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JP3854976B2 - 折畳式携帯無線機 - Google Patents
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Description

本発明は、GPS受信機能を有する折畳式携帯無線機に関する。
近年広く利用されている折畳式携帯電話機として、上部筐体と下部筐体をヒンジ部材で開閉自在に連結してなるものがある。このような折畳式の携帯電話機の付加機能として、近年GPS(Global Positioning SYstem)受信機能が搭載され始めている。GPSでは、携帯電話の通信で使用している直線偏波とは異なり、円偏波を利用している。したがって、GPS受信機能を搭載して高い受信性能を得るためには、携帯電話機の筐体内部にGPS受信用の円偏波アンテナを搭載する必要がある。
携帯電話機用の円偏波アンテナとしては、例えば、特許文献1又は特許文献2に開示されているものがある。特許文献1又は特許文献2に開示されている円偏波アンテナは、携帯機の開閉蓋に棒状クロス素子を配置し円偏波を得るようにし、また、使用者が携帯電話機を手で保持して通話を行う状態(以下「通話状態」という)に対応して偏波を適切にするようにしている。
また、携帯電話機用の円偏波アンテナとしては、特許文献3に記載されているものがある。特許文献3に記載されている円偏波アンテナは、携帯機の内部にクロスした2素子を配置し、それらを切り替えて偏波ダイバーシチ動作を行い、また、90度の位相差の給電をすることにより円偏波を得るようにしている。
特開2000−183635号公報 特開2000−353911号公報 特開2002−16433号公報
しかしながら、従来の折畳式携帯電話機においては、携帯電話機用の円偏波アンテナとして複数のアンテナ素子と給電ケーブルが必要であるため、構成が複雑となり小型化かつ薄型化が困難であるという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、携帯電話機用の円偏波アンテナとして複数のアンテナ素子及び給電ケーブルなどからなる複雑な構造を必要とせず、かつ、手による保持状態において高いアンテナ性能を有する薄型の折畳式携帯無線機を提供することを目的とする。
また、本発明は、折畳式携帯無線機に内蔵する1つのアンテナを携帯電話用アンテナと円偏波アンテナとして共用し、かつ、手による保持状態において高いアンテナ性能を有する薄型の折畳式携帯無線機を提供することを目的とする。
請求項1に記載の折畳式携帯無線機は、上部筐体と下部筐体とを有し前記上部筐体と前記下部筐体とをヒンジ部材で開閉自在に連結してなる折畳式携帯無線機であって、前記上部筐体に配設されている板状導体と、前記板状導体に電気的に接続された導電性のヒンジ部と、前記下部筐体の内部に設けられている回路基板と、前記ヒンジ部において、前記ヒンジ部の幅方向に所定の間隔だけ離隔されて配設され、前記回路基板から前記板状導体に前記ヒンジ部を介して給電する第1給電部及び第2給電部と、前記回路基板上に配設され前記第1給電部及び前記第2給電部に高調波信号を分配する高調波信号分配手段と、前記高調波信号分配手段に前記高調波信号を供給する高調波信号供給手段と、前記第1給電部における前記高調波信号の励振位相に対して前記第2給電部における前記高調波信号の励振位相を異なる値に設定する位相設定手段と、を具備する構成を採る。
この構成によれば、携帯電話機用の円偏波アンテナとして複数のアンテナ素子及び給電ケーブル等からなる複雑な構造を必要とせず、かつ、手による保持状態において高いアンテナ性能を有する薄型の折畳式携帯無線機を提供することができる。
請求項2に記載の折畳式携帯無線機は、請求項1に記載の発明において、前記第1給電部における前記高調波信号の励振位相と前記第2給電部における前記高調波信号の励振位相の位相差を制御する位相差制御手段を具備する構成を採る。
この構成によれば、折畳式携帯無線機に内蔵する1つのアンテナを携帯電話用アンテナと円偏波アンテナとして共用し、かつ、手による保持状態において高いアンテナ性能を有する薄型の折畳式携帯無線機を提供することができる。
請求項3に記載の折畳式携帯無線機は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記折畳式携帯無線機の傾き角度を検出して傾き角度検出値を生成する傾き角度検出手段を具備し、前記位相差制御手段は前記傾き角度検出手段の前記傾き角度検出値に応じて前記位相差を制御する構成を採る。
