JP3872002B2 - 送信出力制御回路 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、自動利得制御に関し、特に、安定した高周波信号を出力する送信出力制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、従来の送信出力制御回路を示す図である。高周波信号を入力し出力をアンテナ部3Aに供給する可変利得増幅器1Aと、方向性結合器を構成する第1のストリップライン21A及び第1のストリップライン21Aに結合し接地間に抵抗4Aを有する第2のストリップライン22Aと、第2のストリップライン22Aに接続された検波ダイオード5Aと、検波ダイオード5Aに接続され、可変利得増幅器1Aを制御する自動送信電力制御部(ALC回路)6Aとから構成される。
【0003】
図4に示す送信出力制御回路は、入力された高周波信号は可変利得増幅器1Aにて増幅された後、方向性結合器2Aの第1のストリップライン21Aを通過し、アンテナ部3Aへ出力される。
ここで第1のストリップライン21Aと平面上で平行に配置された方向性結合器2A内の第2のストリップライン22Aは、一端が終端抵抗4Aにより終端しており最大のカップリング量を得るように構成されている。但しこの時のカップリング量は、第1のストリップライン21Aと第2のストリップライン22Aとの間のギャップ幅Wにより決定される。
【0004】
ギャップ幅Wが小さければ、カップリングが蜜になりカップリング量が大きくなるが挿入損失が大きくなり、逆にギャップ幅Wが小さくなればカップリング量は小さくなり、挿入損失を小さくできることは既知である。
【0005】
よって、従来の送信出力制御回路では、消費電力最小化のため挿入損失が最小になるようなギャップ幅の設定を実施していたが、カップリング量が不充分であるため、可変利得増幅器の出力レベルが低い場合、直線性が不良となり(図2の第2のストリップラインの特性参照)、ALC回路6Aから可変利得増幅器1Aへ出力される電圧は高精度な電圧とならないので、正しい直流電圧が設定できずアンテナ部から送信される電力が不安定になるという問題がある。
【0006】
このため、3つのストリップラインを用いて、高周波信号の大小により結合度の異なるストリップラインから分岐した高周波信号を出力レベルの制御に使用するものが提案されている(特許文献1参照)。
図5は、このような他の従来例の構成を示す図である。この送信出力制御回路は、可変抵抗減衰器10B、ストリップライン11B、12B、13B、スイッチ14B、検波回路15B、カウンタ16B等から構成される。高周波信号が通過するストリップライン11Bにカップリングする2つのストリップライン12B、13Bを有するストリップラインカプラを用いて、通常パワーの送信時には結合度の少ないストリップライン12Bからの分岐信号を使用し、パワーダウン時には結合度の大きいストリップライン13Bからの分岐信号を使用するようにスイッチ14Bで切り替え、それぞれ検波回路15Bで検波し、カウンタ16Bを介して可変抵抗減衰器10Bを制御することにより、ダイナミックレンジを広げる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−209108号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の単一のストリップラインの帰還構成でなる送信出力制御回路は、高周波信号の出力レベルの大きい場合と小さい場合とで帰還信号の信号レベル差が大きく、検波ダイオードの特性により、送信出力を自動制御する制御信号が非線形となり、送信出力が不安定となる等の問題がある。
【0009】
また、図5に示すように、帰還用の2つのストリップラインを備える方向性結合器を使用するものは、線形性が改善されるものの、大きい送信出力時に、使用していない方の結合度の大きいストリップラインによる挿入損失による送信出力制御回路の消費電力が大きくなるという問題がある。
【0010】
(目的)
本発明の目的は、大電力の出力制御が必要な送信出力制御回路において、安定した送信電力レベルで信号をアンテナから送出できる送信出力制御回路を提供することにある。
本発明の目的は、大きな送信出力制御を必要とする送信回路においてより高精度に制御された送信電力がアンテナ部より出力できる送信出力制御回路を提供することにある。
