JP3856500B2 - X線薄膜膜厚解析方法及び解析装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線を用いた薄膜の膜厚計測方法及びそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜材料は半導体、磁気ディスク等の多くの分野のデバイスに用いられている。デバイスの特性は、薄膜の膜厚や密度、結晶構造、ラフネスなどによる影響を大きく受けるため、これらの計測はデバイスの開発に当たって、あるいは製造されるデバイスの特性を均一に保つために重要である。
【0003】
このうち膜厚は従来は触針法で求められていたが、非破壊での計測が重要視され、蛍光X線法、エリプソメトリ法が用いられるようになっている。また、最近では、X線を用いた薄膜の膜厚計測方法としてX線反射率法が注目されている。これは試料表面すれすれに単色で平行性のよいX線を入射し、入射角=出射角の条件で、反射(鏡面反射)されたX線の強度を測定する手法である。測定される反射強度は、試料表面及び薄膜界面で反射されたX線が互いに干渉するため、入射角(=出射角)に従って振動する。この振動構造を解析して薄膜の膜厚を求める方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
X線反射率法は有用な膜厚計測法ではあるが、X線を試料表面すれすれに入射させる必要があるため、幅wのX線ビームは試料表面でw/sinω(ω:入射角)だけ広がってしまう。実際の測定では、入射角ωを臨界角(0.1〜0.2°)程度から、1〜2°程度まで変化させる。このため実用的に用いられている幅w=0.05mmのX線ビームでは、試料上の測定領域は10mm程度(入射角:臨界角近傍)から1〜2mm(入射角:2〜1°)まで変化する。このため面内の構造が不均一な試料や、サイズの小さな試料に対しては高精度な測定を行うことができない。
【0005】
その解決策として、入射角や出射角に連動してX線ビームの出射スリット幅を変える方法が考案されているが、この方法では制御機構が複雑になるとともに、実用上のスリット幅も極端に狭くできないので1mm以下の微小領域の測定は困難である。
X線反射率法で入射角を0.5°〜1°と大きくとり、しかも入射角の走査範囲を狭くすることにより試料表面でのX線の広がりと照射領域の変化を小さくすることは可能であるが、この方法では入射角の4乗に反比例して正反射の強度が減衰することと、表面のラフネスが大きい試料は入射角に対する強度の減少が著しいため、膜厚の決定精度が低下する。また、入射角を0.5°〜1°とし、しかも入射角の走査範囲を狭くしたX線反射率法では1点の計測に1〜2時間程度必要となり、膜厚のマッピングには多大な計測時間を必要とする。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み、より高精度で迅速な膜厚マッピング方法とそのための装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、薄膜試料の表面に単色X線を一定の入射角で入射させ、試料から散乱されるX線を測定する実験を行う過程で、散乱X線の強度が図2に例示するように出射角依存性を示す現象を見出した。本発明は、この散乱X線の強度分布の振動構造が薄膜の表面で散漫散乱されたX線と薄膜の裏面で散漫されたX線の干渉に起因することを突き止め、この振動構造から膜厚を求めることができることを見出して完成されたものである。
【0008】
図1(a)は散乱X線の強度分布測定のための装置の概略図、図1(b)は図1(a)中の円で示した部分の拡大図であり、薄膜でのX線の散乱を説明する図である。
X線源1で発生したX線はX線分光器2で単色化された後、スリット3で幅と高さを制限され、入射X線4となる。この入射X線4を入射角ωで基板7上に薄膜6が形成された試料5に入射する。試料表面での入射X線4の幅Dは、入射X線4の幅をwとすると、D=w/sinωとなる。入射X線4は試料表面で屈折され、角度ω′になって薄膜6の中に入る。薄膜6中に入ったX線は、薄膜6と基板7の界面で角度α′に散乱される。界面で散乱されたX線8は、薄膜6の表面で屈折し、出射角αで空気中に出射する。試料表面で角度αに散乱されたX線9と、薄膜6と基板7の界面で散乱されて出射角αで空気中に出射したX線8は干渉して散乱X線10になる。
【0009】
