JP3868638B2 - スイッチング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電流をオン・オフするスイッチング装置、特に、ディーゼルエンジンを搭載した車両等の排気ガス浄化システムにおいて、ヒータへの電位の印加を制御する排気ガス浄化装置用ヒータ駆動装置、更に詳細には、排気ガス浄化用セラミックフィルタに堆積したパティキュレート(粒子状物質)を加熱により焼却・除去するためのヒータへの電流を制御する排気ガス浄化装置用ヒータ駆動装置に好適に用い得るスイッチング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンを搭載した車両等の内燃機関から排出される排気ガス中のNOx(窒素酸化物)、HC(炭化水素)等を除去するために、セラミック製の排気ガス浄化用ハニカムフィルタが用いられている。この種のハニカムフィルタは、NOx、HCなどを除去すると同時に、排気ガス中に含まれるパティキュレート(粒子状物質)を捕捉するため、使用に伴いパティキュレートが堆積してフィルタ効率が低下する。
【0003】
かかる、パティキュレートの堆積に対応するために、セラミック製ハニカムフィルタにヒータを配設し、当該ヒータの加熱によりパティキュレートを焼却・除去する排気ガス浄化装置の再生システム・ヒータユニット及びヒータ駆動回路等について、本出願人は、特願平10−252017、特願平10−252018にて提案している。
【0004】
また、これらヒータ駆動回路や制御回路等を擁する排気ガス浄化装置用ヒータ駆動装置では、熱に対する部品の耐久性、或いは装置全体の放熱効果と言う観点から、回路を構成する各種部品中、スイッチング素子を、他の電気・電子部品を実装した基板から離れた位置に配設する必要があり、スイッチング素子は、筐体内において、他の部品を実装した基板から離れた位置に適宜手段で固定されると共に、そのゲート、ソース、ドレインの各端子は、アースや他の回路からの入出力、またヒータへの出力等のハーネスに接続されていた。即ち、スイッチング素子は、各種部品を実装した基板から、ある一定の距離を隔てて、比較的長めのハーネスと簡易な固定手段で筐体に固定されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の固定手段にあっては、ディーゼルエンジン搭載車両のエンジンの振動や、車両の走行振動により、ハーネスとスイッチング素子の接続部、或いはハーネスと他の部品との接続部等、特に大電流の流れるソースとドレインの接続部において、これら接続部の外れ、つまり断線等のトラブルを引き起こしやすい状況となっている。
【0006】
即ち、ハーネスが比較的長めであること、及び、ソース・ドレインに使用されるハーネスには容量の大きなものを使用していることから、基板のプリント配線とは異なり、ソース・ドレインについてはハーネス自体の重量が接続部に負荷として加わり、エンジンの振動や、車両の走行振動を反復繰り返して受け続けることにより、これらの接続部が損壊する事態がしばしば発生している。また、スイッチング素子自体も、筐体に直接固定した際には、振動の影響を受け易く、スイッチング素子自体の故障原因にもつながっている。
【0007】
更に、係るセラミック製の排気ガス浄化用ハニカムフィルタを加熱し再生する際には2500W近い電力が必要となり、24V又は12Vの車載バッテリから電力を供給する際には、100A以上の電流が流れることになる。そして、フィルタの温度をパティキュレートを焼却・除去し得る一定(630°C)に保つためには、スイッチング素子を用いて電流のオン・オフを行うデューティ制御が必要となる。よって機械式リレーではこの制御ができず、半導体スイッチング素子を用いる必要がある。しかしながら、100Aもの電流を制御させると、スイッチング素子の発熱量が大きくなる。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、断線等のトラブルを防止し、スイッチング素子自体に加わる振動を緩衝し得ると共にスイッチング素子を効率的に冷却し得るスイッチング装置及び排気ガス浄化装置用ヒータ駆動装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するため、