本発明の目的は、大電力用と小電力用の結合器をもつことによって、常に検波特性の直線性が良好であり、大電力時の結合器の挿入損失を最小にできる送信出力制御回路を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の送信出力制御回路は、可変出力制御回路から所定レベル以上又は前記所定レベル未満の何れかの高周波信号を選択的に出力する送信出力制御回路であって、前記可変出力制御回路の出力の高周波信号を通過させる第1のストリップラインと、前記第1のストリップラインと結合し所定の結合度で前記高周波信号を分岐する第2のストリップラインと、前記第1のストリップラインと結合し前記第2のストリップラインの結合度より大きい結合度で前記高周波信号を分岐する第3のストリップラインと、前記第2のストリップラインの一端とアースレベルの間に接続した終端抵抗と他端に接続した第1の検波ダイオードと、前記高周波信号が前記所定レベル以上の場合に、前記第3のストリップラインの両端をアースレベルに接続し、前記高周波信号が前記所定レベル未満の場合に、第3のストリップラインの一端を終端抵抗を介してアースレベルに接続し他端を第2の検波ダイオードに接続するように切り換える切換手段と、前記第1の検波ダイオード及び第2の検波ダイオードの検波出力側の端子を直流接続して出力した検波出力により前記可変出力制御回路を制御するALC回路と、を備えることを特徴とする。
【0012】
前記ALC回路は、前記第1の検波ダイオード又は第2の検波ダイオードによる検波出力と、高周波信号が所定レベル以上か又は所定レベル未満かに応じて設定された自動制御のしきい値とを比較する差動増幅器を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の送信出力制御回路は、制御レベルの大きい自動送信電力制御部を具備する移動通信機器の送信出力制御回路であって、
入力された高周波信号を外部から入力された直流制御電圧によって利得を可変でき、出力レベルを変化させることができる可変利得増幅器と、
前記可変利得増幅器の出力を通過させアンテナ部へ出力する第1のストリップラインと、
第1のストリップラインと平面的に平行となり、第1のストリップラインを通過する高周波信号により一定量のカップリング量にて高周波信号を出力する第2のストリップラインであって、一端には終端抵抗を介してグランドレベルが、もう一端には前記高周波信号を直流電圧に変換する第1の検波ダイオードの一端が接続された第2のストリップラインと、
第1のストリップラインと立体的に平行となり、両端がグランドレベルではないときに、第1のストリップラインを通過する高周波信号を第2のストリップラインより大きい一定量のカップリング量にて高周波信号を出力する第3のストリップラインであって、一端にはグランドレベルと終端抵抗とを切り替えることのできる切換器を有し、もう一端にはグランドレベルと前記高周波信号を直流電圧に変換する第2の検波ダイオードの一端へ接続される端子とを切り替えることのできる切換器を有する第3のストリップラインと、
前記高周波信号が前記所定レベル以上の場合に、前記第3のストリップラインの両端をアースレベルに接続し、前記高周波信号が前記所定レベル未満の場合に、第3のストリップラインの一端をアースレベルに接続し他端を第2の検波ダイオードに接続するように前記切換器を切り替える切換手段と、
第1の検波ダイオード及び第2の検波ダイオードの直流接続された他端から出力された直流電圧を指定された送信電力の大きさに応じて、あらかじめ求められたしきい値と比較し、送信されている電力の大小を判断し、前記可変利得増幅器へ適正な送信電力がアンテナから出力されるよう前記直流制御電圧を制御するALC回路と、を具備することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の送信出力制御回路の第1の実施の形態について詳細に説明する。
【0015】
(構成の説明)
図1は、本発明の第1の実施の形態の構成を示す図である。本実施の形態は、高周波信号をアンテナ部3に供給して送信する送信電力の出力レベルが大きい場合と小さい場合とで、回路構成を切り換えて送信信号の直線性及び送信効率を高めるように構成した移動通信機器等に適用可能な送信出力制御回路である。本実施の形態の回路構成は以下のとおりである。
【0016】
図1に示すように本実施の形態の構成は、高周波信号を増幅する可変利得増幅器1と、前記可変利得増幅器1の利得制御信号を出力するALC回路10と、第1のストリップライン21、第2のストリップライン22及び第3のストリップライン23から構成される方向性結合器2と、アンテナ部3と、送信電力が大小に応じて回路構成を切り替える送信電力大/小制御回路4と、2つの切換器6、11と、2つの高周波信号の検波用のダイオード8、9とから構成される。
【0017】
各部のより詳細な構成及び機能は以下のとおりである。
可変利得増幅器1は、入力された高周波信号を外部(ALC回路10)から入力された直流制御電圧によって利得を可変でき、直流制御電圧に応じて出力レベルを変化させ、増幅出力の高周波信号を方向性結合器2の第1のストリップライン21に出力する。
【0018】
