JP3856677B2 - 箱型荷台を構成する壁部と床部との連結構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,箱型荷台を構成する前壁部および後壁部と,床部との結合構造に関し,とくに,断面がL字形の屋根が対称的に枢着された箱型荷台の,壁部と床部の連結構造に関する。
【0002】
【先行の技術】
図1は,枢着された断面がL字型の,いわゆるウイング式屋根2をもつ典型的な箱型荷台1の斜視図を示す。この荷台1は,床部3の前に,前壁部4が垂直に設けられ,床部3の後ろに,後壁部5が垂直に設けられている。前壁部4は,車両の運転席側にあり,全面がパネルで覆われている。後壁部5は,門型の枠材に通常観音扉6が取り付けられている。
【0003】
前壁部4と後壁部5の上部には,中央ビーム7が渡され,その中央ビーム7にウイング式屋根2が対称的に枢着されている。荷台1の両側には,煽り8が枢着され,ウイング式屋根2とともに,側方開口を開閉することができる。
【0004】
図2は,床部3に組みつけられる,一部切り欠きされた前壁部4の斜視図を示す。図2に示されているように,前壁部4は,下端を構成する水平な骨格部材21の両側に枠材22,23が垂直に設けられ,それらの間に補助枠材24が設けられ(図示されていないが,枠材の上部は上枠材が設けられている),枠材の前後にパネル25が取り付けられている。前壁部4の頂部には,中央ビーム7(図では破線で示す)が取り付けられる。
【0005】
さらに,骨格部材21に一体となり,床部3の端部を構成する床部材26が垂直に設けられている。この床部材26は,以下で説明する縦根太に,垂直に固定される。床部材26の両端には,床部3との連結のための連結具27,28がそれぞれ固定されている。
【0006】
図3は,床部3に組みつけられる後壁部4の斜視図を示す。図3に示されているように,後壁部4は,下端を構成する水平な骨格部材(図示せず)には,門形の枠材30が設けられ,そこに観音扉6が開閉可能に取り付けられている。後壁部5の頂部には,中央ビーム7(図では破線で示す)が取り付けられる。
【0007】
後壁部5の骨格部材には,前壁部の場合と同様に,一体となり,床部3の端部を構成する床部材26’が垂直に設けられている。この床部材26’も,以下で説明する縦根太に,垂直に固定される。床部材26’に両端には,床部3との連結のための連結具27’,28’がそれぞれ固定されている。
【0008】
図4は,床部3と壁部4(壁部5も同様)との連結のための,分解斜視図を示す。床部3は,二本の平行な縦根太31(図では一本のみを示す)と,これに垂直な複数の床部材32が,連結具を介してボルトにより固定される。その上に床材が張られる。
【0009】
床部3の両側側方には,床枠材33(図では片側のみを示す)が配置されるが,この床枠材33に,床部材32は固定されるとともに,床枠材33の端部分と,床部材26に固定された連結具27とも,それらに設けられた複数の穴を整合させて,リベットにより締め付け固定される。リベットのほかボルトとナットも利用されるが,このような締め付けて固定する手段を総称して締結具ともいう。
【0010】
図5は,連結具27を介して,床部材26と床枠材33とが,リベット34により,締め付け固定されて状態を示す。先行技術では,リベット34は,床枠材33の上縁部(上面)の近傍で,等間隔で一直線を描くように位置している。リベットの数は,壁部,床部の大きさ等により決定される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように,床部3の側面に配置される床枠材と,壁部に結合された床部材とを,リベットといった締結具により結合することで,図1に示された箱型の荷台が形成されるが,車両の走行中の振動,または屋根の開閉動作により,壁部は(図5において示されている想定回転中心のまわりで)前後に揺動させる力を受ける。そのため,各リベットの各位置に応力が生じる。
【0012】
