JP3852982B2 - 変異型スタフィロコッカス・アウレウスv8プロテアーゼ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は蛋白変性をもたらす環境条件下においても酵素活性を有する変異型スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus )V8プロテアーゼ(以下、スタフィロコッカス・アウレウスV8プロテアーゼを天然型V8プロテアーゼと称する)、当該酵素蛋白をコードする遺伝子、当該遺伝子を有する発現ベクター、当該発現ベクターにより形質転換された組換え細胞及び当該酵素の製造方法に関する。
【0002】
さらに詳細には、本発明に係る酵素蛋白は、蛋白変性剤または温度等により蛋白変性をもたらす環境条件下においても、従来知られている天然型V8プロテアーゼと比較して、より安定に酵素活性を有する変異型V8プロテアーゼに関する。
【0003】
【従来の技術】
天然型V8プロテアーゼはS. aureus V8株が培地中に分泌するセリンプロテアーゼの一種である。1972年にDrapeau, G. R. 等によりS. aureus V8株の培地より、グルタミン酸及びアスパラギン酸のC末端側のペプチド結合を特異的に切断するセリンプロテアーゼの一種として単離精製され(Jean Houmard and Gabriel R. Drapeau(1972) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69, 3506-3509), 1987年にはCynthia Carmona 等によりDNA塩基配列が明らかになっている(Cynthia Carmona and Gregory L. Gray (1987) Nucleic. Acid. Res.15, 6757) 。
【0004】
当該酵素は336個のアミノ酸残基からなる前駆体として発現された後、N末端から68個のアミノ酸残基からなるプレプロ配列が除去されて成熟蛋白として分泌される。さらに当該酵素にはそのC末端領域(N末端からのアミノ酸配列番号;221−256)にプロリン−アスパラギン酸−アスパラギンのリピート(繰り返し)配列が存在しているが、当該配列は酵素活性には必要ないことを本発明者等は既に見いだしている(特願平6−296028、EP700995A)。
【0005】
天然型V8プロテアーゼは酵素としての機能解析は不十分であるにも拘わらず、当該酵素はグルタミン酸及びアスパラギン酸のC末端側のペプチド結合を特異的に切断することから蛋白のアミノ酸配列の決定に汎用されている。また、天然型V8プロテアーゼは蛋白の変性を起こさせるような蛋白変性剤の一つである尿素の存在下(2M尿素程度)でも基質にある程度作用することから、遺伝子組換え技術で宿主内に大量に発現させた目的ペプチドを含む不溶性融合蛋白を尿素で可溶化した後、尿素存在下に当該酵素を作用させて目的ペプチドを融合蛋白から遊離させる工程にも使用されている。
【0006】
一方、本発明者等はヒトカルシトニンの遺伝子組換え法による製造に関して、上記の方法を用いて効率良くヒトカルシトニンを製造することに成功している(特開平5−328992)。また、ヒトグルカゴンを大腸菌発現系で融合蛋白として発現させた例においても、天然型V8プロテアーゼが当該融合蛋白からヒトグルカゴンの切り出しに使用されている(Kazumasa Yosikawa et al. (1992) Journal of Protein Chemistry 11, 517-525) 。
【0007】
以上のように、天然型V8プロテアーゼは非常に多くの生化学的研究又は遺伝子組換えによるペプチドの製造に用いられている。天然型V8プロテアーゼは蛋白の変性を起こさせることで知られている尿素を含む酵素反応液中(2M程度の尿素を含む)においてもある程度の切断反応を行なうため、遺伝子組換え法による有用ペプチド等の製造に用いられている。
【0008】
しかし、この天然型V8プロテアーゼの当該性質に加えて更に蛋白変性をもたらす環境条件下においても酵素活性を有する変異型V8プロテアーゼを作製し、用いることができれば、当該環境条件下においても酵素活性の失活が抑えられることになる。従って、当該性質を有する変異型V8プロテアーゼを用いることができれば、(1)蛋白変性剤存在下の反応系に加える酵素量が少なくてすむ、(2)または反応時間の短縮が行なえる、(3)更には高濃度の蛋白変性剤存在下や高温下で蛋白切断が行なえることにより今まで得られなかったペプチド断片が得られる等の利点があげられるために、研究上及び産業上、当該変異型V8プロテアーゼが非常に望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、蛋白変性をもたらすような環境条件においても酵素活性を有する変異型V8プロテアーゼを得ることを目的とし、更に本発明は、当該酵素蛋白をコードする遺伝子、当該遺伝子を有する発現ベクター、当該発現ベクターにより形質転換された組換え細胞及び当該酵素蛋白の製造方法に関するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、天然型V8プロテアーゼ遺伝子からPCR法で取得した野性型V8プロテアーゼ誘導体遺伝子にPCR法でランダム変異を起こさせ、適当な宿主を選択して、蛋白変性をもたらすような環境条件下でもより安定に酵素活性を示す変異型V8プロテアーゼ誘導体を発現する遺伝子を取得し、当該遺伝子によりコードされる遺伝子産物(蛋白質)が上記に述べた目的を十分に達成し、産業上非常に有用であることを確認することにより本発明を完成した。
【0011】
本明細書において、変異型V8プロテアーゼとは天然型V8プロテアーゼが蛋白変性をもたらすような環境条件においても酵素活性を有する酵素蛋白を意味し、野性型V8プロテアーゼ誘導体とは天然型V8プロテアーゼから当該蛋白のC末端の一部分を欠失させた酵素蛋白を意味し、変異型V8プロテアーゼ誘導体とは野生型V8プロテアーゼ誘導体に変異を起こさせた酵素蛋白を意味する。
なお、野性型V8プロテアーゼ誘導体にはC末端アミノ酸配列の異なる3種類の野性型V8プロテアーゼ誘導体が作製され、それらは各々(1) 野性型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)(略称、V8RPT(−))、(2)野性型V8プロテアーゼ誘導体D(略称、V8D) 、(3)野性型V8プロテアーゼ誘導体F(略称、V8F)と記載する。また、これらの野性型V8プロテアーゼ誘導体に変異が導入された変異型V8プロテアーゼ誘導体については、各誘導体の末尾に変異の種類を示す番号を記載することにより(例えば、V8RPT(−)1、V8D5、V8F158等)、導入されている変異の種類を表わす。
【0012】
従来知られている天然型V8プロテアーゼが変性をもたらすような環境条件としては、蛋白変性剤又は温度等により蛋白構造が変化する場合が挙げられるが、本明細書においては蛋白変性剤による場合、特に蛋白変性剤としての高濃度の尿素に対して十分な耐性を有する酵素蛋白を例に挙げて詳細に説明する。
前述のように天然型V8プロテアーゼのアミノ酸配列とDNA塩基配列は既に明らかになっているが、蛋白の高次構造は明らかになっていない。従って、どのアミノ酸を変えれば高濃度の尿素に対して耐性を有する性質が付加されるのかは全く不明である。
