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JP3856493B2 - 超純水製造装置 - Google Patents
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JP3856493B2 - 超純水製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶や半導体素子を製造する電子工業、原子力発電所あるいは医薬品製造工場等で広く利用される超純水を製造する超純水製造装置に係り、特に、有機物成分を効率的に除去するとともに、溶存酸素濃度の低い超純水を安定してユースポイントに供給可能な超純水製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、液晶や半導体素子(LSI)、あるいは医薬品の製造工程においては、イオン状物質、微粒子、有機物、溶存ガスおよび生菌等の含有量の極めて少ない超純水が要求されている。この中でも、電子工業においては、多量の超純水が使用されており、LSIの集積度の増加に伴って超純水の純度に対する要求は益々厳しくなってきている。特に、超純水中のΤOC濃度および溶存酸素濃度の低減が大きな課題となっている。
【0003】
一般に、超純水の製造は、原水中の濁質成分を除去する前処理システム、イオン状物質、微粒子、有機物、溶存ガスおよび生菌等を除去する一次系システムおよび一次系システムより得られた一次純水の精密仕上げを目的とした二次系システムの組み合わせにより行われている。そして、通常、製造された超純水は、ユースポイントに供給されて必要量が消費されるとともに、過剰量の超純水は二次系システムに還流され、再度処理されている。
【0004】
しかしながら、過剰量の超純水をユースポイントから二次系システムに還流すると、二次系システム内における溶存酸素濃度が著しく上昇し、製造された超純水の純度が悪化するという問題があった。
【0005】
また、一次純水の精密仕上げを目的とした二次系システムにおいては、超純水中の有機物濃度を減少させるための処理方法として、イオン交換処理や逆浸透法による膜処理の施された一次純水に紫外線を照射して溶存有機物を分解し、次いで、この分解した有機物を混床式イオン交換装置により除去する方法が知られている。また、一次純水に照射する紫外線として、180〜190nm(特に184.9nm)の波長を有する紫外線を用いることにより、効率的に溶存有機物の分解が達成されることも知られている(特開平1−164488号公報)。
【0006】
ところが、一次系システムにより溶存酸素濃度を低濃度にまで減少させた被処理水である一次純水を、180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する紫外線照射装置と混床式イオン交換装置とを有する二次系システムにおいて処理した場合、溶存有機物の分解効率が低いことから、被処理水中のTOC濃度が容易には減少せず、TOC濃度を減少させるために紫外線照射装置による紫外線照射量を増やすことから、紫外線照射装置の電力消費量が増加するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題を解決すべくなされたもので、超純水中のΤOC濃度の増加をほぼ防止し、溶存酸素濃度を低減した、運転コストの安価な超純水製造装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述したように、ユースポイントから過剰の処理水(超純水)を二次系システムに還流すると、二次系システム内における溶存酸素濃度が著しく上昇し、製造された超純水の純度が悪化した。
【0009】
また、溶存酸素を除去した一次純水に紫外線を照射して混床式イオン交換装置で仕上げ処理する場合、溶存有機物濃度を下げるために紫外線照射装置の電力消費量が多くなり、イニシャルコストとランニングコストの増加を招いていた。
【0010】
そこで、これらの間題について本発明者らが鋭意研究した結果、ユースポイントから二次系システムに還流される処理水中には、溶存酸素が数ppb〜数十ppb程度混入していることが判明した。処理水中への酸素の混入の原因は不明であるが、ユースポイントに接続されている洗浄装置等の配管の接続部から混入することが推測される。
【0011】
