されるようにしておくことにより、かかる扉体を開き出させる振動が作用された場合のみならず、前記球状ウエイトを移動させるレベルの振動に起因した扉体の予期しない移動を十分に阻止することができる。
【0014】
前記球状ウエイトの保持手段は、例えば、当該球状ウエイトを前記所定の振動により落ち込ませるように、前記ラッチ本体に凹みや、有底穴や、当該ラッチ本体の内外を連通させる穴を設けておくことにより、また、前記所定の振動により当該球状ウエイトが乗り越えて移動される高さの突部を前記ラッチ本体に設けておくことにより構成することができる。
【0015】
また、前記ラッチ受の突き出し部の先端部に、ラッチ本体の側に向けて突き出す位置決め突部が設けてあり、この位置決め突部がラッチ本体の開口の直上にある外面部に突き当たらないように当該ラッチ本体を固定側部材に取り付けることにより、アームがラッチ受の鉛直部に突き当たらない位置でのラッチ本体の取り付けをなすことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図29に基づいて、この発明の典型的な実施の形態の一つについて説明する。
【0017】
なお、ここで図1は、この実施の形態にかかるラッチ具を理解し易いように、ラッチ受Uおよびラッチ本体Hを分解して斜視の状態として示している。また、図2は、ラッチ具の使用状態を、固定側部材Sおよび可動側部材Mを縦断面の状態として側方から見て示しており、また、図3は、固定側部材Sの横板を省略して、上方から見て示している。この図2および図3は、可動側部材Mが移動していない状態として示している。また、図4は、ラッチ本体Hを下方から見て、また、図5は、ラッチ本体Hをアーム20の突き出し側から見て、それぞれ示している。
【0018】
図6ないし図10は、ラッチ具の機能を理解し易いように、ラッチ具を構成するラッチ受Uおよびラッチ本体Hを縦断面の状態として示している。より詳細には、図6はアーム20を回動させていない状態にあるラッチ具を示しており、この図6の状態において可動側部材Mは固定側部材Sから離れる向きにも、近付く向きにも自由に移動操作可能である。図7は、球状ウエイト30を移動させる所定の振動が作用され、当該球状ウエイト30が凹所内に落ち込み、これによりアーム20の当接部22が押圧されてアーム20が上方に回動した状態を示しており、この図7の状態においては未だ可動側部材Mは固定側部材Sから離れ出す向きには移動されておらず、アーム20とラッチ受Uとは掛合されていない。図8は、図7の状態からさらに可動側部材Mを固定側部材Sから離し出す振動が作用され、この可動側部材Mが移動されると共に、これによりラッチ受Uとアーム20の引っ掛け部21とが掛合し合った当該可動側部材Mの移動阻止状態を示している。図9は、図8に示されるようにラッチ受Uとアーム20の引っ掛け部21とを掛合させ合った状態を解除させるべく、可動側部材Mを固定側部材Sに近付く向きに移動操作させた状態を示しており、ラッチ受Uとアーム20の引っ掛け部21は掛合し合っているが、この可動側部材Mの移動操作に追随してアーム20が押し込み移動され、このように移動されるアーム20により押圧されて凹所17から凹部16内に向けて球状ウエイト30が押し出されている。図10は、図9の状態からさらに可動側部材Mを押し込み移動させて、アーム20の当接部22の上端22cをケース10の膨出部19の端面19aに突き当てさせ、これにより前記ラッチ受Uのフック部70と前記アーム20の引っ掛け部21との掛合を解いた状態を示している。これにより、アーム20は自重により再び下方に回動され、図6の状態に復帰される。
【0019】
また、図11は、図6の状態を理解し易いように、ラッチ受Uおよびラッチ本体Hを横断面の状態として示しており、また、図12は、フック部70にアーム20の引っ掛け部21を掛合させるように可動側部材Mが移動した状態を理解し易いように、ラッチ受Uおよびラッチ本体Hを横断面の状態として示している。
【0020】
