JP3865040B2 - 記録紙搬送量制御装置、及び記録紙搬送量制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
記録ヘッドを主走査方向に往復動させるとともに、記録ヘッドからインクを記録紙に吐出し、記録紙を副走査方向に搬送して記録紙に記録を行う、複数の異なる種別の記録紙に記録可能なインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、インクジェット式記録装置において、記録紙の副走査方向への搬送は、ステッピングモータやDCモータ等により回転駆動制御される搬送駆動ローラと、その搬送駆動ローラに付勢され、搬送駆動ローラにより搬送される記録紙に接して、記録紙の搬送に従動して回転する搬送従動ローラとの対からなる記録紙搬送ローラにより行われる。そして、記録紙は、記録紙表面の摩擦抵抗と搬送従動ローラの付勢力により搬送駆動ローラに密着し、搬送駆動ローラの回転力が無駄なく伝達され、搬送駆動ローラと搬送従動ローラに挟まれた状態で、搬送駆動ローラが回転することで副走査方向に搬送される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、記録紙表面と記録紙搬送ローラとの間には、僅かな滑りが生じる虞があり、それによって、記録紙の搬送位置と、本来の理論的な記録紙の搬送位置との間に僅かに誤差が生じてしまう。そして、それによって、記録品質が低下するという問題が生じる。これは、特開昭53−2040号公報等に開示されている、「インターレース記録方式」による記録に際して、特に顕著となる。つまり、1つの主走査ライン(以下、ラスタと呼ぶ)と、その隣接するラスタは、異なる主走査パスにおいて、異なるドット形成要素によりドットが形成されることから、隣接するラスタが複数回の記録紙の副走査方向への搬送後にドットが形成され、記録紙搬送量の誤差が記録紙の副走査方向への搬送の回数分積算され、それによって隣接するラスタ間のドット形成位置に前記積算誤差が生じることになるからである。
【0004】
また、この記録紙表面と記録紙搬送ローラとの間に生じる僅かな滑りの量は、記録紙表面の摩擦抵抗の大小により異なる。そのため、複数の異なる種別の記録紙に記録可能な記録装置においては、例えば、ある種別の記録紙の滑り量に合わせて、機構的に調整して記録紙の搬送量を補正しても、表面の摩擦抵抗の異なる他の種別の記録紙に記録する際には、効果が無く、かえって記録紙の搬送位置の誤差が大きくなってしまう虞もある。
【0005】
このようなことから、複数の異なる種別の記録紙に記録可能な記録装置においては、記録紙表面と記録紙搬送ローラとの間に生じる滑りによる記録品質の低下は、ある程度許容せざるを得なかった。
【0006】
本願発明は、このような状況に鑑みなされたものであり、その課題は、複数の異なる種別の記録紙に記録可能な記録装置において、記録紙の表面と記録紙搬送ローラとの間の滑りにより生じる記録紙の搬送位置の誤差を、表面の摩擦抵抗の異なる記録紙毎に適正に補正した記録紙の搬送制御を行い、記録紙の表面と記録紙搬送ローラとの間の滑りによる記録品質の低下を防止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、複数の異なる種別の記録紙に記録可能な記録装置の前記記録紙の副走査方向への搬送量を制御する記録紙搬送量制御装置であって、情報処理装置から記録データとともに記録モード、記録紙の大きさ及び記録紙の種別を含む記録情報を取得し、取得した記録情報に含まれる記録モード及び前記記録紙の大きさにより選択した前記記録紙の副走査方向への搬送量の制御データに対して、前記記録紙の種別毎に設定された前記記録紙の種別に対応した搬送量補正値により搬送量の補正を行い、補正された搬送量にて前記記録紙が副走査方向に搬送されるように記録紙搬送量の制御を行う、ことを特徴とした記録紙搬送量制御装置である。
【0008】
