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JP3853213B2 - 高鏡面反射率を有するアルミニウム・チタン合金、その合金を備える反射コーティング、及びそのコーティングを含む鏡と構成物 - Google Patents
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JP3853213B2 - 高鏡面反射率を有するアルミニウム・チタン合金、その合金を備える反射コーティング、及びそのコーティングを含む鏡と構成物 - Google Patents

高鏡面反射率を有するアルミニウム・チタン合金、その合金を備える反射コーティング、及びそのコーティングを含む鏡と構成物 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、新規の高鏡面反射率を有するアルミニウム・チタン合金、その合金を備える反射コーティング、及びそのコーティングを含む鏡と構成物に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、特殊鏡の設計と製造とに関する。特殊鏡とは、過酷な制約下に置かれたとしても、その光学特性が明白に定義された範囲に収まり、それが全体として維持されていなければならない鏡である。本発明を限定するものではないが、過酷な制約の例としては、例えば、塩化ナトリウムなどの化学薬品の存在下における湿潤雰囲気などの腐食雰囲気が特に挙げられる。この際、その凝結の有無は問わない。更に詳しくは、これも本発明を限定するものではないが、本発明は、プラスチック材料または合成材料の支持体上に金属の層を堆積することにより作成される鏡に関し、後者の合成材料支持体上に堆積する場合には、反射コーティングと通常はポリマーである基板との間の界面が特に環境に対して敏感であり、不可逆的な劣化の生じる箇所である。
【0003】
攻撃的環境に耐える特殊鏡は、多くの場合、適切な構造を有する支持体上に金属層を堆積することにより作成される。続いて金属層は、透明保護膜により、物理的、化学的またはそれ以外の攻撃から保護される。何ら限定を意図しない保護膜の一例としては、金属酸化物または窒素酸化物が挙げられるが、経済的理由により、多くの場合はポリマーである。
【0004】
それ故、この種の鏡は界面を2面含み、それらは基板と反射コーティングとの界面と、反射コーティングと保護膜との界面である。これらの界面は、曇りや膨れにつながる、全ての場合に鏡の重大な劣化となる分離の生じる箇所となる可能性があるので、弱点である。
【0005】
従来技術においては、一般的に上記の特殊鏡は、「プラチナ鉱山から」と称される、すなわち元素の周期表の第VIII族の金属、より詳しくは、ロジウム、ルテニウム、またはパラジウムを堆積することにより作成される。これらの金属は60パーセント近くの許容可能な反射率を有する。これらの金属は、その高硬度により、曇り難く、物理的攻撃に対し良好な耐性を有する。しかしながら、この技術には、これらの金属にコーティングを施す難しさと非常な高コストとに関する大きな不都合がある。
【0006】
ある製造者らは、透明ポリマーにより保護された純アルミニウムまたは純銀を、金属、ポリマーまたはセラミックの基板上に堆積することにより鏡を製造している。このような鏡は、卓越した光学特性を有するが、コーティングの曇り、膨れ、及び酸化物の付着のために非常に速く劣化してしまうので、攻撃的雰囲気中では使用できない。
【0007】
フランス国特許第2768096号に記載のように、クロム層と結合するしないに関わらず、チタン層が用いられてきたが、これらの構造体は攻撃的環境において急速に劣化する。この点に対して、フランス国特許第2768096号は、透明な支持体の背面上に各層を堆積することを推奨しており、すると特に、物理的及び化学的影響から良好に保護されることを示している。
【0008】
当該技術では、チタンとアルミニウムとの合金が周知である。このような合金はチタンに機械的特性を付与するために用いられ、アルミニウム含有率は低く、一般的に銅を含有する。
【0009】
本発明の一つの目的は、良好な反射面の特性と、基板、特にポリマー基板との非常に強力な化学結合を形成する特性とを同時に有する金属合金を提供し、それにより、上述の2面の界面に、工業上の性質を有するか又は塩的性質を有するかに関わらない、殆どの形態の雰囲気による攻撃に対する耐性を付与することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、腐食に対する耐性を本来有し、従って曇りに対する耐性を有する金属合金を提供することにある。
【0011】
