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JP3867779B2 - カッター装置及び該カッター装置を備えた記録装置 - Google Patents
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JP3867779B2 - カッター装置及び該カッター装置を備えた記録装置 - Google Patents

カッター装置及び該カッター装置を備えた記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録材を所定位置でカットするカッター装置及び該カッター装置を備えた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、記録装置の一つとしてのインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)を例に説明する。プリンタにはロール紙に印刷可能なものがあり、更に、排紙ローラの下流側に、ロール紙を所定位置でカットするカッター装置を備えるものがある。ここで、図11は、従来技術に係るカッター装置500の全体斜視図であり、図12はカッター装置500の側面図(図11のz矢視図)である。尚、図11及び図12において、符号Pはカットされたロール紙の下流側のものを、符号Pは同上流側のものを示し、図11における矢印は、ロール紙Pの排紙方向を示している。
【0003】
図11及び図12において、カッター装置500は、ロール紙の幅方向に平坦な剪断板504と、該剪断板504の下流側端部に接し、ロール紙の幅方向に移動しながら剪断板504との間でロール紙を下方から剪断するロータリー刃(カッター刃)507を備え、該ロータリー刃507は、ロール紙の幅方向に往復動するカッターキャリッジ503に自由回動可能に軸支されている。上流側から搬送されてくるロール紙は、紙案内508に案内されてカッター装置500に入り、そしてロータリー刃507の上流側が剪断板504と挟圧部材506とによって挟圧され、且つ、下流側が駆動ローラ502と従動ローラ505とによって挟圧されることによって保持され、当該保持された状態でロータリー刃507がロール紙の幅方向に移動することによってカットされる。尚、カットされて単票紙状態となったロール紙Pは、駆動ローラ502の回動によって下流側に排出される。
【0004】
ここで、カットされたロール紙Pとロール紙Pは、その巻き癖や、インク滴を吸収したことによる自重の増加によって、ロータリー刃507の近傍が図12に示す様に垂れ下がる。一方、カッターキャリッジ503は、0桁側(図11の右下方向)に待機位置を有し、カット時には当該0桁側から80桁側(図11の左上方向)へと移動してロール紙をカットし、そして再び待機位置へと戻る。従って、図12(A),(B)に示す様にロール紙Pとロール紙Pのロータリー刃507近傍が垂れ下がると、待機位置へと戻るカッターキャリッジ503と衝突し、当該衝突した部分が折れ曲がる虞があると共に、カッターキャリッジ503がロール紙Pの印刷面に接触したままロール紙幅方向に移動し、印刷面を傷める虞もある。従って従来、この様な問題を解消すべく、カッターキャリッジ503において待機位置へと戻る側(ロール紙PおよびPにおいてカッターキャリッジ503と衝突する部分)に傾斜面503a及び503bを形成し、当該傾斜面503a,503bによって垂れ下がったロール紙の角部を上方にすくい上げる様にしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の様に傾斜面503a,503bを形成しても、ロール紙の紙質、巻き癖の度合い、インク滴が吐出されたことによる濡れ具合、等々の種々の要因によって垂れ下がりの程度に差が生じ、特に、下流側のロール紙Pは、ローラ対(駆動ローラ502と従動ローラ505)によって挟圧された状態で保持されている為にロータリー刃507近傍が垂れ下がり易く、垂れ下がりの程度の差も大きい。従って、図12(B)に示す様に図12(A)と比べて垂れ下がりの程度が顕著となると、傾斜面503aによってロール紙角部を適切に上方にすくい上げることができず、結果的にロール紙を折り曲げたり印刷面を傷める場合があった。
【0006】
そこで本発明はこの様な問題に鑑みなされたものであり、その課題は、カッターキャリッジが待機位置に戻る際に、当該カッターキャリッジがカットされたロール紙端部に衝突する問題を回避して適切な印刷結果を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願請求項1記載のカッター装置は、被記録材の幅方向に平坦な剪断板と、該剪断板の端部に接し、被記録材の幅方向に移動しながら前記剪断板との間で被記録材を下方から剪断するカッター刃と、前記カッター刃を保持し、且つ、前記カッター刃によってカットされた被記録材の、前記カッター刃近傍部分を下方から支持する支持面を備えた、被記録材の幅方向に往復動可能に設けられるカッターキャリッジと、被記録材を前記カッター刃の上流側と下流側とで挟圧して保持する被記録材保持手段と、を備え、前記カッターキャリッジを被記録材の幅方向に一往復動作させることによって被記録材のカット動作を行うカッター装置であって、前記カッターキャリッジが、一方の被記録材側端部近傍に待機位置を備え、且つ、前記往復動作に際して他方の被記録材側端部近傍で折り返すことにより、カットされた被記録材の前記カッター刃近傍部分が前記支持面に支持された状態を維持する様に構成されていることを特徴とする。
【0008】
