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JP3865752B2 - 局所分析装置 - Google Patents
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Description

本発明は、電子ビームを用いて試料上の局所を照射し、高倍率の像を観察したり、分析したりする局所分析装置に関するものである。
電子顕微鏡やX線マイクロアナライザ(EPMA)、オージェ電子分光装置(AES)など電子ビームを用いた局所分析装置は、微小領域の表面形状、結晶状態、元素情報を得ることができるため、材料研究に広く利用されている。そして、材料研究の発展に伴い、より微小な領域の分析が求められるようになり、空間分解能向上の努力が続けられている。実際、電界放出型(Field Emission)の電子銃を搭載したAES(以下FE−AESと略記する)では15nm程度までビームを絞り、かつ元素分析もできるようになった。
このように、例えば100000倍といったような高倍率の像を撮影し、分析を行うようになると、実用上、振動の影響が大きな問題となってくる。振動が起こると、ビームと試料が相対的な位置ずれを起こすため、その影響は像のブレや分析位置のずれとして現われる。EPMAやAESのようにステージの駆動性が高い装置において、この問題は特に大きい問題である。これは次の理由によるものである。
EPMAやAESは装置内で試料をX,Y,Z方向に大きく動かしたり、回転させたり傾斜させて分析する場合がある。即ち、EPMAの場合であれば、ステージをX、Y方向に駆動させながら一次ビームによって試料から発生したX線の強度を取り込み二次元の強度分布をとるマッピングという手法がある。このためには試料ステージは数十mmという大きな範囲で自由に駆動できなくてはならない。また、AESの場合も位置合わせのための駆動の他、イオンスパッタリングやチャージアップ軽減に必要な、試料の傾斜や回転運動をできることが求められる。さらに、AES装置に特有な測定機能として、試料のイオンスパッタリングと電子ビームを組合せた深さ方向の分析があるが、多くの場合イオンスパッタリングによる試料のクレータ底部の平滑化による深さ方向の分解能向上のため、試料を1rpm程度の回転数で自由回転させることが要求される。
従ってこれらの装置ではX,Y,Zの3軸にさらに回転や傾斜の機構がついた試料ステージの上部に試料が取付けられており、装置全体から見た場合、試料は分析室の空間に突き出た自由端に位置することになる。このような構造は振動の影響を極めて受けやすい構造である。周囲からの振動を抑えた場合でも、剛体である装置本体にも振動の共振点は存在するので、実際に上記のような構造の部分の振動を完全に止めることは困難である。また、試料ステージの駆動性をよくするために機械的な遊びを設けたり滑動しやすくすることも振動に対しては弱点となっている。
なお電子線像として最も高い倍率の像を撮影できる透過電子顕微鏡では、装置内で試料を大きく動かす必要がなく、試料は鏡筒の内部に固定され、鏡筒と一体化させられるため、従来の振動対策のみで十分対応することができる。これに対し、例えばFE−AESのように、前述したような試料ステージで試料を動かす装置では、電子銃の改良によりビームは非常に細く絞れるようになったものの、得られる像の実質的な分解能は、振動によりビーム径よりもかなり大きな値となっている。従って、これらの装置において振動の影響は空間分解能の向上を目指す上で大きな問題となっている。
このような振動の影響を防止する基本の第1は振動源を消去すること、また第2は振動源と目的物との間に振動絶縁を施すことである。この場合振動源としては、床や壁を伝わる振動そのものと空気を伝わる音の影響とを考えなくてはならない。
例えば装置周辺の振動または音の発生源である排気系や冷却ファンなどを高倍率時に停止させる技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら床面のゆれや室内の他の部分で発生する振動及び音を完全に消去することは不可能である。
また、振動源と目的物間に振動絶縁を施すという点では、従来から空気バネや金属バネまたはゴム等を利用した除振台や磁気浮上型の除振台がよく利用されている。
これらの除振台についても、能動的に振動を相殺させて防止する除振台について種々の改良が加えられている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、これらの除振台も、床からの振動を防ぐことが目的であるため、空気を伝わる振動である音の影響を防止することは不可能である。
また、音の影響を防止するために分析装置の周囲を暗幕や防音用の壁で覆うことなどの対策を取ることも多い。しかし、これらの対策は費用も嵩み大きなスペースを必要とするだけでなく、前述したような試料ステージ上に保持された試料の振動を完全に防ぐことは困難である。
なお、走査形電子顕微鏡において、試料の振動防止のために試料室壁の一部にロック機構を備え、試料室を真空排気したときその内外圧力差によって試料微動機構に押圧力を及ぼし、真空排気されない状態では前記押圧力を及ぼさないようにした技術がある(例えば、特許文献3参照。)。
この技術は試料室を真空排気したときに試料微動機構押圧力を及ぼし、真空排気されないときに退避するようなロック機構を備えている。このロック機構は専ら試料の振動防止の機能をもつものである。
特開平1−35839号公報 特開平2−203941号公報 特開昭53−120258号公報
本発明は局所分析装置の振動を防止すると共に試料の位置や押圧力を微調整することができる装置を提供することを目的とし、EPMA、AES、SEM等で要求されるステージの駆動性や機能性を失うことなく、振動の影響を防ぐための実用的で簡便な機構を提供することを目的とするものである。