金属製筐体内に絶縁シートを敷設し、該絶縁シートの上面に導電性材料で形成したベースプレートを配設し、当該ベースプレートの上面に平板状のスイッチング素子を配置し、該スイッチング素子の上面に導電性材料で形成した挟着板を挟着固定し、前記スイッチング素子の入力端子又は出力端子の一方は挟着板に接続し、スイッチング素子の入力端子又は出力端子の他方をベースプレートに接続したことを技術的特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、上記目的を達成するため、金属製筐体内に絶縁シートを敷設し、該絶縁シートの上面に導電性材料で形成したベースプレートを配設し、当該ベースプレートの上面に平板状のスイッチング素子を配置し、該スイッチング素子の上面に導電性材料で形成した挟着板を載置し、該挟着板にブッシュを介してビスを挿通すると共に、当該ビスの先端部を前記金属製筐体に螺合固定し、金属製筐体と挟着板体間に、絶縁シートとベースプレートとスイッチング素子を挟着固定し、スイッチング素子の入力端子又は出力端子の一方は挟着板に接続し、スイッチング素子の入力端子又は出力端子の一方はベースプレートに接続されていることを技術的特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、挟着板とベースプレート間に挟着固定したスイッチング素子が複数個であることを技術的特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項2又は3において、ベースプレートとスイッチング素子間にシリコングリスを塗布したことを技術的特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項2〜4のいずれか1つの発明において、ベースプレートと挟着板が銅製であることを技術的特徴とする。
【0014】
請求項1のスイッチング装置では、スイッチング素子の出力端子又は入力端子の一方を挟着板に、また、他方をベースプーレートにそれぞれ接続してあることから、これらのハーネスは極めて短く形成されるので、接続部にはハーネスの重量による負荷が殆ど掛からず、接続部の外れによる断線等のトラブルを未然に防止することができる。また、スイッチング装置がベースプレートと挟着板とに挟持されているため、スイッチング装置に発生する熱を効率的に発散することができる。筐体の上面に配設した絶縁シートが、スイッチング素子自体に加わる振動に対し、緩衝材として機能する。
【0015】
請求項2のスイッチング装置では、絶縁シートと導電性材料で形成したベースプレートとスイッチング素子が、金属製筐体と導電性材料で形成した挟着板とに、ビスの締付力で強固に挟着固定され、スイッチング素子の出力端子又は入力端子の一方は挟着板に、また、他方はベースプーレートにそれぞれ接続されていることから、これらのハーネスは極めて短く形成されるので、接続部にはハーネスの重量による負荷が殆ど掛からず、接続部の外れによる断線等のトラブルを未然に防止することができる。また、筐体の上面に配設した絶縁シートが、スイッチング素子自体に加わる振動に対し、緩衝材として機能する。更に、金属製筐体と他の構成部材との絶縁を、絶縁シートとブッシュ及びビスという簡易な手段で達成することができる。また、スイッチング装置がベースプレートと挟着板とに挟持されているため、スイッチング装置に発生する熱を効率的に発散することができる。
【0016】
請求項3のスイッチング装置では、小容量のスイッチング素子を複数個使用することにより大電流を制御することができる。ここで、ベースプレートと挟着板間の浮遊容量の効果も加わり各スイッチング素子を同時にオンすることができる。
【0017】
請求項4のスイッチング装置では、ベースプレートとスイッチング素子間に塗布したシリコングリスが、熱伝導を助け放熱効果を上げ、さらには緩衝用薄膜となりスイッチング素子への振動伝搬を一層緩和することができる。
【0018】
請求項5のスイッチング装置では、ベースプレートと挟着板を銅製としたことにより、他の導電性材料に比し、導電性及び放熱性の両者をバランス良く向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る排気ガス浄化装置用ヒータ駆動装置について図を参照して説明する。
先ず、最初に本発明の実施形態に係る排気ガス浄化装置用ヒータ駆動装置を用いる排気ガス浄化装置の再生システムについて説明する。
図1は排気ガス浄化装置の再生システムの構成を示している。3台の排気ガス浄化装置DPF1、DPF2、DPF3は、12リットルのディーゼルエンジンEから排出される排気ガスを浄化するための装置で、該デーィゼルエンジンEからの排気ガスが、上流側エグゾーストパイプ30を介して供給される。該排気ガス浄化装置DPF1、DPF2、DPF3の下流側には、排気ガスの流量を調整するバルブV1,V2,V3が配設されている。該バルブV1,V2,V3からの排気は、下流側エグゾーストパイプ32を介して大気中に排出される。