方向性結合器2は、第1のストリップライン21にカップリングするようにストリップラインの平面が平行に配置された第2のストリップライン22と第3のストリップライン23とを備え、第1のストリップライン21を通過する高周波信号に基づき、それぞれ異なるカップリング量で高周波信号を出力する。第2のストリップライン22の一端は、ダイオード9に接続され、もう一端は最大のカップリング量が得られるような終端抵抗5を介してアースレベルに接続される。第3のストリップライン23は、その両端がそれぞれ切換器6及び切換器11に接続される。
【0019】
ここで、カップリング量は平行配置されるストリップライン間の間隔等により設定可能であり、本実施の形態では、第2のストリップライン22の第1のストリップライン21に対するカップリング量は約20dBであり、第3のストリップライン23の第1のストリップライン21に対するカップリング量は約10dBに設定する。
【0020】
切換器6は、第3のストリップライン23の一端を終端抵抗7を介してグランド(接地)レベルに接続した端子と、直接グランドレベルに接続した端子との間で切り替え可能な切り替えスイッチであり、切換器11は、第3のストリップライン23の他の一端をグランドレベルに接続した端子と、直接グランドレベルに接続した端子との間で切り替える切り替えスイッチである。切換器6、11は送信電力大/小制御回路4からの制御により、図1に示す位置又は反対の位置に切換器6、11間で同期的に切り替えられる。
【0021】
この結果、大きい送信電力(送信電力「大」)の場合は、送信電力大/小制御回路4からの制御により、切換器6、11は、第3のストリップライン23の一端をグランドレベルに接続し、もう一端をグランドレベルに接続する。この状態では、カップリング量が大きいことによる挿入損失が大きい第3のストリップライン23の挿入損失が最小に設定される。また、第1のダイオード9は第2のストリップライン22の一端に接続されており、カップリングにより第2のストリップライン22に誘起した高周波信号を検波し高周波信号を直流電圧(検波出力)に変換してALC回路10に出力する。
【0022】
また、小さい送信電力(送信電力「小」)の場合は、送信電力大/小制御回路4からの制御により、切換器6、11は、第3のストリップライン23の一端を終端抵抗7を介してグランドレベルに接続し、もう一端を検波用の第2のダイオード8に接続される。この状態では、第2のダイオード8は、第3のストリップライン23に誘起した高周波信号を切換器11を介して検波し、高周波信号を直流電圧(検波出力)に変換してALC回路10に出力する。このとき、第2の検波ダイオード8から出力された直流電圧は、第1の検波ダイオード9から出力された直流電圧と加算後、ALC回路10へ出力されるが、第2、第3のストリップラインのカップリング量の相違によりダイオード8の検波出力はダイオード9側の検波出力より大いので、ダイオード9は逆バイアスされ検波動作は停止する。
【0023】
ALC回路6は、送信電力「大」又は「小」に応じた送信電力大/小制御回路4からの制御信号により、前記第1又は第2のダイオード9、8の検波出力を入力し、それぞれに対応する、あらかじめ設定されたしきい値と比較する差動増幅器を備え、その差分を可変利得増幅器1の利得の直流制御電圧として出力し、適正な送信電力がアンテナから出力されるように制御する。
【0024】
(動作の説明)
図1、図2を参照して本実施の形態の動作について詳細に説明する。本実施の形態ではアンテナ部から送出する送信電力が大きい場合と小さい場合とで回路動作が異なる。以下、送信電力の大小別に動作を説明する。
(送信電力が大きい場合の動作)
本実施の形態では、アンテナ部から大きな送信電力(送信電力「大」)を送出する時は、以下のように動作する。
送信電力大/小制御回路4は、切換器6、11に対する切換制御信号により、切り替えスイッチを図示と逆の状態に切り替える。同時にALC回路10のしきい値Vrefを大きい送信電力値でダイオード9側から出力される検波電圧値に相当する値に設定する。
【0025】
可変利得増幅器1に高周波信号が入力し、増幅された高周波信号は方向性結合器2内の第1のストリップライン21を通過後、アンテナ部3へ出力される。第1のストリップライン2と第2のストリップライン3の間隔、ギャップ値は、カップリング量が約20dBになるように設定されているため、第2のストリップライン22には、第1のストリップラインから約20dB落ちた送信電力を誘起する。
【0026】
第2のストリップライン22に接続された第1の検波ダイオード9は、前記送信電力を検波し直流電圧に変換し、この直流電圧はALC回路10に入力される。なお、第2のダイオード8は、切換器11により第3のストリップライン23と切断されており、検波出力は零である。
