JP3864601B2 - 接木機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、台木・穂木受装置で個別に保持した台木苗と穂木苗とを引継ぎして切断部、及び接合部へと順次回動移送する台木・穂木挾持移送装置で挾持移送する該台木苗の胚軸外周部の一方側と該穂木苗の胚軸外周部の一方側とが、該接合部の押出し具に保持したクリップの中心位置より、所定距離(L)外側位置の該接合部へ移送すべく規制する該台木苗・穂木受装置に台木・穂木保持板を個別に設けた技術であり、接木機械の苗受装置として利用できる。
【0002】
【従来の技術】
各作業者によって台木・穂木受装置へ台木苗、及び穂木苗は個別に供給して保持させ、この保持された台木苗、及び穂木苗は台木・穂木挾持移送装置で個別引継ぎされて、切断部へ回動移送され、台木苗の胚軸部、及び穂木苗の胚軸部の所定位置が切断され、更に接合部へ回動移送されて、台木苗の胚軸部、及び穂木苗の胚軸部の中心位置が、該接合部の押出具に保持したクリップの中心位置へ個別に移送され、これら台木苗の胚軸部と穂木苗の胚軸部との切断部が接合され、該クリップでこの接合部が挾持されて接木が終了する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
台木・穂木挾持移送装置で挾持移送して切断部で台木苗の胚軸部、及び穂木苗の胚軸部を切断し、接合部へ挾持移送したときに、これら台木苗の胚軸部と穂木苗の胚軸部との中心位置が、この接合部の押出し具に保持したクリップの中心位置と同じ位置にあることにより、この台木苗の胚軸部の接合部を断面すると、中央部が空洞であり、この空洞の外側の外周部には、複数個の維管束を有し、この外側の維管束部へ穂木苗の胚軸部が接合されて接木するが、この接木のときに、台木苗の胚軸部が大径であり、穂木苗の胚軸部が小径であると、これらを接合したときに、この大径である台木苗の胚軸中央の空洞部へこの小径の穂木苗の胚軸部が接合されることとなり、このために、お互いの維管束部どうしが接合することが少なくなり、接木したこの接木済みの接木苗に成育不良が発生して、安定した成育を行うことができなかったが、この発明により、この問題点を解消しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このために、この発明は、台木苗(A)の供給を受けて保持する台木受装置(8)と、穂木苗(B)の供給を受けて保持する穂木受装置(9)と、該台木・穂木受装置(8,9)で保持した該台木・穂木苗(A,B)を個別に引継ぎして切断部及び接合部へと順次回動移送する台木・穂木挾持移送装置(10,11)とを設けた接木機械において、該台木・穂木挾持移送装置(10,11)で挾持して移送する該台木苗(A)の胚軸(E)外周部の一方側と該穂木苗(B)の胚軸(F)外周部の一方側とは該接合部の押出し具(52)に保持したクリップ(5)の中心位置より、所定距離(L)外側位置の該接合部へ移送すべく規制する台木保持板(12)を該台木受装置(8)に設けると共に、穂木保持板(14)を該穂木受装置(9)に設け、穂木挾持移送装置(11)には穂木苗(B)の子葉(H)を上方へ持上げるべく作動する穂木子葉押えロータ(60)を設け、苗種類設定手段(62)により前記穂木子葉押えロータ(60)が始動する状態と始動しない状態とに設定できる構成としたことを特徴とする接木機械の構成とする。
【0005】
【発明の作用】
各作業者によって台木・穂木受装置8,9へ台木苗A、及び穂木苗Bは個別に供給して保持させ、保持されたこれら台木苗A、及び穂木苗Bは台木・穂木挾持移送装置10,11で個別に引継ぎして、切断部へ回動移送され、台木苗Aの胚軸E部、及び穂木苗Bの胚軸F部の所定位置が切断され、更に接合部へ回動移送されて、台木苗Aの胚軸E外周部の一方側と、穂木苗Bの胚軸F外周部の一方側とが、該接合部の押出し具52に保持したクリップ5の中心位置より、所定距離(L)外側位置の該接合部へ規制して移送すべく、該台木・穂木受装置8,9に個別に設けた台木・穂木保持板12,14により、これら台木・穂木受装置8,9へ個別に台木苗A、及び穂木苗Bを供給のときに規制され、この規制により、台木苗A、及び穂木苗Bは所定距離(L)外側位置へ挾持移送され、例えば、接木する台木苗Aの胚軸E部が大径であり、穂木苗Bの胚軸F部が小径であったときでも、これら台木苗Aの胚軸E外周部の一方側と、穂木苗Bの胚軸F外周部の一方側とが、一致していることにより、台木苗Aの胚軸Eの中央の空洞部外側部にある維管束と穂木苗Bの胚軸Fの中央の空洞部外側部にある維管束とは、一致した状態で切断部が接合され、該クリップでこの接合部が挾持されて接木が終了する。
