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JP3855425B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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JP3855425B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吹出口から吹き出される空調風を乗員の身体の一部分に局所的に集中させるようにした車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インストルメントパネルの両側部にそれぞれ吹出口が設けられ、これらの吹出口に各々複数枚の偏向板を含むルーバ式の空気流偏向装置が設けられた車両用空調装置(例えば特開昭57−15008号公報等)がある。この車両用空調装置の空気流偏向装置は、各々の吹出口から吹き出す空調風を主として前部座席に着座している乗員へ向ける第1の設定位置と空調風を乗員よりそれる方向へ向ける第2の設定位置との間で偏向可能に構成されている。
【0003】
そして、上記の空気流偏向装置においては、炎天下駐車後のクールダウン時、すなわち、車両の車室内温度が設定温度よりも非常に高い時に、吹出口から吹き出される冷風を強制的に乗員の身体の一部分に向けるようにしている。ところが、冷風を長時間、乗員の身体の一部分、例えば顔に集中して当てると、吹出グリルと乗員の顔との間にはステアリングを握る手があり、冷たい空調風のため、乗員の手の皮膚温が下がり過ぎるために、乗員に不快感を与えるという不具合があった。
【0004】
そこで、上記の不具合を解消する目的で、特開昭61−122020号公報では、乗員がスポット吹出モードを選択した時に、車室内温度に応じて決定される所定時間毎に、乗員の身体の一部分に向けて空調風を吹き出す吹出モードと乗員の身体以外に向けて空調風を吹き出す吹出モードとを交互に繰り返すようにすることで、乗員が長時間同じ位置に空調風を受ける不快感を解消するようにした車両用空調装置(従来の技術)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の従来の車両用空調装置においては、空調風を所定時間が経過するまで乗員の身体の一部分に局所的に集中させていても、所定時間が経過すると、空調風を乗員の身体以外に向けてしまうので、クールダウン中でありながらも、非常に暑くなってしまい、乗員に不快感を与えてしまうという問題が生じている。
【0006】
また、局所冷房への影響が非常に小さい車室内温度に基づいて、乗員の身体の一部分に向けて空調風を吹き出す吹出モードの継続時間を変化させているので、乗員が暑いと感じている時に、空調風が乗員の顔部から外れたり、乗員が寒いと感じている時に、空調風が乗員の顔部に集中して吹き出したりする可能性があり、乗員の冷房感に対する要求を確実に満足させることができないという問題が生じている。
【0007】
【発明の目的】
本発明の目的は、乗員の快適感を損なわないようにすることのできる車両用空調装置を提供することにある。また、乗員の冷房感または暖房感に対する要求を確実に満足させることのできる車両用空調装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、局所冷房感または局所暖房感に関係の深い物理量に対応して、上記の乗員方向固定時間の長さを決定する。そして、空調ダクトの吹出口から車室内に吹き出す空調風の吹出方向を、乗員の身体の一部分に向けるようにしてから、乗員方向固定時間が経過したら、空調ダクトの吹出口から車室内に吹き出す空調風の吹出方向を、その乗員の身体の他の部分に向けるようにすることで、局所冷房中に乗員の身体以外に空調風が向けられることはなく、すなわち、局所冷房中に乗員の冷房感が損なわれることがなく、乗員が非常に暑くなることはない。あるいは局所暖房中に乗員の身体以外に空調風が向けられることはなく、すなわち、局所暖房中に乗員の暖房感が損なわれることがなく、乗員が非常に寒くなったりすることはない。したがって、乗員の快適感を損なわないようにすることができるので、乗員に不快感を与えることはない。
【0009】
請求項2および請求項に記載の発明によれば、局所冷房感または局所暖房感に関係の深い物理量、例えば吹出温度、吹出風量または車室外温度のいずれか1つ以上の物理量に対応して、上記の乗員方向固定時間の長さを決定する。あるいは、冷房運転時は、吹出温度が低い程、吹出風量が多い程、車室外温度が低い程、暖房運転時は、吹出温度が高い程、吹出風量が多い程、車室外温度が高い程、上記の乗員方向固定時間の長さを短く設定することで、局所冷房中に乗員が暑いと感じている時、または局所暖房中に乗員が寒いと感じている時には、乗員方向固定時間の長さが長くなる。また、局所冷房中に乗員が寒いと感じている時、または局所暖房中に乗員が暑いと感じている時には、乗員方向固定時間の長さが短くなるので、乗員の冷房感または暖房感に対する要求を確実に満足させることができる。
【0010】
請求項に記載の発明によれば、空調ダクトの吹出口から一方側空調エリア内に吹き出す空調風の吹出方向の変更と吹出口から他方側空調エリア内に吹き出す空調風の吹出方向の変更とを互いに独立して行うことができる。これにより、一方側空調エリアと他方側空調エリアとの温度調節や風量調節を互いに独立して行うことができる車両用空調装置の場合には、各空調エリア毎に空調風の吹出方向の変更時期をずらすことができるので、各空調エリア内の乗員毎の冷房感または暖房感に対応した局所冷房または局所暖房を行うことができる。
【0011】
請求項ないし請求項に記載の発明によれば、空調ダクトの吹出口から車室内に吹き出す空調風の吹出状態を、乗員の身体の一部分に局所的に集中させる第1吹出状態にしてから、乗員集中時間が経過した後に、吹出口から車室内に吹き出す空調風の吹出状態を、第1吹出状態と異なる吹出状態にする第2吹出状態に変更するようにしている。そして、局所冷房感または局所暖房感に関係の深い物理量、例えば吹出温度、吹出風量または車室外温度のいずれか1つ以上の物理量に対応して、上記の乗員集中時間の長さを決定する。あるいは冷房運転時は、吹出温度が低い程、吹出風量が多い程、車室外温度が低い程、暖房運転時は、吹出温度が高い程、吹出風量が多い程、車室外温度が高い程、上記の乗員集中時間の長さを短く設定することで、局所冷房中に乗員が暑いと感じている時、または局所暖房中に乗員が寒いと感じている時には、乗員集中時間の長さが長くなる。また、局所冷房中に乗員が寒いと感じている時、または局所暖房中に乗員が暑いと感じている時には、乗員集中時間の長さが短くなるので、乗員の冷房感または暖房感に対する要求を確実に満足させることができる。
【0012】
請求項および請求項に記載の発明によれば、空調ダクトの吹出口から車室内に吹き出す空調風の吹出状態を、例えば吹出方向、吹出位置、吹出範囲、吹出風量または吹出温度のいずれか1つ以上を第1吹出状態と異なるように、吹出状態変更時間が経過するまで変更することで、局所冷房中または局所暖房中の乗員の不快感を解消することができる。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、空調ダクトの吹出口から一方側空調エリア内に吹き出す空調風の吹出状態の変更、例えば吹出方向、吹出位置、吹出範囲、吹出風量または吹出温度の変更と吹出口から他方側空調エリア内に吹き出す空調風の吹出状態の変更、例えば吹出方向、吹出位置、吹出範囲、吹出風量または吹出温度の変更とを互いに独立して行うことができる。これにより、一方側空調エリアと他方側空調エリアとの温度調節や風量調節を互いに独立して行うことができる車両用空調装置の場合には、各空調エリア毎に空調風の吹出状態の変更時期をずらすことができるので、各空調エリア内の乗員毎の冷房感または暖房感に対応した局所冷房または局所暖房を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態の構成〕
図1ないし図23は本発明の第1実施形態を示したもので、図1は車両用空調装置の全体構成を示した図で、図2は車両のインストルメントパネルを示した図で、図3はエアコン操作パネルおよびDr側、Pa側ルーバ操作パネルを示した図である。
【0015】
本実施形態の車両用空調装置は、エンジンを搭載する自動車等の車両の車室内を空調する空調ユニット1における各空調手段(サーボモータ等のアクチュエータ)を、空調制御装置(以下エアコンECUと言う)50によって制御することで、吹出口から吹き出される空調風を乗員の身体の一部分に局所的に集中させる局所冷房運転および局所暖房運転ができるように構成されている。
空調ユニット1は、ドライバー側(運転席側:以下Dr側と言う)空調エリアとパッセンジャー側(助手席側:以下Pa側と言う)空調エリアとの温度調節、オートルーバ制御およびマニュアルルーバ制御等を互いに独立して行うことが可能なエアコンユニットである。なお、Dr側空調エリアとは、車両の車室内の一方側空調エリアおよび右前部座席側空調エリアである。また、Pa側空調エリアとは、車両の車室内の他方側空調エリアおよび左前部座席側空調エリアである。
【0016】
空調ユニット1は、車両の車室内の前方に配置された空調ダクト2を備えている。この空調ダクト2の上流側には、内外気切替ドア3およびブロワ4とが設けられている。内外気切替ドア3は、サーボモータ5により駆動されて車室内の空気(内気)を吸い込む内気吸込口6と、車室外の空気(外気)を吸い込む外気吸込口7との開度を変更する吸込口切替手段である。ブロワ4は、ブロワ駆動回路8によって制御されるブロワモータ9により回転駆動されて空調ダクト2内において車室内に向かう空気流を発生させる送風機である。
【0017】
空調ダクト2の中央部には、空調ダクト2内を通過する空気を冷却する冷凍サイクルのエバポレータ(空気冷却手段)10が、空調ダクト2の全面に渡って設けられている。また、そのエバポレータ10の下流側には、第1空気通路11および第2空気通路12を通過する空気を加熱するエンジンの冷却水を熱源としたヒータコア(空気加熱手段)13が設けられている。なお、第1空気通路11および第2空気通路12は仕切り板14により区画されており、ヒータコア13は仕切り板14を貫通して設けられている。そして、ヒータコア13の下流側には、車室内のDr側空調エリアとPa側空調エリアとの温度調節を互いに独立して行うためのDr側、Pa側エアミックス(A/M)ドア15、16が設けられている。
【0018】
そして、Dr側、Pa側A/Mドア15、16は、サーボモータ17、18により駆動されてヒータコア13を通過する空気量とヒータコア13を迂回する空気量とを調節することによりDr側、Pa側に向けて吹き出す空気の吹出温度を調節する。ここで、ヒータコア13、Dr側A/Mドア15およびPa側A/Mドア16により、吹出温度を調節する吹出温度可変手段が構成される。
【0019】
第1空気通路11の下流側では、フロントウインドガラス(前面窓ガラス)の内面に向けて空調風(主に温風)を吹き出すためのデフロスタ(DEF)吹出口20、Dr側の乗員の上半身(頭胸部)に向けて空調風(主に冷風)を吹き出すためのDr側センタフェイス(FACE)吹出口(センタ側吹出口)21、Dr側の乗員の上半身またはDr側のサイドウインドガラス(側面窓ガラス)の内面に向けて空調風(冷風または温風)を吹き出すためのDr側サイドフェイス(FACE)吹出口(サイド側吹出口)22、およびDr側の乗員の足元部に向けて空調風(主に温風)を吹き出すためのDr側フット(FOOT)吹出口23が開口している。なお、DEF吹出口20からは、Dr側空調エリアのフロントウインドガラスの内面だけでなく、Pa側空調エリアのフロントウインドガラスの内面に向けても空調風(主に温風)が吹き出される。
【0020】