【0027】
ALC回路10は、あらかじめアンテナから送出される送信電力「大」に見合ったしきい値が設定されており、入力された直流電圧がしきい値と同一となるように可変利得増幅器1の増幅度(利得)を可変制御する直流電圧を出力することにより、アンテナ部3からの送信電力「大」の出力は一定に保たれる。なお、ALC回路10の構成、動作は既知のもので実現される。
【0028】
以上の動作では、第1のストリップライン21と垂直方向に平行に配置される第3のストリップライン23の両端に配置される切替器6、切替器11は、送信電力大/小信号によって両端ともグランドレベルに固定される。
(送信電力が小さい場合の動作)
次に、アンテナから小さな送信電力(送信電力「小」)を送出する時は、以下のように動作する。
送信電力大/小制御回路4は、切換器6、11に対する切換制御信号により、切り替えスイッチを図示の状態に切り替える。つまり、切替器6、11は、第3のストリップライン23の一端を終端抵抗7を介してアースレベルに接続し、もう一端は第2の検波ダイオード8に接続する。同時にALC回路10のしきい値Vrefを小さい送信電力値でダイオード8側から出力される検波電圧値に相当する値に設定する。
【0029】
可変利得増幅器1に高周波信号が入力し、増幅された高周波信号は方向性結合器2内の第1のストリップライン21を通過後、アンテナ部3へ出力される。第1のストリップライン21と第3のストリップライン23の間隔、ギャップ値は、カップリング量が約10dBになるように設定されているため、第3のストリップライン23には、第1のストリップラインから約10dB落ちた送信電力を誘起する。
【0030】
第2のダイオード8は、切換器11により第3のストリップライン23と接続されており、第2の検波ダイオード8は、前記送信電力を検波し直流電圧に変換し、この直流電圧はALC回路10に入力される。また、第1の検波ダイオード9からの直流電圧もALC回路10に入力されるように構成されているが、送信電力「小」の動作では、実質上第2の検波ダイオード8からの直流電圧により動作する。
【0031】
ALC回路10は、あらかじめアンテナ部から送出される送信電力「小」に見合ったしきい値が設定されており、入力された直流電圧がしきい値と同一となるように直流制御電圧を出力し可変利得増幅器1の増幅度(利得)を制御することにより、アンテナ部3からの送信電力「小」の出力は一定に保たれる。
【0032】
図2は、可変利得増幅器の出力レベルに対する第1、第2の検波電圧、その直線性及び第2及び第3のストリップラインによる挿入損失の特性を示す図である。以下、本実施の形態の送信電力「大」「小」に応じた動作での送信出力制御回路の特性について説明する。
【0033】
図2に示すように、第2のストリップライン22側は、カップリング量は約20dBであり、挿入損失が0.5dB程度と低く、検波電圧は全体的に低い。また、検波特性は可変利得増幅器1の出力レベルの高い領域では直線性が良く、低い領域では非線形特性を示す。これに対し第3のストリップライン23側は、カップリング量が約10dBであり、挿入損失が0.8dB程度と大きいが、可変利得増幅器1の出力レベルが低い領域でも充分な誘起電圧を示し、検波特性は線形特性(直線性)を維持できることがわかる。
【0034】
本実施の形態では、送信電力「大」の場合は、切換器6、11は第2のストリップライン22を使用する構成に切り替わっており、第2のストリップライン22側の検波電圧はダイオードの飽和特性により直線性の良い特性を示し、第2のストリップライン22による挿入損失も0.5dB程度と比較的少ない良好な特性を示す。このとき第3のストリップライン23側は、挿入損失は0.8dB程度と比較的大きな特性を示すが、送信電力大/小制御回路4の制御により、切換器6、11が第3のストリップライン23の両端をアースレベルに切り替えるので、挿入損失は殆ど影響しない程度に低下させることができる。つまり、送信電力「大」において良好な直線性及び挿入損失の特性を得ることが可能である。
【0035】
送信電力「小」の場合は、切換器11、6は第3のストリップライン23を使用する構成に切り替わっており、第3のストリップライン23の挿入損失は0.8dB程度と比較的大きい特性を示すが、第3のストリップライン23のカップリング量が約10dBであるから出力レベルの低い領域でも充分な誘起電圧を示し、その検波特性は、送信電力「小」の領域でも直線性の良い特性を示す。
【0036】
以上により、送信電力大/小制御回路からの制御信号により、図2の切換ポイントで切換器6、11を切り替え、第3のストリップライン23を併用することにより、送信電力「小」から送信電力「大」の全領域で直線性の良好な特性を実現するとともに、送信電力「大」の領域での第3のストリップライン23を設けることによる挿入損失の影響を低減することが可能である。