【0013】
そこで本発明者等は尿素耐性を示す本酵素の変異遺伝子を単離するには、本遺伝子をコードする遺伝子にランダムに変異を起こさせ、変異を持った遺伝子を発現プラスミドに組み込み、宿主細胞を組換えプラスミドで形質転換し、遺伝子発現を行なった後、天然型V8プロテアーゼが失活する5M尿素存在下でも酵素活性を示す酵素を発現する組換え体をスクリーニングする方法が適切であろうと考え本発明に係る以下の研究を行なった。
【0014】
まず、天然型V8プロテアーゼ遺伝子からPCR法で取得した野性型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)遺伝子を組み込んだプラスミドpV8RPT(−)を作製した。なお野性型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)とは天然型V8プロテアーゼのC末端の48アミノ酸を欠失した誘導体であり、プラスミドpV8RPT(−)はこの野性型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)と大腸菌β−ガラクトシダーゼ誘導体(β−gal97S4D)との融合蛋白を発現するプラスミドである。
【0015】
次に、pV8RPT(−)上の野生型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)遺伝子に対しPCR法によるランダム変異処理を行い、変異処理された野生型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)遺伝子のプールを調製した。この変異処理を受けた遺伝子プールをpV8RPT(−)上の野性型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)遺伝子と置換し、大腸菌JM101に形質転換を行ない、多数の組換え体を得た。これらの組換え体を培養し、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(以下IPTG)を添加し融合蛋白の遺伝子発現を行なった。培養液に最終濃度が約5Mになるように尿素を添加した後、本酵素の合成基質であるZ-Phe-Leu-Glu-4-nitroanilideを用いて酵素反応を行なった。
【0016】
約700株の組換え体をスクリーングした結果、上記の反応条件で酵素活性を有する4株の組換え体U1、U5、U7及びU8株が得られた。これらの変異株を用い5M尿素存在下での酵素活性を天然型V8プロテアーゼと比較したところ、いずれも天然型V8プロテアーゼよりはるかに高い尿素抵抗性を示した。
【0017】
更にこれらの組換え体よりプラスミドを単離し、変異型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)遺伝子のDNA塩基配列を決定したところ、U1株では147番目のアミノ酸のリジンがアルギニンに、U5株では71番目のアミノ酸のアスパラギンがセリンに、U7株では71番目のアミノ酸のアスパラギンがセリン及び147番目のアミノ酸のリジンがアルギニンに、U8株では44番目のアミノ酸のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換される変異を起こしていた。すなわちアミノ酸置換として3種類が得られ、とくにU7株由来のものはU1株とU5株由来のアミノ酸置換を組み合わせた2重変異であることが明らかとなった。
【0018】
野生型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)が尿素耐性を示すには上記の位置のアミノ酸変異が必要であることが本発明者等により始めて明らかにされた。これらのアミノ酸の位置はV8プロテアーゼ蛋白の構造を保つうえで重要な位置と考えられる。従って、これらの位置に他のアミノ酸を導入することにより本発明に係る酵素の蛋白構造が変化し、尿素耐性が上がることが十分に考えられる。
【0019】
得られた変異型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)において、2重変異を持つU7株由来のものが最も尿素耐性に優れていることから、本発明者等は、上記の3種類の変異を組み合わせて野生型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)遺伝子に導入すれば、個々の変異型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)が示す尿素耐性より更に耐性が増すのではないかと考え、3重変異を有する変異型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)遺伝子を作製し、その融合蛋白を発現させて尿素耐性を検討した。その結果、3重変異を有する変異型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)は、個々の変異型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)より高い尿素耐性を示すことが明らかになった。
【0020】
次に、本発明者等は上記の変異型V8プロテアーゼ誘導体の生産について検討した。この際、変異型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)とはC末端のアミノ酸配列が異なる変異型V8プロテアーゼ誘導体Dあるいは同Fを用い、まずそれらを不活性な封入体として発現させ、その後、活性ある変異型V8プロテアーゼ誘導体Dあるいは同Fを得る方法による生産を試みた。これは変異型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)では発現量が低く生産には不利なことによる。なお変異型V8プロテアーゼ誘導体Dおよび同Fを作製するにあたり使用した野生型V8プロテアーゼ誘導体D及び同Fは、それぞれ天然型V8プロテアーゼのC末端の56アミノ酸及び53アミノ酸を欠く誘導体である。
【0021】
野生型V8プロテアーゼ誘導体D及び野生型V8プロテアーゼ誘導体Fを発現させるプラスミドであるpV8D又はpV8Fに変異型V8プロテアーゼ誘導体遺伝子を組み込み、培養後、大腸菌β−ガラクトシダーゼ誘導体、変異型V8プロテアーゼ誘導体Dあるいは同F、及びアミノグリコシド3’−ホスホトランスフェラーゼ誘導体 (tAPT)からなる不溶性の融合蛋白を回収し、大腸菌の内因性ompTプロテアーゼによる融合蛋白の切断を尿素存在下に行い、変異型V8プロテアーゼ誘導体Dあるいは同Fを上記融合蛋白から切り出した。その後、各種の変異型V8プロテアーゼ誘導体Dあるいは同Fをリフォールディング工程、精製クロマト工程を経てを精製し工業スケールで生産が可能であることを示した。
【0022】
さらに精製した各種の変異型V8プロテアーゼ誘導体D又は同Fを用い、各種の蛋白変性をもたらす環境条件下、例えば、尿素存在下、SDS存在下及び高温における条件下における野性型との比較検討を行った。その結果、変異型は野性型に比べ尿素及びSDSによる失活速度が減少し、これらの変性剤に対する耐性を示すことが明らかになった。
【0023】
