JP3868089B2 - 顔の判定方法及び顔の判定支援装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔の美形度や老化度などを診断したり顔を識別したりする技術に関する。
【0002】
【発明の背景】
本願発明者は形成外科や美容外科学の立場から人の顔、特にその美形度などの印象を決める要素について長年にわたり研究を続けてきた。その結果、顔における肌の性状と凹凸を反映するところの明暗の状態、つまり明領域と暗領域の状態を分析することで、美形度や老化度などをかなりの程度で客観的に評価したり、個人の顔の識別を行ったり、情動の判定と定量化などに有用な表情の客観的評価を行ったり、占いその他に利用できる顔相の客観的評価などが可能であることを見出した。
【0003】
一般に広く美人と認められているモデルや俳優などの顔を明暗に関して分析すると、そこに大きな共通点を見出せる。それは、顔画像をこれに画像処理を加えることで明暗について区画した領域で表すと、その領域の輪郭形状が整っているということである。より具体的に言えば、顔には明暗の領域に大別して3タイプが認められる。それは図5に模式化して示すように、明領域の形状が逆三角形のタイプ〔図5の(a)〕、卵形のタイプ〔図5の(b)〕、及びクローバーリーフ形のタイプ〔図5の(c)〕である。そして一般的に美人と言われる顔では、その顔におけるタイプの明領域乃至暗領域の形状が整っている。つまり例えば逆三角形のタイプであれば、その逆三角形の形状に歪みや乱れなどが無いか、少ないことが美人の印象をもたらす大きな要因となる。したがって明暗による領域で表した顔画像を利用することにより、顔についての美形度などの印象を客観的に判断することができる。また顔の老化の程度つまりしわや皮膚の弛みなどの程度についても同様なことが認められ、老化度が高くなるほど明領域乃至暗領域の形状に乱れなどが多くなる傾向があり、これらのことから老化度を判定することができる。その他の上記各要素を評価するに当たっても、その顔における明領域乃至暗領域が重要な材料となる点については共通する。
【0004】
以上のようなことは、換言すれば、各個人の顔にはその個人に特有な明領域乃至暗領域の形状やその乱れなどの状態があることを意味していると言える。このことから、明領域乃至暗領域の形状やその乱れなどに基づくことにより、各個人の顔の識別が可能であることを意味する。
【0005】
また明領域乃至暗領域の形状は、それへの着目の仕方により、そこに表情の変化に伴う変化を見ることができる。つまり表情には表情筋の収縮や弛緩が伴うが、この表情筋の変化は顔における凹凸の変化つまり明領域乃至暗領域の変化をもたらす。したがってこれに着目することで表情という曖昧なものについても、それを定量化し客観的評価を行うことが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような知見を有効に活用することを意図してなされたものであり、特に上記のような知見を、例えば顔の印象や肌の状態を診断し、問題点やスキンケアについて助言したり、また化粧の仕方を決めたり、あるいは化粧の仕方について助言したりするのに利用するとか、また形成外科や美容外科における手術計画シミュレーションなどに利用するとか、また個人の顔の自動識別に利用できるようにするとか、さらに表情の客観的評価に利用するなどのことを目的としている。より具体的には上記のような知見を活用した顔の判定方法及び顔の判定支援装置の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による顔の判定方法では、顔像を明暗的に加工した判定用顔画像を用いる。そのために先ず判定対象の顔を撮像して顔画像を得る。次いでこの顔画像に画像強調処理、特に明暗に関する画像強調処理を施すことにより、明るさに関して区別した複数の領域で表される判定用顔画像を作成する。それから判定用顔画像における前記領域の輪郭形状やこれら領域間の境界の状態に基づいて顔の美形度や老化度などの上記した各目的事項について顔の判定を行なう。
【0008】
このような顔の判定方法における画像強調処理には、顔を明暗で分割する方法であればどのようなものでも用いることができるが、例えば濃度階調変換法の利用が便利である。その中でもしきい値処理法が利用しやすいが、その他に鮮鋭化法、ヒストグラム法、エッジ強調法、フィルタリング法、等高線処理法などの手法も用いることができる。
【0009】
画像強調処理は、明暗による顔画像の分割(segmentation) 処理を目的とするものであり、明るさが異なる各領域の輪郭を判別し易いレベルであることが必要である。そのような画像強調処理は、しきい値処理法の場合であれば、1つのしきい値による2値化であるが、しきい値の数を3程度まですることが可能である。明るさに関する領域の数はしきい値の数などに対応する。したがって2値化の場合には領域は明領域と暗領域の二つとなる。