【0020】
排気ガス浄化装置DPF1、DPF2、DPF3は、図2に示すように多孔質炭化珪素(SiC)の結晶体からなる排気ガス浄化用ハニカムフィルタFと、該フィルタを加熱し、堆積したパティキュレートを焼却するため上流側エグゾーストパイプ30側に配設されたヒータHと、これらを収容する金属製の筐体34から構成されている。
【0021】
図2中に示す排気ガス浄化装置DPF1のJ−J断面を図3に示す。ヒータHは、渦巻き状に形成された8本のシーズ線36からなり、各シーズ線36の一方の端子36aは、図1中に示すヒータ駆動回路10側と接続された入力端子38に固定され、他方の端子36bは、ボディーアースを構成する排気ガス浄化装置DPF1の筐体34の内周に固定されている。即ち、2.0Ωに構成された8本のシーズ線36をアースに並列に接続することにより0.25ΩのヒータHを構成してある。
【0022】
図1中に示すように、排気ガス浄化装置の再生システムの制御回路20は、種々の制御を行うCPU12と、該CPU12からの信号によりバッテリBからの電位を上述したヒータHへ印加するヒータ駆動回路10と、入力側インターフェイス14と、出力側インターフェイス16とからなる。
【0023】
該CPU12は、排気ガス浄化装置DPF1、DPF2、DPF3の所定運転時間毎、或いは、圧損の発生を図示しないセンサにて検出した際に、堆積したパティキュレートを焼却することによってハニカムフィルタFを再生する。この再生は、先ず、排気ガス浄化装置DPF1下流のバルブV1を絞り、該排気ガス浄化装置DPF1内の排ガス流量を下げ、ハニカムフィルタFの温度を上昇し易いようにする。なお、この際に、排気ガス浄化装置DPF2、DPF3は、排気ガスの浄化を続ける。そして、ヒータ駆動回路10を制御して排気ガス浄化装置DPF1のヒータHを800°C程度まで加熱し、ハニカムフィルタFを600°C以上にし、この温度を約10分保つことで、堆積したパティキュレートを焼却する。この600°Cの温度は、該排気ガス浄化装置DPF1に取り付けた温度センサ(図示せず)により温度を検出し、ヒータHへの通電時間を制御(オン−オフのデューテイ制御)することで調節する。排気ガス浄化装置DPF1の再生後、排気ガス浄化装置DPF2、DPF3を順次再生して行く。
【0024】
引き続き、該ヒータHへの通電を制御するヒータ駆動装置及び駆動回路の構成について、図4〜図11を参照して説明する。
尚、本実施形態では、FET、トランジスタ、IGBT等に代表されるスイッチング素子として、平板状のFETを使用した場合を説明する。
図4は、ヒータ駆動回路10の全体の回路構成を示している。図9は、該ヒータ駆動回路10を収容する金属製筐体51の概要斜視図である。該金属製筐体51内には、図1中に示す各排気ガス浄化装置DPF1,DPF2、DPF3用の3個のヒータ制御回路10が収容されている。
ヒータ駆動回路10は、バッテリBの24Vの電位を12Vへ降圧する変換部10Aと、タイマ集積回路により一定周期の方形波を作る発振部10Bと、発振部10Bから出力された方形波を増幅する増幅部10Cと、増幅部10Cの出力を昇圧する変圧部10Dと、変圧部10Dの出力を直流に変換する整流部10Eと、整流部10Eからの電位から安定した12Vの電位を作り出す定電圧出力部10Fと、図1中に示すCPU12からのオン・オフ信号を入力するための制御信号入力部10Gと、FETの駆動信号を上記定電圧出力部10Fからの出力に基づき作成するドライブコントロール部10Hと、ヒータHへの電力供給を行うためのFETドライバ部10Iからなる。
【0025】
以下、図5〜図11を参照して各部の構成について更に詳細に説明する。
図5は、変換部10Aと、発振部10Bと、増幅部10Cとを示している。バッテリBの24V(正側端子)の電位を12Vへ降圧する変換部10Aにおいては、集積回路U3のGND端子がボディーアースBE側(図1中に示すバッテリBの負側端子)へ接続され、入力端子Vinは、バッテリBの正側端子(24V)側に接続されて、出力端子Vout は、12Vの出力端子12VA側へ接続されている。該集積回路U3の入力端子Vin−ボディーアースBE間には、電解コンデンサC1とコンデンサC4とが接続されている。他方集積回路U3の出力端子Vout −ボディーアースBE間には、コンデンサC5と電解コンデンサC13とが接続されている。