【0006】
又、上記とは逆に台木苗Aの胚軸E部が小径であり、穂木苗Bの胚軸F部が大径であったときでも、上記と同じようにこれら胚軸E,F外周部の一方側が、一致していることにより、お互の維管束が一致した状態で切断部が接合される。更に胚軸E,F部が同径であれば、更に確実に接合される。又、苗種類設定手段62により穂木子葉押えロータ60が始動する状態に設定すれば、前記穂木子葉押えロータ60の作動により穂木苗Bの子葉Hを上方へ持上げる。
【0007】
【発明の効果】
接合部の押出し具52に保持したクリップ5の中心位置より、所定距離(L)外側位置の該接合部へ台木・穂木挾持移送装置10,11で台木苗A、及び穂木苗Bを挾持して移送すべく、台木苗A、及び穂木苗Bを作業者が供給する供給位置を規制する台木・穂木保持板12,14を個別に台木・穂木受装置8,9に設けて規制したことにより、該切断部へ移送された台木苗Aの胚軸E外周部の一方側と、穂木苗Bの胚軸F外周部の一方側とは、一致状態になり、これにより、これら台木苗Aの維管束と穂木苗Bの維管束とが、一致して接合されることが多くなり、これら台木苗Aと穂木苗Bとを接木した接木済み接木苗に成育不良が発生することが減少して、安定した成育を行うことができる。又、苗種類設定手段62の設定により、穂木子葉押えロータ60を始動させて穂木苗Bの子葉Hを上方へ持上げることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図例は、例えば、うり科の内のきゅうりの台木苗Aを根鉢部付き状態で、作業者が台木受装置8へ供給して保持させると共に、穂木苗Bの根鉢部D上の胚軸Fの所定位置を作業者が切断して穂木受装置9へ供給して保持させる苗受装置等を有する接木機械1を図示すると共に、該苗受装置を図示して説明する。
【0009】
前記接木機械1は、機枠2内下部には、コンプレッサ3、各種電磁弁4、クリップ5を貯留、及び移送するクリップ貯留装置6、及びクリップ移送通路7等を設けている。該機枠2上部には、台木苗A、及び穂木苗Bの供給を受けて保持する台木受装置8、穂木受装置9、これら台木苗A、及び穂木苗Bを引継ぎして挾持移送する台木挾持移送装置10、及び穂木挾持移送装置11を設けた構成である。
【0010】
苗切断装置は、台木苗Aの各部の根鉢C部を切断する台木根鉢切断ナイフ12bを装着した台木根鉢切断装置12aと、胚軸E部を切断する台木胚軸切断ナイフ13bを装着した台木胚軸切断装置13aと、子葉G部を切断する台木子葉切断ナイフ14bを装着した台木子葉切断装置14aと、穂木苗Bの胚軸F部を切断する穂木切断ナイフ15bを装着した穂木切断装置15a等よりなる構成である。
【0011】
又、前記接木機械1は、切断済み台木苗Aの切断部Jと、切断済み穂木苗Bの切断部Kとを接合する接合装置16、及び操作装置17等を設けた構成である。
前記台木受装置8は、図1、及び図2で示す如く挿入溝18aを設けた支持板18を設け、この支持板18の下側には、この挿入溝18aの一方側の端縁部より、内側へ一方側の端部が突出状態に台木保持板12を設けると共に、この台木保持板12の横側には、開閉自在な台木挾持具13を設けた構成である。
【0012】
根鉢C部付の台木苗Aは作業者により、前記台木受装置8の台木保持板12の内側端部に、この台木苗Aの胚軸E外周部の一方側を接触状態に供給する構成である。この台木保持板12部に台木苗Aの有り状態、及び作業者の手がないことが台木センサ22,22、及び手センサ22a,22aで検出され、この検出によって台木挾持具13が作動して、これら台木保持板12と台木挾持片13とにより、この台木苗Aの胚軸E部を軽く挾持して、この台木苗Aが落下しないように保持する構成である。
【0013】
前記台木受装置8に保持した台木苗Aは、後述する前記台木挾持移送装置10で引継ぎし、切断部、及び接合部へと90度毎に順次回動移送され、該接合部で停止したときは、この台木苗Aの胚軸E外周部の一方側は、後述する押出し具52部に保持したクリップ5の中心位置(イ)より、所定距離(L)外側に位置させるべく、該台木受装置8に設けた台木保持板12で規制する構成である。