また、図14ないし図18は、ラッチ本体Hを構成するケース10のケース本体10’をそれぞれ示しており、図13は当該ケース本体10’を開放部F側から見た状態として、図14は、開放部F側と反対の側から見た状態として、また、図15は、図13の上方から見た状態として、図16は、当該ケース本体10’を縦断面の状態として、図17は、図16の右側から見た状態として、また、図18は、図13におけるA−A線位置で断面にして、それぞれ示している。
【0021】
また、図19ないし図21は、ラッチ本体Hを構成するアーム20をそれぞれ示しており、図19は当該アーム20を側方から見た状態として、図20は、図19の左側から、また、図21は図20の下側から見た状態として、それぞれ示している。
【0022】
また、図22ないし図26は、ラッチ本体Hを構成するケース10の開放部Fを塞ぐようにケース本体10’に組み付けられる蓋板10”をそれぞれ示しており、図22は当該蓋板10”を上方から見た状態として、図23は、図22と反対の側から見た状態として、また、図24は、図22の右側から見た状態として、図25は、図22の下側から見た状態として、また、図26は、蓋板10”を縦断面の状態として、それぞれ示している。
【0023】
また、図27ないし図29は、ラッチ受Uをそれぞれ示しており、図27は、ラッチ受Uを側方から見て、図28は、図27の下側から見た状態として、さらに、図29は、図27の右側から見た状態として、それぞれ示している。
【0024】
この実施の形態にかかるラッチ具は、固定側部材S、ここでは、かかる固定側部材Sを構成する横板Saの下面に取り付けられるラッチ本体Hと、可動側部材M、ここでは、かかる可動側部材Mを構成する縦板Maにおける固定側部材Sの側に向けられた面に取り付けられるラッチ受Uとを備えてなる。
【0025】
ラッチ本体Hは、前記固定側部材Sを構成する横板Saの下面に取り付けられる上面10aを備え、かつ、前記可動側部材Mに向けられた側に開口11を備えたケース10と、このケース10内に一端側20aを常時収めると共に、他端側20bを当該ケース10の前記開口11から当該可動側部材Mの側に向けて突き出すように、前記ケース10に回動可能に組み付けられたアーム20とを備えている。
【0026】
かかるアーム20は、前記開口11から突き出される他端側20bに前記ラッチ受Uに対する引っ掛け部21を備えると共に、ケース10内に収められた一端側20aに後述する球状ウエイト30の当接部22を有している。
【0027】
また、かかるアーム20は、ケース10の上面10a側であって、前記当接部22よりの位置に、当該アーム20の幅方向両側に向けて突き出す突起状の軸24を有している。一方、前記ケース10は、前記開口11近傍の左右側板12、12の上端部に前記アーム20の両側にある前記軸24をそれぞれ収める軸穴部15を有している。そして、かかる軸穴部15に前記軸24を収めて前記アーム20は前記ケース10に、前記開口11から前記引っ掛け部21が設けられた側を突き出させるように回動可能に組み付けられている。この実施の形態にあっては、かかるアーム20の重心が前記軸24を基準として前記引っ掛け部21が設けられている側にやや偏って位置するように設定してあり、後述する球状ウエイト30による押圧を受けない状態においては、かかるアーム20は、前記ケース10の開口11の下側縁部11aにアーム20の前記軸24の直下に形成させた突き当たり面23を突き当てた位置(以下、回動前位置Raという。)にあるものとされる。この回動前位置Raにおいては、前記開口11から突き出されている側にあるアーム20の下面とケース10の下面とが略同面となるようにしてあり、また、前記ラッチ受Uに前記引っ掛け部21を掛合させることがないようにしてある。
【0028】
一方、前記ラッチ受Uは、可動側部材Mにおける固定側部材Sの側に向けられた面に取り付けられる板状の鉛直部50と、この鉛直部50の上端から固定側部材Sの側、すなわち、ラッチ本体Hの側に向けて突き出す板状の突出し部60とを有している。そして、この突出し部60の先端側であって、当該突出し部60の下側に、当該突出し部60の基部側に向けて突き出す前記アーム20の引っ掛け部21の掛合されるフック部70が設けてある。
【0029】
