JP3847395B2 - 顔料の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、粗顔料を顔料型に変換する方法に関する。
粗顔料の粒子サイズを、所望の顔料サイズに減少するための各種の方法が公知である。たとえば、加塩摩砕、ボールミル摩砕、混練りなどである。
英国特許第1438921号明細書は、液体を添加するための少なくとも2つの分離された手段を有する連続混練り装置を使用する混練り方法を記載している。この方法のための適当な液体は、たとえば、フェノール、アニリン、そして特にグリコールのごとき多価脂肪族アルコールである。使用温度は、120乃至350℃、好ましくは160乃至280℃である。
【0002】
誠に驚くべきことに、今回、連続式混練り装置中において液体として特定のカルボン酸を使用した場合には、混練りを、より低い温度において実施することが可能であり、装置が液体のための少なくとも2つの入口を有する必要がないことが見いだされた。さらに加えて、酸を容易に回収して再使用することが可能である。酸は、化学的手段あるいは他の方法、たとえば水蒸気蒸留によって回収できる。得られる生成物は、場合により、より優れた色濃度と光沢とを有する。
【0003】
すなわち、本発明は、液状カルボン酸、および場合によっては塩の存在下において粗顔料を混練りすることを特徴とする、粗顔料を顔料型に変換する方法を提供する。
本明細書において”粗顔料”とは、合成によって得られる高度に凝集された状態の、顔料としての使用に適さない粒子サイズを有している顔料、あるいは、摩砕されたがまだ凝集しており、そして合成により得られたものよりも粒子サイズ分布範囲が広く、いまだ顔料として使用するのには不適当である顔料を意味する。
【0004】
混練り機は、バッチ式ニーダーまたは連続式ニーダーであり得る。連続式ニーダーは二軸または四軸ニーダー、あるいは振動運動を行う単軸ニーダーでありうる。二軸押出機の使用が好ましい。
【0005】
ニーダーが連続式ニーダーである場合には、それは10:1乃至50:1,好ましくは20:1乃至40:1の長さ:直径比を有することができる。また、そのニーダーは1乃至20の混練りゾーン、好ましくは5乃至10の混練りゾーンを有することができる。
【0006】
カルボン酸は、操作温度において液状でなければならない。4乃至20個の炭素原子、より好ましくは6乃至20個の炭素原子を有する液体脂肪族カルボン酸が好ましい。適当なカルボン酸を特に例示すれば、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ヘキサン酸、吉草酸またはヘプタン酸である。
操作温度は、20℃から酸の沸騰点までの範囲の温度であり得る。好ましくは、80乃至120℃である。
温度は、ニーダーに設けた水ジャケットによって制御することができる。その水ジャケットを循環する水は、それを冷却機に通すことによって低温に冷却することができる。
【0007】
カルボン酸は、ニーダーの長軸に沿った1つまたはそれ以上の地点において、ニーダーに添加することができる。しかし、第1の混練りゾーンの前であって、スクリューのはじめの部分に存在する1つの入口を通じて添加するのが好ましい。
ニーダーは、顔料と塩とに対して10秒乃至15分間、好ましくは20秒乃至6分間、300乃至20000sec-1 、好ましくは500乃至5000sec-1 の剪断勾配を作用させるものでありうる。連続作動混練り装置の場合、液体の量は混練りによって吸収されるエネルギーが、加工される顔料1Kg当り0.2乃至15kW時(hr),好ましくは0.4乃至8kW時/Kgとなるよう選択される。
【0008】
適当な無機および有機塩の例は塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、塩化亜鉛、炭酸カルシウム、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、酢酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、塩化カルシウムまたはこれらの混合物である。実際に使用される塩は、使用される酸と反応して沈殿を形成することがないように選択されるべきである。
塩は、Malvern の"Mastersizer X" 粒子サイズ分析器(乾燥粉末供給原料2mmまで測定可能)で測定して、1乃至100μm、好ましくは10乃至50μmの粒子サイズを有することができる。