一方、180〜190nm、とりわけ184.9nmの波長を有する紫外線による溶存有機物の分解反応は以下に示す通りであり、(1)一次純水より生成したOHラジカル(ヒドロキシラジカル)により、(2)被処理水である一次純水中の有機物がカルボン酸等の有機酸の段階まで酸化分解され、(3)さらに一部は二酸化炭素にまで酸化分解されるというものであるというものである。
【0012】
(1)H2 O+hν→・OH
(2)R−C+・OH→RCOOΗ
(3)RCOOΗ+・OH→CO2 +H2
上記の反応は、被処理水中の溶存酸素が極めて少ない条件での反応であるが、被処理水中に溶存酸素の存在する条件では、(4)酸素分子より生成したオゾン分子により、(5)被処理水中の溶存有機物がカルボン酸等の有機酸の段階まで酸化分解され、(6)さらに一部は二酸化炭素にまで酸化分解される。
【0013】
(4)3O2 +hν→2O3
(5)R−C+O3 →RCOOΗ
(6)RCOOΗ+O3 →CO2 +H2
また、(7)生成したオゾンの一部が水と反応して生成したOHラジカルにより、(8)被処理水中の溶存有機物がカルボン酸等の有機酸の段階まで酸化分解され、(9)さらに一部は二酸化炭素にまで酸化分解される。
【0014】
(7)O3 +H2 O→・OH+・OH・+O2
(8)R−C+・OH→RCOOΗ
(9)RCOOΗ+・OH→CO2 +H2
本発明者らの実験によると、180〜190nmの波長を有する紫外線を照射可能な紫外線照射装置においては、被処理水中の溶存有機物を分解する際に溶存酸素が同時に消費されており、上記(1)〜(3)の反応に比べて、(4)〜
(6)、もしくは(7)〜(9)の反応が優先的に進行していることが示唆された。
【0015】
即ち、従来の超純水製造装置のように、例えば、真空脱気塔の後段に180〜190nmの波長を有する紫外線を照射可能な紫外線照射装置を設置している場合には、被処理水中の溶存酸素量が著しく低下しているので、溶存酸素の存在下にて180〜190nmの波長を有する紫外線を照射して溶存有機物を分解する場合と比べて、被処理水中の溶存有機物の分解効率が低くなるものと推測されたのである。
【0016】
そこで、本発明に係る超純水製造装置は、180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する第1の紫外線照射装置と、第1の混床式イオン交換装置と、溶存酸素除去装置と、180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する第2の紫外線照射装置と、第2の混床式イオン交換装置とを流路に沿って配置したことを特微としている。
【0017】
本発明においては、被処理水が180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する第1の紫外線照射装置に導入され、被処理水中の溶存有機物が効率的に分解される。次に、被処理水は第1の混床式イオン交換装置に導入され、被処理水中のイオン成分等が除去される。次いで、被処理水は溶存酸素除去装置に導入され、被処理水中の酸素等が除去される。次に、被処理水は180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する第2の紫外線照射装置に導入され、被処理水中の微量の溶存有機物がほぼ完全に有機酸あるいは二酸化炭素にまで効率的に分解される。最後に、被処理水は第2の混床式イオン交換装置に導入され、被処理水中の微量のイオン成分等が除去される。
【0018】
また、本発明に係る超純水製造装置は、180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する第1の紫外線照射装置と、第1の混床式イオン交換装置と、溶存酸素除去装置と、180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する第2の紫外線照射装置と、第2の混床式イオン交換装置と、限外濾過膜装置とを流路に沿って配置したことを特微としている。
【0019】
本発明においては、被処理水が180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する第1の紫外線照射装置に導入され、被処理水中の溶存有機物が効率的に分解される。次に、被処理水は第1の混床式イオン交換装置に導入され、被処理水中のイオン成分等が除去される。次いで、被処理水は溶存酸素除去装置に導入され、被処理水中の酸素等が除去される。次に、被処理水は180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する第2の紫外線照射装置に導入され、被処理水中の微量の溶存有機物がほぼ完全に有機酸あるいは二酸化炭素にまで効率的に分解される。次いで、被処理水は第2の混床式イオン交換装置に導入され、被処理水中の微量のイオン成分等が除去される。最後に、被処理水は限外濾過膜装置に導入されて、被処理水中に残存している微細な非イオン状物質を主体とする微粒子等が除去される。
