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JP3851997B2 - 複合材料組成物及び複合材料成形体 - Google Patents
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JP3851997B2 - 複合材料組成物及び複合材料成形体 - Google Patents

複合材料組成物及び複合材料成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業用機器、民生用機器、通信用機器及び自動車用機器などに使用される電気・電子部品や機械部品を成形したり、封止したりする複合材料組成物及び複合材料成形体に関する。更に詳しくは、耐熱性が高く、常温から230℃までの温度領域で線膨張係数が低く、機械的強度が高いが、曲げたわみや引張伸びの大きい複合材料組成物及び複合材料成形体に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
プラスチックスに各種無機フィラーを充填したフィラー配合プラスチックス複合材料組成物は、重要な工業材料として多岐にわたって利用されている。近年、無機フィラーの形状制御技術の急速の進展が複合化、コンポジット化のためのポリマープロセッシング技術の進展と相まって、高機能な複合材料組成物の開発が可能となってきている。また、ポリマーアロイやナノコンポジットなどの技術を含め、極めて重要なプラスチックスの改質技術及び複合化技術として再認識されるようになってきた。
【0003】
一般に無機フィラー配合プラスチックス複合材料組成物の機械的特性に及ぼす無機フィラーの因子としては、▲1▼フィラーの形状、▲2▼フィラーの粒子径、▲3▼フィラーの表面特性、▲4▼複合材料組成物中での分散状態(モルフォロジー)、▲5▼プラスチックとフィラーの界面での相互作用などが考えられる。中でも無機フィラーの形状因子が、無機フィラー配合プラスチック複合材料組成物の機械的物性に大きな影響を与えることは良く知られている。
【0004】
無機フィラーはその使用目的によって、無機フィラー固有の特性(電気・電子機能、熱伝導性機能、難燃性機能、耐摩耗性機能など)をふまえ、且つ形状因子を選んで採用が検討される。形状因子は、主に複合材料組成物の力学的機能と制御するのに重要であり、その形状は微粒子、球状粒子、繊維状粒子、フレーク(鱗片状)粒子などが知られている。
【0005】
例えば耐熱性熱可塑性樹脂に常温で溶液状のポリイミド系樹脂及び高熱伝導性無機充填剤を添加してなる高熱伝導性樹脂組成物(特開平3−287668号公報)が開示されている。また、エポキシ樹脂に熱伝導性フィラーとして良く知られる窒化ホウ素とからなる回路基板用樹脂組成物(特開2000−22289号公報)も開示されている。
【0006】
これらの技術は、従来熱伝導性フィラーとして公知の窒化ホウ素、窒化アルミニウム及び酸化マグネシウムなどを樹脂組成物全量に対し、10〜75体積%充填して、目的とする熱伝導性を付与するものである。これら無機フィラーは高充填すればするほど、その無機フィラーの固有の特性を複合材料組成物に付与することができる。
【0007】
また、ガラス繊維やチタン酸カリウム繊維などの繊維状充填剤あるいは天然マイカや合成マイカなどの鱗片状充填剤を充填した樹脂組成物が広く知られている。
【0008】
前者の繊維状充填剤は樹脂組成物の剛性向上に著しい効果があるが、その一方で、IZOD衝撃性、伸び特性などが大幅に低下し、割れなどが発生しやすくなる欠点があった。また、後者の鱗片状充填剤は、高充填により線膨張係数を低減することはできるが、繊維状充填材と同様の欠点が発生しやすいのが現状である。また、ガラス繊維やチタン酸カリウム繊維、マイカなどの酸化物系無機フィラーでは空気中の水分との相互作用で水酸基(−OH基)が現れ、これら、無機フィラーの表面が混練時にプラスチックを解重合(加水分解など)し、複合材料組成物の物性を低下させるのが大きな問題であった。
【0009】
特に、産業用機器、民生用機器、通信用機器及び自動車用機器などに使用される電気・電子部品や機械部品は、耐熱性が高く、線膨張係数が低く、かつ機械的強度が高くて、柔軟な、即ち、曲げたわみや引張伸びの大きいという機械的性質を備えていることが求められている。
【0010】
一般に線膨張係数は複合材料組成物から成形体を製造する際の成形収縮率と相関があり、成形収縮率が0.30%以下であれば、その線膨張係数を20×10-6/K以下にすることができる。また、成形体の曲げたわみが3.6%以上でかつ引張伸びが4.3%以上であれば、当該複合材料組成物を上述の電気・電子部品としての成形材料や封止材料として使用可能になるのである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
