JP3853090B2 - シャッターの軸受 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャッターの巻取軸を支持する軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シャッターの開閉は、モータを用いた開閉機によって巻取軸を駆動することによって行われる。巻取軸は、両端近傍において、シャッターケースのブラケットに取り付けた軸受によって支持され、巻取軸に取り付けられたシャフトスプロケットに開閉機からの回転力をチェーンにより伝達してシャッターの開閉が行われる。
【0003】
図11は、従来のシャッターの一例の説明図であり、図11(A)は側面方向からの説明図、図11(B)は正面方向からの説明図である。図中、1はシャッタースラット、2は巻取軸、3,4は軸受、5は開閉機、6,7はスプロケット、8はチェーン、9はブラケット、10はケースである。シャッタースラット1は、巻取軸2によって巻き取られて上昇し、巻き戻されて下降する。巻取軸2は、軸受3,4によって、回転可能に支持され、巻取軸2には、スプロケット6が取り付けられている。開閉機5の出力軸にはスプロケット7が取り付けられ、両スプロケット6,7は、チェーン8によりトルク伝達が行なわれる。軸受3は、ブラケット9により支持され、開閉機5は、図示しない別のブラケットに支持されている。このように、開閉機5を支持するブラケット9と軸受3を支持するブラケットが別体となったものは、納まりが大きくなることは避けられない。
【0004】
図12は、従来のシャッターの他の一例の説明図であり、図12(A)は側面方向からの説明図、図12(B)は正面方向からの説明図である。図中、図11と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。この例では、開閉機5を支持するブラケットと軸受3を支持するブラケットが一体的に構成されている。このように一体型ブラケットを用いた構造のものは、納まりがコンパクトにできる利点がある。
【0005】
一方、チェーンのスプロケットからの脱落や、開閉機の故障等により、ブレーキがきかなくなった場合に、巻き上げられたシャッタースラットが落下したり、巻き上げ中のシャッタースラットが落下することがあり、危険である。
【0006】
図13は、図11で説明したシャッターに落下防止装置を取り付けた一例の説明図であり、図13(A)は側面方向からの説明図、図13(B)は正面方向からの説明図である。図中、図11と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。11は落下防止装置である。図11と比較して、落下防止装置11を巻取軸に取り付けたことにより、ケースの長さ長くなり、シャッターを設置する場所によっては、取付上の問題となることがある。
【0007】
図14は、図12で説明した一体型のブラケットを用いたシャッターに落下防止装置を取り付けた一例の説明図であり、図14(A)は側面方向からの説明図、図14(B)は正面方向からの説明図である。図中、図11,図13と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。図12で説明したように、一体型のブラケットを用いたことにより納まりがコンパクトにはなるとしても、落下防止装置11を設するためのスペースを必要とし、ケースの長さが長くなることは避けられない。
【0008】
このように、落下防装置を巻取軸に直結して用いる場合は、落下防止装置を取り付けるためのスペースが必要となるため、シャッターの納まりが大きくなるという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、シャッターの納まりを大きくすることなく落下防止が可能であり、また、確実に落下防止ができるシャッターの軸受を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、固定部と該固定部に回転自在に支持された回転部を有し、該回転部にシャッターの巻取軸が一体化されているシャッターの軸受において、前記回転部には、周上にローラを収納できる複数の凹溝が形成されたディスク部が設けられるとともに、前記固定部には、前記ディスク部を取り囲む内周部が設けられ、該内周部は、前記ディスク部の包絡線に接近した下方部分と前記ディスク部の包絡線と前記ローラの外径の略1/2の間隔を開けた上方部分からなり、前記ディスク部の前記凹溝は、前記内周部の下方部分において前記ローラを収納して前記ディスク部を回転可能とする第1の部分と前記凹溝の開口部の一方側に形成され前記ローラを前記上方部分に位置することを可能とする第2の部分からなり、前記ローラは、変形可能な中空体として形成されたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシャッターの軸受において、前記上方部分に前記ローラを位置させるようにする押し上げるガイドが設けられたことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のシャッターの実施の形態の一例の説明図であり、図1(A)は側面方向からの説明図、図1(B)は正面方向からの説明図である。図中、図11と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。12は落下防止装置である。落下防止装置11は、軸受に組み込まれたものであり、軸受を別途に設ける必要がなく、落下防止装置を取り付けたにもかかわらず、ケースの長さを図13で説明したシャッターのように長くする必要がない。
