JP3849966B2 - ゲートの不断水設置工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水流を止めることなくゲートの設置を可能とするゲートの不断水設置工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
下水路や上水路、工業用水路などにおいては水の流量をコントロールする目的で、水路を開放、閉止するゲートが設けられている場合が多い。ゲートの一例としては図4に示すように、扉体52と、扉体52を昇降自在に左右から挟む支柱となる戸当り53から構成されるゲート51が一般的であり、壁面に形成された開口部54にあてがわれて設置され、図示しない開閉機により扉体52が上下に昇降することで、水路の開放、閉止及び流量のコントロールが行われるようになっている。
【0003】
そして、従来、新規にゲート51を壁面に新設する場合、或いは既設のゲートが老朽化して新規なゲートと交換作業を行う場合などにおいては、一旦、上流側で水の流れをせき止め、水を断った状態でゲートの据付作業を行うという方法が採られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来は、一旦、上流側で水をせき止めてしまうために、ゲートの設置工事期間中は下流側に水が流れず、施設の機能が一時的に停止してしまうという問題があった。特に、ゲートの据付にはコンクリート等が使用されるので、その養生時間なども含めて据付期間は長期にわたるのが一般的であり、この間、水の供給がストップしてしまうのは問題である。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するために創作されたものであり、ゲート室の流出口側にゲートを設置するに当たり、簡単な作業で済み、水を流したままゲートの設置が可能となるゲートの不断水設置工法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するため、ゲート室にゲートを設置するに当たり、(1)ゲート室において流入口と流出口とを封水処理を施したうえで流路管により連通させる工程、(2)ゲート室内の水を排水するとともに、前記流路管の内部に止水プラグを設置して流路管内を止水する工程、(3)流出口に取り付けられた前記流路管の一部を流出口から一旦外した後、流出口或いは流入口にゲートを仮設する工程、(4)流出口から一旦外した前記流路管の一部を再び封水処理を施して流出口に取り付けた後、流路管から止水プラグを除去する工程、をそれぞれ、その順序で行うゲートの不断水設置工法を構成した。
【0007】
また、前記流路管を伸縮自在な多重管から構成した。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明について3つの実施形態例を示して説明する。図1は第1の実施の形態における側断面説明図、図2は第2の実施の形態における側断面説明図、図3は第3の実施の形態における側断面説明図である。
【0009】
本発明のゲートの不断水設置工法は、ゲート室において流入口と流出口とを封水処理を施したうえで流路管により連通させる工程(以降、第1工程という)、ゲート室内の水を排水するとともに、前記流路管の内部に止水プラグを設置して流路管内を止水する工程(以降、第2工程という)、流出口に取り付けられた前記流路管の一部を流出口から一旦外した後、流出口或いは流入口にゲートを仮設する工程(以降、第3工程という)、流出口から一旦外した前記流路管の一部を再び封水処理を施して流出口に取り付けた後、流路管から止水プラグを除去する工程(以降、第4工程という)をそれぞれ、その順序で行うことを特徴とする。
【0010】
[第1の実施の形態]
「第1工程」
図1(a)は第1工程を行う前のゲート室1の状態を示し、水路が開放され、ゲート室1が水で満たされている状態にある。ゲート室1において上流側には流入口2が、下流側には下流室41に通ずる流出口3が形成されている。なお、本形態における流入口2は上流配管4の管口となっている。先ず、この状態から水中服等を装着した作業者が図1(b)に示すように、流入口2と流出口3とを流路管5により連通させる。流路管5は伸縮自在な多重管から構成されるものであり、本形態においては流入口2側に取り付けられる導水管6と、流出口3側に取り付けられるスリーブ管7からなる二重管としてある。
【0011】
具体的に説明すると、導水管6の管径は上流配管4の管径よりも小径であり、導水管6の端部を上流配管4内に挿入し、導水管6の外周と上流配管4の内周との間に形成される隙間をシール部材8により封水処理を施す。スリーブ管7は導水管6の外周側にスライド自在に外嵌しており、スリーブ管7を導水管6から引き伸ばした状態で、スリーブ管7の端部を流出口3に挿通させ、スリーブ管7の外周と流出口3の内縁との間に形成される隙間をシール部材9により封水処理を施す。以上の工程を終了した時点で、水は上流配管4→流路管5→下流室41と流れ、ゲート室1には作業中に満たされていた水がそのまま残った状態となる。なお、導水管6とスリーブ管7が重なる部分の隙間は極くわずかなので漏水量も少量であるが、状況によってはこの隙間部に封水処理が施される。また、シール部材8,9としては合成ゴムなどの弾性体が挙げられる。本形態では環状(浮き輪状)を呈したエアバッグとしてあり、それぞれ流入口2及び流出口3の部位に設置したうえでエアを圧送することによりシール部材8,9を膨脹させて封水する態様となっている。
【0012】
「第2工程」