本発明の更なる目的は、特にポリマー基板である基板と共に使用する広い使用範囲にわたる温度変化によって劣化しない化学結合を形成する合金を提供することにある。
【0012】
また本発明の目的は、より低いコストで反射コーティングを提供することにある。
【0013】
以下の記載を読み明らかになるであろう他の目的とともに、上記の目的は本発明により満たされる。すなわち本発明は、アルミニウム含有率が80〜90原子パーセントであって、チタン含有率が10〜20原子パーセントの、アルミニウムとチタンとを基材にした微結晶金属合金を提供する。この際、金属合金は熱力学的平衡になく、それ故酸化及び腐食に対する耐性を有し、同時にポリマー材料との接着性に関して優れた能力を有する。
【0014】
本発明の文脈において、「微結晶」という用語は、約1μm未満のサイズである結晶を指す。従って、本発明によれば、微結晶合金は約1μm未満のサイズである結晶から構成される。
【0015】
本発明の金属合金の性能は、特にその反射率に関しては、合金の純度が高い程向上する。しかしながら、2原子パーセントまでの不純物は、合金の性能に有意な影響を及ぼさないので許容され得る。
【0016】
したがって、本発明の一好適実施形態においては、金属合金は約2原子パーセント以下の不純物を備える。
【0017】
本発明の一好適実施形態においては、金属合金は84〜87原子パーセントのアルミニウムと13〜16原子パーセントのチタンとを含有する。
【0018】
本発明に到達するには、一つの大きな偏見を克服する必要があった。何故ならば当該技術においては、アルミニウムに添加物を添加することは、普通ならば著しくその反射率を低減することが周知であるからである。
【0019】
当該技術においては、チタンとアルミニウムとの合金が知られているが、それは一般にアルミニウムの含有率が低く、一般に銅を含有する合金であって、チタンに機械的特性を付与するために用いられる。
【0020】
チタンの含有率が低いアルミニウム合金については既に述べられているが、一般に、同量のマンガンとマグネシウムとが結合しており、チタンの含有率は1原子パーセントを超過していない。圧力下での中空体の製作を意図されており、このような合金は全く適用分野外であって、かつ本発明の範囲外である。
【0021】
T.B.Massalskiによる刊行物「Binary Alloy Phase Diagrams」第1巻、175〜176ページには、アルミニウム含有率が80〜90原子パーセントで、チタン含有率が10〜20原子パーセントのアルミニウム・チタン合金が開示されている。本発明の範囲外であるこの合金は、熱力学的平衡にあり、微結晶ではない。酸化及び腐食に対して要求される耐性を有しておらず、ポリマー材料に対する著しい接着能力も有していない。
【0022】
また本発明は、保護膜に被覆された上記の本発明に係る金属合金の層からなる反射コーティングをも提供する。
【0023】
この金属合金は、アルミニウム含有率が80〜90原子パーセントであって、チタン含有率が10〜20原子パーセントである、熱力学的平衡にない、微結晶チタンとアルミニウムとを基材とした合金である。
【0024】
本発明の一好適実施形態においては、反射コーティングは、透明保護膜に被覆された金属合金の層からなり、かつ金属合金は、アルミニウム含有率が80〜90原子パーセントであって、チタン含有率が10〜20原子パーセントであって、更に不純物含有率が最大で約2原子パーセント程度の、アルミニウムとチタンとを基材にした合金である。
本発明の反射コーティングにおいては、保護膜は通常はポリマー材料である。
【0025】
金属合金層の厚さは、一般的に0.01〜5μmである。
0.01μm未満では、コーティングは半透明である。5μmを超過すると、反射率以外の特性は影響を受けないが、反射率は低下する。
金属合金層の厚さは、好ましくは0.01〜3μmであって、より好ましくは0.01〜0.5μmである。
【0026】
また本発明は、上記のように反射コーティングを支持する基板を備える鏡をも提供する。基板は一般にはポリマー材料である。
【0027】
少なくとも約65パーセント程度の鏡面反射率と酸化及び腐食に対する良好な耐性とを有する特殊鏡を得るには、透明保護膜に被覆される金属合金層からなる反射コーティングであって、金属合金が、アルミニウムと微結晶チタンとを基材にした合金であり、熱力学的平衡になく、アルミニウム含有率が80〜90原子パーセントであり、チタン含有率が10〜20原子パーセントであり、不純物含有率が最大で約2原子パーセント程度であり、合金層の厚さが0.01〜3μmであることを特徴とする反射コーティングを選択する必要がある。
【0028】
本発明の反射コーティングがポリマー基板に堆積されて、透明保護膜により保護される際には、この結合体は、反射率に悪影響を及ぼしたり界面に欠陥を出現させたりすることなく、ISO基準9227の塩水噴霧試験のような腐食雰囲気に曝露することが可能である。