この実施の形態にあっては、前記アーム20の引っ掛け部21が、当該アーム20の幅方向両側に突き出す掛合突部21aとしてある。また、前記ラッチ受Uのフック部70が、当該ラッチ受Uの前記突出し部60における左右両側に設けられており、左側のフック部70と右側のフック部70との間の隙間61が、前記アーム20の幅よりも大きく、かつ、前記両掛合突部21aの先端間の寸法よりも小さくなるように構成してある。
【0030】
そして、この実施の形態にあっては、可動側部材Mの前記縦板Maが固定側部材Sの前記横板Saの端面部に突き当てられた当該可動側部材Mの閉じ込み位置において、前記回動前位置Raにある前記アーム20の掛合突部21aが前記ラッチ受Uのフック部70先端よりも下方で、かつ、前記突出し部60の基部側に位置すると共に、かかるアーム20の直上に前記左側のフック部70と右側のフック部70との間の隙間61が位置するように、かかる可動側部材Mにラッチ受Uを、また、かかる固定側部材Sにラッチ本体Hを取り付けることができる構成としてある。(図2、図3、図6)
【0031】
この結果、この実施の形態にかかるラッチ具によれば、前記アーム20を前記回動前位置Raから、前記引っ掛け部21をラッチ受Uの突き出し部下面に接しさせる位置まで回動させることができ、(図7・以下、回動終了位置Rbという。)この後、可動側部材Mが固定側部材Sから離れる向きに移動することに伴って、前記ラッチ受Uのフック部70と前記アーム20の引っ掛け部21とを掛合させることが可能とされる。(図8)
【0032】
前記アーム20の回動前位置Raから回動終了位置Rbに向けた回動は、前記ケース10内に収められた球状ウエイト30の所定の振動による移動と、この移動に伴うかかるアーム20の当接部22への当接、押圧によりなされる。
【0033】
すなわち、この実施の形態にあっては、前記アーム20の当接部22と前記ケース10の開口11と反対の側にある側面との間に、球状ウエイト30を当該ケース10の開口11側に向けて移動可能に収める当該球状ウエイト30の収納空間14が形成してある。
【0034】
かかる収納空間14を構成するケース10の内底面14aには、前記球状ウエイト30の下端部を収める凹球面状の凹部16が設けてあり、球状ウエイト30はこの凹部16にかかる下端部を収めた状態で、この凹部16が設けられている位置に保持される構成としてある。ここで、前記ケース10は、当該ケース10の内奥側に向けて次第に前記収納空間14の左右方向の間隔を狭めるように傾斜した一対の傾斜側面13、13と、前記上面10aとを有するが、前記球状ウエイト30は前記凹部16による保持位置において、この球状ウエイト30の周面をかかる一対の傾斜側面13、13および上面10aのいずれとも接触させない状態で、かかる凹部16に保持される構成としてある。また、かかる凹部16による保持位置において、前記球状ウエイト30は前記アーム20の当接部22を押圧せず、かかるアーム20は前記回動前位置Raから移動しない構成としてある。
【0035】
また、この実施の形態にあっては、前記収納空間14を構成するケース10の内底面14aであって、前記凹部16よりも当該ケース10の前記開口11に近付いた位置に、当該ケース10の幅方向に亙った溝状をなす凹所17が設けてある。そして、前記球状ウエイト30が前記凹所17から抜け出し、前記ケース10の開口11側に移動することに伴って、当該球状ウエイト30の一部をこの凹所17に落とし込ませ、このように落とし込まれた球状ウエイト30により前記アーム20の当接部22が押圧され、かかるアーム20が前記回動終了位置Rbに向けて回動される構成としてある。すなわち、この実施の形態にあっては、かかる凹所17が所定の振動により移動された球状ウエイト30を移動後の位置で保持する保持手段とされている。
【0036】
より詳細には、この実施の形態にあっては、前記アーム20は前記当接部22が設けられている一端部において、前記ケース10の内奥側に向けて突き出す突き出し部22bを有しており、当該アーム20を側方から見た状態において、この突き出し部22zbの突き出し先端22aおよびこの突き出し先端22aを挟んだ上方にあるケース10の奥側に向けられた面を前記当接部22としている。かかる当接部22を構成する面は、前記ケース10の内奥側を湾曲内側とした湾曲面状に構成してある。そして、前記球状ウエイト30が前記所定の振動の作用により前記凹部16から抜け出し、前記凹所17に落ち込むように移動することに伴って、先ず、前記アーム20の当接部22を構成する前記突き出し先端22aを球状ウエイト30が押圧し、この押圧によりアーム20が前記引っ掛け部21が設けられている側を上方に向けて回動させることに伴って、前記突き出し先端22aの上方にある前記当接部22を構成する面に球状ウエイト30の前記開口11側に向けられた周面が当接され、この当接状態においてアーム20が前記回動終了位置Rbに位置される構成としてある。(図7)