【0010】
ところで、顔における明暗は顔の立体形状に応じた等高線的な分布を持つ。そのため、画像強調処理により得られる領域の輪郭は明暗の等高線に対応していると言える。したがってしきい値処理法の場合であれば、しきい値を高い方から低い方に順次変えてゆくことで、例えば顔の前面から後方に向けて領域の輪郭を移動させることができ、これにより顔の全体について走査的に領域を得ることができる。
【0011】
上記のような顔の判定方法を支援するための本発明による判定支援装置は、判定対象の顔を撮像する撮像手段、この撮像手段で得た顔画像に画像強調処理を施すことにより、明るさに関して区別した複数の領域で表される判定用顔画像を作成する画像処理手段及び前記判定用顔画像を表示する表示手段を備えてなる。尚、この判定支援装置に、表示された判定用顔画像に基づいて明領と暗領域との比率や、境界形状の乱れ等を自動的に判定する判定手段を更に付け加えることも可能である。これによれば、明領域乃至暗領域の境界状態を容易に数値化することが可能となり、上記顔の判定方法を使用するに当たり、曖昧な要素に関してより客観的な判定を行えるようになる。
【0012】
【実施の形態】
本発明の一実施形態によると判定支援装置は、図1に示すように、撮像手段1、画像処理手段2、しきい値設定手段3、及び表示手段4を備える。撮像手段1には、例えばCCDなどを用いたビデオカメラ乃至デジタルカメラを用いるのが好ましい。画像処理手段2は、撮像手段1からの出力を顔画像として格納するメモリや顔画像に画像強調処理、具体的にはしきい値処理を施すためのマイクロコンピュータなどを含む。表示手段4には、CRT表示装置や液晶表示装置などを用いることができる。
【0013】
このような判定支援装置を用いて顔の判定をするには、先ず判定対象者の顔を例えばその正面から撮像手段1で撮像する。撮像手段1からの出力は画像処理手段2に入力させ、そこのメモリに格納させる。このようにして顔画像が得られたなら、これにしきい値処理による画像強調処理を施す。それには先ずしきい値設定手段3によりしきい値を設定する。しきい値の設定は、例えば一般的な画像表示システムにおける256段階の階調を利用して行なう。しきい値を例えば180に設定すると、白黒像の場合であれば、180以上の画素は全て白となり、180より低い画素は全て黒となる。このような画像処理により、明るさに関して区別した複数の領域で表される判定用顔画像が得られる。この判定用顔画像を表示手段4の画面に表示し、これを見ながら顔の美形度や老化度などの判定を行なう。
【0014】
図2及び図3に示すのは、化粧の仕方を決めるための2値化タイプの判定用顔画像の例である。図2はしきい値を高くした場合であり、図3はしきい値を低くした場合である。各図には、理想的な化粧を施す前の顔についての判定用顔画像(図の左側)と、この判定用顔画像についての判定から求めた化粧の仕方に基づいて理想的な化粧を施した後の判定用顔画像とを並べて示してある。図2に見られるように、この例は明領域が基本的に上述したクローバーリーフタイプであるが、理想的な化粧を施す前の顔では明領域の形状がクローバーリーフタイプにおける理想形に比べて崩れている。また明領域と暗領域間の境界が滑らかでなく、細かな乱れがある状態となっている。このような明領域の形状の崩れや明領域と暗領域間の境界における細かな乱れの存在は図3についても言える。このことから理想的な化粧を施す前の顔は美形度が低いことを判定でき、また上記のような明領域の形状の崩れや明領域と暗領域間の境界における乱れを無くす方向に化粧することで最大限に美形度を上げることが可能であることを判定することができる。一方、理想的な化粧を施した後の判定用顔画像を見ると、明領域の形状がクローバーリーフタイプにおける理想形に接近し、しかも明領域と暗領域間の境界が滑らかになっており、理想的な化粧により美形度が向上したことを判定することができる。実際の判定例によると、これらによる判定は、普通の写真を使った、本人及び第三者による美形度評価の判定結果とほとんど一致した。
【0015】
ここで、図2と図3を比較することから理解できるように、しきい値が高いほど明領域の範囲が狭くなり、しきい値を低くすると明領域の範囲が広がる。このことは等高線に例えることができる。したがってしきい値を高い方から低い方に順次変えてゆくことで、顔の前面から後方に向けて明領域の輪郭を移動させることができ、これにより顔の全体について走査することができる。
【0016】