また、第2空気通路12の下流側では、Pa側の乗員の上半身(頭胸部)に向けて空調風(主に冷風)を吹き出すためのPa側センタフェイス(FACE)吹出口(センタ側吹出口)31、Pa側の乗員の上半身またはPa側のサイドウインドガラスの内面に向けて空調風(冷風または温風)を吹き出すためのPa側サイドフェイス(FACE)吹出口(サイド側吹出口)32、およびPa側の乗員の足元部に向けて空調風(主に温風)を吹き出すためのPa側フット(FOOT)吹出口33が開口している。
【0021】
そして、第1、第2空気通路11、12内には、車室内のDr側とPa側との吹出口モードの設定を互いに独立して行うDr側、Pa側吹出口切替ドア24〜26、35、36が設けられている。そして、Dr側、Pa側吹出口切替ドア24〜26、35、36は、サーボモータ28、29、39により駆動されてDr側、Pa側の吹出口モードをそれぞれ切り替えるモード切替ドアである。ここで、Dr側、Pa側の吹出口モードとしては、フェイス(FACE)モード、バイレベル(B/L)モード、フット(FOOT)モード、フットデフ(F/D)モード、デフロスタ(DEF)モード等がある。
【0022】
そして、Dr側センタFACE吹出口21、Dr側サイドFACE吹出口22、Pa側センタFACE吹出口31およびPa側サイドFACE吹出口32には、インストルメントパネル40にルーバ装置がそれぞれ取り付けられている。なお、Dr側サイドFACE吹出口22およびPa側サイドFACE吹出口32を車両の前側ドアまたは側面ボディのインナパネルにそれぞれ取り付けられていても良い。
【0023】
次に、各FACE吹出口21、22、31、32に設置されるルーバ装置を図4ないし図6に基づいて簡単に説明する。ここで、図4はDr側の各FACE吹出口21、22にそれぞれ設置されるルーバ装置の全体構成を示した図である。なお、Pa側の各FACE吹出口31、32にそれぞれ設置されるルーバ装置はDr側の各FACE吹出口21、22に設置されるルーバ装置と同一の構成のため図示しない。
【0024】
各ルーバ装置は、Dr側、Pa側センタグリル41、Dr側、Pa側サイドグリル42内にそれぞれ設けられている。なお、これらのDr側、Pa側センタ、サイドグリル41、42内の空気通路は、上記のDr側センタFACE吹出口21、Dr側サイドFACE吹出口22、Pa側センタFACE吹出口31およびPa側サイドFACE吹出口32として利用される。そして、それらのDr側、Pa側センタ、サイドグリル41、42内には、ルーバ左右方向揺動機構(図5参照)およびルーバ上下方向揺動機構(図6参照)がそれぞれ設けられている。
【0025】
ルーバ左右方向揺動機構は、Dr側、Pa側センタ、サイドグリル41、42内において車両の進行方向に対して左右方向(車両の幅方向)に複数列設された可変ルーバを形成するルーバフィン(以下センタルーバまたはサイドルーバと言う)43と、複数枚のセンタ、サイドルーバ43を支点を中心にして左右方向に所定の揺動範囲にて揺動運動(スイング)させるリンクレバー44と、アームプレート45を介してリンクレバー44を水平方向に往復運動させるルーバ駆動手段としてのルーバモータ(例えばDCサーボモータ)43aとから構成されている。
【0026】
複数枚のセンタルーバ43および複数枚のサイドルーバ43は、本発明の吹出方向可変手段、吹出状態可変手段に相当するもので、ルーバモータ43aを所定の回転角度で止めることにより、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近または肩付近に向けられる。これにより、Dr側センタFACE吹出口21、Dr側サイドFACE吹出口22、Pa側センタFACE吹出口31およびPa側サイドFACE吹出口32から吹き出される空調風の吹出方向(風向)の水平方向の位置が、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近または肩付近に固定される。
【0027】
ここで、ルーバモータ43aの出力軸とリンクレバー44またはアームプレート45との間には、センタ、サイドルーバ43が乗員により手動操作された場合に大きな荷重がルーバモータ43aに加わらないように、リンクレバー44またはアームプレート45からルーバモータ43aの出力軸に伝達される操作力を遮断するクラッチ等の滑り手段が設けられている。
【0028】
ルーバ上下方向揺動機構は、Dr側、Pa側センタ、サイドグリル41、42内において車両の進行方向に対して上下方向(車両の高さ方向)に複数列設された可変ルーバを形成するルーバフィン(以下センタルーバまたはサイドルーバと言う)46と、複数枚のセンタ、サイドルーバ46を支点を中心にして上下方向に所定の揺動範囲にて揺動運動(スイング)させるリンクレバー47と、アームプレート48を介してリンクレバー47を上下方向に往復運動させるルーバ駆動手段としてのルーバモータ(例えばDCサーボモータ)46aとから構成されている。
【0029】
複数枚のセンタルーバ46および複数枚のサイドルーバ46は、本発明の吹出方向可変手段、吹出状態可変手段に相当するもので、ルーバモータ46aを所定の回転角度で止めることにより、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近または肩付近に向けられる。これにより、Dr側センタFACE吹出口21、Dr側サイドFACE吹出口22、Pa側センタFACE吹出口31およびPa側サイドFACE吹出口32から吹き出される空調風の吹出方向(風向)の高さ方向の位置が、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近または肩付近に固定される。
【0030】
ここで、ルーバモータ46aの出力軸とリンクレバー47またはアームプレート48との間には、センタ、サイドルーバ46が乗員により手動操作された場合に大きな荷重がルーバモータ46aに加わらないように、リンクレバー47またはアームプレート48からルーバモータ46aの出力軸に伝達される操作力を遮断するクラッチ等の滑り手段が設けられている。
【0031】
なお、ルーバモータ43a、46aはアクチュエータに相当する。また、Dr側のルーバ左右方向揺動機構およびDr側のルーバ上下方向揺動機構は本発明の一方側吹出方向可変手段、一方側吹出状態可変手段に相当し、Pa側のルーバ左右方向揺動機構およびPa側のルーバ上下方向揺動機構は本発明の他方側吹出方向可変手段、他方側吹出状態可変手段に相当する。
【0032】
エアコンECU50は、本発明の空調制御装置、集中時間決定手段に相当するもので、内部にCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータが設けられている。そして、エアコンECU50には、図1および図3に示したように、エアコン操作パネル51、Dr側ルーバ操作(SWINGSW)パネル52およびPa側ルーバ操作(SWINGSW)パネル53から各スイッチ信号が入力される。
【0033】
エアコン操作パネル51は、車室内前面の車幅方向の中央部にインストルメントパネル40に一体的に設置されている。エアコン操作パネル51には、エアコン(A/C)スイッチ54、吸込口モード切替スイッチ55、フロントデフロスタスイッチ56、リヤデフロスタスイッチ57、DUALスイッチ58、吹出口モード切替スイッチ59、ブロワ風量切替スイッチ60、オートスイッチ61、オフスイッチ62、液晶表示装置63、Dr側温度設定スイッチ64およびPa側温度設定スイッチ65等が設置されている。
【0034】
上記のうちのDUALスイッチ58は、Dr側空調エリア内の温度調節とPa側空調エリア内の温度調節とを互いに独立して行う左右独立温度コントロールを指令する左右独立制御指令手段である。また、吹出口モード切替スイッチ59は、FACEモード、B/Lモード、FOOTモードまたはF/Dモードのうちのいずれかの吹出口モードに固定する吹出口切替手段である。
【0035】
ブロワ風量切替スイッチ60は、ブロワ4のブロワ風量を段階的に切り替える風量切替手段である。そのブロワ風量切替スイッチ60は一回押す毎に、OFF、Lo、M1、M2、M3およびHiのように順に切り替わる。ブロワ風量切替スイッチ60を押して液晶表示装置63にOFFが表示されると、ブロワモータ9への通電を停止する。また、Lo、M1、M2、M3およびHiが表示されると、ブロワモータ9に印加するブロワ制御電圧VAを最小値(最小風量)、第1中間値(第1中間風量)、第2中間値(第2中間風量)、第3中間値(第3中間風量)および最大値(最大風量)に固定される。
【0036】
そして、Dr側温度設定スイッチ64は、Dr側空調エリア内の温度を所望の温度に設定するためのDr側温度設定手段である。また、Pa側温度設定スイッチ65は、Pa側空調エリア内の温度を所望の温度に設定するためのPa側温度設定手段である。Dr側温度設定スイッチ64およびPa側温度設定スイッチ65は、20℃〜30℃の間で例えば0.5℃毎にDr側設定温度およびPa側設定温度を設定可能なものである。
【0037】
Dr側ルーバ操作パネル52は、インストルメントパネル40の中央部においてエアコン操作パネル51の右隣に設置され、Dr側センタ、サイドグリル41、42の両方をスイング可能にするMATCHスイッチ66、Dr側センタグリル41をスイング可能にするCENTERスイッチ67、Dr側サイドグリル42をスイング可能にするSIDEスイッチ68およびスイングモード切替スイッチ69とから構成されている。
【0038】
上記のうちMATCHスイッチ66、CENTERスイッチ67、SIDEスイッチ68は、平常位置(OFF)と押込位置(ON)とを持つプッシュ式スイッチである。スイングモード切替スイッチ69は、STOP(スイング停止)、AUTO(オートスイング)、Rr、U−DSWING(上下方向スイング)、R−LSWING(左右方向スイング)の各切替位置を有するロータリー式スイッチである。
【0039】
なお、スイングモード切替スイッチ69は、AUTOに設定されると、Dr側センタグリル41またはDr側サイドグリル42のセンタ、サイドルーバ43、46をオートルーバ制御を行うように指令を出力する。そして、スイングモード切替スイッチ69は、Rrに設定されると、車両の前部座席側空調エリアよりも後部座席側空調エリアの方が風量配分が多くなるようにセンタ、サイドルーバ43、46をスイングさせる。例えばDr側センタグリル41のセンタ、サイドルーバ43、46のスイング速度を、Dr側空調エリア内の乗員に当たるように空調風が吹き出すゾーンでは速く、Dr側空調エリア内の乗員に当たらないように空調風が吹き出すゾーンでは遅くする。
【0040】
また、スイングモード切替スイッチ69は、U−DSWINGに設定されると、Dr側センタグリル41またはDr側サイドグリル42のセンタ、サイドルーバ46を所定のスイング範囲で上下方向(U−D方向)にスイングさせるマニュアルルーバ制御を行うように指令を出力する。さらに、スイングモード切替スイッチ69は、R−LSWINGに設定されると、Dr側センタグリル41またはDr側サイドグリル42のセンタ、サイドルーバ43を所定のスイング範囲で左右方向(R−L方向)にスイングさせるマニュアルルーバ制御を行うように指令を出力する。
【0041】
Pa側ルーバ操作パネル53は、Dr側ルーバ操作パネル52と同様にして、Pa側センタ、サイドグリル41、42の両方をスイング可能にするMATCHスイッチ70、Pa側センタグリル41をスイング可能にするCENTERスイッチ71、Pa側サイドグリル42をスイング可能にするSIDEスイッチ72およびスイングモード切替スイッチ73とから構成されている。
【0042】
上記のうちMATCHスイッチ70、CENTERスイッチ71、SIDEスイッチ72は、平常位置(OFF)と押込位置(ON)とを持つプッシュ式スイッチである。スイングモード切替スイッチ73は、STOP(スイング停止)、AUTO(オートスイング)、Rr、U−DSWING(上下方向スイング)、R−LSWING(左右方向スイング)の各切替位置を有するロータリー式スイッチである。