この構成によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、折畳式携帯無線機の傾きに応じて最適な偏波特性が得られる。
請求項4に記載の折畳式携帯無線機は、上部筐体と下部筐体とを有し前記上部筐体と前記下部筐体とをヒンジ部材で開閉自在に連結してなる折畳式携帯無線機であって、前記上部筐体内に所定の間隔だけ離隔され、かつ、各々の主偏波方向が異なるように配置されている第1導体及び第2導体と、前記第1導体及び前記第2導体に電気的に接続された導電性のヒンジ部と、前記下部筐体の内部に設けられた回路基板と、前記ヒンジ部において、前記ヒンジ部の幅方向に所定の間隔だけ離隔されて配設され、前記回路基板から前記第1導体及び前記第2導体に前記ヒンジ部を介して給電する第1給電部及び第2給電部と、前記回路基板上に配設され前記第1給電部及び前記第2給電部に高調波信号を分配する高調波信号分配手段と、前記高調波信号分配手段に前記高調波信号を供給する高調波信号供給手段と、前記第1給電部における前記高調波信号の励振位相に対して前記第2給電部における前記高調波信号の励振位相を異なる値に設定する位相設定手段と、を具備する構成を採る。
この構成によれば、携帯電話機用の円偏波アンテナとして複数のアンテナ素子及び給電ケーブル等からなる複雑な構造を必要とせず、かつ、手による保持状態において高いアンテナ性能を有する薄型の折畳式携帯無線機を提供することができる。
以上説明したように、本発明によれば、携帯電話機用の円偏波アンテナとして複数のアンテナ素子及び給電ケーブルなどからなる複雑な構造を必要とせず、かつ、手による保持状態において高いアンテナ性能を有する薄型の折畳式携帯無線機を提供することができる。
本発明の骨子は、上部筐体に配設されている板状導体と、前記板状導体上に所定の間隔だけ離隔されて配設されている第1給電部及び第2給電部と、下部筐体の内部に設けられている回路基板と、前記回路基板上に配設され前記第1給電部及び第2給電部に高調波信号を分配する高調波信号分配手段と、前記高調波信号分配手段に前記高調波信号を供給する高調波信号供給手段と、前記第1給電部の励振位相に対して前記第2給電部の励振位相を異なる値に設定する位相設定手段と、を具備する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る折畳式携帯無線機を示す略正面図である。図2は、本発明の本発明の実施の形態1に係る折畳式携帯無線機を示す略側面図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る折畳式携帯無線機100は、上部筐体101と下部筐体102とを有し、上部筐体101と下部筐体102とをヒンジ部材103で開閉自在に連結してなる。上部筐体101と下部筐体102とは、絶縁体である樹脂により形成されている。上部筐体101の正面側(X方向側)には、発音素子の音口104が配置される。
上部筐体101には、板状導体105が接合するように配設されている。板状導体105は、高い導電性を有し、かつ、軽量で強度が高い金属(例えば、マグネシウム合金)で形成されている。板状導体105の寸法は、例えば、長辺L1が90mmであり、短辺L4が45mm程度である。なお、上部筐体101には、表示装置(図示せず)等が設けられている。
板状導体105の下端部の両側部には、ヒンジ金具106、107が所定間隔だけ離隔さて配設されている。板状導体105とヒンジ金具106、107とは、上部筐体101のネジ穴部に取り付けられる取付ネジ108、109によって固定される。
下部筐体102の内部には、回路基板110が配設されている。回路基板110の上端部の両側部には、給電端子111、112が配設され固定されている。回路基板110の上端部と板状導体105の下端部との間には、ヒンジ金具113、114が配置されている。給電端子111、112の上端部とヒンジ金具113、114の下端部とは、ネジ穴部に取り付けられる取付ネジ115、116によって固定される。ヒンジ金具106、107とヒンジ金具113、114とは、孔部に取り付けられる回転軸117、118により回転自在に連結される。
ヒンジ金具106、107、113、114、取付ネジ108、109、115、116及び回転軸117、118は、ヒンジ部材103を構成している。上部筐体101と下部筐体102とは、ヒンジ部材103により開閉自在に連結されている。すなわち、折畳式携帯無線機100は、ヒンジ部材103により折り畳み自在となっている。