【0026】
タイマ用集積回路U4により一定周期の方形波を作る発振部10Bにおいては、タイマ用集積回路U4の電圧入力端子VCC及びR端子には、上述した変換部10Aの12V出力端子12VAに接続され、GND端子がボディーアースBE側に接続されている。該電圧入力端子VCCとGND端子とは、コンデンサC10を介して接続されている。また、TRIG端子は、コンデンサC7を介してGND端子へ接続されており、CVok端子もコンデンサC6を介してGND端子へ接続されている。更に、Q端子は、抵抗R11を介して上述した変換部10Aの12Vの出力端子12VAへ接続されている。DIS端子は、R15を介して該出力端子12VAへ接続されると共に、抵抗R14を介してTHR端子に接続されている。該THR端子は、また、TRIG端子へ接続されている。なお、この実施形態で発振部10Bは、矩形波を発生しているが、正弦波等を発生することも可能である。
【0027】
発振部10Bから出力された方形波を増幅する増幅部10Cでは、集積回路U5において、上述した出力端子12VAの12V電位がVcc端子に印加され、上述したタイマ用集積回路U4からの一定周期の方形波を抵抗R12及び電解コンデンサC16を介してIN端子に入力し、OUT端子から、増幅された矩形波を、電解コンデンサC11を介してコイルT1(図6参照)の一次側へ印加する。また、該12VAからの12Vの電位は、コンデンサC21及び電解コンデンサC23の並列回路を介してボディーアースBE側へ接続されている。集積回路U5のNF端子は、電解コンデンサC15を介してボディーアースBEへ接続されており、D.C.端子は、電解コンデンサC14を介してボディーアースBEへ接続されており、上記OUT端子は、フィルムコンデンサC9を介してボディーアースBEへ接続されると共に、電解コンデンサC12を介してB.S.端子へ接続されている。
【0028】
図6は、変圧部10Dと、整流部10Eと、定電圧出力部10Fとを詳細に示している。
増幅部10Cの出力を昇圧する変圧部10Dは、トランスT1からなり、該トランスT1の一次側のPa端子は、増幅部10Cの出力を電解コンデンサC11を介して入力し、Pb端子は、ボディーアースBE側(図5参照)へ接続されている。また、二次側のSa端子及びSb端子は、変圧部10Dの出力を直流に変換するための整流部10Eを構成するダイオードブリッジDBの入力端子IN1,IN2に接続されている。該ダイオードブリッジDBの出力端子OUT1,OUT2は、定電圧出力部10F側に接続されている。また、該出力端子OUT2は、トランスT1の二次側のアースとなる二次アースTEへ接続されている。ダイオードブリッジDBは、4個のダイオードから成る。
【0029】
整流部10Eからの電位から安定した12Vの電位を作り出す定電圧出力部10Fは、集積回路U2(7812)を備え、該集積回路U2の入力端子Vinは、上述したダイオードブリッジDBの出力端子OUT1側に接続されている。一方、集積回路U2のGND端子は、二次アースTEへ接続されている。入力端子Vinと二次アースTEとの間には、電解コンデンサC17と、タンタルコンデンサC8と、コンデンサC2とが接続されている。また、Vout 端子は、12Vの出力端子12VBに接続されおり、該出力端子12VBは、コンデンサC3を介して二次アースTEに接続されている。トランスT1の二次側は、一次側に対して絶縁されており、二次アースTEはボディーアースBEに対して浮いているため、該定電圧出力部10Fは、二次アースTEの電位に対して12V高い電位を出力端子12VBから出力する。
【0030】
図7は、制御信号入力部10Gとドライブコントロール部10Hとを詳細に示している。
制御信号入力部10Gは、図1中に示すCPU12からのオン・オフ信号を入力するためのシーケンサJ2と、該シーケンサJ2の第1端子から抵抗R9を介して接続されたフォトカプラPC1とを備える。該シーケンサJ2の第2端子はボディーアースBEへ接続され、フォトカプラPC1の第1入力端子は、上述した変換部10A側の出力端子12VAに接続されている。本実施形態では、フォトカプラを用いることで入出力を完全に絶縁し、動作の安定を図っている。
【0031】