【0043】
なお、スイングモード切替スイッチ73は、スイングモード切替スイッチ69と同様にして、AUTOに設定されると、Pa側センタグリル41またはPa側サイドグリル42のセンタ、サイドルーバ43、46をオートルーバ制御を行うように指令を出力する。そして、スイングモード切替スイッチ73は、Rrに設定されると、車両の前部座席側空調エリアよりも後部座席側空調エリアの方が風量配分が多くなるようにセンタ、サイドルーバ43、46をスイングさせる。例えばPa側センタグリル41のセンタ、サイドルーバ43、46のスイング速度を、Pa側空調エリア内の乗員に当たるように空調風が吹き出すゾーンでは速く、Pa側空調エリア内の乗員に当たらないように空調風が吹き出すゾーンでは遅くする。
【0044】
また、スイングモード切替スイッチ73は、U−DSWINGに設定されると、Pa側センタグリル41またはPa側サイドグリル42のセンタ、サイドルーバ46を所定のスイング範囲で上下方向(U−D方向)にスイングさせるマニュアルルーバ制御を行うように指令を出力する。さらに、スイングモード切替スイッチ73は、R−LSWINGに設定されると、Pa側センタグリル41またはPa側サイドグリル42のセンタ、サイドルーバ43を所定のスイング範囲で左右方向(R−L方向)にスイングさせるマニュアルルーバ制御を行うように指令を出力する。
【0045】
ここで、図3に示したように、Dr側、Pa側センタグリル41間には、Dr側、Pa側センタFACE吹出口21、31を開閉するシャッタ(図示せず)を手動操作するためのドア開閉スイッチ74が設けられている。また、Dr側、Pa側センタグリル41およびDr側、Pa側サイドグリル42には、各センタ、サイドルーバ43、46のルーバ方向を手動操作により左右方向、上下方向に動かすためのノブ75、76が設けられている。
【0046】
さらに、エアコンECU50は、各センサからのセンサ信号が図示しない入力回路によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力されるように構成されている。すなわち、エアコンECU50には、車室内の空気温度(以下内気温度と言う)を検知する内気温度検知手段としての内気温度センサ91、車室外の空気温度(以下外気温度と言う)を検知する外気温度検知手段としての外気温度センサ92、およびDr側、Pa側空調エリア内に照射される日射量を検知するDr側、Pa側日射量検知手段としての日射センサ93が接続されている。
【0047】
また、Dr側、Pa側空調エリア内に吹き出す空調風の吹出温度を検知するDr側、Pa側吹出温度センサ94a、94b、エバポレータ10による実際の空気冷却度合を検知する冷却度合検知手段としてのエバ後温度センサ95、車両のエンジンの冷却水の温度を検知する冷却水温度検知手段としての冷却水温度センサ96、および各ルーバ装置のセンタ、サイドルーバ43、46の現在位置(空調風の吹出方向)を検知するポテンショメータ97、98が接続されている。
【0048】
ここで、内気温度センサ91を2個使用して、それぞれDr側空調エリア内およびPa側空調エリア内に設置しても良い。また、Dr側、Pa側吹出温度センサ94a、94bは、Dr側、Pa側サイドグリル42と空調ダクト2とを連結するサイドフェイスダクト内にそれぞれ設置されている。エバ後温度センサ95は、具体的にはエバポレータ10を通過した直後の空気温度(以下エバ後温度と言う)を検知するエバ後温度検知手段である。
【0049】
そして、日射センサ93は、Dr側、Pa側空調エリア内に照射される日射量(日射強度)を検知する日射強度検知手段(例えばフォトトランジスタ、フォトダイオード、太陽電池)、太陽光の照射方向(日射方向、日射方位角)を検知する日射方向検知手段(例えばフォトダイオード、太陽電池、サーミスタ等の感温素子)、および太陽光の高度(日射仰角、日射高度、太陽仰角)を検知する日射高度検知手段(例えばフォトダイオード、太陽電池、サーミスタ等の感温素子)を有している。
【0050】
複数個(本例では4個)のポテンショメータ97は、図5に示したように、ルーバ左右方向揺動機構近傍にそれぞれ設けられ、リンクレバー44と一体的に水平方向に往復移動する可動接点97a、およびこの可動接点97aの移動により分圧比を変える抵抗素子97b等よりなる。
複数個(本例では4個)のポテンショメータ98は、図6に示したように、ルーバ上下方向揺動機構近傍にそれぞれ設けられ、リンクレバー47と一体的に上下方向に往復移動する可動接点98a、およびこの可動接点98aの移動により分圧比を変える抵抗素子98b等よりなる。
【0051】
ここで、本実施形態のエアコンECU50では、局所冷房運転時および局所暖房運転時に、各FACE吹出口21、22、31、32から吹き出される空調風の吹出状態を、各空調エリア内の乗員の首付近(身体の一部分に相当する)に局所的に集中させる第1吹出状態と、各FACE吹出口21、22、31、32から吹き出される空調風の吹出状態を、各空調エリア内の乗員の肩付近(第1吹出状態と異なる吹出状態に相当する)に局所的に集中させる第2吹出状態とを所定時間毎に交互に行うようにルーバ制御を行う。
【0052】
具体的には、局所冷房運転時および局所暖房運転時に、各FACE吹出口21、22、31、32から吹き出される空調風の吹出方向を、各空調エリア内の乗員の首付近(身体の一部分に相当する)に固定する第1吹出方向と、空調風の吹出方向を、各空調エリア内の乗員の肩付近(身体の他の部分に相当する)に固定する第2吹出方向とを所定時間(乗員首方向固定時間、乗員肩方向固定時間)毎に交互に行うようにルーバ制御を行う。
【0053】
〔第1実施形態の制御方法〕
次に、本実施形態のエアコンECU50による制御方法を、図1ないし図23に基づいて説明する。ここで、図7はエアコンECU50の制御プログラムの一例を示したフローチャートである。
【0054】
先ず、イグニッションスイッチがONされてエアコンECU50に直流電源が供給されると、制御プログラム(図7のルーチン)の実行が開始される。このとき、先ず、データ処理用メモリ(RAM)の記憶内容等を初期化する(ステップS1)。
【0055】
次に、各種データをデータ処理用メモリに読み込む。すなわち、各スイッチからのスイッチ信号や各センサからのセンサ信号を入力する(ステップS2)。
具体的には、Dr側、Pa側温度設定スイッチ64、65にて設定されたDr側、Pa側設定温度と、Dr側、Pa側スイングモード切替スイッチ69、73の操作状態を入力してデータ処理用メモリに記憶する。
また、Dr側、Pa側吹出温度センサ94a、94bにて検知したDr側、Pa側吹出温度と、日射センサ93にて検知した日射量、日射方向および日射仰角とを入力してデータ処理用メモリに記憶する。
さらに、ポテンショメータ97にて検知した水平方向の現在位置(吹出方向、風向)、およびポテンショメータ98にて検知した上下方向の現在位置(吹出方向、風向)を入力してデータ処理用メモリに記憶する。
【0056】
次に、上記のような記憶データおよび下記の数1の式、数2の式に基づいて、Dr側の目標吹出温度TAO(Dr)、およびPa側の目標吹出温度TAO(Pa)を演算する(目標吹出温度決定手段:ステップS3)。
【数1】
Figure 0003855425
【数2】
Figure 0003855425
【0057】
但し、Tset(Dr)およびTset(Pa)は、それぞれDr側空調エリア内の設定温度、Pa側空調エリア内の設定温度を表し、TSは、それぞれDr側、Pa側空調エリア内の日射量を表す。また、TR、TAMは、それぞれ内気温度、外気温度を表す。Kset、KR、KAM、KS、Kd(Dr)およびKd(Pa)は、それぞれ温度設定ゲイン、内気温度ゲイン、外気温度ゲイン、日射量ゲイン、第1、第2空調エリアの温度差補正ゲインを表す。
【0058】
なお、Ka(Dr)、Ka(Pa)は、それぞれ外気温度TAMがDr側空調エリアおよびPa側空調エリアの各空調温度に及ぼす影響度合を補正するゲインを表し、CD(Dr)、CD(Pa)は上記影響度合に応じた定数、Cは補正定数を表す。ここで、Ka(Dr)、Ka(Pa)、CD(Dr)、CD(Pa)といった値は、車両の形や大きさ、空調ユニット1の吹出風向等様々なパラメータで変化する。
【0059】
次に、上記のステップS3で求めたDr側の目標吹出温度TAO(Dr)およびPa側の目標吹出温度TAO(Pa)に基づいてブロワモータ9に印加するブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)を演算する(ステップS4)。
具体的には、上記のブロワ制御電圧VAは、目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)にそれぞれ適合したブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)を図8の特性図に基づいて求めると共に、それらのブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)を平均化処理することにより得ている。
【0060】
次に、上記のステップS3で求めたDr側の目標吹出温度TAO(Dr)およびPa側の目標吹出温度TAO(Pa)と、図9の特性図に示した目標吹出温度に対する吹出口モード特性とに基づいてDr側空調エリアおよびPa側空調エリアの各吹出口モードを決定する(ステップS5)。
具体的には、吹出口モードの決定においては、上記の目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)が低い温度から高い温度にかけて、FACEモード、B/LモードおよびFOOTモードとなるように決定されている。また、エアコン操作パネル51に設けられた吹出口モード切替スイッチ59を操作することにより、FACEモード、B/Lモード、FOOTモードまたはF/Dモードのうちのいずれかの吹出口モードに固定される。
【0061】
なお、上記のFACEモードとは、空調風をDr側、Pa側空調エリア内の乗員の上半身(頭胸部)に向けて吹き出す吹出口モードである。また、B/Lモードとは、空調風をDr側、Pa側空調エリア内の乗員の上半身(頭胸部)および足元部に向けて吹き出す吹出口モードである。そして、FOOTモードとは、空調風をDr側、Pa側空調エリア内の乗員の足元部に向けて吹き出す吹出口モードである。さらに、F/Dモードとは、空調風を乗員の足元部および車両のフロントウインドガラスの内面に向けて吹き出す吹出口モードである。
【0062】
ここで、本実施形態では、エアコン操作パネル51に設けられたフロントデフロスタスイッチ56を操作すると、空調風を車両のフロントウインドガラスの内面に向けて吹き出すDEFモードが設定される。また、吹出口モードがFOOTモード、F/DモードまたはDEFモードであっても、Dr側サイドFACE吹出口22およびPa側サイドFACE吹出口32は常に開口している。
【0063】
次に、Dr側A/Mドア15のA/M開度SW(Dr)(%)およびPa側A/Mドア16のA/M開度SW(Pa)(%)を演算する(ステップS6)。なお、このようなA/M開度SW(Dr)およびA/M開度SW(Pa)の演算は、Dr側の目標吹出温度TAO(Dr)およびPa側の目標吹出温度TAO(Pa)と、エバ後温度センサ95にて検知したエバ後温度(TE)と、冷却水温度センサ96にて検知した冷却水温度(TW)と、下記の数3の式および数4の式とに基づいて行われる。
【数3】
SW(Dr)={TAO(Dr)−TE}×100/(TW−TE)
【数4】
SW(Pa)={TAO(Pa)−TE}×100/(TW−TE)
【0064】