また、ヒンジ金具106、107、113、114、取付ネジ108、109、115、116及び回転軸117、118は、電気的に接続されている。また、給電端子111、112は、ヒンジ部材103の取付ネジ115、116及びヒンジ金具113、114に電気的に接続されている。したがって、給電端子111、112に供給される高調波信号は、ヒンジ金具106、107に給電される。
回路基板110の上には、受信回路からなる無線回路119が配設されている。無線回路119には、高調波信号分配器120が接続されている。高調波信号分配器120の1つの出力端子には、移相器121が接続されている。移相器121と給電端子111との間には、整合回路122が接続されている。高調波信号分配器120の他の出力端子と給電端子112との間には、整合回路123が接続されている。給電端子111、112は、整合回路122、123に半田付けにより接続されている。なお、給電端子111、112は、整合回路122、123にバネにより接続されてもよい。
回路基板110の寸法は、例えば、長辺L2が90mmであり、短辺L3が45mm程度である。回路基板110上には、無線回路119のグランド電位となるグランドパターンがほぼ全面に形成される。整合回路122、123のグランド端子は、回路基板110の上のグランドパターンに接地される。
無線回路119からの高調波信号が高調波信号分配器120に供給される。高調波信号分配器120は、無線回路119からの高調波信号を移相器121を介して整合回路122に与え、また、整合回路123に与える。高調波信号分配器120は、例えば、ウィルキンソン型回路で構成される高調波信号分配器であり、無線回路119からの高周波信号を同振幅、かつ、同位相で分配する機能を有する。整合回路122、123は、板状導体105のインピーダンスを無線回路119の回路インピーダンス(一般に、50Ω)に整合を取る機能を果たす。
移相器121は、例えば、集中定数素子又は分布定数素子によって構成される回路であり、整合回路122に給電される高周波信号の位相を整合回路123に給電される位相に対して異なる値にする。
また、下部筐体102の上部には、携帯電話用アンテナ131が配設されている。下部筐体102の内部の回路基板110の上には、携帯電話用アンテナ131の整合回路132と送受信回路からなる携帯電話用無線回路133が配設されている。整合回路132は、携帯電話用無線回路133に接続されている。携帯電話用アンテナ131は、ヒンジ部材103を介して整合回路132に接続されている。なお、携帯電話用アンテナ131は、上部筐体101の上端に配設してもよい。
上記のように構成することで、板状導体105と回路基板110がY方向の両端で異なる位相で同時に給電されたダイポールアンテナとして動作する。
このように構成された折畳式携帯無線機100のアンテナ動作について、動作周波数を例えば、GPSの周波数である1.575GHZに設定して説明する。
図1に示すアンテナの動作を図3及び図4を用いて説明する。図3は、使用者301が折畳式携帯無線機100の下部筐体102を手で保持して、表示画面を目視しながら操作を行っている状態を示している。
図4(a)は、自由空間におけるアンテナ電流分布のイメージ図であり、図4(b)は、図3に示す手保持状態におけるアンテナ電流分布のイメージ図である。図4において、ダイポール素子401、402は、図1における板状導体105及び回路基板110の上のグランドパターンをアンテナ動作を説明するために長方形素子でモデル化したものである。
また、電流ベクトル412、413、422、423は、ダイポール素子401、402の上に分布するアンテナ電流分布をX方向における遠方界放射を考慮して各素子の対角線上に分布する電流ベクトルでモデル化したものである。実際には、ダイポール素子401、402の上において、位置によって異なる振幅と位相を有する電流が素子端部に集中して分布している。
電流ベクトル412、413は給電部411によって励振された成分を示しており、電流ベクトル422、423は給電部421によって励振された成分を示している。
自由空間におけるアンテナ動作について、図4(a)を用いて説明する。図4(a)において、X方向の遠方界放射を考慮すると電流ベクトル412と電流ベクトル413とがベクトル合成されてZ方向成分のみと見なすことができる。同様に、電流ベクトル422、423もZ方向成分のみと見なすことができる。したがって、給電部411及び給電部421によって励振される電流ベクトル成分に物理的な角度差が得られない。
一方、手保持状態では、図4(b)に示すように、ダイポール素子402が手モデル403で覆われているため、電流ベクトル413、423は手モデル403の影響を受け放射に寄与しない。したがって、電流ベクトル412、422のみが放射に寄与することになる。