【0037】
そして、この実施の形態にあっては、前記アーム20を前記回動終了位置Rbに位置させるように前記凹所17に落ち込んだ前記球状ウエイト30が、当該凹所17から単純にはその移動前の位置、すなわち、前記凹部16側に移動されないようにしてあり、かかるアーム20を前記回動終了位置Rbに継続的に位置付けることができるようにしてある。
【0038】
すなわち、この実施の形態にあっては、前記アーム20を前記回動終了位置Rbに位置させるように前記凹所17に落ち込んだ前記球状ウエイト30が、当該球状ウエイト30における重心を通る垂線x上で前記凹所17により前記ケース10に支持されず、かかる凹所17における当該ケース10の奥側にある縁部17aに接して当該ケース10に支持される構成としてある。この結果、前記凹所17に落ち込まれた前記球状ウエイト30は、前記アーム20の当接部22を構成する前記面を押圧する向きと反対の向きには移動し難いものとされ、この結果、前記アーム20はかかる球状ウエイト30により前記回動終了位置Rbに継続的に位置付けられる。
【0039】
なお、この実施の形態にあっては、横断面形状において、前記アーム20の前記当接部22が設けられている一端側20aの端部が、前記ケース10の両側板12、12間に亙る大きさを備えるように構成してあり、(図11、図12)かかる一端側20aの幅方向に亙って前記当接部22が形成してある。
【0040】
そして、この実施の形態にあっては、前記ラッチ受Uが取り付けられる可動側部材Mが固定側部材Sから離れ出す向きに移動される振動よりも、前記球状ウエイト30を前記凹部16から抜け出させ、前記凹所17に落とし込ませる位置まで移動させる所定の振動が小さくなるように構成してある。この結果、この実施の形態にあっては、前記可動側部材Mが移動される振動が作用される前に、前記所定の振動が作用された場合には、前記球状ウエイト30を前記凹所17に落とし込む位置まで移動させて、前記アーム20を前記回動終了位置Rbに回動させ、この回動終了位置Rbに予め位置付けて置くことができる。(図7・セットアップ状態)そしてこの後、前記可動側部材Mを移動させる大きさの振動が作用された場合、あるいは、前記球状ウエイト30を移動させる所定の振動に起因した固定側部材Sに収められた収納物などの移動に伴って可動側部材Mが押圧され移動などされた場合には、前記セットアップ状態にあるアーム20の引っ掛け部21をこのように移動される可動側部材Mの前記ラッチ受Uにおけるフック部70に確実に掛合させ、この掛合により可動側部材Mのそれ以上の移動を阻止することができる。(図8)
【0041】
また、この実施の形態にあっては、かかる可動側部材Mの移動を阻止する前記ラッチ受Uのフック部70と前記アーム20の引っ掛け部21との掛合状態を維持することができる構成としてある。
【0042】
すなわち、この実施の形態にあっては、前記ラッチ受Uの突出し部60に、当該突出し部60の基部側から先端側に向けて次第に下方に突き出される弾性阻止片62が設けてある。この弾性阻止片62はその突き出し端を前記一対のフック部70間の隙間61に向けて突き出させるように構成してある。そして、かかるラッチ受Uを側方から見た状態において、かかる弾性阻止片62の下方にもっとも突き出した頂端62aと、この頂端62aと前記フック部70における湾曲内側の面71との間の最小の間隔に対し、前記アーム20における一対の掛合突部21a間にある他端側20bの端部における前記頂端62aに可動側部材Mが前記移動をした際に接する上面25と、この上面25と反対の側にあって当該アーム20の引っ掛け部21を構成する掛合突部21aの前記フック部70の湾曲内側に前記可動側部材Mが前記移動をした際に接する面21bとの間の最大の間隔が、やや大きくなるように構成してある。なお、この実施の形態にあっては、前記フック受の突出し部60に、当該突出し部60の突き出し方向に沿った一対の割溝63、63を間隔を開けて設けると共に、この一対の割溝63、63における当該突出し部60の突き出し端側にある溝端間に亙るようにこの突き出し端側に当該突出し部60の幅方向に沿った連通溝64を設けてあり、このように設けられる各溝63、64によって前記弾性阻止片62を前記突出し部60に区分して設けている。