本願請求項1記載の発明によれば、カッターキャリッジが、カッター刃によってカットされた被記録材の、カッター刃近傍部分(以下これを「カット端部」と言う)を下から支持する支持面を有し、そしてカッター装置は、被記録材のカット動作に際し、カッターキャリッジを待機位置から被記録材側端部近傍まで移動させて被記録材をカットし、そして当該側端部近傍で折り返してカッターキャリッジを待機位置に戻すので、カット端部が前記支持面から外れず、カット端部が前記支持面に支持された状態が維持される。従ってこれにより、カッターキャリッジが待機位置に戻る際に、当該カッターキャリッジが垂れ下がったカット端部に衝突することが無く、以てカット端部を確実に保護することによって適切な記録結果を得ることが可能となる。
【0009】
また、カッターキャリッジの待機位置は、一方の被記録材側端部近傍にあり、そしてカット時の往復動作に際しては、他方の被記録材側端部近傍で折り返す為、往復動作が被記録材の側端位置の範囲でのみ行われる。つまり、カッターキャリッジが不必要な移動動作を行わず、必要な範囲でのみ往復動するので、カット動作の時間を短縮することができると共に、カッター刃の寿命を延ばすことができる。
【0010】
尚、カッターキャリッジの折り返し位置となる被記録材側端部の位置、即ち、被記録材の幅寸法に係る情報は、当該カッターキャリッジが被記録材に記録を行う記録装置に装着されている場合には当該記録装置から取得することが可能であり、或いは、当該カッター装置に専用の側端位置検出手段を設けることによって取得する様に構成しても良い。
【0011】
本願請求項2記載のカッター装置は、請求項1において、前記待機位置から遠い側の被記録材側端位置を検出する側端位置検出手段を備えていることを特徴とする。
本願請求項2記載の発明によれば、カッターキャリッジの待機位置から遠い側の被記録材側端位置、換言すると、被記録材の幅寸法を検出する為の側端位置検出手段を備えているので、これによって被記録材の側端位置を正確に検出することができ、前述した本願請求項1記載の発明の作用効果を確実に得ることが可能となる。
【0012】
本願請求項3記載のカッター装置は、請求項1または2において、前記被記録材保持手段が、前記剪断板との間で被記録材を挟圧する挟圧部材と、前記カッター刃の下流側に設けられ、被記録材を挟圧する挟圧ローラとからなることを特徴とする。
【0013】
本願請求項3記載の発明によれば、カッター刃を挟んで被記録材を保持する被記録材保持手段が、前記剪断板との間で被記録材を挟圧する挟圧部材と、カッター刃の下流側に設けられ、被記録材を挟圧する挟圧ローラとからなるので、前記挟圧ローラを駆動させることにより、カットされた被記録材の下流側部分を確実に排出することが可能となる。
【0014】
本願請求項4記載のカッター装置は、請求項1から3のいずれか1項において、前記支持面の前記カッターキャリッジ往復動方向の片側又は両側に、カットされた被記録材の前記カッター刃近傍部分をすくい上げる傾斜面を備えていることを特徴とする。
【0015】
本願請求項4記載の発明によれば、前記支持面のカッターキャリッジ往復動方向の片側又は両側に、カット端部をすくい上げる傾斜面を備えているので、カット端部がある程度垂れ下がっても前記傾斜面によってすくい上げることができ、より確実にカット端部を保護することができる。
【0016】
本願請求項5記載のカッター装置は、被記録材の幅方向に平坦な剪断板と、被記録材の幅方向に移動しながら前記剪断板との間で被記録材を下方から剪断するカッター刃と、被記録材の幅方向に往復動可能に設けられ、前記カッター刃を保持するカッターキャリッジと、被記録材を前記カッター刃の上流側と下流側とで挟圧して保持する被記録材保持手段と、を備え、前記カッターキャリッジを被記録材の幅方向に往復動作させることによって被記録材のカット動作を行うカッター装置であって、前記被記録材保持手段が、前記剪断板との間で被記録材を挟圧する挟圧部材と、前記カッター刃の下流側に設けられ、被記録材を挟圧する挟圧ローラと、からなり、前記カッターキャリッジが前記往復動作において折り返す際に、前記挟圧ローラを回動駆動することにより、カットされた被記録材の前記カッター刃から下流側部分を下流側へ紙送りする様に構成されていることを特徴とする。
【0017】
被記録材のカッター刃から下流側部分が挟圧ローラで保持される様に構成されていると、当該下流側のカット端部は垂れ下がり易く、カッターキャリッジとの衝突の危険性がより高くなる。そこで、本願請求項5記載の発明は、カッターキャリッジが往復動作において折り返す際に、挟圧ローラを回動駆動することによって下流側のカット端部を下流側に紙送りする様に構成した。従って、カッターキャリッジが往復動作において折り返す際にカット端部がカッターキャリッジから離れた状態となり、以てカッターキャリッジのカット端部への衝突を防止してカット端部を確実に保護することが可能となる。
【0018】
本願請求項6記載のカッター装置は、請求項5において、前記挟圧部材が、回動駆動されるローラ体からなり、前記カッターキャリッジが前記往復動作において折り返す際に、前記ローラ体を回動駆動することにより、カットされた被記録材の前記カッター刃から上流側部分を上流側へ紙送りする様に構成されていることを特徴とする。
【0019】
本願請求項6記載の発明によれば、カッター刃の上流側において剪断板との間で被記録材を挟圧する挟圧部材が、回動駆動されるローラ体からなり、そしてカッターキャリッジが往復動作において折り返す際に、前記ローラ体を回動駆動することによって上流側のカット端部を上流側に紙送りするので、下流側のカット端部のみならず、上流側のカット端部もカッターキャリッジから離れた状態となり、以てより確実にカッターキャリッジのカット端部への衝突を防止してカット端部を確実に保護することが可能となる。
【0020】
本願請求項7記載の記録装置は、被記録材に記録を行う記録部を備えた記録装置であって、請求項1から6のいずれか1項に記載のカッター装置を前記記録部の下流側に備えていることを特徴とする。
【0021】
本願請求項7記載の発明によれば、被記録材に記録を行う記録装置は、請求項1から6のいずれか1項に記載のカッター装置を備えているので、記録装置において前述した本願請求項1から6のいずれか1項に記載した発明と同様な作用効果を得ることができ、以て被記録材のカット動作を行っても記録品質を低下させることが無い。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。
