JP3848286B2 - チップ抵抗器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、チップ抵抗器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のチップ抵抗器としては、たとえば図10および図11に示すようなものがある(特許文献1,2参照。)。図10に示すチップ抵抗器Aは、金属製のチップ状の抵抗体100の下面100aに、たとえば銅製の一対の電極110がx方向(図10の左右方向)に間隔を隔てて並ぶように設けられた構造を有している。各電極110の下面には、ハンダ層130が形成されている。
【0003】
図11に示すチップ抵抗器Bは、抵抗体1の上面100bに、x方向に間隔を隔てた一対のボンディングパッド120を備えている。各ボンディングパッド120は、たとえばニッケル製であり、アルミニウムワイヤ(図示略)などを介して所定の導体パターンに接続される。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−57009号公報(図1)
【特許文献2】
特開2002−57010号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のチップ抵抗器Aは、ハンダを利用して所望の箇所に面実装される。このとき、上記ハンダが各電極110の下面全域に接触するのではなく、たとえば各電極110の下面の内側側面111寄り部分のみに偏って接触する場合がある。これとは反対に、上記ハンダが各電極110の下面の外側側面112寄り部分のみに偏って接触する場合もある。前者の場合と後者の場合とでは抵抗値が相違するため、チップ抵抗器Aを利用して構成される電気回路の仕様に狂いを生じる場合があった。このような不具合は、チップ抵抗器の低抵抗化が図られるほど、チップ抵抗器の抵抗値に対する上記した抵抗値の差の割合が大きくなるため深刻となる。
【0006】
一方、チップ抵抗器Bにおいては、各電極110の直上領域に抵抗体100よりも比抵抗が小さいボンディングパッド120が配置されている。したがって、各電極110、ボンディングパッド120、およびこれらに挟まれた抵抗体100の一部分からなる領域は、ボンディングパッド120が設けられていないチップ抵抗器Aと比較すると、その電気抵抗が小さくなる。このため、ハンダが各電極110の内側側面111寄りに接触した場合と外側側面112寄りに接触した場合との抵抗値の差は小さくなる。
【0007】
しかしながら、上記従来のチップ抵抗器Bにおいては、各電極110が導電性に優れたたとえば銅製とされているのに対し、ボンディングパッド120はワイヤボンディングに適したたとえばニッケル製とされており、各電極110および各ボンディングパッド120の材質は異なっている。したがって、各電極110用の材料と各ボンディングパッド120用の材料とをそれぞれ準備し、かつこれらを別々の工程で形成しなければならず、生産コストが高価となっていた。
【0008】
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、使用時における抵抗値の誤差を小さくすることができるとともに、生産コストの低減化を図ることが可能なチップ抵抗器を提供することをその課題としている。
【0009】
【発明の開示】
上記の課題を解決するために、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
本願発明によって提供されるチップ抵抗器は、チップ状の抵抗体と、この抵抗体の片面に一定方向において間隔を隔てて設けられた複数の電極と、を備えているチップ抵抗器であって、上記抵抗体の上記片面とは反対の面のうち、上記抵抗体を挟んで上記複数の電極と対向する領域には、上記複数の電極と同一材質の複数の補助電極が設けられており、上記複数の電極間の領域は第1の絶縁層で覆われ、上記複数の補助電極間の領域は第2の絶縁層で覆われているとともに、上記第1の絶縁層の端部には上記各電極がオーバラップし、かつ、上記第2の絶縁層の端部には上記各補助電極がオーバラップしており、上記抵抗体の上記一定方向についての一対の端面にはハンダ層が設けられているとともに、上記各電極および上記各補助電極上には、上記ハンダ層と一体または別体のハンダ層が、上記第1の絶縁層および上記第2の絶縁層の端部にオーバラップするようにして設けられていることを特徴としている。
【0011】
