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JP3853930B2 - 非接触データキャリアパッケージおよびその製造方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に各種ゴム製品などの弾性変形を起しやすい物品に装着されるものとして好適な非接触形のデータキャリアパッケージおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
データキャリアシステムは、非接触データキャリアと呼ばれる応答器とホスト側に接続される質問器とで構成され、これら応答器と質問器の間で、磁気、誘導電磁界、マイクロ波(電波)等の伝送媒体を介して非接触で情報の交信を行うものである。
【0003】
このデータキャリアシステムは、応答器を様々な個体に取り付け、その個体に関する情報を質問器により遠隔的に読み取ってホストに提供し、個体に関する情報処理を実現するものである。
【0004】
非接触データキャリアシステムの情報伝送方式には電磁結合方式、電磁誘導方式、マイクロ波方式、光通信方式等がある。これらの方式の中で、電磁結合方式、マイクロ波方式によるものは、質問器からの伝送信号のエネルギーを応答器の駆動電力として用いることができる。このため、電池を駆動源とする場合のように、電池の寿命が近付いてきたことによる応答能力の劣化や使用限界に至る心配がないという更なる利点を有している。
【0005】
図6に非接触データキャリアシステムの全体的な構成を示す。同図に示すように、非接触データキャリアシステムは質問器10と応答器(非接触データキャリア)20から構成される。
【0006】
質問器10は、質問器10の全体制御を行う主制御部11と、ホスト装置とのデータの入出力を制御するインターフェース部12と、非接触データキャリア20より受信したタグ情報等を蓄積する読み出し/書き込み可能なRAM等の記憶部13と、送信情報をデジタル信号からアナログ信号に変換し、且つ非接触データキャリア20からの受信信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する信号変換部14と、送信信号を例えばASK(Amplitude Shift Keying)方式、FSK(Frequency Shift Keying)方式等で伝送用の信号に変調する変調部15と、受信信号を復調する復調部16と、送信アンテナ17と、受信アンテナ18とを備えて構成される。
【0007】
応答器(非接触データキャリア)20は、この非接触データキャリア20の全体制御を行う主制御部21と、タグ情報を蓄積するEEPROM等の電源パックアップ不要な記憶部22と、送信情報をデジタル信号からアナログ信号に変換し、且つ質問器10からの受信信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する信号変換部23と、送信信号をASK方式、FSK方式等で伝送用の信号に変調する変調部24と、受信信号を復調する復調部25と、送信アンテナ26と、受信アンテナ27とを備えて構成される。
【0008】
この非接触データキャリアシステムの基本的な交信手順は次の通りである。
【0009】
質問器10は、まず非接触データキャリア20に対するタグ情報読取りのための質問信号を発信する。非接触データキャリア20は該質問信号の受信可能な範囲に入るとこれを受信して、記憶部22に記憶されているタグ情報を応答信号として発信する。この応答信号を質問器10が受信、解読して、タグ識別情報としてホスト装置に送る。
【0010】
応答器(非接触データキャリアパッケージ)は、質問器との間で信号を送受信するためのアンテナ部品と回路部品とから構成され、耐環境性を考慮して、樹脂等からなる外装部によってアンテナ部品や回路部品等の内部部品群を気密に封止して構成される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
物品に取り付けられた非接触データキャリアパッケージは、物品の移動に伴う衝撃、振動等によって、回路基板、アンテナコイル及びこれらの接合部等が破損し、応答不良を起こす場合がある。特に回路基板や、アンテナコイルと回路基板との接合部の強度は比較的弱く、これらが外部からの機械的衝撃による破壊されないために何らかの保護が必要とされている。
【0012】
また、このような非接触データキャリアパッケージを、例えばタイヤ、ゴムマットなど弾性変形しやすい物品に取り付けた場合、その物品自体の弾性変形により非接触データキャリアパッケージ内の記憶素子やアンテナコイルなどの内部部品にストレスが加わり、内部部品が破壊してしまう恐れがある。このような部品破壊を防ぐには、キャリア全体を硬質材料により包囲して外部からの力を内部部品に伝えないようにする方法が考えられる。しかし、この方法では、物品自体が薄いものである場合、変形時に非接触データキャリアの硬いパッケージによって物品自体に大きな応力が発生し、亀裂などの損傷をもたらす危険がある。
【0013】