【0043】
この結果、この実施の形態にあっては、前記振動による前記可動側部材Mの前記移動に伴って、前記セットアップ状態にあるアーム20の他端側20bの端部上面25が前記弾性阻止片62の頂端62aに突き当たり、この突き当たりにより当該弾性阻止片62を上方に向けて弾性変形させながら前記掛合突部21aを前記アーム20部の内側に入り込ませることができる。そして、このようにアーム20部の内側に掛合突部21aを入り込ませた位置で前記弾性阻止片62を弾性復帰させて、かかる弾性阻止片62における前記頂端62aを前記アーム20の他端側20bの端部に対し、当該アーム20の掛合突部21aが前記フック部70から抜け出す向きに移動しないように引っ掛けさせることができる。これにより、一旦掛合された状態においては、前記ラッチ受Uのフック部70から前記アーム20の掛合突部21aが単純には抜け出さないものとされ、かかる掛合状態を維持することが可能とされる。(図8)
【0044】
この実施の形態にあってはまた、前記のようにラッチ受Uのフック部70と前記アーム20の掛合突部21aとを掛合させた可動側部材Mの移動阻止状態を、特に、かかる可動側部材Mを移動させる振動が止んだ後において、可動側部材Mを固定側部材Sに近付ける向きに押し込み移動させることにより、解除することができると共に、この解除に先立って前記回動終了位置Rbに移動されたアーム20を再び回動前位置Raに移動させることができるようにしてある。
【0045】
すなわち、この実施の形態にあっては、前記アーム20の軸24を収める前記ケース10の軸穴部15が、この軸穴部15から当該ケース10の奥側に向けて伸び、かつ、この奥側で開放された案内溝18に連通された構成としてある。
【0046】
この結果、この実施の形態にあっては、前記移動阻止状態にある可動側部材Mを固定側部材Sの側に向けて押し込み移動させることに伴って、前記移動阻止片によりフック部70からの掛合突部21aの抜け出しが阻止されている状態にある前記アーム20を前記案内溝18に沿って、前記ケース10の内奥側に向けて移動させることができる。
【0047】
このようにアーム20が移動されると、かかるアーム20の当接部22に当接されている前記球状ウエイト30は当該当接部22に押圧され、前記凹所17から前記ケース10の内奥側に向けて押し出されるに至り、当該球状ウエイト30を前記凹部16にその下端部を収める位置(図6の位置)に向けて移動させて、この位置で再び球状ウエイト30を保持させることができる。(図9)
【0048】
この後、さらに可動側部材Mを押し込み移動させると、前記アーム20における当接部22の上端22cがケース10の内奥側上部において、ケース10の下方に向けて突き出された膨出部19におけるケース10の開口11側の端面19aに突き当たるに至り、これより先のアーム20のケース10の内奥側への移動が阻止されることから、かかるアーム20の引っ掛け部21が設けられている他端側20bの上面25により前記ラッチ受Uの弾性阻止片62の頂端62a部を押圧させることが可能となる。そして、この実施の形態にあっては、かかる押圧によりかかる弾性阻止片62を上方に向けて弾性変形させることができるようにしてあり、この弾性阻止片62の弾性変形により前記フック部70から前記掛合突部21aを抜き出して、当該フック部70と掛合突部21aとの掛合を解除することができる。(図10)
【0049】
この掛合の解除により、また、この掛合の解除に先立つ前記球状ウエイト30の前記凹部16への移動、保持により、アーム20は自重によって再び前記回動前位置Raに向けて下方に回動され、(図6)これにより、可動側部材Mを自由に固定側部材Sから離れる向きに、また、近付ける向きに移動できる状態を再び作り出すことができる。