FETの駆動信号を定電圧出力部10Fからの出力に基づき作成するドライブコントロール部10Hは、集積回路U1を備える。集積回路U1のVDD端子には、上述した定電圧出力部10Fの出力端子12VBからの12Vの電位が印加される。また、該出力端子12VBからの12Vからの電位は、上述したフォトカプラPC1の第4端子に接続されると共に、コンデンサC22を介して二次アースTE(図4参照)に接続されている。該フォトカプラPC1の第3端子は、集積回路U1のINA端子に接続されると共に、抵抗R10を介して二次アースTE(図4参照)に接続されている。また、該集積回路U1ののGND端子は、二次アースTE側に接続され、OUTA端子は、FETドライバ部10I側へ接続されている。
【0032】
図8は、ヒータHへの電力供給を行うためのFETドライバ部10Iを詳細に示している。
該FETドライバ部10Iの主要部は、スイッチング素子である4個のNチャンネル型FET1、FET2、FET3、FET4を並列に接続してなる。これは、上述したようにヒータH側に100Aの大電流を流す際に、中程度の容量のFETを4個組み合わせることでON抵抗の低減を図っている。図10は、図9中のFETの平面図であり、図11は、図10中のK−K断面図である。
当該FET1 〜4は、図11中に示すように、銅製のベースプレート53の上面に配置されており、ベースプレート53とFET1〜4間には、シリコングリス58を塗布している。
【0033】
ベースプレート53は、矩形箱状の金属製筐体51に敷設したシリコン製絶縁シート52の上面に配設されており、これらシリコン製絶縁シート52、ベースプレート53及びFET1〜4は、FET1〜4の上面に載置した銅製の挟着板55と共に、FETの通孔54を挿通する樹脂製ブッシュ56を介してビス57により金属製筐体51に挟着固定されている。
即ち、図11中に示すように、ビス57が、段付き形状を呈する樹脂製ブッシュ56を介して、その先端ネジ部57aを金属製筐体51のネジ山51aに螺合固定されていることにより、シリコン製絶縁シート52、ベースプレート53及びFET1〜4は、FET1〜4の上面に載置した銅製の挟着板55と、金属製筐体51間に強固に挟着固定される。
【0034】
挟着板55には、挟着部55aと立垂部55bとからなる断面L字形状を呈する銅製のアングル材を用いており、当該銅製の挟着板55と銅製のベースプレート53には、それぞれ防錆・防蝕を目的とするクロームメッキが施されている。本実施形態では、挟着板55の立垂部55bを、挟着部55aに対してほぼ直角に立ち上げた例を示したが、立垂部55bの立ち上げ角度は、挟着部55aに対して鋭角、或いは鈍角であっても差し支えない。また、シリコン製絶縁シート52は、絶縁性と放熱性の二つの観点から0.5mm程度の厚さにすることが望ましい。
【0035】
FET1〜4のソースSは、丸端子部72とビス73とナット74からなる第1ソース接続部70により、一旦、挟着板55の立垂部55bに接続され、当該挟着板55を介して第2ソース接続部71から、24V、即ち、図1中に示す正側端子に接続されている。また、本実施例以外にも狭着板にタップ加工を施し、ナット74をなくすことも可能である。
【0036】
一方、FET1〜4のゲートGは、図8中に示す抵抗R1,R2,R3、R4を介して、上述したドライブコントロール部10Hからの制御信号を入力するようになっている。ゲートの端子部は収縮チューブ等をかぶせ、ソース・ドレインに接触しないようにする。
【0037】
FET1〜4のドレインDは、丸端子部62と皿ビス63(皿ビス取り付けには、ベースプレートにタップ加工がしてある)とナット64からなる第1ドレイン接続部60により、一旦、銅製のベースプレート53に接続され、当該ベースプレート53を介して第2ドレイン接続部61から、バッテリBの正端子(+24V)に接続される。尚、各FET1〜4の底面部には、もう一つの矩形面状ドレイン端子(図示せず)が露出しており、このもう一つのドレイン端子はビス57の締付力によりシリコングリス58の薄膜を退け、銅製のベースプレート53に密着している。これにより、1素子につき、ドレインの電源供給は2ヶ所ででき、導電性、放熱効果はさらに増加する。
【0038】
図3を参照して上述したように、ヒータHは、一端が入力端子38に接続され、他端がボディーアースBE側(図3に示す排気ガス浄化装置DPF1の筐体34:即ち、図1中のバッテリBの負側)へ接続された8本のシーズ線36から成る。このように、FETのソースSは、銅製のベースプレート55から二次アースTEにも電気的に接続され、ヒータHのハイ側の端子に接続される。
【0039】