図4に示すのは、老化度の判定用顔画像の例である。図には、しわ取り手術を施す前の顔についての判定用顔画像(図の左側)と、しわ取り手術を施した後の判定用顔画像とを並べて示してある。図4に見られるように、しわ取り手術前の顔では明領域の輪郭に大きな蛇行があり、また明領域と暗領域間の境界に細かな乱れが多く、さらに明領域中に小さな暗領域が散在する。これらはしわや皮膚の弛みなどを反映しており、これらから老化度がどのレベルであるかを判定することができる。一方、しわ取り手術後の顔では、明領域の輪郭が蛇行の少ない曲線となっている。また明領域と暗領域間の境界の乱れも少なくなり、明領域中に小さな暗領域も消えている。このことから、老化度のレベルがどの程度改善されたかを判定することができる。
【0017】
ここで老化度のレベルは、しきい値と明領域中に散在する暗領域の程度とから、大まかな定量化が可能である。すなわち例えばしきい値R1 で一定以上の大きさの暗領域が明領域中にあり、しきい値R2 にすればそれば消えるのであれば老化度レベルAとし、しきい値R2 で一定以上の大きさの暗領域が明領域中にあり、しきい値R3 にすればそれば消えるのであれば老化度レベルBとする、というような定量化である。これは、大小の凹凸によってできる影の濃さを定量していることであり、美人度や肌の凹凸度も同様に定量化できる他、表情をつくる影の濃さを定量することにより、表情の強さも定量化できる。
【0018】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、顔の美形度や老化度などに関する印象を顔における明暗の状態から計ることができるという知見を顔の化粧や美容手術における手術計画シミュレーション、さらには個人の顔の識別や表情の客観的評価などに有効に活用する途を開くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態による判定支援装置の構成図。
【図2】判定用顔画像の一例の図。
【図3】図2とは異なるしきい値とした判定用顔画像の一例の図。
【図4】判定用顔画像の他の例の図。
【図5】典型的な顔の明暗領域を模式的に示す図。
【符号の説明】
1 撮像手段
2 画像処理手段
3 しきい値設定手段
4 表示手段
Claims (4)
- 判定対象の顔を撮像して得た顔画像に画像強調処理を施すことにより、前記顔画像を撮像された者の顔の美形度を判定する装置で実行される方法であって、
前記装置が実行する、
前記顔画像から、明るさに関して区別した複数の領域で表される判定用顔画像を作成する過程、
前記判定用顔画像と、理想的な顔についての理想顔画像とを比較し、前記判定用顔画像と、前記理想顔画像とがどれだけ接近しているかを判定する過程、
前記判定の結果に基づいて、前記判定用顔画像が前記理想顔画像に接近している場合ほど美形度が高いとして、前記顔画像を撮像された者の顔の美形度を定量化する過程、
を含む美形度判定方法。 - 判定対象の顔を撮像して得た顔画像に画像強調処理を施すことにより、前記顔画像を撮像された者の顔の美形度を判定する装置で実行される方法であって、
前記装置が実行する、
前記顔画像から、明るさに関して区別した複数の領域で表される判定用顔画像を作成する過程、
前記判定用顔画像における前記複数の領域同士の境界線の滑らかさを判定する過程、
前記判定の結果に基づいて、前記境界線が滑らかである場合ほど美形度が高いとして、前記顔画像を撮像された者の顔の美形度を定量化する過程、
を含む美形度判定方法。 - 判定対象の顔を撮像して得た顔画像に画像強調処理を施すことにより、前記顔画像を撮像された者の顔の美形度を判定する美形度判定装置であって、
前記顔画像から、明るさに関して区別した複数の領域で表される判定用顔画像を作成する手段、
前記判定用顔画像と、理想的な顔についての理想顔画像とを比較し、前記判定用顔画像と、前記理想顔画像とがどれだけ接近しているかを判定する手段、
前記判定の結果に基づいて、前記判定用顔画像が前記理想顔画像に接近している場合ほど美形度が高いとして、前記顔画像を撮像された者の顔の美形度を定量化する手段、
を有する美形度判定装置。 - 判定対象の顔を撮像して得た顔画像に画像強調処理を施すことにより、前記顔画像を撮像された者の顔の美形度を判定する美形度判定装置であって、
前記顔画像から、明るさに関して区別した複数の領域で表される判定用顔画像を作成する手段、
前記判定用顔画像における前記複数の領域同士の境界線の滑らかさを判定する手段、
前記判定の結果に基づいて、前記境界線が滑らかである場合ほど美形度が高いとして、前記顔画像を撮像された者の顔の美形度を定量化する手段、
を有する美形度判定装置。
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