JP3868024B2 - マイクロマニピュレータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学顕微鏡の周辺機器に係り、さらに詳しくは光学顕微鏡下で行う細胞等の被検物を微細操作するマイクロマニピュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、顕微鏡の視野下においた細胞を遠隔から微細操作する装置としてマイクロマニピュレータが知られている。一般に、マイクロマニピュレータにおける細胞操作は操作部を介して行われるが、操作部の操作性を改善した種々のマイクロマニピュレータが提案されている。
【0003】
この種従来のマイクロマニピュレータには、駆動方式として油圧式、水圧式等のメカ方式と、電気方式(モータライズ化方式)のものがある。このうちのメカ方式のものは、当然のことながら位置決めは微動も粗動もいずれも手動操作で行っていた。
【0004】
また、電気方式のものとして、本出願人が先に出願した特開平6−342121号公報(特願平6−68531号)に示すように構成したものがあり、これは空間座標で規定されるX,Y,Z軸および任意のD軸の各々が独立の超音波モータで駆動され、各軸毎の動作許容範囲を規定するために各軸毎に2個のリミットスイッチがそれぞれ配設されており、ジョイスティックやトラックボールで操作ができ、さらにキーボードから目標位置を座標入力することが可能に構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上述べた従来のものはいずれも次のような問題点を有している。すなわち、メカ方式のものでは、特に微動操作時のフィーリングが非常に難しく、職人芸的な技能が要求されてしまう。
【0006】
また、電気方式のものにあっては、操作針の位置に着目したとき、D軸駆動は、X,Y,Z軸の同時駆動と等価になるが、座標指定時など、どちらをどれだけ動かすかの判断は明確になっていない。ここで、余分な振動等を避けるため、細胞にアクセスする操作はD軸で行う必要があり、このため細胞表面付近までジョグ等でD軸を操作して操作針を移動させた場合、いざ細胞にアクセスしようとしたら、丁度D軸に配設されているリミットスイッチによりリミット位置が検出されるため、それ以上D軸を移動させることができないという問題が発生する。
【0007】
本発明は、前記問題点を除去するためなされたもので、微細操作を行う場合に被検物表面にて、D軸がリミット位置になってしまい、位置再調整が必要になることを防止し、D軸方向の駆動を、X,Y,Z軸同時駆動で行う時も、初心者でも容易に操作可能なマイクロマニピュレータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下のように構成したものである。請求項1に対応する発明は、顕微鏡の視野下で、X、Y、Z軸方向及びD軸方向にそれぞれ移動可能に構成した操作針を使用して被検物を微細操作するマイクロマニピュレータにおいて、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸方向、およびD軸方向にそれぞれ変位し、このうちのいずれかであって前記D軸に対して平行に前記操作針が固定された4つの可動体と、電流を入力することにより得られる電気エネルギーを、機械的な運動エネルギーに変換し、前記各可動体をそれぞれ直線移動させる4つのアクチュエータと、
前記各可動体の位置をそれぞれ検出し、この検出した位置情報を出力する位置検出手段と、前記操作針の移動方向、移動距離および微細操作時であるか否かに応じた動作指令信号を出力する動作指令発生手段と、前記微細操作しないときは前記動作指令発生手段から出力された動作指令信号に応じて、前記D軸の移動範囲を制限する制限手段と、前記動作指令発生手段から出力される動作指令信号と前記位置検出手段からの位置情報に基づきそれぞれの駆動軸に対応する駆動信号を発生し、かつ前記制限手段により制限されるD軸方向指令に対しては、X、Y、Z軸を同時駆動することで対応し、微細操作時にはD軸の制限を加えないように、それぞれの駆動軸に対応する駆動信号を発生する制御手段と、前記制御手段で発生した各軸の駆動信号に対応する電流を、前記各アクチュエータに供給するアクチュエータ駆動手段とを備えたマイクロマニピュレータである。
【0009】