3重変異を持つ変異型V8プロテアーゼ誘導体FであるV8F158は5M尿素存在下においても天然型V8プロテアーゼより安定に酵素活性を有することから、融合蛋白からのペプチドの切断実験を行った。融合蛋白としては保護ペプチド(β−gal97S4D)とヒトC型心房性ナトリウム利尿ペプチド(CNP−22)がリンカーペプチドを介して融合され、V8プロテアーゼによりCNPが遊離される構造を有するβ−gal97S4DhCNP−22R5−3を用いた。
【0024】
5M尿素存在下にV8F158と天然型V8プロテアーゼのヒトC型心房性ナトリウム利尿ペプチド融合蛋白に対する切断効率を検討した結果、V8F158の方が非常に高い切断効率で上記融合蛋白を切断できることを実証した。
本発明者等の実施例から変異型V8プロテアーゼ誘導体F(V8F1、V8F5およびV8F8)は野性型V8プロテアーゼ誘導体Fに比べ、5M尿素濃度及び0.1%SDS存在下の酵素反応において変性剤に対する耐性を示すことが明らかになった。しかし、高温(50℃)での酵素反応の比較においては変異型V8プロテアーゼ誘導体F8(V8F8)は野性型V8プロテアーゼ誘導体F(V8F)に比べて熱安定性が低くなっていた。
【0025】
尿素と高温という蛋白変性条件の違いにより、それら変性条件に対する酵素の抵抗性に異なる結果が得られたが、変異部位のアミノ酸残基が当該蛋白の高次構造を保つのに重要であることを改めて示唆する結果であるといえる。従って、変異型V8プロテアーゼ誘導体F8(V8F8)の変異位置のアミノ酸を他のアミノ酸に置換すれば、温度に対する抵抗性があがると当業者にとり容易に推測できると考えられることから、本発明の有用性をそこなうものではない。
【0026】
本発明者等は、変異型V8プロテアーゼ誘導体、野性型V8プロテアーゼ誘導体及び天然型V8プロテアーゼについて、蛋白変性をもたらす環境条件下における酵素活性を比較することで、変異型V8プロテアーゼ誘導体の有用性を証明した。本発明者等により得られた結果から、これらの変異を天然型V8プロテアーゼに導入すれば蛋白変性をもたらす環境条件下においても天然型と同等以上の酵素活性を有することは当業者に容易に推測できることである。
従って、本発明に係る酵素蛋白は、蛋白変性もたらすような環境条件においても酵素活性を示す変異型V8プロテアーゼであり、望ましくは当該プロテアーゼが天然型V8プロテアーゼ中に少なくとも1つ以上の変異部位を有することを特徴とするプロテアーゼである。
【0027】
また、更に具体的に好ましい態様としては変異部位が天然型V8プロテアーゼ中のN末端から44番目のアスパラギン酸、71番目のアスパラギン及び/又は147番目のリジンの部位であることを特徴とするプロテアーゼであり、この場合、変異部位を1箇所、2箇所乃至3箇所有する場合等が挙げられる。
【0028】
そして、最も好ましい態様としては、
(1)変異部位が1箇所である場合、当該変異部位が天然型V8プロテアーゼ中のN末端から44番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換された場合、71番目のアスパラギンがセリンに置換された場合又は147番目のリジンがアルギニンに置換された場合等が挙げられ、
【0029】
(2)変異部位が2箇所である場合、当該変異部位が天然型V8プロテアーゼ中のN末端から44番目のアスパラギン酸及び71番目のアスパラギンの部位である場合(この場合、特に好ましのは44番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に、及び71番目のアスパラギンがセリンに置換された場合が挙げられる)、44番目のアスパラギン酸及び147番目のリジンの部位である場合(この場合、特に好ましのは44番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に、及び147番目のリジンがアルギニンに置換された場合が挙げられる)、又は71番目のアスパラギン及び147番目のリジンの部位である場合(この場合、特に好ましのは71番目のアスパラギンがセリンに、及び147番目のリジンがアルギニンに置換された場合)等が挙げられ、
【0030】
(3)変異部位が3箇所である場合、当該変異部位が天然型V8プロテアーゼ中のN末端から44番目のアスパラギン酸、71番目のアスパラギン及び147番目のリジンの部位である場合(この場合、特に好ましのは44番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に、71番目のアスパラギンがセリンに、及び147番目のリジンがアルギニンに置換された場合)等が挙げられる。
【0031】
上記の変異型V8プロテアーゼをコードする遺伝子の作製法としては、S. aureus から遺伝子を単離する方法、例えば報告されている天然型V8プロテアーゼ遺伝子配列からプライマーをデザインし、S. aureus の遺伝子バンクから単離する方法、または本発明者等が行ったPCR法などが挙げられる。さらに、明らかになっているS. aureus の天然型V8プロテアーゼ遺伝子配列から遺伝子を化学合成することも可能であることは言うまでもない。
【0032】
本明細書においてはPCR法で変異型V8プロテアーゼ誘導体遺伝子を作製したが、変異方法としては従来から知られている方法、例えばin vivo 法(変異誘発剤処理、紫外線及び放射線処理等)、種々のin vitro変異法を用い変異遺伝子を作製することができる。また、所謂自然突然変異選択法でも本発明に係る方法で変異株を選択できる。
【0033】
蛋白の変性をもたらす酵素反応条件としては尿素、SDSを含む反応液及び高温(例えば45℃以上)での酵素反応が上げられる、その他の蛋白変性剤としては塩酸グアニジンや界面活性剤等が挙げられる。蛋白変性作用を持つ酵素反応条件としては尿素の場合2〜5M、塩酸グアニジンの場合0、01〜6M、SDSの場合0、01〜10%、温度の場合45〜65℃等が挙げられる。
【0034】
本発明に係る蛋白変性をもたらす環境条件下においても酵素活性を有する変異型V8プロテアーゼ遺伝子の発現方法としては以下の方法が挙げられる。本明細書の実施例においては大腸菌を宿主細胞として用いたが、宿主細胞としては原核細胞においてはブドウ球菌、サルモネラ菌、放線菌、枯草菌等を挙げることができ、また、真核細胞においては糸状菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞等の宿主細胞を挙げることができる。これらの宿主細胞に通常用いられている形質転換法により、変異型V8プロテアーゼ遺伝子を導入することができる。
【0035】
形質転換に用いる発現プラスミドとしては、その宿主細胞で機能的に下流の遺伝子発現をコントロールできるプロモーターを有し、直接発現法や所謂融合蛋白発現法などを行える発現プラスミドが望ましい。また、ベクターとして遺伝子相同組換えを行えるベクターを用い、適当な宿主細胞の染色体に当該遺伝子を組み込み、当該蛋白を発現させることも可能である。さらには、当該遺伝子を組み込んだウイルスやファージを宿主細胞に感染させ当該遺伝子を発現させる方法も可能である。
【0036】
また、本発明に係る蛋白変性をもたらす環境条件下においても酵素活性を有する変異型V8プロテアーゼの製造方法に関して、本発明者等は非常に効率よい製造方法を実施例で示したが、この方法に限定されるだけでなく、既に知られている一般の遺伝子組換え技術により製造することができる。
【0037】