このような構成によれば、上記各電極、上記各補助電極、およびこれらに挟まれた上記抵抗体の一部分からなる領域は、たとえば上記各電極と上記抵抗体の一部分のみからなる場合と比較すると、その電気抵抗は小さくなる。このため、ハンダを用いてチップ抵抗器を所望箇所に実装した場合に、上記ハンダが上記各電極のどの部分に接触するかによって抵抗値が大きく相違することを防止することができる。また、上記各電極および上記各補助電極は同一材質であるため、材料の共通化を図ることができるとともに、たとえばメッキによりこれらを容易に同時形成することができる。これにより、生産コストの低減化を図ることが可能となる。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
また、このような構成によれば、上記抵抗体のうち、上記複数の電極間の領域および上記複数の補助電極間の領域が上記第1および第2の絶縁層によって絶縁保護されるため、たとえば上記抵抗体の上記各領域が他の電気部品類などに直接接触してこれらの間に不当な電流が流れるといったことを生じないようにすることができる。また、ハンダを用いてチップ抵抗器を所望箇所に実装する場合には、上記ハンダが上記抵抗体の上記各領域に不当に付着するのを防止することもできる。さらに、上記各電極および上記各補助電極を上記第1および第2の絶縁層の側縁部に接触させることにより、上記第1および第2の絶縁層が上記抵抗体から容易に剥離することを防止することもできる。
【0016】
【0017】
【0018】
さらに、上記のような構成によれば、チップ抵抗器の実装時には、上記ハンダ層を利用して上記抵抗体の上記各端面に接合するハンダフィレットを形成することができるため、このハンダフィレットの有無に基づいてチップ抵抗器の実装の適否を容易に判断することが可能となる。また、チップ抵抗器のハンダ接合強度を高めることなどにも好適となる。
【0019】
加えて、上記のような構成によれば、ハンダフィレットのボリュームを大きくするのに好適となる。また、第1の絶縁層および第2の絶縁層の端部が抵抗体から剥離することを防止することができる。
【0020】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記抵抗体の上記一定方向に延びる一対の側面には、これら側面を覆う第3の絶縁層が設けられている。このような構成によれば、上記抵抗体の一対の側面にもハンダが不当に付着することがなくなり、抵抗値に誤差が生じることをより確実に防止することができる。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
本願発明のその他の特徴および利点については、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0032】
図1および図2は、本願発明に係るチップ抵抗器の一実施形態を示している。本実施形態のチップ抵抗器R1は、抵抗体1と、一対の電極21と、一対の補助電極22と、第1および第2の絶縁層31,32と、一対のハンダ層4とを具備している。
【0033】
抵抗体1は、各部の厚みが一定の矩形チップ状であり、金属製である。その具体的な材質としては、Ni−Cu系合金やCu−Mn系合金が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、チップ抵抗器R1の目標抵抗値に見合った抵抗率をもつものを適宜選択すればよい。
【0034】
一対の電極21および一対の補助電極22は、同一材質であり、たとえば銅製である。各電極21は、抵抗体1の下面1aに設けられている。一方、各補助電極22は、抵抗体1の上面1bに設けられている。より具体的には、これら一対の電極21および補助電極22は、X方向(図1および図2の左右方向)に間隔を隔てている。各電極21および各補助電極22の外側側面21a,22aは、抵抗体1のX方向に間隔を隔てた両端面1cと略面一状である。各電極21の幅w1は、各補助電極22の幅w2よりも大きく、一対の電極21の間隔s1は、一対の補助電極22の間隔s2よりも小さくなっている。
【0035】
第1および第2の絶縁層31,32は、いずれもエポキシ樹脂系などの樹脂膜である。第1の絶縁層31は、抵抗体1の下面1aのうち、一対の電極21間の領域に設けられている。一方、第2の絶縁層32は、抵抗体1の上面1bのうち、一対の補助電極22間の領域に設けられている。第1および第2の絶縁層31,32のX方向に間隔を隔てた両側縁部31a,32aには、各電極21および各補助電極22の内側側面21b,22bが接している。このことにより、一対の電極21および一対の補助電極22の間隔s1,s2は、第1および第2の絶縁層31,32によって規定されており、これらの幅と同一の寸法となっている。第1および第2の絶縁層31,32の厚みt3,t4は、各電極21および各補助電極22の厚みt1,t2よりもたとえば小さくなっている。