【0050】
なお、この実施の形態にあっては、前記凹部16が前記ケース10の幅方向略中程の位置に設けてあると共に、この凹部16の両側に凹部16の側に向けて次第に低まる傾斜面16aが形成してある。また、前記ケース10の奥側には、このケース10の奥側に向かうに連れて、このケース10における前記球状ウエイト30の収納空間14を狭める前記一対の傾斜側面13、13が設けてある。この結果、この実施の形態にあっては、前記アーム20の前記ケース10の内奥側への移動に伴って前記凹所17から押し出された前記球状ウエイト30を、前記傾斜面16aおよび一対の傾斜側面13、13に案内させて前記凹部16に再び収まるように容易に戻すことができる。
【0051】
また、この実施の形態にあっては、前記アーム20の軸24を収める軸穴部15に連通した案内溝18が、前記ケース10の奥側から開口11側に向けて、当該案内溝18の下側にある溝壁面18aを次第に下方に低めるように傾斜した構成としてある。この結果、この実施の形態にあっては、前記アーム20の引っ掛け部21と前記ラッチ受Uの前記掛合の解除により、自重により再び前記回動前位置Raに向けて下方に回動されるアーム20は、この回動に伴って前記軸24を前記案内溝18の下側にある溝壁面18aに案内させながら、当該軸24を再び前記軸穴部15に収め入れる位置まで移動される。
【0052】
また、この実施の形態にあっては、前記ケース10が、前記開口11に続く上面を開放させたケース本体10’と、このケース本体10’のかかる開放部Fを塞ぐ蓋板10”とにより構成してある。かかる蓋板10”を取り外した状態において、前記アーム20の軸24を収める軸穴部15および案内溝18はケース本体10’の前記開放部F側の端部において外方に連通した状態とされ、この状態においてかかる連通側から当該軸穴部15に前記アーム20の軸24を収め入れ、しかる後に当該ケース本体10’の開口11を前記蓋板10”で覆うように当該ケース本体10’に当該蓋板10”を組み付けることにより、前記軸穴部15に回動可能に軸支させた状態で前記ケース10に対する前記アーム20の組み付けをなすことができる。
【0053】
以上の構成を備えるラッチ具は、前記のように、前記固定側部材Sを構成する横板Saの下面に対し前記ラッチ本体Hを、当該ラッチ本体Hを構成する前記ケース10の上面が当該横板Saの下面に接し、かつ、前記アーム20が前記可動側部材Mの側に突き出すように取り付けると共に、かかる可動側部材Mを構成する縦板Maにおける固定側部材Sの側に向けられた面に前記ラッチ受Uを、このラッチ受Uを構成する鉛直部50が当該縦板Maの面に接し、かつ、突出し部60が固定側部材Sの側に向けて突き出されるようにして取り付けて用いられる。
【0054】
この実施の形態にあっては、ラッチ本体Hの上部に外周部に複数段の掛合突起41、41…を備えた二本の打ち込み突部40、40が設けてあり、前記固定側部材Sに設けられた取付穴Sbにこの打ち込み突部40を打ち込み、当該取付穴Sbの穴壁に前記掛合突起41を食い込ませて、かかる固定側部材Sへの当該ラッチ本体Hの取り付けをなす構成としてある。なお、この実施の形態とは別に、前記ラッチ本体Hの上部にネジの差し込み穴などを設けておき、この差し込み穴に差し入れたネジを前記固定側部材Sに止着させてかかる取り付けをなすこともできる。
【0055】
また、この実施の形態にあっては、ラッチ受Uを構成する鉛直部50に二つのネジNの差し込み穴51が設けてあり、この差し込み穴51に前記突出し部60の突き出し側から差し入れたネジNを可動側部材Mに止着させることにより、当該可動側部材Mへの当該ラッチ受Uの取り付けをなす構成としてある。
【0056】
なお、この実施の形態にあっては、前記ラッチ受Uの突出し部60の先端部に、前記ラッチ本体Hの側に向けて突き出す位置決め突部80が設けてあり、この位置決め突部80がラッチ本体Hの開口11の直上にある外面部に突き当たらないように、当該ラッチ本体Hを前記固定側部材Sに取り付けることにより、前記アーム20が前記ラッチ受Uの鉛直部50に突き当たらない位置での当該ラッチ本体Hの前記取り付けをなすことができるようにしてある。