1.本発明は、(a)ケトン系樹脂、イミド系樹脂、ポリエーテルニトリル、ポリベンゾイミダゾール、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、液晶ポリマー及びポリアロマティック樹脂から選ばれる少なくとも1種の耐熱性樹脂と、(b)▲1▼モース硬度が3.0以下、▲2▼線膨張係数が50×10-5/K以下、▲3▼少なくとも500℃までは化学的に不活性な層状構造を有している、及び▲4▼アスペクト比(平均粒子径/厚さの比)が10以上である鱗片状無機フィラーとからなる複合材料組成物である。
2.本発明は、鱗片状無機フィラーが、層状グラファイト、h−窒化ホウ素、γ−窒化ホウ素、t−窒化ホウ素、層状窒化炭化ホウ素、二硫化モリブデン及びSr0.14Ca0.86CuO2から選ばれる少なくとも1種である上記1に記載の複合材料組成物である。
3.本発明は、複合材料組成物における鱗片状無機フィラーの割合が20〜50重量%である上記1に記載の複合材料組成物である。
4.本発明は、鱗片状無機フィラーがカップリング処理されている上記1に記載の複合材料組成物である。
5.本発明は、ケトン系樹脂が、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトン及びポリエーテルケトンケトンから選ばれる少なくとも1種である上記1に記載の複合材料組成物である。
6.本発明は、イミド系樹脂が、熱可塑性ポリイミド及びポリアミドイミドから選ばれる少なくとも1種である上記1に記載の複合材料組成物である。
7.本発明は、ケトン系樹脂、イミド系樹脂、ポリエーテルニトリル、ポリベンゾイミダゾール、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、液晶ポリマー及びポリアロマティック樹脂から選ばれる少なくとも1種の耐熱性樹脂と鱗片状無機フィラーとからなる複合材料組成物を成形して得られる成形体であって、成形収縮率が0.30%以下であり、曲げたわみが3.6%以上、かつ引張伸びが4.3%以上である複合材料成形体である。
8.本発明は、ケトン系樹脂、イミド系樹脂、ポリエーテルニトリル、ポリベンゾイミダゾール、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー及びポリアロマティック樹脂から選ばれる少なくとも1種の耐熱性樹脂とポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド及びポリアリレート樹脂から選ばれる少なくとも1種の耐熱性非晶性樹脂とのアロイ及び鱗片状無機フィラーとからなる複合材料組成物を成形して得られる成形体であって、成形収縮率が0.30%以下であり、曲げたわみが3.6%以上、かつ引張伸びが4.3%以上であることを特徴とする複合材料成形体である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に使用する耐熱性樹脂は、ケトン系樹脂、イミド系樹脂、ポリエーテルニトリル、ポリベンゾイミダゾール、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、液晶ポリマー及びポリアロマティック樹脂から選ばれる少なくとも1種の耐熱性樹脂である。これらの耐熱性樹脂は、別名スーパーエンジニアリングプラスチックスとも呼ばれ、熱可塑性樹脂の中では最高レベルの耐熱性を誇るもので、古くから、電気・電子部品や自動車のエンジンルーム内に使用されている熱硬化性樹脂に匹敵する耐熱性(150℃以上)を有していながら、昨今のリサイクルニーズに対応できるものとして注目され、各種無機系充填剤などとの組み合わせで熱硬化性樹脂の代わりに使用されつつある。
【0013】
本発明で使用されるケトン系樹脂とは分子構造中にケトン基(C=O)を有するエンジニアリングプラスチックスであり、具体的にはポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトンなどが挙げられる。
【0014】
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)は英ICI社で開発され、結晶性の熱可塑性樹脂の中では最も高性能な部類に属し、特に耐熱性と耐薬品性に優れている。分子構造はベンゼン環がパラの位置であり、リジットなカルボニル基とフレキシブルなエーテル結合によって連結されている。融点が344℃、ガラス転移温度が143℃である。従って、非強化では荷重たわみ温度が140℃とさほど高くないが、ガラス繊維などで強化すると、ガラス繊維の30重量%充填で315℃に達する。これは射出成形可能な樹脂のなかでも最も高い。
【0015】
PEEKに続いてさまざまなケトン系プラスチックスが開発されている。ポリエーテルケトン(PEK)は、融点が373℃、ガラス転移温度が162℃とPEEKよりも耐熱性が高い。その他、米Amoco社がポリケトン(PK)、米Dupont社がポリエーテルケトンケトン(PEKK)などを開発している。