このように、記録紙の種別毎に設定された搬送量補正値により、記録紙の種別に対応して、既定の副走査方向への記録紙の搬送量を補正することで、記録紙毎に異なる記録紙表面の摩擦抵抗によって生じる、記録紙表面と記録紙搬送ローラとの間の滑りによる搬送誤差を補正した記録紙の副走査方向への搬送が可能となる。
【0009】
これにより、本願請求項1に記載の発明に係る記録紙搬送量制御装置によれば、複数の異なる種別の記録紙に記録可能な記録装置において、記録紙の表面と記録紙搬送ローラとの間の滑りによる記録品質の低下を防止することが可能となる。
【0010】
本願請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記記録装置は、主走査方向に往復動し、副走査方向にM個のドット形成要素を一定の間隔で配設したドット形成要素アレイを有する記録ヘッドを備え、副走査方向の記録解像度に相当するドット間隔をdとし、M個の前記ドット形成要素中のドット形成要素間隔Dで配設されたN個の前記ドット形成要素を使用して前記記録紙にドットを形成し、前記ドット形成要素間隔Dは、前記ドット間隔dのk倍(正数倍)であり、かつ、k/Nが既約分数であり、前記ドット間隔dのN倍の間隔にて前記記録紙を副走査方向へ搬送して記録を行う、ことを特徴とした記録紙搬送量制御装置である。
【0011】
このような、インターレース記録方式による記録装置においては、1つのラスタとその隣接するラスタは、異なる主走査パスにおいて、異なるドット形成要素アレイによりドットが形成されることから、特に記録紙表面と記録紙搬送ローラとの間の滑りによる搬送誤差の影響が顕著となる。従って、このようなインターレース記録方式の記録装置においても、本願発明に係る記録紙搬送量制御装置は有効であり、特に大きな作用効果が得られるものである。
【0012】
これにより、本願請求項2に記載の発明に係る記録紙搬送量制御装置よれば、インターレース記録方式の記録装置において、本願請求項1に記載の発明の作用効果が得られる。
【0013】
本願請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の記録紙搬送量制御装置を備える、ことを特徴とした記録装置である。
本願請求項3に記載の発明に係る記録装置によると、記録装置において、前述した本願請求項1又は2に記載の発明による作用効果を得ることができる。
【0014】
本願請求項4に記載の発明は、複数の異なる種別の記録紙に記録可能な記録装置の前記記録紙の副走査方向への搬送量を制御する記録紙搬送量制御方法であって、情報処理装置から記録データとともに記録モード、記録紙の大きさ及び記録紙の種別を含む記録情報を取得し、取得した記録情報に含まれる記録モード及び前記記録紙の大きさにより選択した前記記録紙の副走査方向への搬送量の制御データに対して、前記記録紙の種別毎に設定された前記記録紙の種別に対応した搬送量補正値により搬送量の補正を行い、補正された搬送量にて前記記録紙が副走査方向に搬送されるように記録紙搬送量の制御を行う、ことを特徴とした記録紙搬送量制御方法である。
本願請求項4に記載の発明に係る記録紙搬送量制御方法によると、前述した本願請求項1に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0015】
本願請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記記録装置は、主走査方向に往復動し、副走査方向にM個のドット形成要素を一定の間隔で配設したドット形成要素アレイを有する記録ヘッドを備え、副走査方向の記録解像度に相当するドット間隔をdとし、M個の前記ドット形成要素中のドット形成要素間隔Dで配設されたN個の前記ドット形成要素を使用して前記記録紙にドットを形成し、前記ドット形成要素間隔Dは、前記ドット間隔dのk倍(正数倍)であり、かつ、k/Nが既約分数であり、前記ドット間隔dのN倍の間隔にて前記記録紙を副走査方向へ搬送して記録を行う、ことを特徴とした記録紙搬送量制御方法である。