次に、図10ないし図14のルーチンが起動して、ルーバ制御(オートルーバ制御またはマニュアルルーバ制御)を行う。すなわち、オートルーバ制御では、Dr側センタ、サイドFACE吹出口21、22からDr側空調エリア内に向けて吹き出す空調風の吹出状態(吹出方向、吹出範囲)を決定すると共に、Pa側センタ、サイドFACE吹出口31、32からPa側空調エリア内に向けて吹き出す空調風の吹出状態(吹出方向、吹出範囲)を決定する。具体的には、Dr側、Pa側センタ、サイドグリル41、42のルーバ装置のセンタ、サイドルーバ43、46のルーバ方向および揺動範囲(揺動角度)を決定する(吹出状態決定手段:ステップS7)。
【0065】
次に、ステップS4で決定されたブロワ制御電圧VAとなるようにブロワ駆動回路8に制御信号を出力する(ステップS8)。次に、ステップS6で決定されたA/M開度SW(Dr)およびA/M開度SW(Pa)となるようにサーボモータ17、18に制御信号を出力する(ステップS9)。
次に、ステップS5で決定された吹出口モードとなるようにサーボモータ28、29、39に制御信号を出力する(ステップS10)。次に、ステップS7で決定された吹出方向およびスイング範囲となるようにルーバモータ43a、46aに制御信号を出力する(ステップS11)。
【0066】
次に、エアコンECU50によるルーバ制御を図10ないし図23に基づいて説明する。ここで、図10ないし図14はエアコンECU50によるルーバ制御を示したフローチャートである。
【0067】
先ず、図10のルーチンが起動すると、Dr側、Pa側ルーバ操作パネル52、53に設けられたスイングモード切替スイッチ69、73がAUTOに設定されているか否かを判定する(ステップS12)。この判定結果がNOの場合には、スイングモード切替スイッチ69、73の設定位置に応じたマニュアルルーバ制御を行う(ステップS13)。その後に、図10のルーチンを抜ける。
【0068】
また、ステップS12の判定結果がYESの場合には、以下のオートルーバ制御を行う。最初に吹出口モードがFACEモードまたはB/Lモードであるか否かを判定する(ステップS14)。この判定結果がNOの場合には、吹出口モードがFOOTモードまたはF/Dモードであるか否かを判定する(ステップS15)。この判定結果がNOの場合には、Dr側、Pa側のサイドルーバ43、46を近傍のサイドウインドガラスへ向けるようにルーバ方向を決定する(ステップS16)。その後に、図10のルーチンを抜ける。
【0069】
また、ステップS15の判定結果がYESの場合には、冷却水温度センサ96にて検知した冷却水温度(TW)が所定冷却水温度(例えば40℃)TWSよりも高温であるか否かを判定する(ステップS17)。この判定結果がNOの場合には、ステップS16の制御処理に進む。
また、ステップS17の判定結果がYESの場合には、下記の数5の式、数6の式を満足するか否かを判定する(ステップS18)。この判定結果がYESの場合には、すなわち、定常の暖房運転時である場合には、ステップS16の制御処理に進む。
【数5】
−10(度)<{TR−Tset(Dr)}
【数6】
−10(度)<{TR−Tset(Pa)}
【0070】
但し、TRは内気温度センサ91にて検知した内気温度を表し、Tset(Dr)、Tset(Pa)はDr側、Pa側温度設定スイッチ64、65にて設定されたDr側、Pa側設定温度を表す。
【0071】
また、ステップS18の判定結果がNOの場合には、すなわち、クールダウン(局所冷房運転)時またはウォームアップ(局所暖房運転)時には、図11のルーチンが起動して、Dr側、Pa側吹出温度センサ94a、94bにて検知されたDr側、Pa側吹出温度と、図15の特性図に示した吹出温度に対する乗員首方向固定時間特性とに基づいて、Dr側、Pa側乗員の乗員首方向固定時間(本発明の乗員方向固定時間、乗員集中時間に相当する)を決定(算出)する(集中時間決定手段:ステップS19)。
【0072】
ここで、局所冷房運転時には、乗員首方向固定時間の決定においては、上記のDr側、Pa側吹出温度が高ければ高い程、乗員首方向固定時間が長くなるように決定される。また、局所暖房運転時には、乗員首方向固定時間の決定においては、上記のDr側、Pa側吹出温度が低ければ低い程、乗員首方向固定時間が長くなるように決定される。なお、乗員首方向固定時間の長さを図16の特性図に示したブロワ制御電圧に対する乗員首方向固定時間特性に基づいて、補正しても良い。
【0073】
次に、上記の乗員首方向固定時間と、図17の特性図に示した乗員首方向固定時間に対する乗員肩方向固定時間特性とに基づいて、Dr側、Pa側乗員の乗員肩方向固定時間(本発明の吹出状態変更時間に相当する)を決定(算出)する(ステップS20)。
具体的には、乗員肩方向固定時間の決定においては、上記の乗員首方向固定時間が長くなればなる程、乗員肩方向固定時間が長くなるように決定される。
【0074】
次に、Dr側、Pa側のサイドルーバ43、46を、乗員首方向固定時間が経過するまで、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近に向けたか否かを判定する(ステップS21)。この判定結果がNOの場合には、Dr側、Pa側のサイドルーバ43、46を、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近に向けるようにルーバ方向を決定する(ステップS22)。その後に、図11のルーチンを抜ける。
【0075】
また、ステップS21の判定結果がYESの場合には、Dr側、Pa側のサイドルーバ43、46を、乗員肩方向固定時間が経過するまで、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の肩付近に向けたか否かを判定する(ステップS23)。この判定結果がNOの場合には、Dr側、Pa側のサイドルーバ43、46を、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の肩付近に向けるようにルーバ方向を決定する(ステップS24)。その後に、図11のルーチンを抜ける。
【0076】
また、ステップS23の判定結果がYESの場合には、Dr側、Pa側のサイドルーバ43、46を、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近に向けるようにルーバ方向を決定する(ステップS25)。その後に、図11のルーチンを抜ける。
【0077】
また、図10のルーチンにおいて、ステップS14の判定結果がYESの場合には、下記の数7の式、数8の式を満足するか否かを判定する(ステップS26)。
【数7】
−10(度)<{TR−Tset(Dr)}<+10(度)
【数8】
−10(度)<{TR−Tset(Pa)}<+10(度)
【0078】
但し、TRは内気温度センサ91にて検知した内気温度を表し、Tset(Dr)、Tset(Pa)はDr側、Pa側温度設定スイッチ64、65にて設定されたDr側、Pa側設定温度を表す。
【0079】
このステップS26の判定結果がYESの場合には、すなわち、定常運転時である場合には、図12のルーチンが起動して、ブロワモータ9に印加するブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)に基づいて、Dr側、Pa側のセンタルーバ43、およびDr側、Pa側のサイドルーバ43のスイング高さを決定する(ステップS27)。
具体的には、図18に示したように、ブロワ制御電圧が4(V)〜5(V)の場合に(A)のスイング高さに設定し、ブロワ制御電圧が6(V)〜8(V)の場合に(B)のスイング高さに設定し、ブロワ制御電圧が9(V)以上の場合に(C)のスイング高さに設定する。
【0080】
次に、ブロワモータ9に印加するブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)に基づいて、Dr側、Pa側のセンタルーバ46、およびDr側、Pa側のサイドルーバ46のスイング位置を決定する(ステップS28)。
具体的には、図19に示したように、ブロワ制御電圧が4(V)〜5(V)の場合に(A)のスイング位置に設定し、ブロワ制御電圧が6(V)〜8(V)の場合に(B)のスイング位置に設定し、ブロワ制御電圧が9(V)以上の場合に(C)のスイング位置に設定する。
【0081】
次に、冷房運転時であるか否かを判定する(ステップS29)。この判定結果がYESの場合には、すなわち、冷房運転時には、Dr側、Pa側空調エリア内の日射方向、日射強度と、図20(a)の特性図とに基づいて、Dr側、Pa側のセンタルーバ43、46、およびDr側、Pa側のサイドルーバ43、46の揺動範囲(揺動角度)を決定(算出)する(ステップS30)。なお、図20(a)は冷房運転時の運転席側、助手席側の日射方向、日射強度に対するルーバの揺動範囲特性を示した特性図で、図20(b)は冷房運転時の内気温度に対する補正角度特性を示した特性図である。
【0082】
次に、ステップS30で決定したセンタ、サイドルーバ43、46の揺動範囲の内気温度補正を行う。具体的には、Dr側、Pa側の揺動範囲θ(Dr)、θ(Pa)と、図20(b)の特性図と、下記の数9の式、数10の式とに基づいて、目標値となる揺動範囲θ(Dr)、θ(Pa)を決定(算出)する(ステップS31)。その後に、ステップS34の制御処理を行う。
【数9】
θ(Dr)=θ(Dr)+α(度)
【数10】
θ(Pa)=θ(Pa)+α(度)
【0083】
また、ステップS29の判定結果がNOの場合には、すなわち、暖房運転の場合には、Dr側、Pa側空調エリア内の日射方向、日射強度と、図21(a)の特性図とに基づいて、Dr側、Pa側のセンタルーバ43、46、およびDr側、Pa側のサイドルーバ43、46の揺動範囲(揺動角度)を決定(算出)する(ステップS32)。なお、図21(a)は暖房運転時の運転席側、助手席側の日射方向、日射強度に対するルーバの揺動範囲特性を示した特性図で、図21(b)は暖房運転時の内気温度に対する補正角度特性を示した特性図である。
【0084】
次に、ステップS32で決定したセンタ、サイドルーバ43、46の揺動範囲の内気温度補正を行う。具体的には、Dr側、Pa側の揺動範囲θ(Dr)、θ(Pa)と、図21(b)の特性図と、上記の数9の式、数10の式とに基づいて、目標値となる揺動範囲θ(Dr)、θ(Pa)を決定(算出)する(ステップS33)。
【0085】
次に、揺動範囲(スイング幅)が狭い程、スイング速度が遅くなるように、スイング速度を算出する。すなわち、揺動範囲(スイング幅)が広い程、スイング速度が早くなるように、スイング速度を決定(算出)する(ステップS34)。その後に、図12のルーチンを抜ける。
【0086】
また、ステップS26の判定結果がNOの場合には、すなわち、クールダウン(局所冷房運転)時またはウォームアップ(局所暖房運転)時には、図13のルーチンが起動して、Dr側、Pa側吹出温度センサ94a、94bにて検知されたDr側、Pa側吹出温度と、図15の特性図に示した吹出温度に対する乗員首方向固定時間特性とに基づいて、Dr側、Pa側乗員の乗員首方向固定時間(本発明の乗員方向固定時間、乗員集中時間に相当する)を決定(算出)する(集中時間決定手段:ステップS35)。なお、乗員首方向固定時間の長さを図16の特性図に示したブロワ制御電圧に対する乗員首方向固定時間特性に基づいて、補正しても良い。
【0087】
次に、上記の乗員首方向固定時間と、図17の特性図に示した乗員首方向固定時間に対する乗員肩方向固定時間特性とに基づいて、Dr側、Pa側乗員の乗員肩方向固定時間(本発明の吹出状態変更時間に相当する)を決定(算出)する(ステップS36)。
次に、Dr側、Pa側のセンタルーバ43、46を、乗員首方向固定時間が経過するまで、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近に向けたか否かを判定する(ステップS37)。この判定結果がYESの場合には、Dr側、Pa側のセンタルーバ43、46を、乗員肩方向固定時間が経過するまで、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の肩付近に向けたか否かを判定する(ステップS38)。