例えば、上述の発現方法を用いて(1)宿主細胞内で当該蛋白のN末端から直接発現させ可溶性あるいは不溶性蛋白として分離精製する製造する方法(2)宿主細胞内で融合蛋白として当該蛋白を可溶性あるいは不溶性融合蛋白として発現させ、プロセッシング酵素が切断できる条件で融合蛋白を切断し、当該蛋白を分離精製する製造方法、(3)宿主細胞外に当該蛋白を分泌させ、当該蛋白を分離精製する製造方法、(4)宿主菌のペリプラスムに可溶性及び不溶性の蛋白として当該蛋白を分離精製する製造方法等が挙げられる。当該蛋白を直接発現法及び融合蛋白法で発現させる場合、不溶性蛋白になった場合には適当なリフォールディング工程を経て分離精製し製造することは言うまでもない。
【0038】
本明細書の実施例においては、本発明に係る変異型V8プロテアーゼ誘導体の精製の為に、リフォールディング後、疎水性クロマトグラフィーを用いているが、他の精製方法でも、例えばゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー等の通常の蛋白の精製操作により高純度に精製できる。更に、リフォールディング反応終了時には当該酵素蛋白が活性化され夾雑蛋白を分解していまい、その結果、反応終了後の主要蛋白成分が変異型V8プロテアーゼ誘導体であることから、精製が非常に容易であることは述べるまでもない。
【0039】
【実施例】
以下に実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例1 野生型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)遺伝子の単離
PCR 法により野生型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)遺伝子の単離を行った。図1(b)に示す配列を持つ2種のPCRプライマーを設計し、DNA合成機(アプライド・バイオシステム社製392型)により合成した。プライマーA及びBは、図1(a)に示すV8プロテアーゼ遺伝子領域に対応し、各々の5’側にはXho I あるいはSal I 制限酵素認識配列を設けている。
【0040】
Jayaswal, R. K. ら(J. Bacteriol. 172:5783-5788 (1990))の方法により単離調製したS. aureus V8株(ATCC27733 )の染色体とこれらのPCRプライマーを用いてPCRを行った。1.0 μMのプライマー、1μgの染色体DNA、50mM KCl、10mM Tris-HCl, pH8.3、1.5mM MgCl2 、0.01% ゼラチン、200 μMのdNTP(dATP、dGTP、dCTP、dTTPの混合物)を含む50μl の反応液に2.5 ユニットのTaqDNAポリメラーゼを添加し、94℃・1分、72℃・2分、55℃・2分のPCRを30サイクル行った。その結果、プレプロ配列及びC末端の48アミノ酸を欠く野生型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)遺伝子が得られた。
【0041】
次に、これらの遺伝子を寒天ゲル電気泳動し、SUPREP-2(宝酒造(株))を用いて精製した後、制限酵素Xho I 及びSal I で切断し、Xho I 、Sal I の粘着末端をもつ野生型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)遺伝子断片を調製した。
【0042】
実施例2 発現ベクターpV8RPT(−) の作製及び野生型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)の発現
本実施例で用いるpG97S4DhCT〔G〕R6(Appl. Microbiol. Biotechnol. (1995) 42, 703-708 )は、大腸菌β−ガラクトシダーゼ誘導体とヒトカルシトニン前駆体(hCT〔G〕)との融合蛋白質を高発現するプラスミドであり、当該プラスミドはプラスミドpBR322とプラスミドpG97S4DhCT〔G〕より作製することができる(図2)。
【0043】
なお、プラスミドpG97S4DhCT〔G〕を含有する大腸菌W3110株はブダペスト条約に基づいて工業技術院生命工学技術研究所にEscherichai coli SBM323 として1991年8月8日に寄託されており、受託番号微工研条寄第3503号(FERM BP−3503)が付与されている。
【0044】
PCRにより得られた野生型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)遺伝子を発現させるため、pG97S4DhCT〔G〕R6をXho I 及びSal I で処理し、ヒトカルシトニン前駆体遺伝子部を欠いたDNA断片(3.1kb )を寒天ゲル電気泳動により調製した。このDNA 断片と先に得られたXho I 、Sal I の粘着末端をもつ野生型V8プロテアーゼ遺伝子断片をT4DNAリガーゼにより連結し、JM101(本菌株は、例えばStratagene社等より入手できる)に形質転換を行い、pV8RPT(−)を作製した(図3)。このプラスミドより発現される野生型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)とβ−ガラクトシダーゼ誘導体との融合蛋白質(βG97V8RPT(-) ) のアミノ酸配列を図4に示す。
【0045】
JM101/pV8RPT(−)を100mlのLB培地(0.5 %酵母エキス、1.0 %トリプトン、0.5 %NaCl)を用い37℃でOD660が1.0になるまで培養後、IPTGを最終濃度が2mMになるように添加し発現の誘導を行った。添加後さらに2時間培養を継続した後、菌体を遠心分離により回収し、OD660が5となるようにTEバッファー(10mM Tris-HCl(pH8.0),1mM EDTA )に懸濁した。当該懸濁液を超音波破砕機(Cellruptor; 東湘電気(株))で破砕後、12000rpm、5分の遠心分離により不溶性画分を除去し、上清画分を粗酵素液として使用した。
【0046】
V8プロテアーゼの活性測定には合成基質(Z-Phe-Leu-Glu-4-nitroanilide;ベーリンガーマンハイム社製)を用いた。940 μl の100mM Tris-HCl(pH8.0 )緩衝液に20μl の10mM Z-Phe-Leu-Glu-4-nitroanilide 溶液(DMSO溶液)を混合後、40μl の粗酵素液を添加し、室温5分間の反応による405nm の吸収増加を測定した。測定には日立分光光度計U-3200を使用した。
【0047】
その結果、JM101/pV8RPT(−)においては、それらの菌体より調製した粗酵素液には8μg/mlの天然型V8プロテアーゼに相当する活性が認められ、β−ガラクトシダーゼ誘導体との融合蛋白質の形で、かつプレプロ配列及びC末端リピート配列を欠いた状態で活性があることが判明した。
【0048】
実施例3 PCRによるV8プロテアーゼ誘導体RPT(−)遺伝子の変異処理
尿素に対して耐性を持つV8プロテアーゼを得るため、PCRにより野生型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)遺伝子を変異処理した。実施例2で得られたpV8RPT(−)(図3)は、C末端の48アミノ酸が欠失した野生型V8プロテアーゼ誘導体(V8RPT(−))を、大腸菌βーガラクトシダーゼ誘導体(β−gal97S4D)との融合蛋白質として発現するプラスミドであり、菌体内の可溶性画分に発現した融合蛋白質(以後、本融合蛋白質をβG97V8RPT(−)と表記する)はV8プロテアーゼ活性を持つ。