次いで、図1(b)に示すように、ゲート室1に水中ポンプ10を設置して、ゲート室1内に溜まった水を外部(例えば下流室41側)に排水する。また、水中服等を装着した作業者が例えば下流室41側から図1(c)に示すように、流路管5(本形態では導水管6)の内部に止水プラグ11を挿入して、流路管5内の水流を止水する。止水プラグ11としては、合成ゴムなどの弾性体が挙げられる。本形態では前記シール部材8,9の場合と同様にエアバッグ式としてあり、流路管5内の所定位置においてエアを圧送することにより止水プラグ11を膨脹させて管内の流路を閉塞させる態様となっている。止水プラグ11の配設位置は勿論、スリーブ管7側でも良く、その場合、図1(d)に示されるように、スリーブ管7を縮めたときに導水管6との干渉をさけるため、スリーブ管7の端部(図1における左端)に設ければ良い。
【0013】
以上の水中ポンプ10による排水作業と止水プラグ11の設置作業の順序は特に問わず、作業効率面からいえば同時に行うことが望ましい。しかし、ゲート室1が比較的大きな部屋で、排水する水の量が多い場合には排水時間が長くなるので、初期の段階で止水プラグ11を設置すると排水している長時間の間、下流室41側に水が流れず、ゲートの不断水設置という本来の目的から外れてしまうことにもなる。そのような場合には、水中ポンプ10による排水完了間際に止水プラグ11を設置すれば良い。
【0014】
「第3工程」
第2工程が終了したら、シール部材9を除去し、流出口3に取り付けられた流路管5の一部、すなわちスリーブ管7の端部を流出口3から一旦外す作業が行われ、それはスリーブ管7を導水管6側にスライドさせて縮めることによりなされる(図1(d)の状態)。これにより、流出口3回りの空間が開放されることになり、ゲート51(図4参照)を流出口3に仮設する(図1(e)の状態)。流出口3に例えば老朽化したゲートが既に据え付けられていた場合には、この流出口3回りの空間が開放された時点で取り外し、新規なゲート51を仮設することとなる。また、ゲート51を流入口2側に設置することも可能であり、戸当り53(図4)を流路管5回りに通しながら搬送して流入口2に仮設する(図1(e)に仮想線にて示す)。なお、本発明でいうゲートの仮設とは、単にゲート51を流出口3(或いは流入口2)にあてがうだけに過ぎず、正確な位置決めや壁面への取り付け作業は一切行わない。したがって、この間の断水時間は極く短いものとなっている。
【0015】
「第4工程」
ゲート51を流出口3に仮設したら、ゲート51の扉体52を上部に位置させたうえで、スリーブ管7を再び引き伸ばしてその端部を流出口3に挿通させ、シール部材9により封水処理を施した後、止水プラグ11のエアを抜いて流路管5から止水プラグ11を除去する。以上により、水は再び上流配管4→流路管5→下流室41と流れ、以降、作業者はドライな状態となったゲート室1において、ゲート51の正確な位置決め作業や壁面への取り付け作業、扉体52を昇降させる電動式の開閉機12の設置作業に取りかかることになり、これによりゲート51の不断水設置が実現される。
【0016】
以上のような第1工程〜第4工程をそれぞれその順序で行う構成とすれば、簡単なゲートの不断水設置工法が実現されることとなる。特に、第2工程において前記したように水中ポンプ10等によるゲート室1内に溜まった水の排水時間が長い場合であっても、その長時間の間、流路管5を介して水を下流側に流すことができるという効果が奏される。また、流路管5を伸縮自在な多重管から構成することで、より簡単でスピーディーな不断水設置工法を構築できる。
【0017】
[第2の実施の形態]
本形態は、流路管5を、ボルトにより互いに連結される複数のフランジ管から構成した形態である。なお、流入口2や流出口3,上流配管4の配設態様や、シール部材8,9及び止水プラグ11の構成は第1の実施形態と同様であり、同一の符号を付して、その説明も省略する。
【0018】
「第1工程」
図2(a)の状態から、水中服等を装着した作業者が図2(b)に示すように複数のフランジ管、本形態では3本のフランジ管15a〜15cを上流側から順に位置させ、先ず、フランジ管15aの一端側をシール部材8を介して流入口2に取り付ける一方、フランジ管15cの一端側をシール部材9を介して流出口3に取り付け、フランジ管15aとフランジ管15cとの間にフランジ管15bを挿入して互いのフランジ部同士をボルト16により締結固定する。これによりフランジ管15a〜15cからなる流路管5が流入口2と流出口3を連通し、水は上流配管4→流路管5→下流室41と流れ、ゲート室1には作業中に満たされていた水がそのまま残った状態となる。
【0019】
「第2工程」
次いで、図2(b)に示すように、水中ポンプ10でゲート室1内に溜まった水を外部に排水するとともに、水中服等を装着した作業者が下流室41側から図2(c)に示すように、フランジ管15aの内部に止水プラグ11を位置させエアを圧送して膨脹させ流路管5における水流を止水する。
【0020】
「第3工程」
第2工程が終了したら、ボルト16を外してフランジ管15bを撤去し、次いでシール部材9を除去してフランジ管15cを流出口3から取り外す(図2(d)の状態)。これにより、流出口3回りの空間が開放されることになり、ゲート51を流出口3に仮設する(図2(e)の状態)。無論、第1実施形態の場合と同様に流入口2側に仮設することも可能である。
【0021】
「第4工程」
ゲート51を流出口3に仮設したら、扉体52を上部に位置させたうえで、フランジ管15cの一端側をシール部材9を介して流出口3に再び取り付け、フランジ管15bをボルト16により締結固定する。その後、止水プラグ11のエアを抜いてフランジ管15aから止水プラグ11を除去する。以上により、水は再び上流配管4→流路管5→下流室41と流れ、以降、作業者はドライな状態となったゲート室1において、ゲート51の設置作業にかかる。
【0022】
[第3の実施の形態]