本発明はこのような事情を鑑みてなされたもので、外部からの機械的衝撃や物品自体の変形により発生した応力による内部部品の破壊を防止することのできる耐久性の優れた非接触データキャリアパッケージおよびその製造方法の提供を目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の非接触データキャリアパッケージは、回路基板及びアンテナコイルを外装部により包囲して構成される非接触データキャリアパッケージにおいて、前記回路基板、及び前記アンテナコイルと前記回路基板との接合部に面してゲル状樹脂からなる緩衝層が設けられているとともに、前記アンテナコイルの少なくとも一部が前記緩衝層に面していないことを特徴とする。
また、本発明の非接触データキャリアパッケージの製造方法は、回路基板の端子にアンテナコイルの両端線を接合する接合工程と、前記回路基板、及び前記アンテナコイルと前記回路基板との接合部に面して、かつ前記アンテナコイルの少なくとも一部に面しないようにゲル状樹脂からなる緩衝層を配置する緩衝層設置工程と、前記緩衝層が設けられた前記回路基板および前記接合部と、前記アンテナコイルと外装部で挟み込み、加熱および加圧して一体化する加熱加圧工程とを具備することを特徴とする。
【0015】
本発明は、外部からの衝撃や物品自体の変形により内部部品特に回路基板及びアンテナコイルと回路基板との接合部に加わる力をゲル状樹脂からなる緩衝層によって分散、吸収することができ、内部部品が外的な力によって破壊されることを防止することができ、耐久性があり、信頼性の優れた非接触データキャリアパッケージを実現できる。
【0016】
また、本発明は、ゲル状樹脂の緩衝層として、ゲル状樹脂を樹脂製フィルムに封入したものを緩衝層として用いることで、外装部を形成する際のゲル状樹脂の取り扱いが容易となり作業性を向上させることができるとともに、外部からの繰り返し衝撃や振動に対する耐久性をより高めることができる。
【0017】
本発明において用いることのできるゲル状樹脂としては、シリコーン系、ゼラチン系等を挙げることができるが、データキャリアパッケージの製造時の熱に耐え得る点からシリコーン系がより適している。
【0018】
ゲル状樹脂を封入する樹脂製フィルムとしては、ポリエステル樹脂、ポリエテレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドフィルム樹脂等のフィルムが挙げられる。
【0019】
外装樹脂としては、アクリロニトリル・ブチジエン・スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノ一ル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を、単独もし<は注型法等で組み合わせて用いることができる。
【0020】
また、外装樹脂として柔軟性樹脂を使用してもよく、柔軟性樹脂としては、熱可盟性エラストマー、熱硬化性エラストマーのほか、発泡ウレタン、発泡ポリプロピレン等の樹脂を発泡させ柔軟性を付与したもの、およびゲル状樹脂を封入する際に用いる樹脂フィルムを使用することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施例である非接触データキャリアパッケージを示す平面図、図2はそのa−a切断面の断面図である。
【0023】
これらの図に示すように、本実施形態の非接触データキャリアパッケージの内部部品は、アンテナコイル1とICチップなどを搭載した回路基板2からなる。ICチップには図6に示した応答器の各機能回路(送受信アンテナの部分を除く)が組み込まれている。これら内部部品はゲル状樹脂からなる緩衝層3によって全体が包囲され、さらにこのゲル状樹脂からなる緩衝層3によって包囲された内部部品は樹脂製の外装ケース4内に収容されている。
【0024】
このような構成を有する非接触データキャリアパッケージは、例えば、次のようにして製造することができる。
【0025】
まず、直径0.06mmの銅線を用いて、内径15mm、外径20mm、厚さ0.5mmのアンテナコイル1を作製する。次に、アンテナコイル1の両端線を、記憶素子をはじめとする各種回路素子を搭載した8mm角の回路基板2の端子にはんだ付けし、アンテナコイル1と回路基板2とを電気的かつ物理的に接合する。次に、径21mm、高さ3mmの空間を持つ外装ケース4例えばABS樹脂製ケースに、ゲル状樹脂例えばシリコーン系ゲル状樹脂θゲル(商品名;(株)シーゲル社製)を高さ1.5mmになるまで注入し、その上にアンテナコイル1と回路基板2からなる内部部品を載せ、さらにθゲルを空間が埋まるまで注入した後、例えばABS樹脂製の蓋5を外装ケース4に接着剤にて貼り付ける。このようにして本実施形態の非接触データキャリアパッケージが得られる。
【0026】
この方法で作製した非接触データキャリアパッケージと比較例としてゲル状樹脂緩衝層を形成せずに作製されたもの各々について、鉄塊(質量3kg)の落下衝撃試験を行ったところ、比較例の非接触データキャリアパッケージは落下高さ0.9m(運動量として12.6kg・m/s)で応答しなくなったのに対し、本実施形態の非接触データキャリアパッケージは落下高さ1.2m(運動量として14.6kg・m/s)までケース材料4は破損せず、ゲル状樹脂緩衝層3の有用性を確認することができた。
【0027】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。
【0028】
図3は第2の実施形態の非接触データキャリアパッケージを示す平面図、図4はそのa−a切断面の断面図である。
【0029】