【0037】
(他の実施の形態)
以上の実施の形態では、帰還信号を生成する手段として方向性結合器を使用する例で説明したが、帰還回路を方向性結合器の代わりに結合用コンデンサを使用することにより構成することができる。
【0038】
図3は、かかる第2の実施の形態の構成例を示す図である。同一記号を付したブロックは同一機能を有する。以下、第2の実施の形態について詳細に説明する。
【0039】
本実施の形態では、可変利得増幅回路1の出力に設けた切換器20と、前記切換器20の出力側の2つの接点とALC回路10の入力の間に、それぞれ結合用のコンデンサ24と検波用のダイオード26の直列回路と、結合用のコンデンサ25と検波用のダイオード27の直列回路とを設ける構成を備える。ここで結合コンデンサ24の定数は、カップリング量が約20dBになるように設定され、結合コンデンサ25の定数は、カップリング量が約10dBになるように設定される。
【0040】
(送信電力が大きい場合の動作)
第2の実施の形態では、アンテナから大きな送信電力(送信電力「大」)を送出する時は、以下のように動作する。
送信電力大/小制御回路4は、制御信号により切換器20を制御し、信号可変利得増幅器1の出力を結合コンデンサ24に供給するように切り替える。また、ALC回路10を制御し、基準電圧Vrefを送信電力「大」に応じた大きいしきい値に設定する。結合コンデンサ24の出力は可変利得増幅器1の出力から約20dB落ちた送信電力を出力し、第1のダイオード26は、直線性の高い領域で検波動作を行い、高周波信号を直流電圧に変換して出力する。
【0041】
第1の検波ダイオード26から出力された直流電圧はALC回路10に入力され、ALC回路10は、あらかじめアンテナ3から送出される送信電力「大」に見合った前記しきい値と同一となるように、可変利得増幅器1に直流制御電圧を出力し、負帰還動作によりアンテナ3から出力される送信電力は一定に保たれる。
【0042】
以上により、本実施の形態の送信出力制御回路は、可変利得増幅器1がALC回路10から出力される直流電圧によって増幅度を可変し、入力された高周波信号をアンテナ部3から一定の出力レベルとして送信する。ここで、送信出力制御回路は他のコンデンサ25及びダイオード27による損失等の影響を受けることがない。
【0043】
(送信電力小さい場合の動作)
第2の実施の形態では、アンテナから小さな送信電力(送信電力「小」)を送出する時は、以下のように動作する。
送信電力大/小制御回路4は、制御信号により切換器20を制御し、信号可変利得増幅器1の出力を結合コンデンサ25に供給するように切り替える。また、ALC回路10を制御し、基準電圧Vrefを送信電力「小」に応じた小さいしきい値に設定する。結合コンデンサ25の出力は可変利得増幅器1の出力から約10dB落ちた送信電力を出力し、第2のダイオード27は、直線性の高い領域で検波動作を行い、高周波信号を直流電圧に変換して出力する。
【0044】
第2の検波ダイオード27から出力された直流電圧はALC回路10に入力され、ALC回路10は、あらかじめアンテナ部3から送出される送信電力「小」に見合った前記しきい値と同一となるように、可変利得増幅器1に直流電圧を出力し、アンテナ3から出力される送信電力は一定に保たれる。
【0045】
以上により、本実施の形態の送信出力制御回路は、可変利得増幅器1がALC回路10から出力される直流制御電圧によって増幅度を可変し、入力された高周波信号をアンテナ3から一定の出力レベルとして送信する。ここで、送信出力制御回路は他のコンデンサ24及びダイオード26による損失等の影響を受けることがない。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、大電力用と小電力用の方向性結合器等の結合回路を用いることにより、可変利得増幅器の利得制御用の直流制御電圧の生成に直線性が高い検波特性を利用できるので、大きな送信出力から小さな送信出力まで、直線性の高い送信電力の制御が可能であり、アンテナ部より正確な送信電力を送出することができる。
【0047】
また、大電力時にはカップリング量が大きい小電力用の結合回路の結合部の影響を実質的に低減するように構成することにより、小電力用の結合回路の結合部のカップリングによる挿入損失が最小とすることができ、大電力時の結合回路の結合部の挿入損失を最小にできるため可変利得増幅器の消費電力を最小限に抑えることができる。また、挿入損失が最小とすることができるので、可変利得増幅器から出力される電力を小さくでいるので、可変利得増幅器の消費電流を低く抑えることが可能でもある。
【0048】
なお、結合回路として方向性結合器(ストリップラインカプラ)を使用することにより高周波信号をストリップラインを通過させてアンテナ部に供給するように構成することができ、ストリップラインカプラにより可変利得増幅器とアンテナ部側との整合機能をも与えることが可能となる。