散乱X線10の強度をX線検出器11で出射角を変えながら計測すると、図2に示すような散乱X線の強度分布が得られる。図2中、矢印12で示すピークは鏡面反射ピークであり、矢印13の部分は臨界角に最大強度を有するヨネダ・ウイング(Yoneda wing)と呼ばれる散乱ピークである。散乱強度には、これらのピーク以外に振動構造14が見られる。
【0010】
図2は、ガラス基板7の上にパーマロイ膜6を蒸着した試料5からの波長λ=0.154nmのX線の散乱強度分布であり、この試料を従来のX線反射率法により膜厚を計測した結果、パーマロイ膜6の膜厚は49.4nmであった。
次に、散乱X線強度の振動構造14を薄膜6の界面で散漫散乱されたX線の干渉現象として説明する。
【0011】
図1を参照して、屈折率が(1−δ)で膜厚tである薄膜6に細いX線4を入射角ωで入射させた場合を考える。X線の波長をλ、入射角ωは、薄膜の臨界角をθc として、ω>θc とする。屈折の効果により試料中での入射角をω′、出射角をα′とすると、薄膜6の表面で散乱されたX線と、基板7と薄膜6の界面で散乱されたX線の光路差は、薄膜6の密度が基板7の密度より大きい場合は次の〔数1〕のようになり、薄膜6の密度が基板7の密度より小さい場合は次の〔数2〕のようになる。
【0012】
【数1】
t(1−δ)(sinω′+sinα′)+0.5λ
【0013】
【数2】
t(1−δ)(sinω′+sinα′)
表面で散乱されたX線と界面で散乱されたX線は相互に干渉するため、出射角を変えると散乱強度が振動する。この振動構造の強度の極大値、又は強度の極小値を与える角度αと膜厚tには、X線の波長をλ、入射角をω、薄膜の臨界角をθc とすると、近似的に次の〔数3〕の関係が成り立つ。
【0014】
【数3】
α2=θc 2+{−(θc 2−ω2)1/2+λ(N−1)/2t}2
ここで、Nは干渉の次数を表す整数であり、密度の大きい薄膜から密度の小さい基板に入る場合には、Nが偶数のとき角度αで強度が極大となり、Nが奇数のとき角度αで強度が極小になる。逆に、密度の小さい薄膜から密度の大きい基板に入る場合には、Nが偶数のとき角度αで強度が極小となり、Nが奇数のとき角度αで強度が極大となる。
【0015】
前記〔数3〕を利用すると、散乱強度の極大値又は極小値を与える角度αの組を用いて薄膜6の膜厚tを求めることができる。一例として、振動構造の隣接する強度の極大値と極小値を与える角度をα1,α2とすると、膜厚tは角度α1,α2を用いて次の〔数4〕のように表すことができる。
【0016】
【数4】
t=λ/{2|(α1 2−θc 2)1/2−(α2 2−θc 2)1/2|}
図2の計測例の場合、パーマロイ膜の臨界角θc は0.3925°(6.848×10-3rad)であり、α1とα2の組としてα1=0.701°(1.223×10-2rad),α2=0.777°(1.356×10-2rad)を採用し、これらの値を〔数4〕に当てはめると、次式〔数5〕のように膜厚tは49.1nmと求められる。この結果は、従来のX線反射率法で求めた膜厚49.4nmとよく一致している。
【0017】
【数5】
t=0.1541/〔2|{(1.223×10-2)2−(6.848×10-3)2}1/2−{(1.356×10-2)2−(6.848×10-3)2}1/2|〕≒49.1
ここで、試料を移動可能な試料支持台に固定し、試料支持台を移動しながら測定することにより、試料の膜厚をマッピングすることが可能となる。膜厚のマッピングに際しては、測定時間短縮の観点から、X線検出器として位置敏感型X線検出器又は2次元X線検出器を用いるのが実用的である。
【0018】
また、〔数3〕の振動は、Cを定数とし、試料中での出射角α′を用いて次の〔数6〕のように表すことができる。
【0019】
【数6】
cos(2πtα′/λ+C)
そこで、得られた計測結果からベース成分を差し引き、振動成分を抽出し、これをフーリエ解析する。フーリエ変換して得られるピークの位置(周波数)から試料の膜厚tを次のように求めることができる。すなわち、フーリエピークの位置をhとすると、〔数6〕より、2πtα′/λ=hα′となる。したがって、膜厚tは、次の〔数7〕で与えられる。
【0020】
【数7】
t=λh/2π
以上述べてきた薄膜膜厚解析方法は、基板の上に一層膜がある場合のものである。基板上に複数膜がある場合は、それぞれの膜の界面で散乱X線が発生するため、前述の〔数1〕〜〔数4〕が各界面間で成り立つ。振動のピーク位置を界面の数より多く選ぶことにより、例えば各界面間の式〔数4〕の連立方程式を解くことにより、複数の膜のそれぞれの膜厚を求めることができる。
【0021】