塩が使用される場合、その使用量は、顔料1部当り0.1乃至20重量部でありうる。
【0009】
本発明の方法は、仕上げ工程の一部として、摩砕にかけられる各種の顔料に対して適用することができる。かかる顔料の例は、フタロシアニンたとえば銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニンまたはニッケルフタロシアニン、部分ハロゲン化フタロシアニン、キナクリドン、ジオキサジン、ジケトピロロピロール、ペリレンなどである。
使用後、混練り物に水とアルカリとを加えて酸を可溶性塩に変換することによってカルボン酸を回収できる。このあと、顔料を濾過単離し、そして濾液を酸性にして遊離酸を遊離させれば、その遊離酸を回収して再使用することができる。
顔料は、混練りの間または後に、顔料添加物を用いて処理することができる。適当な顔料添加物の例は、天然樹脂または合成樹脂、染料および、特にフタロシアニン顔料の場合にはフタロシアニンスルホン酸のアミン塩である。
以下、実施例によって本発明を説明する。
【0010】
実施例1
英国のAPV Newcastle-U-LymeのMP2030型の二軸押出機に、粗銅フタロシアニン(CuPc)2.09Kghr-1とNaCl 8.78Kghr-1とを供給する。スクリューのはじめの部分の単一オリフィスへ、2−エチルヘキサン酸(2EHAと略記する)1.63Kghr-1を供給する。2EHAの塩/銅フタロシアニンに対する比率は15%である。測定された発生トルクは、49%(3.68KW)である。発生した固有エネルギーは1.76Kg-1CuPcである。剪断勾配は1675s-1である。
スクリューを、その全長にわたって、水で15℃に冷却する。混練り物は、100乃至110℃の温度でスクュリューから出る。混練りゾーンの温度は20乃至110℃である。この混練り物200gを水440gに加える。この混練り物と水との混合物に、NaOH(40%)12.33gとNH4 OH(33%)2.43gとを加え、この混合物を70℃において1時間撹拌する。この混合物を濾過し、そしてその母液と最初の100mlの洗浄水とを集め、そのあとプレスケーキを温水で塩類がなくなるまで洗う。プレスケーキを、空気循環炉中において、70乃至80℃で乾燥する。
集めた母液と最初の100mlの洗浄水とに濃HCl (35.6%)19.69gを加えて2EHAを再沈殿させ、これを重力分離漏斗を使用して水層から分離する。回収された2EHAは、押出機でさらに粗CuPcの粒子サイズ削減を実施するために再使用することができる。
得られた顔料はβ−型であり、油性インキビヒクルに配合した時に優秀な濃度、光沢、流動性および分散性を示した。
【0011】
実施例2
実施例1記載の方法に従ってCuPcを製造する。混練り物200gを水440gに加える。この混練り物と水との混合物に、NaOH(47%)12.33gとNH4 OH(33%)2.43gとを加え、この混合物を70℃において30分間間撹拌する。この時点で、前もって4000rpm.でSilverson 分散装置を使用して15分間水100gに分散させてあった銅フタロシアニンモノスルホン酸のドデシルアミン塩2.75gを、混練り物の分散物に添加し、そして70℃において、さらに1時間混合を続ける。そのスラリーを濾過し、母液と最初の100mlの洗浄水とを回収して濾過し、このあとでプレスケーキを塩類がなくなるまで洗う。
プレスケーキを、水500gとHCl (36%)10gとの混合物中に70℃で1時間再懸濁し、そのあと濾過し、そして塩類がなくなるまで洗う。ついで、プレスケーキを、空気循環炉中において70℃で一晩乾燥する。顔料の混練りのために使用した2−エチルヘキサン酸を、実施例1に記載した操作に従って回収する。得られた顔料は液体インキワニス中において優秀な濃度、光沢および分散性を示した。
【0012】
実施例3
実施例1に記載した方法に従って顔料を製造した。ただし、重合ロジン(商品名SYLVATAC 95)0.03Kghr-1,CuPc2.01Kghr-1,NaCl 8.46Kghr-1および2−エチルヘキサン酸2.00Kghr-1を押出機に供給した。顔料と溶剤とは実施例1に記載した操作により回収した。得られた青顔料は油性インキ中において卓越した濃度、光沢および分散性を示した。
【0013】
実施例4
