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JP3845730B2 - 土中生物駆除用ロータリ作業機 - Google Patents
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JP3845730B2 - 土中生物駆除用ロータリ作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、耕耘・代掻き作業中に土中生物を駆除する土中生物駆除用ロータリ作業機に関するものである。
作物の育成に悪影響を及ぼす土中生物の中で、スクミリンゴガイ(通称ジャンボタニシ)は、水田、通水路等に生息して、田植え直後、或いは直播による出芽直後の水稲幼苗を食害し甚大な被害を及ぼすことで、特に西南暖地を中心に大きな問題になっている。この被害を防止するため、水田の浅水管理などが効果的な営農技術として導入されているが、雨天増水時等には対応が困難になり天候によって駆除効果が左右される問題がある。このため、物理的(機械的)又は化学的(農薬)駆除方法による根本的な密度低下が検討されているが、環境面を考えると機械的な殺貝による駆除方法が最も有効な手段として注目されている。
そこで本出願人は、ロータリ耕耘作業と同時に効果的な機械的駆除を行うことができるロータリ作業機を下記特許文献1にて既に提案している。この従来技術では、ロータリ作業機の耕耘軸に耕耘爪とは別の駆除用の爪を設けるものであり、耕耘軸の回転面と平行に、耕耘爪と耕耘爪の隙間に位置して回転方向に対して螺旋配列に、或いは均等配列に、直刃状の駆除用爪を取り付けるものである。
特開2002−34303号公報
この従来技術によると、耕耘軸の駆動トルクを増大させることなくスクミリンゴガイへ機械的な打撃を与える機会を増やすことを目的として、駆除用爪を耕耘爪の間に設けたものであるが、駆除用爪の配備によって単に爪の密度を増大させただけでは、通常の耕耘爪による駆除効果に対して、ある程度の効果は付加されるものの、殺貝率の向上に限界があることがその後の研究で明らかになった。
この点を更に詳しく説明すると、従来の技術では、耕耘爪によって耕耘された土塊中に存在する土中生物に対しては、その土塊に駆除用の爪が当たったとしても、土塊自体が固定されていないためにその中の土中生物に致命的な打撃を与えることができず、効率的に駆除効果を向上させることができないという問題があった。
本発明は、このような問題に対処することを課題とするものであって、土中に生息する生物に対する駆除をロータリ作業中に行うことができる土中生物駆除用ロータリ作業機において、効率的な駆除効果の向上を可能にすることを目的とするものである。
このような目的を達成する本発明は水平方向に延びる耕耘軸の軸周に、該軸周から放射状に延び先端側で湾曲する耕耘爪を複数装着し、前記耕耘軸の回転によって耕耘・代掻き作業を行うロータリ作業機に対して、前記耕耘爪の個々に対応して、当該耕耘爪装着位置から当該耕耘爪の湾曲側で当該耕耘爪先端の湾曲幅のほぼ半分の位置であって、前記装着位置より前記耕耘軸の回転方向前方位置又は前記装着位置に並設した位置に、前記耕耘軸に垂直な切断面を有し、前記耕耘軸と垂直に直線状に延びる直刃爪からなる駆除用爪を配備し、前記耕耘爪によって形成される土塊の中央に前記駆除爪がその長手方向に沿った切り込みを入れるように、前記耕耘爪に対して前記駆除用爪が配置されることを特徴とする。
本願の発明者は、前述した従来技術を改良すべく鋭意研究を進めた結果、土中生物が存在する土塊が耕耘爪によって耕耘される前に、圃場の土中で固定されている土中生物に対して機械的な打撃を与えることで、効率的に駆除効果を向上させることができることを見出し、本発明の完成に至った。
つまり、前述した特徴を有する土中生物駆除用ロータリ作業機は、先端側で湾曲した耕耘爪によって圃場から切り出される土塊に対して、一つの耕耘爪が前述した土塊を切り出す前に(つまり一つの耕耘爪による耕耘がなされる前に)、その圃場の土中に駆除用爪による切り込みを入れることで、耕耘爪と駆除用爪は共に圃場の土中に固定された生物に作用することになり、その土中に存在する生物に致命的な打撃を与えることができる。これによって、ロータリ作業機の耕耘爪自体によって得られる駆除効果に加えて、耕耘爪によって耕耘される土塊中に存在する生物に対しても確実な駆除が可能になるので、ロータリ作業による土中生物の駆除効果を効率的に向上させることができる。