【0029】
本発明に係るアルミニウム・チタン合金は、任意の適切な手段により堆積させることができる。しかしながら、種々の形態の陰極スパッタリング、一定条件下での蒸着及び副蒸着(co-evaporation)(これらは微結晶を得るために当業者により容易に決定され得る)のような真空堆積法が、特にこのような材料を薄層形態にするための手段として代表的である。
【0030】
本発明の鏡、特には特殊鏡は、自動車用バックミラーまたは広告板のような構成物の部品とすることができる。
【0031】
本発明に係る合金は、ポリマーに対して非常に高い親和力と非常に高い接着力を有する。
【0032】
鏡の反射面が雰囲気中の作用物質と直接接触し、かつ酸化から保護されないので、腐食耐性もまた高い。
【0033】
日本自動車特許(Nippon Jidosha patent)第61133902号には、TiOの透明層と、例えばアルミニウム・チタン合金であるアルミニウム合金の反射層とを連続的に堆積したガラス基板からなる鏡が記載されている。その目的は、TiO層内の光の干渉により生成される色を用いた着色鏡を作成することにある。二酸化チタンが着色鏡の最も重要な成分である。なお、アルミニウム合金の反射層は光線に対してガラスの背部にあり、従ってその反射面は酸化から保護される。更に、上記特許のアルミニウム合金は、本発明とは異なりセラミックと接触するようになっており、ポリマーとの接着力や親和力を有することを必ずしも必要としていない。セラミックは、物理的および化学的な面においてポリマーとは全く異なるものである。
【0034】
本発明を、以下の何ら限定を意図しない実施例を参照しつつ、より詳細に説明する。
【0035】
<実施例1>
本実施例は、屋外で使用される鏡の製造に関する。
鏡の構造体は、ポリカーボネート(基板)とした。
【0036】
この鏡は、風に運ばれてくる細かな塵による摩耗や、雨や工場の空気による腐食にも耐えねばならない。このために、0.1μmの厚さで、アルミニウムを85原子パーセント含有しその残りがチタンである本発明に係るアルミニウム・チタン合金を、例えば陰極スパッタリングなどの真空堆積法により堆積し、続いて、耐摩耗性があり、ポリシロキサンを基材とした透明コーティング(保護膜)により保護した。
【0037】
鏡の反射率は67±1パーセントであった。そのコーティングの接着力をISO基準2409に則り測定したところ、結果はクラスゼロであった。ISO基準9227に則り、400時間含塩雰囲気に曝露することにより、鏡を人為的に経時劣化させた。続いて洗浄、乾燥し、接着力について再度試験を行った。結果はクラスゼロであって、剥離や酸化物の付着などは何ら出現しなかった。試験後の反射率は66±1パーセントであって、初期値との差は測定誤差の範疇であった。
【0038】
比較のために、ポリカーボネート基板上に同じ厚さの純アルミニウムを堆積し、続いて同一のポリシロキサン・コーティングを被覆することにより従来通りに作成した鏡に同一の試験を施した。400時間の塩水噴霧への曝露の後には、コーティングは鏡の表面のほぼ30パーセントにわたり剥離してしまい、使用に適さなかった。
【0039】
<実施例2>
赤外線加熱に用いる鏡を作成した。鏡は、その性能に影響を及ぼさないで、摂氏200度の運転温度に耐え得ねばならない。このために、ポリエーテルイミド構造体を用い、本発明に係るアルミニウム・チタン合金の層を真空堆積法により被覆した。その組成は、アルミニウム87原子パーセント、チタン13原子パーセントとした。厚さは5μmとした。
【0040】
鏡本来の反射率は70パーセントであった。コーティングの接着力を実施例1で述べた方法により試験したが、結果はクラスゼロであった。鏡に、摂氏200度で1時間、室温で2時間という周期を交互に繰り返す一連の試験を施した。10周期繰り返した後に試験を終了し、その特性を再度測定した。接着試験の結果はクラスゼロであって、反射率に変化はなかった。
【0041】
比較のために、2枚の従来技術による鏡に対して同一の試験を実施した。1枚は1μmの金をポリエーテルイミド基板に被覆することにより得て、他の1枚は純アルミニウムを同一の基板に被覆することにより得た。10周期終了した後には、金のコーティングは部分的に剥離し、鏡は使用不能となった。アルミニウム・コーティングの反射率は、95パーセントであったものが、表面の酸化層の成長により52パーセントにまで減少した。
【0042】
<実施例3>
屋外での表示を意図して広告板を作成した。広告板は、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)から作成し、光沢のある金属的外観を有する必要があった。設置場所での供用寿命は5年より長くなければならなかった。