【0016】
本発明に使用できるイミド系樹脂とは分子構造中にイミド基を有するエンジニアリングプラスチックスの総称であり、具体的にはポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)などが挙げられる。
【0017】
イミド基を有するポリマーはそれに由来する分子間力から耐熱性が高く、芳香族を導入するとさらに耐熱性が上がる。芳香族成分が多く、比較的対称な分子構造をしている。PIは全てのエンジニアリングプラスチックスの中で最も高い耐熱性を有している。非強化で荷重たわみ温度が290℃、ガラス繊維50重量%充填で330℃に向上する。反面、射出成形が難しい。こうした課題に対処するため、▲1▼溶融成形を可能にする、▲2▼有機溶剤に可溶にするなど、成形性を向上させる試みが進められて、例えばPAIは他成分を分子構造中に導入することにより射出成形可能な領域まで流動性を高めたものである。
【0018】
本発明においては、ケトン系樹脂やイミド系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリフェニレンスルフィド、ポリアロマテック樹脂が使用される。これらの樹脂はいずれも耐熱性の結晶性樹脂である。
【0019】
本発明でいうポリアロマテック樹脂とは、主な構成成分が芳香族成分で成り立ち、芳香族成分が直接結合しているポリマーであり、例えば、1,4−ポリフェニレン(商品名:ポリ−X、マクスデム社製)等の剛直ポリマー等が使用できる。
【0020】
本発明においては、上記樹脂の他に、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)及びポリアリレート(PAR)が使用できる。これらの樹脂は、非晶性の耐熱性樹脂である。
【0021】
これらの非晶性耐熱性樹脂は耐熱性に優れ、ガラス転移温度や荷重たわみ温度が高い。また、非晶性樹脂の特徴として寸法精度、寸法安定性に優れ、高温下の機械特性の保持性に優れている。また耐薬品性も極性溶媒以外には高いのである。例えば芳香族ポリサルホン系のPSFは透明性の高い樹脂で、荷重たわみ温度は非強化で174℃、ガラス繊維強化(30重量%)で181℃にもなる。
【0022】
また、PESはジクロロジフェニルサルホンを主原料とした縮重合反応で得られ、荷重たわみ温度は非強化で203℃、ガラス繊維強化(30重量%)216℃にもなる。更にポリエーテルイミドはイミド基をもっているが、これにエーテル基を導入することにより成形性を向上させたもので、荷重たわみ温度が非強化で200℃、ガラス繊維強化(30重量%)で210℃になる。PESと同程度の物性であるが比重が小さく、比強度はPESを上回る。
【0023】
また、ポリアリレート(PAR)はユニチカ社が開発した非晶性耐熱性樹脂で、芳香族構成成分を種々変化させることにより、ガラス転移温度190℃以上の耐熱性を付与することができる。
【0024】
本発明においては結晶性耐熱性樹脂と非晶性耐熱性樹脂をアロイ化して使用しても良く、結晶性耐熱性樹脂と非晶性耐熱性樹脂のそれぞれの特性を付与することができる。
【0025】
本発明において、上述の耐熱性樹脂を産業用機器、民生用機器、通信用機器、及び自動車用機器などに使用される電気・電子部品や機械部品を成形するに当たり、従前の熱硬化性樹脂の代わりに使用するとき、該耐熱性樹脂に無機充填剤(フィラー)を配合して、剛性を向上したり、荷重たわみ温度を上げた複合材料組成物を調製し、該複合材料組成物を利用するのが一般的である。無機系フィラーで剛性などの機械的特性を向上させるためのものとしては種々のものが良く知られている。例えば、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、β−ウォラストナイトなどの針状(繊維状)フィラー、天然マイカ、合成マイカ、タルク等に代表される板状フィラーなどがある。これらは強化用フィラーで総称され、耐熱性樹脂の例えば荷重たわみ温度を向上させ、一般的にはその強化特性は配合量を増加させると複合側に則り、得られる複合材料成形体の機械的物性は向上する。また、これら無機系フィラーの配合量は、組成物中に5〜70重量%程度とするのが一般的であるが、無機フィラーの配合量を増加するに従って、複合材料組成物を成形したときの成形収縮率が低下し、常温から高温下での線膨張係数が小さくなることが知られている。
【0026】
しかしながら、曲げたわみ量や引張伸び、即ち、靭性が著しく低下し、割れやアイゾット衝撃値(脆さ)もかなり低くなり、その利用分野が狭くなってしまうことが多いことも、良く知られた事実である。
【0027】
ガラス繊維やチタン酸カリウムに代表される針状(繊維状)フィラーの場合は異方性が発現し、寸法安定性などが期待できなくなってしまう。
【0028】
