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JP3863661B2 - 一成分形弾性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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JP3863661B2 - 一成分形弾性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

一成分形弾性エポキシ樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた貯蔵安定性と湿潤接着性を併せ持つ一成分形弾性エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂に変成シリコーン樹脂を配合することによって、硬化物に可撓性を付与した弾性エポキシ樹脂組成物は従来、建築現場等でコンクリートやモルタル面に用いる接着剤として用いられている。
このような組成物のうち、使用時に主剤および硬化剤の計量、混合が不要なために作業性に優れ、かつ、硬化の際に加熱をする必要がないため、硬化の際の環境や被着材の材質の制約から加熱を行なうことの出来ない場合に使用可能である室温硬化型の一成分形のものが好ましい。
このようなエポキシ樹脂組成物としては、エポキシ樹脂、変成シリコーン樹脂、およびエポキシ樹脂の潜在性硬化剤としてケチミンを配合した一成分形弾性エポキシ樹脂組成物が知られている(特開平4−1220号公報)。
しかしながら、従来潜在性硬化剤として用いられているケチミンは保護基の封鎖が完全ではないため貯蔵安定性が十分ではない。
一方、ウレタン樹脂において硬化剤として広く用いられているオキサゾリジンを、エポキシ樹脂の潜在性硬化剤として使用する試みも本発明者らによりなされているが、貯蔵安定性はケチミンに比べて改善されるものの、湿潤接着性が十分ではない。
このように様々な検討がなされているにもかかわらず湿潤接着性と貯蔵安定性の相反する特性のいずれも満足のいく組成物はいまだ知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた貯蔵安定性と湿潤接着性を併せ持つ一成分形弾性エポキシ樹脂組成物の提供をしようとする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、少なくとも、エポキシ樹脂(a)、式Iで示されるケチミン化合物(b)、式IIで示されるオキサゾリジン化合物(c)、変成シリコーン樹脂(d)、および変成シリコーン樹脂硬化触媒(e)を含有することを特徴とする一成分形弾性エポキシ樹脂組成物を提供する。
【0005】
【化3】
Figure 0003863661
【0006】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は、水素、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基または炭素、水素、酸素を含む分子量300以下の官能基を表し、X1 およびX2 は炭素数2〜6のアルキレン基または炭素数6〜12の非隣位アリーレン基を表し、mは0以上の整数を表す。)
【0007】
【化4】
Figure 0003863661
【0008】
(式中、R6 はメチル基またはエチル基を表し、R7 およびR8 は、各々独立に炭素数1〜12を有する脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはR7 とR8 が結合した環状化合物を表し、R9 は水素原子またはメチル基を表す。)
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
はじめに、本発明の可撓性エポキシ樹脂組成物に含有される成分について説明する。
本発明に用いるエポキシ樹脂(a)は、常温における性状が液状であるエポキシ樹脂であれば、いずれでもよい。
エポキシ樹脂(a)としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF等とエピクロールヒドリンを反応させて得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等や、これらに水添したエポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、メタキシレンジアミンやヒダントインなどをエポキシ化した含窒素エポキシ樹脂、ポリブタジエンあるいはNBRを含有するゴム変性エポキシ樹脂等があげられるが、これらに限定されるものではない。
また、エポキシ樹脂(a)は、一種類のみでも、二種類以上を併用してもよい。
【0010】
本発明では、下記式Iで示されるケチミン化合物(b)をエポキシ樹脂(a)の硬化剤として用いる。
【化5】
Figure 0003863661
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は、水素、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基または炭素、水素、酸素を含む分子量300以下の官能基を表し、X1 およびX2 は炭素数2〜6のアルキレン基または炭素数6〜12の非隣位アリーレン基を表し、mは0以上の整数を表す。)
【0011】
このようなケチミン化合物(b)の具体例としては、1,2−エチレンビス(イソペンチリデンイミン)、1,2−ヘキシレンビス(イソペンチリデンイミン)、1,2−プロピレンビス(イソペンチリデンイミン)、p,p−ビフェニレンビス(イソペンチリデンイミン)、1,2−エチレンビス(イソプロピリデンイミン)、1,3−プロピレンビス(イソプロピリデンイミン)、p−フェニレンビス(イソペンチリデンイミン)、(ジエチレントリアミンメチルイソブチルケトン重縮合物)フェニルグリシジルエーテル付加物等が例示される。