【0088】
このステップS38の判定結果がNOの場合には、Dr側、Pa側のセンタルーバ43、46を、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の肩付近に向けるようにルーバ方向を決定する(ステップS39)。その後に、図13のルーチンを抜ける。
また、ステップS38の判定結果がYESの場合には、Dr側、Pa側のセンタルーバ43、46を、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近に向けるようにルーバ方向を決定する(ステップS40)。その後に、図13のルーチンを抜ける。
【0089】
また、ステップS37の判定結果がNOの場合には、図14のルーチンが起動して、Dr側、Pa側のセンタルーバ43、46を、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近に向けるようにルーバ方向を決定する(ステップS41)。
次に、Dr側、Pa側のサイドルーバ43、46を、乗員首方向固定時間が経過するまで、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近に向けたか否かを判定する(ステップS42)。この判定結果がNOの場合には、Dr側、Pa側のサイドルーバ43、46を、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近に向けるようにルーバ方向を決定する(ステップS43)。その後に、図14のルーチンを抜ける。
【0090】
また、ステップS42の判定結果がYESの場合には、Dr側、Pa側のセンタルーバ43、46が肩付近に向かう方向から首付近に向かう方向に変わってから所定時間(例えば5秒間)が経過しているか否かを判定する(ステップS44)。この判定結果がNOの場合には、ステップS43の制御処理に進む。
【0091】
また、ステップS44の判定結果がYESの場合には、Dr側、Pa側のサイドルーバ43、46を、乗員肩方向固定時間が経過するまで、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の肩付近に向けたか否かを判定する(ステップS45)。
【0092】
このステップS45の判定結果がNOの場合には、Dr側、Pa側のサイドルーバ43、46を、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の肩付近に向けるようにルーバ方向を決定する(ステップS46)。その後に、図14のルーチンを抜ける。
また、ステップS45の判定結果がYESの場合には、Dr側、Pa側のサイドルーバ43、46を、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近に向けるようにルーバ方向を決定する(ステップS47)。その後に、図14のルーチンを抜ける。
【0093】
〔第1実施形態の作用〕
次に、本実施形態の車両用空調装置の作用を図1ないし図23に基づいて説明する。ここで、図22(a)、(b)はセンタ、サイドグリル41、42から吹き出す空調風を各乗員の首付近に集中(固定)した状態を示した図であり、図23(a)はセンタ、サイドグリル41、42から吹き出す空調風を各乗員の肩付近に集中(固定)した状態を示した図で、図23(b)はセンタ、サイドグリル41、42から吹き出す空調風のどちらか一方を各乗員の首付近に集中(固定)し、他方を各乗員の肩付近に集中(固定)した状態を示した図である。
【0094】
イ)局所冷房運転時
例えば夏期等のようにDr側、Pa側設定温度よりも外気温度の方が高い場合には、吹出口モードは一般にFACEモードまたはB/Lモードに設定される。そして、炎天下駐車後のクールダウン時、ブロワ4の送風量が最大風量(ブロワモータ9に印加するブロワ制御電圧が最大値)の時、または演算により求められた目標吹出温度が最大冷房運転モード(例えばMAX・COOL)の時、あるいはDr側、Pa側空調エリア内に日射が射し込んでいる時には、Dr側、Pa側センタグリル41内のルーバ装置およびDr側、Pa側サイドグリル42内のルーバ装置の各ルーバモータ43a、46aを所定の回転角度で止めることにより、センタ、サイドルーバ43、46がDr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近に向けた状態で固定される。なお、Dr側、Pa側空調エリア内のいずれか一方の乗員にのみ日射が当たっていることを検出した場合には、一方の空調エリア内の乗員に冷風を吹き出すグリル内のルーバ装置のみ動かされ、そのルーバ装置の各センタ、サイドルーバ43、46がその乗員の首付近に向けた状態で固定される。
【0095】
これにより、空調ダクト2内のエバポレータ45で冷やされて、Dr側センタFACE吹出口21、Dr側サイドFACE吹出口22、Pa側センタFACE吹出口31およびPa側サイドFACE吹出口32から吹き出される冷風は、図22(a)、(b)に実線矢印で示したように、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近に局所的に集中する。なお、吹出口モードがFOOTモードまたはF/Dモードに設定されて、局所冷房運転を行う場合には、Dr側サイドFACE吹出口22およびPa側サイドFACE吹出口32のみから冷風がDr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近に局所的に集中するように吹き出される。
【0096】
しかし、乗員の身体の特定の箇所(首付近)に長時間、局所的(スポット的)に冷風を受けていると、吹出口と首との間に存在するステアリングを握る手の皮膚温が低下し、乗員が不快となる(寒いと感じる)のを防止するために、局所冷房感に関連の深い実際の吹出温度や実際の吹出風量(ブロワ制御電圧)から乗員首方向固定時間を演算し、更に乗員首方向固定時間から乗員肩方向固定時間を演算することで、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近に局所的に冷風を集中させる第1吹出状態(図22(a)、(b)の実線矢印参照)とDr側、Pa側空調エリア内の乗員の肩付近に局所的に冷風を集中させる第2吹出状態(図22(a)の破線矢印および図23(a)の実線矢印参照)とを交互に繰り返すようにしている。
なお、第2吹出状態として、図23(b)の実線矢印または破線矢印に示したように、センタ、サイドグリル41、42から吹き出す空調風のどちらか一方を各乗員の首付近に集中し、他方を各乗員の肩付近に集中しても良い。
したがって、局所冷房運転中に、Dr側、Pa側空調エリア内の各乗員の身体以外に空調風が向けられることはなく、すなわち、各乗員の冷房感が損なわれることがなく、Dr側、Pa側空調エリア内の各乗員が暑いと感じたり、寒過ぎると感じたりすることはないので、各乗員の快適感を損なうことはないので、各乗員に不快感を与えることもない。
【0097】
ロ)局所暖房運転時
例えば冬期等のようにDr側、Pa側設定温度よりも外気温度の方が低い場合には、吹出口モードは一般にFOOTモードまたはF/Dモードに設定される。そして、極寒時に長時間駐車後のウォームアップ時、ブロワ4の送風量が最大風量(ブロワモータ9に印加するブロワ制御電圧が最大値)の時、または演算により求められた目標吹出温度が最大暖房運転モード(例えばMAX・HOT)の時、あるいはDr側、Pa側空調エリア内に日射が射し込んでいない時には、Dr側、Pa側サイドグリル42内のルーバ装置の各ルーバモータ43a、46aを所定の回転角度で止めることにより、サイドルーバ43、46がDr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近に向けた状態で固定される。なお、Dr側、Pa側空調エリア内のいずれか一方の乗員にのみ日射が当たっていることを検出した場合には、他方の空調エリア内の乗員に温風を吹き出すグリル内のルーバ装置のみ動かされ、そのルーバ装置の各センタ、サイドルーバ43、46がその乗員の首付近に向けた状態で固定される。
【0098】
これにより、空調ダクト2内のヒータコア13で暖められて、Dr側サイドFACE吹出口22およびPa側サイドFACE吹出口32から吹き出される温風は、図22(a)、(b)に実線矢印で示したように、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近に局所的に集中する。なお、吹出口モードがFACEモードまたはB/Lモードに設定されて、局所暖房運転を行う場合には、Dr側センタFACE吹出口21およびPa側センタFACE吹出口31からも温風がDr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近に局所的に集中するように吹き出される。
【0099】
しかし、乗員の身体の特定の箇所(首付近)に長時間、局所的(スポット的)に温風を受けていると、吹出口と首との間に存在するステアリングを握る手の皮膚温が上昇し、乗員が不快となる(暑いと感じる)のを防止するために、局所暖房感に関連の深い実際の吹出温度や実際の吹出風量(ブロワ制御電圧)から乗員首方向固定時間を演算し、更に乗員首方向固定時間から乗員肩方向固定時間を演算することで、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近に局所的に温風を集中させる第1吹出状態(図22(a)、(b)の実線矢印参照)とDr側、Pa側空調エリア内の乗員の肩付近に局所的に温風を集中させる第2吹出状態(図22(a)の破線矢印および図23(a)の実線矢印参照)とを交互に繰り返すようにしている。
なお、第2吹出状態として、図23(b)の実線矢印または破線矢印に示したように、センタ、サイドグリル41、42から吹き出す空調風のどちらか一方を各乗員の首付近に集中し、他方を各乗員の肩付近に集中しても良い。
したがって、局所暖房運転中に、Dr側、Pa側空調エリア内の各乗員の身体以外に空調風が向けられることはなく、すなわち、各乗員の暖房感が損なわれることがないので、各乗員が寒いと感じたり、暑過ぎると感じたりすることはなく、Dr側、Pa側空調エリア内の各乗員の快適感を損なうことはないので、各乗員に不快感を与えることもない。
【0100】
〔第1実施形態の効果〕
以上のように、本実施形態の車両用空調装置では、局所冷房運転時または局所暖房運転時に、局所冷房感および局所暖房感に関係の深い吹出温度や吹出風量(ブロワ制御電圧)に基づいて、乗員首方向固定時間の長さおよび乗員肩方向固定時間の長さが変更されるように構成されている。
このため、Dr側、Pa側の目標吹出温度、少なくともDr側、Pa側の設定温度が異なるように設定すると、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の首付近に局所的に冷風または温風を集中させる第1吹出状態の継続時間、つまり第1吹出状態から第2吹出状態に切り替わる時期と、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員の肩付近に局所的に冷風または温風を集中させる第2吹出状態の継続時間、つまり第2吹出状態から第1吹出状態に切り替わる時期とを、Dr側、Pa側空調エリア毎に互いに独立して変更することができる。
これにより、各空調エリア内の乗員毎の局所冷房感または局所暖房感に対応した局所冷房運転または局所暖房運転を行うことができる。さらに、各空調エリア内の乗員毎の局所冷房感または局所暖房感に対する要求を確実に満足させることができる。