本願請求項5に記載の発明に係る記録紙搬送量制御方法によると、前述した本願請求項2に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0016】
本願請求項6に記載の発明は、複数の異なる種別の記録紙に記録可能な記録装置の前記記録紙の副走査方向への搬送量の制御を、コンピュータに実行させる記録紙搬送量制御プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、情報処理装置から記録データとともに記録モード、記録紙の大きさ及び記録紙の種別を含む記録情報を取得し、取得した記録情報に含まれる記録モード及び前記記録紙の大きさにより選択した前記記録紙の副走査方向への搬送量の制御データに対して、前記記録紙の種別毎に設定された前記記録紙の種別に対応した搬送量補正値により搬送量の補正を行い、補正された搬送量にて前記記録紙が副走査方向に搬送されるように記録紙搬送量の制御を行う手順を有する記録紙搬送量制御プログラムを記録している、ことを特徴としたコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0017】
本願請求項6に記載の発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体によると、前述した本願請求項1に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この記録媒体に記録されたプログラムを読み取り、実行することができる任意の記録装置に、前述した本願請求項1に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本願発明に係る記録装置の概略を示した平面図であり、図2はその側面図である。
【0019】
インクジェットプリンタ等の記録装置50には、キャリッジガイド軸51に軸支され、主走査方向Xに移動するキャリッジ61が設けられている。キャリッジ61には、記録紙Pにインクを吐出して記録を行う記録ヘッド62が搭載されている。記録ヘッド62と対向して、記録ヘッド62のヘッド面と記録紙Pとのギャップを規定するプラテン52が設けられている。そして、キャリッジ61を主走査方向Xに搬送し、キャリッジ61とプラテン52の間に記録紙Pを副走査方向Yに搬送しながら、記録ヘッド62が記録紙Pにインクを吐出することで記録紙Pに記録が行われる。
【0020】
給紙トレイ58は、例えば普通紙やフォト紙等の記録紙Pを給紙可能な構成となっており、記録紙Pを自動給紙するための2つの給紙ローラ57による自動給紙装置(ASF)が設けられている。給紙ローラ57は、ステッピングモータやDCモータ等の回転駆動力により回転制御され、側面視D形の外形形状を有しており、これによって給紙トレイ58に置かれた複数の記録紙Pを給紙する際に、複数の記録紙Pが一度に給紙されることなく、1枚ずつ正確に自動給紙することが可能となっている。この2つの給紙ローラ57の1つは、給紙トレイ58の一端側に配置され、もう1つの給紙ローラ57は、記録紙ガイド59に取り付けられており、記録紙ガイド59は、記録紙Pの幅に合わせて符号Aで示した矢印の方向に摺動可能に給紙トレイ58に設けられている。
【0021】
また、記録紙Pを副走査方向Yに搬送する手段として、搬送駆動ローラ53と搬送従動ローラ54が設けられている。搬送駆動ローラ53は、ステッピングモータやDCモータ等の回転駆動力により回転制御され、搬送駆動ローラ53の回転により、記録紙Pは副走査方向Yに搬送される。搬送従動ローラ54は複数設けられており、それぞれ個々に搬送駆動ローラ53に付勢され、記録紙Pが搬送駆動ローラ53の回転により搬送される際に、記録紙Pに接して記録紙Pの搬送に従動して回転する。
【0022】