ケチミン化合物(b)は、一種類でも、二種類以上を併用してもよい。
ケチミン化合物(b)は、水分のない状態では安定に存在するが、水分によって第一級アミンになり、エポキシ樹脂(a)の潜在性硬化剤として機能する。これにより、本発明の一成分形弾性エポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性と使用時における硬化性が良好なものとなる。
ケチミン化合物(b)の使用量は、前記可撓性エポキシ樹脂組成物が貯蔵される期間にもよるが、一般には、エポキシ樹脂(a)100重量部に対して1〜30重量部、好ましくは3〜15重量部とする。1重量部未満では、硬化速度が遅くなるので好ましくなく、一方、30重量部を超えると、貯蔵時にエポキシ樹脂(a)が硬化しやすくなり、貯蔵安定性が低下するので好ましくない。
【0012】
本発明に用いるオキサゾリジン化合物(c)は、下記式IIで示される化合物で、湿気硬化型の潜在性硬化剤および貯蔵安定剤として作用する。
【0013】
【化6】
Figure 0003863661
【0014】
式中、R6 はメチル基またはエチル基を表す。R6 がメチル基およびエチル基以外であると、硬化性が低下する。
7 およびR8 は、各々独立に炭素数1〜12を有する脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、特にCH3 −、(CH3 2 2 3 −、CH3 CH2 −、CH3 CH2 CH2 −、(CH3 2 CHCH2 CH2 −、
【0015】
【化7】
Figure 0003863661
【0016】
等が原料入手の点で好ましい。または、R7 とR8 が結合した環状化合物、例えば
【化8】
Figure 0003863661
【0017】
等を示す。特に炭素数5〜6を有する脂環式炭化水素基であるのが好ましい。
9 は、特に限定されないが、R9 が水素原子およびメチル基以外であると、原料入手の点で問題である。
【0018】
オキサゾリジン化合物(c)の具体例としては、N−メチル−2−イソプロピル−2,4−ジメチル−1,3−オキサゾリジン、N−エチル−2−イソプロピル−2,4−ジメチル−1,3−オキサゾリジン、下記式(1)で示されるN−メチル−2−イソブチル−2−メチル−1,3−オキサゾリジン、下記式(2)で示されるN−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)−1,3−オキサゾリジン等が挙げられる。中でも、式(1)の化合物、式(2)の化合物等が硬化性の点で好ましい。
【0019】
【化9】
Figure 0003863661
【0020】
【化10】
Figure 0003863661
【0021】
このようなオキサゾリジン化合物(c)は、既知の方法によりアミノアルコールとケトン類との反応により合成される。
アミノアルコールとしては、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−メチルイソプロピルアミンが好ましく、特にN−メチルエタノールアミンが好ましい。
ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンが好ましく、特にメチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトンであるのが硬化性の点で好ましい。
【0022】
本発明においてケチミン化合物およびオキサゾリン化合物のいずれもエポキシ樹脂の潜在性硬化剤として機能するが、ケチミン化合物のみでは貯蔵安定性に欠け、オキサゾリジン化合物単独では湿潤接着性が不十分である。ケチミン化合物およびオキサゾリジン化合物を併用することにより初めて所望の性質を有する一成分形弾性エポキシ樹脂組成物を得ることができる。
オキサゾリジン化合物(c)は、ケチミン化合物(b):オキサゾリジン化合物(c)の重量比が4:1〜1:4であり、好ましくは3:1〜2:1であるように配合する。この範囲外では、硬化性と貯蔵安定性のバランスが崩れる。
【0023】
本発明に用いる変成シリコーン樹脂(c)とは、例えば、アミノ基、フェニル基、アルコキシ基等の官能基が導入されたシリコーン樹脂をいうが、下記式(3)で示される加水分解性ケイ素官能基を末端に有するシリコーン樹脂を用いることが好ましい。
【0024】
【化11】
Figure 0003863661
【0025】
(式中、R10は炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表し、R11は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を表し、nは0〜2の整数を表す。)
より具体的には、ポリ(メチルジメトキシシリルエチルエーテル)等が例示され、市販のものが使用できる。
これらの変成シリコーン樹脂は、一種類のみを使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。
このような変成シリコーン樹脂の使用は、エポキシ樹脂組成物の硬化物に可撓性を付与するために重要である。また、変成シリコーン樹脂は、エポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性向上にも寄与する。
変成シリコーン樹脂の使用量は、エポキシ樹脂(a)100重量部に対して、10〜500重量部、好ましくは50〜300重量部である。10重量部未満であると、エポキシ樹脂組成物の硬化物が十分な可撓性を示さず、一方、500重量部を超えると、接着性が悪くなるので好ましくない。
【0026】
変成シリコーン樹脂硬化触媒(d)とは、上記の変成シリコーン樹脂(c)を硬化させる触媒である。即ち、変成シリコーン樹脂(c)の硬化は、変成シリコーン樹脂硬化触媒(d)の存在で、空気中の水分により行われる。