実施例1に記載した方法に従って顔料を製造した。ただし、洗滌工程の後、プレスケーキを、パドル撹拌器を使用して、水500g中に再懸濁した。この懸濁物に重合ロジン(商品名SYLVATAC 95)のカリウム塩を添加し(顔料の2重量%)、次いでHCl を添加して顔料表面に樹脂を沈着させた。濾過し、洗滌した後,顔料を空気循環炉中において70℃で一晩乾燥した。得られた青顔料は油性インキ中において卓越した濃度、光沢および分散性を示した。
【0014】
実施例5
混練り溶剤としてオレイン酸を使用した点を除き、実施例1と同様に操作を実施してCuPc顔料を製造した。オレイン酸を、実施例1の2−エチルヘキサン酸の場合と同じ方法で回収した。得られた顔料はβ−型顔料であり、油性インキビヒクルに配合した場合に優れた濃度、光沢、流動性および分散性を示した。
【0015】
実施例6
実施例1に記載したように操作を実施して、NaCl と2−エチルヘキサン酸とを使用して粗ジオキサジンバイオレット顔料を顔料型に変換した。最終的に得られた顔料は、油性インキビヒクルに配合した時に優れた濃度と純度とを示した。
【0016】
実施例7
NaCl と2−エチルヘキサン酸とを使用して、実施例1と同様に操作を実施して、粗塩素化銅フタロシアニン顔料を顔料型に変換した。最終的に得られた顔料は、油性インキビヒクルに配合した時に優れた濃度、光沢および純度を示した。
【0017】
実施例8
混練り塩としてKCl を使用した点を除き、実施例1と同様に操作を実施してCuPc顔料を製造した。得られた顔料はβ−型顔料であり、油性インキビヒクルに配合した場合に優れた濃度、光沢、流動性および分散性を示した。
【0018】
実施例9
粗CuPc8KgとNaCl 1Kgとをボールミル中において5時間摩砕した。この混合物を、NaCl に対するCuPcの比が1:4.2になるよう調整した。このあと、この混合物を、実施例1記載の二軸押出機に供給した。回収操作を実施例1に記載したように実施した。最終的に得られた顔料は、油性インキビヒクルに配合した時、優れた濃度、光沢および流動性を示した。
【0019】
実施例10
バッチ式混練り装置(水冷手段と0.37KWモーターとを具備したWinkworth 2Z”Z”ブレードミキサー)に、2−エチルヘキサン酸224gと一緒に粗銅フタロシアニン250gを装填してよく混合する。NaCl の1215gを逐次添加した後、この混合物を100℃(+10℃)において6時間混練りする。発生固有エネルギーは2.2Kw・hr・Kg-1。
混練り物を水3716gの中に集める。この混練り物と水との混合物に、NaOH(47%)119gとNH4 OH(33%)10gとを加え、この混合物を70℃において1時間撹拌する。この混合物を濾過し、そしてその母液と最初の800mlの洗浄水とを集め、このあとプレスケーキを温水で塩類がなくなるまで洗う。このプレスケーキを、空気循環炉中において70乃至80℃で乾燥する。集めた母液と最初の100mlの洗浄水とに濃HCl (35.6%)165gを加えて2EHAを再沈殿させ、これを重力分離漏斗を使用して水層から分離する。得られた顔料はβ−型であり、油性インキビヒクルに配合した時に優秀な濃度、光沢、流動性および分散性を示した。
【0020】
実施例11
粗CuPc8Kgを、ボールミル中において5時間摩砕した。この摩砕物を2.0Kghr-1の量で二軸押出機に供給した。同時に、2−エチルヘキサン酸3.0Kghr-1をスクリューのはじめの部分の単一オリフィスへ供給した。発生トルクは63%(4.73KW)と観察された。
得られた顔料型物質をカルボン酸から単離した。得られた顔料は油性インキビヒクルに配合した時に優秀な濃度、光沢、流動性、分散性を示した。
Claims (5)
- 粗顔料を、液状カルボン酸および塩の存在下において混練することを特徴とする粗顔料を顔料型に変換する方法。
- カルボン酸が4乃至20個の炭素原子を有するカルボン酸である請求項1記載の方法。
- 20℃から該酸の沸騰点までの温度において実施される前記請求項のいずれかに記載の方法。
- 塩が存在し、そして該塩の量が顔料1部当り0.1乃至20重量部である前記請求項のいずれかに記載の方法。
- 顔料がフタロシアニン、部分ハロゲン化フタロシアニン、キナクリドン、ジオキサジン、ジケトピロロピロールまたはペリレンである前記請求項のいずれかに記載の方法。
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