【0014】
前記穂木受装置9は、図1、及び図3で示す如く穂木保持板14を設け、この穂木保持板14の上側には、補助保持板14cを設けると共に、この穂木保持板14の横側には、開閉自在な穂木挾持具15を設けた構成である。
胚軸Fの所定位置を切断した穂木苗Bは作業者により、前記穂木保持板14の横側端部で補助保持板14cの前側部に、この穂木苗Bの胚軸F外周部の一方側を接触状態に供給する構成である。この穂木保持板14部に穂木苗Bの有り状態、及び作業者の手がない状態が各穂木センサ26、及び手センサ26aによって検出され、この検出によって穂木挾持具15が作動して、これら穂木保持板14と穂木挾持具15とにより、この穂木苗Bの胚軸F部を軽く挾持して、この穂木苗Bが落下しないように保持する構成である。
【0015】
前記穂木受装置9に保持した穂木苗Bは、後述する前記穂木挾持移送装置11で引継ぎし、切断部、及び接合部へと90度毎に順次回動移送され、該接合部で停止したときは、この穂木苗Bの胚軸F外周部の一方側は、後述する押出し具52部に保持したクリップ5の中心位置(イ)より、所定距離(L)外側に位置させるべく、該穂木受装置9に設けた穂木保持板12で規制する構成である。
【0016】
前記機枠2の周囲には、各側壁板18bを設け、前後両側には、折畳み自在にフレーム19,19を設け、台木苗A、及び穂木苗B等を収納した箱を載置できる構成である。又、各台木・穂木切断ナイフ12b,13b,14b,15b等の機能部品の上側には、透明で樹脂材等よりなる機能部品カバー20を開閉自在に設けて、機能部品を覆う構成としている。
【0017】
前記台木受装置8は、機枠2内の後方上部に平行状態に設け、根鉢Cの付いた台木苗Aを作業者が手動により、支持板18の挿入溝18aへ供給すると、この台木苗Aは、自重によって子葉G下部が該支持板18へ当接するまで自然落下し、垂直状態に保持される構成としている。
前記台木受装置8は、図1、及び図2で示す如く台木苗Aが支持板18の挿入溝18aへ供給されると、この台木苗Aを検出する透過方式で光電式の台木センサ22,22を該支持板18の両側壁部に設けると共に、作業者の手を検出する反射式で光電式の手センサ22a,22aを該台木センサ22の下部の横側に設けている。これら台木センサ22の検出、及び手センサ22aの未検出に伴って、支持板18下側に開閉自在で開状態に設けた台木挾持具13は、閉状態に作動し、台木苗Aの胚軸E部の所定位置を挾持する構成である。これにより、該手センサ22aは子葉Gを検出する誤検出の防止ができて安全性が向上し、又、胚軸E部が曲がった台木苗Aであっても、この台木センサ22で確実に検出することにより、苗の適応性が向上するし、コスト低減になる。
【0018】
前記穂木受装置9は、図1、及び図3で示す如く機枠2内の前方上部に設け、根鉢D部を切断した穂木苗Bを手動により、穂木保持板14と穂木挾持具15と間へ供給すると、この穂木苗Bは、自重によって子葉H下部がこれら穂木保持板14と穂木挾持具15とへ当接するまで自然落下し、保持される構成としている。
【0019】
図16で示す如く前記穂木挾持移送装置11に設けた背当固定板45に、穂木苗Bの胚軸Fが確実に当接する構成である。これによって、穂木苗Bが該穂木挾持移送装置11へ引継ぎ挾持されたときは、該背当固定板45へ穂木苗Bの胚軸F部が確実に当接することにより、この胚軸F部を穂木切断ナイフ15bで切断したときに、切断面の長さ、及び切断位置が安定した接木ができる。
【0020】
供給された穂木苗Bは、穂木センサ26で検出され、この検出に伴ない、穂木保持板14部に開閉自在で開状態に設けた穂木挾持具15は、閉状態に作動されて、穂木苗B胚軸F部の所定位置を挾持する構成としている。
供給された穂木苗Bの子葉H下部が前記穂木挾持具15へ当接していない状態のときには、作業者が手動により、当接するまで引き下げることができる構成である。
【0021】
前記穂木受装置9の穂木保持板14上側には、図15で示す如く回転ローラ25,25を回転自在に装着した支持板25aを設け、この回転ローラ25,25で穂木苗Bの両側の子葉Hを内側へ向けて押す状態に作用して、この両側の子葉Hを閉状態に保持する構成としている。これにより、穂木苗Bの子葉H部を折り畳み状態で供給ができると共に、穂木苗Bの胚軸F部の曲りを修正することができる。