<インクジェットプリンタの構成>
先ず、図1乃至図3を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と略称する)1の構成について概説する。ここで、図1(A),(B)はプリンタ1の外観斜視図、図2はプリンタ1の側断面概略図、図3は、プリンタ1の制御系統を示すブロック図である。尚、以下では、必要に応じてプリンタ1の後方側(図2において左側)を上流側(用紙搬送経路の上流側)と言い、プリンタ1の前方側(図2において右側)を下流側(用紙搬送経路の下流側)と言うこととする。
【0023】
図1(A)において、プリンタ1は装置後方側(図1の左上)から印刷用紙を給送し、装置前方側(図1の右下)の用紙排出口1bから印刷されたロール紙或いは単票紙を排出する構成となっている。用紙排出口1bには、図1(B)に示す様に後に詳述する「カッター装置」としてのオートカッター2が図示しないスナップフィット手段によって着脱自在に取り付け可能に構成されていて、オートカッター2を取り付けることにより、ロール紙を所定位置でカットすることが可能となっている。そして、オートカッター2を取り付けた状態においては、オートカッター2の用紙排出口2bから、印刷されたロール紙或いは単票紙が排出される構成となっている。尚、以下では、ロール紙及び単票紙等の、プリンタ1において印刷可能な被記録材を総称して「印刷用紙」と言うこととする。
【0024】
以下、プリンタ1の用紙搬送経路上の構成要素について図2を参照しつつ説明する。先ず、給紙装置5は、傾斜姿勢で設けられる板状体からなるホッパ9を備えている。ホッパ9は、上部に設けられた揺動支点9aを中心に揺動可能(図2の時計方向および半時計方向)に設けられ、図示しないカム機構によって揺動することにより、下部が給紙ローラ13に圧接および離間する様になっていて、圧接することにより、ホッパ9上に複数枚堆積された単票紙Pの最上位のものが給紙ローラ13の回動と共に下流側へ給送される。給紙ローラ13は側面視略D形の形状をなし、ローラ駆動モータ36(図3及び図7参照)によって回動駆動され、外周にはゴム材13bが巻回されることによって当該給紙ローラ13に圧接した単票紙Pをスリップすることなく給送する。また、下流側に設けられた搬送ローラ19による印刷用紙の精密送り(副走査送り)時には、搬送負荷(バックテンション)が生じない様に、図示する様に平坦面が単票紙Pと対向する様に駆動制御される。尚、給紙装置5は、後部に図示しないロール紙ホルダが着脱可能となっていて、該ロール紙ホルダからロール紙を繰り出し、給紙装置5の下側を通って記録ヘッド21の下へ給送することもできる様に構成されている。
【0025】
次に、給紙ローラ13の下流には印刷用紙を精密送りする搬送ローラ19が設けられている。搬送ローラ19は、後述するローラ駆動モータ36(図3及び図6参照)によって回動駆動される搬送駆動ローラ15と、該搬送駆動ローラ15に圧接して従動回動する搬送従動ローラ17とから構成されている。搬送駆動ローラ15は、主走査方向(図2の紙面表裏方向)に長い軸体からなり、外周面に耐摩耗性粒子(例えば、セラミック粒子)が接着材によって固着されてなる高摩擦層(図示せず)を有し、印刷用紙の裏面(印刷面と反対側の面)との間でスリップを発生させずに確実な精密送り動作を実行可能となっている。一方、搬送従動ローラ17は搬送駆動ローラ15の軸方向に複数個配置され、且つ、同様に搬送駆動ローラ15の軸方向に複数個配置される搬送従動ローラホルダ18の下流側(図2の右側)端部において自由回動可能に軸支されている。尚、本実施形態に置いては、1つの搬送従動ローラホルダ18に2つの搬送従動ローラ17が軸支されている。
【0026】
搬送従動ローラホルダ18は、回動支点18aを中心に図2の時計方向および半時計方向に回動可能に設けられ、且つ、図示しない付勢手段によって搬送従動ローラ17が搬送駆動ローラ15に圧接する方向(図2の時計方向)に回動付勢されている。また、搬送従動ローラホルダ18は、図示しないカムの回動によって、搬送従動ローラ17が搬送駆動ローラ15から離間する方向(図2の反時計方向)に回動することができる様になっている。
【0027】
次に、搬送駆動ローラ15の軸方向に複数配設された搬送従動ローラホルダ18のうち、最も0桁側(プリンタ1を正面から見て右側:図2の紙面裏側)に位置するものには溝穴が設けられ、該溝穴を挿通して上から下に突出する様に紙検出レバー14が設けられている。紙検出レバー14は、上部を揺動中心として揺動可能となっていて、上流側から給送された印刷用紙の先端が通過すると上方に押し上げられ、印刷用紙(単票紙)の後端が通過すると下方に復帰する様になっている。そして、当該紙検出レバー14の揺動動作は紙検出器11(図3参照)によって検出可能となっていて、該紙検出器11がプリンタ1の制御部8(図3参照)へ検出信号を送信し、以て印刷用紙先端の通過および印刷用紙(単票紙)のサイズ(長さ)を検出することができる様になっている。
【0028】
次に、搬送ローラ19の下流には、インクジェット記録ヘッド(以下「記録ヘッド」と言う)21および該記録ヘッド21に対向してプラテン25が設けられている。記録ヘッド21はキャリッジ23の下部に設けられ、キャリッジ23に搭載されたインクカートリッジ24からインクを供給され、搬送された印刷用紙の印刷面にインク滴を吐出する。キャリッジ23は、プリンタ1の基体を構成する、装置左右に立設されたサイドフレーム(図示せず)間に掛架された主キャリッジガイド軸22aおよび副キャリッジガイド軸22bとにガイドされながら、キャリッジモータ35(図3参照)の駆動力を受けて主走査方向(図2の紙面表裏方向)に往復動する様構成されている。
【0029】