【0101】
〔第2実施形態〕
図24は本発明の第2実施形態を示したもので、Dr側、Pa側センタグリルおよびエアコン操作パネルを示した図である。
【0102】
本実施形態では、エアコン操作パネル51と一体的に、Dr側空調エリアおよびPa側空調エリア内の各FACE吹出口21、22、31、32から吹き出される空調風の吹出状態(センタ、サイドルーバ43、46のスイング状態)を操作するためのルーバ操作(SWINGSW)パネル100が設けられている。
【0103】
このルーバ操作パネル100は、MATCHスイッチ101、Drスイッチ102、Paスイッチ103およびスイングモード切替スイッチ104とから構成されている。なお、スイングモード切替スイッチ104は、第1実施形態のスイングモード切替スイッチ69、73と同様に、STOP(スイング停止)、AUTO(オートスイング)、Rr、U−DSWING(上下方向スイング)、R−LSWING(左右方向スイング)の各切替位置を有するロータリー式スイッチである。
【0104】
また、MATCHスイッチ101、Drスイッチ102およびPaスイッチ103は、平常位置(OFF)と押込位置(ON)とを持つプッシュ式スイッチである。MATCHスイッチ101がONされると、Dr側、Pa側のセンタ、サイドルーバ43、46のうちの少なくとも一方をスイングさせるように出力する。そして、Drスイッチ102がONされると、Dr側のセンタ、サイドルーバ43、46のうちの少なくとも一方をスイングさせるように出力する。さらに、Paスイッチ103がONされると、Pa側のセンタ、サイドルーバ43、46のうちの少なくとも一方をスイングさせるように出力する。
【0105】
〔第3実施形態〕
図25ないし図27は本発明の第3実施形態を示したもので、図25はルーバ装置のルーバ左右方向揺動機構の構成を示した図である。
【0106】
本実施形態のルーバ左右方向揺動機構140は、センタ、サイドFACE吹出口121、131を形成する集中拡散グリル120、130に設置されている。このルーバ左右方向揺動機構140は、集中拡散グリル120、130内において左右方向にスイング可能に取り付けられた複数枚(本例では3枚)の第1〜第3ルーバ141と、これらの第1〜第3ルーバ141を各支点142を中心にして左右方向に所定のスイング範囲にてスイングさせる複数枚(本例では3枚)の第1〜第3リンクプレート143と、これらの第1〜第3リンクプレート143を各支点144を中心にして回動させる平板プレート145と、この平板プレート145を車両の進行方向に対して前後方向に往復運動させるルーバ駆動手段(アクチュエータ)としてのルーバモータ146とから構成されている。複数枚の第1〜第3ルーバ141は、本発明の吹出方向可変手段、吹出状態可変手段に相当する。
【0107】
第1〜第3リンクプレート143には、各第1〜第3ルーバ141の上端面に設けられた円柱形状のピン147が係合する長円形状の係合穴148が形成されている。また、平板プレート145には、各リンクプレート143の上端面に設けられた円柱形状のピン149が係合する第1〜第3係合穴151〜153、およびルーバモータ146側の上端面に設けられたラック154が形成されている。なお、第1〜第3係合穴151〜153の形成順序は、集中拡散グリル120と集中拡散グリル130とでは逆となる。
【0108】
また、平板プレート145は、集中拡散グリル120、130の外壁面に設けられたガイド155およびレール156に案内されて、その外壁面上を車両の前後方向に摺動可能に配されている。ルーバモータ146は、集中拡散グリル120、130の外壁面に取り付けられた取付用台157上に設置されている。また、ルーバモータ146の出力軸の先端外周には、ラック154と噛合するピニオン159が組み付けられている。
【0109】
本実施形態では、ルーバモータ146を作動させることにより、図26に示したように、集中拡散グリル120、130の外壁面上において平板プレート145が最も車両後方側(乗員に近づく側)に位置すると、第1〜第3ルーバ141が図示左側(乗員方向)に向くことにより、集中拡散グリル120、130から吹き出される空調風が空調エリア内の乗員の身体の一部分(例えば頭胸部)に局所的に吹き出すスポット吹出モード(第1吹出状態)に設定される。
【0110】
また、ルーバモータ146を上記とは逆回転方向に作動させることにより、図27に示したように、集中拡散グリル120、130の外壁面上において平板プレート145が最も車両前方側(乗員より遠ざかる側)に位置すると、第1ルーバ141が図示右側(乗員を外す方向)に向き、第2ルーバ141が図示上側(中央方向)に向き、第3ルーバ141が図示左側(乗員方向)に向くことにより、集中拡散グリル120、130から吹き出される空調風が空調エリア内に拡散的に吹き出すワイド吹出モード(第2吹出状態)に設定される。
【0111】
〔第4実施形態〕
図28および図29は本発明の第4実施形態を示したもので、図28は車両のインストルメントパネルを示した図で、図29は空調ユニットのフェイスダクトを示した図である。
【0112】
本実施形態では、第1実施形態の空調ダクト2内の仕切り板14を廃止している。そして、前部座席側FACE吹出口として、空調ダクト2の空気下流側端部に連結されたフェイスダクト160の最空気下流側で開口するワイドフローFACE吹出口161が設けられている。ワイドフローFACE吹出口161は、インストルメントパネル40の前面中央で開口するDr側、Pa側センタFACE吹出口162、163と、インストルメントパネル40の車両幅方向両側、すなわち、車両のサイドウインドガラス近傍で開口するDr側、Pa側サイドFACE吹出口164、165と、これらのFACE吹出口の間で開口するDr側、Pa側ミドルFACE吹出口166、167とから構成されている。なお、各FACE吹出口162〜167には、乗員の手動操作により空調風の吹出方向を変更するための複数のルーバがそれぞれ設けられている。
【0113】
そして、フェイスダクト160には、各FACE吹出口162〜167を開閉するためのFACEドア171が回動自在に取り付けられており、Dr側サイド、ミドルFACE吹出口164、166を開閉するためのDr側ミドルFACEドア172が回動自在に取り付けられており、Pa側サイド、ミドルFACE吹出口165、167を開閉するためのPa側ミドルFACEドア173が回動自在に取り付けられている。なお、Dr側、Pa側ミドルFACEドア172、173は、本発明の吹出状態変更手段に相当するもので、開度に応じてDr、Pa側サイドFACE吹出口164、165およびDr、Pa側ミドルFACE吹出口166、167から各空調エリア内に吹き出す空調風の吹出状態(例えばワイド吹出モードとスポット吹出モード)を変更する。
【0114】
本実施形態では、サーボモータ等のアクチュエータによりFACEドア171を開放側に動かし、サーボモータ等のアクチュエータによりDr側、Pa側ミドルFACEドア172、173を閉塞側に動かす。それによって、Dr側、Pa側センタFACE吹出口162、163およびDr側、Pa側サイドFACE吹出口164、165を開放し、Dr側、Pa側ミドルFACE吹出口166、167を閉塞することにより、ワイドフローFACE吹出口161の開口面積を小さくすることで、ワイドフローFACE吹出口161から吹き出される空調風の吹出範囲を小さくして空調エリア内の乗員の身体の一部分に局所的に空調風を吹き出す(スポット吹出モード:第1吹出状態)。
【0115】
また、FACEドア171を開放側に動かし、Dr側、Pa側ミドルFACEドア172、173を中間位置に動かす。それによって、Dr側、Pa側センタFACE吹出口162、163、Dr側、Pa側サイドFACE吹出口164、165およびDr側、Pa側ミドルFACE吹出口166、167を開放することにより、ワイドフローFACE吹出口161の開口面積を大きくすることで、ワイドフローFACE吹出口161から吹き出される空調風の吹出範囲を大きくして空調エリア内に拡散的に空調風を吹き出す(ワイド吹出モード:第2吹出状態)。
【0116】
なお、フェイスダクト160内にFACEドアを追加して更に細やかな配風量の変更制御を行うようにしても良いし、空調ダクト2およびフェイスダクト160内に仕切り板を1個または2個以上入れて、それぞれの空気通路毎に送風機を配置して、各送風機の送風量を異ならせることで、Dr側、Pa側空調エリア内の乗員毎の配風量を変更しても良い。
【0117】
〔第5実施形態〕
図30は本発明の第5実施形態を示したもので、図30は車両用ドラムベンチレータを示した図である。
【0118】
本実施形態の車両用ドラムベンチレータは、自動車のインストルメントパネル201内に、空調ダクトのフェイスダクトに連通する筒形状のケース202が設けられている。このケース202は、内部にFACE吹出口203を形成する。そして、ケース202の空気下流側端部内には、筒形状の配風用ドラム(本発明の吹出方向可変手段、吹出状態可変手段に相当する)204が回動自在に設けられている。
【0119】
この配風用ドラム204内には、縦ルーバ205が左右回転自在に支持され、この縦ルーバ205と組み合わせて格子を成すように横ルーバ206が設けられている。また、ケース202の空気上流側端部内には、FACE吹出口203から吹き出す空調風の吹出風量を調節するダンパ207が回動自在に支持されている。なお、縦ルーバ205および横ルーバ206は、第1実施形態と同様にして、図示しないリンク機構を介してルーバモータ等のアクチュエータにより揺動運動が与えられる。ここで、本実施形態の配風用ドラム204は、ケース202の前端部に回動自在に取り付けられた筒形状の第1のドラム211と、この第1のドラム211に内蔵された筒形状の第2のドラム212とから構成されている。
【0120】
本実施形態では、空調風の吹出方向を変更する場合には、第2のドラム212の前面開口の向きを変更すれば良い。例えば、図30に示したように、ケース202、第1のドラム211および第2のドラム212の中心軸を略一致させると、空調風の吹出方向が斜め上向きとなり、空調エリア内の乗員の頭部付近に局所的に吹き出す第1吹出状態となる。また、ケース202の中心軸に対して、第1のドラム211および第2のドラム212を反時計回りに回動させることにより、空調風の吹出方向が下向きとなり、空調エリア内の乗員の胸部付近に局所的に吹き出す第2吹出状態となる。
【0121】
〔第6実施形態〕
図31および図32は本発明の第6実施形態を示したもので、図31および図32は空気吹出ルーバを示した図である。
【0122】
本実施形態の空気吹出ルーバ220は、本発明の吹出方向可変手段、吹出状態可変手段に相当するもので、例えば樹脂材料によって形成された細長い円筒形状で、一方の端面に断面D字状の係合穴221が設けられ、他方の端面に嵌合穴222が設けられている。そして、空気吹出ルーバ220の回転軸心Oと偏心した位置には、空気吹出ルーバ220の軸方向に亘って空気通路223が設けられ、回転軸心Oを挟んで空気通路223の反対側の位置には、軸方向に亘って閉鎖部224が設けられている。すなわち、閉鎖部224は、曲率中心を中心とした回転軸心Oを通る凸円弧面225を有しており、この凸円弧面225と空気吹出ルーバ220の外周面の一部とによって中実に形成され、閉鎖部224の中央部には、軸方向に亘って中空部226が形成されている。
【0123】
そして、空気吹出ルーバ220は、前記曲率中心を中心とする凹円弧面227を有しており、この凹円弧面227と空気吹出ルーバ220の外周面の一部とによってフィン228が形成され、凸円弧面225と凹円弧面227との間に一定幅の円弧状を成す空気通路223が形成されている。さらに、この空気通路223の幅方向の中間には、円弧状の整流フィン229が設けられている。
【0124】
