JP3853497B2 - 最大値記憶センサ、最大値記憶センサの取り付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば建物、橋梁、トンネル、膜構造物などの地上構造物、あるいは航空機や船舶のような非地上構造物等や地盤の各種構造物における構造材又は膜材などの構造部材に対して過去にかかった最大負荷に対応する最大変位量を検出するのに用いる最大値記憶センサに関し、特にその最大値記憶センサを構造物に取り付ける際の取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
構造物における構造部材自体の変形或いは構造部材間の距離変化により、構造物内部の2点間の距離に変化が生ずる。そして、このような変位の最大値を検出することによって、外力によりその構造物にどのような強度変化が生じているのかを診断し、これより構造物の破壊可能性を非破壊で予想するという方法が知られている。
【0003】
このような方法に用いる最大値記憶センサとして、本願出願人は、例えば特開平8−178765号や特開平9−96576号公報に掲載のものを提案してきた。これらの最大値記憶センサは、基本的に、折り返しの導電性要素を折り返し部分が横一線となるように複数本並列に並べ且つ各導電要素の順次的な破断に応じた相関的な抵抗値の変化を生じるように形成した導電体と、導電要素をその折り返し部分で破断可能とした破断手段と、破断手段を導電体に対して相対的に移動させるスライダとからなっている。そして、上記最大値記憶センサは、構造物において変位検出対象となる構造部材に、構造部材の変位に応じてスライダが平行移動するようにして取り付けて用いられる。つまり、この最大値記憶センサでは、構造部材の変位に応じてスライダを平行移動させると共にこのスライダの移動量に応じて破断手段を移動させ、導電要素を所定の本数ずつ破断して抵抗値変化を生じさせ、この抵抗値変化を利用して最大値検出を行うものである。
【0004】
上記最大値記憶センサは、非常に簡単な構造でありながら、十分に安定した精度で構造部材の変位を検出することができる点で優れたものである。しかしながら、変位の検出精度をより高めようとした場合には、この最大値記憶センサの取り付け構造について何らかの工夫が必要になる。即ち、この最大値記憶センサは、その構造が非常に単純であり、スライダの変位に正確に対応させて破断手段を動かすのは比較的簡単であるが、構造部材の変位に応じてスライダを正確に動かすことについては、未だ工夫の余地がある。例えば、上記最大値記憶センサの用途は多岐に渡るため、変位量の範囲が必ずしも一定しないことが原因となって変位量の計測を十分に行えないような場合がある。具体的には、地滑りの予測等のために地盤の変位量を測定しようとする場合には、測定する変位量は概ね1〜2mm程度の大きさとなる野に対し、免震装置の変位量測定を行おうとする場合には、概ね300〜500mm程度の変位を測定する必要が生じる。このような変位量の相違には、それに合わせた複数種類のセンサを準備しそれを使い分けるという対応手段も考えられるが、これによるとコストの増加を招きがちである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、変位量に応じて平行移動を行うスライダを有する最大値記憶センサを、変位量の如何によらずどのような状況下においても高い精度で機能させることができるような、最大値記憶センサの取り付け構造を提供することにより、上記最大値記憶センサの利用範囲をより広げることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の最大値記憶センサの取り付け構造は以下のようなものとされた。即ち、構造部材における2点間の距離が変化することにより生じる変位量に応じて平行移動するスライダを備えた最大値記憶センサの取り付け構造であって、変位量測定の対象となる測定区間の全長に渡って配置され且つ測定区間の変位に応じてスライドするスライド部材と前記スライダとを接続すると共に、スライド部材における変位を変倍してスライダを変位させる変倍手段を取付けてなる最大値記憶センサの取り付け構造である。
【0007】
本発明によれば、実際に生じた変位を変倍手段により適当に拡大乃至縮小し、その変倍後の変位によってスライダを移動させることができるようになるので、実際に生じる変位範囲に大小があっても、一の最大値記憶センサで変位検出を行えるようになる。
【0008】
変倍手段は、一の直線状の変位を拡大乃至縮小して他の直線運動として出力できるようなものであればどのようなものでも良く、例えば滑車の組み合わせやギアの組み合わせによりこれを構成することが可能である。また、変倍手段としてパンタグラフを複数直列に接続したものを用いた場合には、装置全体を直線状にまとめることが可能になり、最大値記憶センサの取り付け幅を小さくできるので好ましい。尚、本発明でいうスライド手段は、ワイヤ、スポークその他の線状体、管体その他の棒状体などから適宜選択する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明による第1〜第3実施形態について説明する。尚、以下の各実施形態の説明にあたり、重複する部分には共通する符号を付し、重複説明は省略する。