【0049】
当該プラスミドのβG97V8RPT(−)遺伝子に対し、図5(a)に示すプライマーを用いて、PCRを行った(図5(b))。1μmol のプライマー、50ngのpV8RPT(−)、50mM KCl、10mM Tris-HCl (pH8.3) 、1.5mM MgCl2 、0.01% ゼラチン、10% ジメチルスルホキシド(DMSO)、各1mMの dGTP, dCTP, dTTP 、200 μM dATP を含む50μl の反応液に2.5ユニットのTaqDNAポリメラーゼを添加し、94℃・1分、72℃・2分、55℃・2分のPCRを30サイクル行った。得られたPCR産物(1Kbp)はクロロホルム処理、エタノール沈殿処理の後、50μl のTEバッファー(10mM Tris-HCl (pH8.0),
1mM EDTA )に溶解した。
【0050】
実施例4 尿素耐性をもつ変異型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)のスク リーニング(1次スクリーニング)
実施例3で得られたPCR産物を制限酵素Bgl II及びSal I で切断後、変異処理を受けた野生型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)遺伝子を含む0.8KbpのDNA断片を0.8 %アガロースゲル電気泳動の後単離し、これをライゲーションキット(宝酒造(株)製)を用いて、pV8RPT(−)由来のBgl II-Sal I 3.0Kbp 断片と連結した(図6)。反応終了後、塩化カルシウム法により大腸菌JM101(本菌株はIn Vitrogen Catalog No. c660-00 より入手可)に形質転換し、10μg/mlのテトラサイクリンを含むLB寒天培地(1 %トリプトン、0.5 %酵母エキス、0.5 %NaCl、1.5 %寒天)で形質転換体を取得した。なお、制限酵素反応、アガロースゲル電気泳動、形質転換の各操作は常法に従った。
【0051】
次に、5 mg/ml グリセリン、6 mg/ml Na2HPO4 、3 mg/ml KH2PO4、0.5 mg/ml NaCl、1.0mg/ml NH4Cl、2 mM MgSO4・7H2O、0.1mM CaCl2 , 40μg/mlの各アミノ酸(20種類)、1 μg/ml塩酸チアミン、5 μg/mlテトラサイクリンを含む培地(pH 7.4)を調製し、96ウェル培養プレート(コーニング社製;製品番号25860 )に50μl ずつ分注した。この培地に先の形質転換体を1 株ずつ接種し、37℃で培養した。1晩静置培養後、各ウェルに同組成の新鮮な培地を50μl 分注し、さらに37℃で3時間静置培養した。その後、50mMのIPTG溶液を10μl 分注し、37℃で1時間、遺伝子発現を誘導した。
【0052】
次に、10mg/ml のリゾチーム水溶液を30μl 添加し、10分放置後、0.1 %トリトンX-100, 5mM EDTA (pH8.0) を含む溶液を30μl 添加し、溶菌処理を行った。
続いて、10M 尿素を含む0.1M Tris-HCl (pH8.0) を160 μl 添加し(最終尿素濃度4.85M )、30℃で30分間放置後、10μl の20mMの Z-Phe-Leu-Glu-4-nitroanilide (ベーリンガーマンハイム社製)を含むDMSO溶液を添加し、30℃で1晩反応させた。
【0053】
約700個の形質転換体に対して上記のスクリーニングを行ったところ、酵素基質である Z-Phe-Leu-Glu-4-nitroanilide の分解より生ずる黄色の発色が、他に比べ強いものが4株得られ、これらの名称をU1、U5、U7及びU8とした。
【0054】
実施例5 尿素耐性をもつ変異型V8プロテアーゼ誘導体RPT(− ) のスクリーニング(2次スクリーニング)
この4株(U1、U5、U7及びU8)を10mlのLB培地(0.5 %酵母エキス、1.0 %トリプトン、0.5 %NaCl)でOD660が1.0になるまで37℃で培養後、IPTGを最終濃度が2mMになるように添加し、さらに2時間培養を継続した後、菌体を遠心分離により回収した。
【0055】
次に、菌体をOD660が5となるようにTEバッファー(10mM Tris-HCl (pH8.0),1mM EDTA )に懸濁し、超音波破砕機(Cellruptor; 東湘電気(株))により菌体を破砕した。破砕液を12000rpm 、5分の遠心分離により不溶性画分を除去し、上清画分を粗酵素液として用いた。
【0056】
プロテアーゼ活性の測定は940 μl の50mM Tris-HCl(pH8.0)緩衝液に20μl の20mM Z-Phe-Leu-Glu-4-nitroanilide 溶液を混合後、40μl の粗酵素液を添加し、室温5分間の反応による405nm の吸収増加を日立分光光度計U-3200により測定した。4株由来の粗酵素液についてV8プロテアーゼ活性を測定した後、次に天然型V8プロテアーゼ(例えば、エンドプロテイナーゼGlu-C ;ベーリンガーマンハイム社製)0.2 μg の酵素活性に相当する粗酵素液を用いて、尿素存在下における反応の経時変化を調べた。実験操作は、5M尿素、50mM Tris-HCl (pH8.0) 、0.4mM Z-Phe-Leu-Glu-4-nitroanilide、2%DMSOを含む反応液1mlで行い、405nm の吸収増加により反応の経時変化を測定した(日立分光光度計U-3200使用)。図7にその結果を示す。
【0057】
図7より明らかなように、変異株U1、U5、U7及びU8が生産する変異型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)の融合蛋白質(以後、各々βG97V8RPT(−)1、βG97V8RPT(−)5、βG97V8RPT(−)7及びβG97V8RPT(−)8と表記する)は野生型のβG97V8RPT(−)に比べ基質の分解活性が持続し、尿素に対して耐性であることが示された。
【0058】
実施例6 変異部位の同定及び組み合わせの変異を持つ変異型 V 8プロテアーゼ誘導体RPT(−)融合蛋白質の作製
変異株U1、U5、U7及びU8より、常法に従い、プラスミドを単離・精製した。これらのプラスミドを以後、pV8RPT(−)1、pV8RPT(−)5、pV8RPT(−)7及びpV8RPT(−)8とする。
次に、各々のプラスミド上の変異型V 8プロテアーゼ誘導体遺伝子のDNA塩基配列をPharmacia 製DNAシーケンサー(A.L.F. DNA Sequencer )により決定した。DNA塩基配列の決定に際してはPharmacia 製 AutoRead Sequencing Kit を用い、フロオロdUTPを用いた蛍光ラベル法により行ない、プライマーには以下に示すものを使用した。
【0059】
プライマーA(図4に示された野生型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)をコードする遺伝子の最初の塩基を番号1とした場合、番号1から21の部位とアニールするセンスプライマー); 5′ACCGCTCGAGGTTATATTACCAAATAACGAT 3′