また、フーリエ解析する場合は、試料中での出射角α′をそれぞれの膜の屈折率で補正した後フーリエ変換する。フーリエ変換して得られた複数のピーク位置からそれぞれの膜厚を求めることができる。複数層を挟んだ界面からの散乱は、屈折率としてそれぞれの膜の屈折率の膜厚の加重平均を用いることにより、干渉している界面間の距離(各層の合計膜厚に対応)が得られる。
【0022】
例えば、多層膜(A膜/B膜/C膜)の場合、散乱は表面、A/B界面、B/C界面で発生し、互いに干渉する。このため、フーリエピークは、表面−A/B界面、表面−B/C界面、A/B−B/C界面の干渉に対応したピークが得られる。フーリエ変換のとき横軸をα′に変換する必要がある。表面−A/B界面の干渉からA膜の膜厚を求めるときはθc としてA膜の値を用い、A/B−B/C界面の干渉からB膜の膜厚を求めるときはθc としてB膜の値を用いる。表面−B/C界面の干渉を利用するときはθc にA膜のθc とB膜のθc を膜厚で加重平均した値を用いることにより、A膜とB膜を足した膜厚を求めることができる。
【0023】
上述のように、本発明のX線薄膜膜厚解析方法は、単色X線を所定の入射角度で薄膜試料に入射させて試料から発生される散乱X線の出射角に対する強度分布を測定し、強度分布の極大値又は極小値を与える出射角の組み合わせを用いて、又は散乱X線強度の角度分布をフーリエ変換して得られるピーク周波数を用いて薄膜の膜厚を求めることを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、X線源と、ゴニオメーターと、試料支持台と、X線検出器と、X線検出器の信号が入力される信号処理手段とを備えるX線薄膜膜厚解析装置において、X線検出器は所定の出射角範囲で試料から発生される散乱X線強度を測定可能であり、信号処理手段は、散乱X線の出射角に対する強度分布の極大値又は極小値を与える角度の組み合わせを用いて試料の膜厚を求める演算処理を行うものであることを特徴とする。
【0025】
試料支持台を少なくとも2次元方向に移動可能とし、試料支持台を2次元方向に移動して試料へのX線入射位置を走査することにより薄膜試料の膜厚をマッピングすることができる。
X線検出器としては位置敏感型検出器又は2次元検出器を用いるのが好ましい。X線源とゴニオメーターとの間には、X線を単色化するためのX線フィルタ又はX線分光器を設置することもでき、入射X線を試料表面に集光させる集光鏡を備えることもできる。
【0026】
本発明のX線薄膜解析方法あるいはX線薄膜膜厚解析装置によると、試料表面での測定領域の変化無く、薄膜の膜厚を求めることが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図3は、本発明によるX線薄膜膜厚解析装置の一例を示す全体構成図である。X線源で発生したX線はX線フィルタ又はX線分光器(図示せず)で単色化し、スリット3で幅20μm高さ1mmの短冊状の入射X線4に形成し、試料5に入射角2°で入射することにより、試料表面でのX線照射領域を1mm×1mmに制限することができる。
【0028】
試料5はXYステージ付き試料支持台15に固定されたゴニオメーター16のω軸上に配置されている。また、ω軸と同軸の2θアーム17は、2θアーム17上に配置したスリット18とX線検出器の一種であるNaIシンチレーションカウンター19を動かす軸となっている。ゴニオメーター16の各軸とXYステージ付き試料支持台15のX、Y軸はパルスモーターで駆動されており、その制御はドライバー/コントローラ20を介してコンピューター21で行っている。またNaIシンチレーションカウンター19で計測したX線強度はスケラー/チャンネルアナライザー22を経由してコンピューター21に取り込み、その結果を画像表示部23に示す構成になっている。
【0029】
この装置を用いて入射角(ω軸)を1°に固定し、2θアーム17を走査して散乱X線10の強度分布をを測定した。散乱強度分布は横軸を散乱角、縦軸を強度として、図2に示すような測定結果が得られた。散乱強度にみられる振動構造14の隣接する極小値と極小値、極大値と極大値を与える角度から前記〔数3〕や〔数4〕を用いて計算することにより、あるいは計測結果をフーリエ変換して得られるフーリエピークの位置から前記〔数7〕を用いて膜厚を求めることができる。
【0030】
このX線薄膜膜厚解析装置を用いれば、測定中の入射角変化がないため、試料表面での測定領域の変化が無く薄膜の膜厚を求めることが可能である。そのため試料を面内で走査し、X線の照射位置を変えて計測し、前記〔数3〕や〔数4〕や〔数7〕を用いた解析を測定各点で行うことにより、試料面内の膜厚マッピングを行うことができる。この膜厚マッピングは、前述のように、面内分解能1mm×1mm程度で行うことができる。