【0010】
第1実施形態: 本発明の第1実施形態による最大値記憶センサの取り付け構造を図1に示している。最大値記憶センサAは、センサボックスB内に取付けられており、このセンサボックスBを測定区間の一端に位置する構造部材に取付けることにより、間接的に構造部材に取付けられるようになっている。また、最大値記憶センサAは、その内部に平行移動可能としたスライダSを備えている。
【0011】
スライダSは、接続金具1を介することにより、5段のパンタグラフ2aを直列接続してなる変倍手段としての連続パンタグラフ2と連結されている。より詳細にいうと、連続パンタグラフ2の一端はセンサボックスBに取り付けられており、且つ最大値記憶センサAに最も近接するパンタグラフ2aの連結点は接続金具1を介してスライダSに接続されている。一方、この連続パンタグラフ2の他端は、スライド部材としてのワイヤ3に連結されている。このワイヤ3は、測定区間に沿って張り渡されており、その他端は、図外の測定区間他端に固定されている。
【0012】
この取り付け構造によれば、測定区間に伸びが生じ、ワイヤ3が図中X方向へ所定量スライドした場合には、5段のパンタグラフ2を介して1/5倍に縮小された変位がスライダSへと伝達される。
【0013】
第2実施形態: この実施形態による最大値記憶センサの取り付け構造は図2に示したとおりである。この取り付け構造は、大まかに言えば、インナロッド4、スライド部材としてのアウタロッド5、最大値記憶センサA内蔵のセンサボックスBからなる。アウタロッド5は、ターミナル6を介して構造部材である梁7に固定されている。インナロッド4は、構造部材である柱8にターミナル9を介して取り付けた取り付けパイプ10にその基端を挿入する形で固定されており、その先端はアウタロッド5内部の中空部11に摺動自在に挿入されている。
【0014】
センサボックスB内の構造は、図3で示したようになっている。センサボックスBの基盤12は、インナロッド4と固定されている。また、該基盤12には2つの最大値記憶センサAが固定的に取付けられている。一方、最大値記憶センサA内のスライダSは、インナロッド4の中心線上の一点Cに回動可能に固定した伝達板13を介してアウタロッド5に接続されている。詳細にいうと、アウタロッド5の外周沿いに伝達板13と直行する向きで接続ピン14を溶接固定し且つこの接続ピン14を伝達板13に固定すると共に、伝達板に2本の伝達ピン15、15を立設し、この伝達ピン15、15を、各スライダSに接続の検出金具16に設けた角孔7へ差し込むことにより、スライダSをアウタロッド5に接続している。
【0015】
このような構造で取付けられた最大値記憶センサAは、以下のように機能する。即ち、測定区間が縮む方向で変位が生じたときには、アウタロッド5が図中左向きに移動し、これに伴って接続ピン14でアウタロッド5と接続された伝達板13が点Cを中心にして反時計周りに回動する。これに伴い、図中下側の伝達ピン15が図中右側へ移動し、検出金具16を介してこれと接続されるスライダSが図中右側へ移動することになり、結果的に図中下側の最大値記憶センサAにより変位が検出されることとなる。このとき、伝達板13が固定される点Cから接続ピン14までの距離と、伝達板13が固定される点Cから伝達ピン15までの距離とが異なるので、その比率に応じて変位が変倍される。尚、この方向に変位が生じた場合には、図中上側の伝達ピン15は、検出金具16の角孔17中で浮いた状態となり、図中上側の最大値記憶センサAは作動しないことになる。また、上記説明と逆向き、即ち測定区間が伸びる向きに変位が生じた場合には、上側の最大値記憶センサAにより変位量を検出することになる。従って、この取り付け構造を用い、それぞれの最大値記憶センサAから別個に外部出力を取っていれば、変位の方向及び変位量を測定することができる。
【0016】
第3実施形態: この実施形態による最大値記憶センサの取り付け構造は図3に示したとおりである。この取り付け構造は、第2実施形態におけるそれと、センサボックスBの内部構造以外の部分では共通する。
【0017】
この実施形態においては、基盤12に取り付けられた最大値記憶センサAは1つだけである。また、アウタロッド5外周には、対称な位置に2本の接続ピン14が溶接固定されている。また、伝達板13には、スライダSの移動方向と同一方向又は逆方向に開口を有する2つの切り欠き部18が設けられており、またその一方の切り欠き部18の更にその外側には1本の伝達ピン15が立設されている。この伝達ピン15は検出金具16の角孔17に差し込まれており、接続ピン14は切り欠き部18にそれぞれ差し込まれている。
【0018】
この実施形態における最大値記憶センサの取り付け構造においては、アウタロッド5が図中左右のいずれの方向に移動しても、伝達板13が点Cを中心にして反時計回りに回転することになる。従って、この構造によれば、1つの最大地記憶センサAを使用するだけで、伸び方向及び縮み方向の双方向の変位量を検出できるようになる。尚、この場合でも、伝達板13が固定される点Cから接続ピン14までの距離と、伝達板13が固定される点Cから伝達ピン15までの距離との相違により、変位量について所定の変倍がなされる。