プライマーD1(同様に番号266から294の部位とアニールするセンスプライマー); 5′CAGGCGAAGGAGCGCTAGCAATAGTTAAA 3′
プライマーD2(同様に番号266から294の部位とアニールするアンチセンスプライマー); 5′TTTAACTATTGCTAGCGCTCCTTCGCCTG 3′
【0060】
DNAシーケンス操作はメーカーの手順書に従った。その結果、4種の変異株が生産する変異型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)には図8に示す変異が生じていることが判明した。特にpV8RPT(−)7上の変異型V8プロテアーゼ誘導体は2重変異であり、pV8RPT(−)1及びpV8RPT(−)5の変異を合わせたものであることも判明した。従って、図7において、βG97V8RPT(−)7が、βG97V8RPT(−)1やβG97V8RPT(−)5に比べ高い活性示した理由は2重変異のためと考えられた。これは変異を組み合わせることにより、さらに尿素に強い酵素を作り出せる可能性を意味している。
【0061】
このことを確かめるため、得られた3種類の変異を全て持つpV8RPT(−)158を作製した。作製にはV8プロテアーゼ遺伝子に存在する制限酵素部位(Dra I 、EcoR I )を利用し、図9に示す手順により行った。pV8RPT(−)7の0.4Kbp Dra I- EcoR I 断片をpV8RPT(−)8のそれと交換することによりpV8RPT(−)158を作製した。
【0062】
本プラスミド由来の3重変異型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)(βG97V8RPT(−)158)について先に示した手順により、5M尿素存在下における反応の経時変化を調べた(図10参照)。その結果、βG97V8RPT(−)158はβG97V8RPT(−)7以上に合成基質の分解反応が持続することが判明し、3つの変異は加算的に尿素耐性を付与することが明らかとなった。
【0063】
実施例7 発現ベクターpV8Dの作製
野生型V8プロテアーゼ誘導体D(V8D)を不活性な封入体として発現させるプラスミドpV8Dは図11及び図12に示す手順で作製した。まず、pV8RPT(−)よりBgl II-Sal I断片(3.0kb )及びEcoRV-Bgl II断片(0.7kb )を調製し、pG97S4DhCT〔G〕R10より調製したNar I-Sal I 断片(0.2kb )と連結させることによりpV8hCT〔G〕を得た(図11)。なお、pG97S4DhCT〔G〕R10(Appl. Microbiol. Biotechnol. (1995) 42, 703-708) は上記実施例2のpG97S4DhCT〔G〕R6と同様にプラスミドpBR322とプラスミドpG97S4DhCT〔G〕より作成することができる(図2)。
【0064】
次に、得られたpV8hCT〔G〕のhCT〔G〕部分(0.1kb BstE II-Sal I 断片)をpUC4K(Vieira, J. and Messing, J., Gene 19, 259 (1982) ;ファルマシア バイオテク社より製品番号27-4958-01として容易に入手できる)のアミノグルコシド3’−ホスホトランスフェラーゼ遺伝子(APT)領域を含む0.8kb SmaI-Sal I断片と入れ換えpV8Dを作製した(図12)。当該プラスミドより発現される野生型V8プロテアーゼ誘導体D(V8D)の融合蛋白質のアミノ酸配列を図13に示す。野生型V8プロテアーゼ誘導体Dは天然型プロテアーゼのC末端の56アミノ酸を欠いた誘導体である。
【0065】
当該融合蛋白においては、天然型V8プロテアーゼのN末端から212番目のアミノ酸(EcoRV 部位)までを用いて融合蛋白を作製した。即ち、当該融合蛋白質は、野生型V8プロテアーゼ誘導体D(V8D)のN末端及びC末端部においてR6リンカー配列を介してβーガラクトシダーゼ誘導体及びアミノグルコシド3’−ホスホトランスフェラーゼの一部(tAPT)と各々融合した構造をもつ。
なお、R6リンカーは、アミノ酸配列としてRLYRRHHRWGRSGSPLRAHEQFLEを有し、当該配列中のRRの中央のペプチド結合が大腸菌のompTプロテアーゼにより切断される構造を有している。
【0066】
実施例8 発現ベクターpV8Fの作製
野生型V8プロテアーゼ誘導体F(V8F)を不活性な封入体として発現させるプラスミドであるpV8Fは、上記野生型V8プロテアーゼ誘導体D(V8D)よりもV8プロテアーゼ部分がC末端側に3アミノ酸長い誘導体を融合蛋白質として発現するプラスミドであり、PCR法と遺伝子クローニングを用いて以下の方法により作製した。
【0067】
まず、プライマーIV;
【化1】
【0068】
及びプライマーV;
【化2】
【0069】
を合成し、鋳型DNAとして実施例2で作製したpV8RPT(−)を0.1 μg 用いて野生型V8プロテアーゼ誘導体遺伝子側の増幅反応を行った後、EcoR I及びSac I で切断し0.1kb の遺伝子断片を調製した。
【0070】
一方、プライマーVI;
【化3】
【0071】
及びプライマーVII;
【化4】
【0072】
を合成し、鋳型DNAとしてpV8Dを0.1 μg 用いてR6リンカー配列とアミノグルコシド3’−ホスホトランスフェラーゼ遺伝子部の増幅反応を行った後、EcoT22I 及びSac I で切断し0.3kb の遺伝子断片を調製した。なお、PCRは実施例1の条件に従った。
【0073】
上記のようにして得られた0.1kb 及び0.3kb の遺伝子と、pV8DのEcoRI-EcoT22I 断片(4.2kb )を連結しpV8Fを作製した(図14)。当該プラスミドより発現される野生型V8プロテアーゼ誘導体F(V8F)の融合蛋白質のアミノ酸配列を図15に示す。野生型V8プロテアーゼ誘導体Fは天然型プロテアーゼのC末端の53アミノ酸を欠いた誘導体である。
【0074】
実施例9 変異型V8プロテアーゼ誘導体D(V8D)及び同F(V8F)の生産、及び尿素耐性の確認
pV8D及びpV8Fを用いて変異型V8プロテアーゼ誘導体D(V8D)及び同F(V8F)の高発現を試みた。
(1)変異型V8プロテアーゼ誘導体D
図16に示すように、pV8RPT(−)1、pV8RPT(−)5及びpV8RPT(−)8由来の 0.7kbp Bgl II-EcoR I 断片を、pV8Dの3.9kbp Bgl II- EcoR I 断片にそれぞれ挿入してpV8D1、 pV8D5及びpV8D8を作製した。
【0075】
これらのプラスミドを有するJM101をファーメンター(小松川化工機製、30L Kit Fermenter )を用いて、4 g/L K2HPO4、4 g/L KH2PO4、2.7 g/L Na2HPO4 、0.2 g/L NH4Cl 、1.2 g/L (NH4)2SO4 、4 g/L 酵母エキス、2 g/L MgSO4 ・7H2O、40 mg/L CaCl2 ・2H2O、40 mg/L FeSO4 ・7H2O、10 mg/L MnSO4 ・nH2O、10 mg/L AlCl3 ・6H2O、4 mg/L CoCl2・6H2O、2 mg/L ZnSO4・7H2O、2 mg/L Na2MoO4・2H2O、1 mg/L CuCl2・2H2O、0.5 mg/L H3BO4, 10mg/L テトラサイクリンを含む培地(20L, pH7.0)でグリセリンを逐次添加しながら、37℃でOD660が10になるまで培養後、最終濃度2mMのIPTGを添加し、さらに3時間培養をした。