この時に、図4(a)で示したような電流ベクトル412(422)と電流ベクトル413(423)とがベクトル合成される現象が発生しない。これにより、給電部411によって励振された電流ベクトル成分と給電部421によって励振された電流ベクトル成分との間に角度α(例えば、50度)の物理的な角度が発生する。
ここで、給電部411の励振信号の位相が給電部421の励振信号の位相に対して所定の値だけ進められることにより、X方向側に右旋円偏波の放射が得られる。この時に、給電部411、421の励振信号の位相差を調節することにより、右旋円偏波放射の最大放射方向及び軸比特性を変化することができる。
例えば、給電部411、421の励振信号の位相差として130度(=180度−α)を与えることによって、図5のXZ面放射パターン501に示すように、X方向からZ方向へ45度程度傾いた方向へ右旋円偏波の最大放射が得られる。
この時、図3に示すように、折畳式携帯無線機100を45度程度傾斜して保持した状態においては、天頂方向(図3におけるZ方向)に右旋円偏波が得られるため、このような手保持状態においてGPS受信用に好適なアンテナ性能が得られる。
ここで、円偏波特性が得られるアンテナ素子を構成する要素は、1枚の板状導体105、並びに、元来の構成要素である回路基板119及びヒンジ部材103のみであるため、円偏波特性を得るために複数のアンテナ素子及び給電用のケーブルなどの追加的な複雑な構造の部品が不要であるから、折畳式携帯無線機100を薄型化できるという効果がある。
なお、板状導体105及び回路基板110の寸法及び形状、又は、給電位相差は上記の例に限るものではなく、求めるアンテナ性能に応じて適切に設定することが望ましい。また、板状導体105は、上部筐体101の一部を構成する金属フレームで構成してもよい。また、ヒンジ部材103は、一体形成された構成であっても給電系が両端部に分割された構成であればよい。
また、給電端子111、112及びヒンジ部材103からなる2つの給電系は、上部筐体101及び下部筐体102の幅方向における中央部に寄せて配置した場合であっても、両給電系の間に一定の間隔(例えば、8分の1波長程度以上)が存在すればある程度の効果が得られるが、幅方向の最端部に配置することが望ましい。
このように、本発明の実施の形態1においては、板状導体105及び回路基板110の両端部において所定の位相差を持った高調波信号で給電するという簡単な構成により、手保持状態においてGPS受信に適したアンテナ性能が得られる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について、図面を参照して詳細に説明する。図6は、本発明の実施の形態2に係る折畳式携帯無線機600を示す略正面図である。本発明の実施の形態2においては、本発明の実施の形態1と同じ構成要素には同じ参照符号が付され、その説明が省略される。
図6に示すように、本発明の実施の形態2に係る折畳式携帯無線機600は、本発明の実施の形態1において、スイッチ回路601、602及び制御回路603を追加し、無線回路119の代わりに無線回路604を有し、かつ、携帯電話用アンテナ131と整合回路132と携帯電話用無線回路133とを削除してなる。スイッチ回路601、602は、移相器121の入出力端子に接続されている。制御回路603は、スイッチ回路601、602に接続されている。無線回路604は、送受信回路からなる。
スイッチ回路601、602は、高調波信号分配器120によって分配された高調波信号を移相器121を介して整合回路122に給電するか、又は、移相器121を介さず整合回路122に直接に給電するかを切り替える機能を持つ。
制御回路603は、無線回路604の動作を監視して、折畳式携帯無線機600がGPS受信モードで使用されているか、又は、折畳式携帯無線機600がメール送受信モードで使用されているかを検知し、検出結果に基づいてスイッチ回路601、602を制御する。
制御回路603は、折畳式携帯無線機600がGPS受信モードで使用されている時には、スイッチ回路601、602を制御して高調波信号分配器120によって分配された高調波信号を移相器121を介して整合回路122に給電させる。また、制御回路603は、折畳式携帯無線機600がメール送受信モードで使用されている時には、スイッチ回路601、602を制御して高調波信号分配器120によって分配された高調波信号を移相器121を介さず直接に整合回路122に給電させる。