【0022】
前記穂木挾持具15下方部には、作業者の手を検出する手センサ26aを設け、この手センサ26aが手を検出中は、穂木挾持移送装置11を始動させない構成としている。
前記台木挾持移送装置10は、機枠2内の後方側へ回動自在に台木搬送ローラ、及び台木搬送ベース等で支持させている。又、該台木挾持移送装置10には、上部の所定位置へ固定した台木切断受ローラ32を設けると共に、この台木切断受ローラ32の下側には、上下に3箇所を挾持する台木挾持片31を設けると共に、開閉、及び移動自在な構成である。該台木挾持片31の開閉、及び移動作動は、台木挾持用シリンダ(図示せず)で行われる構成としている。
【0023】
前記台木受装置8に保持された台木苗Aの胚軸E部の所定位置を、台木挾持移送装置10の台木挾持片31が回動移動して挾持する構成であり、これによって挾持された台木苗Aは、台木子葉切断装置14a部へ90度回転移動して、停止する構成としている。
前記台木挾持移送装置10は、台木挾持片31,31の上下両端部、及び中央部には、図9、及び図10で示す如く弾性材のゴム、又は樹脂材よりなる上・中・下挾持部材28,29,30を設けると共に、該台木挾持片31,31の上端部には、三角形状のガイド板31a,31bを設け、図11が図12で示す作用の変化の如く台木苗Aの胚軸E部を所定位置へ案内する構成である。これにより、台木苗Aは常に中央部へ移動され、この中央部は更に90度回転移送されると、クリップ5の中心位置(イ)より、所定距離(L)外側位置の接合装置16部へと移送される構成であることにより、成育状態、及び接木性能が向上し、又、上・中・下位置に弾性材の該挾持部材28,29,30を設けて3箇所で挾持することにより、台木苗Aの胚軸Eの逃げが防止できて、切断位置が正確になる。
【0024】
前記穂木挾持移送装置11は、機枠2内前方側に回動自在で、更に引継ぎ挾持する穂木苗Bを垂直状態に挾持して、この穂木苗Bの胚軸F部の切断部K切断面積の拡大を図るべく穂木搬送ローラ、及び穂木搬送ベース等で水平状態に支持させている。又、該穂木挾持移送装置11は、穂木挾持片38、及び背当固定板45等よりなり、開閉、及び移動自在な構成の該穂木挾持片38設けると共に、穂木挾持用シリンダにより、開閉移動の作動を行わせて、穂木苗Bの胚軸F部の所定位置を挾持する構成としている。
【0025】
前記背当固定板45は、穂木挾持片38下側に設け、この背当固定板45の前面部には、開口48させて、この開口48部の上側で該穂木挾持片38下側位置には、略三角形状の凸部49,49を設け、該背当固定板45の該開口48の上・下側部では、穂木苗Bの胚軸F部の後側部を受けて固定させ、該凸部49,49間では、胚軸F部の両側部を受けて、挾持状態に固定させた構成であり、穂木切断装置15aの穂木切断ナイフ15bで胚軸F部を切断のときに、この胚軸F部が切断方向へ逃げることの発生を防止する構成として、これにより、切断したときの切断部Kの切口の長さを常に一定長さとしたり、又、切断位置のずれを防止して、常に一定位置が切断される構成としている。
【0026】
前記穂木受装置9に保持された穂木苗Bの胚軸F部は、穂木挾持移送装置11の穂木挾持片38の回動移動により、引継ぎ挾持される構成であり、これによって挾持された穂木苗Bは、穂木切断装置15a部へ90度回動移動して、停止する構成としている。
前記穂木挾持移送装置11には、図15、及び図16で示す如く回転シリンダ50を設け、この回転シリンダ50の軸端部で穂木受装置9の回転ローラ25,25の下側に位置する状態に、穂木子葉押え板51を開閉自在に設け、穂木苗Bの子葉Hを内側へ向けて押す状態に作用する構成であり、作用は図17の2点鎖線で示す如く移動し、穂木苗Bを引継ぎ位置から接合位置まで移動作用し、移送が終了すると開状態となり、作用しない構成である。これにより、穂木苗Bの子葉H部を閉じた状態で移送、及び胚軸Fの切断位置が正確に切断されることにより、この穂木苗Bの切断不良が防止でき、又、移送時に動かないことにより、接合のときのづれがなくなった。更に接合装置16部へ移送されて停止したときには、クリップ5の中心位置(イ)より、所定距離(L)外側位置の該接合装置16部へと移送される構成であることにより、成育状態が向上する構成である。
【0027】