一方、記録された記録紙Pを排紙する手段として、排紙駆動ローラ55と排紙従動ローラ56が設けられている。排紙駆動ローラ55は、ステッピングモータやDCモータ等の回転駆動力により回転制御され、排紙駆動ローラ55の回転により、記録紙Pは副走査方向Yに排紙される。排紙従動ローラ56は複数設けられ、周囲に複数の歯を有し、各歯の先端が記録紙Pの記録面に点接触するように鋭角的に尖っている歯付きローラとなっており、それぞれ個々に排紙駆動ローラ55に搬送従動ローラ54の付勢力よりも弱い付勢力で付勢され、記録紙Pが排紙駆動ローラ55の回転により排紙される際に、記録紙Pに接して記録紙Pの排紙に従動して回転する。
【0023】
そして、図2に示したように、給紙ローラ57や搬送駆動ローラ53、および排紙駆動ローラ55を回転駆動するモータ、並びにキャリッジ61を主走査方向に駆動する図示していないキャリッジ駆動用モータは、制御部2により回転制御される。また、記録ヘッド62も同様に、制御部2により制御されて、記録紙Pの表面にインクを吐出する。
【0024】
図3は、上記制御部2を含む記録装置50と情報処理装置1とが接続された記録システムのブロック図である。
【0025】
情報処理装置1は、パーソナルコンピューターやデジタル画像処理装置等を示す。中央演算処理装置MPU11では各種処理の演算処理が行われ、ROM12と、記録媒体14には、ソフトウェアプログラムや所定のデータ等が格納され、RAM13にはMPU11の演算処理中の一時データ等が一時的に格納される。また、情報処理装置1は、外部装置とのインターフェース機能を有するインターフェース部15を介して、記録装置50と接続され、記録装置50との間において各種情報やデータの入出力が可能な構成となっている。
【0026】
一方、記録装置50は、制御部2において記録紙Pに記録を行うための各種制御が行われる。中央演算処理装置MPU24では各種処理の演算処理が行われ、ROM21には、ソフトウェアプログラム等が格納され、RAM22には演算処理中の一時データ等が一時的に格納される。また、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶媒体23は、所定のデータ等が格納され、記録装置50の電源断の間においても該データを保持する構成となっている。
【0027】
さらに、制御部2は、外部装置とのインターフェース機能を有するインターフェース部27を介して、情報処理装置1と接続され、情報処理装置1との間において、各種情報やデータの入出力が可能な構成となっている。そして、I/O25は、MPU24における演算処理結果に基づいて、入出力部26を介して各種モータドライバ31や記録ヘッドドライバ33に出力制御を行い、かつ各種センサー32からの入力情報等を、入出力部26を介して入力する。尚、各種モータドライバ31は、記録紙搬送用モータやキャリッジ搬送用モータ等のモータ類を駆動するドライバであり、記録ヘッドドライバ33は、記録紙Pに記録処理を行う記録ヘッド62に接続され、記録ヘッド62に対して記録処理の制御を行うドライバである。また、各種センサー32は、記録装置50の各種状態情報を検出し、入出力部26を介してI/O25に出力する。
【0028】
情報処理装置1から記録装置2に対して記録データを出力する際には、記録データとともに、高速記録あるいは高品位記録等の記録モードと、記録紙Pの大きさや記録紙Pの種別といった記録情報が出力される。これらの記録データおよび記録情報を入力した記録装置50は、MPU24において、この記録データおよび記録情報から、各種モータドライバ31や記録ヘッドドライバ33に出力制御する制御手順を演算する。不揮発性記憶媒体23には、各種制御に関する制御データがあらかじめ格納されており、情報処理装置1から入力した記録情報に基づいて各種制御データが選択され、その制御データに基づいて記録制御が行われる。
【0029】
この各種制御データの1つとして、不揮発性記録媒体23には、記録紙Pの種別毎に記録紙Pの副走査方向Yへの搬送量を補正する搬送量補正値があらかじめ格納されている。この搬送量補正値は、記録紙Pが搬送駆動ローラ53および搬送従動ローラ54の回転により搬送される際に、記録紙Pが僅かに滑ることにより記録紙Pの搬送の度に生じる搬送量の誤差を補正するための制御データである。この滑りによる搬送量の誤差量は、記録紙Pの種別毎に記録紙Pの表面の摩擦抵抗が異なることから、記録紙Pの種別毎に異なる。