より具体的には、ジブチル錫オキサイド等のスズ化合物、オクチル酸鉛等の如きカルボン酸の金属塩、シブチルアミン−2−エチルヘキソエートの如きアミン塩等が例示され、一種類のみを使用しても良いし、または二種類以上を併用してもよい。
変成シリコーン樹脂硬化触媒(d)の使用量は、一般的には、変成シリコーン樹脂(c)100重量部に対して0.1〜10重量部である。
【0027】
また、本発明に係る一成分形弾性エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、その他の添加物を添加してもよい。
添加物の例としては、酸化チタン等の老化防止剤、カーボンブラック等の顔料、炭酸カルシウム等の充填剤あるいは紫外線吸収剤、可塑剤、溶剤、難燃剤、乾燥剤等が挙げられる。
【0028】
乾燥剤は、エポキシ樹脂中の水分を取り除き、さらに貯蔵安定性を高めるためのものである。具体例としては、イソシアネート化合物、アルコキシシリル化合物、オルソエステルなどが挙げられる。乾燥剤を添加する場合、エポキシ樹脂100重量部に対して、0.5〜20重量部、特に1〜10重量部であるのが貯蔵安定性を高める上で好ましい。
【0029】
本発明の一成分形弾性エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(a)、式Iで示されるケチミン化合物(b)、式IIで示されるオキサゾリジン化合物(c)、変成シリコーン樹脂(d)、シリコーン樹脂硬化触媒(e)、および脱水剤等の添加剤を、常法により混合することで製造され、密封容器に保存される。
【0030】
得られた一成分形弾性エポキシ樹脂組成物は、貯蔵安定性、硬化発現性に優れ、湿気で短時間に硬化可能である。
【0031】
【実施例】
以下に、実施例について本発明を一層具体的に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものではない。
【0032】
表1に示す割合で、エポキシ樹脂、変成シリコーン樹脂、および充填剤(炭酸カルシウム)を高粘度用混合撹拌機を使用し、常温、減圧(20Torr以下)下で撹拌、混合した。次いで、脱水剤を添加し、減圧攪拌し、また変成シリコーン樹脂硬化触媒、ケチミン、オキサゾリジン、およびその他の添加剤を添加し、減圧攪拌し、一成分形弾性エポキシ樹脂組成物を製造した。
その後得られた樹脂組成物に対して以下のような物性評価を行なった。結果は表1に記載した。
【0033】
(物性評価)
(1)貯蔵安定性の評価
製造直後に、BH形粘度計を用い、ローター#6を10rpmで回転させて、得られた組成物の粘度(Pa・S)を測定した。一方得られた組成物を密閉容器にいれ、40℃または50℃で1日放置し、同様に粘度を測定し、粘度の上昇率を計算し、貯蔵安定性を評価した。
(2)タック性の評価
各組成物を20℃で60%相対湿度の条件で硬化させ、JIS A5758に準拠して、タックフリータイムを測定した。
(3)湿潤接着性の評価
難接着性の湿潤モルタルを被着体とし、その上面に各樹脂組成物を流し、20℃相対湿度55%で12時間放置した。その後、手による剥離試験を行なった。
結果は凝集体破壊をcf、界面剥離をAfと評価した。
【0034】
【表1】
Figure 0003863661
【0035】
表中の記載は以下のとおりである。なお、表中各添加物の配合量は重量部で表す。
エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ELA128、住友化学工業社製)
変成シリコーン樹脂:ポリ(メチルジメトキシシリルエチルエーテル)(MSP−S203、鐘淵化学工業社製)
充填剤:炭酸カルシウム(スノーライトSSS、白石カルシウム社製)
変成シリコーン樹脂硬化触媒:ジブチル錫ビストリルエチルシリケート(ネオスタンU−303、日東化成社製)
ケチミン:(H−3、油化シェルエポキシ社製)
オキサゾリジン1:(MS−PLUS、アンガス社製)
オキサゾリジン2:(MS−52、アンガス社製)
オキサゾリジン3:(M−MIP、アンガス社製)
オキサゾリジン4:(M−MSB、アンガス社製)
溶媒:トルエン
【0036】
評価の結果、ケチミンのみをエポキシ樹脂の硬化剤とした場合(比較例1)は、粘度上昇率より貯蔵安定性に欠け、オキサゾリジンのみをエポキシ樹脂の硬化剤とした場合(比較例2)は、界面剥離したことより湿潤接着性に欠けることが明らかになった。これに対して本発明例(実施例1〜4)は貯蔵安定性、湿潤接着性とも満足のいくものであった。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、貯蔵安定性および湿潤接着性の双方に優れる一成分形弾性エポキシ樹脂組成物が得られる。

Claims (1)

  1. 少なくとも、エポキシ樹脂(a)、式Iで示されるケチミン化合物(b)、式IIで示されるオキサゾリジン化合物(c)、変成シリコーン樹脂(d)、および変成シリコーン樹脂硬化触媒(e)を含有することを特徴とする一成分形弾性エポキシ樹脂組成物。
    Figure 0003863661
    (式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は、水素、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基または炭素、水素、酸素を含む分子量300以下の官能基を表し、X1 およびX2 は炭素数2〜6のアルキレン基または炭素数6〜12の非隣位アリーレン基を表し、mは0以上の整数を表す。)
    Figure 0003863661
    (式中、R6 はメチル基またはエチル基を表し、R7 およびR8 は、各々独立に炭素数1〜12を有する脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはR7 とR8 が結合した環状化合物を表し、R9 は水素原子またはメチル基を表す。)
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