前記台木子葉切断装置14a、及び穂木切断装置15aは、台木挾持移送装置10、及び穂木挾持移送装置11の左側部の所定位置へ回動自在に設け、支持板、及び支持杆等によって支持させた構成である。該台木子葉切断装置14aの先端部には、台木子葉切断ナイフ14bを装着し、該穂木切断装置15aの先端部には、穂木切断ナイフ15bを装着した構成としている。
【0028】
前記台木・穂木切断ナイフ14b,15bの回転駆動により、これら台木・穂木切断ナイフ14a,15aで台木・穂木挾持移送装置10,11で挾持移送されて停止状態である台木苗Aの一方側子葉Gを残した位置と、穂木苗Bの胚軸F部の所定位置とを各々斜めに切断する構成であり、これらの切断位置は、上下調節可能な構成としている。
【0029】
台木根鉢切断装置12aは、図13、及び図14で示す如く台木受装置8の近傍で台木挾持移送装置10の回動移動軌跡内に設けている。この台木根鉢切断装置12aは、機枠2に切断用溝33aを有した取付板33を固着して設け、この取付板33上側面には、台木苗Aの根鉢C部の近傍を切断する台木根鉢切断ナイフ12bを調節可能に装着している。又、この取付板33の取付位置は、該台木挾持移送装置10の回動周速が遅く、回動中心から角度(イ)を有する位置に設けている。
【0030】
台木胚軸切断装置13aは、図13、及び図14で示す如く台木苗Aを挾持して回動移送し、略90度回動した位置で停止し、この停止位置でこの台木苗Aの一方側の子葉G部を台木子葉切断装置14aの台木子葉切断ナイフ14bで切断し、再度90度回動移動して接合装置16で接合する接合位置の手前で、台木挾持移送装置10の回動移動軌跡内に設けている。この台木胚軸切断装置13aは、機枠2に取付板34を固着して設け、この取付板34上側面には、台木苗Aの胚軸C部の所定位置を切断する台木胚軸切断ナイフ13bを調節可能に装着している。又、この取付板34の位置は、該台木挾持移送装置10の回動周速が早く、回動中心位置から角度(ロ)を有する位置に設けている。
【0031】
台木苗Aは、前記台木挾持移送装置10で引継ぎ直後の回動移送中に、台木根鉢切断ナイフ12bで根鉢C部の近傍が切断され、次に90度回動移送されて停止され、この停止中に台木子葉切断ナイフ14bで一方側の子葉Gを残して他方側の子葉G部が切断され、更に次に90度回動移送中に、台木胚軸切断ナイフ13bで胚軸E部の所定位置を切断する構成である。これによって作業者が台木苗Aの根鉢C部を切断する必要なく、接木工数の減少、及び胚軸E部が正確な位置で切断されることにより、安定した接木作業ができる。
【0032】
前記台木根鉢切断装置12aは、台木挾持移送装置10が略90度回動移動し、再度90度回動移動の移動始端部近傍に設けるもよく、又、この位置に上下に所定間隔を設けて重合状態に、この台木根鉢切断装置12aと台木胚軸切断装置13aとを設けた構成とするもよい。
前記台木子葉切断装置14a、及び穂木切断装置15aは、図18〜図20で示す如く構成であり、これら図18〜図20は、該台木子葉切断装置14aを示し、この台木子葉切断装置14aは、回転方向は下部から上部へ向けて回転する構成であり、穂木切断装置15aは上部から下部へ向けて回転する構成であり、形状、及び構成は、図18〜図20と同じとしている。
【0033】
前記台木子葉切断装置14aは、機枠2にL字形状カッタベース39に長孔40a,40aを設けた取付板40のこの長孔40a,40a部をボルト等によって装着して、この長孔40a,40a部で上下に調節可能な構成である。この取付板40には、ロータリシリンダ41を設け、このロータシリンダ41の軸には、回動自在に支持板42を設け、この支持板42の下側面には、L字形状のストッパ42aを設けている。
【0034】
前記台木子葉切断装置14aの支持板42の上側面には、ナイフ取付板43を押え板42bにより装着した構成であり、この押え板42bはボルト等によって装着した構成である。このナイフ取付板43の先端部には、台木子葉切断ナイフ14bを装着している。該支持板42と該ナイフ取付板43とは調節ボルト42cで連接した構成とし、この調節ボルト42cの調節操作により、該台木子葉切断ナイフ14bの位置が調節できる構成として、台木苗Aの子葉G部の切断位置を調節可能とし、子葉G部の所定位置を切断する構成である。
【0035】