本形態は、流路管5を、可撓性を有した管材から構成した形態である。本形態においても、流入口2や流出口3,上流配管4の配設態様や、シール部材8,9及び止水プラグ11の構成は第1及び第2の実施形態と同様であり、同一の符号を付して、その説明も省略する。
【0023】
「第1工程」
図3(a)の状態から、水中服等を装着した作業者が図3(b)に示すように流路管5によりそれぞれシール部材8,9を介設して流入口2と流出口3を連通する。流路管5は合成樹脂材からなる管、例えばビニル管やゴム管などの可撓性を有した管材や、或いは、可撓性を備え、かつ伸縮自在な蛇腹形状を呈した管材等である。可撓性を有した管材とすることで、例えば流入口2と流出口3の位置が互いに上下方向にずれている場合であっても対応できるようになる。
【0024】
「第2工程」
次いで、図3(b)に示すように、水中ポンプ10でゲート室1内に溜まった水を外部に排水するとともに、水中服等を装着した作業者が下流室41側から図3(c)に示すように、流路管5の内部に止水プラグ11を位置させエアを圧送して膨脹させ流路管5における水流を止水する。
【0025】
「第3工程」
第2工程が終了したら、シール部材9を除去して流路管5の端部を流出口3から取り外す(図3(d)の状態)。ゲート室1が比較的大きく、つまり流入口2と流出口3との距離が大きい場合には流路管5の長さが長くなるためその分撓みやすくなり、流出口3からの取り外しも容易となる。そして、ゲート51を流出口3に仮設する(図3(e)の状態)。無論、本形態においてもゲート51を流入口2側に仮設可能である。
【0026】
「第4工程」
ゲート51を流出口3に仮設したら、扉体52を上部に位置させたうえで、流路管5の端部をシール部材9を介して流出口3に再び取り付け、止水プラグ11のエアを抜いて流路管5から止水プラグ11を除去する。以上により、水は再び上流配管4→流路管5→下流室41と流れ、以降、作業者はドライな状態となったゲート室1において、ゲート51の設置作業にかかる。
【0027】
以上、本発明について好適となる3つの実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能である。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば簡単な作業でゲートの不断水設置工法が実現されることとなる。また、水中ポンプ等による排水作業の間でも流路管を介して水を下流側に流すことができるようになる。さらに、流路管を伸縮自在な多重管から構成することで、より簡単でスピーディーな不断水設置工法を構築できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における側断面説明図である。
【図2】第2の実施の形態における側断面説明図である。
【図3】第3の実施の形態における側断面説明図である。
【図4】壁面にゲートを設置する際の斜視説明図である。
【符号の説明】
1 ゲート室
2 流入口
3 流出口
4 上流配管
5 流路管
6 導水管
7 スリーブ管
8,9 シール部材
10 水中ポンプ
11 止水プラグ
12 開閉機
51 ゲート
52 扉体
Claims (2)
- ゲート室にゲートを設置するに当たり、
(1)ゲート室において流入口と流出口とを封水処理を施したうえで流路管により連通させる工程、
(2)ゲート室内の水を排水するとともに、前記流路管の内部に止水プラグを設置して流路管内を止水する工程、
(3)流出口に取り付けられた前記流路管の一部を流出口から一旦外した後、流出口或いは流入口にゲートを仮設する工程、
(4)流出口から一旦外した前記流路管の一部を再び封水処理を施して流出口に取り付けた後、流路管から止水プラグを除去する工程、
をそれぞれ、その順序で行うことを特徴とするゲートの不断水設置工法。 - 前記流路管は伸縮自在な多重管から構成されることを特徴とする請求項1に記載のゲートの不断水設置工法。
Priority Applications (1)
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| JP2000145808A JP3849966B2 (ja) | 2000-05-18 | 2000-05-18 | ゲートの不断水設置工法 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2000145808A JP3849966B2 (ja) | 2000-05-18 | 2000-05-18 | ゲートの不断水設置工法 |
Publications (2)
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| JP2001323444A JP2001323444A (ja) | 2001-11-22 |
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Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2000145808A Expired - Lifetime JP3849966B2 (ja) | 2000-05-18 | 2000-05-18 | ゲートの不断水設置工法 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (2)
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-
2000
- 2000-05-18 JP JP2000145808A patent/JP3849966B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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