次に、記録ヘッド21の下流には、第1排紙ローラ26及び該第1排紙ローラ26の下流に設けられる第2排紙ローラ27の、2組のローラ対からなる排紙ローラが設けられている。第1排紙ローラ26および第2排紙ローラ27は、それぞれローラ駆動モータ36(図3及び図6参照)によって回動駆動される第1排紙駆動ローラ28および第2排紙駆動ローラ29と、これら回動駆動されるローラに弾性的に接することによって従動回動する第1排紙従動ローラ30および第2排紙従動ローラ31によって構成されていて、これら2組のローラ対で印刷用紙を挟圧し、且つ、それぞれの駆動ローラが回動駆動されることによって印刷用紙が下流側に排紙される。ここで、第1排紙従動ローラ30は、印刷面と点接触する、外周に歯を有する歯付きローラからなり、第2排紙従動ローラ31は、印刷面と面接触し、且つ、外周面に撥インク処理が施されたゴムローラによって構成されている。また、第1排紙従動ローラ30と第2排紙従動ローラ31とは、共に印刷用紙の幅方向に長い板状体からなる排紙フレーム下33に、自由回動可能に軸支されている。
【0030】
ここで、排紙ローラとして2組のローラ対、即ち第1排紙ローラ26と第2排紙ローラ27とを使用するのは、以下の理由による。即ち、印刷用紙は印刷時に搬送ローラ19によって精密送りされるが、印刷用紙(単票紙)後端に余白無く印刷を行う場合には、印刷用紙後端が搬送ローラ19を外れると、当該搬送ローラ19から下流側に設けられたローラによって印刷用紙の精密送り動作を行う必要がある。しかし、記録ヘッド21の下流に設けられたローラ対においては、インク滴の転写や白ヌケの問題を防止する為に、インク滴で濡れた印刷用紙を強くニップすることができず、高い紙送り精度を得ることができない。そこで、ローラ対を本実施形態の様に2組設けることにより、印刷用紙の搬送力を増加させ、印刷用紙後端が搬送ローラ19を外れた後も高い紙送り精度を得ることができる様に構成している。
【0031】
以上がプリンタ1の用紙搬送経路を構成する構成要素であり、以下、プリンタ1の制御系統について図3を参照しつつ概説する。プリンタ1は、図示しないCPU、ROM、RAM、外部コンピュータとの接続用インタフェース、等を備えた制御部8を備えている。制御部8には、前述した紙検出器11の検出信号と、後述するオートカッター2がプリンタ1に装着されたことを検出するカッター検出器12の検出信号が入力され、制御部8は、これによって最適な制御プログラムを選択して実行する。また、制御部8はキャリッジ23を駆動するキャリッジモータ35と、給紙ローラ13、搬送駆動ローラ15,第1排紙駆動ローラ28、第2排紙駆動ローラ29、後述するカッター排紙駆動ローラ56の共通の駆動源となるローラ駆動モータ36を制御対象として有し、これにより、制御部8の有するROMに格納された種々の制御プログラムに従って、給紙ローラ13、搬送駆動ローラ15、第1排紙駆動ローラ28、第2排紙駆動ローラ29、カッター駆動ローラ56の駆動タイミング、回転速度、回転量等が制御される。
以上が、プリンタ1の構成である。
【0032】
<オートカッターの構成>
次に、図4至図10を参照しつつ、オートカッター2の構成について詳述する。ここで、図4はオートカッター2の側断面図、図5はカッターキャリッジ53の外観斜視図、図6(a)〜(d)はカッターキャリッジ53の移動範囲を示す説明図である。また、図7はプリンタ1からオートカッター2へ、ローラ駆動モータ36の回動力を伝達する歯車機構の歯車輪列を示す正面図、図8はカッター排紙従動ローラホルダ58の取り付け構造を示す外観斜視図、図9はカッター排紙従動ローラホルダ58及びその近傍の側断面図、図10はオートカッター2の正面図である。
【0033】
先ず、図2を参照してオートカッター2の構成について概説する。オートカッター2は、第2排紙ローラ27によって紙送りされた印刷用紙をカッター装置内部に案内するカッター紙案内51を備え、カッター装置内部に入った印刷用紙は、用紙幅方向に長い剪断板52の下を通り、カッター排紙駆動ローラ56とカッター排紙従動ローラ57とに到達する。そして印刷用紙は、これらローラにニップされ、且つ、カッター排紙駆動ローラ56が回動駆動されることにより、オートカッター2から下流へ排出される。一方、カッター紙案内51とカッター排紙駆動ローラ56との間にはロータリー刃55が設けられ、印刷用紙の排紙動作を停止した状態でロータリー刃55が用紙幅方向に移動することにより、印刷用紙が所定位置でカットされる。
【0034】
以下、図4及び図5を参照しつつ詳説する。図5に示す様に、円盤形状をなすロータリー刃55は、カッターキャリッジ53に、用紙搬送方向に平行な回動軸55aを介して取り付けられることによって自由回動可能に軸支され、且つ、その円盤面における外周部が、剪断板52の下流側端部52aに圧接した状態となる様に設けられている。
【0035】
一方、用紙幅方向に長く、且つ、図4に示す様に水平面に平行な板状体の上流側が上方に折り曲げられることによって用紙搬送経路を側視してL字形の形状をなす剪断板52の上方には、該剪断板52と同様に用紙幅方向に長いキャリッジガイドフレーム60が設けられている。キャリッジガイドフレーム60は、用紙搬送経路を側視して下方が開口する様なコの字形の形状をなし、上流側の下方に折り曲げられた部分が、剪断板52の上流側において上方に折り曲げられた部分と接合することによって取り付けられている。そして、カッターキャリッジ53は、剪断板52の上面に摺接する様に、且つ、キャリッジガイドフレーム60の下流側において下方に折り曲げられた折り曲げ部60aを挟持する様な形状をなすことにより、キャリッジガイドフレーム60によってガイドされながら、用紙幅方向に真っ直ぐにぶれることなく往復動可能となっている。
【0036】