また、図8に示すように各FET1,FET2、FET3,FET4のゲートとソースとの間には、抵抗R5,R6、R7,R8が接続されている。更に、該FET1,FET2、FET3,FET4と並列に抵抗R16及びコンデンサC19が接続されている。
【0040】
本実施形態のヒータ駆動回路のスイッチング装置を構成するFETドライバ部では、FETのソースSから挟着板55、ドレインDからベースプレート53までのハーネスが極めて短く形成されるので、FETのドレイン・ソース接続部にはハーネスの重量による負荷が殆ど掛からず、接続部の外れによる断線等のトラブルを未然に防止することができる。
【0041】
更に、金属製筐体51の上面に配設したシリコン製絶縁シート52が、FETに加わる振動に対し、緩衝材として機能する。更に、本実施形態では、バッテリBの低電位(24V)しか加わらないため、金属製筐体51と他の構成部材との絶縁を、絶縁シート53と樹脂製ブッシュ56及びビス57という簡易な手段で達成することができる。また、FETがベースプレート53と挟着板55とに挟持されているため、両部材からFETに発生する熱を効率的に発散することができる。
【0042】
また、ベースプレート53とFET間に塗布したシリコングリス58が、緩衝用薄膜となりFETへの振動伝搬を一層緩和することができる。更に、ベースプレート53と挟着板55を銅製としたことにより、他の導電性材料に比し、導電性及び放熱性の両者をバランス良く向上させることができる。
【0043】
このヒータ駆動回路10の回路動作について、図4を参照して説明する。トランスT1において二次側は、一次側から絶縁されており、二次側に接続された定電圧出力部10Fは、二次アースTEの電位に対して12V高い電位を出力端子12VBから出力している。ドライブコントロール部10Hの集積回路U1のVDD端子には、上記定電圧出力部10Fからの二次アースTEに対して12V高い電位が印加されている。ここで、図1中に示すCPU12からのヒータHへのオン信号が制御信号入力部10Gを介して入力されると、該集積回路U1は、二次アースTEに対する12Vの電位をFET1,FET2、FET3、FET4のゲート側へ出力する。これに応じて、FET1,FET2、FET3、FET4がオンして、ヒータH側にバッテリBからの24Vの電位が印加される。FET1,FET2、FET3、FET4は、ベースプレート53と挟着板55間の浮遊容量により同時にオンすることができる。
【0044】
このオン状態が続くと、低抵抗であるヒータHの入力端子38の電位が24V近くまで高まる。ここで、該入力端子38の電位が高まると、これに伴い、二次アースTEの電位も上昇し、定電圧出力部10Fは、該高まった二次アースTEの電位よりも12V高い電位を発生する。このため、ドライブコントロール部10Hの集積回路U1は、FET1,FET2、FET3、FET4のゲートへ、該二次アースTEに接続されたドレインに対してほぼ12Vの電位差を有する電位を印加し、該FET1,FET2、FET3、FET4のオン状態を維持することができる。
【0045】
なお、この実施形態では、本発明のスイッチング装置を排気ガス浄化装置の再生システムに適用した例を挙げたが、本発明のスイッチング装置は、種々の電源装置に用い得ることは言うまでもない。更に、本実施形態では、FETのソース(出力端子)を挟着板へ、また、ドレイン(入力端子)をベースプレートへ接続したが、ドレイン側を挟着板へ、ソース側をベースプレートへ接続することも可能である。
【0046】
更に、本実施形態では、スイッチング素子としてFETを用いたが、IGBT、トランジスタ、更には、交流を制御するトライアック等を用いることも可能である。また、本実施形態では、中央に通孔の形成されたFETを例示したが、通孔の形成されていない平板状のスイッチング素子を用いることもできる。
更に、本実施例では、強固に狭着固定するためにFETとFETとの間にもFET取り付けと同様な取り付け方法で、狭着板とベースプレートと金属製筐体とを固定してある。また、ビス57とベースプレート53の隙間には絶縁スリーブを使用する。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、請求項1のスイッチング装置では、スイッチング素子の出力端子又は入力端子の一方は挟着板に、また、他方はベースプレートにそれぞれ接続されていることから、これらのハーネスは極めて短く形成されるので、接続部にはハーネスの重量による負荷が殆ど掛からず、接続部の外れによる断線等のトラブルを未然に防止することができる。また、スイッチング装置がベースプレートと挟着板とに挟持されているため、スイッチング装置に発生する熱を効率的に発散することができる。筐体の上面に配設した絶縁シートが、スイッチング素子自体に加わる振動に対し、緩衝材として機能する。