【0076】
培養液をマントンゴリーンホモジナイザー(マントンゴーリン社製、モデル15M-8TBA)により600Kg/cm2 の条件でホモジナイズ処理し、7000 rpm、30分の遠心分離により沈殿画分を回収した。沈殿のOD660値が100となるように脱イオン水を添加した後、15 ml を採取し1M Tris-HCl (pH8.0 )を2.5ml 、1 M ジチオスレイトール(DTT)を250 μl 、及び尿素を12g加え封入体を溶解し、50 ml になるように脱イオン水を加え、37℃で6時間加温した。
【0077】
その後、0.4M (NH4)2SO4を含む 10 mMリン酸カリウムバッファー(pH7.5 )で21倍希釈し、氷中に一晩放置した。このリフォールディング操作により約80μg/mlの各々の変異型V8プロテアーゼ誘導体D、即ち、pV8D1、pV8D5及びpV8D8由来の変異型V8プロテアーゼ誘導体DであるV8D1、V8D5及びV8D8が得られた。
【0078】
次に、各々のプロテアーゼを精製するため、(NH4)2SO4 を最終1.8Mになるように添加した後、300ml をブチルトヨパール650M(東ソー株式会社製)を用いた精製に供した。1.8 M (NH4)2SO4 を含む 10 mMリン酸カリウムバッファー(pH7.5 )で平衡化したφ16mmX62mm のカラムに試料を添加し、(NH4)2SO4 濃度1.8 M から0 M への直線濃度勾配により精製を行った。各々のプロテアーゼは(NH4)2SO4 濃度0.9 M の付近で溶出され、精製酵素が約20mg得られた。
なお、精製酵素の活性は実施例3に記載の方法により測定した。
【0079】
精製したV8D1、V8D5及びV8D8を用いて、尿素に対する耐性を再度調べた。3M尿素、50mM Tris-HCl (pH 8.0)、2%DMSOを含む反応液 960 μl に各変異型酵素(V8D1、V8D5及びV8D8)を 40 μl (濃度150 μg/ml)添加し、30℃で30分放置後、合成基質(Z-Phe-Leu-Glu-4-nitroanilide)を最終濃度0.4mM になるように添加し、酵素添加直後の活性を100%とした際の各酵素の残存活性を測定した。これらの対照としてpV8D由来の野性型V8プロテアーゼ誘導体D(V8D)を同操作で生産したものを用いた。その結果、V8D1、V8D5及びV8D8はV8Dに比べ残存活性が高く、これらの変異の導入により、尿素に対する耐性が向上した変異型V8プロテアーゼ誘導体Dが生産できることが明らかになった(図17)。
【0080】
(2)変異型V8プロテアーゼ誘導体F
pV8Fへの変異の導入についても検討を行った。図18に示す手順により、pV8RPT(−)1、pV8RPT(−)5、pV8RPT(−)7、pV8RPT(−)8及びpV8RPT(−)158由来の 0.7kbp Bgl II-EcoR I 断片を、pV8Fの3.9kbp Bgl II- EcoR I 断片に挿入してpV8F1、pV8F5、pV8F7、pV8F8及びpV8F158を作製した。
【0081】
これらのプラスミドを持つJM101株を用いて、各変異を持つ変異型V8プロテアーゼ誘導体F、即ち、pV8F1、pV8F5、pV8F7、pV8F8及びpV8F158由来の変異型V8プロテアーゼ誘導体FであるV8F1、V8F5、V8F7、V8F8及びV8F158を上記の方法により分離した。
精製したV8F1、V8F5、V8F7、V8F8、V8F158、及びこれらの対照としてpV8F由来の野性型V8プロテアーゼ誘導体F(V8F)を同操作で生産したものを用いて尿素に対する耐性を再度調べた。その結果、各変異酵素は5M尿素存在下において尿素耐性に優れていることが再確認され(図19)、これにより尿素耐性に優れた変異型V8プロテアーゼ誘導体Fが生産できることが示された。
【0082】
実施例10 ドデシル硫酸ナトリウム( 0.1 %)及び熱( 50 ℃)に対するV8F1、V8F5、V8F8の安定性のついての検討
実施例9で得られたV8F1、V8F5、V8F8を用いて、ドデシル硫酸ナトリウム(以下、SDS)及び熱に対する安定性についての検討を行った。SDSの場合、0.1 %SDS、50mM Tris-HCl (pH8.0 )、天然型V8プロテアーゼ 4.0μg /mlの酵素活性に相当する各酵素(V8F1、V8F5、V8F8)を含んだ溶液を30℃でインキュベートし、一定時間ごとにそれより900 μl 採取した後、100 μl の4mM Z-Phe-Leu-Glu-4-nitroanilide、20%DMSO溶液を添加し、それらの残存活性を測定した。
【0083】
また、50℃に対する熱安定性については、50mM Tris-HCl (pH8.0 )、天然型V8プロテアーゼ 4.0μg /mlの酵素活性に相当する各酵素(V8F1、V8F5、V8F8)を含んだ溶液を50℃でインキュベートし、一定時間ごとにそれらより900 μl 採取後氷冷し、それらの残存活性を測定した。
【0084】
図20に示すように変異型の酵素であるV8F1、V8F5、V8F8は対照である野性型のFに比べ失活速度が減少し、0.1 %SDSに対する安定性が上昇している。このことより3種の尿素耐性変異、Lys147Arg (V8F1)、Asn71Ser(V8F5)及びAsp44Glu (V8F8) の導入はSDSに対する変性に対しても有効であることが判明した。また、50℃における熱失活については、V8F1、V8F5が野性型V8Fに比べ失活速度が減少し、Lys147Arg 及びAsn71Serの変異は耐熱性も付与することが明らかとなった(図21)。
【0085】
実施例11 V8F158による融合蛋白質の切断
V8F158(3重変異型V8プロテアーゼ誘導体F)を用い、尿素存在下における蛋白質の切断実験を行った。実験にはpG97S4DhCNP−22R5−3由来の融合蛋白質を基質として用いた。当該融合蛋白質β−gal97S4DhCNP−22R5−3は、保護ペプチド(β−gal97S4D)とヒトC型ナトリウムペプチド(hCNP)がリンカーを介して融合され、V8プロテアーゼによりhCNPが遊離される構造を有している(特開平5−328992)。
【0086】
5M尿素存在下における融合蛋白質からのhCNPの切り出しについて天然型V8プロテアーゼとV8F158で比較した。pG97S4DhCNP−22R5−3由来の融合蛋白質、当該融合蛋白質の発現、当該発現封入体の回収、V8プロテアーゼの反応条件、融合蛋白質及び遊離したhCNPの分析は特開平5−328992に記載の条件に従った。但し、反応時の尿素濃度は5Mとし、V8F158は天然型V8プロテアーゼに換算して4 μg/mlの活性に相当する量を添加した。
【0087】
30分反応後、切断効率(切断された融合蛋白質の割合)をHPLCのピークから算出したところ、天然型V8プロテアーゼが60%であったのに対し、V8F158は98%であり、高濃度の尿素下におけるV8F158の有効性が融合蛋白質の切断反応においても示された。
【0088】
【発明の効果】