ここで、カッターキャリッジ53には、図示しない無端ベルトの一端が固定されていて、当該無端ベルトを駆動するカッターキャリッジモータ54(図3参照)が回動駆動されることにより、印刷用紙の幅方向に駆動される。そしてこのとき、ロータリー刃55が剪断板52の端部52aに弾接しながら回転し、印刷用紙を剪断板52との間で下方から剪断(カット)する。尚、本実施形態においては、ロータリー刃55は0桁側(図5において右側)に待機位置を有し、当該待機位置から80桁側(図5において左方向)へ移動し、そして再び待機位置へ戻る一往復動作を行うことによって印刷用紙をカットする様に構成されているが、これについては後に詳述する。
【0037】
次に、印刷用紙は、「印刷用紙保持手段」によってロータリー刃55の上流側と下流側が保持された状態で、ロータリー刃55及び剪断板52とによってカットされる。即ち、図4に示す様にロータリー刃55の上流側において、挟圧部材63が図示しない駆動手段によって剪断板52の下面に圧接する圧接位置と、剪断板52の下面から離間して印刷用紙の排紙動作を妨げない離間位置とを移動可能に設けられていて、前記圧接位置に変位することにより、印刷用紙のロータリー刃55から上流側(符号Pで示す)を剪断板52との間で挟圧保持する。一方、前述の様にロータリー刃55の下流にはカッター排紙駆動ローラ56及びこれに圧接するカッター排紙従動ローラ57が設けられていて、印刷用紙のロータリー刃55から下流側(符号Pで示す)はこれらローラによって挟圧保持される。そして、印刷用紙は、これら挟圧保持手段によってしっかりと動くことなく保持された状態でロータリー刃55が用紙幅方向に移動することにより、カットラインが蛇行せず真っ直ぐにカットされる。
【0038】
次に、カッターキャリッジ53には、カットされた印刷用紙のロータリー刃53の近傍部分、即ち、図4においてロータリー刃55から上流側の印刷用紙Pの下流側端部および、ロータリー刃55から下流側の印刷用紙Pの上流側端部をすくい上げる傾斜面が形成されている。図5において、カッターキャリッジ53は、0桁側(図5の右側)から80桁側(図5の左側)へ移動することによって印刷用紙をカットするので、カッターキャリッジ53の80桁側には、0桁側に向かって上方に傾斜する傾斜面53e及び53bが形成されている。従って、カットされた印刷用紙Pの下流側端部は傾斜面53eによって上方にすくい上げられ、そして印刷用紙Pの上流側端部は傾斜面53bによって上方にすくい上げられ、これによってカッターキャリッジ53はカットされた印刷用紙のロータリー刃55近傍と衝突せずに、用紙幅方向に円滑に進むことが可能となっている。尚、図5において符号53cは、傾斜面53bから上方に突出する様に形成された用紙支持部であり、当該用紙支持部53cの頂部によってロータリー刃55の直近で印刷用紙を下から支持し、印刷用紙を剪断板52の下面から離れない様にすることによって、印刷用紙を蛇行せず真っ直ぐにカットする様になっている。
【0039】
続いて、カッターキャリッジ53においてロータリー刃55から下流側は、傾斜面53bに続いて、上流側に向かって上方に傾斜する様な支持面53aが形成されている。支持面53aは、カットされた印刷用紙Pの上流側端部を下方から支持する支持面の機能を果たしている。以下、当該機能について図6を参照しつつ詳説する。図6において、カッターキャリッジ53はX地点とX地点との間を往復動作可能となっていて、X地点は、印刷用紙Pの0桁側の側端部近傍に設定された、カッターキャリッジ53の待機位置を示している。また、符号Pは未カット状態の印刷用紙を、符号Pはカットされた印刷用紙のロータリー刃55から上流側のもの(カッター刃55近傍端)を、符号Pは、同下流側のもの(カッター刃55近傍端)を示している。そして、カッターキャリッジ53は、印刷用紙Pのカット時に、当該印刷用紙Pの0桁側(図6の右側)から80桁側(図6の左側)へ向かって移動し、そして再び待機位置Xへ戻る様に、制御部8(図3参照)によって駆動制御される。
【0040】
図6(a)に示す様にカッターキャリッジ53が待機位置Xからスタートすると、図6(b)に示す様に下流側の印刷用紙Pのカット端部が支持面53aによって下方から支持された状態でカッターキャリッジ53が80桁側へと向かって進む。ここで、本実施形態に係るオートカッター2においては、カッターキャリッジ53は移動可能な最大限の位置であるX地点まで進まずに、図6(c)に示す様に印刷用紙Pの側端部近傍(印刷用紙Pにおいて待機位置Xから遠い側の側端部近傍)で折り返し、そして再び待機位置Xへと戻る様に制御部8(図3参照)によって駆動制御される様に構成されている。
【0041】
従ってこれにより、図6(c)および(d)に示す様に印刷用紙Pのカット端部がカッターキャリッジ53(支持面53a)から外れて垂れ下がることが無く、印刷用紙Pのカット端部が支持面53aによって支持された状態が維持される。
【0042】
即ち、カッターキャリッジ53が図6(c)においてX地点まで移動してしまうと、印刷用紙Pのカット端部が支持面53aから外れて垂れ下がり、すると、カッターキャリッジ53が待機位置Xへ戻ろうとする際にカッターキャリッジ53が垂れ下がった部分に衝突する。ここで、当該衝突部分に前記垂れ下がった部分を上方にすくい上げる傾斜面が形成されていても、印刷用紙Pの紙質、印刷用紙Pがロール紙である場合の巻き癖の度合い、インク滴が吐出されたことによる濡れ具合、等々の種々の要因によって垂れ下がりの程度に差が生じ、場合によっては前記垂れ下がった部分を適切に上方にすくい上げることができず、結果として印刷用紙Pのカット端部が折れ曲がったり、印刷面にカッターキャリッジ53が擦れて印刷品質の低下を招く虞がある。しかし、前述の様にオートカッター2においては印刷用紙Pのカット端部が支持面53aに支持された状態が維持されるので、この様な不具合が発生することが無い。
【0043】
また、カッターキャリッジ53は、印刷用紙Pの両側端の範囲内、即ち、必要最小限の範囲内で往復動作するので、カット時間を短縮することができると共に、ロータリー刃55の寿命を延ばすことも可能となる。尚、ロータリー刃55から上流側の印刷用紙Pの下流側端部についても、上記と同様に、傾斜面53e(図5参照)に支持された状態が維持され、これによって前述の様な不具合の発生を防止することができる様になっている。