請求項2に対応する発明は、顕微鏡の視野下で、X、Y、Z軸方向及びD軸方向にそれぞれ移動可能に構成した操作針を使用して被検物を微細操作するマイクロマニピュレータにおいて、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸方向、およびD軸方向にそれぞれ変位し、このうちのいずれかであって前記D軸に対して平行に前記操作針が固定された4つの可動体と、電流を入力することにより得られる電気エネルギーを、機械的な運動エネルギーに変換し、前記各可動体をそれぞれ直線移動させる4つのアクチュエータと、前記各可動体の位置をそれぞれ検出し、この検出した位置情報を出力する位置検出手段と、前記操作針の駆動指令時に操作対象が細胞か細胞以外かを選択する選択手段と、この選択に対応して動作指令信号を出力する動作指令発生手段と、前記選択手段の選択が細胞であるときには、D軸に対するアクチュエータを駆動して前記動作指令を実行し、前記選択手段の選択が細胞以外であって前記動作指令による移動範囲が所定の範囲内である場合にはD軸に対するアクチュエータを駆動して前記動作指令を実行し、前記選択手段の選択が細胞以外であって前記動作指令による移動範囲が所定の範囲外である場合には、X軸、Y軸、Z軸に対するアクチュエータを同時駆動して前記動作指令を実行する制御手段と、前記制御手段で発生した各軸の駆動信号に対応する電流を、前記各アクチュエータに供給するアクチュエータ駆動手段とを備えたマイクロマニピュレータである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のマイクロマニピュレータ(顕微鏡の視野下で操作針を使用して被検物を微細操作するためのもの)の全体の概略構成を示すブロック図である。具体的には、互いに直交するX,Y,Z軸方向、および後述する操作針2と同方向のD軸方向の4方向にそれぞれ変位する4つの可動体1A,1B,1C,1Dと、可動体1A〜1Dのいずれか例えばここでは可動体1Aに固定された操作針2と、可動体1A〜1Dの位置をそれぞれ検出し、位置情報を後述する制御手段5に出力する位置検出器3A,3B,3C,3Dと、操作針2の移動方向、移動距離およびD軸方向移動時にX,Y,Z軸同時駆動とD軸駆動のどちらかを選択したとき、この選択に対応して動作指令信号を出力する動作指令発生手段4と、動作指令発生手段4から出力される動作指令信号に応じてそれぞれの駆動軸に対応する駆動信号を発生する制御手段5と、制御手段5で発生した各軸の駆動信号を増幅し、対応するアクチュエータに電流を供給するアクチュエータ駆動手段6と、アクチュエータ駆動手段6からの電流を入力することにより得られる電気エネルギーを機械的な運動エネルギーに変換し、前記可動体1A〜1Dをそれぞれ直線移動させる4つのアクチュエータ7A〜7D例えば圧電体が付着された弾性体からなる超音波モータで構成されている。
【0012】
このような構成のものにおいて、請求項1に対応する発明の実施形態は、操作針2に対して該操作針2をD軸方向またはX,Y,Z軸方向に同時に駆動するための駆動指令を与えることが可能な手段を備えたものである。具体的には動作指令発生手段4で選択された信号に基づき制御手段5は駆動軸X,Y,Z軸が同時あるいはD軸のみを駆動するための駆動指令を、駆動手段6に与えるように構成したものである。
【0013】
また、請求項2に対応する発明の実施形態は、互いに直交するX軸,Y軸,Z軸方向、およびD軸方向にそれぞれ変位し、このうちのいずれかであってD軸に対して平行に操作針2が固定された4つの可動体1A〜1Dと、電流を入力することにより得られる電気エネルギーを、機械的な運動エネルギーに変換し、可動体1A〜1Dをそれぞれ直線移動させる4つのアクチュエータ例えば超音波モータ7A〜7Dと、各可動体1A〜1Dの位置をそれぞれ検出し、この検出した位置情報を出力する位置検出手段例えば光学式リニアスケール3A〜3Dと、操作針2の移動方向、移動距離およびD軸方向移動時にX,Y,Z軸同時あるいはD軸のどちらかを選択したとき、この選択に対応して動作指令信号を出力する動作指令発生手段4と、動作指令発生手段4から出力される動作指令信号と光学式リニアスケール3A〜3Dからの位置情報に基づきそれぞれの駆動軸に対応する駆動信号を発生する制御手段5と、制御手段5で発生した各軸の駆動信号に対応する電流を、各超音波モータ7A〜7Dに供給するアクチュエータ駆動手段6とを備えたものである。
【0014】
さらに、請求項3に対応する発明の実施形態は、請求項2に対応する発明の実施形態とは、次の点が異なる。すなわち、制限手段と、制御手段5であり、制限手段は、微細操作しないときは動作指令発生手段4から出力された動作指令信号に応じて、D軸の移動範囲を制限するものである。制御手段5は動作指令発生手段4から出力される動作指令信号と位置検出手段例えば光学式リニアスケール3A〜3Dからの位置情報に基づきそれぞれの駆動軸に対応する駆動信号を発生し、かつ前記制限手段により制限されるD軸方向指令に対しては、X,Y,Z軸を同時駆動することで対応し、微細操作時にはD軸の制限を加えないように、それぞれの駆動軸に対応する駆動信号を発生するものである。