【0013】
図2は、本発明のシャッターの実施の形態の他の一例の説明図であり、図2(A)は側面方向からの説明図、図2(B)は正面方向からの説明図である。図中、図1,図11と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。この実施の形態のように、一体型のブラケットを用いたシャッターに、落下防止装置12を取り付けた場合には、図1で説明したシャッターに比べて、納まりをよりコンパクトにできる。
【0014】
図3,図4は、本発明の実施の形態に用いられる落下防止装置を説明するためのもので、図3は一部を断面で示した正面図、図4(A),(B)は一部を断面で示した側面図であり、ブラケットへの異なる固定方法を示している。図中、21はボディ部、21aは第1の内周部分、21bは第2の内周部分、22はフランジ部、23は回転部、23aは軸孔、23bはコッター溝、24はディスク部、25はベアリング部、26は凹溝部、26aは第1の凹部、26bは第2の凹部、27はローラ、28はガイド部、29はスペーサ、30は取付ボルト、31はナット、32はブラケットである。
【0015】
ボディ部21は、厚い板状体で形成され、ブラケットに取り付けられる固定部分である。ボディ部21の両面には、円形の孔を有するフランジ部22がねじ止めされ、この孔に回転部23をベアリング部25により回転自在に支持している。ベアリング部25は、オイルメタル等を用いたベアリングであるが、ボールベアリングやローラベアリングを用いてもよい。スラストとアキシャルの両方向の軸受を構成するのがよい。回転体23の中心部には、軸孔23aが設けられている。軸孔23aは、巻取軸と結合するための孔であり、図では、コッターを用いて、結合する構造を採用したから、軸孔23aには、コッター溝23bが形成されている。もちろん、コッターを用いない構造により回転体23と巻取軸とを結合させてもよい。
【0016】
回転体23の外周部のディスク部24には、複数の凹溝26が形成され、ローラ27を納めることができる。ボディ部21には、ディスク部24が納められる内周部分が形成されている。内周部分は、ディスク部24の包絡線に接近する下方部分として形成された第1の内周部分21aと、ローラ27をその外径の略1/2がディスク部24の包絡線から突出することを許容するように間隔を開けて上方部分として形成された第2の内周部分21bより構成されている。
【0017】
凹溝26の断面形状は、ローラ27が第1の内周部分21aにあるときに、回転体23の回転を可能とするように、ローラ27を収納できる深い溝として形成された第1の凹部26aと、凹溝26の開口部の一方側に形成され、ローラ27が第2の内周部分21bに位置できるようにする第2の凹部26bが形成されている。
【0018】
また、ローラ27を第2の凹部26bに位置させやすくするために、フランジ部22の内側にガイド部28を設けるのが好ましい。ガイド部28の上面は、回転部23と同心の円弧状に形成され、回転部23の中心軸を中心として回動調整を可能に取り付けて、位置調整を可能にするのがよい。
【0019】
この落下防止装置は、回転部23がボディ部21に回転可能に支持され、軸受構造を構成しているから、ブラケットに取り付けることによって、図1,図2で説明したように、軸受として用いることができる。
【0020】
ブラケットへの取付は、図4(A)に示すように、スペーサ29を用いて、取付ボルト30とナット31でブラケット32に取り付ける方法と、図4(A)の左側の面をブラケット側にしてボルト30とナット31で取り付ける図4(B)の方法とのいずれか選択的に用いられる。このように、表裏を反転させて取り付けることにより、巻取軸に取り付ける向きに応じて、図4(A)または図4(B)のいずれかの取付方法を選択し、シャッタースラットの下降方向において、落下防止が可能なように取り付ける。なお、図4(B)の取付方法の場合にも、適当なスペーサを用いてもよいことはもちろんである。また、ボディ部21の形状を適当にすることにより、スペーサを用いることなくブラケットに取り付けるようにしてもよい。
【0021】
図5〜図10は、図1,図2で説明した落下防止装置の動作の説明図である。図中、図1,図2と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。27a,27b,27cはローラである。なお、矢印は下降の際の回転方向であり、また、ローラ27は、中空の円筒状部材として形成され、後述するように、シャッタースラットの落下が生じた場合には、変形して落下による下降を停止させることができる。
【0022】
図5〜図8は、巻取軸の正常な回転速度での回転である。図5に示すように、第1の内周部分21aにあるローラ27aは、凹溝に深い部分、すなわち、図3における第1の凹部26aに納められて移動する。第2の内周部分21bに移動した直後のローラ27bは、図1における第2の凹部26bに位置し、図6に示すように、ガイド部28に乗り、第2の凹部26bに位置した状態で移動する。図6から図7に移行すると、ローラ27cの重量により、遠心力に打ち勝って、第2の凹部26bから外れて、ローラ27cは第1の凹部26a側に落ち込もうとする。さらに回転して、図8の位置まで回転すると、ローラ27cは、第1の凹部26aに完全に落ち込んで、第1の内周部分21aに沿って移動する。このようにして、回転部23が所定の回転速度以下である場合には、ローラが第2の内周部分21bの終端近傍の位置で、順次落ち込んで、回転部23の回転の妨げとなることはなく、回転部23に取り付けられた図示しない巻取軸を回転し続けることができる。
【0023】