【0020】
さらに、本発明に係る超純水製造装置は、180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する第1の紫外線照射装置と、第1の混床式イオン交換装置と、溶存酸素除去装置と、180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する第2の紫外線照射装置と、第2の混床式イオン交換装置と、処理水を必要量供給するユースポイントとを流路に沿って配置し、前記ユースポイントから過剰量の処理水を前記溶存酸素除去装置の前段に還流するようにしたことを特徴としている。
【0021】
本発明においては、被処理水が180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する第1の紫外線照射装置に導入され、被処理水中の溶存有機物が効率的に分解される。次に、被処理水は第1の混床式イオン交換装置に導入され、被処理水中のイオン成分等が除去される。次いで、被処理水は溶存酸素除去装置に導入され、被処理水中の酸素等が除去される。次に、被処理水は180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する第2の紫外線照射装置に導入され、被処理水中の微量の溶存有機物がほぼ完全に有機酸あるいは二酸化炭素にまで効率的に分解される。次いで、被処理水は第2の混床式イオン交換装置に導入され、被処理水中の微量のイオン成分等が除去される。次に、処理水は、ユースポイントに供給され、必要量が消費されるとともに、過剰量の処理水は溶存酸素除去装置の前段に還流され、混入した溶存酸素は溶存酸素除去装置により除去される。
【0022】
また、本発明に係る超純水製造装置は、180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する第1の紫外線照射装置と、第1の混床式イオン交換装置と、溶存酸素除去装置と、180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する第2の紫外線照射装置と、第2の混床式イオン交換装置と、限外濾過膜装置と、処理水を必要量供給するユースポイントとを流路に沿って配置し、前記ユースポイントから過剰量の処理水を前記溶存酸素除去装置の前段に還流するようにしたことを特徴としている。
【0023】
本発明においては、被処理水が180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する第1の紫外線照射装置に導入され、被処理水中の溶存有機物が効率的に分解される。次に、被処理水は第1の混床式イオン交換装置に導入され、被処理水中のイオン成分等が除去される。次いで、被処理水は溶存酸素除去装置に導入され、被処理水中の酸素等が除去される。次に、被処理水は180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する第2の紫外線照射装置に導入され、被処理水中の微量の溶存有機物がほぼ完全に有機酸あるいは二酸化炭素にまで効率的に分解される。次いで、被処理水は第2の混床式イオン交換装置に導入され、被処理水中の微量のイオン成分等が除去される。次に、被処理水は限外濾過膜装置に導入されて、被処理水中に残存している微細な非イオン状物質を主体とする微粒子等が除去される。次いで、処理水はユースポイントに供給され、必要量が消費されるとともに、過剰量の処理水は溶存酸素除去装置の前段に還流され、混入した溶存酸素は溶存酸素除去装置により除去される。
【0024】
上述したように、本発明の本質は、被処理水中の溶存有機物量や有機物種等に応じて溶存酸素濃度を調整することで、紫外線照射による溶存有機物の分解効率を高め、溶存酸素量の増加をも抑制するものである。したがって、180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する紫外線照射装置、混床式イオン交換装置および溶存酸素除去装置等の機器の選定や稼働条件および被処理水の流量等の条件は、被処理水中の溶存有機物量や有機物種によって適宜変更されるものであるが、本発明の超純水製造装置の構成にしたがえば、どのような被処理水に対しても確実に本発明の課題を達成可能な条件を設定できるのである。