【0030】
記録モードや記録紙Pの大きさ等により選択された記録紙Pの副走査方向Yへの搬送量の制御データに対して、記録紙Pの種別に対応した搬送量補正値により搬送量の補正が行われ、補正された搬送量にて記録紙Pが副走査方向Yに搬送されるように記録紙搬送量の制御が行われる。尚、この記録紙Pの種別毎の補正値は、記録紙Pの表面の摩擦抵抗値により算出されるか、もしくは実験等により求められる値である。
【0031】
そして、搬送量の補正制御は、記録紙Pを副走査方向Yに間欠的に搬送する際の各搬送毎に搬送量の補正値を含んだ搬送量にて搬送する。また、記録装置50の搬送性能から決まる搬送量の最小単位が、必要な補正値より大きい場合には、各搬送毎ではなく、特定の回数の搬送毎に搬送量の補正値を含んだ搬送量にて搬送することで本願発明の実施が可能になる。
【0032】
このようにして、記録紙Pの副走査方向Yへの搬送量を記録紙Pの種別毎に補正して搬送することで、記録紙Pが搬送駆動ローラ53および搬送従動ローラ54の回転により搬送される際に、記録紙Pが僅かに滑ることにより記録紙Pの搬送の度に生じる搬送量の誤差による記録品質の低下を防止できる。
【0033】
尚、上述した記録紙搬送量の制御を行う処理は、制御部2のCPUが実行するプログラムとして、制御部2のROM21にあらかじめ記憶されていてもよいし、フロッピィ・ディスク、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。記録媒体に記録されている場合に、このプログラムは、フロッピィ・ディスク・ドライブ、CD−ROMドライブ等の記録媒体読み取り装置によって読み取られ、制御部2によって実行されることとなる。また、この処理をプログラムによる制御ではなく、ハードウェア回路として実現することもできる。
【0034】
また、他の実施の形態としては、前記記録装置50の記録方式がインターレース記録方式によるものが挙げられ、以下インターレース記録方式について図を参照しながら説明する。
【0035】
図4は、記録ヘッド62の記録ヘッド面を示した平面図である。記録ヘッド面には、M個のドット形成要素63を副走査方向Yに一直線に間隔Dで等間隔に配列したドット形成要素アレイ64が、主走査方向Xに等間隔で配設されている。尚、ドット形成要素アレイ64内のドット形成要素63は、一直線ではなく例えば間隔Dで等間隔に千鳥状に配列されていても良い。1つのドット形成要素アレイ64内のドット形成要素63は、同一色のインクを吐出し、ドット形成要素アレイ64毎に吐出するインクの色が定められている。当該実施の形態において、記録ヘッド面にドット形成要素64は6つ配設されており、図4において右から順に、K(黒)、C(濃シアン)、LC(淡シアン)、M(濃マゼンダ)、LM(淡マゼンダ)、Y(黄)、となっている。尚、この6つドット形成要素アレイ64は、1回の主走査パス時に、同一のラスタ上において6色のドットをそれぞれ形成できるように、副走査方向の互いに同じ位置に配設されている。
【0036】
ここで、副走査方向Yの記録解像度に相当するドット間隔をdとし、各ドット形成要素アレイ64が有するM個のドット形成要素63のうち、N個のドット形成要素63を使用して、記録紙Pにドットを形成して記録を行うとすると、ドット形成要素間隔Dは、ドット間隔dのk倍(正数倍)であり、かつ、k/Nが既約分数であり、記録紙Pの副走査方向Yの搬送量は、ドット間隔dのN倍となる。
【0037】
このようなインターレース記録方式において、1つのラスタとその隣接するラスタは、異なる主走査パスにおいて、異なるドット形成要素63によりドットが形成されることになり、それによって各ドット形成要素63の配列のばらつきが目立たなくなり、高品位の記録が可能となるもので、以下、図5を参照しながら説明する。
【0038】
図5は、インターレース記録方式の一例を示した説明図である。尚、図5においては、複数のドット形成要素アレイ64のうち、1つのドット形成要素アレイ64について示してあり、以下の説明は、他のドット形成要素アレイ64についても同様となる。