【0015】
<第1の実施形態>
図2は第1実施形態の全体構成を説明するための図で、倒立顕微鏡8は微細操作の対象である被検物例えば細胞9が配置されるステージ10を備える。倒立顕微鏡8の本体には、レボルバ11が自転自在に取り付けられている。レボルバ11は、各々所定の倍率を有する複数の対物レンズ12が取り付け可能となっており、レボルバ11が自転することにより所定倍率の対物レンズ12を光軸上に配置できる様になっている。
【0016】
倒立顕微鏡8は光軸上に対物レンズ12に入射する観察光を接眼レンズ13へ導き、被検物像(標本像)を肉眼観察可能とし、またステージ10上の細胞9を照明する照明装置14を備えている。
【0017】
一方、本発明のマイクロマニピュレータの概略構成として、図3に示すように細胞9を操作する操作針2は、後述するマニピュレータ本体17に移動可能に支持されたD軸方向移動用の可動体1Dに固定されている。可動体1Dは、超音波モータ7DでD軸方向に駆動される様になっている。また、この可動体1Dの位置検出を行なうための位置検出手段、例えば、光学式のリニアスケール3Dが取り付けられ、9O度位相のずれたA,B相の信号を制御手段5に出力する。
【0018】
図3にこの超音波モータ周辺の斜視図を示す。マニピュレータ本体17は、断面がコの字型をなす枠体18の対向する一方の面が、その正面側から背面側に向けて超音波モータ7Dの横幅より若干大きな幅で切りかかれており、その切欠部に超音波モータ7Dが挿入されている。
【0019】
超音波モータ7Dの側面図を図4に示す。超音波モータ7Dは、弾性体23と、その弾性体23に固設され電気エネルギーを幾何学的な変位に変換する積層圧電体24とから構成されている。弾性体23の両側面であって、該弾性体23に生じる弾性波の振動の節となる位置に支持ピン25が設けられている。弾性体23、積層体24の伸縮振動から楕円振動をつくるものであって、2種の弾性波が定在する様になる。
【0020】
この弾性体23における積層圧電体24の取り付け面と対向する面に1対の摺動部材26が設けられている。弾性波の振動の節となる位置に支持ピン25が設けられていることから、超音波モータ7Dの2つの摺動部材26に押圧力が均等に付加されこととなっている。
【0021】
このマニピュレータ本体17は顕微鏡ステージ10上における細胞9を操作可能な位置に、図示しない固定治具を介して固定されている。なお、D軸以外にX,Y,Z軸も同様に、各軸毎に可動体、超音波モータ、光学式リニアスケールからなるをとなっており、各駆動軸の位置関係は図5に示す通りで、X,Y,Zの3方向も操作針を駆動可能となっている。ここで、27A〜27DはそれぞれX,Y,Z,D軸のガイド部である。なお、27Aは図5には図示されていない。
【0022】
図2に示すように、動作指令発生手段4には、操作針2を移動させるためのロータリエンコーダ15A〜15Dがそれぞれ方向別に取り付けられている。
また、同じく動作指令発生手段4にはD方向移動時に、D軸を駆動するか、それともX,・Y,Z軸を同時に駆動するかの選択手段例えは選択スイッチ16が設けられている。
【0023】
このロータリーエンコーダ15A〜15Dの回転信号と選択スイッチ16の信号は動作指令信号として制御手段5に出力される。
制御手段5では、位置検出手段例えば光学式リニアスケール3A〜3Dからの各軸の位置検出信号(位置情報)と動作指令発生手段4例えば操作部から送られる動作指令信号に基ずき、逐次、次に行なうべき動作内容を実時間的に決定して、これに対応する制御信号を生成し、アクチュエータ駆動手段6に出力する。
【0024】
また同時に選択スイッチ16の信号に基ずきD方向移動時の駆動軸を判断する。駆動手段6はアクチュエータ例えば超音波モータ7A〜7Dが変位を発生するに要するエネルギーを、駆動電力という形態で超音波モータ7A〜7Dに供給する。
【0025】
以上の構成において、動作指令発生手段4で例えばX方向移動用のロータリーエンコーダ15Aが回されると、ロータリエンコーダの回転信号が制御手段5に送られる。
【0026】