そこで本発明者らは、鱗片状無機系フィラーを中心に研究を重ね、その鱗片状無機系フィラーの配合量を極力抑えて、曲げたわみや引張伸び特性を低下させないようにし、且つ、鱗片状無機系フィラーの配合量の低い領域で成形収縮率を低下させるためにはどのようにすべきか検討した結果、本発明を完成するに至った。
【0029】
即ち、成形収縮率を低下させるためには配合する鱗片状無機フィラー自体の線膨張係数が小さいことが必要であり、本発明によれば鱗片状無機フィラーの線膨張係数が50×10-5/K以下であれば配合量が低いレベルであったとしても本発明の複合材料組成物の成形収縮率を低くおさえることが可能になることを見い出したものである。
【0030】
本発明の複合材料組成物を成形して得られる成形体の曲げたわみ率や引張伸び率がそれぞれ3.6%以上及び4.3%以上に維持されていれば、各用途分野で適用でき、割れやもろさの解決ができるのであり、そのため配合する鱗片状無機系フィラー自体が柔らかいものである必要があり、それをモース硬度で示すと3.0以下の鱗片状無機系フィラーであれば本発明の課題を解決できることを見い出した。
モース硬度は、2.0以下であるのが好ましい。
【0031】
また、本発明の重要な要点としては本発明の必須要件として鱗片状無機系フィラーが共有結合で構成され、且つ、少なくとも500℃までの温度領域まで、不活性である必要がある。これら鱗片状無機系フィラーを混練する際に、イオン結合を主体とした鱗片状無機系フィラーの場合、空気中の水分と反応した金属水酸化物は上述の耐熱性樹脂の主鎖構造を攻撃し、樹脂劣化を引き起こすことが多い。その結果、得られた複合材料成形体の曲げたわみや引張伸びを低下させることが多い。本発明は、共有結合で構成され、且つ少なくとも500℃までの温度領域まで化学的に不活性な鱗片状無機系フィラーを使用すれば、本発明の課題を解決できることを見い出した。
【0032】
また、本発明においては複合材料組成物の異方性(MD/TDの差)の解消及び寸法精度の向上のため、アスペクト比(平均粒子径/厚みの比)が少なくとも10以上(好ましくは15以上)である層状構造の鱗片状無機系フィラーが適していることを見い出した。ここで、平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計により測定したものである。
【0033】
アスペクト比が少なくとも10以上の層状構造の鱗片状無機系フィラーを適当量の配合比で充填した複合材料組成物は機械的物性を大幅に向上させ、成形収縮率も低減でき得られる成形品の異方性も極めて少なく、寸法精度も極めて優れたものである。
【0034】
本発明において、このような特性を満足させる鱗片状無機フィラーとしては、例えば、層状グラファイト、h−窒化ホウ素、γ−窒化ホウ素、t−窒化ホウ素、層状窒化炭化ホウ素、二硫化モリブデン、Sr0.14Ca0.86CuO2などを挙げることができる。これらの中でも、層状グラファイト及びh−窒化ホウ素が好ましい。これらの鱗片状無機フィラーは、いずれも公知のものである。
【0035】
このうち、層状グラファイト、h−窒化ホウ素の特性は、以下の通りである。
【0036】
▲1▼層状グラファイト;柔軟で潤滑性が大きい、高温で酸化に耐える(空気中にては600℃程度)、化学薬品に対して抵抗が強い、熱と電気の良導体である(0.0141cal/cmsec℃)、比重は約2.23〜2.25、線膨張係数が少ない(0.786×10-5/K)、融点が極めて高い(3500℃)。
【0037】
▲2▼h−BN(六方晶系窒化ホウ素);柔軟で潤滑性が大きい(モース硬度2.0)、比重(2.7)、膨張係数が小さい(0.2×10-5/K以下)、化学薬品に対して抵抗が強い、熱の良導体である、アスペクト比の高いものがある、融点が極めて高い。
【0038】
尚、本発明においては、C−BN(立方晶窒化ホウ素)はモース硬度が高く、本発明の課題を解決することができず、使用できない。
【0039】
本発明に使用する無機系フィラーは更に表面処理を施すことができる。表面処理としてはカップリング処理が代表的であり、チタネート処理剤やシランカップリング剤が適用できる。これらのカップリング処理においては本発明の複合材料成形体の物性をさらに向上することができる。
【0040】
本発明において上述の無機系フィラーの配合量であるが、本発明組成物全量中に鱗片状無機系フィラーが20〜50重量%充填されている時の発明の複合材料組成物及び成形体の物性を満足させることができる。本発明組成物全量中に鱗片状無機系フィラーが20〜40重量%充填させるのが好ましい。
【0041】
鱗片状無機系フィラーの配合量が20重量%未満の場合は収縮率低減、即ち成形収縮率0.30%以下の物性が得られず、50重量%を超えるような場合は本発明の複合材料成形体の物性のうち、曲げたわみ率と引張伸び率の2点を満足させることができない。
【0042】