【0039】
ドット形成要素アレイ64の使用するドット形成要素63の数であるNは、符号#1〜#11で示した11個である。従って、副走査方向Yへの記録紙の搬送量は、ドット間隔dのN倍であることから、11dで示される量となる。一方、ドット形成要素間隔Dは、ドット間隔dの6倍であり、k/Nは6/11となって、k/Nが既約分数であるという条件が満たされている。そして、1主走査パスにおいて、各ドット形成要素63により記録紙Pにラスタが形成された後、副走査方向Yに11dで示される搬送量にて記録紙Pが搬送され、それの繰り返しによって記録紙Pに記録が行われる。
【0040】
ラスタ番号1〜22を付した○印の列は、パス1〜パス6の6回の主走査パスによって、記録紙Pに形成されたラスタを示している。例えば、ラスタ番号11のラスタは、パス1において#11のドット形成要素63により形成され、ラスタ番号10のラスタは、パス2において#9のドット形成要素63により形成され、ラスタ番号9のラスタは、パス3において#7のドット形成要素63により形成される。このようにして、隣接するラスタは異なる主走査パスにおいて異なるドット形成要素63により形成される。
【0041】
上記により説明したインターレース記録方式において、例えばラスタ番号11のラスタは、パス1において#11のドット形成要素63により形成されるのに対して、その隣接するラスタ番号12のラスタは、パス6において#2のドット形成要素63により形成される。つまり、ラスタ番号11のラスタに隣接するラスタ番号12のラスタは、ラスタ番号11のラスタが形成された後、副走査方向Yへの記録紙Pの搬送が5回行われた後の主走査パスにて形成されることになる。従って、記録紙Pが僅かに滑ることにより記録紙Pの搬送の度に生じる搬送量の誤差は、記録紙Pの搬送5回分の積算誤差となる。そして、誤差の量によってはラスタ番号11のラスタが形成される位置と、隣接するラスタ番号12のラスタが形成される位置との間に、無視し難いずれが生じることになり、記録品質が低下することになる。
【0042】
このことから、記録紙Pが僅かに滑ることにより記録紙Pの搬送の度に生じる搬送量の誤差による記録品質の低下は、インターレース記録方式において特に顕著に記録品質に影響を及ぼすことが分かる。よって、記録紙Pの副走査方向Yへの搬送量を記録紙Pの種別毎に補正して搬送することで、当該実施の形態のインターレース記録方式による記録装置50においては、特に大きな本願発明による作用効果が得られることになるものである。尚、インターレース記録方式は、種々の変形が成された多様な方式が開発されており、そのようなインターレース記録方式においても本願発明の実施は可能である。
【0043】
また、本願発明は上記各実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本願発明の範囲内に含まれるものであることはいうまでもない。
【0044】
【発明の効果】
本願発明によれば、複数の異なる種別の記録紙に記録可能な記録装置において、記録紙の表面と記録紙搬送ローラとの間の滑りにより生じる記録紙の搬送位置の誤差を、表面の摩擦抵抗の異なる記録紙毎に適正に補正した記録紙の搬送制御を行い、記録紙の表面と記録紙搬送ローラとの間の滑りによる記録品質の低下を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る記録装置の概略を示した平面図である。
【図2】本願発明に係る記録装置の概略を示した側面図である。
【図3】記録装置と情報処理装置とが接続された記録システムのブロック図である。
【図4】記録ヘッドの記録ヘッド面を示した平面図である。
【図5】インターレース記録方式の一例を示した説明図である。
【符号の説明】
1 情報処理装置
2 記録制御部
21 ROM
22 RAM
23 不揮発性記憶媒体
24 MPU
25 I/O
26 入出力部
27 インターフェース部
50 記録装置
51 キャリッジガイド軸