【0057】
【発明の効果】
この発明にかかるラッチ具によれば、可動側部材が移動される振動が作用される前に、ラッチ受にアームの引っ掛け部が掛合可能な位置に予めアームを回動させて位置付けておくことができ、その後の可動側部材の移動を当該ラッチ受と引っ掛け部の掛合により確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラッチ具の分解斜視図
【図2】ラッチ具の取り付け状態を示す側面図
【図3】ラッチ具の取り付け状態を示す平面図
【図4】ラッチ本体Hの底面図
【図5】ラッチ本体Hの側面図
【図6】ラッチ具の使用状態を示す側面図(回動前位置Ra)
【図7】ラッチ具の使用状態を示す側面図(回動終了位置Rb・セットアップ状態)
【図8】ラッチ具の使用状態を示す側面図(可動側部材Mの移動阻止状態)
【図9】ラッチ具の使用状態を示す側面図(アーム20の押し込み状態)
【図10】ラッチ具の使用状態を示す側面図(ラッチ受Uとアーム20の引っ掛け部21との掛合解除状態)
【図11】ラッチ具の使用状態を示す平面図(回動前位置Ra)
【図12】ラッチ具の使用状態を示す平面図(可動側部材Mの移動阻止状態)
【図13】ケース本体10’の平面図
【図14】ケース本体10’の底面図
【図15】ケース本体10’の側面図
【図16】ケース本体10’の縦断面図
【図17】図15と異なる向きから見たケース本体10’の側面図
【図18】図13におけるA−A線断面図
【図19】アーム20の側面図
【図20】図19と異なる向きから見たアーム20の側面図
【図21】アーム20の底面図
【図22】蓋板10”の平面図
【図23】蓋板10”の底面図
【図24】蓋板10”の側面図
【図25】図24と異なる向きから見た蓋板10”の側面図
【図26】蓋板10”の縦断面図
【図27】ラッチ受Uの側面図
【図28】ラッチ受Uの底面図
【図29】図27と異なる向きから見たラッチ受Uの側面図
【符号の説明】
S 固定側部材
M 可動側部材
H ラッチ本体
U ラッチ受
20 アーム
21 引っ掛け部
30 球状ウエイト

Claims (1)

  1. 固定側部材に対する可動側部材の振動による移動を阻止するラッチ具であって、このラッチ具が、前記固定側部材に取り付けられるラッチ本体と、前記可動側部材に取り付けられるラッチ受とを有しており、前記ラッチ本体は、可動側部材に向けられた側に開口を備えたケースと、このケース内に納められる前記可動側部材を移動させる振動よりも小さい所定の振動により移動される球状ウエイトと、この球状ウエイトの移動により当該球状ウエイトに押圧される一端部を有し、かつ、この押圧により前記ケースの開口から可動側部材の側に向けて突き出された他端側を回動させるように当該ケースに組み付けられたアームとを備えており、このアームの先端には、前記球状ウエイトの押圧による回動に伴って前記ラッチ受に掛合可能とされる引っ掛け部が設けてあり、当該ラッチ受に掛合可能に回動された前記アームの引っ掛け部に対し、前記可動側部材が前記振動により移動された際に前記ラッチ受が掛合される構成としてあると共に、ラッチ本体の前記ケースには、前記所定の振動により移動された球状ウエイトを当該移動後の位置で保持する保持手段が設けてあり、この保持手段に保持される球状ウエイトにより、アームの一端部の前記押圧がなされる構成としてあり、前記ラッチ受が、可動側部材における固定側部材の側に向けられた面に取り付けられる鉛直部と、この鉛直部からラッチ本体の側に向けて突き出す突き出し部とを有しており、この突き出し部前記アームの引っ掛け部が掛合される構成としてあると共に、このラッチ受の突き出し部、ラッチ本体の側に向けて突き出す位置決め突部が設けてあり、この位置決め突部がラッチ本体の開口の直上にある外面部に突き当たらないように当該ラッチ本体を固定側部材に取り付けることにより、可動側部材の閉じ込み位置においてアームがラッチ受の鉛直部に突き当たらない位置でのラッチ本体の取り付けをなすことができるようにしてあることを特徴とするラッチ具。
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