【0049】
更に、マイクロストリップカプラを使用することにより、立体的に方向性結合器を構成できるため、プリント板の表面層及び内層を利用する構成を採用することができ実装面積を最小にできるから、送信出力制御回路をプリント板で構成する場合に小型化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示す図である。
【図2】 第1の実施の形態の帰還回路の特性を示す図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態を示す図である。
【図4】 従来例を示す図である。
【図5】 他の従来例を示す図である。
【符号の説明】
1可変利得増幅器
2 結合回路
21 第1のストリップライン
22 第2のストリップライン
23 第3のストリップライン
24 第1のコンデンサ
25 第2のコンデンサ
26 第1のダイオード
27 第2のダイオード
3 アンテナ部
4 送信電力大/小制御回路
6、11、20 切換器
7 抵抗
8、9 検波ダイオード
10 ALC回路
Claims (3)
- 可変出力制御回路から所定レベル以上又は前記所定レベル未満の何れかの高周波信号を選択的に出力する送信出力制御回路であって、
前記可変出力制御回路の出力の高周波信号を通過させる第1のストリップラインと、
前記第1のストリップラインと結合し所定の結合度で前記高周波信号を分岐する第2のストリップラインと、
前記第1のストリップラインと結合し前記第2のストリップラインの結合度より大きい結合度で前記高周波信号を分岐する第3のストリップラインと、
前記第2のストリップラインの一端とアースレベルの間に接続した終端抵抗と他端に接続した第1の検波ダイオードと、
前記高周波信号が前記所定レベル以上の場合に、前記第3のストリップラインの両端をアースレベルに接続し、前記高周波信号が前記所定レベル未満の場合に、第3のストリップラインの一端を終端抵抗を介してアースレベルに接続し他端を第2の検波ダイオードに接続するように切り換える切換手段と、
前記第1の検波ダイオード及び第2の検波ダイオードの検波出力側の端子を直流接続して出力した検波出力により前記可変出力制御回路を制御するALC回路と、
を備えることを特徴とする送信出力制御回路。 - 前記ALC回路は、前記第1の検波ダイオード又は第2の検波ダイオードによる検波出力と、高周波信号が所定レベル以上か又は所定レベル未満かに応じて設定された自動制御のしきい値とを比較する差動増幅器を備えることを特徴とする請求項1記載の送信出力制御回路。
- 制御レベルの大きい自動送信電力制御部を具備する移動通信機器の送信出力制御回路であって、
入力された高周波信号を外部から入力された直流制御電圧によって利得を可変でき、出力レベルを変化させることができる可変利得増幅器と、
前記可変利得増幅器の出力を通過させアンテナ部へ出力する第1のストリップラインと、
第1のストリップラインと平面的に平行となり、第1のストリップラインを通過する高周波信号により一定量のカップリング量にて高周波信号を出力する第2のストリップラインであって、一端には終端抵抗を介してグランドレベルが、もう一端には前記高周波信号を直流電圧に変換する第1の検波ダイオードの一端が接続された第2のストリップラインと、
第1のストリップラインと立体的に平行となり、両端がグランドレベルではないときに、第1のストリップラインを通過する高周波信号を第2のストリップラインより大きい一定量のカップリング量にて高周波信号を出力する第3のストリップラインであって、一端にはグランドレベルと終端抵抗とを切り替えることのできる切換器を有し、もう一端にはグランドレベルと前記高周波信号を直流電圧に変換する第2の検波ダイオードの一端へ接続される端子とを切り替えることのできる切換器を有する第3のストリップラインと、
前記高周波信号が前記所定レベル以上の場合に、前記第3のストリップラインの両端をアースレベルに接続し、前記高周波信号が前記所定レベル未満の場合に、第3のストリップラインの一端をアースレベルに接続し他端を第2の検波ダイオードに接続するように前記切換器を切り替える切換手段と、
第1の検波ダイオード及び第2の検波ダイオードの直流接続された他端から出力された直流電圧を指定された送信電力の大きさに応じて、あらかじめ求められたしきい値と比較し、送信されている電力の大小を判断し、前記可変利得増幅器へ適正な送信電力がアンテナから出力されるよう前記直流制御電圧を制御するALC回路と、
を備えることを特徴とする送信出力制御回路。
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