前記台木子葉切断装置14aのカッタベース39のL部の両端の上端部には、弾性部材であるゴム、又は樹脂材等よりなる当具44,44を設け、この当具44へ該台木子葉切断装置14aの回動停止時に、支持板42のストッパ42aを当接させて、この台木子葉切断装置14aを所定位置で停止する構成である。これにより、コスト低減、騒音防止、及び耐久性の向上を図っている。
【0036】
前記穂木切断装置15aは、図18〜図20と同じ構成であり、この穂木切断装置15aの先端部に設けた穂木切断ナイフ15bにより、穂木苗Bの胚軸F部所定位置を切断する構成である。
前記台木子葉切断装置14a、及び穂木切断装置15aは、各切断作業が終了すると、90度回動移動して、切断済み台木苗A、及び切断済み穂木苗Bを接合装置16部へ移動し、停止して待機する構成である。
【0037】
前記クリップ貯留装置6は、接合装置16の右側部に設け、このクリップ貯留装置6の揺動回転により、収容されたクリップ5は、下段の底部から上段の底部の外周部へと順次移動して、この外周部を経てクリップ移送通路7へと移送され、このクリップ移送通路7で該クリップ5は、待機状態になる構成としている。
前記クリップ移送通路7へクリップ5を供給のときに、逆方向を向いた該クリップ5、及び該クリップ移送通路7内が該クリップ5で満杯状態のときには、このクリップ5は、クリップ貯留装置6内へ還元される構成としている。
【0038】
前記接合装置16は、クリップ5を押出す押出し具52、及びハンド部53等よりなり、これら押出し具52、及びハンド部53は、クリップ移送通路7先端部に設けた構成であり、該ハンド部53でクリップ5を開状態に保持する構成であり、開状態に保持された該クリップ5は、該押出し具52で押出しする構成であり、このクリップ5の押出しされた上下位置は、切断済み台木苗Aの子葉G部の切断部Jと、穂木苗Bの胚軸F部の切断部Kとが接合される位置になる構成としている。台木苗Aの胚軸E外周部の一方側と、穂木苗Bの胚軸F外周部の一方側とは、このクリップ5の中心位置(イ)より、所定距離(L)外側位置の該接合装置16位置へ台木・穂木保持板12,14で規制されて、移送される構成で有り、接木済み苗の成育状態の向上を図った構成である。
【0039】
前記クリップ5は、所定位置まで押され、所定位置へ達するとハンド部53で閉状態に作動され、閉状態になることにより、切断済み台木苗Aと穂木苗Bとの切断部J,Kの接合部をこのクリップ5で摘んで保持する構成であり、この保持が終了すると接木が終了し、接木済み苗は、下部へ排出される構成としている。
前記クリップ5で接合部を摘むときは、台木挾持片31は、切断済み台木苗Aと穂木苗Bとの挾持を解除する構成として、該クリップ5は、この台木挾持片31へ当接を防止する構成としている。
【0040】
前記コンプレッサ3から供給される空気は、操作装置17からの各種信号の出力により、開閉制御される各種電磁弁4を経て接木機械1の各部が始動、及び停止制御される構成としている。
前記操作装置17は、図21で示す如く箱形状に形成して機枠2の所定位置に装着して設け、この箱体の表面板には、ON−OFF方式の電源スイッチ、スタートスイッチ、リセットスイッチ、各マニアルスイッチ、各種表示する各種表示ランプ、及び警報を発するブザー等を設け、内部には、各種入力項目を算術論理演算、比較演算、及び各種信号を出力するCPU55を有する制御装置54を内装した構成としている。
【0041】
前記台木・穂木受装置8,9の台木・穂木挾持具13,15、及び台木・穂木挾持移送装置10,11の台木・穂木挾持片31,38の作動空気圧力を調節する台木・穂木空気レギュレータ56a,56bと各台木・穂木ソレノイドバルブ57a,57b,57c,57dとの間には、圧力を検出する台木・穂木圧力センサ58a,58bを図23、及び図25で示す如く設けると共に、図24で示す如く関係式により把持圧力(F)を算出する構成であり、この算出で得る把持圧力(F)を該台木・穂木空気レギュレータ56a,56bへフィードバックさせて、常に該台木・穂木挾持具13,15、及び該台木・穂木挾持片31,38で挾持する台木苗A、及び穂木苗Bの把持圧力を常に設定した一定圧力に制御する構成である。
【0042】
前記操作装置17には、台木・穂木挾持具13,15、及び台木・穂木挾持片31,38の把持力を設定するロータリースイッチ方式の台木・穂木把持設定手段59a,59bを設けた構成である。