【0044】
尚、カッターキャリッジ53が折り返す地点、即ち、印刷用紙Pの待機位置Xから遠い側の側端位置に係る情報は、図示しないホストコンピュータによって印刷データと共にプリンタ1(制御部8)に送信される。即ち、ホストコンピュータからプリンタ1へ送信される印刷データには通常印刷用紙Pのサイズに係る情報が含まれているので、これを利用して制御部8(図3参照)はカッターキャリッジモータ54(図3参照)の回転量を制御し、これによってカッターキャリッジ53の折り返し地点が決定される。尚、例えばカッターキャリッジ53に印刷用紙Pの側端を検出する為のセンサ手段(側端位置検出手段)を設け、これによって印刷用紙Pの待機位置Xから遠い側の側端位置に係る情報を取得する様に構成すれば、より一層確実にカッターキャリッジ53を駆動制御することが可能となる。
【0045】
ところで、以下の様な制御を行うことにより、カッターキャリッジ53の、印刷用紙P及び印刷用紙Pのカット端部への衝突を防止することも可能である。図4において、挟圧部材63として、回動可能なローラ体を採用する。そして、図6においてカッターキャリッジ53を、例えばX地点まで移動させてカット動作を行い、そしてカッターキャリッジ53を待機位置Xに戻す前に、図4において挟圧部材63としてのローラ体を回動駆動させることによって印刷用紙Pを僅かに上流側に送る。また、同時にカッター排紙駆動ローラ56を回動駆動させることによって印刷用紙Pを僅かに下流側に送る。
【0046】
すると、カッターキャリッジ53の往復動領域内から印刷用紙PおよびPのカット端部が退避し、印刷用紙P及び印刷用紙Pのカット端部が垂れ下がったとしても、カッターキャリッジ53は待機位置Xに戻る際に当該垂れ下がった部分に衝突せず、従ってこれによっても前述と同様にカット端部の折れ曲がり等の問題を回避することが可能となる。
【0047】
続いて、カッター排紙従動ローラ57をカッター排紙駆動ローラ56から離間させるローラレリース手段について図7乃至図10を参照しつつ詳説する。図7は、ローラ駆動モータ36からカッター排紙駆動ローラ56へ回動力を伝達する歯車輪列を示していて、符号70〜73で示す4つの歯車はオートカッター2側に設けられてカッター側歯車装置74を構成し、他の歯車は全てプリンタ1側に設けられてプリンタ側歯車装置43を構成している。
【0048】
図6において、オートカッター2の側ではカッター排紙駆動ローラ56の回動軸56aの軸端にカッター排紙駆動ローラ歯車70が取り付けられている。一方、プリンタ1の側においては、搬送駆動ローラ15の軸端に搬送駆動ローラ歯車38が取り付けられ、第2排紙駆動ローラ29の回動軸29aの軸端には、第2排紙駆動ローラ歯車40が取り付けられている。
【0049】
カッター側歯車装置74を構成するカッター側伝達歯車73は、オートカッター2がプリンタ1本体に取り付けられた際に(図1参照)、プリンタ側歯車装置43を構成するプリンタ側伝達歯車41と噛合する。プリンタ側歯車装置43においては、ローラ駆動モータ36の回動軸36aに取り付けられたピニオン歯車37から、搬送駆動ローラ歯車38、中間歯車39、第2排紙駆動ローラ歯車40を介し、第2排紙駆動ローラ歯車40とによって2段歯車を構成するプリンタ側伝達歯車41へ回動力が伝達される。そして、オートカッター2がプリンタ1に取り付けられ、プリンタ側伝達歯車41とカッター側伝達歯車73とが噛合すると、中間歯車72,71を介してカッター排紙駆動ローラ歯車70に回動力が伝達され、これにより、カッター排紙駆動ローラ56が回動する。
【0050】
一方、プリンタ1の側においては、搬送駆動ローラ歯車38はピニオン歯車37によって直接回動駆動され、第2排紙駆動ローラ歯車40は、搬送駆動ローラ歯車38と、中間歯車39とを介して回動駆動される。尚、第1排紙駆動ローラ28には、図示しない中間歯車及び第1排紙駆動ローラ歯車42を介してローラ駆動モータ36の回動力が伝達される。
【0051】
ところで、図2において、印刷用紙(単票紙)の後端に余白無く印刷を行う場合には、印刷用紙後端が搬送ローラ19を外れると、印刷用紙は第1排紙ローラ26から下流側のローラによって精密送りされることになる。ここで、第1排紙ローラ26を構成する第1排紙従動ローラ30は、印刷面と点接触する歯付きローラからなるので、第2排紙ローラ27と、カッター排紙駆動ローラ56及びカッター排紙従動ローラ57との2組のローラ対に比して印刷用紙の搬送力が低くなっている。従って、印刷用紙後端が搬送ローラ19を外れた後の紙送り精度は、第2排紙ローラ27と、カッター排紙駆動ローラ56およびカッター排紙従動ローラ57の2組のローラ対の回転精度によって決定されることになる。
【0052】
ここで、図6を参照しつつ説明した様に、カッター排紙駆動ローラ56へは、第2排紙駆動ローラ29と比して多数の歯車を介してローラ駆動モータ36の回動力が伝達されるので、従って、カッター排紙駆動ローラ56の回転精度は、第2排紙駆動ローラ29と比して劣ることになる。特に、オートカッター2はプリンタ1に対して着脱自在となっているので、カッター側伝達歯車73とプリンタ側伝達歯車41との噛合状態はその装着状態によって異なり、場合によってはバックラッシ量の増大によって回転精度が極端に低下する虞もある。
【0053】
そして、この様に回転精度が低いカッター排紙駆動ローラ56及びカッター排紙従動ローラ57からなるローラ対が、印刷用紙後端が搬送ローラ19から外れた後の当該印刷用紙の搬送動作に寄与すると、紙送り精度の低下によって印刷品質が低下する虞がある。従って、本実施形態に係るオートカッター2においてはこの様な不具合を防止すべく、印刷用紙を印刷の為に紙送りする際に、ローラレリース手段によってカッター排紙従動ローラ57をカッター排紙駆動ローラ56から離間させる様に構成している。