図8は,壁部と床部との連結構造に生じる応力を解析し,生じた応力を色の濃淡および格子の変形(各リベットでの応力は数字)により示したものであるが,この図の既存配列(図5に示されたように,リベットが床枠材の上縁部の近傍で,一直線を描くように等間隔に位置している場合)に示されているように,床枠材の端縁部に近くなるほど,生じる応力が大きくなる。このように,応力が不均一となると,応力の大きいリベットの位置で,床枠材,床部材に変形が生じかねず,ときに亀裂の原因ともなる。
【0013】
そこで,本発明は,かかる課題を解決するためになされたものであり,箱型荷台を構成する壁部と床部との連結構造において,両者を締結し,固定する締結具における応力がより均等になる位置に締結具が配置された連結構造を提供することを目的とする。
【0014】
本発明の他の目的は,先行技術の壁部および床部の構造を変えることのない上記連結構造を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の結合構造は,床部と,該床部の前後に連結される前壁部および後壁部とを有してなる箱型荷台において,床部と壁部との連結構造である。壁部は下端に,水平な骨格部材を有し,床部は,縦根太に垂直に固定される複数の床部材,および両側側方全長に伸長する床枠材を有し,床枠材は,長手方向にそった上縁部と,端を形成する端縁部とを有する。壁部の骨格部材は,端部にある床部材と一体となる。床枠材の端部分は,骨格部材と一体となった床部材の側面に,複数個所で締結する締結手段により連結される。複数の締結手段の二つのうちの一方の締結手段は他方の締結手段よりも,床枠材の上縁部に接近した位置にあるが,他方の締結手段は,一方の締結手段よりも,床枠材の端縁部に接近した位置にある。
【0016】
一方の締結手段と,他方の連結手段の間に,一つ以上の締結手段が位置することもできる。ここで,間に位置する締結手段の位置は,他方の締結手段に近づくにつれて,一方の締結手段の位置よりも次第に低くなる。
【0017】
【実施例】
図6は,本発明したがって配置されたリベット位置をもつ連結構造の分解部分拡大斜視図を示し,図7は,本発明にしたがって配置されたリベット位置をもつ連結構造の部分拡大図側面図を示す。
【0018】
本発明は,箱型荷台を構成する壁部と床部との連結構造に関するものあり,他の点については,上記説明した先行技術の箱型荷台と変わらず,したがって,共通要素については同じ符号を付す。
【0019】
図6において示された本発明の連結構造と,図4において示された先行技術の連結構造とは,リベットの配置を除き,基本的には同じである。すなわち,床部3は,二本の平行な縦根太31(図では一本のみを示す)と,これに垂直な複数の床部材32が,連結具を介してボルトにより固定される。その上に床材が張られる。床部3の両側側方には,床枠材33(図では片側のみを示す)が配置されるが,床部材32は床枠材33に固定されるとともに,床枠材33の端部分と,床部材26に固定された連結具27とも,それらに設けられた複数の穴を整合させて,リベットにより締め付け固定される。
【0020】
図7に示されているように,床部材26と床枠材33とは連結具27を介して,リベット61‐65により,締め付け固定されるが,このリベットの位置がまさしく本発明の特徴となる。
【0021】
本発明にしたがったリベットは,リベットのうちの一方のリベット(符号61により示される)が他方のリベット(符号64により示される)よりも,床枠材の上縁部(上面)に接近した位置にあるが,他方のリベット64が,一方のリベット61よりも,床枠材の端縁部に接近した位置にある。そして,リベット61を通過して,上縁部に平行な直線上に必要とされる複数の他のリベット62,63がある。また,他に必要とされるリベット65が,一方のリベット61と,他方のリベット64の間に位置する。
【0022】
このように配置されたリベットの位置は,それらを貫く線分により特徴つけることができる。すなわち,リベット61,62,63は,床枠材の上縁部の近傍でかつ直線上にあるのに対して,リベット64,65,61は,床枠材の(先方)端縁部に近づくにつれて下降する傾斜した線分上にある。この傾斜した線分は,直線とすることも可能であり,または湾曲することも可能である。
【0023】
リベットにより結合された壁部と床部(床枠材)との結合構造において生じる応力は解析的に求めることができ,その結果を視覚的に示したものが図8で,生じる応力が色の濃淡,格子の変形により,各リベットの位置における応力値とともに示めされている。