【0036】
一対のハンダ層4は、たとえば側面視略コ字状であり、抵抗体1の両端面1cを覆う部分と、各電極21の表面を覆う部分と、各補助電極22の表面を覆う部分とが繋がった構造を有している。各ハンダ層4の材質は、とくに限定されず、電子部品の実装に用いられる種々の材質のハンダを用いることができる。各ハンダ層4は、後述するように、メッキにより形成されるために、符号n1,n2で示すように、それらの一部分は第1および第2の絶縁層31,32上にオーバラップしている。
【0037】
なお、図1、図2および後述する図4,図5において、各電極21および各補助電極22の端部は概略的に示されているが、これら各電極21および各補助電極22も後述するようにメッキにより形成されているため、実際には、各ハンダ層4と同様に第1および第2の絶縁層31,32上にオーバラップしている。ただし、オーバラップしている部分は、抵抗体1の下面1aおよび上面1bに直接接触していないため、抵抗体1の電極間抵抗値に誤差を生じさせる要因とはならない。
【0038】
上記した各部の厚みの一例を挙げると、抵抗体1が0.1mm〜1mm程度、各電極21および各補助電極22がそれぞれ30〜200μm程度、第1および第2の絶縁層31,32がそれぞれ20μm程度、各ハンダ層4が5μm程度である。抵抗体1の縦および横の寸法はぞれぞれ2mm〜7mm程度である。ただし、抵抗体1のサイズは目標抵抗値の大きさに応じて種々に変更され、上記以外の数値にすることもできる。また、チップ抵抗器R1は、0.5mΩ〜100mΩ程度の低抵抗のものとして構成されている。
【0039】
次に、上記したチップ抵抗器R1の製造方法の一例について、図3〜図5を参照して説明する。
【0040】
まず、図3(a)に示すように、抵抗体1の材料となる金属製のプレートPを準備する。このプレートPは、抵抗体1を複数個取り可能な縦横サイズを有するものであり、全体にわたって厚みの均一化が図られたものである。図3(b)に示すように、プレートPの上向きの片面P1に、複数の絶縁層31’をストライプ状に並べるように形成する。これら複数の絶縁層31’の形成は、たとえばエポキシ樹脂を厚膜印刷することにより行なう。
【0041】
次いで、図3(c)に示すように、プレートPを上下反転させてから、プレートPの上向きとなった片面P2に、複数の絶縁層32’をストライプ状に並ベるように形成する。各絶縁層32’の形成は、たとえば各絶縁層31’の形成に用いたのと同一の樹脂を用いて、各絶縁層31’の形成と同様な手法により行なう。このようにすれば、複数種類の材料を用いる場合と比較すると、チップ抵抗器R1の製造コストを削減するのに好適となる。また、上記厚膜印刷の手法によれば、各絶縁層31’,32’の幅や厚みを所定の寸法に正確に仕上げることができる。
【0042】
次いで、図4(d)に示すように、プレートPの片面P1のうち、複数の絶縁層31’どうしの間に第1の導電層21’を形成すると同時に、プレートPの片面P2のうち、複数の絶縁層32’どうしの間に第2の導電層22’を形成する。第1の導電層21’は、電極21の原型となる部分であり、第2の導電層22’は、補助電極22の原型となる部分である。これら第1および第2の導電層21’,22’の形成は、たとえば銅メッキにより行なう。
【0043】
メッキ処理によれば、第1および第2の導電層21’,22’の同時形成を容易に行なうことができる。このため、たとえば第1および第2の導電層21’,22’の材質が異なり、これらを順次に形成する場合よりもメッキ処理時間を短縮することができる。したがって、生産効率の向上および製造コストの低減化を図ることが可能となる。また、上記メッキ処理によれば、第1の導電層21’と絶縁層31’との間、および第2の導電層22’と絶縁層32’との間に隙間を生じさせないようにして、第1および第2の導電層21’,22’を均一な厚みに形成することが可能である。
【0044】