これにより、整合回路122に給電される高調波信号(高周波信号)の位相は、整合回路123に給電される高調波信号(高周波信号)の位相に対し異なる値(位相差給電)、又は、同じ値(同相給電)に切り替えられる。
したがって、図3に示される手保持状態において、使用者が携帯電話機をGPS受信モードで使用しているか、又は携帯電話機の機能の一つであるメール送受信モードで使用しているかによって利用している偏波特性が異なる。
次に、本発明の実施の形態2に係る折畳式携帯無線機600のアンテナ動作を説明する。
図6において、折畳式携帯無線機600がGPS受信モードで使用されている時には、制御回路603はスイッチ回路601、602を制御して高調波信号分配器120によって分配された高調波信号を移相器121を介して整合回路122に給電させるため、本発明の実施の形態1と同じ効果が得られる。
一方、折畳式携帯無線機600がメール送受信モードで使用されている時には、制御回路603はスイッチ回路601、602を制御して高調波信号分配器120によって分配された高調波信号を直接に整合回路122に給電させるため、整合回路122、123に給電される高調波信号の位相が同位相となる。図4(b)において、手保持状態では上部筐体401に流れる電流のみがX方向における遠方界放射に寄与する。給電部411、421によって励振される電流ベクトル412、422が同位相で合成されることにより、Z方向の電流ベクトル成分を強め合う。
この時、図3に示すように折畳式携帯無線機600を45度程度傾斜して保持した状態において、垂直偏波成分が高くなる。
一般に、折畳式携帯無線機の通話状態の実効的なアンテナ性能を示す指標として、次の式(1)で示されるパターン平均化利得(PAG)が用いられる。
Figure 0003854976
式(1)においてGθ(φ)及びGφ(φ)は各々垂直偏波及び水平偏波成分の水平面高調波信号指向性である。また、CVHは、アンテナに入射する到来波の交差偏波高調波信号比(水平偏波成分に対する垂直偏波成分の高調波信号比率)に関連する補正係数である。陸上移動通信の多重波環境における一般的な交差偏波高調波信号比は4〜9dBであることが知られている。これは、到来波の垂直偏波の高調波信号が水平偏波の高調波信号より4〜9dB高いことを示している。
したがって、式(1)は、垂直偏波成分に重み付けをして水平面の高調波信号指向性を平均化することを意味する。以降、CVHは9dBを用いて説明を行う。したがって、携帯無線機用のアンテナにおいては、使用状態において垂直偏波成分を高くすることで高いPAGが得られることになる。
本発明の実施の形態2においては、2つの給電部を同相で給電した場合では垂直成分が高くなり、結果として高いPAG(−4dBd程度)を得ることができる。したがって、本発明の実施の形態2においては、2つの給電部の移相を制御することにより、1つのアンテナを携帯電話用アンテナと円偏波アンテナとして共用することができ、かつ、折畳式携帯無線機600の使用状態に対して最適な偏波特性が得られる。また、本発明の実施の形態2においては、1つのアンテナを携帯電話用アンテナとGPSアンテナとして共用することにより、折畳式携帯無線機600を小型化及び薄型化できる。
なお、本発明の実施の形態2においては、−Y側に給電される高調波信号の位相を変化する構成として説明したが、Y側に給電されるそれを変化する構成の場合、また、2つの給電部の高調波信号の位相を共に変化する構成の場合にも、同様な効果が得られる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について、図面を参照して詳細に説明する。図7は、本発明の実施の形態3に係る折畳式携帯無線機700を示す略正面図である。本発明の実施の形態3においては、本発明の実施の形態1と同じ構成要素には同じ参照符号が付され、その説明が省略される。
図7に示すように、本発明の実施の形態3に係る折畳式携帯無線機700は、本発明の実施の形態1において、移相器121の代わりに移相差制御回路701を有し、傾き角度センサー702を追加してなる。傾き角度センサー702は、移相差制御回路701と接続されている。
傾き角度センサー702は、折畳式携帯無線機700の傾き角度を検出して傾き角度検出値を生成し移相差制御回路701に与える。傾き角度センサー702は、例えば、3軸のジャイロセンサーで構成され、3次元空間において折畳式携帯無線機700の傾き角度を検出して傾き角度検出値を生成する。
移相差制御回路701は、傾き角度センサー702により検出された傾き角度検出値に応じて2つの給電素子111、112に給電される高調波信号の位相差を制御する。
なお、本発明の実施の形態3は、本発明の実施の形態2に適用することができる。