また、通常行われるロータリ作業で、耕耘・代掻き作業に加えて土中生物の駆除作業を行うことができるので、ロータリ作業と駆除作業を併せたトータルの作業効率を向上させることができる。更には、既存のロータリ作業機への部品(駆除用爪)付加によって構成することができるので、低コストで高い普及性が得られる。
更に具体的には、前述の駆除用爪は、耕耘爪で耕耘される土塊をその耕耘に先立って、耕耘爪の縦方向に沿ってほぼ左右均等に切断するので、土塊中に存在する生物に有効な打撃を与えることが可能になる。つまり、土塊中に存在する生物の大きさを考えると、有害な生物は土塊の横幅(耕耘爪の湾曲幅)の半分以上の大きさを有していると考えられる。したがって、この土塊を縦に半分に切断することで、土塊中に存在する生物に打撃を加える確率を向上させることができ、駆除効果を著しく向上させることができる。
前述した駆除用爪としては、耕耘軸に垂直な切断面を有して、圃場の土に有効な切り込みを入れることができるものであれば、特に形態は問わないが、例と挙げると、耕耘軸と垂直に直線状に延びる直刃爪、或いは所定の排絡角を有しワラや雑草の噛み込みを防いだ屈曲爪等を採用することができる。
前述した駆除用爪は個々の耕耘爪に対して全てに対応して装着する必要はなく、その一部に対して装着することで充分な効果が得られる。好ましくは、耕耘爪の本数の50〜80%に対して装着することで有効な駆除効果を得ることができる。
以下に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、実施形態に係る土中生物駆除用ロータリ作業機の構造を説明する説明図である。このロータリ作業機は、水平方向に延びる耕耘軸1の軸周に装着ホルダ1aを介して所定の回転半径Rを有する耕耘爪2が装着されている(図では、その内の一本のみを記載し、他のものを省略している。)。この構造自体は通常のロータリ作業機と同様であって、各種の配列形態に従って複数の耕耘爪2が装着されている。耕耘爪2は、一般的ななた爪等を採用することができる。その形態は少なくとも耕耘軸1の軸周から放射状に延びる先端側で耕耘軸1に沿った方向に湾曲した形態であればよい。耕耘軸1を矢印方向に回転駆動することで、耕耘爪2が圃場の土中に作用して所定形状の土塊を切り出す耕耘がなされる。
そして、本発明の実施形態に係るロータリ作業機では、耕耘爪2の個々に対応して駆除用爪3が配備されている。この駆除用爪3は耕耘爪2と同様に耕耘軸1に装備される装着ホルダ1bに装着しても良いし、前述した耕耘爪2の装着ホルダ1aに適当な装着部材を介して装着しても良い。また、この駆除用爪3は全ての耕耘爪2に対して配備してもよいが、耕耘爪全体の本数の50〜80%に対して配備することで有効な駆除効果が得られる。
駆除用爪3の形態としては、少なくとも耕耘軸1に垂直な切断面を有するものであればよく、回転方向前側の縁に刃部3aを形成することで有効な駆除効果が得られる。駆除用爪3の形態例としては、図示のように耕耘軸1と垂直に直線状に延びる直刃爪、或いは所定の排絡角を有する屈曲爪等を採用することができる。何れの形態であっても、耕耘爪2の回転半径R以内に装着されるような長さにすることで、既存のロータリ作業機を設計変更無く適用することができる。
本発明の実施形態に係る土中生物駆除用ロータリ作業機の特徴は、前述した耕耘爪2と駆除用爪3の配置関係にある。駆除用爪3は対応する耕耘爪2が圃場の土中に作用する前に土中に切り込まれるように、対応する耕耘爪2に対して所定の角度θだけ回転方向前方位置に配備される(同図(a)参照)。この角度θは、0°以上であり耕耘爪2の配列状態によって決まる設定角度以下であればよい。図示の例のように耕耘爪2としてなた爪を用い、駆除用爪3として直刃爪を用いる場合等では耕耘爪2の装着位置に並設した位置に駆除用爪3を配備してもよい。
耕耘爪2と駆除用爪3との間隔は、同図(b)に示すように、耕耘爪2の湾曲幅W以内の幅W1であれば良く、更に有効な駆除効果を求めるには、幅W1は湾曲幅Wのほぼ半分にすることが好ましい。