図6は、制御手段5の1軸分の内部構成を示している。制御手段5は、図中破線で示され、比較器191,積分演算器192,比例演算器193からなる位置制御ループ19及び比較器200,積分演算器201,微分演算器202,比例演算器203からなる速度制御ループ20により構成されている。この制御手段5は、ロータリエンコーダ15の回転信号を指令値として入力し、光学式リニアスケール3Aからの位置信号との偏差を比較・積分演算した後、光学式リニアスケールの変位信号を微分して得られる速度信号との偏差・微分・積分演算により制御信号を生成される。
【0027】
この様なフィードバックループにより、ロータリーエンコーダの回転信号を、駆動手段6へ超音波モータ(X軸)駆動信号として、出力する。駆動手段6では、この駆動信号を増幅し超音波モータ7Aに電流を供給する。超音波モータは、供給された電力を、機械的なエネルギーに変換し可動体1Aを変位させ、同時に操作針2もX軸方向に移動する。
【0028】
この様にして、X軸方向移動用のロータリーエンコーダ15Aを回すことにより、操作針2がX方向に駆動され、同様に、ロータリーエンコーダ15B,15Cを回すことにより、操作針2がY方向、Z方向に駆動される。
【0029】
次に、D軸方向移動用のロータリーエンコーダ15Dが回された時について説明する。この時、選択スイッチ16がどちらの状態になっているかにより、制御方法が異なる。まず、D軸が選択されている場合は前述したX方向駆動と同様の制御シーケンスでD軸が駆動され操作針2もD軸方向に移動する。
【0030】
逆に、選択スイッチ16が、X,Y,Z軸同時駆動状態になっている場合、この選択スイッチ16の状態を認識した制御手段5では、D軸の駆動は行なわずX,Y,Z軸を同時に駆動し、操作針2の動きとしてはD軸の駆動と等価の動作になる様にする。
【0031】
この時、制御手段5では、D軸方向移動用のロータリーエンコーダ15DがRパルス回転したとすると、X方向移動用のロータリーエンコーダ15AがKIRパルス、同じくY方向がK2Rパルス、Z方向がK3Rパルス回転したのと等価と考え、X軸、Y軸、Z軸を同時に駆動する。
【0032】
ここで、Kl.K2、K3はD軸(操作針2)がおおよそどの方向を向くかにより、あらかじめ設定されている係数である。
実際には、マニピュレータ本体17の取り付け方法(位置、角度)や、細胞9の位置、高さなどにより操作針2の角度はある程度ばらつくが、細胞9の表面まで操作針2を持っていく動作に関してはそれほど気にならない場合も多いと思われる(この角度を補正する方法については後に述べる)。
【0033】
この第1実施形態によれば、細胞9の表面まで操作針2を移動する場合には、まずD軸を中央付近にしておき、選択スイッチ16をX,Y,Z軸同時駆動側に切替え、各ロー夕リーエンコーダ15A〜15Dを操作することにより操作針2を細胞9の表面に持っていく。
【0034】
続いて、細胞9を操作する場合には、選択スイッチ16を逆にD軸駆動側に選択することにより、D軸駆動により細胞9をアクセスできる。この時D軸がリミット位置にあり、細胞9側にこれ以上進まないなどという心配は本実施形態ではない。
【0035】
また、選択スイッチ16をX,Y,Z軸同時駆動側を選択時(指定時)は制御手段5において、自動的にD軸を常に中央に固定してしまうこともできる。
このようにすれば、上記に述べた、細胞9の表面まで操作針2を持っていく前にD軸を中央付近にあわせる手間は省くことができる。
【0036】
次に、第2実施形態について、図7を参照して説明する。第1実施形態と構成において、異なる部分は、動作指令発生手段4の操作スイッチ28が、X,Y、Z軸同時駆動側とD軸駆動側の選択ではなく、細胞9の操作時か、細胞9以外の操作時の選択を行う選択手段例えば選択スイッチとしたものである。
【0037】
このように構成した第2実施形態において、制御手段5の制御が以下のようになる。X,Y,Z方向のロータリーエンコーダ15A、15B、15Cが回された時は、それぞれ対応する軸の駆動が行なわれる。
【0038】
ところが、D軸方向のロータリーエンコーダ15Dを回された場合には次のような作用となる。
まず、動作指令発生手段4例えば操作部の選択スイッチ28が細胞操作以外となっていると次の制御を行なう。
【0039】
基本的には対応するD軸を駆動するわけであるが、D軸の移動範囲のリミット側10%(両側)は駆動範囲外とし、80%の範囲内でD軸駆動を行なう。この8O%の範囲を越えた指令が動作指令発生手段4(ロータリーエンコーダ15D)からきた場合は、X、Y、Z軸を同時駆動する。
【0040】