このように、本発明の実施の形態3においては、使用状態により様々に変化する折畳式携帯無線機700の傾き角度に応じて偏波を最適化できるため、常に高いアンテナ性能を確保することできる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について、図面を参照して詳細に説明する。図8は、本発明の実施の形態4に係る折畳式携帯無線機800を示す略正面図である。本発明の実施の形態4においては、本発明の実施の形態1と同じ構成要素には同じ参照符号が付され、その説明が省略される。
図8に示すように、本発明の実施の形態4に係る折畳式携帯無線機800は、本発明の実施の形態1において、板状導体105の代わりにL字型導体801及びL字型導体802を有している。
L字型導体801とL字型導体802は、上部筐体101の内部に所定の間隔だけ離隔され、かつ、各々の主偏波方向が異なるように配置されている。L字型導体801、802とヒンジ金具106、107とは、上部筐体101のネジ穴部に取り付けられる取付ネジ108、109によって固定される。
図8に示す本発明の実施の形態4に係る折畳式携帯無線機800のアンテナの動作は、図1に示すアンテナ動作と同様に、アンテナ素子上の電流分布を遠方界放射を考慮してモデル化した電流ベクトルを用いて説明することができる。
上記モデルを用いると、L字型導体801に分布する電流は、L字型導体801の給電部と先端部を結ぶ線上に分布する電流ベクトルでモデル化できる。L字型導体802に分布する電流も同様にモデル化できる。
L字型導体801の励振信号の位相を、L字型導体802の励振信号の位相に対して所定の値だけ進めることにより、X方向側に右旋円偏波が得られる。この時、L字型導体801、802の励振信号の位相差を調節することにより、右旋円偏波放射の最大放射方向又は軸比特性を変化することができる。
ここで、円偏波特性が得られるアンテナ素子を構成する要素は、2つのL字型導体801、802、並びに、元来の構成要素である回路基板110及びヒンジ部材103のみであり、給電用ケーブルなどの部品は不要である。
なお、本発明の実施の形態4においては、両アンテナ素子(L字型導体801、802)の形状をL字型としたが、L字を成す角度が90度でなくても同様の特性が得られる。また、本発明の実施の形態4においては、両アンテナ素子の形状をL字型ではなく直線状としても両アンテナ素子の主偏波方向が異なるように配置されていれば同様の効果が得られる。また、本発明の実施の形態4においては、両アンテナ素子の形状を直線状ではなく曲線状としても両アンテナ素子の主偏波方向が異なるように配置されていれば同様の効果が得られる。
また、本発明の実施の形態4は、本発明の実施の形態2、3に適用することができる。
本発明の実施の形態4にかかる折畳式携帯無線機800においては、両アンテナ素子の励振信号の位相差を調節することにより、円偏波だけでなく、折畳式携帯無線機800の通信に用いられている直線偏波をも得ることができる。例えば、折畳式携帯無線機800においては、両アンテナ素子に同相で給電した場合では垂直偏波成分が高くなり、図3に示すようなメールなどの使用状態で高いPAGが得られる。
また、折畳式携帯無線機800においては、両アンテナ素子に逆相で給電した時には水平偏波成分が高くなる。一般的に、使用者が折畳式携帯無線機(折畳式携帯電話機)を左手又は右手で保持して耳や口に近接して通話を行う通話状態では、携帯電話機が約60度傾斜して保持される場合が多いため、自由空間での水平偏波成分が通話状態で垂直成分となる。よって、折畳式携帯無線機800においては、両アンテナを逆相で給電して水平偏波成分を高くすることにより、通話状態では垂直偏波成分が強くなるため、高いPAGが得られることになる。
したがって、本発明の実施の形態4においては、両アンテナ素子の励振信号の位相差を適切に制御することにより、携帯電話用アンテナと円偏波アンテナとして共用することができるため、折畳式携帯無線機800を小型にすることができ、また、折畳式携帯無線機800の使用状態に対して最適な偏波特性が得られる。
本発明は、携帯電話機用の円偏波アンテナとして複数のアンテナ素子及び給電ケーブルなどからなる複雑な構造を必要とせず、かつ、手による保持状態において高いアンテナ性能を有する薄型の折畳式携帯電話機として有用である。