本発明は、電子ビームを用いて微小領域の分析を行う局所分析装置に適用されるものである。試料ステージ上に保持された試料を固定したホルダあるいは試料に、ステージ取付け部とは別の位置より伸ばしたアームを接触させて、一次ビームが発生する鏡筒と試料とを一体化する。このことにより、鏡筒のまわりから発生する振動の影響を像に与えないようにするものである。さらにこのときアームを接触させた状態でも試料電流測定に支障のないように、アームの一部に絶縁物を組込む。
また、防振アームの尾端を鏡筒に固定する固定装置は、防振アームの先端を試料固定ホルダ又は試料に押圧して鏡筒と試料とを一体化させる機能、試料をハンドリングする機能、及び防振アームの位置及び押圧力を微調整する機能を備えている。また、アームにばねを組み込むことによって、分析位置を合わせ易く、また接触部の破損を防止するようにした装置である。
すなわち、本発明は電子ビームを用いて微小領域の分析を行う局所分析装置において、鏡筒に尾部を固定し鏡筒内に先端を延長し伸縮自在な防振アームと、該防振アームの先端を試料ステージ上に保持された試料固定ホルダ又は試料に押圧して鏡筒と試料とを一体化させると共に試料ハンドリング機能を備えかつ前記防振アームの位置及び押圧力を微調整する押圧固定装置とを備え、前記防振アームは、先端を伸張方向に付勢するばねを備えたことを特徴とする局所分析装置である。
本発明を実施する前の像では、振動のため、最大約40nmの振幅の像ブレがあったのに対し、本発明の局所分析装置では、像ブレは10nm以下に確実に抑えることができた。
本発明では、最も確実に振動を防止する手段として、装置内で試料防振装置を用いて鏡筒と一体化させ、一方、試料ハンドリング機能を維持する。局所分析装置としてFE−AESを用いた場合の実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1に本発明の実施例を示す。FE−AESは一般に電界放出型電子銃1、エネルギー分析器2、分析室3、試料ステージ6、真空排気系(イオンポンプ)9から構成される。試料ステージ6には試料4を固定した試料ホルダ5がセットされる。このようなFE−AESにおいて本発明に係る防振装置は、分析室3内に試料ステージ6とは異なる方向から防振アーム10を挿入し、試料4または試料ホルダ5にその先端部を接触させてその試料ステージを分析室3の壁と一体化させ、振動を押えるものである。防振アーム10には装置外部より位置合わせができるように押圧固定装置20が設けられている。押圧固定装置20は防振アームの駆動及び防振アームをロックする機構を有するものである。
本発明に係る防振機構の作動は、試料4をおおよその位置合わせしたのち、防振アーム10の先端部12を試料4又は試料ホルダ5に押圧接触させて試料ステージ6を固定する。試料電流を測定できるように防振アーム10の先端部12とシャフト11との間に絶縁台15を組み込んである。また位置合わせの作業性を考慮して先端部12とシャフト11との間にばね14を介装してある。これにより振動の影響を殆ど受けずに50000倍以上の高倍率測定も可能となった。
実際に本発明を実施する場合の作業について述べる。防振アーム10を試料4に接触させる前に数百倍から数千倍の二次電子像で分析位置を探す。位置が決まったら、防振アーム10の先端部12を試料4又は試料ホルダ5に押圧接触させる。防振アーム10は分析位置がなるべく中央付近に来るように配慮しながら、試料ステージ6と防振アーム10の位置および押圧力を微調整する。防振アーム10の押圧接触が弱いと数万倍という高い倍率時でも問題となる数十nm程度の振動を押え切ることができない。このためある程度の圧力をかける必要がある。分析位置が中央にない場合、ビームを電気的にずらす方法もあるが、ビームを細く絞る点からはビームそのものを曲げることは極力避ける必要がある。従って、分析位置が中央にくるように試料ステージを動かして調整しなければならない。これはかなりの力をかけながら導体を押し付け合うことになるため、無理のかからない構造にする必要がある。ばね常数が大き目のばね14を組み込んだ防振アーム10は、試料ステージ6を損傷させることなく位置合わせをすることができる。
また分析時には分析条件の確認のため、試料電流(ビーム電流)を測定することが求められる。防振アーム10が全て金属で構成されていると、電流は防振アームを伝わってアースへ流れてしまうため電流が測定できなくなる。そこで防振アームの中間部に絶縁台15を介護して絶縁してある。図2は測定時の状態を示す模式図である。試料4に電子ビーム24が照射されると、試料4の前方向にかなり広い範囲で2次電子21が分布する。この分布の中に、たとえ金属であっても電気的に絶縁された防振アーム10の先端部12が近付くと、ある電位となる。2次電子検出器(SED)7は、引き込み電圧をかけて2次電子21を取り込むが、この2次電子のエネルギーは非常に弱いので、防振アーム10の先端部12の移動に伴って、2次電子の分布が影響を受ける。これを避けるためには、防振アーム10の先端部12を導線23で試料4と電気的に結合しておくとよい。なお図2中の22は電流計である。
本発明の実施例(FE−AES)の装置構成図である。 防振機構の絶縁の説明図である。
符号の説明
1 電子銃
2 エネルギー分析器
3 分析室
4 試料
5 試料ホルダ
6 試料ステージ
7 SED
9 真空排気系(イオンポンプ)
10 防振アーム
11 シャフト
12 先端部
14 ばね
15 絶縁台
20 押圧固定装置
21 2次電子
22 電流計
23 導線
24 電子ビーム

Claims (1)

  1. 電子ビームを用いて微小領域の分析を行う局所分析装置において、鏡筒に尾部を固定し鏡筒内に先端を延長し伸縮自在な防振アームと、該防振アームの先端を試料ステージ上に保持された試料固定ホルダ又は試料に押圧して鏡筒と試料とを一体化させると共に試料ハンドリング機能を備えかつ前記防振アームの位置及び押圧力を微調整する押圧固定装置とを備え、前記防振アームは、先端を伸張方向に付勢するばねを備えたことを特徴とする局所分析装置。
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