また、動作指令発生手段4の選択スイッチ28が細胞操作時となっている場合は、純粋にD軸の駆動を行なう。この場合、特に駆動範囲の制限はない。つまり、操作者は細胞表面付近まで操作針2を持っていく場合には、動作指令発生手段4の選択スイッチ28を細胞操作以外と設定しておき、細胞9の表面まで操作針2を持ってきた時点で選択スイッチ28を細胞操作時選択と切り換えて、ひき続いて細胞操作を行なう。
【0041】
この様な操作手順によれば、細胞操作時にD軸がリミット位置に対して最低10%の余裕があり、かつ細胞表面付近まで操作針2を持っていく場合は制限範囲内ではD軸駆動となるため、操作性が非常に良いマイクロマニピュレータとなる。
【0042】
次に、第3の実施形態について、図8を参照して説明する。この実施形態は、第2実施形態と比較し動作指令発生手段4が異なる。すなわち、選択スイッチ28に加えて例えば押しボタンスイッチからなるセットスイッチA21と、例えば押しボタンスイッチからなるセットスイッチB22を追加したものである。
【0043】
このような実施形態にあっては、第1実施形態において、D軸駆動の代わりにX,Y,Z軸同時に駆動を行なう場合があるが、この時の駆動方向をD軸と同方向に調整する機能をもたせたものである。
【0044】
セットスイッチA21が押されたことを制御手段50を認識すると、D軸を一定量、細胞とは反対方向に駆動し、現在のX,Y,Z軸の位置を記憶する。また、セットスイッチB22が押されたことを制御手段5で認識すると、記憶されているX,Y,Z軸位置と現在位置とを比較し、それぞれの差分Kl.K2、K3を記憶する。
【0045】
第1実施形態で説明した様に、この記憶されたK1.K2、K3は、次にX,Y,Z軸同時駆動する場合に各軸を駆動する係数として用いられる。
操作上は下記の示す通りである。まず操作者が動作指令発生手段4のロータリーエンコーダ15A〜15Dを回転させ、操作針2を視野内の中心位置まで持ってくる。ここで、セットスイッチA21を押すと、D軸が一定量動き中心位置から操作針2が移動する。
【0046】
続いて、X,Y,Z軸方向移動用のロータリーエンコーダ15A、15B、15Cを操作し、元の視野内の中心位置まで操作針を移動させ、セットスイッチB22を押す。
【0047】
以上の手順で操作を行うことにより、前述したように制御手段5でD軸の傾きを検出することができ、次回のX,Y,Z軸同時駆動からはD軸と同方向での操作針2の駆動が可能となる。
【0048】
この調整作業は、マニピュレータ本体17を手動操作した後(取付をやり直した場合)などに再調整が必要であるが、各軸を電動機で駆動している場合には、1度だけ行えばよい。
【0049】
また、操作針2を視野中心にあわせる例をあげたが、特に中心でなくとも再現できる位置であればフレームレチクル周辺などでもよい。
<変形例>
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施可能である。前述の第2の実施形態では、D軸の制限を移動範囲の両側各1O%としたが、これは実際に細胞をアクセスするのに必要なストロークがあればよく、別の値でも、片側だけとしても良い。
【0050】
また、前述した実施形態ではアクチュエータとして超音波モータを使用した場合について説明したが、これに限らず、ステッピングモータ等を使用した電動マニピュレータでも使用可能である。
【0051】
さらに前述の実施形態において、操作針2を顕微鏡の視野内の第1の位置に駆動し、D軸を一定量駆動し第2の位置に移動させた後、X、Y、Z軸を駆動し再び第1の位置まで操作針2を移動し、この時のD軸及びX、Y、Z軸の変位量により、制御手段5でD軸の傾きを算出し、X,Y,Z軸同時駆動時に前記傾きを元に、D軸と平行になる様各軸に重みずけを行い、それぞれの駆動軸に対応する駆動信号を出力するように構成してもよい。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、微細操作を行う場合に被検物表面にて、D軸がリミット位置になってしまい、位置再調整が必要になることを防止し、D軸方向の駆動を、X,Y,Z軸同時駆動で行う時も、D軸と同方向の駆動を行うことができ、初心者でも容易に操作可能なマイクロマニピュレータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロマニピュレータの概略構成を示すブロック図。
【図2】本発明のマイクロマニピュレータの第1の実施形態を説明するための図。
【図3】図2の超音波モータを説明するための斜視図。
【図4】図2の超音波モータを説明するための側面図。
【図5】図2の可動体と操作針の関係を説明するための斜視図。
【図6】図2の制御手段を説明するためのブロック図。