【0043】
このために、広告板には、アルミニウム82原子パーセントとチタン18原子パーセントとを含有する本発明に係るアルミニウム・チタン合金により金属メッキを施した。その厚さは0.3μmとした。続いて、20μmの厚さに透明保護ニスを塗布した。実施例1で述べた試験により測定されたコーティングの接着力はクラスゼロであって、反射率は68パーセントであった。
【0044】
実施例1で述べた標準化された試験に則り、塩水噴霧に100時間曝露することにより、経時劣化についてシミュレーションを行った。試験終了時に、広告板を洗浄、乾燥し、その特性を再度測定した。接着力には変化がないままであって、反射率は65パーセントであった。このわずかな反射率の変化は、塩水噴霧による保護ニス表面へのわずかな攻撃に関連していた。
【0045】
比較のために、通常の電気メッキ技術により0.1μmの厚さのクロム堆積物で被覆され、同一のニスにより保護された広告板に対し、同一の試験を施した。反射率は70パーセントであって、接着力のクラスはゼロであった。塩水噴霧への曝露後には、同じ理由で反射率は66パーセントに減少したが、接着力のクラスは1になってしまった。
【0046】
<実施例4>(本発明に係らない)非微結晶合金
高性能な鏡を軽量プラスチック材料の基板上に作成するために、チタンを13パーセント含有するAlTi合金の鋳塊を鋳造及び圧延して、10μmの厚さの膜を得た。膜のX線検査により、その結晶構造は、アルミニウム・チタンの状態図により予測していたものと一致することが確認された。
【0047】
合金は微結晶ではなく、熱力学的平衡にあった。
【0048】
続いて、合金膜をポリマー膜と結合させて圧延し、金属層の厚さを0.2μmまで減少させた。
【0049】
金属被覆されたプラスチック材料膜を、続いて、鏡の骨組みを構成するポリカーボネート基板に糊付けした。続いて、全体を透明な引っ掻き傷に耐えるニスの層で被覆し、反射面を損傷から保護した。この技術により、工業化が容易に可能になり、かつ低コストの大量生産が可能になった。
【0050】
鏡の反射率は75パーセントであった。
【0051】
その耐久性を検証するために、鏡に、上記の実施例1で説明した塩水噴霧試験を施した。24時間の試験の後には、これは著しく短すぎたのだが、保護ニスの層が際だって劣化していた。顕微鏡での検査では、劣化の原因は、以上のようにして得られたアルミニウム・チタン合金に対するポリマー・ニスの不十分な接着状態にあることが示された。

Claims (12)

  1. 透明保護膜により被覆された金属合金層からなる反射コーティングであって、
    前記透明保護膜がポリマー材料でなり、
    前記金属合金が、アルミニウムとチタンとを基材にした金属合金であって、アルミニウム含有率が80〜90原子パーセントで、チタン含有率が10〜20原子パーセントであり、
    前記金属合金が真空蒸着されるために、その金属合金が微結晶であり、かつ熱力学的平衡になく、それ故酸化及び腐食に対する耐性を有し、同時にポリマー材料に対する優れた接着能力を有する
    ことを特徴とする反射コーティング
  2. 前記金属合金の不純物含有率が最大2原子パーセントであることを特徴とする請求項1に記載の反射コーティング
  3. 前記金属合金のアルミニウム含有率が84〜87原子パーセントであって、チタン含有率が13〜16原子パーセントであることを特徴とする請求項1に記載の反射コーティング
  4. 前記金属合金層の厚さが0.01〜5μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の反射コーティング。
  5. 前記金属合金層の厚さが0.01〜3μmであることを特徴とする請求項4に記載の反射コーティング。
  6. 前記金属合金層の厚さが0.01〜0.5μmであることを特徴とする請求項5に記載の反射コーティング。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の反射コーティングを支持する基板を備えることを特徴とする鏡。
  8. 前記基板がポリマー材料からなることを特徴とする請求項7に記載の鏡。
  9. 少なくとも65パーセントの鏡面反射率と、腐食及び酸化に対し良好な耐性を有するであって、請求項1乃至6のいずれかに記載の反射コーティングを支持する基板を備えることを特徴とする
  10. 請求項9に記載のを含むことを特徴とする構成物。
  11. 自動車用バックミラーを構成することを特徴とする請求項10に記載の構成物。
  12. 広告板を構成することを特徴とする請求項10に記載の構成物。
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