【0019】
【発明の効果】
本発明の最大値記憶センサの取り付け構造では、スライド部材と前記スライダとを接続する際に、スライド部材における変位を変倍してスライダを変位させる変倍手段を取付けることとしたので、スライド部材の変位を任意に変倍して最大値記憶センサに伝達できるようになった。これにより、一の最大値記憶センサを、測定対称における変位幅のいかんによらず幅広く使用することができるようになるため、コスト低減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による最大値記憶センサの取り付け構造を示す概念図。
【図2】本発明の第2実施形態による最大値記憶センサの取り付け構造を示す全体図。
【図3】本発明の第2実施形態による最大値記憶センサの取り付け構造におけるセンサボックス内部を示す拡大図。
【図4】本発明の第3実施形態による最大値記憶センサの取り付け構造におけるセンサボックス内部を示す拡大図。
【符号の説明】
1 接続金具
2 連続パンタグラフ(変倍手段)
3 ワイヤ(スライド手段)
4 インナロッド
5 アウタロッド
7 梁(構造部材)
8 柱(構造部材)
13 伝達板
14 接続ピン
15 伝達ピン
16 検出金具
17 角孔
18 切り欠き部
Claims (3)
- 構造部材における2点間の距離が変化することにより生じる変位量に応じて平行移動するスライダを備えた最大値記憶センサの取り付け構造であって、
変位量測定の対象となる測定区間の全長に渡って配置され且つ測定区間の変位に応じてスライドするスライド部材と前記スライダとを接続すると共に、スライド部材における変位を変倍してスライダを変位させる、パンタグラフを複数直列に連結したものである変倍手段を取付けてなる最大値記憶センサの取り付け構造。 - 変倍手段は、スライド部材とスライダとの間に位置し、これらを互いに接続するものである請求項1記載の最大値記憶センサの取り付け構造。
- 変位量測定の対象となる測定区間の全長に渡って配置され且つ測定区間の変位に応じてスライドするスライド部材と接続されることにより、構造部材における2点間の距離が変化することにより生じる変位量に応じて平行移動するようにされたスライダを備えた最大値記憶センサであって、
前記スライド部材における変位を変倍してスライダを変位させる、パンタグラフを複数直列に連結したものである変倍手段を備えている、
最大値記憶センサ。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP36103297A JP3853497B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 最大値記憶センサ、最大値記憶センサの取り付け構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP36103297A JP3853497B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 最大値記憶センサ、最大値記憶センサの取り付け構造 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
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| JPH11190624A JPH11190624A (ja) | 1999-07-13 |
| JP3853497B2 true JP3853497B2 (ja) | 2006-12-06 |
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Family Applications (1)
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| JP36103297A Expired - Fee Related JP3853497B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 最大値記憶センサ、最大値記憶センサの取り付け構造 |
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| JP (1) | JP3853497B2 (ja) |
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|---|---|---|---|---|
| CN119574910B (zh) * | 2024-12-18 | 2025-09-23 | 珠海市吉大华普仪器有限公司 | 一种风速测量装置 |
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1997
- 1997-12-26 JP JP36103297A patent/JP3853497B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JPH11190624A (ja) | 1999-07-13 |
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