前記台木・穂木空気レギュレータ56a,56bの制御を図26で示すフローチャートに沿って説明すると、接木作業がスタートされ(S−101),(S−102)へ進み、(S−102)〜(S−109)は図示の如く制御され、設定圧力と同じか検出され(S−110)、YESと判定されると台木・穂木受装置8,9、及び台木・穂木挾持移送装置10,11が作動されて台木苗A、及び穂木苗Bを挾持する(S−111)。(S−110)でNOと判定されると台木・穂木空気レギュレータ56a,56bが調節制御され(S−112),(S−107)へ戻る。
【0043】
これにより、台木・穂木苗A,Bの把持力の安定化ができ、接木性能を向上させることができる。
前記穂木挾持移送装置11の一方側には、図27で示す如くクランク形状の穂木子葉押え板60aを装着した穂木子葉押えロータ60を設け、この穂木子葉押えロータ60は、穂木子葉持上げシリンダ61で作動する構成である。
【0044】
前記操作装置17には、図25で示す如く接木する苗の種類、例えばきゅうりであるか、又は西瓜であるか等を設定するロータリースイッチ方式の苗種類設定手段62を設けた構成であり、この苗種類設定手段62を西瓜位置へ操作し、西瓜の穂木苗Bであると設定したときは、この西瓜の穂木苗Bの子葉Hを上方へ持上げるべく、穂木子葉持上げシリンダ61が始動され、穂木子葉押えロータ60が始動され、穂木受装置9へ供給されて保持された西瓜の穂木苗Bの子葉Hを上方へ持上げる構成である。又、該苗種類設定手段62をきゅうり位置へ操作し、きゅうりの穂木苗Bであると設定したときは、このきゅうりの穂木苗Bの子葉Hを上方へ持上げしないために、該穂木子葉持上げシリンダ61は始動しない構成である。
【0045】
前記穂木子葉押えロータ60の制御を、図28で示すフローチャートに沿って説明すると、接木作業がスタートされ(S−201),(S−202)へ進み、(S−202)〜(S−205)は図示の如く制御され、西瓜の穂木苗Bが検出され(S−206)、YESと判定されると(S−207)へ進み、(S−207)〜(S−209)は図示の如く制御される。(S−206)でNOと判断されると(S−210)へ進み、図示の如く制御される。
【0046】
これにより、穂木苗Bの種類に関係なく、最適な苗切断を行うことができる。
前記台木・穂木受装置8,9での台木・穂木苗A,Bの挾持作業モード、台木・穂木挾持移送装置10,11での台木・穂木苗A,Bの引継ぎ移送作業モード、台木・穂木苗A,Bの切断装置部での切断作業モード、及び接合装置16部での台木・穂木苗A,Bの接合作業モード等の各作業別の所要時間(N1)、及びこれら各作業の全体の所要時間(N2)との両者は、図25で示す如く制御装置54のCPU55内に設けたクロック63に設定して記憶させた構成であり、これら各作業別の所要時間(N1)、又は全体の所要時間(N2)内に各作業モードが終了しないときは、終了しない各作業モード部に不具合が発生したと制御され、操作装置17に設けたブザ−64から警報を発すると共に、終了しない各作業モード部の各装置を、緊急停止制御する構成である。
【0047】
各作業が終了しないで、緊急停止制御した各作業モード部の各装置は、前記操作装置17に設けたリセットスイッチのON操作により、再復帰する構成である。
これにより、各作業モード別に不具合が発生すると、不具合発生した作業モードの各装置が緊急停止することにより、作業者に対して危険を防止することができる。
【0048】
前記操作装置17の電源スイッチがON操作後に、各リセットスイッチの信号を入力する構成であり、これにより、エアの供給が出力され、各作業モード部の各装置、例えば、台木・穂木挾持具13,15、台木・穂木挾持片31,38等は初期位置に停止すべく制御され、これら各装置に装着される入力センサ、及びスタートスイッチをモニターする構成である。モニターされた入力信号が初期値(ON、又はOFF)以外であれば、ブザー64から警報を発し、各作業モードへは移行しない構成であり、これによって、作業者に接木機械1に不具合が発生し、調節、及び調整等を行うべき告知する構成とした自己診断機能を設けた構成である。
【0049】
前記接木機械1の制御を、図29で示すフローチャートに沿って作用を説明すると、接木作業がスタートされ(S−301),(S−302)へ進み、(S−302)〜(S−306)は図示の如く制御され、各モニターが初期定位置が検出され(S−307)、YESと判定されると接木作業に移行される。NOと判定されると(S−308)へ進み、(S−308)〜(S−309)は図示の如く制御され、(S−309)は(S−305)へ戻る。