52 プラテン
53 搬送駆動ローラ
54 搬送従動ローラ
55 排紙駆動ローラ
56 排紙従動ローラ
57 給紙ローラ
58 給紙トレイ
59 記録紙ガイド
61 キャリッジ
62 記録ヘッド
63 ドット形成要素
64 ドット形成要素アレイ
P 記録紙
X 主走査方向
Y 副走査方向
Claims (6)
- 複数の異なる種別の記録紙に記録可能な記録装置の前記記録紙の副走査方向への搬送量を制御する記録紙搬送量制御装置であって、
情報処理装置から記録データとともに記録モード、記録紙の大きさ及び記録紙の種別を含む記録情報を取得し、
取得した記録情報に含まれる記録モード及び前記記録紙の大きさにより選択した前記記録紙の副走査方向への搬送量の制御データに対して、前記記録紙の種別毎に設定された前記記録紙の種別に対応した搬送量補正値により搬送量の補正を行い、補正された搬送量にて前記記録紙が副走査方向に搬送されるように記録紙搬送量の制御を行う、ことを特徴とした記録紙搬送量制御装置。 - 請求項1において、前記記録装置は、主走査方向に往復動し、副走査方向にM個のドット形成要素を一定の間隔で配設したドット形成要素アレイを有する記録ヘッドを備え、副走査方向の記録解像度に相当するドット間隔をdとし、M個の前記ドット形成要素中のドット形成要素間隔Dで配設されたN個の前記ドット形成要素を使用して前記記録紙にドットを形成し、前記ドット形成要素間隔Dは、前記ドット間隔dのk倍(正数倍)であり、かつ、k/Nが既約分数であり、前記ドット間隔dのN倍の間隔にて前記記録紙を副走査方向へ搬送して記録を行う、ことを特徴とした記録紙搬送量制御装置。
- 請求項1又は2に記載の記録紙搬送量制御装置を備える、ことを特徴とした記録装置。
- 複数の異なる種別の記録紙に記録可能な記録装置の前記記録紙の副走査方向への搬送量を制御する記録紙搬送量制御方法であって、
情報処理装置から記録データとともに記録モード、記録紙の大きさ及び記録紙の種別を含む記録情報を取得し、取得した記録情報に含まれる記録モード及び前記記録紙の大きさにより選択した前記記録紙の副走査方向への搬送量の制御データに対して、前記記録紙の種別毎に設定された前記記録紙の種別に対応した搬送量補正値により搬送量の補正を行い、補正された搬送量にて前記記録紙が副走査方向に搬送されるように記録紙搬送量の制御を行う、ことを特徴とした記録紙搬送量制御方法。 - 請求項4において、前記記録装置は、主走査方向に往復動し、副走査方向にM個のドット形成要素を一定の間隔で配設したドット形成要素アレイを有する記録ヘッドを備え、副走査方向の記録解像度に相当するドット間隔をdとし、M個の前記ドット形成要素中のドット形成要素間隔Dで配設されたN個の前記ドット形成要素を使用して前記記録紙にドットを形成し、前記ドット形成要素間隔Dは、前記ドット間隔dのk倍(正数倍)であり、かつ、k/Nが既約分数であり、前記ドット間隔dのN倍の間隔にて前記記録紙を副走査方向へ搬送して記録を行う、ことを特徴とした記録紙搬送量制御方法。
- 複数の異なる種別の記録紙に記録可能な記録装置の前記記録紙の副走査方向への搬送量の制御を、コンピュータに実行させる記録紙搬送量制御プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、情報処理装置から記録データとともに記録モード、記録紙の大きさ及び記録紙の種別を含む記録情報を取得し、取得した記録情報に含まれる記録モード及び前記記録紙の大きさにより選択した前記記録紙の副走査方向への搬送量の制御データに対して、前記記録紙の種別毎に設定された前記記録紙の種別に対応した搬送量補正値により搬送量の補正を行い、補正された搬送量にて前記記録紙が副走査方向に搬送されるように記録紙搬送量の制御を行う手順を有する記録紙搬送量制御プログラムを記録している、ことを特徴としたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
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