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲で、熱安定剤、滑剤、離型剤、顔料、染料、紫外線吸収剤、難燃剤、潤滑剤、充填剤、補強剤等の従来公知の各種成分を適宜配合することができる。
【0043】
本発明組成物を製造するに当たっては、例えば耐熱性樹脂を二軸混練機などで溶融混練しながら、鱗片状無機系フィラー及びその他の成分をサイドホッパーより投入し混練する方法などを採用することができる。
【0044】
また、本発明成形体を製造するに当たっては、従来公知の方法に従い、上記本発明組成物を成形するのがよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明の複合材料組成物においては耐熱性樹脂と、特定の物性を有する、鱗片状無機フィラーとからなる構造を採っていることから、得られる成形品の成形収縮率が0.30%以下と低くできるので、実質的に線膨脹係数が低く抑えられ、常温から高温領域で寸法安定性が高くできる。本発明の複合材料組成物は、高い機械的強度を有しながら、従来の欠点とされていた曲げたわみや引張伸びといった欠点を解消することができた。
【0046】
従って、本発明の複合材料組成物は産業用機器、民生用機器、通信用機器及び自動車用機器などに使用される電気・電子部品や機械部品として幅広く利用できる。
【0047】
【実施例】
以下実施例と比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
【0048】
実施例1〜及び比較例1〜
耐熱性樹脂:
1.PEEK(ポリエ−テルエ−テルケトン):商品名450G、ビクトレックス社製
2.PAR(ポリアリレ−ト):商品名U−10、ユニチカ(株)製
3.PEI(ポリエ−テルイミド):商品名ウルテム1000−1000、日本GEプラスチックス(株)製
4.PSF(ポリフェニルサルフォン):商品名;レーデルR、帝人アモコ(株)製
鱗片状無機フィラー:
(a)h−BN;窒化ホウ素(商品名:デンカBN(GP)、電気化学工業(株)製):平均粒子径6.2μm、アスペクト比=25
(b)h−BN;窒化ホウ素(商品名:デンカBN(SP-2)、電気化学工業(株)製):平均粒子径1.7μm、アスペクト比=3
【0049】
上記の耐熱性樹脂及び鱗片状無機フィラーを表1に示す配合割合(重量%)で2軸押出機(商品名:KTX46、(株)神戸製鋼所製)に供給し、本発明組成物及び比較組成物のペレットを製造した。得られた組成物について、機械的強度の指標になる引張伸び、曲げ強さ及び曲げたわみ、異方性の指標になる成形収縮率を測定した。結果を表2に示す。
【0050】
引張伸びは、JIS K7161に従って測定した。
【0051】
曲げ強さ及び曲げたわみは、JIS K7171に従って測定した。
【0052】
成形収縮率(%)は、90.01×49.99×3.20mmの金型にフィルムゲートで成形品を作成し、次の式により算出した。
【0053】
成形収縮率(%)=[(金型寸法−成形品寸法)/金型寸法]×100
【0054】
【表1】
Figure 0003851997
【0055】
【表2】
Figure 0003851997
【0056】
表2において、「降」とは、降伏値であり、試験片が破断しなかった材料で、応力が一番高い値を示したときの値である。「破」とは、破断値であり、試験片が破断した材料で、破断したときの値である。

Claims (5)

  1. (a)ケトン系樹脂、イミド系樹脂、ポリエーテルニトリル、ポリベンゾイミダゾール、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート及び液晶ポリマーから選ばれる少なくとも1種の耐熱性樹脂、並びに
    (b)(i) モース硬度が3.0以下、 (ii) 線膨張係数が50×10 -5 /K以下、 (iii) 少なくとも500℃までは化学的に不活性な層状構造を有している、及び (iv) アスペクト比(平均粒子径/厚さの比)が10以上であるh−窒化ホウ素
    らなる封止材料用組成物。
  2. 複合材料組成物におけるh−窒化ホウ素の割合が20〜50重量%である請求項1に記載の組成物。
  3. h−窒化ホウ素がカップリング処理されている請求項1に記載の組成物。
  4. ケトン系樹脂が、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトン及びポリエーテルケトンケトンから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の組成物。
  5. イミド系樹脂が、熱可塑性ポリイミド及びポリアミドイミドから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の組成物。
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