次いで、図4(e)に示すように、仮想線C1で示す箇所において、各第1および第2の導電層21’,22’と、プレートPとを切断する。この切断位置は、各第1および第2の導電層21’,22’をその幅方向において2分割する位置であり、その切断方向は、各第1および第2の導電層21’,22’が延びる方向である。この切断により、プレートPは複数のバー状の抵抗体材料1’に分割される。この抵抗体材料1’の片面には、絶縁層31’および分割された第1の導電層21’が設けられており、その反対の面には、絶縁層32’および分割された第2の導電層22’が設けられている。また、抵抗体材料1’は、切断面として、その長手方向に延びる一対の側面1c’を備えている。
【0045】
次いで、図5(f)に示すように、抵抗体材料1’の一対の側面1c’、各第1および第2の導電層21’,22’の表面を覆うようにしてハンダ層4’を形成する。このハンダ層4’の形成は、たとえばメッキ処理により行なう。抵抗体材料1’と各第1および第2の導電層21’,22’とは金属製であり、かつ抵抗体材料1’の一対の側面1c’と各第1および第2の導電層21’,22’の表面とは露出しているため、メッキ処理によれば、それらの面にハンダ層4’を適切に形成することができる。このような作業により、バー状の抵抗器集合体R1’が得られる。
【0046】
その後は、図5(g)に示すように、仮想線C2に示す箇所において、抵抗器集合体R1’を切断する。この切断位置は、抵抗器集合体R1’の長手方向に一定間隔を隔てた複数箇所であり、その切断方向は抵抗器集合体R1’の短手方向である。この切断により、バー状の抵抗体材料1’はチップ状の抵抗体1に分割される。第1および第2の導電層21’,22’、絶縁層31’,32’、ならびにハンダ層4’は、それぞれ電極21および補助電極22、第1および第2の絶縁層31,32、ならびにハンダ層4となり、1つのバー状の抵抗器集合体R1’からは複数のチップ抵抗器R1が製造される。
【0047】
次に、チップ抵抗器R1の作用について説明する。
【0048】
チップ抵抗器R1は、所望の実装対象領域に対して、たとえばハンダリフローの手法を用いて面実装される。このハンダリフローの手法では、実装対象領域に設けられている端子上にクリームハンダを塗布してから、その上に各電極21を接触させるようにチップ抵抗器R1を載置し、これをリフロー炉で加熱する。各電極21は、第1の絶縁層31よりも厚み方向に突出しているため、各電極21の表面へのハンダ付着の確実化が図られる。
【0049】
上記したハンダのリフロー時には、ハンダ層4が溶融するが、このハンダ層4は、抵抗体1の各端面1c上と、各電極21および各補助電極22の表面上に形成されているため、図1の仮想線で示すようなハンダフィレットHfが適切に形成される。したがって、ハンダフィレットHfの形状などを外部から確認することにより、チップ抵抗器R1の実装が適切に行なわれているか否かを判断することができるため、検査の容易化が図られる。また、抵抗体1の実装強度を高めるのにも役立つ。ハンダフィレットHfは、チップ抵抗器R1への通電時に発生する熱を実装対象部材に伝える役割を果たすため、チップ抵抗器R1の温度上昇抑制効果も得られる。
【0050】
上記面実装時には、ハンダが各電極21および各補助電極22の表面からはみ出す場合がある。しかしながら、抵抗体1の下面1aおよび上面1bのうち、各電極21および各補助電極22が設けられていない部分の全体には、第1および第2の絶縁層31,32が形成されているため、ハンダが抵抗体1に直接付着することが防止される。このため、抵抗体1に対するハンダの不当な付着に起因して抵抗値に誤差が生じることはない。
【0051】
チップ抵抗器R1の抵抗(一対の電極21間抵抗)を目標抵抗値に仕上げるには、一対の電極21の間隔s1を所定の間隔に正確に仕上げる必要がある。これに対し、一対の電極21の間隔s1は、厚膜印刷によりそのサイズを所定の寸法に正確に仕上げられている第1の絶縁層31によって規定されているため、所定の正確な間隔となっている。したがって、抵抗値誤差の発生が防止される。
【0052】
各補助電極22は、各電極21と同一の電気伝導率の高い銅製であり、抵抗体1よりも比抵抗が小さい。このため、各電極21、各補助電極22、およびこれらに挟まれた抵抗体1の一部分からなる領域の電気抵抗は、たとえば各補助電極22を備えていない場合、すなわち各電極21およびこの各電極21の直上にある抵抗体1の一部分のみからなる場合の電気抵抗よりも小さくなる。したがって、たとえばハンダが各電極21の下面の内側側面21b寄り部分のみに偏って接触した場合と、ハンダが各電極21の下面の外側側面21a寄り部分のみに偏って接触した場合との抵抗値の差を小さくすることができる。