これらの図に示すように、本実施形態の非接触データキャリアパッケージは、少なくとも回路基板2、及びこの回路基板2とアンテナコイル1との接合部6を含む領域を、樹脂製フィルム3bにゲル状樹脂3aを封入して構成される緩衝層3′によって覆い、さらにこれらを外装材料4′によって全体を包囲して構成されたものである。
【0030】
このような構成を有する非接触データキャリアパッケージは、例えば、次のようにして製造することができる。
【0031】
まず、直径0.06mmの銅線を用いて、内径38mm、外径42mm、厚さ0.5mmのアンテナコイル1を作製する。次に、アンテナコイル1の両端線を、記憶素子をはじめとする各種回路素子を搭載した8mm角の回路基板2の端子にはんだ付けし、アンテナコイル1と回路基板2とを電気的かつ物理的に接合する。次に、ゲル状樹脂3aとして例えばシリコーン系ゲル状樹脂θゲルを樹脂製フィリム3b例えばポリエステルフィルムにて封入して、外形10×12mm、厚さ2mmのゲル状樹脂緩衝層3′を作製する。
【0032】
次に、このゲル状樹脂緩衝層3′を、少なくとも回路基板2、及びこの回路基板2とアンテナコイル1との接合部6を含む領域に面するように配置し、これらを厚さ0.5mmの生ゴム状態のSBRゴムシート4′で挟み、加圧・加熱して上下のSBRゴムシート4′を加硫、一体化した後、所望のサイズ形状例えば径46mmの円形に打ち抜く。このようにして本実施形態の非接触データキャリアパッケージが得られる。
【0033】
この方法で作製した非接触データキャリアパッケージについて、鉄塊(質量3kg)の落下衝撃試験を行ったところ、落下高さ1.1m(運動量として13.9kg・m/s)でも応答性を失うことがなく、比較例の非接触データキャリアパッケージが落下高さ0.9m(運動量として12.6kg・m/s)で破損した実験結果から考察して、ゲル状樹脂緩衝層3′を取り入れた構造の有用性を同様に確認することができた。
【0034】
また、第2の実施形態の非接触データキャリアパッケージに関しては、ゲル状樹脂緩衝層3′によって回路基板周辺部の曲げ剛性が向上する。図5に示す治具9を使って比較例と本実施形態の非接触データキャリアパッケージの繰り返し曲げ試験を行った。この試験で、治具9の曲率面に非接触データキャリアパッケージを押し当ててパッケージを変形させることを繰り返し、その都度通信試験を行ってみて通信不能に至った曲げ回数を求めた。この試験の結果、比較例のパッケージは10〜14回の曲げで通信不能になったのに対して、本実施形態のパッケージは100回の曲げでも通信可能であった。比較例において通信不能になった要因は回路基板の破損及び回路基板とアンテナコイルとの接合部の断線によるものであった。
【0035】
尚、本実施形態では、内部部品の片側のみにゲル状樹脂緩衝層を設けたが、両側にゲル状樹脂緩衝層を設けてもよいことは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の非接触データキャリアパッケージによれば、外部からの衝撃や物品自体の変形により内部部品特に回路基板、及びアンテナコイルと回路基板との接合部に加わる力をゲル状樹脂からなる緩衝層によって分散、吸収することができ、内部部品が破壊されることを防止して耐久性の向上を図ることができる。
【0037】
また、本発明によれば、ゲル状樹脂の緩衝層として、ゲル状樹脂を樹脂製フィルムに封入したものを緩衝層として用いることで、外装部を形成する際のゲル状樹脂の取り扱いが容易となり作業性が向上するとともに、外部からの繰り返し衝撃や振動に対する耐久性をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である非接触データキャリアパッケージの構成を示す平面図
【図2】図1の非接触データキャリアパッケージの断面図
【図3】本発明の第2の実施形態である非接触データキャリアパッケージの構成を示す平面図
【図4】図3の非接触データキャリアパッケージの断面図
【図5】非接触データキャリアパッケージの曲げ試験方法を説明するための図
【図6】非接触データキャリアシステムの構成を示す図
【符号の説明】
1……アンテナコイル
2……回路基板
3,3′……ゲル状樹脂緩衝層
3a……樹脂製フィルム
3b……ゲル状樹脂
4……外装ケース
4′……外装材料
6……回路基板とアンテナコイルとの接合部

Claims (2)

  1. 回路基板及びアンテナコイルを外装部により包囲して構成される非接触データキャリアパッケージにおいて、
    前記回路基板、及び前記アンテナコイルと前記回路基板との接合部に面してゲル状樹脂からなる緩衝層が設けられているとともに、前記アンテナコイルの少なくとも一部が前記緩衝層に面していないことを特徴とする非接触データキャリアパッケージ。
  2. 回路基板の端子にアンテナコイルの両端線を接合する接合工程と、
    前記回路基板、及び前記アンテナコイルと前記回路基板との接合部に面して、かつ前記アンテナコイルの少なくとも一部に面しないようにゲル状樹脂からなる緩衝層を配置する緩衝層設置工程と、
    前記緩衝層が設けられた前記回路基板および前記接合部と、前記アンテナコイルと外装部で挟み込み、加熱および加圧して一体化する加熱加圧工程と
    を具備することを特徴とする非接触データキャリアパッケージの製造方法。
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