【0054】
以下、図8乃至図10を参照しつつ当該ローラレリース手段について詳説する。図9に示す様に、カッター排紙従動ローラ57はカッター排紙従動ローラホルダ(以下「ローラホルダ」と言う)58によって自由回動可能に軸支されている。ローラホルダ58は、用紙幅方向に平行な回動軸58dを有し、且つ、ローラホルダ58を囲む様な形状を有するホルダ62(図8参照)の上流側に設けられた軸受部62a(図8参照)によって回動軸58が軸支されている。これにより、ローラホルダ58は、回動軸58dより下流側に回動軸57aを有するカッター排紙従動ローラ57が、カッター排紙駆動ローラ56に対して離間及び接近する様に揺動することができる様になっている。尚、ホルダ62は、側面視においてL字形の形状をなすローラフレーム61の上面に設けられている。
【0055】
続いて、ローラホルダ58は上方に突出する支柱部58aを有し、該支柱部58aの上端部には、ばね掛止部58bが形成されている。一方で、ホルダ62の下流側には上方に突出するばね掛止部62bが形成されていて、これらばね掛止部には、圧縮コイルばね59が掛架されている。従ってローラホルダ58は、カッター排紙従動ローラ57が、カッター排紙駆動ローラ56に圧接する方向に回動付勢された状態となっている。
【0056】
次に、図8及び図10に示す様に、ローラホルダ58の上方には紙幅方向(図10の左右方向)に延びるカム部材65が、紙幅方向にスライド可能に、且つ、プリンタ1本体に形成されたばね掛止部68と、カム部材65に形成されたばね掛止部65bとに圧縮コイルばね67が掛架されることによって、80桁側(図10の左側)に向けて付勢された状態で設けられている。そして、カム部材65からは、正面視においてL字形の形状をなし、且つ、当該L字形の突端が、ローラホルダ58における支柱部58aに向かって延びるカム部66が、紙幅方向に複数個配設されたローラホルダ58の、やや80桁側(図10において左側)上方に、それぞれ形成されている。
【0057】
また、カム部材65の最も0桁側(図10において右端)には、下流側(図10の紙面裏方向)に向かって突出する係合部65aが形成され、一方でカッターキャリッジ53には、当該係合部65aと係合可能な係合部53dが、図5に示す様にカッターキャリッジ53からに上方に延びた後に上流側に折れ曲がる様に形成されている。そして、カッターキャリッジ53が最も0桁側(図6に示した待機位置X)に移動すると、カッターキャリッジ53に形成された係合部53dがカム部材65の係合部65aに当接し、そして図10(b)に示す様にカム部材65を圧縮コイルばね67の付勢力に抗して0桁側にスライドさせる。
【0058】
ここで、カム部66は、図8に示す様に支柱部58aに望む側に傾斜面66aを有し、そしてカム部66(カム部材65)が0桁側に移動すると、当該傾斜面66aが、支柱部58aにおけるカムフォロア部58cに接触し(図9(B)参照)、そして更にカム部66が0桁側に移動することによって、カム部66が、ローラホルダ58を、カッター排紙従動ローラ57がカッター排紙駆動ローラ56から離間する方向(図9において反時計方向)に揺動させる。
【0059】
つまり、オートカッター2におけるローラレリース手段は、カッターキャリッジ53を待機位置Xに移動させることによって、カッター排紙従動ローラ57がカッター排紙駆動ローラ56から離間する様に構成されている。従って、制御部8(図3参照)は、カッターキャリッジモータ54を駆動制御することにより、カッター排紙従動ローラ57の圧接状態と離間状態とを切り替えることが可能となる。そして、印刷動作実行中は常にカッターキャリッジ53を待機位置Xに配置することにより、カッター排紙駆動ローラ57の回動動作が印刷用紙の搬送動作に寄与しない様にすることができ、以て紙送り精度の低下を防止することが可能となる。
【0060】
そして、この様にカッターキャリッジ53を、カッター排紙従動ローラ57をカッター排紙駆動ローラ56から離間させる為の駆動手段として利用したことにより、専用の駆動手段を別途設ける必要が無く、オートカッター2の低コスト化を図ることが可能となっている。
【0061】
尚、カッター排紙従動ローラ57は、少なくとも印刷用紙後端が搬送ローラ19を外れてから記録ヘッド21による印刷動作が完了するまでの間に前記離間状態となれば良いので、印刷用紙が搬送ローラ19によってニップされた状態、即ち、搬送ローラ19の搬送力によって精密送り動作が行われている間は、カッター排紙駆動ローラ56に圧接した状態となっていても構わない。以上により、オートカッター2をプリンタ1に装着したままの状態で印刷用紙(単票紙)に印刷を行っても、紙送り精度の低下を招来することが無く、従ってロール紙への印刷時と単票紙への印刷時との切り替えにおいてオートカッター2をその都度着脱する必要がなく、オートカッター2を装着したままプリンタ1を使用することが可能となり、ユーザの利便性が向上することになる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、カッターキャリッジが、カッター刃によってカットされた被記録材の、カッター刃近傍部分(以下これを「カット端部」と言う)を下から支持する支持面を有し、そしてカッター装置は、被記録材のカット動作に際し、カッターキャリッジを待機位置から被記録材側端部近傍まで移動させて被記録材をカットし、そして当該側端部近傍で折り返してカッターキャリッジを待機位置に戻すので、カット端部が前記支持面から外れず、カット端部が前記支持面に支持された状態が維持される。従ってこれにより、カッターキャリッジが待機位置に戻る際に、当該カッターキャリッジが垂れ下がったカット端部に衝突することが無く、以てカット端部を確実に保護することによって適切な記録結果を得ることが可能となる。また、カッターキャリッジの待機位置は、一方の被記録材側端部近傍にあり、そしてカット時の往復動作に際しては、他方の被記録材側端部近傍で折り返す為、往復動作が被記録材の側端位置の範囲でのみ行われる。つまり、カッターキャリッジが不必要な移動動作を行わず、必要な範囲でのみ往復動するので、カット動作の時間を短縮することができると共に、カッター刃の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンタの外観斜視図である。