【0031】
図4は、本発明によるX線薄膜膜厚解析装置の他の例を示す全体構成図である。X線源で発生したX線はX線フィルタ又はX線分光器(図示せず)で単色化され、スリット3で幅20μm高さ1mmの短冊状の入射X線4に形成され、試料5に入射角2°で入射することにより、試料表面でのX線照射領域を1mm×1mmに制限することができる。
【0032】
試料5は、XYステージ付き試料支持台15に固定され、ゴニオメーター16のω軸上に配置されている。ω軸と同軸の2θアーム17は、2θアーム17上に配置した位置敏感型X線検出器の一種である位置敏感性比例計数管24を動かす軸となっている。ゴニオメーター16の各軸とXYステージ付き試料支持台15のX、Y軸はパルスモーターで駆動されており、その制御はドライバー/コントローラ20を介してコンピューター21により行われる。位置敏感性比例計数管24で計測されたX線強度は、スケラー/チャンネルアナライザー22を経由してコンピューター21に取り込まれ、その結果が画像表示部23に示される構成になっている。
【0033】
この装置を用いて入射角(ω軸)を1°に固定し、散乱X線10の強度を測定すると、散乱強度分布は横軸を位置敏感性比例計数管上の位置、縦軸を強度として測定される。位置敏感性比例計数管上の位置を散乱角に変換し、入射角だけ補正すると図2と同様な結果が得られた。散乱強度にみられる振動構造14の隣接する極小値と極小値、極大値と極大値を与える角度から前記〔数3〕や〔数4〕を用いた計算により、あるいは計測結果をフーリエ変換して得られるフーリエピークの位置から前記〔数7〕を用いて膜厚を求めることができた。
【0034】
この装置を用いることで、試料上の1点の計測時間を従来の120分から0.5分に短縮することができた。また、この装置を用いれば測定中の入射角変化がないため、試料表面での測定領域の変化無く薄膜の膜厚を求めることが可能となる。そのため、試料を面内で走査し、X線の照射位置を変えて計測し、前記〔数3〕や〔数4〕や〔数7〕を用いた解析を測定各点で行うことにより、試料面内の膜厚マッピングを行うことができる。試料面内の膜厚分布のマッピングは、面内分解能1mm×1mm程度で行うことができる。
【0035】
図5は、本発明によるX線薄膜膜厚解析装置の別の例を示す全体構成図である。図5は集光したX線を用いた例である。X線源で発生したX線はX線フィルタ又はX線分光器(図示せず)で単色化、平行ビーム化され、集光鏡25で集光される。この集束X線26を、スリット3で幅20μm高さ0.5mmの短冊状の入射X線4に形成し、試料5に入射角2°で入射することにより、試料表面でのX線照射領域を0.5mm×0.5mmに制限することができた。
【0036】
試料5はXYステージ付き試料支持台15に固定されゴニオメーター16のω軸上に配置されている。また、ω軸と同軸の2θアーム17は、2θアーム17上に配置した2次元検出器(CCDカメラ)27を動かす軸となっている。ゴニオメーター16の各軸とXYステージ付き試料支持台15のX、Y軸はパルスモーターで駆動されており、その制御はドライバー/コントローラ20を介してコンピューター21で行っている。また2次元検出器(CCDカメラ)27の各チャンネルで計測したX線強度は、スケラー/チャンネルアナライザー22を経由してコンピューター21に取り込み、その結果を画像表示部23に示す構成になっている。
【0037】
この装置を用いて入射角(ω軸)を2°に固定し、散乱X線10の強度を測定し縦方向に積算すると、散乱強度分布は横軸は2次元検出器(CCDカメラ)上の位置、縦軸は強度として測定される。2次元検出器(CCDカメラ)上の位置を散乱角に変換し、入射角だけ補正すると図2と同様の測定結果が得られた。
この図5の装置の場合、前述の図3又は図4の装置に比べて入射X線を集束していること、X線に角度広がりがあることにより、散乱X線の強度が増加した。しかし、散乱強度分布に見られる振動構造14の周期は変化しなかった。したがって、前記装置と同様に、隣接する極小値と極小値、極大値と極大値を与える角度から前記〔数3〕や〔数4〕を用いて計算を行うことにより、あるいは計測結果をフーリエ変換して得られるフーリエピークの位置から前記〔数7〕を用いて試料の膜厚を求めることができた。
【0038】