このような構造を有する土中生物駆除用ロータリ作業機の作用を図2及び図3を参照にして説明する。これによると、ロータリ作業時には、耕耘爪2の配列ピッチPに応じた縦長さと耕耘爪2の湾曲幅Wに応じた横幅W’を有する土塊Mが形成されることになるが、この土塊Mに対して、土塊Mが耕耘爪2によって切り出される前に、駆除用爪3による切り込みM1が入れられることになる。つまり、この実施形態に係る土中生物駆除用ロータリ作業機によると、耕耘爪2と駆除用爪3によって、固定された状態の圃場の土に対して、幅W’/2×縦長さPの区画で切り込みを入れることができる。図3は、所定ピッチで複数配列された耕耘爪2に対して駆除用爪3を配備した場合の土塊形成状態を示すものであるが、全ての土塊Mに対してその縦方向に沿った切り込みM1を入れることができる。
これによると、通常の耕耘爪2(なた爪)を1500mm幅で爪数32本のピッチで配列し、作業速度1.5km/h,ロータリ回転数250rpmでロータリ作業を行った場合、土塊の大きさはおよそ幅50mm×縦長さ100mmになるが、本発明による最適な実施形態では、この土塊の幅をおよそ25mm(50mm×1/2)にすることができる。これによって、理論上は25mmを超える殻高(貝の大きさ)のスクミリンゴガイに対しては確実に耕耘爪2又は駆除用爪3による打撃を圃場の土中で与えることができることになる。
図4は、耕耘爪2のみによる場合(I)、耕耘ピッチを1/2にした(耕耘爪2の増大等による)場合(II)、耕耘爪2と前述の駆除用爪3による場合(本発明の実施形態:
III)に分けて、スクミリンゴガイが耕耘爪2又は駆除用爪3に接触する確率を求めたグラフである。これは、スクミリンゴガイが土中の浅い部分に潜土していることがわかっているので、およそ圃場表面に分布しているとしてスクミリンゴガイと耕耘爪2又は駆除用爪3とが接触する確率を殻高毎に計算したものである。これによっても明らかなように、耕耘ピッチを1/2にしても効果は小さいが、本発明の実施形態の場合には、格段に接触確率を向上させることができる。
すなわち、本発明の実施形態によると、圃場の土中に固定されている状態の生物に対して、非常に高い確率で機械的な打撃を与えることができるようになる。これによって、従来技術のように、耕耘爪間に単に駆除用の爪を配置した場合と比較しても、駆除効果を格段に向上させることができる。
すなわち、本発明の実施形態によると、土中に生息する生物に対する駆除をロータリ作業中に行うことができる土中生物駆除用ロータリ作業機において、効率的な駆除効果の向上が可能になる。
本発明の実施形態に係る土中生物駆除用ロータリ作業機の構造を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る土中生物駆除用ロータリ作業機の作用を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る土中生物駆除用ロータリ作業機の作用(形成される土塊の状態)を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る土中生物駆除用ロータリ作業機の効果を示すグラフである。
符号の説明
1 耕耘軸 1a,1a 装着ホルダ
2 耕耘爪
3 駆除用爪
M 土塊 M1 切り込み

Claims (1)

  1. 水平方向に延びる耕耘軸の軸周に、該軸周から放射状に延び先端側で湾曲する耕耘爪を複数装着し、前記耕耘軸の回転によって耕耘・代掻き作業を行うロータリ作業機に対して、
    前記耕耘爪の個々に対応して、当該耕耘爪装着位置から当該耕耘爪の湾曲側で当該耕耘爪先端の湾曲幅のほぼ半分の位置であって、前記装着位置より前記耕耘軸の回転方向前方位置又は前記装着位置に並設した位置に、前記耕耘軸に垂直な切断面を有し、前記耕耘軸と垂直に直線状に延びる直刃爪からなる駆除用爪を配備し、
    前記耕耘爪によって形成される土塊の中央に前記駆除爪がその長手方向に沿った切り込みを入れるように、前記耕耘爪に対して前記駆除用爪が配置されることを特徴とする土中生物駆除用ロータリ作業機。
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