上記のような空気吹出ルーバ220は、空気吹出ダクトの最空気下流側で開口した細長い矩形状の空気吹出口(図示せず)に収納されている。そして、空気吹出ルーバ220の係合穴221にはモータ230の回転軸231に形成された断面D字形状の係合軸部232が係合している。また、嵌合穴222には、空気吹出ダクトの側壁に突設された軸受ピン233が回転自在に嵌合されている。したがって、空気吹出ルーバ220は、モータ230の回転軸231と軸受ピン233とによって2点支持され、回転軸心Oを中心として回転自在であり、空気吹出口から吹き出される空調風の吹出方向を可変できるように構成されている。
【0125】
すなわち、本実施形態においても、空気吹出ルーバ220を回転軸心Oを中心に回動させることにより、空気吹出口から吹き出される空調風の吹出方向を空調エリア内の乗員の身体の一部分(例えば頭部や首部付近)に向けて局所的に吹き出す第1吹出方向と、空気吹出口から吹き出される空調風の吹出方向を空調エリア内の乗員の身体の他の部分(例えば胸部や肩部付近)に向けて局所的に吹き出す第2吹出方向とを切り替えることができる。
【0126】
〔第7実施形態の構成〕
図33ないし図36は本発明の第7実施形態を示したもので、図33はインストルメントパネルを示した図で、図34は吹出ダクト、支持枠および回転バルブを示した図である。
【0127】
本実施形態では、自動車のインストルメントパネル301の内方下部に、車室内を空調するための空調ユニット302が設置されている。また、インストルメントパネル301の前面には、断面コの字形状で車幅方向に細長い直線状の空気吹出口303を形成する吹出ダクト304が取り付けられている。そして、吹出ダクト304の背面には、空調ユニット302からの空調風を空気吹出口303に導く導風ダクト305が接続されている。
【0128】
そして、吹出ダクト304の前面には、ルーバ支持枠306が取り付けられており、このルーバ支持枠306には、空気吹出口303から車室の空調エリア内に吹き出される空調風の吹出方向を変更するための縦ルーバ307と横ルーバ309とが格子状に設けられている。そして、ルーバ支持枠306の空気上流側には、空気吹出口303の開口度合を変更して配風量を可変する回転バルブ310が設けられている。
【0129】
回転バルブ310は、本発明の吹出方向可変手段、吹出状態可変手段に相当するもので、その支軸311が吹出ダクト304のスリット312に回動自在に支持されている。そして、回転バルブ310は、その両端に端壁313を有する略半割円筒形状のもので、回転バルブ310の表面形状の空気上流側の一端辺である後端縁314は略直線状に形成され、また、回転バルブ310の表面形状の空気下流側の一端辺である前端縁315は、その中央の水平直線部316と、この水平直線部316の左右側方に形成された略円弧状の湾曲部317とから構成されている。すなわち、回転バルブ310の横断面形状は、水平直線部316では半円形状であり、湾曲部317では左右端に向けて半円形状から略4半円形状に徐々に変化する形状となっている。
【0130】
また、回転バルブ310の支軸311の外端には、回転バルブ310を回動して空調風の吹出状態を調整するための調整ダイヤル319が固着されている。なお、回転バルブ310の支軸311は、第1実施形態と同様にして、図示しないリンク機構を介してバルブモータ等のアクチュエータにより回動運動が与えられる。
【0131】
〔第7実施形態の作用〕
次に、本実施形態の作用を図33ないし図36に基づいて簡単に説明する。ここで、図35(a)〜図35(c)はスポット吹出モード時の回転バルブの回動位置を示した図で、図36(a)〜図36(c)はワイド吹出モード時の回転バルブの回動位置を示した図である。
【0132】
アクチュエータにより回転バルブ310をスポット吹出モード時の回動位置に駆動すると、空気吹出口303の中央部では、図35(a)に示したように、回転バルブ310により完全に閉じられ、また、空気吹出口303の左右端部では、図35(b)、(c)に示したように、空気吹出口303の左右端に近くなるに従って、徐々に大きく開かれる。これにより、空調ユニット302からの空調風は、空気吹出口303の中央部からは全く吹き出されず、空気吹出口303の左右端に近くなるに従って徐々に多量に吹き出される。その結果、空気吹出口303の左右端部前方においては、空調エリア内の乗員の身体の一部分(例えば頭胸部)に空調風が集中的に多量に吹き出されるスポット吹出モード(第1吹出状態)が行われる。
【0133】
一方、アクチュエータにより回転バルブ310をワイド吹出モード時の回動位置に駆動すると、空気吹出口303は、図36(a)〜(c)に示したように、中央部および左右端部共に略全開となる。これにより、空調ユニット302からの空調風は、空気吹出口303の全長に亘って均一に空調エリア内に吹き出されるワイド吹出モード(第2吹出状態)が行われる。
【0134】
〔第8実施形態〕
図37は本発明の第8実施形態を示したもので、図37(a)〜図37(e)は回転バルブの変形例を示した図である。
【0135】
図37(a)〜図37(d)の回転バルブ310の各後端縁314はいずれも第7実施形態の後端縁314と同じく直線上に形成されているが、前端縁321〜325の形状は各々異なっている。すなわち、図37(a)の回転バルブ310の前端縁321は、第7実施形態の前端縁の水平直線部316の中央にU字状の凹部326を形成したものであり、スポット吹出モードの時には、空調風は湾曲部317の部分だけでなく、凹部326の部分からも集中的に吹き出される。
【0136】
そして、図37(b)の回転バルブ310の前端縁322は、第7実施形態の右の湾曲部317のみを残して、左の湾曲部をなくしたものであり、空調風は湾曲部317のみから集中的に吹き出される。
また、図37(c)の回転バルブ310の前端縁323は、回転バルブ310の全長に亘って逆V字形状に形成され、空調風の吹出風量は中央部から左右端に向かうに従って徐々に増加するものとなっている。
【0137】
そして、図37(d)の回転バルブ310の前端縁324は、図37(c)の回転バルブ310と逆にV字形状に形成され、空調風の吹出風量は左右端から中央部に向かうに従って徐々に増加するものとなっている。
また、図37(e)の回転バルブ310の前端縁325は、左端から右端に向けて直線状に徐々に高さが低くなっており、空調風の吹出風量は左端から右端に向かうに従って徐々に増加するものとなっている。
【0138】
〔他の実施形態〕
本実施形態では、吹出口モードがFOOTモードまたはF/Dモードの時もDr側サイドFACE吹出口22およびPa側サイドFACE吹出口32から空調風(主に温風)を吹き出すようにしたが、吹出口モードがFACEモードまたはB/Lモードの時のみDr側サイドFACE吹出口22およびPa側サイドFACE吹出口32から空調風を吹き出すようにしても良い。
【0139】
本実施形態では、Dr側、Pa側センタグリル41、Dr側、Pa側サイドグリル42をインストルメントパネル40に固定したが、各センタ、サイドグリルを左右方向に回動自在に支持された状態で格納部材に取り付けても良く、各センタ、サイドグリルを上下方向に回動自在に支持された状態で格納部材に取り付けても良い。この場合には、グリル本体を吹出方向可変手段または吹出状態可変手段として揺動させるようにしても良い。
【0140】
本実施形態では、可変ルーバまたは可変グリル等の吹出方向可変手段を各FACE吹出口21、22、31、32に設けたが、車室内の車両側面、車室内の中央部(例えばコンソールボックス付近)または車両の天井部に設けた吹出口に可変ルーバまたは可変グリル等の吹出方向可変手段を設けても良い。
本実施形態では、ルーバとして、各FACE吹出口に左右方向に揺動運動するセンタ、サイドルーバ43および上下方向に揺動運動するセンタ、サイドルーバ46の両方を設けたが、ルーバとして、各FACE吹出口に水平方向に揺動運動するセンタ、サイドルーバ43または上下方向に揺動運動するセンタ、サイドルーバ46のいずれか一方のみを設けても良い。
【0141】
本実施形態では、1個のブロワ4を回転させることにより空調ダクト2の各FACE吹出口21、22、31、32から車室内に空調風を吹き出すように構成したが、2個の送風機を回転させることにより空調ダクト2のDr側、Pa側FACE吹出口から車室内に空調風を吹き出す配風量を変更可能なように構成しても良く、FACE吹出口の数に対応した個数の送風機を回転させることにより空調ダクト2の各FACE吹出口から車室内に空調風を吹き出す配風量を変更可能なように構成しても良い。また、各FACE吹出口毎、または一方側、他方側吹出口毎に互いに独立して風量調節を行えるようにしても良い。
【0142】
本実施形態では、空調負荷検知手段として日射強度検知手段、日射方向検知手段および日射高度検知手段を有する日射センサ93を設けたが、少なくとも日射強度検知手段を有する日射センサを設けても良い。この場合には、マイクロコンピュータで日射センサからの日射強度信号を入力して日射方向および日射高度(太陽仰角)を算出するようにする。また、日射センサとして、カーナビゲーションシステムのマイクロコンピュータにその日時の太陽高度や車両の現在位置に対する日射方向を記憶させている場合には、そのカーナビゲーションシステムの出力信号を日射センサ信号としてエアコンECUに読み込むようにしても良い。
【0143】
本実施形態では、本発明をDr側空調エリア(一方側空調エリア)とPa側空調エリア(他方側空調エリア)との左右(車両の進行方向に対して左右)の温度調節を互いに独立して行うことが可能な車両用空調装置に適用したが、本発明を車室内の前部座席側空調エリア(一方側空調エリア)と後部座席側空調エリア(他方側空調エリア)との前後(車両の進行方向に対して前後)の温度調節を互いに独立して行うことが可能な車両用空調装置に適用しても良い。また、本発明を車室内の温度調節を1つの吹出温度可変手段により行う車両用空調装置に適用しても良い。
【0144】
本実施形態では、局所冷房感または局所暖房感に関係の深い物理量として、サイドフェイスダクト内を通過する空気の温度(実際の吹出温度)や、ブロワ4のブロワモータ9に印加するブロワ制御電圧(実際の吹出風量)を利用して、乗員首方向固定時間(乗員方向固定時間、乗員集中時間)または乗員肩方向固定時間(吹出状態変更時間)を算出(決定)したが、局所冷房感または局所暖房感に関係の深い物理量として、車室外温度(外気温度)を利用して、乗員方向固定時間、乗員集中時間または吹出状態変更時間を算出(決定)しても良い。
【0145】
本実施形態では、車室内の吹き出す空気の吹出温度をDr側、Pa側吹出温度センサ94a、94bにて検出したが、車室内の吹き出す空気の吹出温度を、演算された目標吹出温度、エバ後温度、A/MドアのA/M開度または冷却水温度等から算出しても良い。
【0146】
本実施形態では、第1吹出方向、第1吹出状態として、各空調エリア内の乗員の首付近に空調風を局所的に集中させるように可変ルーバ等の吹出方向可変手段(吹出状態可変手段)を向けたが、第1吹出方向、第1吹出状態として、各空調エリア内の乗員の頭部、顔部、頭胸部または手等の身体の他の部分に空調風を吹き出すように吹出方向可変手段(吹出状態可変手段)を制御しても良い。
【0147】
本実施形態では、第2吹出方向として、各空調エリア内の乗員の肩付近に空調風を局所的に集中させるように可変ルーバ等の吹出方向可変手段を向けたが、第2吹出方向として、各空調エリア内の乗員の頭部、顔部、頭胸部、手、腰部または大腿部等の身体の他の部分に空調風を吹き出すように吹出方向可変手段を制御しても良い。
【0148】