【0050】
これにより、前記操作装置17の電源スイッチのON操作毎に各部の自己診断が実施され、正常、又は異常が告知されることにより、作業開始時に不具合に対応できる。
前記操作装置17の電源スイッチがON操作後より、機能部品カバー20の開閉状態を検出するカバーセンサ65を設け、このカバー20の閉状態の操作により、このカバーセンサ65がONする構成である。このカバーセンサ65のON以外は全てキャンセルされる構成であり、各作業モードの各ルーチンリターンも必ずその判定を通る構成として、危険回避を有した構成である。
【0051】
前記接木機械1の危険回避の制御を、図30で示すフローチャートに沿って作用を説明すると、接木作業がスタートされ(S−401),(S−402)へ進み、(S−402)は図示の如く制御され、機能部品カバー20が閉でカバーセンサ65がONが検出され(S−403)、NOと判定されると(S−403)へ戻る。YESと判定されると接木作業に移行される。又、各作業モードの各ルーチンリターンは(S−403)へ進む(S−404)。
【0052】
これにより、作業者に対する危険を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】台木・穂木受装置部の拡大平面図
【図2】台木受装置部の拡大平面図
【図3】穂木受装置部の拡大平面図
【図4】台木・穂木苗接合部の拡大平面図
【図5】台木・穂木苗接合部の平面図
【図6】接木機械の一部破断した全体正面図
【図7】接木機械の全体側面図
【図8】接木機械の一部破断した全体平面図
【図9】台木挾持移送装置部の拡大正面図
【図10】台木挾持移送装置部の拡大側面図
【図11】台木挾持移送装置部の拡大平面図
【図12】台木挾持移送装置部の拡大作用平面図
【図13】台木切断装置部の拡大平面図
【図14】台木切断装置部の拡大側面図
【図15】穂木挾持移送装置部の拡大正面図
【図16】穂木挾持移送装置部の拡大作用正面図
【図17】穂木挾持移送装置部の拡大平面図
【図18】台木子葉切断装置部の拡大側面図
【図19】台木子葉切断装置部の拡大平面図
【図20】台木子葉切断装置部の拡大正面図
【図21】操作装置の一部破断した拡大正面図
【図22】台木・穂木苗の拡大図
【図23】他の実施例を示す図で、空気レギュレータ部の拡大平面図
【図24】他の実施例を示す図で、把持圧力関係式図
【図25】他の実施例を示す図で、ブロック図
【図26】他の実施例を示す図で、フローチャート図
【図27】他の実施例を示す図で、穂木挾持移送装置部の拡大平面図
【図28】他の実施例を示す図で、フローチャート図
【図29】他の実施例を示す図で、フローチャート図
【図30】他の実施例を示す図で、フローチャート図
【符号の説明】
5 クリップ
8 台木受装置
9 穂木受装置
10 台木挾持移送装置
11 穂木挾持移送装置
12 台木保持板
14 穂木保持板
52 押出し具
60 穂木子葉押えロータ
62 苗種類設定手段
A 台木苗
B 穂木苗
E 胚軸
F 胚軸
H 子葉
Claims (1)
- 台木苗(A)の供給を受けて保持する台木受装置(8)と、穂木苗(B)の供給を受けて保持する穂木受装置(9)と、該台木・穂木受装置(8,9)で保持した該台木・穂木苗(A,B)を個別に引継ぎして切断部及び接合部へと順次回動移送する台木・穂木挾持移送装置(10,11)とを設けた接木機械において、該台木・穂木挾持移送装置(10,11)で挾持して移送する該台木苗(A)の胚軸(E)外周部の一方側と該穂木苗(B)の胚軸(F)外周部の一方側とは該接合部の押出し具(52)に保持したクリップ(5)の中心位置より、所定距離(L)外側位置の該接合部へ移送すべく規制する台木保持板(12)を該台木受装置(8)に設けると共に、穂木保持板(14)を該穂木受装置(9)に設け、穂木挾持移送装置(11)には穂木苗(B)の子葉(H)を上方へ持上げるべく作動する穂木子葉押えロータ(60)を設け、苗種類設定手段(62)により前記穂木子葉押えロータ(60)が始動する状態と始動しない状態とに設定できる構成としたことを特徴とする接木機械。
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