【0025】
本発明において、ユースポイントより超純水製造装置へ過剰量の処理水を還流させる場合には、還流場所は溶存酸素除去装置の前であれば特に限定はされず、必要ならば原水と合流するように構成することも可能である。
【0026】
本発明において、溶存酸素除去装置としては、不活性ガス添加型真空脱気装置を用いることができる。不活性ガス添加型真空脱気装置を用いた場合には、真空度を35torr以下とし、被処理水の体積を基準にして体積流量比0.001〜1.0の不活性ガスを系内に送入させて真空脱気処理を行うことが好ましい。不活性ガス添加型真空脱気装置内の真空度が35Torrを越えると、最終的に得られる超純水の溶存酸素濃度を1ppb以下に保つことが困難となる。また、不活性ガス添加型真空脱気装置に添加される不活性ガスの体積流量比が被処理水の体積を基準として1.0をこえると、脱気効率がほぼ頭打ちになるのに対してランニングコストのみが上昇し、不活性ガス添加型真空脱気装置に添加される不活性ガスの体積流量比が被処理水の体積を基準として0.001を下回ると、被処理水から酸素等の溶存気体を効果的に除去するのが困難となる。
【0027】
不活性ガス添加型真空脱気装置に添加される不活性ガスとしては、通常、窒素ガス、アルゴンガス等が好適に用いられる。
【0028】
第一および第二の紫外線照射装置としては、180〜190nm、とりわけ184.9nmの波長を有する紫外線を発生するものであれば、254nmの殺菌波長を有する紫外線を同時に発生していてもよく、特に制限は無いが、本発明においては、紫外線酸化用低圧紫外線ランプを用いるのが好ましい。
【0029】
第一および第二の混床式イオン交換装置としては、被処理水中の有機酸、微量の二酸化炭素あるいは他のイオン成分を除去するための強塩基性アニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂を充填した再生型もしくは非再生型の混床式イオン交換装置を好ましく用いることができる。これに用いるイオン交換樹脂としては、新品もしくはそれに類する破砕が無く、イオン交換性能が高く、また溶出の無いものが望ましい。
【0030】
また、限外濾過膜装置としては、PAN、セルロースアセテートあるいはフッ素系等の各種限外濾過膜を装備した一般的な限外濾過膜装置を適宜用いることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明する。なお、各図面において、同一の構成には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。また、本発明は、その要旨を逸脱しないならば、本発明に限定されるものではない。
【0032】
参考例1および参考例2)図3は、参考例1および参考例2に用いた一次純水の製造装置を示した図である。
【0033】
図3において、符号1は原水中の濁質成分を除去するための膜前処理装置(野村マイクロ・サイエンス(株)、NML−E)、符号2は逆浸透膜装置(東レ
(株)、SU−720)、符号3は混床式イオン交換装置であって、アニオン交換樹脂として強塩基性アニオン交換樹脂デュオライトA−113plus(ローム&ハース社)を33l、カチオン交換樹脂として強酸性カチオン交換樹脂デュオライトC−20(ローム&ハース社)を23l使用し、これらを予め再生してOH型とΗ型とに変換した後に混合充填したものである。この混床式イオン交換装置のイオン交換容量は0.9当量/l−Resinである。
【0034】
参考例1および参考例2は、このように構成された純水製造装置により製造された一次純水を対象として実施された。なお、膜前処理装置1に供給される原水としては厚木市水を使用し、製造された一次純水の平均水質は、電気伝導度16.0MΩ・cm、ΤOC濃度120ppb、溶存酸素濃度7600ppbであった。
【0035】
図1は、本発明の一参考例である超純水製造装置(二次系システム)の構成を示した図である。図1において、符号4および7は低圧紫外線ランプ酸化装置(千代田工販(株)、TDFL−4、照射量0.25kWh/m3 )であり、185nm付近の波長をピークとする紫外線が照射される。符号5および8は混床式イオン交換装置であって、アニオン交換樹脂として強塩基性アニオン交換樹脂デュオライトA−113plus(ローム&ハース社)を33l、カチオン交換樹脂として強酸性カチオン交換樹脂デュオライトC−20(ローム&ハース社)を23l使用し、これらを予め再生してOΗ型とH型に変換した後に混合充填したものである。この混床式イオン交換装置のイオン交換容量は0.9当量/l−Resinである。符号6は、充填材としてテラレットSタイプ(日鉄化工機(株)、充填径250mm、充填層高2000mm)を充填し、窒素ガスと被処理水との体積比率を0.03:1とした窒素ガス添加方式の真空脱気装置であり真空度は25torrに保たれている。