【0024】
図8(本発明の配列)に示されているように,本発明にしたがって,リベットを貫く線分が,床枠材の端縁部に近づくにつれて,下方に傾斜するように,リベットを配置(配列)することで,各リベットでの応力はほぼ均衡化される。
【0025】
図6ないし図8の実施例における,リベットの位置は例示であり,実際のリベットの数,その位置関係は,結合構造を構成する要素の材料,寸法,荷台の大きさ等に基づいて構造解析され,決定されるが,先行技術では,常にリベットを貫く線分は直線を前提として,リベットの数,その位置関係が決定されていたのに対して,本発明では,その線分を床枠材の端縁部に近づくにつれて,下方に傾斜するようにして,構造解析し,当該連結構造に適した,個別具体的なリベットの数,その位置関係が決定されるのである。
【0026】
【効果】
本発明にしたがって,リベット,すなわち締結手段を貫く線分を,床枠材の端縁部に近づくにつれて,下方に傾斜するように,締結手段の位置が決定された壁部と床部との結合構造では,各締結手段において生じる応力が均衡化され,その結果,壁部,床部を構成する各要素に実施的な変形や亀裂などが発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は,ウイング式屋根をもつ箱型荷台の斜視図を示す。
【図2】図2は,図1の箱型荷台を構成する前壁部の拡大斜視図を示す。
【図3】図3は,図1の箱型荷台を構成する後壁部の拡大斜視図を示す。
【図4】図4は,先行技術にしたがって,直線状に配置されたリベット用穴をもつ連結構造の分解部分拡大斜視図を示す。
【図5】図5は,先行技術にしたがって,直線状に配置されたリベットをもつ連結構造の部分拡大図側面図を示す。
【図6】図6は,本発明したがって配置されたリベット用穴をもつ連結構造の分解部分拡大斜視図を示す。
【図7】図7は,本発明にしたがって配置されたリベットをもつ連結構造の部分拡大図側面図を示す。
【図8】図8は,リベットの位置が,先行技術にしたがった場合と,本発明にしたがった場合の,壁部と床部(床枠材)との連結構造のそれぞれにおいて生じる応力を,色の濃淡,格子の変形により,各締結具の位置における応力値とともに示す。
【符号の説明】
21 骨格部材
26 床部材
27 連結具
31 縦根太
32 床枠材
Claims (3)
- 床部(3)と,該床部の前後に連結される前壁部(4)および後壁部(5)とを有してなる箱型荷台(1)において,
前記床部(3)と前記壁部(4、5)との連結構造であって,
前記壁部(4、5)は下端に,水平な骨格部材(21)を有し,
前記床部(3)は,縦根太(31)に垂直に固定される複数の床部材(26),および両側側方全長に伸長する床枠材(33)を有し,
前記床枠材(33)は,長手方向にそった上縁部と,端を形成する端縁部とを有し,
前記壁部の骨格部材(21)は,端部にある前記床部材(26)と一体となり,
前記床枠材(33)の端部分は,前記骨格部材と一体となった前記床部材の側面(27、28)に,複数個所で締結する締結手段により連結され,
前記複数の締結手段(61〜65)の二つのうちの一方の締結手段(61)は他方の締結手段(64)よりも,前記床枠材の前記上縁部に接近した位置にあるが,前記他方の締結手段(64)は,前記一方の締結手段(61)よりも,前記床枠材の前記端縁部に接近した位置にあり、
前記一方の締結手段と,前記他方の連結手段の間に,一つ以上の締結手段(65)が位置し,
前記間に位置する締結手段(65)の位置は,前記他方の締結手段(64)に近づくにつれて,前記一方の締結手段(61)の位置よりも次第に低くなる,
ことを特徴する連結構造。 - 請求項1に記載の連結構造であって,
前記一方の締結手段(61),前記間に位置する締結手段(65),前記他方の締結手段(64)を貫く線分が直線である,ところの連結構造。 - 請求項1に記載の連結構造であって,
前記一方の締結手段(61),前記間に位置する締結手段(65),前記他方の締結手段(64)を貫く線分が湾曲する,ところの連結構造。
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