【0053】
一対の補助電極22の間隔s2は、一対の電極21の間隔s1よりも大きいため、一対の補助電極22間抵抗は、一対の電極21間抵抗よりも大きくなっている。したがって、このチップ抵抗器R1の抵抗値が一対の補助電極22間抵抗の影響により本来の抵抗値よりも低くなることはない。
【0054】
各電極21および各補助電極22の一部は、第1および第2の絶縁層31,32の側縁部31a,32a上にオーバラップしている。したがって、それらの側縁部31a,32aが抵抗体1から容易に剥離することもない。
【0055】
本願発明は、上述した実施形態の内容に限定されるものではない。本願発明に係るチップ抵抗器の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。同様に、本願発明に係るチップ抵抗器の製造方法の各作業工程の具体的な構成も、種々に変更自在である。
【0056】
たとえば、チップ抵抗器は、図6に示されているような構成にしてもよい。図6以降の図においては、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0057】
図6に示すチップ抵抗器R2は、抵抗体1の一対の側面1dを覆う第3の絶縁層33を備えている。このような構成によれば、抵抗体1の一対の側面1dにハンダが付着することを防止することができる。
【0058】
また、チップ抵抗器を製造する場合には、図7に示すようなフレームFを用いることもできる。このフレームFは、たとえば平板状の金属板を打ち抜き加工するなどして形成されたものであり、一定方向に延びた複数の板状部11と、これら複数の板状部11を支持する矩形枠状の支持部12とを備えている。隣り合う板状部11どうしの間には、スリット13が形成されている。支持部12と各板状部11との連結部14の幅W1は、板状部11の幅W2よりも小さくされている。このことは、連結部14を捩じり変形させて各板状部11を矢印N1方向に約90度回転させることにより、各板状部11の側面11cに対して後述するハンダ層4’の形成作業、あるいは絶縁層33’の形成作業を容易化させるのに役立つ。
【0059】
上記したフレームFを用いる場合には、たとえば図8に示すように、各板状部11の片面11a上に、帯状の絶縁層31’と、この絶縁層31’を挟む2条の帯状の導電層21’とを形成するとともに、各板状部11の片面11aとは反対の面11b上にも、帯状の絶縁層32’と、この絶縁層32’を挟む2条の帯状の導電層22’とを形成する(同図のクロスハッチングで示した部分が導電層21’,22’であり、これは図9においても同様である。)。次いで、各板状部11の一対の側面11cにハンダ層4’を形成する。ハンダ層4’の形成に際しては、導電層21’,22’の表面を覆うように形成してもよい。上記した工程により、バー状の抵抗器集合体R3’が得られる。そして、この抵抗器集合体R3’を仮想線C3の箇所で切断すると、複数のチップ抵抗器R3が製造される。このチップ抵抗器R3は、図1および図2で説明したチップ抵抗器R1と同様な構成である。
【0060】
また、上記した手法とは異なり、たとえば図9に示すようにしてチップ抵抗器を製造してもよい。すなわち、フレームFの各板状部11の片面11a上に矩形状の複数の絶縁層31’と複数の導電層21’とを交互に形成するとともに、板状部11の片面11aとは反対の面11b上に矩形状の複数の絶縁層32’と複数の導電層22’とを交互に形成する。次いで、板状部11の一対の側面11cに絶縁層33’を形成する。このような工程により、バー状の抵抗器集合体R4”が得られる。この抵抗器集合体R4”を仮想線C4の箇所で切断すると、複数のハンダ層未形成のチップ抵抗器R4’が製造される。次いで、これらのチップ抵抗器R4’の抵抗体1の両端面1cにハンダをメッキすれば、図6に示すチップ抵抗器R2と同様な構成のチップ抵抗器R4を得ることができる。
【0061】
ハンダ層4の形成は、たとえばバレルメッキにより行なう。複数のチップ抵抗器R4’を製造した後に、これら複数のチップ抵抗器R4’を1つのバレル内に収容し、これらに対してハンダメッキ処理を一括して施す。各チップ抵抗器R4’は、抵抗体1の端面1c、各電極21の表面、および各補助電極22の表面が露出した金属面となっている一方、これら以外の部分は第1ないし第3の絶縁層31〜33に覆われているため、上記した金属面に適切にハンダ層4を形成することができる。これにより、チップ抵抗器R4は効率良く製造される。