【0036】
参考例は、図3に示された純水製造装置を用いて製造された一次純水を、流量2m3 /hで二次系システムに供給し、超純水を経時的に連続して製造することにより行われた(参考例1)。なお、参考例1において、被処理水の温度は、25℃一定に保たれていた。
【0037】
また、図2は、本発明の参考例2における超純水製造装置(二次系システム)の構成を示した図である。本参考例の超純水製造装置においては、参考例1と同一の機器を使用し、窒素ガス添加方式の真空脱気装置6を低圧紫外線ランプ酸化装置4の前段に設置したこと以外は、参考例1と全く同一となっている。
【0038】
参考例は、図3に示された純水製造装置を用いて製造された一次純水を、流量2m3 /hで二次系システムに供給し、超純水を経時的に連続して製造することにより行われた(参考例2)。なお、参考例2においても、被処理水の温度は25℃一定に保たれていた。
【0039】
表1に、参考例1および参考例2のポイント(ポイントBおよびポイントC)において測定されたTOC濃度および溶存酸素濃度の測定結果を示す。なお、TOC濃度および溶存酸素濃度の測定には、オンラインTOC計(アナテル社、A−1000 S−20)および高感度溶存酸素計(オービスフェア ラボラトリーズ、モデル2713)を使用した。また、参考例1および参考例2において得られた超純水の電気伝導度(ポイントBおよびCにおける電気伝導度)は、ともに18.2MΩ・cmであった。
【0040】
【表1】
Figure 0003856493
参考例1においては、低圧紫外線ランプ酸化装置4に導入される被処理水は一次純水そのものであるので、TOC濃度と溶存酸素濃度がともに高いが、参考例2においては、被処理水は真空脱気装置6で溶存酸素を脱気された後、低圧紫外線ランプ酸化装置4に導入されることから、低圧紫外線ランプ酸化装置4に導入される被処理水は、参考例1と比べてTOC濃度がほぼ変わらないものの溶存酸素濃度は低い。したがって、参考例2においては、参考例1と比べて溶存有機物量に対する溶存酸素量が低く、低圧紫外線ランプ酸化装置4による溶存有機物の分解効率が低くなるものと推定される。
【0041】
すなわち、参考例1においては、溶存有機物の低圧紫外線ランプ酸化装置での分解に際し、溶存有機物量に対する溶存酸素量が参考例2に比べてバランスしているために溶存有機物の分解効率が高いと考えられる。
【0042】
そして、表1から明らかなように、参考例1において得られた超純水は、参考例2において得られた超純水と比べて、溶存酸素濃度がほとんど変わらないにも拘らず、TOC濃度が著しく低減される結果となった。
【0043】
(実施例および比較例)図4は、本発明の一実施例である超純水製造装置の構成を示した図である。図4において、原水は、前処理装置10に導入され、原水中の懸濁物質等が分離、除去される。次いで、前処理装置10で処理された被処理水は、カチオン交換樹脂塔、脱炭酸塔およびアニオン交換樹脂塔からなる2床3塔11によりイオン成分が除去された後、逆浸透装置12に導入されて微粒子およびコロイド状物質等の除去が行われる。
【0044】
次に、被処理水は、逆浸透装置12から低圧紫外線ランプ酸化装置13に導入されて溶存有機物が分解され、混床式イオン交換装置14により被処理水中のイオン成分が除去される。続いて、被処理水は、窒素ガス添加方式の真空脱気装置15に導入されて溶存酸素等の溶存気体が除去されて、再び、低圧紫外線ランプ酸化装置16に導入されて溶存有機物が分解され、混床式イオン交換装置17により被処理水中のイオン成分が除去される。最後に、被処理水は限外濾過膜装置18に導入され、極微量の微粒子等が除去される。
【0045】
こうして製造された超純水は、ユースポイント19に供給されるとともに、過剰量の超純水は真空脱気装置15の前段に還流される構成となっている。また、真空脱気装置15は、窒素ガスと被処理水との体積比率を0.03:1とされており、真空度は25torrに保たれている。なお、ここでは膜前処理装置10が前処理システム、2床3塔11から真空脱気装置15までが一次系システム、低圧紫外線ランプ酸化装置16から限外濾過膜装置18までが二次系システムと区分される。