この装置によると、1点の計測時間を、前述の装置同様に従来の120分から0.5分に短縮することができた。また、この装置を用いれば測定中の入射角変化がないため、試料表面での測定領域の変化無く膜厚を求めることができる。これにより試料を面内で走査し、X線の照射位置を変えて計測し、前記〔数3〕や〔数4〕や〔数7〕を用いた解析を測定各点で行うことにより、試料面内の膜厚マッピングを行うことができる。この膜厚マッピングは、面内分解能1mm×1mm程度で行うことができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、試料表面での測定領域の変化無く試料面内の各測定点で膜厚を求めることができ、試料を面内走査することで試料面内の膜厚マッピングを高精度かつ迅速に行うことができる。さらに、位置敏感型X線検出器又は2次元X線検出器を散乱強度の計測に用いることにより、1点の測定時間を短縮することができ、より迅速な膜厚マッピングが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は散乱X線の強度分布測定のための装置の概略図、(b)は(a)中の円で示した部分の拡大図であり、薄膜でのX線の散乱を説明する図。
【図2】散乱X線強度の出射角依存性を示す図。
【図3】本発明によるX線薄膜膜厚解析装置の一例の全体構成図。
【図4】本発明によるX線薄膜膜厚解析装置の他の例の全体構成図。
【図5】本発明によるX線薄膜膜厚解析装置の他の例の全体構成図。
【符号の説明】
1 X線源
2 X線分光器
3 スリット
4 入射X線
5 試料
6 薄膜
7 基板
8 界面で散乱されたX線
9 表面で散乱されたX線
10 散乱X線
11 X線検出器
12 鏡面反射ピーク
13 ヨネダ・ウイング
14 振動構造
15 XYステージ付き試料支持台
16 ゴニオメーター
17 2θアーム
18 スリット
19 NaIシンチレーションカウンター
20 ドライバー/コントローラ
21 コンピュータ
22 スケーラ/チャンネルアナライザー
23 画像出力装置
24 位置敏感性比例計数管
25 集光鏡
26 集束X線
27 2次元X線検出器(CCDカメラ)
Claims (9)
- 単色X線を所定の入射角度で薄膜試料に入射させて前記試料から発生される散乱X線の出射角に対する強度分布を測定し、前記強度分布の極大値又は極小値を与える出射角の組み合わせを用いて薄膜の膜厚を求めることを特徴とするX線薄膜膜厚解析方法。
- 請求項1記載のX線薄膜膜厚解析方法において、
前記単色X線の波長をλ、前記薄膜の全反射臨界角をθcとするとき、前記強度分布の隣り合う極大値と極小値を与える出射角α1,α2から、薄膜の膜厚tを下式により求めることを特徴とするX線薄膜膜厚解析方法。
t=λ/{2|(α1 2 −θc 2)1/2−(α2 2−θc 2)1/2|} - 請求項1記載のX線薄膜膜厚解析方法において、
散乱X線強度の角度分布をフーリエ変換して得られるピーク周波数から薄膜の膜厚を求めることを特徴とするX線薄膜膜厚解析方法。 - 請求項3記載のX線薄膜膜厚解析方法において、
前記ピーク周波数をhとするとき、薄膜の膜厚tを下式により求めることを特徴とするX線薄膜膜厚解析方法。
t=λh/2π - X線源と、ゴニオメーターと、試料支持台と、X線検出器と、前記X線検出器の信号が入力される信号処理手段とを備えるX線薄膜膜厚解析装置において、
前記X線検出器は所定の出射角範囲で試料から発生される散乱X線強度を測定可能であり、前記信号処理手段は、前記試料支持台に保持された薄膜試料に前記X線源から発生した単色X線を一定の入射角度で入射させたとき前記X線検出器で測定した前記散乱X線の出射角に対する強度分布の極大値又は極小値を与える角度の組み合わせを用いて試料の膜厚を求める演算処理を行うものであることを特徴とするX線薄膜膜厚解析装置。 - 請求項5記載のX線薄膜膜厚解析装置において、
前記試料支持台は少なくとも2次元方向に移動可能であり、前記試料支持台を2次元方向に移動して試料へのX線入射位置を走査することにより薄膜試料の膜厚をマッピングする機能を有することを特徴とするX線薄膜膜厚解析装置。 - 請求項5又は6記載のX線薄膜膜厚解析装置において、
前記X線検出器として位置敏感型検出器又は2次元検出器を用いることを特徴とするX線薄膜膜厚解析装置。 - 請求項5、6又は7記載のX線薄膜膜厚解析装置において、
前記X線源と前記ゴニオメーターとの間にX線フィルタ又はX線分光器を設置したことを特徴とするX線薄膜膜厚解析装置。 - 請求項5〜8のいずれか1項記載のX線薄膜膜厚解析装置において、
入射X線を試料表面に集光させる集光鏡を備えることを特徴とするX線薄膜膜厚解析装置。
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