本発明の実施の形態1に係る折畳式携帯無線機を示す略正面図 本発明の実施の形態1に係る折畳式携帯無線機を示す略側面図 本発明の実施の形態1に係る折畳式携帯無線機の下部筐体を使用者が手で保持して表示画面を目視しながら操作を行っている状態を示す図 (a)は自由空間におけるアンテナ電流分布のイメージ図であり、(b)は図3に示す手保持状態におけるアンテナ電流分布のイメージ図 図4(b)の状態における垂直面の右旋円偏波パターンを示す図 本発明の実施の形態2に係る折畳式携帯無線機を示す略正面図 本発明の実施の形態3に係る折畳式携帯無線機を示す略正面図 本発明の実施の形態4に係る折畳式携帯無線機を示す略正面図
符号の説明
100、600、700、800 折畳式携帯無線機
101 上部筐体
102 下部筐体
103 ヒンジ部材
110 回路基板
111、112 給電端子
119 無線回路
120 高調波信号分配器
121 移相器
122、123 整合回路
601、602 スイッチ回路
603 制御回路
701 相差制御回路
702 傾き角度センサー
801 L字型導体
802 L字型導体

Claims (5)

  1. 上部筐体と下部筐体とを有し前記上部筐体と前記下部筐体とをヒンジ部材で開閉自在に連結してなる折畳式携帯無線機であって、
    前記上部筐体に配設されている板状導体と、
    前記板状導体に電気的に接続された導電性のヒンジ部と、
    前記下部筐体の内部に設けられている回路基板と、
    前記ヒンジ部において、前記ヒンジ部の幅方向に所定の間隔だけ離隔されて配設され、前記回路基板から前記板状導体に前記ヒンジ部を介して給電する第1給電部及び第2給電部と、
    前記回路基板上に配設され前記第1給電部及び前記第2給電部に高調波信号を分配する高調波信号分配手段と、
    前記高調波信号分配手段に前記高調波信号を供給する高調波信号供給手段と、
    前記第1給電部における前記高調波信号の励振位相に対して前記第2給電部における前記高調波信号の励振位相を異なる値に設定する位相設定手段と、
    を具備することを特徴とする折畳式携帯無線機。
  2. 前記第1給電部における前記高調波信号の励振位相と前記第2給電部における前記高調波信号の励振位相の位相差を制御する位相差制御手段を具備することを特徴とする請求項1記載の折畳式携帯無線機。
  3. 前記折畳式携帯無線機の傾き角度を検出して傾き角度検出値を生成する傾き角度検出手段を具備し、前記位相差制御手段は前記傾き角度検出手段の前記傾き角度検出値に応じて前記位相差を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の折畳式携帯無線機。
  4. 上部筐体と下部筐体とを有し前記上部筐体と前記下部筐体とをヒンジ部材で開閉自在に連結してなる折畳式携帯無線機であって、
    前記上部筐体内に所定の間隔だけ離隔され、かつ、各々の主偏波方向が異なるように配置されている第1導体及び第2導体と、
    前記第1導体及び前記第2導体に電気的に接続された導電性のヒンジ部と、
    前記下部筐体の内部に設けられた回路基板と、
    前記ヒンジ部において、前記ヒンジ部の幅方向に所定の間隔だけ離隔されて配設され、前記回路基板から前記第1導体及び前記第2導体に前記ヒンジ部を介して給電する第1給電部及び第2給電部と、
    前記回路基板上に配設され前記第1給電部及び前記第2給電部に高調波信号を分配する高調波信号分配手段と、
    前記高調波信号分配手段に前記高調波信号を供給する高調波信号供給手段と、
    前記第1給電部における前記高調波信号の励振位相に対して前記第2給電部における前記高調波信号の励振位相を異なる値に設定する位相設定手段と、
    を具備することを特徴とする折畳式携帯無線機。
  5. 上部筐体と下部筐体とを有し前記上部筐体と前記下部筐体とをヒンジ部材で開閉自在に連結してなる折畳式携帯無線機であって、
    前記上部筐体に配設されている板状導体と、
    前記板状導体上に所定の間隔だけ離隔されて配設されている第1給電部及び第2給電部と、
    前記下部筐体の内部に設けられている回路基板と、
    前記回路基板上に配設され前記第1給電部及び前記第2給電部に高調波信号を分配する高調波信号分配手段と、
    前記高調波信号分配手段に前記高調波信号を供給する高調波信号供給手段と、
    前記折畳式携帯無線機の傾き角度を検出して傾き角度検出値を生成する傾き角度検出手段と、
    前記第1給電部における前記高調波信号の励振位相と前記第2給電部における前記高調波信号の励振位相の位相差を前記傾き角度検出値に応じて制御する位相差制御手段と、
    を具備することを特徴とする折畳式携帯無線機。
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