【0046】
経路Aは、本発明の超純水製造方法との比較のために、ユースポイント19において使用されなかった過剰量の超純水を、真空脱気装置15の後段に還流するためのラインである。
【0047】
膜前処理装置10に供給する原水として工業用水を使用し、一次系システムにより一次純水を生成し、次いで、真空脱気装置15より、一次純水を二次系システムに供給し、超純水を経時的に連続して製造した(実施例)。
【0048】
一方、経路Aにより、ユースポイント19から過剰量の超純水を真空脱気装置15の後段に還流した以外は、実施例と全く同一の条件で超純水を製造した。なお、被処理水の水温は、実施例および比較例ともに25℃一定に保たれていた。
【0049】
表2に、実施例および比較例における、ポイントDで測定されたTOC濃度および溶存酸素濃度の測定結果を示す。なお、TOC濃度および溶存酸素濃度の測定には、オンラインTOC計(アナテル社、A−1000 S−20)および高感度溶存酸素計(オービスフェア ラボラトリーズ、モデル2713)を使用した。また、実施例および比較例において得られた超純水の電気伝導度(ポイントDにおける電気伝導度)は、ともに18.2MΩ・cmであった。
【0050】
【表2】
Figure 0003856493
実施例においては、被処理水は、真空脱気装置15で溶存酸素を脱気された後、低圧紫外線ランプ酸化装置16に導入されるので、TOC濃度と溶存酸素濃度がともに低いが、比較例においては、経路Aによりユースポイント19からの被処理水がそのまま低圧紫外線ランプ酸化装置16に導入されることから、低圧紫外線ランプ酸化装置16に導入される被処理水は、実施例と比べてTOC濃度がほぼ変わらないものの溶存酸素濃度は高くなっている。したがって、比較例においては、実施例と比べて、被処理水中の溶存酸素濃度が著しく高くなる結果となった。
【0051】
【発明の効果】
本発明の超純水製造装置によれば、被処理水である一次純水に、180〜190nmの波長を有する紫外線を照射して溶存有機物を分解する際、被処理水中の溶存有機物に対して溶存酸素量をほぼ最適に調整するので、被処理水中の溶存有機物が効率的に分解される。さらに、ユースポイントからの過剰の処理水(超純水)を溶存酸素除去装置の前段に還流するので、二次系システム内における溶存酸素濃度の上昇が防止される。したがって、超純水中の有機物成分および溶存酸素濃度が低減された、運転コストの安価な超純水製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超純水製造装置(二次系システム)の一参考例を示した図。
【図2】本発明の参考例2における超純水製造装置(二次系システム)の構成を示した図。
【図3】参考例1および参考例2に用いた一次純水の製造装置(一次系システム)を示した図。
【図4】本発明の実施例である超純水製造装置の構成を示した図。
【符号の説明】
1………膜前処理装置 2………逆浸透膜装置
3………混床式イオン交換装置 4………低圧紫外線ランプ酸化装置
5………混床式イオン交換装置 6………真空脱気装置
7………低圧紫外線ランプ酸化装置 8………混床式イオン交換装置
9………真空ポンプ 10………前処理装置
11………2床3塔 12………逆浸透装置
13………低圧紫外線ランプ酸化装置 14………混床式イオン交換装置
15………真空脱気装置 16………低圧紫外線ランプ酸化装置
17………混床式イオン交換装置 18………限外濾過膜装置
19………ユースポイント

Claims (1)

  1. 原水の処理前にあらかじめ溶存酸素を除去することなく、ユースポイントにおいて供給される超純水の溶存酸素濃度を1ppb以下とすることが可能な超純水製造装置であって、180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する第1の紫外線照射装置と、第1の混床式イオン交換装置と、微量の不活性ガスを系内に送入して真空脱気を行う不活性ガス添加型真空脱気装置と、180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する第2の紫外線照射装置と、第2の混床式イオン交換装置と、限外濾過膜装置と、処理水を必要量供給するユースポイントとを流路に沿って配置し、前記ユースポイントから過剰量の処理水を前記不活性ガス添加型真空脱気装置の前段に還流するようにしたことを特徴とする超純水製造装置。
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