【0048】
請求項2の排気ガス浄化装置用ヒータ駆動装置では、ハーネスが極めて短く形成されるので、スイッチング素子のドレイン・ソース接続部にはハーネスの重量による負荷が殆ど掛からず、接続部の外れによる断線等のトラブルを未然に防止することができ、筐体の上面に配設した絶縁シートが、スイッチング素子自体に加わる振動に対し、緩衝材として機能する。更に、金属製筐体と他の構成部材との絶縁を、絶縁シートとブッシュ及びビスという簡易な手段で達成することができる。また、スイッチング装置がベースプレートと挟着板とに挟持されているため、スイッチング装置に発生する熱を効率的に発散することができる。
【0049】
請求項3の排気ガス浄化装置用ヒータ駆動装置では、ベースプレートと挟着板間の浮遊容量により、各スイッチング素子を同時にオンすることができる。
【0050】
請求項4の排気ガス浄化装置用ヒータ駆動装置では、ベースプレートとスイッチング素子間に塗布したシリコングリスが、緩衝用薄膜となりスイッチング素子への振動伝搬を一層緩和することができる。
【0051】
請求項5の排気ガス浄化装置用ヒータ駆動装置では、ベースプレートと挟着板を銅製としたことにより、他の導電性材料に比し、導電性及び放熱性の両者をバランス良く向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る排気ガス浄化装置用ヒータ駆動装置を用いる排気ガス浄化装置の再生システムのブロック図である。
【図2】図1に示す排気ガス浄化装置の構成を示す説明図である。
【図3】排気ガス浄化装置の断面図である。
【図4】ヒータ駆動回路の回路図である。
【図5】ヒータ駆動回路の変換部、発振部、変換部の回路図である。
【図6】ヒータ駆動回路の変圧部、整流部、定電圧出力部の回路図である。
【図7】ヒータ駆動回路の制御信号入力部、ドライブコントロール部の回路図である。
【図8】ヒータ駆動回路のFETドライバ部の回路図である。
【図9】本実施形態の排気ガス浄化装置用ヒータ駆動装置の概要斜視図である。
【図10】ヒータ駆動装置のFETドライバ部平面図である。
【図11】図10のK−K線、要部断面図である。
【符号の説明】
10 ヒータ駆動回路
10I FETドライバ部(スイッチング装置)
12 CPU
20 制御回路
51 金属製筐体
52 シリコン製絶縁シート(絶縁シート)
53 ベースプレート
54 通孔
55 挟着板
56 樹脂製ブッシュ
57 ビス
58 シリコングリス
H ヒータ
DPF1、DPF2、DPF3 排気ガス浄化装置
B バッテリ
BE ボディーアース
TE 二次アース
T1 トランス
Claims (5)
- 金属製筐体内に絶縁シートを敷設し、該絶縁シートの上面に導電性材料で形成したベースプレートを配設し、当該ベースプレートの上面に平板状のスイッチング素子を配置し、該スイッチング素子の上面に導電性材料で形成した挟着板を挟着固定し、前記スイッチング素子の入力端子又は出力端子の一方は挟着板に接続し、スイッチング素子の入力端子又は出力端子の他方をベースプレートに接続したことを特徴とするスイッチング装置。
- 金属製筐体内に絶縁シートを敷設し、該絶縁シートの上面に導電性材料で形成したベースプレートを配設し、当該ベースプレートの上面に平板状のスイッチング素子を配置し、該スイッチング素子の上面に導電性材料で形成した挟着板を載置し、該挟着板にブッシュを介してビスを挿通すると共に、当該ビスの先端部を前記金属製筐体に螺合固定し、金属製筐体と挟着板間に、絶縁シートとベースプレートとスイッチング素子を挟着固定し、スイッチング素子の入力端子又は出力端子の一方は挟着板に接続し、スイッチング素子の入力端子又は出力端子の他方はベースプレートに接続されていることを特徴とするスイッチング装置。
- 挟着板とベースプレート間に挟着固定したスイッチング素子が複数個であることを特徴とする請求項2に記載のスイッチング装置。
- ベースプレートとスイッチング素子間にシリコングリスを塗布したことを特徴とする請求項2又は3に記載のスイッチング装置。
- ベースプレートと挟着板は銅製であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載のスイッチング装置。
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