なお、設計条件を選べば、ガイド部28を設けなくても、回転部23の回転速度による遠心力で、図3,図4のローラ27cを第2の凹部26bに位置させて移動させることができる。また、ローラの重量とのバランスで、第2の内周部分21bの終端近傍の位置で、ローラを落ち込ませることができる。しかし、設計条件が厳しい場合には、ガイド部28を設けた方が設計条件が緩和される。
【0024】
図9は、第2の内周部分21bの終端近傍の位置で、ローラ27が落ち込む経路の説明図である。第2の内周部分21bの位置は、第2の凹部26bに位置していたローラが、第1の凹部26aに落ち込むとともに、第1の内周部分21a側に移動できる位置を選択する。
【0025】
図10は、巻取軸の異常回転時を示す。チェーンの外れやチェーンの切断、あるいは、開閉機の故障等により、シャッタースラットが落下状態となり、回転部23の回転速度が正常時より大きい場合は、第2の内周部分21bの終端部においても、遠心力のためにローラ27cは、落ち込むことができず、第2の凹部26bの乗ったまま、第2の内周部分21bの終端に衝合して、挟まった状態となり、回転部23の回転は停止され、シャッタースラットの落下を防止できる。
【0026】
ローラが、第2の凹部26bと第2の内周部分21bの終端とに挟まったとき、ローラが変形しない金属の場合には、衝合したときの反動で、ローラが第1の凹部26a側に落下することがあり、落下防止の機能が果たせない状態となることがある。本発明においては、ローラを変形可能な中空体としたことにより、ローラが第2の凹部26bと第2の内周部分21bの終端に衝合した際に、衝撃力で変形する。この変形により衝撃力を吸収することが可能となり、反動が生じにくく、また、変形されたことにより、第1の凹部26a側に落ち込みにくくなることにより、より確実に落下防止が可能となる。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、軸受に落下防止装置を組み込むことにより、シャッターの納まりを小さくでき、ブラケットに軸受と落下防止装置を組み込むことが可能となり、建物に取り付ける際の施工工数を節減できる。また、ローラを中空体としたことにより、より確実にシャッタースラットの落下防止ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシャッターの実施の形態の一例の説明図であり、図1(A)は側面方向からの説明図、図1(B)は正面方向からの説明図である。
【図2】本発明のシャッターの実施の形態の他の一例の説明図であり、図2(A)は側面方向からの説明図、図2(B)は正面方向からの説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に用いられる落下防止装置を説明するための一部を断面で示した正面図である。
【図4】図3の落下防止装置の一部を断面で示した側面図である。
【図5】図1,図2で説明した落下防止装置の動作の説明図である。
【図6】図1,図2で説明した落下防止装置の動作の説明図である。
【図7】図1,図2で説明した落下防止装置の動作の説明図である。
【図8】図1,図2で説明した落下防止装置の動作の説明図である。
【図9】図1,図2で説明した落下防止装置の動作の説明図である。
【図10】図1,図2で説明した落下防止装置の動作の説明図である。
【図11】従来のシャッターの一例の説明図であり、図11(A)は側面方向からの説明図、図11(B)は正面方向からの説明図である。
【図12】従来のシャッターの他の一例の説明図であり、図12(A)は側面方向からの説明図、図12(B)は正面方向からの説明図である。
【図13】図11で説明したシャッターに落下防止装置を取り付けた一例の説明図であり、図13(A)は側面方向からの説明図、図13(B)は正面方向からの説明図である。
【図14】図12で説明した一体型のブラケットを用いたシャッターに落下防止装置を一例の説明図であり、図14(A)は側面方向からの説明図、図14(B)は正面方向からの説明図である。
【符号の説明】
1…シャッタースラット、2…巻取軸、3,4…軸受、5…開閉機、6,7…スプロケット、8…チェーン、9…ブラケット、10…ケース、11,12…落下防止装置、21…ボディ部、21a…第1の内周部分、21b…第2の内周部分、22…フランジ部、23…回転部、23a…軸孔、24…ディスク部、25…ベアリング部、26…凹溝部、26a…第1の凹部、26b…第2の凹部、27…ローラ、28…ガイド部、29…スペーサ、30…取付ボルト、31…ナット、32…ブラケット。
Claims (2)
- 固定部と該固定部に回転自在に支持された回転部を有し、該回転部にシャッターの巻取軸が一体化されているシャッターの軸受において、前記回転部には、周上にローラを収納できる複数の凹溝が形成されたディスク部が設けられるとともに、前記固定部には、前記ディスク部を取り囲む内周部が設けられ、該内周部は、前記ディスク部の包絡線に接近した下方部分と前記ディスク部の包絡線と前記ローラの外径の略1/2の間隔を開けた上方部分からなり、前記ディスク部の前記凹溝は、前記内周部の下方部分において前記ローラを収納して前記ディスク部を回転可能とする第1の部分と前記凹溝の開口部の一方側に形成され前記ローラを前記上方部分に位置することを可能とする第2の部分からなり、前記ローラは、変形可能な中空体として形成されたことを特徴とするシャッターの軸受。
- 前記上方部分に前記ローラを位置させるようにする押し上げるガイドが設けられたことを特徴とする請求項1に記載のシャッターの軸受。
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