本実施形態では、第2吹出状態として、各空調エリア内の乗員の肩付近に空調風を局所的に集中させるように可変ルーバ等の吹出状態可変手段を向けたが、第2吹出状態として、第1吹出状態と異なる吹出方向となるように吹出状態可変手段を制御しても良く、また、吹出位置、吹出範囲、吹出風量または吹出温度のいずれか1つ以上を第1吹出状態と異なるように変更しても良い。ここで、吹出範囲を変更する場合には、スポット吹出モードからワイド吹出モードに変更したり、可変ルーバを固定する吹出状態から可変ルーバを揺動させる吹出状態にしたり、センタFACE吹出口またはサイドFACE吹出口のうちの少なくとも一方のFACE吹出口から吹き出す空調風の吹出方向を乗員を外す方向に向けたりする等しても良い。
【0149】
本実施形態では、アクチュエータにDCサーボモータを用いたが、ステッピングモータを用いても良い。この場合には、基準位置からのパルス数をカウントすることで吹出方向(風向)を検出することができるので、ポテンショメータ97、98を設けなくても良い。
本実施形態の各機能は、マルチディスプレイ等の操作によりON、OFFを乗員が選択できることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用空調装置の全体構成を示した構成図である(第1実施形態)。
【図2】車両のインストルメントパネルを示した正面図である(第1実施形態)。
【図3】エアコン操作パネルおよびDr側、Pa側ルーバ操作パネルを示した正面図である(第1実施形態)。
【図4】ルーバ装置の全体構成を示した概略図である(第1実施形態)。
【図5】ルーバ左右方向揺動機構の構成を示した概略図である(第1実施形態)。
【図6】ルーバ上下方向揺動機構の構成を示した概略図である(第1実施形態)。
【図7】エアコンECUの制御プログラムの一例を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図8】Dr側、Pa側の目標吹出温度に対するブロワ制御電圧特性を示した特性図である(第1実施形態)。
【図9】Dr側、Pa側の目標吹出温度に対する吹出口モード特性を示した特性図である(第1実施形態)。
【図10】エアコンECUによるルーバ制御を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図11】エアコンECUによるルーバ制御を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図12】エアコンECUによるルーバ制御を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図13】エアコンECUによるルーバ制御を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図14】エアコンECUによるルーバ制御を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図15】吹出温度に対する乗員首方向固定時間特性を示した特性図である(第1実施形態)。
【図16】ブロワ制御電圧に対する乗員首方向固定時間特性を示した特性図である(第1実施形態)。
【図17】乗員首方向固定時間に対する乗員肩方向固定時間特性を示した特性図である(第1実施形態)。
【図18】センタ、サイドルーバのスイング高さを示した模式図である(第1実施形態)。
【図19】センタ、サイドルーバのスイング位置を示した模式図である(第1実施形態)。
【図20】(a)は冷房運転時の運転席側、助手席側の日射方向、日射強度に対するルーバの揺動範囲特性を示した特性図で、(b)は冷房運転時の内気温度に対する補正角度特性を示した特性図である(第1実施形態)。
【図21】(a)は暖房運転時の運転席側、助手席側の日射方向、日射強度に対するルーバの揺動範囲特性を示した特性図で、(b)は暖房運転時の内気温度に対する補正角度特性を示した特性図である(第1実施形態)。
【図22】(a)、(b)はセンタ、サイドグリルから吹き出す空調風を各乗員の首付近に集中した状態を示した模式図である(第1実施形態)。
【図23】(a)はセンタ、サイドグリルから吹き出す空調風を各乗員の肩付近に集中した状態を示した図で、(b)はセンタ、サイドグリルから吹き出す空調風のどちらか一方を各乗員の首付近に集中し、他方を各乗員の肩付近に集中した状態を示した模式図である(第1実施形態)。
【図24】Dr側、Pa側センタグリルおよびエアコン操作パネルを示した正面図である(第2実施形態)。
【図25】ルーバ左右方向揺動機構の構成を示した斜視図である(第3実施形態)。
【図26】集中拡散グリルからの吹出状態がスポット吹出モードの場合を示した説明図である(第3実施形態)。
【図27】集中拡散グリルからの吹出状態がワイド吹出モードの場合を示した説明図である(第3実施形態)。
【図28】車両のインストルメントパネルを示した正面図である(第4実施形態)。
【図29】空調ユニットのフェイスダクトを示した概略図である(第4実施形態)。
【図30】車両用ドラムベンチレータを示した断面図である(第5実施形態)。
【図31】空気吹出ルーバを示した斜視図である(第6実施形態)。
【図32】空気吹出ルーバを示した断面図である(第6実施形態)。
【図33】インストルメントパネルを示した正面図である(第7実施形態)。
【図34】吹出ダクト、支持枠および回転バルブを示した図である(第7実施形態)。
【図35】(a)〜(c)はスポット吹出モード時の回転バルブの回動位置を示した断面図である(第7実施形態)。
【図36】(a)〜(c)はワイド吹出モード時の回転バルブの回動位置を示した断面図である(第7実施形態)。
【図37】(a)〜(e)は回転バルブの変形例を示した斜視図である(第8実施形態)。
【符号の説明】
1 空調ユニット
2 空調ダクト
4 ブロワ(送風機)
21 Dr側センタFACE吹出口
22 Dr側サイドFACE吹出口
31 Pa側センタFACE吹出口
32 Pa側サイドFACE吹出口
43 センタ、サイドルーバ(吹出方向可変手段、吹出状態可変手段)
46 センタ、サイドルーバ(吹出方向可変手段、吹出状態可変手段)
50 エアコンECU(空調制御装置、集中時間決定手段)
94a Dr側吹出温度センサ
94b Pa側吹出温度センサ

Claims (10)

  1. (a)車室内に向けて空調風を吹き出すための吹出口を有する空調ダクトと、
    (b)前記吹出口から車室内に吹き出す空調風の吹出方向を、
    乗員の身体の一部分に向ける第1吹出方向と前記乗員の身体の他の部分に向ける第2吹出方向とに変更することが可能な吹出方向可変手段と、
    (c)前記吹出口から車室内に吹き出す空調風の吹出方向を前記第1吹出方向に向けるように前記吹出方向可変手段を制御してから、
    乗員方向固定時間が経過した後に、
    前記吹出口から車室内に吹き出す空調風の吹出方向を前記第2吹出方向に向けるように前記吹出方向可変手段を制御する空調制御装置と
    を備えた車両用空調装置において、
    前記空調制御装置は、前記乗員方向固定時間の長さを、局所冷房感または局所暖房感に関係の深い物理量に対応して決定することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項に記載の車両用空調装置において、
    前記局所冷房感または局所暖房感に関係の深い物理量とは、前記吹出口から吹き出す空調風の吹出温度、吹出風量または車室外温度のいずれか1つ以上の物理量であることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項または請求項に記載の車両用空調装置において、
    前記空調制御装置は、冷房運転時に、吹出温度が低い程、吹出風量が多い程、車室外温度が低い程、前記乗員方向固定時間の長さを短く設定し、
    暖房運転時に、吹出温度が高い程、吹出風量が多い程、車室外温度が高い程、前記乗員方向固定時間の長さを短く設定することを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載の車両用空調装置において、
    前記吹出口は、車室内の一方側空調エリア内に向けて空調風を吹き出すための一方側吹出口、および前記一方側空調エリアとは異なる車室内の他方側空調エリア内に向けて空調風を吹き出すための他方側吹出口を有し、
    前記吹出方向可変手段は、前記一方側吹出口から前記一方側空調エリア内に吹き出す空調風の吹出方向を変更することが可能な一方側吹出方向可変手段、および前記他方側吹出口から前記他方側空調エリア内に吹き出す空調風の吹出方向を変更することが可能な他方側吹出方向可変手段を有し、
    前記空調制御装置は、前記一方側空調エリア内の空調風の吹出方向の変更と前記他方側空調エリア内の空調風の吹出方向の変更とを互いに独立して行うように、前記一方側吹出方向可変手段および前記他方側吹出方向可変手段を制御することを特徴とする車両用空調装置。
  5. (a)車室内に向けて空調風を吹き出すための吹出口を有する空調ダクトと、
    (b)前記吹出口から車室内に吹き出す空調風の吹出状態を、
    乗員の身体の一部分に局所的に集中させる第1吹出状態とこの第1吹出状態と異なる吹出状態にする第2吹出状態とに変更することが可能な吹出状態可変手段と、
    (c)局所冷房感または局所暖房感に関係の深い物理量に対応する長さの乗員集中時間を決定する集中時間決定手段を有し、
    前記吹出口から車室内に吹き出す空調風の吹出状態を、前記第1吹出状態にするように前記吹出状態可変手段を制御してから、
    前記集中時間決定手段にて決定した乗員集中時間が経過した後に、
    前記吹出口から車室内に吹き出す空調風の吹出状態を、前記第2吹出状態に変更するように前記吹出状態可変手段を制御する空調制御装置と
    を備えた車両用空調装置。
  6. 請求項に記載の車両用空調装置において、
    前記局所冷房感または局所暖房感に関係の深い物理量とは、前記吹出口から吹き出す空調風の吹出温度、吹出風量または車室外温度のいずれか1つ以上の物理量であることを特徴とする車両用空調装置。
  7. 請求項または請求項に記載の車両用空調装置において、
    前記集中時間決定手段は、冷房運転時に、吹出温度が低い程、吹出風量が多い程、車室外温度が低い程、前記乗員方向固定時間の長さを短く設定し、
    暖房運転時に、吹出温度が高い程、吹出風量が多い程、車室外温度が高い程、前記乗員方向固定時間の長さを短く設定することを特徴とする車両用空調装置。
  8. 請求項に記載の車両用空調装置において、
    前記第1吹出状態と異なる吹出状態にするとは、前記吹出口から車室内に吹き出す空調風の吹出状態を、前記第1吹出状態と異なるように、吹出状態変更時間が経過するまで変更することであることを特徴とする車両用空調装置。
  9. 請求項に記載の車両用空調装置において、
    前記吹出口から車室内に吹き出す空調風の吹出状態を、前記第1吹出状態と異なるように変更するとは、吹出方向、吹出位置、吹出範囲、吹出風量または吹出温度のいずれか1つ以上を前記第1吹出状態と異なるように変更することであることを特徴とする車両用空調装置。
  10. 請求項ないし請求項のいずれかに記載の車両用空調装置において、
    前記吹出口は、車室内の一方側空調エリア内に向けて空調風を吹き出すための一方側吹出口、および前記一方側空調エリアとは異なる車室内の他方側空調エリア内に向けて空調風を吹き出すための他方側吹出口を有し、
    前記吹出状態可変手段は、前記一方側吹出口から前記一方側空調エリア内に吹き出す空調風の吹出状態を変更することが可能な一方側吹出状態可変手段、および前記他方側吹出口から前記他方側空調エリア内に吹き出す空調風の吹出状態を変更することが可能な他方側吹出状態可変手段を有し、
    前記空調制御装置は、前記一方側空調エリア内の空調風の吹出状態の変更と前記他方側空調エリア内の空調風の吹出状態の変更とを互いに独立して行うように、前記一方側吹出状態可変手段および前記他方側吹出状態可変手段を制御することを特徴とする車両用空調装置。
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