【図2】本発明に係るインクジェットプリンタの側断面概略図である。
【図3】本発明に係るインクジェットプリンタの制御系統のブロック図である。
【図4】本発明に係るオートカッターの側断面図である。
【図5】本発明に係るオートカッターを構成するカッターキャリッジの外観斜視図である。
【図6】本発明に係るオートカッターの移動範囲を示す説明図である。
【図7】本発明に係るインクジェットプリンタ及びオートカッターを構成する歯車輪列の正面図である。
【図8】本発明に係るオートカッターを構成するカッター排紙従動ローラホルダの斜視図である。
【図9】本発明に係るオートカッターを構成するカッター排紙従動ローラホルダ近傍の側断面図である。
【図10】本発明に係るオートカッターの正面図である。
【図11】従来技術に係るカッター装置の全体斜視図である。
【図12】従来技術に係るカッター装置の側面図(図11のz矢視図)である
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ
1b 用紙排出口
2 オートカッター
8 制御部
15 搬送駆動ローラ
17 搬送従動ローラ
19 搬送ローラ
21 インクジェット記録ヘッド
26 第1排紙ローラ
27 第2排紙ローラ
28 第1排紙駆動ローラ
29 第2排紙駆動ローラ
30 第1排紙従動ローラ
31 第2排紙従動ローラ
36 ローラ駆動モータ
38 搬送駆動ローラ歯車
41 プリンタ側伝達歯車
43 プリンタ側歯車装置
51 カッター紙案内
52 剪断板
53 カッターキャリッジ
53a 支持面
54 カッターキャリッジモータ
55 ロータリー刃
56 カッター排紙駆動ローラ
57 カッター排紙従動ローラ
58 カッター排紙従動ローラホルダ
58a 支柱部
58b ばね掛止部
58c カムフォロア部
59 圧縮コイルばね
60 キャリッジガイドフレーム
61 ローラフレーム
62 ホルダ
63 挟圧部材
65 カム部材
66 カム部
70 カッター排紙駆動ローラ歯車
73 カッター側伝達歯車
74 プリンタ側歯車装置
P 印刷用紙

Claims (7)

  1. 被記録材の幅方向に平坦な剪断板と、
    該剪断板の端部に接し、被記録材の幅方向に移動しながら前記剪断板との間で被記録材を下方から剪断するカッター刃と、
    前記カッター刃を保持し、且つ、前記カッター刃によってカットされた被記録材の、前記カッター刃近傍部分を下方から支持する支持面を備えた、被記録材の幅方向に往復動可能に設けられるカッターキャリッジと、
    被記録材を前記カッター刃の上流側と下流側とで挟圧して保持する被記録材保持手段と、を備え、前記カッターキャリッジを被記録材の幅方向に往復動作させることによって被記録材のカット動作を行うカッター装置であって、
    前記カッターキャリッジが、一方の被記録材側端部近傍に待機位置を備え、且つ、前記往復動作に際して他方の被記録材側端部近傍で折り返すことにより、カットされた被記録材の前記カッター刃近傍部分が前記支持面に支持された状態を維持する様に構成されている、
    ことを特徴とするカッター装置。
  2. 請求項1において、前記待機位置から遠い側の被記録材側端位置を検出する側端位置検出手段を備えている、
    ことを特徴とするカッター装置。
  3. 請求項1または2において、前記被記録材保持手段が、前記剪断板との間で被記録材を挟圧する挟圧部材と、
    前記カッター刃の下流側に設けられ、被記録材を挟圧する挟圧ローラと、からなることを特徴とするカッター装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項において、前記支持面の前記カッターキャリッジ往復動方向の片側又は両側に、カットされた被記録材の前記カッター刃近傍部分をすくい上げる傾斜面を備えている、
    ことを特徴とするカッター装置。
  5. 被記録材の幅方向に平坦な剪断板と、
    該剪断板の端部に接触し、被記録材の幅方向に移動しながら前記剪断板との間で被記録材を下方から剪断するカッター刃と、
    被記録材の幅方向に往復動可能に設けられ、前記カッター刃を保持するカッターキャリッジと、
    被記録材を前記カッター刃の上流側と下流側とで挟圧して保持する被記録材保持手段と、を備え、前記カッターキャリッジを被記録材の幅方向に往復動作させることによって被記録材のカット動作を行うカッター装置であって、
    前記被記録材保持手段が、前記剪断板との間で被記録材を挟圧する挟圧部材と、
    前記カッター刃の下流側に設けられ、被記録材を挟圧する挟圧ローラと、からなり、
    前記カッターキャリッジが前記往復動作において折り返す際に、前記挟圧ローラを回動駆動することにより、カットされた被記録材の前記カッター刃から下流側部分を下流側へ紙送りする様に構成されている、
    ことを特徴とするカッター装置。
  6. 請求項5において、前記挟圧部材が、回動駆動されるローラ体からなり、
    前記カッターキャリッジが前記往復動作において折り返す際に、前記ローラ体を回動駆動することにより、カットされた被記録材の前記カッター刃から上流側部分を上流側へ紙送りする様に構成されている、
    ことを特徴とするカッター装置。
  7. 被記録材に記録を行う記録部を備えた記録装置であって、請求項1から6のいずれか1項に記載のカッター装置を前記記録部の下流側に備えている、
    ことを特徴とする記録装置。
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