従来公知の天然型V8プロテアーゼは2M程度の尿素を含む酵素反応液中でもある程度の切断反応を行なうために遺伝子組換え法による有用ペプチド等の製造に用いられているが、上述したように、本発明に係る酵素はこの天然型酵素の性質に更に尿素耐性が付加されている。従って、本発明に係る酵素を用いれば高濃度の尿素存在下でも酵素活性の失活が抑えられることにより、尿素存在下の反応系に加える酵素量が少なくてすみ、また、反応時間の短縮が行なえる。更には高濃度尿素存在下で蛋白切断が行なえることにより今まで得られなかったペプチド断片が得られる等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、(a)スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus )V8プロテアーゼ遺伝子の構成と当該遺伝子におけるアニーリング部位、及び(b)クローニングに用いたPCR用プライマーの塩基配列を示す図である。
【図2】図2は、プラスミドpG97S4DhCT[G]R6及びプラスミドpG97S4DhCT[G]R10の作製過程を示す図である。
【図3】図3は、プラスミドpV8RPT(−)の作製過程を示す図である。
【図4】図4は、プラスミドpV8RPT(−)中にコードされている融合蛋白質のアミノ酸配列を示す図である。下線部は野生型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)の配列部分を表し、二重下線部はR6リンカーのアミノ酸配列を示す。
【図5】図5は、(a)クローニングに用いたPCR用プライマーの塩基配列、及び(b)プラスミドpV8RPT(−)の構成と当該プラスミドに係る遺伝子におけるアニーリング部位を示す図である。
【図6】図6は、プラスミドpV8RPT(−)へのPCR変異の導入を示す図である。
【図7】図7は、5M尿素存在下における変異型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)の反応経時変化を示す図である。
【図8】図8は、変異型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)における変異部位の同定結果を示す図である。
【図9】図9は、プラスミドpV8RPT(−)158の作製過程を示す図である。
【図10】図10は、2重変異及び3重変異を持つ変異型V8プロテアーゼ誘導体RPT(−)の5M尿素存在下における反応経時変化を示す図である。
【図11】図11は、 プラスミドpV8hCT〔G〕の作製過程を示す図である。
【図12】図12は、 プラスミドpV8Dの作製過程を示す図である。
【図13】図13は、プラスミドpV8D中にコードされている融合蛋白質のアミノ酸配列を示す図である。下線部は野生型V8プロテアーゼ誘導体D(V8D)の配列部分を表し、二重下線部はR6リンカーのアミノ酸配列を示す。また、矢印はOmpTプロテアーゼにより切断される部位を表す。
【図14】図14は、プラスミドpV8Fの作製過程を示す図である。V8F遺伝子は野性型V8プロテアーゼ誘導体F(V8F)をコードする遺伝子である。
【図15】図15は、プラスミドpV8F中にコードされている融合蛋白質のアミノ酸配列を示す図である。下線部は野生型V8プロテアーゼ誘導体F(V8F)の配列部分を表し、二重下線部はR6リンカーのアミノ酸配列を示す。また、矢印はOmpTプロテアーゼにより切断される部位を表す。
【図16】図16は、プラスミドpV8D1、pV8D5及びpV8D8の作製過程を示す図である。
【図17】図17は、プラスミドpV8D1、pV8D5及びpV8D8由来の変異型V8プロテアーゼD(V8D1、V8D5、V8D8)とpV8D由来の野性型V8プロテアーゼ誘導体D(V8D)の3M尿素存在下での残存活性を示す図である。
【図18】図18は、プラスミドpV8F1、pV8F5、pV8F7、pV8F8及びpV8F158の作製過程を示す図である。
【図19】図19は、プラスミドpV8F1、pV8F5、pV8F7、pV8F8及びpV8F158由来の変異型V8プロテアーゼ誘導体F(V8F1、V8F5、V8F7、V8F8及びV8F158)とpV8F由来の野性型V8プロテアーゼ誘導体F(V8F) の5M尿素存在下での反応経時変化を示す図である。
【図20】図20は、プラスミドpV8F1、pV8F5及びpV8F8由来の変異型V8プロテアーゼ誘導体F(V8F1、V8F5及びV8F8)と野性型V8プロテアーゼ誘導体F(V8F)の0.1%SDSにおける安定性を示す図である。
【図21】図21は、プラスミドpV8F1、pV8F5及pV8F8由来の変異型V8プロテアーゼ誘導体F(V8F1、V8F5及びV8F8)と野性型V8プロテアーゼ誘導体F(V8F)の50℃における熱安定性を示す図である。
Claims (10)
- 下記のアミノ酸配列(1文字表記)(I):
VILPNNDRHQ ITDTTNGHYA PVTYIQVEAP
TGTFIASGVV VGKDTLLTNK HVVDATHGDP
HALKAFPSAI NQDNYPNGGF TAENITKYSG
EGDLAIVKFS PNEQNKHIGE VVKPATMSNN
AETQVNQNIT VTGYPGDKPV ATMWESKGKI
TYLKGEAMQY DLSTTGGNSG SPVFNEKNEV
IGIHWGGVPN EFNGAVFINE NVRNFLKQNI
ED
を含む天然型スタフィロコッカス・アウレウスV8プロテアーゼのアミノ酸配列において、上記アミノ酸配列(I)の44位の置換D(Asp)→Glu、71位の置換N(Asn)→Ser及び147位の置換K(Lys)→Argの少なくとも1個を有する変異型スタフィロコッカス・アウレウスV8プロテアーゼ。 - 前記置換の数が1個、2個又は3個である、請求項1に記載の変異型スタフィロコッカス・アウレウスV8プロテアーゼ。
- 前記置換の数が1個である、請求項1又は2に記載の変異型スタフィロコッカス・アウレウスV8プロテアーゼ。
- 44位の置換Asp→Gluと71位の置換Asn→Ser、44位の置換Asp→Gluと147位の置換Lys→Arg、又は71位の置換Asn→Serと147位の置換Lys→Arg、のいずれかを有する請求項1又は2に記載の変異型スタフィロコッカス・アウレウスV8プロテアーゼ。
- 71位の置換Asn→Serと147位の置換Lys→Argとを有する、請求項4に記載の変異型スタフィロコッカス・アウレウスV8プロテアーゼ。
- 44位の置換Asp→Glu、71位の置換Asn→Ser及び147位の置換Lys→Argの全てを有する、請求項1又は2に記載の変異型スタフィロコッカス・アウレウスV8プロテアーゼ。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の変異型スタフィロコッカス・アウレウスV8プロテアーゼをコードする遺伝子。
- 請求項7に記載の遺伝子を有する発現ベクター。
- 請求項8に記載の発現ベクターにより形質転換された組換え細胞。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の変異型スタフィロコッカス・アウレウスV8プロテアーゼの製造方法において、請求項9に記載の組換え細胞を培養した後、当該培養物から目的のプロテアーゼ蛋白質を採取することを特徴とする当該プロテアーゼの製造方法。
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