【0062】
このように、本願発明においては、プレートに代えて、上記したようなフレームからチップ抵抗器を製造することが可能である。もちろん、これらプレートやフレームを用いるのではなく、単なるバー状の部材からチップ抵抗器を製造することも可能である。また、プレートから複数のチップ抵抗器を作製する場合には、プレートを切断するのに代えて、たとえば打ち抜き(ブランキング:blanking)によってチップ化を図ってもかまわない。
【0063】
本願発明においては、抵抗体の片面上に形成する電極の具体的な数も限定されるものではない。たとえば、複数対の電極を形成することにより、それらのうちの一対の電極を電流検出用に、また他の一対の電極を電圧検出用にするといったことも可能である。
【0064】
一対の電極どうしの間隔と一対の補助電極どうしの間隔とは、相違していることに限定されず、同一であってもよい。このような構成であれば、チップ抵抗器が上下反転して実装された場合であっても、支障を生じることはない。
【0065】
一対の電極の厚みは、これら電極間に位置する絶縁層の厚みよりも大であることに限定されず、同一であってもよい。このような構成であれば、たとえばチップ抵抗器にその上方から荷重が負荷された場合に、この荷重は上記各電極に加えて上記絶縁層にも負担されるため、チップ抵抗器の耐荷重性を高めることができる。本願発明に係るチップ抵抗器は、低抵抗のものとして製造するのに好適であるが抵抗値の具体的な値も限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明に係るチップ抵抗器の一例を示す斜視図である。
【図2】 図1のII−II断面図である。
【図3】 (a)〜(c)は、図1に示すチップ抵抗器の製造工程の一部を示す斜視図である。
【図4】 (d),(e)は、図1に示すチップ抵抗器の製造工程の一部を示す斜視図である。
【図5】 (f),(g)は、図1に示すチップ抵抗器の製造工程の一部を示す斜視図である。
【図6】 本願発明に係るチップ抵抗器の他の例を示す斜視図である。
【図7】 (a)は、本願発明に係るチップ抵抗器の製造に用いられるフレームの一例を示す斜視図であり、(b)は、その要部平面図である。
【図8】 (a),(b)は、図7に示すフレームを用いてチップ抵抗器を製造する方法の一例を示す要部平面図である。
【図9】 (a),(b)は、図7に示すフレームを用いてチップ抵抗器を製造する方法の他の一例を示す要部平面図である。
【図10】 従来のチップ抵抗器の一例を示す斜視図である。
【図11】 従来のチップ抵抗器の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
R1〜R4 チップ抵抗器
P プレート
1 抵抗体
1a 上面(抵抗体の片面)
1b 下面(抵抗体の片面とは反対の面)
1c 端面
21 電極
21’第1の導電層
22 補助電極
22’第2の導電層
31 第1の絶縁層
31’絶縁層
32 第2の絶縁層
32’絶縁層
4,4’ ハンダ層
Claims (4)
- チップ状の抵抗体と、この抵抗体の片面に一定方向において間隔を隔てて設けられた複数の電極と、を備えているチップ抵抗器であって、
上記抵抗体の上記片面とは反対の面のうち、上記抵抗体を挟んで上記複数の電極と対向する領域には、上記複数の電極と同一材質の複数の補助電極が設けられており、
上記複数の電極間の領域は第1の絶縁層で覆われ、上記複数の補助電極間の領域は第2の絶縁層で覆われているとともに、上記第1の絶縁層の端部には上記各電極がオーバラップし、かつ、上記第2の絶縁層の端部には上記各補助電極がオーバラップしており、
上記抵抗体の上記一定方向についての一対の端面にはハンダ層が設けられているとともに、上記各電極および上記各補助電極上には、上記ハンダ層と一体または別体のハンダ層が、上記第1の絶縁層および上記第2の絶縁層の端部にオーバラップするようにして設けられていることを特徴とする、チップ抵抗器。 - 上記複数の補助電極どうしの間隔は、上記複数の電極どうしの間隔以上とされている、請求項1に記載のチップ抵抗器。
- 上記第1の絶縁層の厚みは、上記各電極の厚み以下とされている、請求項1に記載のチップ抵抗器。
- 上記抵抗体の上記一定方向に延びる一対の側面には、これら側面を覆う第3の絶縁層が設けられている、請求項1ないし3のいずれかに記載のチップ抵抗器。
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