【図7】本発明のマイクロマニピュレータの第2の実施形態を説明するための図。
【図8】本発明のマイクロマニピュレータの第3の実施形態を説明するための図。
【符号の説明】
1A〜1C…可動体、
2…操作針、
3A〜3D…位置検出器、
4…動作指令発生手段、
5…制御手段、
6…アクチュエータ駆動手段、
7A〜7D…超音波モータ、
15A〜15D…ロータリコーダ、
16,28…選択スイッチ、
21,22…セットスイッチ。
Claims (2)
- 顕微鏡の視野下で、X、Y、Z軸方向及びD軸方向にそれぞれ移動可能に構成した操作針を使用して被検物を微細操作するマイクロマニピュレータにおいて、
互いに直交するX軸、Y軸、Z軸方向、およびD軸方向にそれぞれ変位し、このうちのいずれかであって前記D軸に対して平行に前記操作針が固定された4つの可動体と、
電流を入力することにより得られる電気エネルギーを、機械的な運動エネルギーに変換し、前記各可動体をそれぞれ直線移動させる4つのアクチュエータと、
前記各可動体の位置をそれぞれ検出し、この検出した位置情報を出力する位置検出手段と、
前記操作針の移動方向、移動距離および微細操作時であるか否かに応じた動作指令信号を出力する動作指令発生手段と、
前記微細操作しないときは前記動作指令発生手段から出力された動作指令信号に応じて、前記D軸の移動範囲を制限する制限手段と、
前記動作指令発生手段から出力される動作指令信号と前記位置検出手段からの位置情報に基づきそれぞれの駆動軸に対応する駆動信号を発生し、かつ前記制限手段により制限されるD軸方向指令に対しては、X、Y、Z軸を同時駆動することで対応し、微細操作時にはD軸の制限を加えないように、それぞれの駆動軸に対応する駆動信号を発生する制御手段と、
前記制御手段で発生した各軸の駆動信号に対応する電流を、前記各アクチュエータに供給するアクチュエータ駆動手段とを備えたマイクロマニピュレータ。 - 顕微鏡の視野下で、X、Y、Z軸方向及びD軸方向にそれぞれ移動可能に構成した操作針を使用して被検物を微細操作するマイクロマニピュレータにおいて、
互いに直交するX軸、Y軸、Z軸方向、およびD軸方向にそれぞれ変位し、このうちのいずれかであって前記D軸に対して平行に前記操作針が固定された4つの可動体と、
電流を入力することにより得られる電気エネルギーを、機械的な運動エネルギーに変換し、前記各可動体をそれぞれ直線移動させる4つのアクチュエータと、
前記各可動体の位置をそれぞれ検出し、この検出した位置情報を出力する位置検出手段と、
前記操作針の駆動指令時に操作対象が細胞か細胞以外かを選択する選択手段と、
この選択に対応して動作指令信号を出力する動作指令発生手段と、
前記選択手段の選択が細胞であるときには、D軸に対するアクチュエータを駆動して前記動作指令を実行し、前記選択手段の選択が細胞以外であって前記動作指令による移動範囲が所定の範囲内である場合にはD軸に対するアクチュエータを駆動して前記動作指令を実行し、前記選択手段の選択が細胞以外であって前記動作指令による移動範囲が所定の範囲外である場合には、X軸、Y軸、Z軸に対するアクチュエータを同時駆動して前記動作指令を実行する制御手段と、
前記制御手段で発生した各軸の駆動信号に対応する電流を、前記各アクチュエータに供給するアクチュエータ駆動手段とを備えたマイクロマニピュレータ。
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| JP10020096A JP3868024B2 (ja) | 1996-04-22 | 1996-04-22 | マイクロマニピュレータ |
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| JP10020096A JP3868024B2 (ja) | 1996-04-22 | 1996-04-22 | マイクロマニピュレータ |
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| JPH09288238A JPH09288238A (ja) | 1997-11-04 |
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1996
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| JPH09288238A (ja) | 1997-11-04 |
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